JPH09264248A - ピストン式圧縮機における起動ショック緩和装置 - Google Patents

ピストン式圧縮機における起動ショック緩和装置

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Publication number
JPH09264248A
JPH09264248A JP8072654A JP7265496A JPH09264248A JP H09264248 A JPH09264248 A JP H09264248A JP 8072654 A JP8072654 A JP 8072654A JP 7265496 A JP7265496 A JP 7265496A JP H09264248 A JPH09264248 A JP H09264248A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
chamber
supply passage
discharge
pressure supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8072654A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisaya Yokomachi
尚也 横町
Satoshi Umemura
聡 梅村
Takahisa Tokushige
貴久 徳重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成によって、クラッチ接続時及び液
冷媒の圧縮時にピストンに作用する圧縮負荷を緩和し
て、振動や騒音の発生を抑制することができるピストン
式圧縮機における起動ショック緩和装置を提供するこ
と。 【解決手段】 第2制御室59はスプール48の背面側
に形成され、固定絞り74を有する高圧力供給通路73
を介してフロント側吐出室32につながる連通路44と
連通されている。また、同第2制御室59は、低圧力供
給通路75を介してリヤ側吸入室30と連通されてい
る。電磁開閉弁76は同低圧力供給通路75上に介在さ
れ、電磁クラッチ63の接続に同期して同通路75を閉
鎖し、同電磁クラッチ63の解離に同期して同通路75
を開放する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両空調用
のピストン式圧縮機に関し、特に、同圧縮機に適用され
る起動ショック緩和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に固定容量型の両頭ピストン式圧縮
機においては、両頭型のピストンがシリンダブロックに
形成された複数のシリンダボア内に収容されている。吸
入室及び吐出室は、フロントハウジング及びリヤハウジ
ングにそれぞれ区画形成されている。そして、吸入室内
の冷媒ガスは、前記両頭ピストンの往復動作によってシ
リンダボア内に吸入されて圧縮され、吐出室内へ吐出さ
れる。
【0003】ところで、前記両頭ピストン式圧縮機にお
いては、吐出孔が各シリンダボアに対応して両バルブプ
レートにそれぞれ形成されている。固定型の吐出弁は同
吐出孔に対応して設けられており、冷媒ガスの吸入時に
は閉弁され、また、冷媒ガスの吐出時には開弁される。
【0004】このような圧縮機においては、クラッチの
接続により圧縮機が車両エンジン等の外部駆動源に作動
連結されてピストンの往復動が開始されると、圧縮機の
圧縮負荷が急激に立ち上がる。特に車両搭載形態におい
て、この急激な圧縮負荷の変化が、負荷トルクの変動と
して車両エンジン等の外部駆動源に伝達されて、車両エ
ンジン等の回転数の変動が励起されることがある。この
回転数の変動は、ON−OFFショックと呼ばれ、体感
フィーリングの悪化を招くものであった。
【0005】また、圧縮機の起動に際して、シリンダボ
ア内に溜った液冷媒に圧縮力が作用されることがある。
圧縮機が液圧縮状態となると、ピストンに大きな圧縮負
荷が作用して、衝撃的な振動や騒音が発生するという問
題があった。
【0006】従来、本出願人はこのような問題を解決す
るために、例えば、特開昭61−72885号公報にお
いて起動ショック緩和装置を備えた圧縮機を提案してい
る。すなわち、可動吐出弁がリヤ側バルブプレートの吐
出孔に対応して配設されている。同可動吐出弁はスプー
ルの移動に連動して、吐出孔と接触される作用位置と、
吐出孔から離間される不作用位置とに切換移動される。
制御室はスプールの背面に形成されている。第1電磁開
閉弁は、同制御室と吐出圧領域とを連通する高圧力供給
通路上に介在されている。また、第2電磁開閉弁は、同
制御室と吸入圧領域とを連通する低圧力供給通路上に介
在されている。
【0007】そして、圧縮機が起動されると、その起動
信号に基づいて第1電磁開閉弁及び第2電磁開閉弁がそ
れぞれ開閉動作され、制御室が吐出圧領域に連通される
とともに、吸入圧領域との連通が遮断される。従って、
前記スプールは、制御室内に供給された吐出圧力によっ
てバネの付勢力に抗して移動され、不作用位置にある可
動吐出弁を作用位置に配置させる。
【0008】また、圧縮機が停止されると、その停止信
号に基づいて第1電磁開閉弁及び第2電磁開閉弁がそれ
ぞれ開閉動作され、制御室が吸入圧領域に連通されると
ともに、吐出圧領域との連通が遮断される。従って、制
御室内の圧力は吸入圧領域に逃がされて低下され、スプ
ールがバネの付勢力によって移動されることにより、可
動吐出弁は不作用位置に配置される。
【0009】このように、圧縮機の停止時において可動
吐出弁を不作用位置に配置させることにより、圧縮機の
起動から可動吐出弁が作用位置に配置されるまでの数秒
程度、可動吐出弁が対応された圧縮室内においては通常
の圧縮動作がなされない。従って、圧縮機の起動時にお
ける圧縮負荷は緩やかに上昇され、クラッチの接続時に
おける体感フィーリングの悪化や、液冷媒の圧縮に起因
した振動や騒音の発生が低減される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術においては、第1電磁開閉弁が高圧力供給通路上に、
また、第2電磁開閉弁が低圧力供給通路上にそれぞれ介
在されている。電磁開閉弁を2つ備えることは、起動シ
ョック緩和装置の複雑化やコスト高につながっていた。
【0011】ここで、前記第1及び第2電磁開閉弁に変
えて、一つの三方切換弁を高圧力供給通路と低圧力供給
通路との合流部分に介在させることが提案されている。
しかし、同三方切換弁は電磁開閉弁と比較して構造が複
雑であり、前者の技術の欠点を解決するまでには至らな
かった。
【0012】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
に着目してなされたものであって、その目的は、簡単な
構成によって、クラッチ接続時及び液冷媒の圧縮時にピ
ストンに作用する圧縮負荷を緩和して、振動や騒音の発
生を抑制することができるピストン式圧縮機における起
動ショック緩和装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、吐出室内に配設されたスプール
支持部と、同スプール支持部に嵌挿支持され、前記弁形
成体に対して近接・離間方向へ移動可能なスプールと、
前記弁形成体上の少なくとも1つの吐出孔に接離可能に
対応し、前記スプールに連動して、吐出孔に接触される
作用位置と、同吐出孔から離間される不作用位置との間
を移動可能な可動吐出弁と、同可動吐出弁を不作用位置
に配置するように、前記スプールを付勢する付勢手段
と、前記スプールの前面側に形成された第1制御室と、
前記スプールとスプール支持部とにより囲まれて、同ス
プールの背面側に区画形成された第2制御室と、同第2
制御室と、圧縮機の起動によって第1制御室の圧力より
高圧となる高圧領域とを連通し、その途中位置に固定絞
りを有する高圧力供給通路と、前記第2制御室と、高圧
領域より低圧な低圧領域とを連通する低圧力供給通路
と、圧縮機の起動に基づいて低圧力供給通路を閉塞し、
また、圧縮機の停止に基づいて低圧力供給通路を開放す
る制御手段とを備えた起動ショック緩和装置である。
【0014】請求項2の発明では、前記制御手段は、電
磁クラッチの接続・解離動作に同期して低圧力供給通路
の閉鎖・開放を行うものである。請求項3の発明では、
前記制御手段は、電磁クラッチのコアを励磁するための
電気的信号に基づいて低圧力供給通路の閉鎖・開放を行
うものである。
【0015】請求項4の発明では、前記制御手段は、電
磁クラッチのコアが励磁されることによって生じる電磁
力に基づいて低圧力供給通路の開放・閉鎖を行うもので
ある。
【0016】請求項5の発明では、前記制御手段は、圧
縮機の起動・停止に伴う吸入圧領域の圧力変化に基づい
て低圧力供給通路の開放・閉鎖を行うものである。請求
項6の発明では、前記制御手段は、駆動軸の回転に基づ
いて低圧力供給通路の開放・閉鎖を行うものである。
【0017】請求項7の発明では、前記可動吐出弁が配
置された吐出室と吸入圧領域とがバイパス通路により連
通されるとともに、作用位置に配置された可動吐出弁に
よって同バイパス通路が閉鎖されるように構成し、可動
吐出弁が配置された吐出室と吐出フランジとを連通する
連通路上には、同可動吐出弁が作用位置にない場合に、
同連通路を閉鎖する制御弁が配設されたものである。
【0018】(作用)上記構成の請求項1の発明におい
ては、圧縮機が停止された状態においては、制御手段に
より低圧力供給通路が開放され、第2制御室には低圧領
域から圧力が供給される。従って、第2制御室と第1制
御室との差圧は小さく、スプールが付勢手段により付勢
されて可動吐出弁が不作用位置に配置されている。
【0019】この状態で圧縮機が起動されると、可動吐
出弁が対応されない圧縮室においては通常の圧縮動作が
なされる。しかし、可動吐出弁が対応された圧縮室にお
いては、不作用位置にある同可動吐出弁によって、殆ど
の冷媒ガスが吐出孔から吐出室へバイパスされて圧縮動
作が殆どなされない。
【0020】ここで前記制御手段は、圧縮機の起動に基
づいて低圧力供給通路を閉鎖する。従って、低圧力領域
から第2制御室への圧力の供給が停止され、同第2制御
室には高圧領域から高圧力供給通路を介して圧力の供給
がなされる。この時、同高圧力供給通路上の固定絞りに
より供給圧力が絞られ、第2制御室の圧力上昇は緩慢と
なる。そして、第2制御室の圧力と第1制御室との差圧
が付勢手段による付勢力を上回ると、スプールは可動吐
出弁を作用位置に配置すべく移動される。従って、吐出
孔と吐出室との間のバイパス量が徐々に減少されて、圧
縮負荷は緩やかに上昇される。
【0021】また、前記動作状態にある圧縮機が停止さ
れると、制御手段は低圧力供給通路を開放する。従っ
て、第2制御室の圧力は同低圧力供給通路を介して低圧
力領域へ逃がされて低下される。そして、同第2制御室
と第1制御室との差圧が、付勢手段による付勢力を下回
ると、スプールは作用位置にある可動吐出弁を不作用位
置に配置すべく移動される。
【0022】請求項2の発明において前記制御手段は、
電磁クラッチの接続動作に同期して低圧力供給通路を閉
鎖し、同電磁クラッチの解離動作に同期して同通路を開
放する。
【0023】請求項3の発明において前記制御手段は、
電磁クラッチのコアを励磁するための電気的信号が発せ
られると低圧力供給通路を閉鎖し、同電気的信号が発せ
られていない状態では同通路を開放する。
【0024】請求項4の発明において前記制御手段は、
コアの励磁によって電磁力が生じると低圧力供給通路を
閉鎖し、同電磁力が生じていない状態では同通路を開放
する。
【0025】請求項5の発明において前記制御手段は、
圧縮機の起動により、吸入圧領域の圧力が圧縮機の停止
時と比較して低くなると低圧力供給通路を閉鎖し、圧縮
機の停止により同圧力が高くなると同通路を開放する。
【0026】請求項6の発明において前記制御手段は、
圧縮機の起動により駆動軸が回転されると低圧力供給通
路を閉鎖し、圧縮機の停止により駆動軸の回転が停止さ
れると同通路を開放する。
【0027】請求項7の発明においては、可動吐出弁が
作用位置にない状態ではバイパス通路が開放されてお
り、可動吐出弁が配置された吐出室の冷媒は同バイパス
通路を介して吸入圧領域へ逃がされる。この時、連通路
は制御弁により閉鎖されており、可動吐出弁が配置され
ない吐出室からの冷媒ガスが、吐出フランジを介して可
動吐出弁が配置された吐出室へ流入されることはない。
【0028】そして、圧縮機の起動によって可動吐出弁
が作用位置に配置されると、バイパス通路が閉鎖され、
可動吐出弁が配置された吐出室の圧力は通常の圧縮動作
により上昇される。従って、制御弁は連通路を開放し、
可動吐出弁が配置された吐出室からの吐出冷媒ガスは、
吐出フランジを介して外部冷媒回路に向けて吐出され
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を両頭ピストン式圧
縮機において具体化した第1〜第5実施形態について説
明する。なお、第2〜第5実施形態において第1実施形
態と同様な部材には同じ番号が付してある。
【0030】(第1実施形態)図1に示すように、一対
のシリンダブロック11は、対向端縁において互いに接
合されている。フロントハウジング12は、シリンダブ
ロック11の前端面にフロント側弁形成体13を介して
接合されている。リヤハウジング14は、シリンダブロ
ック11の後端面にリヤ側弁形成体15を介して接合さ
れている。そして、前記フロントハウジング12及びリ
ヤハウジング14は、通しボルト17によりシリンダブ
ロック11の両端面に締結固定されている。
【0031】駆動軸18は、前記シリンダブロック11
及びフロントハウジング12の中央に、一対のラジアル
ベアリング19を介して回転可能に支持されている。リ
ップシール20は、駆動軸18の前端外周とフロントハ
ウジング12との間に介装されている。
【0032】ボス部12αは前記フロントハウジング1
2の前壁面に突設され、駆動軸18のフロントハウジン
グ12からの突出端部を取り囲んでいる。電磁クラッチ
63は、駆動軸18と図示しない車両エンジン等の外部
駆動源との間に介在されている。すなわち、同電磁クラ
ッチ63を構成するロータ64は、ボス部12αの外周
面にアンギュラベアリング65を介して回転可能に支持
されている。外部駆動源に連結されたベルト66は、同
ロータ64の外周に巻き掛けられている。アーマチャ6
7は、駆動軸18の突出端部に固定されたブッシュ68
に板バネ69を介して固定されている。コア70はフロ
ントハウジング12の前壁面に固定され、ロータ64内
に収容配置されている。駆動装置71はコア70に接続
されており、例えば、車両空調装置の冷房負荷等に基づ
く図示しないコンピュータの制御によって同コア70の
励磁・消磁を行う。
【0033】そして、前記駆動装置71によりコア70
が励磁されると、その電磁力によってアーマチャ67が
板バネ69のバネ力に抗してロータ64側に吸引され、
同ロータ64に対して圧接される。従って、外部駆動源
の駆動力が駆動軸18に伝達される。この状態からコア
70が消磁されると、アーマチャ67が板バネ69のバ
ネ力によりロータ64から離間されて駆動力の伝達が遮
断される。
【0034】複数のシリンダボア21は、前記駆動軸1
8と平行に延びるように、各シリンダブロック11の両
端部間に同一円周上で所定間隔おきに貫通形成されてい
る。両頭型のピストン22は各シリンダボア21内に往
復動可能に嵌挿支持され、それらの両端面と弁形成体1
3,15との間において、各シリンダボア21内には圧
縮室23(フロント側),24(リヤ側)が形成されて
いる。
【0035】クランク室25は、前記両シリンダブロッ
ク11の中間内部に区画形成されている。斜板26はク
ランク室25内において駆動軸18に嵌合固定され、そ
の外周部がシュー27を介してピストン22の中間部に
係留されている。そして、同ピストン22は、駆動軸1
8の回転により斜板26を介して往復動される。一対の
スラストベアリング28は、斜板26の両端面と各シリ
ンダブロック11の内端面との間に介装され、このスラ
ストベアリング28を介して斜板26が両シリンダブロ
ック11間に挟着保持されている。このクランク室25
は図示しない吸入フランジを介して外部冷媒回路に接続
されており、吸入圧領域を構成している。
【0036】フロント側吸入室29及びリヤ側吸入室3
0は、前記フロントハウジング12及びリヤハウジング
14内の外周部に環状に区画形成されている。吸入通路
31はシリンダブロック11及び両弁形成体13,15
に形成され、前記フロント側吸入室29及びリヤ側吸入
室30をクランク室25に接続している。
【0037】フロント側吐出室32及びリヤ側吐出室3
3は、フロントハウジング12及びリヤハウジング14
内の内周部において環状に区画形成されている。吐出フ
ランジ43は、リヤ側のシリンダブロック11の外周面
に接合固定されている。前記フロント側吐出室32及び
リヤ側吐出室33は、それぞれ連通路44,45を介し
て吐出フランジ43に接続されている。そして、両連通
路44,45は同吐出フランジ43内において合流さ
れ、同吐出フランジ43を介して図示しない外部冷媒回
路に接続されている。
【0038】フロント側吸入弁機構34及びリヤ側吸入
弁機構35は、前記各弁形成体13,15に形成され、
各シリンダボア21に対応する複数の吸入孔36,37
と、同吸入孔36,37を開閉する吸入弁38,39と
を備えている。そして、ピストン22の上死点位置から
下死点位置への移動に伴って、これら吸入弁機構34,
35により、両吸入室29,30から各圧縮室23,2
4内に冷媒ガスが吸入される。
【0039】フロント側吐出弁機構40は、前記フロン
ト側弁形成体13に形成され、各シリンダボア21に対
応する複数の吐出孔41と、各吐出孔41を開閉する固
定型の吐出弁42とを備えている。そして、ピストン2
2の下死点位置から上死点位置への移動に伴って、この
吐出弁機構40により、各フロント側圧縮室23内の冷
媒ガスが所定の圧力にまで圧縮されてフロント側吐出室
32に吐出される。
【0040】次に、上記構成の両頭ピストン式圧縮機に
適用された、起動ショック緩和装置について説明する。
図1〜図3に示すように、横断面円形状をなす収容孔4
6は、リヤ側のシリンダブロック11及びリヤ側弁形成
体15にかけて形成され、リヤ側吐出室33内に開口さ
れている。略円筒状をなすスプール支持部47は、リヤ
側吐出室33内においてリヤハウジング14の内壁面に
突設されている。同スプール支持部47と前記収容孔4
6とは同一軸線上に配置されている。
【0041】スプール48は、有底円筒状をなす第1及
び第2部材49,50からなっている。両部材49,5
0は、互いの底面同士を対向させた状態にてボルト51
により一体化されている。同第1部材49は前記収容孔
46内に嵌挿されている。第2部材50はスプール支持
部47内に嵌挿されている。そして、同スプール48
は、第1部材49の外周面が収容孔46の内周面に、第
2部材50の外周面がスプール支持部47の内周面によ
って案内されることで、自身の軸線方向に移動可能であ
る。
【0042】複数のリヤ側吐出孔52は、前記各シリン
ダボア21に対応してリヤ側弁形成体15に形成されて
いる。可動吐出弁53はリテーナ54とともにスプール
48の両部材49,50間において挟着固定され、その
外周には各リヤ側吐出孔52に接離可能に対応する複数
の開閉部53αが形成されている。ガイドピン55は、
可動吐出弁53及びリテーナ54の一部に挿通されてい
る。同ガイドピン55は、その両端部がリヤハウジング
14及びリヤ側弁形成体15に貫通形成されたピン収容
孔14α,15αにそれぞれ収容されている。従って、
可動吐出弁53及びリテーナ54は、同ガイドピン55
によりボルト51の軸線を中心とした回動が規制され、
同軸線方向、つまり、リヤ側弁形成体15に対して近接
・離間方向への移動のみが許容されている。
【0043】バネ座56は、前記リヤ側のラジアルベア
リング19の後端に接合配置されている。付勢手段とし
てのバネ57は、同バネ座56と第1部材49の前面と
の間に介装されている。そして、図1に示すように、ス
プール48が同バネ57の付勢力により後方側に移動付
勢されて、可動吐出弁53がリヤ側吐出孔52から離間
した不作用位置に配置されている。
【0044】第1制御室58は、前記収容孔46の内空
間がバネ座57及び第1部材49により区画されて、同
スプール48の前面側に形成されている。同第1制御室
58は、リヤ側のラジアルベアリング19を介してクラ
ンク室25と連通されている。第2制御室59は、前記
第2部材50の背面とスプール支持部47とにより囲ま
れて形成されている。
【0045】円環状をなすシールリング60は、第2部
材50の外周面に取り付けられている。同シールリング
60がスプール支持部47の内周面に対して環状領域で
圧接されることで、第2制御室59とリヤ側吐出室33
とがシールされている。
【0046】バイパス通路72は、前記第1部材49の
外周面と収容孔46の内周面との間のクリアランスによ
り形成され、同バイパス通路72を介して前記リヤ側吐
出室33と第1制御室58(クランク室25)とが連通
されている。なお、同バイパス通路72は、前記可動吐
出弁53がリヤ側吐出孔52に接触した状態(作用位
置)にて、同可動吐出弁53の内周部がリヤ側弁形成体
15に表れる収容孔46の開口周縁に円環状領域で当接
することで閉鎖される。
【0047】制御弁としての逆止弁61は前記連通路4
5内に配置され、リヤ側吐出室33の圧力が吸入圧力付
近の低圧力の場合には同連通路45を閉鎖し、吐出圧力
付近の高圧力の場合には開放する。
【0048】そして、高圧領域であるフロント側吐出室
32に接続された連通路44と、前記第2制御室59と
は、高圧力供給通路73を介して常に(圧縮機の作動・
停止に関わらず)連通されている。固定絞り74は同高
圧力供給通路73上に介在されている。同固定絞り74
は、図示しないが、通路73の一部を小径に加工した
り、同通路73内に絞りピンを挿入配置すること等によ
り構成されている。
【0049】また、低圧領域であるリヤ側吸入室30
と、前記第2制御室59とは、低圧力供給通路75を介
して連通されている。制御手段を構成する電磁開閉弁7
6はリヤハウジング14内に配設され、前記低圧力供給
通路75上に介在されている。同電磁開閉弁76は、ソ
レノイド77が励磁されることにより固定鉄芯78及び
可動鉄芯79が互いに近接される。従って、同可動鉄芯
79に固定された球状の弁体80がポート81に当接さ
れ、低圧力供給通路75が閉鎖される。また、ソレノイ
ド77が消磁されることにより、可動鉄芯79はバネ8
2の付勢力によって固定鉄芯78から離間される。従っ
て、弁体80がポート81から離間されて、低圧力供給
通路75が開放される。
【0050】さて、本実施形態において前記電磁開閉弁
76のソレノイド77は、前記駆動装置71に対して電
磁クラッチ63のコア70と並列的に接続されている。
従って、駆動装置71からコア70を励磁するために出
力された電気信号は、ソレノイド77に対しても略同時
に入力され、同ソレノイド77が励磁される。また、励
磁状態にあるコア70が消磁されると、それと略同時に
ソレノイド77も消磁される。言い換えれば、図4
(a)に示すように、電磁クラッチ63が接続されると
略同時に低圧力供給通路75が閉鎖され、また、接続状
態にある同電磁クラッチ63が解離されると、略同時に
同低圧力供給通路75が開放される。電磁クラッチ63
が接続状態にあることは、圧縮機が作動状態にあること
を意味する。また、電磁クラッチ63が解離状態にある
ことは、圧縮機が停止状態にあることを意味する。
【0051】なお、電磁クラッチ63のロータ64とア
ーマチャ67との間の滑り等によって、同電磁クラッチ
63の接続から圧縮機の起動(ピストン22の往復動開
始)までには若干のタイムラグが存在する。また、駆動
軸18、斜板26或いはピストン22等の慣性力によ
り、電磁クラッチ63の解離から圧縮機の停止(ピスト
ン22の往復動停止)までには若干のタイムラグが存在
する。しかし、本明細書ではこれらのタイムラグは無視
することとする。
【0052】次に、前記構成の両頭ピストン式圧縮機の
作用について説明する。さて、コア70の消磁により電
磁クラッチ63が解離状態にある場合、外部駆動源から
の駆動力は駆動軸18に伝達されず、本圧縮機はピスト
ン22の往復動が停止された、停止状態にある。この
時、電磁開閉弁76のソレノイド77も消磁状態にあ
り、低圧力供給通路75は開放されている。このため、
第2制御室59は低圧力供給通路75を介してリヤ側吸
入室30と連通されて低圧力となっており、同第2制御
室59と第1制御室58との間の差圧は小さい。従っ
て、図1に示すように、スプール48がバネ57の付勢
力により後方に移動され、可動吐出弁53が不作用位置
に配置されている。
【0053】この状態から、コンピュータの制御により
駆動装置71がコア70の励磁を行うと、解離状態にあ
る電磁クラッチ63が接続されて車両エンジン等の外部
駆動源から駆動軸18へ駆動力が伝達される。この駆動
軸18の回転にともなう斜板26の回転に連動してピス
トン22の往復動が開始される。従って、各フロント側
圧縮室23では、同ピストン22の往復動に伴って、冷
媒ガスの吸入室29からの吸入、圧縮室23での圧縮及
び吐出室32への吐出のサイクル(通常の圧縮動作)が
開始される。
【0054】一方、ピストン22の往復動に伴ってリヤ
側吸入室30から圧縮室24に吸入された冷媒ガスは、
可動吐出弁53が不作用位置に配置されているため、ほ
とんど圧縮されることなく吐出室33に吐出される。従
って、同リヤ側吐出室33は吸入圧力付近の低圧力であ
り、逆止弁61は連通路45を遮断する。その結果、フ
ロント側吐出室32から吐出された高圧冷媒ガスが、連
通路44,45を介してリヤ側吐出室33へ流入される
ことはない。
【0055】前記電磁クラッチ63のコア70が励磁さ
れると略同時に、電磁開閉弁76のソレノイド77も励
磁される。このため、低圧力供給通路75が閉鎖され、
第2制御室59とリヤ側吸入室30との連通が遮断され
る。従って、フロント側吐出室32の吐出圧力のみが、
連通路44及び高圧力供給通路73を介して第2制御室
59に供給される。この時、第2制御室59に供給され
る吐出圧力は、高圧力供給通路73上に介在された固定
絞り74によって絞られる。従って、図4(b)におい
て点線で示すように、第2制御室59内における圧力の
上昇は、フロント側吐出室32における圧力の上昇と比
較して緩慢となる。
【0056】そして、圧縮機の起動から所定時間が経過
された後、第2制御室59に供給される吐出圧力と第1
制御室58の吸入圧力との差圧がバネ57による付勢力
を越えて上昇される。すると、図2に示すように、同ス
プール48が前方にゆっくりと移動されて可動吐出弁5
3が作用位置に配置され、バイパス通路72が閉鎖され
る。そして、リヤ側圧縮室24においても、ピストン2
2の往復動により通常の圧縮動作が開始される。従っ
て、リヤ側吐出室33の圧力が上昇されて逆止弁61が
連通路45を開放し、同リヤ側吐出室33の吐出冷媒ガ
スは、吐出フランジ43を介して外部冷媒回路に排出さ
れる。
【0057】このように、圧縮機の起動時から、例え
ば、数秒程度、リヤ側圧縮室24からリヤ側吐出室3
3、ひいてはバイパス通路72を介してクランク室25
へ冷媒ガスがバイパスされることになる。従って、同リ
ヤ側圧縮室24で発生し、ピストン22に作用する圧縮
負荷の立ち上がりが緩和される。その結果、圧縮機の起
動ショックに基づく振動や騒音の発生が抑制される。
【0058】また、圧縮機の起動時において、リヤ側圧
縮室24内に停留された液冷媒は、可動吐出弁53が不
作用位置から作用位置へ移動される間に前記ピストン2
2の往復動によって同圧縮室24外へ排出される。ま
た、リヤ側吐出室33内に排出された液冷媒は、同リヤ
側吐出室33の圧力とクランク室25の圧力との間の差
圧により、バイパス通路72を介してクランク室25へ
排出される。その結果、リヤ側圧縮室24内における液
圧縮が防止され、起動時の振動や騒音の発生が低減され
る。
【0059】一方、図4(a)及び図4(b)に示すよ
うに、コア70の消磁により電磁クラッチ63が解離さ
れると、外部駆動源から駆動軸18への駆動力の伝達が
停止される。このため、ピストン22の往復動が停止さ
れて、フロント側吐出室32から第2制御室59への圧
力の供給が停止される。また、コア70の消磁と略同時
に電磁開閉弁76のソレノイド77も消磁され、低圧力
供給通路75が開放される。従って、第2制御室59の
圧力はリヤ側吸入室30へ逃がされて、フロント側吐出
室32の圧力よりも速やかに低下される。
【0060】そして、同第2制御室59の圧力と第1制
御室58の圧力との差圧がバネ57の付勢力を下回る
と、スプール48が後方側に移動されて、図1に示すよ
うに可動吐出弁53が不作用位置に配置される。
【0061】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)高圧力供給通路73上には固定絞り74のみが介
在されており、第2制御室59の圧力を外部から制御す
るための構成は、低圧力供給通路75上に介在された1
つの電磁開閉弁76のみである。従って、高圧力供給通
路73及び低圧力供給通路75上にそれぞれ電磁開閉弁
を介在させたり、両通路73,75の合流部分に三方切
換弁を配置することと比較して、簡単かつ安価に起動シ
ョック緩和装置を構成できる。
【0062】(2)電磁開閉弁76のソレノイド77
を、駆動装置71に対して電磁クラッチ63のコア70
と並列的に接続し、同電磁クラッチ63の接続・解離に
低圧力供給通路75の閉鎖・開放を同期させている。従
って、電磁開閉弁76を電磁クラッチ63の接続・解離
に同期して制御するための専用の制御回路や駆動装置を
必要とせず、簡単かつ安価に起動ショック緩和装置を構
成できる。
【0063】(3)リヤ側吐出室33とクランク室25
とは、可動吐出弁53が作用位置にない状態にてバイパ
ス通路72を介して連通されている。従って、圧縮室2
4の液冷媒をクランク室25へ逃がすことができ、バイ
パス通路72を有しない圧縮機と比較して、液圧縮の抑
制効果が大となる。
【0064】(4)逆止弁61が連通路45内に配設さ
れている。このため、可動吐出弁53が作用位置にない
状態、つまり、リヤ側吐出室33が低圧力にある状態
で、フロント側吐出室32から同リヤ側吐出室33への
高圧冷媒ガスの流入を防止できる。従って、同高圧冷媒
ガスがバイパス通路72を介してクランク室25に流入
され、同クランク室25において再膨張されて、再び圧
縮サイクルに戻る内部循環を防止できる。その結果、圧
縮機における圧縮効率の低下や、圧縮機の起動後、直ち
に外部冷媒回路に高圧冷媒ガスが排出されない起動性の
悪化を防止できる。
【0065】(5)シールリング60は、スプール48
の移動の際にスプール支持部47の内周面に摺接されて
移動抵抗となる。このため、可動吐出弁53の不作用位
置から作用位置への移動がさらに緩慢となり、ピストン
22に作用する圧縮負荷の立ち上がりをいっそう効果的
に緩和できる。
【0066】(第2実施形態)図5においては第2実施
形態を示す。本実施形態においては、上記第1実施形態
から逆止弁61が削除されている。また、円環状をなす
シールリング83がスプール48において第1部材49
の外周面に配設されており、同シールリング83は収容
孔46の内周面に対して環状領域で圧接されている。つ
まり、上記第1実施形態からバイパス通路72が削除さ
れており、可動吐出弁53の作用位置・不作用位置に関
わらず、リヤ側吐出室33とクランク室25との連通は
常に遮断されている。
【0067】従って、圧縮機の起動直後から、フロント
側吐出室32の高圧冷媒ガスが連通路44,45を介し
てリヤ側吐出室33に流入されるが、同ガスはシールリ
ング83により遮断されてクランク室25に流入される
ことはない。その結果、同高圧冷媒ガスがクランク室2
5において再膨張されて、再び圧縮サイクルに戻る内部
循環を防止できる。言い換えれば、第1部材49と収容
孔46との間にシールリング83を介在させたことによ
り、上記第1実施形態において必要であった逆止弁61
が廃止できた。
【0068】そして、本実施形態においてはリヤ側吐出
室33を高圧領域とし、同リヤ側吐出室33と第2制御
室59とが高圧力供給通路84を介して連通されてい
る。同高圧力供給通路84は前記スプール支持部47に
貫設されており、その途中位置が小径に加工されて固定
絞り84αをなしている。
【0069】本実施形態においては、上記第1実施形態
と同様な効果を奏する他、次のような効果を奏する。 (1)シールリング83を第1部材49の外周面に配設
し、また、逆止弁61を削除することにより、リヤ側吐
出室33を高圧領域として利用できた。つまり、同構成
を採ることにより、圧縮機の内部において第2制御室5
9と接続可能な領域が増えた。従って、本起動ショック
緩和装置を圧縮機に適用する際の自由度が増し、その適
用が容易となる。
【0070】(2)リヤ側吐出室33から第2制御室5
9に圧力を導くため、高圧力供給通路84の取り廻しは
リヤハウジング14内(スプール支持部47)のみで行
われる。従って、同通路84を短く設定でき、その加工
が容易となる。
【0071】(3)逆止弁61を廃止したことにより、
圧縮機の構成を簡略化できる。 (4)シールリング83は、スプール48の移動の際に
収容孔46の内周面に摺接されて移動抵抗となる。この
ため、可動吐出弁53の不作用位置から作用位置への移
動がさらに緩慢となり、ピストン22に作用する圧縮負
荷の立ち上がりをいっそう効果的に緩和できる。
【0072】(第3実施形態)図6(a)及び図6
(b)においては第3実施形態を示す。本実施形態にお
いては、上記第1実施形態の電磁開閉弁76の代替とし
てパイロット制御弁88が低圧力供給通路75上に介在
されている。
【0073】すなわち、スプール収容孔89はリヤハウ
ジング14に形成されている。スプール90は収容孔8
9内に挿入配置されており、同収容孔89に沿って上下
方向へ移動可能である。同収容孔89の内空間は蓋材9
1により閉じられている。従って、第1圧力室92はス
プール収容孔89の内空間においてスプール90の上面
側に、第2圧力室93は下面側にそれぞれ区画形成され
ている。内部通路90αは前記スプール90の内部に形
成されている。同内部通路90αの一端側はスプール9
0の上面において第1圧力室92に開口され、他端側は
スプール90の外周面で開口されている。環状をなすシ
ールリング94は、スプール90の外周面において内部
通路90αの開口位置より下側に配設され、第1及び第
2圧力室92,93間をシールしている。透孔91αは
前記蓋材91に形成されており、前記第2圧力室93は
同透孔91αを介して大気に開放されている。
【0074】そして、前記第1圧力室92とリヤ側吸入
室30は、第1低圧力供給通路75Αを介して連通され
ている。第2低圧力供給通路75Bは第2制御室59と
スプール収容孔89とを連通し、同スプール収容孔89
の内周面において開口されている。
【0075】バネ95は、スプール90の下面と蓋材9
1との間に介装されている。そして、図6(b)に示す
ように、スプール90は同バネ95の付勢力により上方
に移動付勢されて、同スプール90の内部通路90αと
第2低圧力供給通路75Bとの連通、つまり、低圧力供
給通路75が遮断されている。
【0076】さて、図6(a)においては、圧縮機が停
止された状態を示している。この状態では、図4(b)
に示すように、冷媒回路内における冷媒ガスの圧力が略
平均化されており、リヤ側吸入室30の圧力、つまり、
パイロット制御弁88における第1圧力室92の圧力は
圧縮機の動作時と比較して高圧となっている。このた
め、スプール90はバネ力に抗して下方へ移動されてお
り、低圧力供給通路75は開放された状態にある。
【0077】この状態から圧縮機が起動され、通常の圧
縮動作によってフロント側吐出室32から外部冷媒回路
に向けて高圧冷媒ガスの吐出がなされる。すると、外部
冷媒回路中の冷房負荷等によって、リヤ側吸入室30に
供給される吸入冷媒ガスの圧力は低下される。このた
め、第1圧力室92の圧力が低下され、同第1圧力室9
2と大気圧である第2圧力室93との差圧がバネ95に
よる付勢力を下回る。すると、図6(b)に示すよう
に、バネ95の付勢力によってスプール90が上方側に
移動されて、低圧力供給通路75が遮断される。
【0078】本実施形態においては、圧縮機の起動・停
止にともなう吸入圧力の変化によって動作される、パイ
ロット制御弁88を用いて低圧力供給通路75の閉鎖・
開放を行っている。従って、同通路75の開閉のために
電気的な構成を必要とせず、安価に起動ショック緩和装
置を構成できる。
【0079】(第4実施形態)図7(a)及び図7
(b)においては第4実施形態を示す。本実施形態にお
いては、上記第1実施形態の電磁開閉弁76の代替とし
て、駆動軸18の回転に基づいて動作される遠心力制御
弁97が用いられている。
【0080】すなわち、弁収容凹部98は駆動軸18の
後端面に凹設されている。通路99は駆動軸18の軸心
位置に弁収容凹部98の内底面側から穿設され、その途
中位置において同駆動軸18の外周面でクランク室25
に開口されている。弁支持部材100は、弁収容凹部9
8の内底面において駆動軸18と同軸位置に固定配置さ
れている。遠心弁101は外周部101αが内周部10
1βと比較して肉厚な円盤状をなし、その外径は弁収容
凹部98の内径より小さい。さらに詳述すれば、同遠心
弁101は、外周部101αにその質量が集中された形
状をなしている。そして、同遠心弁101は、その中心
部を以て前記弁支持部材100の軸線位置に固定されて
おり、駆動軸18の回転に連動して回転される。
【0081】可動隔壁102は弁収容凹部98内に嵌挿
されている。軸受け・シール部材103は同可動隔壁1
02の外周面に配設され、同軸受け・シール部材103
が弁収容凹部98の内周面に圧接されることで、同弁収
容凹部98の内空間と第1制御室58とがシールされて
いる。連結パイプ104は、同可動隔壁102、前記ス
プール48の第1部材49及び第2部材50にかけて挿
通され、各部材102,49,50に対して固定されて
いる。第2制御室59と弁収容凹部98の内空間とは、
同連結パイプ104を介して連通されている。前述した
ように、前記可動隔壁102とスプール48とは、連結
パイプ104を介した固定関係にある。従って、同可動
隔壁102は、軸受け・シール部材103を介すること
で、スプール48の軸線方向への移動に連結パイプ10
4を介して連動されて、弁収容凹部98の内周面に対し
て相対移動可能であり、また、駆動軸18の回転に対し
ては追従回転不能である。本実施形態においては、前記
通路99、弁収容凹部98及び連結パイプ104によっ
て低圧力供給通路105が構成されている。なお、前記
弁支持部材100は有蓋円筒状の部材であり、弁収容凹
部98の内底面に表れる通路99の開口99αを取り囲
むようにして配置されている。しかし、同弁支持部材1
00の周面には複数のスリット100αが穿設されてお
り、通路99と弁収容凹部98の内空間との連通が妨げ
られることはない。
【0082】さて、図7(a)においては、駆動軸18
の回転(圧縮機)が停止された状態を示している。この
状態では、遠心弁101に対して遠心力は作用されず、
同遠心弁101の外周縁と弁収容凹部98の内周面との
間は離間されている。従って、低圧力供給通路105は
開放された状態にある。
【0083】ここで、電磁クラッチ63の接続により駆
動軸18が回転されると、それと同時に遠心弁101も
回転される。この時、特に、質量が集中され、しかも回
転半径が大きい外周部101αに対して大きな遠心力が
作用される。従って、同遠心弁101は、この遠心力に
より主には肉薄である内周部101βが半径方向へ伸長
され、全体的に拡径された状態となる。その結果、図7
(b)に示すように、同遠心弁101の外周縁が弁収容
凹部98の内周面に対して環状領域で圧接されて、低圧
力供給通路105が閉鎖される。
【0084】本実施形態においては、駆動軸18の回転
にともなう遠心力によって動作される、遠心力制御弁9
7を用いて低圧力供給通路105の開閉を行っている。
従って、同通路105の開閉のために電気的な構成を必
要とせず、安価に起動ショック緩和装置を構成できる。
【0085】(第5実施形態)図8(a)及び図8
(b)においては第5実施形態を示す。本実施形態にお
いては、上記第4実施形態から遠心弁101及び弁支持
部材100が削除されている。そして、鉄系材料よりな
る弁板107が弁収容凹部98内に配置されている。バ
ネ108は同弁板107と弁収容凹部98の内底面との
間に介在されており、弁板107は同バネ108により
弁収容凹部98の内底面に対して支持されている。ま
た、同弁板107はバネ108の付勢力により、その前
面に突設された弁部107αが、弁収容凹部100の内
底面に表れる通路99の開口99αに対して離間されて
いる。
【0086】また、上記電磁クラッチ63の板バネ6
9、ブッシュ68、及び駆動軸18は鉄系材料により構
成されており、コア70の励磁によって生じる電磁力
は、同部材69,68,18を介して弁収容凹部98の
内底面付近まで伝達される。
【0087】さて、図8(a)においては圧縮機が停止
された状態を示し、電磁クラッチ63のコア70は消磁
された状態にある。この状態では、前記弁板107はバ
ネ108の付勢力により、その弁部107αが開口99
αから離間されている。従って、低圧力供給通路105
は開放された状態にある。
【0088】ここで、コア70が励磁されると、電磁ク
ラッチ63が接続されて圧縮機が起動されるとともに、
同コア70に生じた電磁力はアーマチャ67、板バネ6
9、ブッシュ68及び駆動軸18を介して弁収容凹部9
8の内底面まで伝達される。従って、鉄系材料よりなる
弁板107は、この電磁力により弁収容凹部98の内底
面側へ吸引され、バネ108の付勢力に抗して移動され
る。その結果、同弁板107の弁部107αが開口99
αに接触することにより同開口99αが封止され、低圧
力供給通路105が閉鎖される。
【0089】本実施形態においては、電磁クラッチ63
のコア70を励磁することによって生じる電磁力を利用
して、低圧力供給通路105の開閉を行っている。従っ
て、同通路105の開閉のための専用の電気的な構成を
必要とせず、安価に起動ショック緩和装置を構成でき
る。
【0090】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で
以下の態様でも実施できる。 (1)上記第1〜第5実施形態において、第2制御室5
9と、低圧力領域としての可動吐出弁53が対応されな
い圧縮室(フロント側圧縮室23)とを低圧力供給通路
75を介して連通させること。この場合、圧縮室23の
圧力はピストン22のストローク位置によって大きく変
化されるため、同通路75上に固定絞りを介在させてそ
の変動を緩やかとする(平均化する)。
【0091】(2)上記第1〜第5実施形態において、
第2制御室59と、高圧領域としての可動吐出弁53が
対応されない圧縮室(フロント側圧縮室23)とを、高
圧力供給通路73を介して連通させること。
【0092】(3)リヤ側吐出孔52において、固定吐
出弁42と可動吐出弁53とを混在させること。 (4)フロント側吐出孔41に可動吐出弁53を、リヤ
側吐出孔52に固定吐出弁42を対応させること。つま
り、起動ショック緩和装置を圧縮機のフロント側に配置
すること。
【0093】(5)片頭ピストン式圧縮機において具体
化すること。この場合、可動吐出弁52と固定吐出弁4
2とを混在させる。
【0094】
【発明の効果】上記構成の請求項1の発明によれば、簡
単な構成によって、クラッチ接続時及び液冷媒の圧縮時
にピストンに作用する圧縮負荷を緩和して、振動や騒音
の発生を抑制することができる。
【0095】請求項2〜6の発明によれば、簡単な構成
によって圧縮機の起動・停止に低圧力供給通路の閉鎖・
開放を同期させられる。請求項7の発明によれば、液圧
縮の抑制効果が大となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 両頭ピストン式圧縮機の縦断面図。
【図2】 可動吐出弁の動作を示す説明図。
【図3】 可動吐出弁付近の横断面図。
【図4】 (a)電磁クラッチの接続・解離と低圧力供
給通路の閉鎖・開放の関係を示すタイムチャート、
(b)圧縮機の各圧力の変化を示すグラフ。
【図5】 第2実施形態を示す図であり、圧縮機のリヤ
側の縦断面図。
【図6】 第3実施形態を示す図であり、(a)は可動
吐出弁が不作用位置に配置された状態を、(b)は作用
位置に配置された状態をそれぞれ示す。
【図7】 第4実施形態を示す図であり、(a)は可動
吐出弁が不作用位置に配置された状態を、(b)は作用
位置に配置された状態をそれぞれ示す。
【図8】 第5実施形態を示す図であり、(a)は可動
吐出弁が不作用位置に配置された状態を、(b)は作用
位置に配置された状態をそれぞれ示す。
【符号の説明】
15…リヤ側弁形成体、29…低圧領域としてのリヤ側
吸入室、33…リヤ側吐出室、44…高圧領域としての
連通路、47…スプール支持部、48…スプール、52
…リヤ側吐出孔、53…可動吐出弁、57…付勢手段と
してのバネ、58…第1制御室、59…第2制御室、7
3…高圧力供給通路、74…固定絞り、75…低圧力供
給通路、76…制御手段を構成する電磁開閉弁。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入室及び吐出室を内部に有し、シリン
    ダブロックの端部に弁形成体を介して接合固定されたハ
    ウジングと、シリンダブロック及びハウジングに支持さ
    れた駆動軸と、同駆動軸と外部駆動源との間に介在さ
    れ、駆動力の伝達・遮断を行う電磁クラッチと、前記駆
    動軸に連結され、シリンダブロックの複数のシリンダボ
    ア内にそれぞれ収容されたピストンとを備え、前記駆動
    軸の回転にともなうピストンの往復動によって、冷媒ガ
    スを吸入室からシリンダボア内の圧縮室に吸入して圧縮
    した後、前記弁形成体に形成された吐出孔を介して吐出
    室へ吐出する構成のピストン式圧縮機において、 前記吐出室内に配設されたスプール支持部と、 同スプール支持部に嵌挿支持され、前記弁形成体に対し
    て近接・離間方向へ移動可能なスプールと、 前記弁形成体上の少なくとも1つの吐出孔に接離可能に
    対応し、前記スプールに連動して、吐出孔に接触される
    作用位置と、同吐出孔から離間される不作用位置との間
    を移動可能な可動吐出弁と、 同可動吐出弁を不作用位置に配置するように、前記スプ
    ールを付勢する付勢手段と、 前記スプールの前面側に形成された第1制御室と、 前記スプールとスプール支持部とにより囲まれて、同ス
    プールの背面側に区画形成された第2制御室と、 同第2制御室と、圧縮機の起動によって第1制御室の圧
    力より高圧となる高圧領域とを連通し、その途中位置に
    固定絞りを有する高圧力供給通路と、 前記第2制御室と、高圧領域より低圧な低圧領域とを連
    通する低圧力供給通路と、 圧縮機の起動に基づいて低圧力供給通路を閉塞し、ま
    た、圧縮機の停止に基づいて低圧力供給通路を開放する
    制御手段とを備えた起動ショック緩和装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、電磁クラッチの接続・
    解離動作に同期して低圧力供給通路の閉鎖・開放を行う
    請求項1に記載の起動ショック緩和装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、電磁クラッチのコアを
    励磁するための電気的信号に基づいて低圧力供給通路の
    閉鎖・開放を行う請求項2に記載の起動ショック緩和装
    置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、電磁クラッチのコアが
    励磁されることによって生じる電磁力に基づいて低圧力
    供給通路の開放・閉鎖を行う請求項2に記載の起動ショ
    ック緩和装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、圧縮機の起動・停止に
    伴う吸入圧領域の圧力変化に基づいて低圧力供給通路の
    開放・閉鎖を行う請求項1に記載の起動ショック緩和装
    置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、駆動軸の回転に基づい
    て低圧力供給通路の開放・閉鎖を行う請求項1に記載の
    起動ショック緩和装置。
  7. 【請求項7】 前記可動吐出弁が配置された吐出室と吸
    入圧領域とがバイパス通路により連通されるとともに、
    作用位置に配置された可動吐出弁によって同バイパス通
    路が閉鎖されるように構成し、可動吐出弁が配置された
    吐出室と吐出フランジとを連通する連通路上には、同可
    動吐出弁が作用位置にない場合に、同連通路を閉鎖する
    制御弁が配設された請求項1〜6のいずれかに記載の起
    動ショック緩和装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100921372B1 (ko) * 2007-03-28 2009-10-14 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 고정용량형 피스톤식 압축기에 있어서의 냉매 흡입 구조체 및, 고정용량형 피스톤식 압축기에 있어서의 운전 제어 방법

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KR100921372B1 (ko) * 2007-03-28 2009-10-14 가부시키가이샤 도요다 지도숏키 고정용량형 피스톤식 압축기에 있어서의 냉매 흡입 구조체 및, 고정용량형 피스톤식 압축기에 있어서의 운전 제어 방법

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