JPH09266331A - トンネル型ジョセフソン素子及びその製造方法 - Google Patents

トンネル型ジョセフソン素子及びその製造方法

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JPH09266331A
JPH09266331A JP8238163A JP23816396A JPH09266331A JP H09266331 A JPH09266331 A JP H09266331A JP 8238163 A JP8238163 A JP 8238163A JP 23816396 A JP23816396 A JP 23816396A JP H09266331 A JPH09266331 A JP H09266331A
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forming
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crystal grain
electrode
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JP8238163A
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Inventor
Masahiro Sakai
全弘 坂井
Hidetaka Tono
秀隆 東野
Hideaki Adachi
秀明 足立
Kentaro Setsune
謙太郎 瀬恒
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化物高温超電導体の固有ジョセフソン接合
を利用したトンネル型ジョセフソン素子及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 MgOの単結晶よりなる基板11の上
に、Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 よりなる酸化物高温
超電導体の結晶化温度以上の温度で熱処理され、結晶粒
界13に囲まれたBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 よりな
る複数の単結晶粒12A,12B,12C,…が形成さ
れている。単結晶粒12Aの上面部には、断面積が40
0μm2 以下で、高さがBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8
のブロック層の間隔の10倍以下である凸部12aが形
成されている。単結晶粒12Aの凸部12aの上面には
Auよりなる第1の電極14Aが形成され、単結晶粒1
2Aにおける凸部12a以外の領域には第2の電極14
Bが形成されている。15はCaF2 よりなる絶縁体膜
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜素子及びその
製造方法に関し、特に、高周波通信や論理回路に応用可
能な、酸化物高温超電導体の固有ジョセフソン接合を利
用したトンネル型ジョセフソン薄膜素子及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の薄膜形成技術の進展により様々な
機能の薄膜素子が実用化されている。例えば、酸化物薄
膜を用いた薄膜素子においては、チタン酸鉛系薄膜が有
する焦電性を利用した赤外線センサや,酸化亜鉛薄膜が
有する圧電性を利用した表面弾性波フィルタなどが実用
化されている。これらの薄膜素子は、素子化に要求され
る薄膜の結晶化の程度が厳格ではないこと、また、結晶
構造が単純なため,必要とされる結晶性を有する薄膜に
容易に形成できること等の要因から、さほど困難を伴う
ことなく実用化がなされた。
【0003】ところが、結晶の強い異方性を利用する素
子においては、わずかの結晶性(結晶の配向性)の乱れ
が素子の特性に大きく影響を与えるため、高い結晶性を
有する薄膜が要求される。例えば、極めて薄い絶縁層を
2つの超電導体を用いて挟むと、これら2つの超電導体
の間で電子対のトンネル現象が生じ、外部からの印加電
圧がなくても薄い絶縁層を通って超電導電流が流れるた
め、トンネル型ジョセフソン素子が得られるが、実際に
は、酸化物高温超電導体が薄い酸化物絶縁層を挟んでな
るトンネル型ジョセフソン素子の製造は、その超電導電
子対のコヒーレンス長が非常に短いため実現が困難であ
った。
【0004】最近、酸化物高温超電導体の2次元性結晶
構造が本質的にジョセフソン接合、即ち、固有ジョセフ
ソン接合を形成していることが明らかにされ、特開平7
−58366号公報にも示されているように、酸化物高
温超電導体よりなる薄膜素子としてのトンネル型ジョセ
フソン素子の製造方法が提案されている。
【0005】以下、従来のトンネル型ジョセフソン素子
の製造方法を図面を参照しながら説明する。
【0006】図13は従来のトンネル型ジョセフソン素
子の製造方法を示す工程順断面図である。トンネル型ジ
ョセフソン素子の各製造方法を順次簡単に説明すると、
まず、図13(a)に示すように、基板101の上に厚
さが約100nmの第1の超電導体薄膜102を形成し
た後、該第1の超電導体薄膜102の上面に選択的にフ
ォトレジストパターン103を形成する。
【0007】次に、図13(b)に示すように、フォト
レジストパターン103をマスクにして第1の超電導体
薄膜102に対して例えば10nmのエッチングを行な
う。
【0008】次に、図13(c)に示すように、基板1
01の上に全面にわたって層間絶縁膜104を前記のエ
ッチング量と同じ程度に堆積する。
【0009】次に、図13(d)に示すように、フォト
レジストパターン103をリフトオフして該フォトレジ
ストパターン103上の層間絶縁膜104を除去した
後、第1の超電導体薄膜102におけるフォトレジスト
パターン103が覆っていた表面を酸素イオンビームで
洗浄し、その後、真空を破ることなく基板101の上に
全面にわたって厚さが約150nmの第2の超電導体薄
膜105を堆積する。その後、図13(e)に示すよう
に、第2の超電導体薄膜105に対して幅が100μm
となるようにエッチングを行なう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のトンネル型ジョセフソン素子の製造方法は、図13
(e)に示す、第1の超電導体薄膜102と第2の超電
導体薄膜105との界面である接合領域102aの結晶
性が粗悪になる。具体的には、図13(e)における接
合領域102aの拡大図である図14(b)の平面図及
び図14(b)におけるXIV −XIV 線の断面構造を示す
図14(a)に示すように、結晶が有する層状構造が接
合領域102a全体で保持されず,原子レベルにおいて
部分的に不連続になる。このため、結晶の層状構造にお
ける高抵抗層(ブロック層)による電気的な絶縁が十分
になされなくなることがあるので、結晶の層状構造にお
いて上下の(c軸方向の)低抵抗層が電気的に接続され
てしまい、トンネル接合特性が得られなくなってしまう
という問題を有している。
【0011】また、図13(d)に示す接合領域102
aは微細加工技術により微細に形成されるため、第1の
超電導体薄膜102を形成する際に、少なくとも現在の
微細加工技術により加工可能な大きさ(約1μm以上)
の単結晶領域を、他の領域と容易に識別できる状態で得
ることが必要であるが、現在の薄膜化技術では、このよ
うな条件を満たす単結晶領域を得ることは困難である。
【0012】さらに、接合領域102aを形成する際
に、第1の薄膜形成、微細加工及び第2の薄膜形成とい
う工程を必要とするため、接合領域102aに、例えば
水分子等の不純物が付着しやすくなる。従って、超電導
層と絶縁層とが交互に配向してなる固有ジョセフソン接
合を有する酸化物高温超電導体におけるc軸配向膜に該
不純物が付着すると、該絶縁層に新たな絶縁層が2層以
上積層することになるため、トンネル接合特性が得られ
なくなってしまう。このように、超電導体薄膜を複数回
に分けて形成すると、良質の接合を得ることが困難であ
るという問題を有している。
【0013】このように、特開平7−58366号公報
に提案された方法では、実質的に良好な素子特性を有す
るトンネル型ジョセフソン薄膜素子を製造することはで
きない。
【0014】本発明は、前記従来の問題を解決し、酸化
物高温超電導体の固有ジョセフソン接合を利用したトン
ネル型ジョセフソン素子及びその製造方法を提供するも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、基板の主面に酸化物高温超電導体よりな
る薄膜を形成し、該薄膜に対して酸化物高温超電導体の
結晶化温度以上の温度で熱処理を行なうことにより、該
薄膜内にc軸配向を有する単結晶粒を形成した後、該単
結晶粒の上面に第1の電極を形成し、基板の主面上にお
ける、該単結晶粒が形成された領域と異なる領域に第2
の電極を形成するものである。
【0016】具体的に請求項1の発明が講じた解決手段
は、トンネル型ジョセフソン素子を、基板上に形成され
た導電性領域と、前記導電性領域の上に設けられ、酸化
物高温超電導体が該酸化物高温超電導体の結晶化温度以
上の温度で熱処理されることにより形成された単結晶粒
と、前記単結晶粒における前記導電性領域の反対側の面
に電気的に接続されている第1の電極と、前記導電性領
域の上における前記単結晶粒が形成されている領域と異
なる領域に電気的に接続されている第2の電極とを備
え、前記単結晶粒はトンネル型ジョセフソン効果を有す
るように形成されている構成とするものである。
【0017】請求項1の構成により、基板上の導電性領
域の上にトンネル型ジョセフソン効果を示す結晶軸方向
に形成された酸化物高温超電導体よりなる単結晶粒が、
酸化物高温超電導体の結晶化温度以上の温度で熱処理さ
れることにより形成されているため、導電性領域の反対
側の面に電気的に接続されている第1の電極と導電性領
域を介して電気的に接続されている第2の電極が設けら
れていることにより、トンネル型ジョセフソン効果を有
する薄膜素子を実現することができる。
【0018】ここで、結晶化温度とは化合物が結晶化を
開始する温度である。従来、基板上に成膜した薄膜を、
該薄膜を構成する化合物の結晶化温度以上の温度で熱処
理した場合は、薄膜を構成する化合物の各結晶粒の結晶
性は向上するものの、薄膜中には多数の粒界が生じるの
で、電子素子には利用できないと考えられていた。しか
しながら、本発明者らは、結晶が異方性を有する化合物
の薄膜を該化合物の結晶化温度以上の温度で熱処理した
場合は、薄膜内において結晶軸異方性を有する化合物が
微細加工技術で加工可能な大きさの単結晶粒(粒子径:
約1μm以上)に成長して,該単結晶粒が基板の主面に
対してある方向に配向することを見出だし、この知見に
基づいて、前記熱処理により得られる単結晶粒のある結
晶面を横切る方向を電流方向とする素子構成とすること
により薄膜素子を実現する。
【0019】請求項2の発明は、請求項1の構成に、前
記単結晶粒における、前記トンネル型ジョセフソン効果
を示す領域のc軸方向に対して垂直な方向の断面積は4
00μm2 以下である構成を付加するものである。
【0020】請求項2の構成により、ジョセフソン臨界
電流を越える電流が生ずることにより素子が電圧状態に
ジャンプしたときの電圧値を、固有ジョセフソン接合の
数により決定されるトンネル電圧と同程度又はそれ以下
に制限できるため、素子を動作させる際に素子が電圧状
態にジャンプしたときに発生する熱を抑制することがで
きる。
【0021】請求項3の発明は、請求項1又は2の構成
に、前記単結晶粒における、前記トンネル型ジョセフソ
ン効果を示す領域のc軸方向の長さは、前記酸化物高温
超電導体のブロック層の間隔の10倍以下である構成を
付加するものである。
【0022】請求項3の構成により、トンネル型ジョセ
フソン効果を示す領域のc軸方向の長さが、酸化物高温
超電導体のブロック層の間隔の10倍以下であるため、
単結晶粒の厚さも酸化物高温超電導体のブロック層の間
隔の10倍以下になるので、固有ジョセフソン接合とし
て動作する接合の数を10個以下に制限できる。
【0023】請求項4の発明は、請求項1〜3の構成
に、前記酸化物高温超電導体は、Bi(ビスマス),S
r(ストロンチウム),Ca(カルシウム),Cu
(銅)及びO(酸素)を含む化合物である構成を付加す
るものである。
【0024】請求項4の構成により、酸化物高温超電導
体として結晶軸異方性が強いBi系超電導体を用いてい
るため、結晶性に優れた単結晶粒が得られるので、固有
ジョセフソン接合を確実に形成することができる。
【0025】請求項5の発明が講じた解決手段は、トン
ネル型ジョセフソン素子の製造方法を、基板の主面上に
酸化物高温超電導体よりなる薄膜を形成する超電導体薄
膜形成工程と、前記薄膜に対して前記酸化物高温超電導
体の結晶化温度以上の温度で熱処理を行なうことによ
り、前記酸化物高温超電導体よりなりc軸配向を有する
単結晶粒を形成する単結晶粒形成工程と、前記薄膜の上
面における一の領域に前記単結晶粒と電気的に接続され
る第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、前記薄
膜の上面における他の領域に前記単結晶粒と電気的に接
続される第2の電極を形成する第2の電極形成工程とを
備えている構成とするものである。
【0026】請求項5の構成により、基板の主面上に形
成された酸化物高温超電導体よりなる薄膜に対して該酸
化物高温超電導体の結晶化温度以上の温度で熱処理を行
なって、該薄膜内に酸化物高温超電導体よりなりc軸配
向を有する単結晶粒を形成する。従って、薄膜の上面に
おけるある領域に単結晶粒の上面部と電気的に接続され
る第1の電極を形成することができると共に、該第1の
電極が形成された領域と異なる他の領域に第2の電極を
形成することにより、該第2の電極は薄膜の単結晶粒の
下側部分と電気的に接続される。
【0027】請求項6の発明が講じた解決手段は、トン
ネル型ジョセフソン素子の製造方法を、基板の主面上に
酸化物高温超電導体よりなる薄膜を形成する超電導体薄
膜形成工程と、前記薄膜の上面における一の領域に第1
の電極を形成する第1の電極形成工程と、前記薄膜の上
面における他の領域に第2の電極を形成する第2の電極
形成工程と、前記薄膜に対して前記酸化物高温超電導体
の結晶化温度以上の温度で熱処理を行なうことにより、
前記酸化物高温超電導体よりなりc軸配向を有する単結
晶粒を形成する単結晶粒形成工程とを備えている構成と
するものである。
【0028】請求項6の構成により、基板の主面上に形
成された酸化物高温超電導体よりなる薄膜に対して該酸
化物高温超電導体の結晶化温度以上の温度で熱処理を行
なって、該薄膜内に酸化物高温超電導体よりなりc軸配
向を有する単結晶粒を形成する。従って、薄膜の上面に
おけるある領域に単結晶粒の上面部と電気的に接続され
た第1の電極を形成することができると共に、該第1の
電極が形成された領域と異なる他の領域に形成された第
2の電極は薄膜の単結晶粒の下側部分と電気的に接続さ
れる。
【0029】請求項7の発明は、請求項5の構成に、前
記単結晶粒形成工程と前記第1の電極形成工程との間
に、前記単結晶粒の上面部における所定領域を除く領域
を、前記基板の主面に対して所定の深さまで除去するこ
とにより、前記単結晶粒の上面部に前記所定領域よりな
る凸部を形成する工程を含み、前記第1の電極形成工程
は、前記単結晶粒の前記凸部の上面に前記第1の電極を
形成する工程を含み、前記第2の電極形成工程は、前記
単結晶粒の前記凸部を除く領域に前記第2の電極を形成
する工程を含む構成を付加するものである。
【0030】請求項7の構成により、実質的な素子形成
領域である凸部の上面に第1の電極を形成すると共に、
単結晶粒の凸部を除く領域に前記第2の電極を形成する
ため、該凸部を除く領域を素子形成領域である単結晶粒
の凸部が動作するための導電性領域に用いることができ
る。従って、凸部を除く領域に第2の電極を形成するこ
とにより、該第2の電極は単結晶粒の凸部の下側部分と
電気的に接続されるので、単結晶粒のc軸方向の電気特
性を素子として取り出すことができる。
【0031】ここで、酸化物高温超電導体は、一般に広
い温度範囲でc軸配向膜となり、c軸方向の臨界電流密
度は、c面に平行な方向の臨界電流密度に比較して非常
に小さい。従って、前記凸部における基板に垂直な方向
(c軸方向)が電流方向となるように、凸部の上面と除
去されて露出した表面とに電極をそれぞれ接続すること
により、凸部が実質的な素子部として動作する。また、
単結晶粒の凸部以外の領域は、単なる導電性領域である
チャネルとして考えることができる。
【0032】請求項8の発明は、請求項7の構成に、前
記単結晶粒の前記凸部の上面の面積は400μm2 以下
である構成を付加するものである。
【0033】請求項8の構成により、ジョセフソン臨界
電流を越える電流により素子が電圧状態にジャンプした
ときの電圧値を、固有ジョセフソン接合の数により決定
されるトンネル電圧と同程度又はそれ以下に制限できる
ため、素子を動作させる際に素子が電圧状態にジャンプ
したときに発生する熱を抑制することができる。
【0034】請求項9の発明は、請求項7又は8の構成
に、前記単結晶粒の前記凸部の高さは、前記超電導体薄
膜形成工程において形成される前記酸化物高温超電導体
のブロック層の間隔の10倍以下である構成を付加する
ものである。
【0035】請求項9の構成により、単結晶粒の上面に
おける凸部の高さが、酸化物高温超電導体のブロック層
の間隔の10倍以下であるため、単結晶粒の厚さも酸化
物高温超電導体のブロック層の間隔の10倍以下になる
ので、固有ジョセフソン接合として動作する接合の数を
10個以下に制限できる。
【0036】請求項10の発明は、請求項5の構成に、
前記単結晶粒形成工程と前記第1の電極形成工程との間
に、前記単結晶粒の上面部に所定の深さを有する枠状の
凹状溝を形成して、前記単結晶粒の上面を前記凹状溝に
より囲まれた第1の領域と前記凹状溝の外側の第2の領
域とに分割する工程を含み、前記第1の電極形成工程
は、前記単結晶粒の前記第1の領域に前記第1の電極を
形成する工程を含み、前記第2の電極形成工程は、前記
単結晶粒の前記第2の領域に前記第2の電極を形成する
工程を含む構成を付加するものである。
【0037】請求項10の構成により、単結晶粒の上面
部に所定の深さを有する枠状の凹状溝を形成して、該単
結晶粒の上面を凹状溝により囲まれた第1の領域と凹状
溝の外側の第2の領域とに分割し、第1の領域に比較し
て第2の領域の面積を1桁以上大きい面積にすることに
より、素子形成領域である第1の領域におけるc軸方向
の接合の臨界電流値は、第2の領域におけるc軸方向の
接合の臨界電流値よりも1桁以上小さくなる。従って、
素子形成領域である第1の領域が動作するための導電性
領域として第2の領域を用いることができる。これによ
り、第2の領域に第2の電極を形成することにより、該
第2の電極は第1の領域の下側部分と電気的に接続され
るので、第1の領域のc軸方向の電気特性を素子として
取り出すことができる。
【0038】請求項11の発明は、請求項10の構成
に、前記単結晶粒における前記第1の領域の面積は40
0μm2 以下である構成を付加するものである。
【0039】請求項11の構成により、ジョセフソン臨
界電流を越える電流により素子が電圧状態にジャンプし
たときの電圧値を、固有ジョセフソン接合の数により決
定されるトンネル電圧と同程度又はそれ以下に制限でき
るため、素子を動作させる際に素子が電圧状態にジャン
プしたときに発生する熱を抑制することができる。
【0040】請求項12の発明は、前記単結晶粒の前記
凹状溝の所定の深さは、前記超電導体薄膜形成工程にお
いて形成される前記酸化物高温超電導体のブロック層の
間隔の10倍以下である構成を付加するものである。
【0041】請求項12の構成により、単結晶粒の上面
部における凹状溝の所定の深さが、酸化物高温超電導体
のブロック層の間隔の10倍以下であるため、単結晶粒
の厚さも酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10
倍以下になるので、固有ジョセフソン接合として動作す
る接合の数を10個以下に制限できる。
【0042】請求項13の発明は、請求項5又は6の構
成に、前記超電導体薄膜形成工程の前に、前記基板の主
面部に所定の深さを有する枠状の凹状溝を形成して、前
記基板の主面部を前記凹状溝により囲まれた第1の領域
と前記凹状溝の外側の第2の領域とに分割する工程を含
み、前記超電導体薄膜形成工程は、前記基板の主面上に
前記凹状溝の所定の深さよりも大きい膜厚を有する酸化
物高温超電導体よりなる薄膜を全面的に形成する工程を
含み、前記第1の電極形成工程は、前記薄膜における前
記基板の第1の領域の上側部分に前記第1の電極を形成
する工程を含み、前記第2の電極形成工程は、前記薄膜
における前記基板の第2の領域の上側部分に前記第2の
電極を形成する工程を含む構成を付加するものである。
【0043】請求項13の構成により、素子形成領域が
枠状の凹状溝により区画された基板の主面上に酸化物高
温超電導体よりなる薄膜を形成するため、該薄膜におけ
る素子形成領域も薄膜に形成される枠状の凹状溝により
区画されるので、薄膜に対してエッチングを行なうプロ
セスが不要になる。
【0044】また、薄膜に熱処理を施して該薄膜におけ
る凹状溝に区画された素子形成領域をc軸配向させて単
結晶粒にするため、つまり薄膜におけるc軸配向させる
領域の面積が限定されているため、素子形成領域におい
て結晶性に優れた酸化物高温超電導体よりなる単結晶粒
を得ることができる。
【0045】また、単結晶粒の形成位置を基板の主面に
形成する凹状溝によって制御できるため、実態顕微鏡に
より単結晶粒の位置を特定する作業が不要になる。
【0046】また、酸化物高温超電導体よりなる薄膜の
膜厚は基板に形成された凹状溝の深さよりも大きいた
め、第1の領域に形成された単結晶粒の下側には、第2
の領域の薄膜と一体に形成された薄膜が存在する。従っ
て、薄膜の第2の領域に接続される第2の電極を形成す
ると、該第2の電極は薄膜の第2の領域及び薄膜の単結
晶粒の下側部分と電気的に接続される。
【0047】請求項14の発明は、請求項13の構成
に、前記薄膜における前記基板の第1の領域の上側部分
の面積は400μm2 以下である構成を付加するもので
ある。
【0048】請求項14の構成により、ジョセフソン臨
界電流を越える電流により素子が電圧状態にジャンプし
たときの電圧値を、固有ジョセフソン接合の数により決
定されるトンネル電圧と同程度又はそれ以下に制限でき
るため、素子を動作させる際に素子が電圧状態にジャン
プしたときに発生する熱を抑制することができる。
【0049】請求項15の発明は、請求項13又は14
の構成に、前記薄膜における前記凹状溝の所定の深さ
は、前記超電導体薄膜形成工程において形成される前記
酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10倍以下で
ある構成を付加するものである。
【0050】請求項15の構成により、凹状溝の所定の
深さが酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10倍
以下であるため、単結晶粒の厚さも酸化物高温超電導体
のブロック層の間隔の10倍以下になるので、固有ジョ
セフソン接合として動作する接合の数を10個以下に制
限できる。
【0051】請求項16の発明は、請求項5又は6の構
成に、前記超電導体薄膜形成工程の前に、前記基板の主
面部を、第1の平面部と第2の平面部とに分割すると共
に、前記第1の平面部と前記第2の平面部との間に、前
記基板の主面に対して15度以上且つ75度以下の角度
を有し、前記第1の平面部と前記第2の平面部とをつな
ぐ斜面部を形成する斜面部形成工程を含み、前記超電導
体薄膜形成工程は、前記基板の主面上に前記斜面部の高
さよりも小さい膜厚を有する酸化物高温超電導体よりな
る薄膜を全面的に形成する工程を含み、前記単結晶粒形
成工程は、前記薄膜における前記基板の前記斜面部の上
側部分を含む領域に前記単結晶粒を形成した後、該単結
晶粒の前記斜面部に前記単結晶粒よりなる帯状部を前記
斜面部の傾斜方向に形成する工程を含み、前記第1の電
極形成工程は、前記第1の平面部に、前記単結晶粒にお
ける前記第1の平面部と電気的に接続する前記第1の電
極を形成する工程を含み、前記第2の電極形成工程は、
前記第2の平面部に、前記単結晶粒における前記第2の
平面部と電気的に接続する前記第2の電極を形成する工
程を含む構成を付加するものである。
【0052】請求項16の構成により、基板の主面部を
第1の平面部と第2の平面部とに分割すると共に、第1
の平面部と第2の平面部との間に、第1の平面部と第2
の平面部とをつなぐ斜面部を形成した後、基板の主面上
に全面的に斜面部の高さよりも小さい膜厚を有する酸化
物高温超電導体よりなる薄膜を形成し、その後、斜面部
を含む領域に単結晶粒を形成するため、例えば、斜面部
の上段側を第1の平面部、斜面部の下段側を第2の平面
部とすると、第2の平面部に形成される第2の電極は、
斜面部を含む領域に形成され、実質的な素子形成領域で
ある単結晶粒の下側部分と電気的に接続されるので、c
軸方向の電気特性を素子として取り出すことができる。
【0053】また、単結晶粒における第1の平面部の上
側部分と第2の平面部の上側部分とを結ぶ領域に単結晶
粒よりなる帯状部を形成し、実質的な素子形成領域の断
面積を小さくするため、ジョセフソン臨界電流を越える
電流により素子が電圧状態にジャンプしたときの電圧値
を、固有ジョセフソン接合の数により決定されるトンネ
ル電圧と同程度又はそれ以下に制限できるので、素子を
動作させる際に素子が電圧状態にジャンプしたときに発
生する熱を抑制することができる。
【0054】また、単結晶粒形成工程において、単結晶
粒の成長が斜面部付近に促進されるため、薄膜中に粒界
が明確に生成するほど熱処理を行なう必要がない。
【0055】請求項17の発明は、請求項5又は6の構
成に、前記超電導体薄膜形成工程の前に、前記基板の主
面部を、第1の平面部と第2の平面部とに分割すると共
に、前記第1の平面部と前記第2の平面部との間に、前
記第1の平面部と前記第2の平面部とを画する突起部を
形成する突起部形成工程を含み、前記超電導体薄膜形成
工程は、前記基板の主面上に前記突起部の高さよりも小
さい膜厚を有する酸化物高温超電導体よりなる薄膜を全
面的に形成する工程を含み、前記単結晶粒形成工程は、
前記基板の主面上における前記突起部を含む領域に前記
単結晶粒を形成した後、前記単結晶粒における前記突起
部を跨ぐ領域に前記単結晶粒よりなる帯状部を形成する
工程を含み、前記第1の電極形成工程は、前記第1の平
面部に、前記単結晶粒における前記第1の平面部と電気
的に接続する前記第1の電極を形成する工程を含み、前
記第2の電極形成工程は、前記第2の平面部に、前記単
結晶粒における前記第2の平面部と電気的に接続する前
記第2の電極を形成する工程を含む構成を付加するもの
である。
【0056】請求項17の構成により、基板の主面部を
第1の平面部と第2の平面部とに分割すると共に、第1
の平面部と第2の平面部との間に、第1の平面部と第2
の平面部とを画する突起部を形成した後、基板の主面上
に全面的に突起部の高さよりも小さい膜厚を有する酸化
物高温超電導体よりなる薄膜を形成し、その後、突起部
を含む領域に単結晶粒を形成するため、第1の平面部に
形成される第1の電極及び第2の平面部に形成される第
2の電極は、突起部を含む領域に形成され、実質的な素
子形成領域である単結晶粒の下側部分に電気的に接続さ
れるので、c軸方向の電気特性を素子として取り出すこ
とができる。
【0057】また、単結晶粒における突起部を跨ぐ領域
に単結晶粒よりなる帯状部を形成し、実質的な素子形成
領域の断面積を小さくするため、ジョセフソン臨界電流
を越える電流により素子が電圧状態にジャンプしたとき
の電圧値を、固有ジョセフソン接合の数により決定され
るトンネル電圧と同程度又はそれ以下に制限できるの
で、素子を動作させる際に素子が電圧状態にジャンプし
たときに発生する熱を抑制することができる。
【0058】また、単結晶粒形成工程において、単結晶
粒の成長が斜面部付近に促進されるため、薄膜中に粒界
が明確に生成するほど熱処理を行なう必要がない。
【0059】請求項18の発明は、請求項5〜17の構
成に、前記超電導体薄膜形成工程における前記酸化物高
温超電導体は、Bi(ビスマス),Sr(ストロンチウ
ム),Ca(カルシウム),Cu(銅)及びO(酸素)
を含む化合物である構成を付加するものである。
【0060】請求項18の構成により、酸化物高温超電
導体として結晶軸異方性が強いBi系超電導体を用いて
いるため、結晶性に優れた単結晶粒が得られるので、固
有ジョセフソン接合を確実に形成することができる。
【0061】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を参照し
ながら説明する。なお、各実施形態においてc軸異方性
を有する化合物にBi(ビスマス)系高温超電導体を用
いたトンネル型ジョセフソン素子を説明するが、本発明
は、結晶軸異方性を有する化合物からなる薄膜を素子化
する場合に広く適用可能である。
【0062】(第1の実施形態)図1は本発明の第1の
実施形態に係るトンネル型ジョセフソン素子の断面図で
ある。図1において、MgO単結晶よりなる基板11の
上に、Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 よりなる酸化物高
温超電導体の結晶化温度以上の温度で熱処理され、結晶
粒界13に囲まれたBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 より
なる複数の単結晶粒12A,12B,12C,…が形成
されている。単結晶粒12Aの上面部には、断面積が4
00μm2 以下で、高さがBi2 Sr2 Ca1 Cu2
8 のブロック層の間隔(15nm)の10倍以下である
凸部12aが形成されている。単結晶粒12Aの凸部1
2aの上面にはAu(金)よりなる第1の電極14Aが
形成され、単結晶粒12Aにおける凸部12a以外の導
電性領域には導電性チャネルとなる第2の電極14Bが
形成されている。15は単結晶粒12A及び12Bの上
に形成され、第1の電極14Aと単結晶粒12A及び1
2Bとを絶縁し、また、第1の電極14Aと第2の電極
14Bとを絶縁するCaF2 (フッ化カルシウム)より
なる絶縁体膜である。
【0063】このように、基板11上に形成され、酸化
物高温超電導体の結晶化温度以上の温度で熱処理されて
形成された単結晶12Aの上面に断面積が400μm2
以下で、且つ、高さが酸化物高温超電導体のブロック層
の間隔の10倍以下である凸部12aを形成しておき、
導電性チャネルの反対側の面に電気的に接続されている
第1の電極14Aと、導電性チャネルである、単結晶1
2Aにおける凸部12aを除く領域に形成された第2の
電極14Bとが設けられていることにより、第2の電極
14Bは単結晶粒12Aの凸部12aの下側部分と電気
的に接続されるので、凸部12aのc軸方向の電気特性
を素子として取り出すことができる。従って、トンネル
型ジョセフソン効果を有する薄膜素子を実現することが
できる。
【0064】また、実質上の素子部である単結晶粒12
Aの凸部12aの断面積を400μm2 以下にしている
ため、ジョセフソン臨界電流を越える電流により素子が
電圧状態にジャンプしたときの電圧値を、固有ジョセフ
ソン接合の数により決定されるトンネル電圧と同程度又
はそれ以下に制限できるので、素子を動作させる際に素
子が電圧状態にジャンプしたときに発生するジュール熱
を抑制することができる。その結果、安定して動作する
素子を実現することができる。
【0065】また、単結晶粒12Aの凸部12aの高さ
は、酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10倍以
下であるため、固有ジョセフソン接合として動作する接
合部の数を10個以下に制限できる。これにより、素子
の動作に必要な電圧を数百mV以下にすることができる
ため、ジョセフソン素子のジュール熱による不安定動作
を抑制し、且つ、低消費電力化を図ることができる。
【0066】なお、図2は本実施形態に係るトンネル型
ジョセフソン素子の部分平面図であって、図1は図2に
おけるII−II線の断面構造である。図2において、図1
と同一符号が同一または相当する部分を示している。ま
た、結晶粒界13を便宜上方形で表わしているが、実際
には凹凸形状を有する多角形である。また、図2に示す
ように、4端子測定を可能にするため、第1の電極14
Aと同一形状を有する第3の電極14Cと、第2の電極
14Bと同一形状を有する第4の電極14Dとがそれぞ
れ形成されている。例えば、第1の電極14Aと第2の
電極14Bとの間に電流を流して第3の電極14Cと第
4の電極14Dとの間の電圧を測定することができる
が、素子として必ずしも4端子を必要とするものではな
い。
【0067】以下、本発明の第1の実施形態に係るトン
ネル型ジョセフソン素子の製造方法を図面を参照しなが
ら説明する。
【0068】図3(a)〜(d)は本発明の第1の実施
形態に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の工
程順断面図である。まず、図3(a)に示すように、例
えば、高周波マグネトロンスパッタ法を用いて、600
℃に加熱したMgO単結晶よりなる基板11の(10
0)面上に、組成がBi:Sr:Ca:Cu=2.1:
2:1:2であるBi−Sr−Ca−Cu−Oをターゲ
ットとして厚みが約200nmのBi2 Sr2 Ca1
2 8 よりなる薄膜12を形成する。この場合の雰囲
気ガスはアルゴンと酸素との混合ガスで、混合比はAr
/O2 =90/10である。また、成膜中のガス圧は
1.0Paとした。一般に、結晶性の良いBi2 Sr2
Ca1 Cu2 8 よりなる薄膜12を得るためには、8
00℃に近い基板温度が必要であるため、600℃の基
板温度により形成した薄膜12の結晶性はあまり良くな
い。しかしながら、600℃の基板温度により薄膜12
を形成した後、後述する熱処理を行なうと、大きな単結
晶粒が得られることが分かったので、薄膜12を形成す
る際の基板温度として600℃を採用する。なお、酸化
物高温超電導薄膜の酸素量を決定することは困難である
ため、実際には薄膜12の酸素量は確認していない。
【0069】また、成膜方法や、基板温度、混合ガスの
ガス比、ガス圧等の成膜条件は、形成された薄膜12の
組成がBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 に近くなる範囲で
適宜変更可能である。
【0070】次に、図3(b)に示すように、Bi2
2 Ca1 Cu2 8 よりなる薄膜12内に単結晶粒1
2A,12B,12C,…を成長させるため、例えば、
薄膜12に対して酸素雰囲気中における870℃の温度
下で24時間の熱処理を施す。熱処理が施された薄膜1
2をX線回折により測定した結果、薄膜12はBi2
2 Ca1 Cu2 8 を主成分とし、副成分にBi2
2 Cu1 6 を含む非常に高度に結晶化したc軸(基
板11の表面に対して垂直な軸)配向膜であることが分
かった。また、走査型電子顕微鏡を用いた観察により、
多数の10μm以上の粒径を有する単結晶粒12A,1
2B,12C,…及び結晶粒界13が存在することが分
かった。さらに、エネルギー分散型X線分光測定の結果
から、結晶粒内の組成はBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8
であり、これらの結晶粒がc軸に配向した単結晶粒であ
って、結晶粒界13の粒界部分にBi2 Sr2 Cu1
6相が存在することが確認された。
【0071】単結晶粒12A等の電気抵抗温度依存性を
測定すると、超電導転移のオンセットが約80Kで、零
抵抗温度が40Kであった。転移がブロードであるの
は、測定が粒界部分を含んだ特性を示しているためであ
り、オンセットが90Kより低いのは、単結晶粒12A
等が酸素雰囲気中で熱処理されたことにより、オーバー
ドープ領域にあるためと推測できる。
【0072】次に、図3(c)に示すように、例えば、
一つの単結晶粒12Aの上面部における2μm×5μm
の凸部12aを残し、該凸部12a以外の単結晶粒12
Aの上面部を約10nmの深さで除去する。このとき、
前記の工程の長時間の熱処理によって結晶粒界13が実
体顕微鏡によって容易に目視できる程度に大きく成長し
ているので、単結晶粒12Aを特定することは容易であ
る。
【0073】次に、図3(d)に示すように、凸部12
aの上面にAuよりなる第1の電極14Aと、単結晶粒
12Aの凸部12aを除く領域にAuよりなる第2の電
極14Bとをそれぞれ形成すると共に、該電極同士、又
は第1の電極14Aと単結晶粒12Aとを絶縁するCa
2 からなる絶縁体膜15をそれぞれ形成する。なお、
図2に示したように、4端子測定が可能となるよう第3
の電極14C及び第4の電極14Dも同時に形成する。
【0074】以上の構成により、単結晶粒12Aのab
面(基板11の表面に対して平行な面)方向は電気抵抗
が小さいため、第2の電極14Bは単結晶粒12Aの凸
部の下側部分と電気的に接続されるので、単結晶粒12
Aのc軸方向の電気特性を素子として利用することがで
きる。
【0075】図4は、本実施形態により製造されたトン
ネル型ジョセフソン素子の電流電圧特性を示しており、
測定温度は50Kである。2Δ=40meV(Δは超電
導エネルギーギャップ)とした場合の約4倍のエネルギ
ーギャップが測定されており、4個の固有ジョセフソン
接合が直列に接続された特性であると理解できる。
【0076】本実施形態によると、Bi2 Sr2 Ca1
Cu2 8 の薄膜12を形成した後、該薄膜12に対し
て熱処理を行なうことにより、薄膜12内に強いc軸異
方性を有するBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 よりなる単
結晶粒12A,12B,12C,…が形成される。これ
らの内の1つの単結晶粒のc軸方向を電流方向とするこ
とにより、薄膜12が有する固有ジョセフソン接合特性
が安定して維持される優れた素子特性の薄膜素子を得る
ことができる。
【0077】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0078】図5(a)〜(d)は本発明の第2の実施
形態に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法を示
す工程順断面図である。まず、図5(a)に示すよう
に、前記第1の実施形態と同様の方法を用いて、600
℃の温度下でMgO単結晶よりなる基板11の(10
0)面上に、厚みが約200nmのBi2 Sr2 Ca1
Cu2 8 よりなる薄膜12を形成する。
【0079】次に、図5(b)に示すように、薄膜12
に対して酸素雰囲気中における870℃の温度下で24
時間の熱処理を施すことにより、Bi2 Sr2 Ca1
28 よりなる薄膜12内にそれぞれ結晶粒界13に
より囲まれた単結晶粒12A,12B,12C,…を成
長させる。
【0080】次に、図5(c)に示すように、1つの単
結晶粒12Aの上面部に幅2μm、深さ10nmの枠状
の凹状溝12cを形成することにより、単結晶粒12A
の上面を、凹状溝12cに囲まれ面積が2μm×5μm
の第1の領域12bと、凹状溝12cの外側に位置する
第2の領域12dとに分割する。
【0081】次に、図5(d)に示すように、凹状溝1
2cと単結晶粒12Aの所定領域とにCaF2 からなる
絶縁体膜15を形成した後、単結晶粒12Aの第1の領
域12bの上面にAuよりなる第1の電極14Aと,第
2の領域12dの所定部分にAuよりなる第2の電極1
4Bをそれぞれ形成する。
【0082】また、図6の部分平面図に示すように、第
1の電極14Aと同等の第3の電極14Cと、第2の電
極14Bと同等の第4の電極14Dとをそれぞれ形成し
ておき、4端子測定を可能としている。図6において、
図5(d)と同一符号が同一または相当する部分を示し
ており、図5(d)は図6におけるVI−VI線の断面図で
ある。
【0083】以上説明したように、単結晶粒12Aにお
ける第2の領域12dのab面と十分大きい面積を有す
るc軸方向の第2の電極14Bによる接合構造は、第1
の領域12bに比較して電気抵抗が十分小さいため、第
2の電極14Bは単結晶粒12Aの第1の領域12bの
下側部分と電気的に接続されるので、第1の領域12b
のc軸方向の電気特性を素子として利用できる。
【0084】なお、50Kの温度下で測定した電流電圧
特性は図4に示す前記第1の実施形態と同様の特性を示
した。
【0085】本実施形態の特徴として、単結晶粒12A
に対するエッチング量が少なくてすむため、単結晶粒1
2Aのエッチングによるダメージが少なくなるので、安
定した動作が可能となる。
【0086】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0087】図7(a)〜(d)は本発明の第3の実施
形態に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法を示
す工程順断面図である。まず、図7(a)に示すよう
に、MgO単結晶よりなる基板11の面方位が(10
0)である主面に対して、例えばアルゴンイオンミリン
グ法を施して幅2μm、深さ10nmの平面四方形状の
第1の凹状溝11aを形成することにより、基板11の
表面部を第1の凹状溝11aにより囲まれた第1の領域
16と第1の凹状溝11aの外側に位置する第2の領域
17とに分割する。本実施形態においては、第1の領域
16の大きさを5μm×10μmに設定している。
【0088】次に、図7(b)に示すように、基板温度
が600℃の条件下で、組成がBi:Sr:Ca:Cu
=2.1:2:1:2のBi−Sr−Ca−Cu−Oよ
りなるターゲットを用いる高周波マグネトロンスパッタ
法により、基板11の上に約100nmの膜厚を有する
Bi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 よりなる薄膜12を形成
する。この場合の雰囲気ガスはアルゴンと酸素との混合
ガスで、混合比は例えばAr/O2 =90/10であ
る。また、成膜中のガス圧は1.0Paとした。基板1
1には第1の凹状溝11aが形成されているため、薄膜
12にも第1の凹状溝11aに対応する深さ10nmの
第2の凹状溝12eが形成され、薄膜12における第1
の領域16は第2の凹状溝12eにより囲まれた形状と
なる。
【0089】また、前記の実施形態と同様に、成膜方法
や、基板温度、ガス比、ガス圧等の成膜条件は、作製さ
れた薄膜12の組成がBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8
近くなる範囲で適宜変更可能である。
【0090】次に、図6(c)に示すように、薄膜12
に対して酸素雰囲気中における860℃の温度下で24
時間の熱処理を施す。熱処理が施された薄膜12をX線
回折により測定した結果、薄膜12は、Bi2 Sr2
1 Cu2 8 を主成分とし、副成分にBi2 Sr2
1 6 を含む非常に高度に結晶化したc軸配向膜であ
ることが分かった。また、原子間力顕微鏡を用いた観察
により、薄膜12における第1の領域16は、単位格子
レベルの凹凸しか持たない平坦な表面を有していること
が分かった。さらに、エネルギ分散型X線分光測定の結
果から、薄膜12における第1の領域16は、Bi2
2 Ca1 Cu2 8 の単結晶粒12Aであると結論づ
けられた。
【0091】次に、図8及び図8におけるVIII−VIII線
の断面構造を示す図7(d)に示すように、単結晶粒1
2A及び薄膜12の上の各所定領域にCaF2 よりなる
絶縁膜15及びAuよりなる第1、第2、第3及び第4
の電極14A,14B,14C,14Dをそれぞれ形成
してトンネル型ジョセフソン素子を得る。
【0092】図8において、図7(d)と同一符号が同
一または相当する部分を示し、第1及び第3の電極14
A,14Cは単結晶粒12Aに接続されていると共に、
第2及び第4の電極14B,14Dは薄膜12の第2の
領域17に接続されている。なお、単結晶粒12Aに接
続される電極を第1の電極14Aと第3の電極14Cと
に分離すると共に、薄膜12の第2の領域17に接続さ
れる電極を第2の電極14Bと第4の電極14Dとに分
離して4端子測定を可能にしている。
【0093】以上のようにして、単結晶粒12のc軸方
向の電気特性をジョセフソン効果として利用するトンネ
ル型ジョセフソン素子を製造することができる。
【0094】本実施形態の特徴として、Bi2 Sr2
1 Cu2 8 よりなる薄膜12に結晶化温度以上の熱
処理を施して、該薄膜12における第2の凹状溝12e
に区画された素子形成領域である第1の領域16をc軸
配向したBi2 Sr2 Ca1Cu2 8 よりなる単結晶
粒にするため、つまり薄膜12におけるc軸配向させる
領域の面積が限定されているため、第1の領域16に結
晶性に優れた単結晶粒12Aを得ることができる。
【0095】また、単結晶粒12Aの形成位置を基板1
1の主面に形成する凹状溝11aによって制御できるた
め、実態顕微鏡により単結晶粒12Aの位置を特定する
作業が不要になる。
【0096】また、薄膜12の膜厚は基板に形成された
凹状溝11aの深さよりも大きいため、第1の領域16
に形成された単結晶粒12Aの下側には、第2の領域1
7の薄膜12と一体に形成された薄膜が存在する。従っ
て、薄膜12における第2の領域17に接続される第2
の電極14Bを形成すると、該第2の電極14Bは薄膜
12における第2の領域17及び薄膜12における単結
晶粒12Aの下側部分を介して単結晶粒12Aの下面と
電気的に接続される。
【0097】さらに、単結晶粒12Aに対するアルゴン
イオンミリング等のエッチングプロセスが不要となるた
め、トンネル型ジョセフソン素子を歩留まり良く製造す
ることができる。
【0098】なお、本実施形態により製造されたトンネ
ル型ジョセフソン素子における測定温度50K下の電流
電圧特性は、前記の各実施形態により得られた薄膜素子
の特性と同様であった。
【0099】以上説明した第1〜3の実施形態により得
られる薄膜素子は、実質的な素子部である第1の電極1
4Aと単結晶粒12Aとの接合部において4つのトンネ
ル型ジョセフソン接合が直列に繋がっている。すなわ
ち、酸化物高温超電導体薄膜であるBi2 Sr2 Ca1
Cu2 8 の薄膜12のエッチング量を、薄膜中のブロ
ック層(BiO層)の間隔の4倍以上、且つ、5倍以下
にして得られている。本発明においては、実質的な素子
部となる第1の電極14Aとの接合部に少なくとも1つ
のブロック層を含んでいればよく、前記第1〜3の実施
形態に示した素子構成に限定されない。特に、前記接合
部に含まれるブロック層の数を前記各実施形態の素子の
ように、10以下になるように製造すれば、動作電圧を
約400mV以下に制限できるため、ジョセフソン素子
の低消費電力化を図ることができる。
【0100】また、前記各実施形態の素子は、前記接合
部の面積(断面積)が2μm×5μmあるいは5μm×
10μmに設定されている。本発明において、第1の電
極14Aと単結晶粒12Aとの接合部の面積は、該接合
部が電圧状態にジャンプしたときの電圧値により該接合
部で発生するジュール熱を抑制するため、接合部の固有
ジョセフソン接合の数で決定されるトンネル電圧と同程
度かそれ以下に該電圧値を抑えることができる程度の面
積にするのが好ましい。現実的には、前記接合部で発生
するジュール熱を考慮すると、接合部の400μm2
下にするのが好ましい。
【0101】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0102】図9(a)〜(d)は本発明の第4の実施
形態に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法を示
す工程順断面図である。まず、図9(a)に示すよう
に、MgO単結晶よりなる基板11の(100)主面上
に、該主面に対して60度の傾斜角を有し且つ200n
mの段差を有する斜面部18を設け、該斜面部18を境
にして基板11の主面を第1の平面部19と第2平面部
20とに分割する。
【0103】次に、図9(b)に示すように、基板11
の表面に全面にわたって150nmのBi2 Sr2 Ca
1 Cu2 8 よりなる薄膜12を形成した後、図9
(c)に示すように、薄膜12に対して酸素雰囲気中に
おける850℃の温度下で6時間の熱処理を施すことに
より、薄膜12における斜面部18及び該斜面部18の
周辺部に単結晶粒12Aを形成する。ここで、熱処理温
度及び熱処理を行なう時間は、前記各実施形態の場合よ
りも低温で且つ短時間であるが、これは基板11に斜面
部18を設けておくと該斜面部18の近傍に単結晶粒1
2Aの成長が促進され、薄膜中に結晶粒界が明確に生成
するほどの熱処理を行なうことなく単結晶粒12Aが形
成されるためである。なお、薄膜12中において、単結
晶粒12Aは超電導体により第1の平面部19及び第2
の平面部20と接続されている。また、第1の平面部1
9及び第2の平面部20は単結晶化していないが、その
結晶化が促進されて超電導体になっている。
【0104】次に、図10及び図10におけるX−X線
の断面構造を示す図9(d)に示すように、単結晶粒1
2Aにおける斜面部18の傾斜方向と平行に且つ幅が1
0μm以上の帯状パターンとなるように単結晶粒12A
に対してエッチング加工を行なう。また、第1及び第2
の平面部19,20に対して斜面部18が延びる方向に
幅が共に1mmとなるようにそれぞれエッチング加工を
行なう。なお、図10において、図9(d)と同一符号
が同一または相当する部分を示している。
【0105】次に、薄膜12における第1の平面部19
にAuよりなる第1の電極14A及び第3の電極14C
を形成すると共に、薄膜12における第2の平面部20
にAuよりなる第2の電極14B及び第4の電極14D
を形成する。第1の平面部19と第2の平面部20と
は、単結晶粒12Aにおける斜面部18の上面又は下面
とそれぞれ電気的に接続されている。本実施形態におい
ても4端子測定が可能なように、4つの電極を形成して
いるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0106】また、電極を形成する部材を熱処理に耐え
る部材とすれば、熱処理の前に電極を形成することも可
能である。
【0107】本実施形態により製造されたトンネル型ジ
ョセフソン素子における測定温度50K下の電流電圧特
性は、前記の各実施形態により得られた薄膜素子の特性
と同様であった。
【0108】本実施形態の特徴として、Bi2 Sr2
1 Cu2 8 よりなる薄膜12内に単結晶粒を形成す
る際に、該薄膜内に結晶粒界が明確に生成するほどの熱
処理を行なう必要がないため、前記各実施形態に比べて
素子の製造が容易となる。
【0109】なお、基板11における斜面部18の高
さ、すなわち第1の平面部19と第2の平面部20との
段差を200nmに設定し薄膜12の膜厚を150nm
に形成したが、本発明はこれに限定されない。単結晶粒
12Aにおける斜面部18上の帯状パターンに第1の平
面部19と第2の平面部20とを貫通するab面が存在
しないように、すなわち、該帯状パターンを流れる電流
が必ずc軸方向に流れるようにするために、斜面部18
の高さが薄膜12の膜厚よりも大きくなるという条件を
満たすようにすれば、本実施形態と同様の効果を有する
素子を得ることができる。
【0110】また、本実施形態において、基板11にお
ける斜面部18の基板面に対する傾斜角度を60度に形
成したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本
発明は斜面部18の傾斜角度が15度ないし75度の範
囲にあれば本実施形態と同様の効果を有する素子を得る
ことができる。
【0111】また、本実施形態において、単結晶粒12
Aにおける斜面部18上の帯状パターンの幅を10μm
に形成したが、本発明はこれに限定されない。すなわ
ち、本発明は帯状パターンの幅が1μmないし100μ
mの範囲にあれば本実施形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0112】(第5の実施形態)以下、本発明の第5の
実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0113】図11(a)〜(d)は本発明の第5の実
施形態に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法を
示す工程順断面図である。まず、図11(a)に示すよ
うに、MgO単結晶よりなる基板11の主面部に、高さ
200nm、幅2μmの帯状の突起部21を設け、該突
起部21を境にして基板11の主面を第1の平面部22
と第2平面部23とに分割する。
【0114】次に、図11(b)に示すように、基板1
1の表面に全面にわたって150nmのBi2 Sr2
1 Cu2 8 よりなる薄膜12を形成した後、図11
(c)に示すように、薄膜12に対して酸素雰囲気中に
おける850℃の温度下で6時間の熱処理を施すことに
より、薄膜12における突起部21及び該突起部21の
段差部にc軸配向した単結晶粒12Aを形成する。ここ
で、熱処理温度及び熱処理を行なう時間は、前記第4の
実施形態の場合と同様に低温で且つ短時間でよく、基板
11に突起部21を設けておくと該突起部21の近傍に
単結晶粒12Aの成長が促進される。その後、単結晶粒
12Aにおける突起部21に直交する方向に幅10μm
の帯状パターンとなるように単結晶粒12Aに対してエ
ッチング加工を行なう。なお、薄膜12中において、単
結晶粒12Aは超電導体により第1の平面部22及び第
2の平面部23と接続されている。また、第1の平面部
22及び第2の平面部23は単結晶化していないが、そ
の結晶化が促進されて超電導体になっている。
【0115】次に、図12及び図12におけるXII −XI
I 線の断面構造を示す図11(d)に示すように、薄膜
12における第1の平面部22にAuよりなる第1の電
極14A及び第3の電極14Cを形成すると共に、薄膜
12における第2の平面部23にAuよりなる第2の電
極14B及び第4の電極14Dを形成する。第1の平面
部22と第2の平面部23とは、単結晶粒12Aの突起
部21の両側にそれぞれ電気的に接続されている。本実
施形態においても4端子測定が可能なように、4つの電
極を形成しているが、必ずしもこれに限るものではな
い。なお、図12において、図11(d)と同一符号が
同一または相当する部分を示している。
【0116】また、電極を形成する部材を熱処理に耐え
る部材とすれば、熱処理の前に電極を形成することも可
能である。
【0117】本実施形態により製造されたトンネル型ジ
ョセフソン素子における測定温度50K下の電流電圧特
性は、前記の各実施形態により得られた薄膜素子の特性
と同様であった。
【0118】本実施形態の特徴として、前記第4の実施
形態と同様に、帯状の突起部21がBi2 Sr2 Ca1
Cu2 8 よりなる薄膜12の単結晶化を促進するた
め、該薄膜12内に単結晶粒12Aを形成する際に、該
薄膜内に結晶粒界が明確に生成するほどの熱処理を行な
う必要がないため、素子の製造が容易となる。
【0119】なお、本実施形態においては、帯状の突起
部21の幅を2μmにしたが、本発明はこれに限定され
るものではない。すなわち、突起部21の幅は単結晶粒
12Aの大きさ、すなわち熱処理工程の処理条件に応じ
て調整すれば良い。
【0120】また、本実施形態においては、帯状の突起
部21の高さを200nmに形成し、Bi2 Sr2 Ca
1 Cu2 8 よりなる薄膜12の膜厚を150nmに形
成したが、本発明はこれに限定されない。単結晶粒12
Aにおける突起部21上の帯状パターンに第1の平面部
22と第2の平面部23とを貫通するab面が存在しな
いように、すなわち、該帯状パターンを流れる電流が必
ずc軸方向に流れるようにするために、突起部21の高
さが薄膜12の膜厚よりも大きいという条件を満たせ
ば、本発明は本実施形態と同様の効果を有する素子を得
ることができる。
【0121】また、本実施形態においては、単結晶粒1
2Aにおける突起部21と直交する部分の幅を10μm
に形成したが、本発明はこれに限定されない。すなわ
ち、本発明は単結晶粒12Aにおける突起部21と直交
する部分の幅が1μmないし100μmの範囲にあれ
ば、本実施形態と同様の効果を有する素子を得ることが
できる。
【0122】また、前記第4の実施形態及び第5の実施
形態により得られる素子は、帯状の接合部の面積と該接
合部におけるジョセフソン接合の数とを特定することは
難しい。しかしながら、これらの素子が前記第1〜3の
実施形態により得られる素子と同様の素子特性を示すこ
とから、第4及び第5の実施形態による素子は前記第1
〜3の実施形態の素子と同様のトンネル型ジョセフソン
素子を構成しているものと考えられる。
【0123】また、前記各実施形態において、酸化物高
温超電導体膜としてBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 から
なる薄膜を用いたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、これ以外の他の組成からなる酸化物高温超電導
体膜を用いても同様の効果を得ることができる。特に、
Bi2 Sr2 Ca2 Cu3 10や,Pbを含んだ(B
i,Pb)2 Sr2 Ca2 Cu3 10は、Bi2 Sr2
Ca1 Cu2 8 よりも超電導臨界温度が高い酸化物高
温超電導体であるため、この薄膜を用いた場合は、液体
窒素温度77K以上の高温度下で素子を動作させること
が可能となる。また、Bi系の酸化物高温超電導体と同
様に、その結晶構造内に2重のブロック層を有するTl
系の酸化物高温超電導体は、同一の結晶構造のBi系の
酸化物高温超電導体に比べて超電導臨界温度が高くなる
ので、素子を高温動作させる上で有益である。
【0124】また、前記各実施形態では単結晶粒が基板
に対してc軸配向しているが、本発明はこれに限定され
ない。すなわち、単結晶粒がその配向方向が明確になっ
ているものであれば、同様の効果を得ることができる。
【0125】また、前記各実施形態において、基板にM
gO単結晶を使用し、該MgO単結晶の(100)面上
にBi2 Sr2 Ca1 Cu2 8 膜を形成したが、本発
明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、基板に
例えばSrTiO3 単結晶若しくはLaAlO3 単結晶
の(100)面、又はNdGaO3 単結晶の(001)
面を用い、これらの結晶面に酸化物高温超電導体膜を形
成するようにしても、同様の効果を得ることができる。
この場合は、MgO単結晶の(100)面を用いる場合
に比して、格子定数のミスマッチが低減されるため、薄
膜中に形成される単結晶粒の粒径が大きくなることが予
想され、一つの単結晶粒に複数の素子を作製することも
可能となる。
【0126】
【発明の効果】請求項1の発明に係るトンネル型ジョセ
フソン素子によると、基板上の導電性領域の上に形成さ
れた酸化物高温超電導体よりなる単結晶粒が、酸化物高
温超電導体の結晶化温度以上の温度で熱処理されること
により形成されているため、結晶軸異方性を示す結晶の
異方的電気特性が安定して維持されるので,素子は良好
な素子特性を示す。
【0127】請求項2の発明に係るトンネル型ジョセフ
ソン素子によると、請求項2の発明に係るトンネル型ジ
ョセフソン素子の効果が得られる上に、素子を動作させ
る際に素子が電圧状態にジャンプしたときに発生する熱
が抑制されるため、素子の動作が安定する。
【0128】請求項3の発明に係るトンネル型ジョセフ
ソン素子によると、請求項1又は2の発明に係るトンネ
ル型ジョセフソン素子の効果が得られる上に、単結晶粒
の厚さが酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10
倍以下になり、固有ジョセフソン接合として動作する接
合の数を10個以下に制限できるため、素子の動作に必
要な電圧を数百mV以下にすることができるので、ジョ
セフソン素子の低消費電力化を図ると共に安定した動作
を実現することができる。
【0129】請求項4の発明に係るトンネル型ジョセフ
ソン素子によると、請求項1〜3の発明に係るトンネル
型ジョセフソン素子の効果が得られる上に、酸化物高温
超電導体として結晶軸異方性が強いBi系超電導体を用
いているため、結晶性に優れた単結晶粒が得られるの
で、固有ジョセフソン接合を確実に形成することができ
る。これにより、一層安定した動作を実現できる。
【0130】請求項5又は6の発明に係るトンネル型ジ
ョセフソン素子の製造方法によると、酸化物高温超電導
体の結晶化温度以上の温度で熱処理を行なって、酸化物
高温超電導体よりなる薄膜内にc軸配向を有する単結晶
粒を形成するため、結晶軸異方性を示す結晶の異方的電
気特性が安定して維持されるので、良好な素子特性を有
するジョセフソン素子を製造することができる。
【0131】請求項7の発明に係るトンネル型ジョセフ
ソン素子の製造方法によると、請求項5の発明に係るト
ンネル型ジョセフソン素子の製造方法の効果が得られる
上に、酸化物高温超電導体よりなる単結晶粒の上面部に
形成された凸部を除く領域に第2の電極を形成すること
により、該第2の電極は単結晶粒の凸部の下側部分と電
気的に接続されるため、c軸方向の電気特性を素子とし
て取り出すことができる。これにより、酸化物高温超伝
導体よりなる単結晶粒の固有ジョセフソン接合を確実に
利用することができる。
【0132】請求項8、11又は14の発明に係るトン
ネル型ジョセフソン素子の製造方法によると、素子を動
作させる際に素子が電圧状態にジャンプしたときに発生
する熱を抑制できるので、安定して動作するジョセフソ
ン素子を製造することができる。
【0133】請求項9、12又は15の発明に係るトン
ネル型ジョセフソン素子の製造方法によると、単結晶粒
の厚さが酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10
倍以下になり、固有ジョセフソン接合として動作する接
合の数を10個以下に制限できるため、素子の動作に必
要な電圧を数百mV以下にすることができるので、ジョ
セフソン素子の低消費電力化を図ると共に安定した動作
を実現することができる。
【0134】請求項10の発明に係るトンネル型ジョセ
フソン素子の製造方法によると、請求項5の発明に係る
トンネル型ジョセフソン素子の製造方法の効果が得られ
る上に、酸化物高温超電導体よりなる単結晶粒におけ
る、素子形成領域である第1の領域の外側部分である第
2の領域に第2の電極を形成することにより、該第2の
電極は第1の領域の下側部分を介して第1の電極と電気
的に接続されるので、c軸方向の電気特性を素子として
取り出すことができる。これにより、酸化物高温超伝導
体よりなる単結晶粒の固有ジョセフソン接合を確実に利
用することができる。
【0135】請求項13の発明に係るトンネル型ジョセ
フソン素子の製造方法によると、請求項5又は6の発明
に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の効果が
得られる上に、基板に形成する枠状の凹状溝により薄膜
における素子形成領域を制御できるため、薄膜をエッチ
ングするプロセスが不要になり、薄膜がエッチングによ
るダメージを受けないので、ジョセフソン素子の歩留ま
りが向上すると共に、薄膜におけるc軸配向させる領域
の面積が限定されているため、素子形成領域において結
晶性に優れた酸化物高温超伝導体よりなる単結晶粒を得
ることができるので、安定して動作するジョセフソン素
子を製造することができる。
【0136】また、単結晶粒の位置を基板の主面部に形
成する凹状溝によって制御できるため、実体顕微鏡によ
り単結晶粒の位置を特定する作業が不要になるので、工
業化に適した製造方法を実現できる。
【0137】さらに、酸化物高温超伝導体よりなる薄膜
の膜厚は基板に形成された凹状溝の深さよりも大きいた
め、薄膜における基板の第1の領域の上側部分つまり単
結晶粒の上面に接続された第1の電極と薄膜における基
板の第2の領域の上側部分に接続された第2の電極との
間に電流を流すことにより、薄膜の第1の領域に形成さ
れた酸化物高温超伝導体よりなる単結晶粒の固有ジョセ
フソン接合を確実に利用することができる。
【0138】請求項16の発明に係るトンネル型ジョセ
フソン素子の製造方法によると、請求項5又は6の発明
に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の効果が
得られる上に、酸化物高温超伝導体よりなる薄膜の斜面
部を含む領域に単結晶粒を形成するため、斜面部の上段
側を第1の平面部、斜面部の下段側を第2の平面部とす
ると、第2の平面部に形成される第2の電極は、斜面部
を含む領域に形成された単結晶粒の下側部分に電気的に
接続されるので、c軸方向の電気特性を素子として取り
出すことができる。これにより、酸化物高温超伝導体よ
りなる単結晶粒の固有ジョセフソン接合を確実に利用す
ることができる。
【0139】また、素子を動作させる際に素子が電圧状
態にジャンプしたときに発生する熱を抑制できるので、
安定して動作するジョセフソン素子を製造することがで
きる。
【0140】また、単結晶粒形成工程において、単結晶
粒の成長が斜面部付近に促進されるため、薄膜中に粒界
が明確に生成するほど熱処理を行なう必要がないので、
製造が容易になる。
【0141】請求項17の発明に係るトンネル型ジョセ
フソン素子の製造方法によると、請求項5又は6の発明
に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の効果が
得られる上に、酸化物高温超伝導体よりなる薄膜の突起
部を含む領域に単結晶粒を形成するため、第1の平面部
に形成される第1の電極及び第2の平面部に形成される
第2の電極は、突起部を含む領域に形成された単結晶粒
の下側部分にそれぞれ電気的に接続されるので、c軸方
向の電気特性を素子として取り出すことができる。これ
により、酸化物高温超伝導体よりなる単結晶粒の固有ジ
ョセフソン接合を確実に利用することができる。
【0142】また、単結晶粒形成工程において、単結晶
粒の成長が斜面部付近に促進されるため、薄膜中に粒界
が明確に生成するほど熱処理を行なう必要がないので、
製造が容易になる。
【0143】請求項18の発明に係るトンネル型ジョセ
フソン素子の製造方法によると、請求項5〜17の発明
に係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の効果が
得られる上に、酸化物高温超電導体として結晶軸異方性
が強いBi系超電導体を用いているため、結晶性に優れ
た単結晶粒が得られるので、固有ジョセフソン接合を確
実に形成することができるので、一層安定して動作する
ジョセフソン素子を製造することができる。
【0144】以上説明したように、本発明によると、超
電導コンピュータ、超電導デジタル回路、超電導量子干
渉素子又はミリ波ないし遠赤外領域の電磁波検出のため
のミキサ等に幅広く利用される、酸化物高温超電導体が
有する固有ジョセフソン接合を利用したトンネル型ジョ
セフソン素子を簡易且つ確実に製造することができるの
で、本発明の産業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るトンネル型ジョ
セフソン素子の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るトンネル型ジョ
セフソン素子の部分平面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態に係
るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の工程順断面
図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るトンネル型ジョ
セフソン素子の電流電圧特性を示す図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の第2の実施形態に係
るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の工程順断面
図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るトンネル型ジョ
セフソン素子の部分平面図である。
【図7】(a)〜(d)は本発明の第3の実施形態に係
るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の工程順断面
図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るトンネル型ジョ
セフソン素子の部分平面図である。
【図9】(a)〜(d)は本発明の第4の実施形態に係
るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の工程順断面
図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るトンネル型ジ
ョセフソン素子の部分平面図である。
【図11】(a)〜(d)は本発明の第5の実施形態に
係るトンネル型ジョセフソン素子の製造方法の工程順断
面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係るトンネル型ジ
ョセフソン素子の部分平面図である。
【図13】従来のトンネル型ジョセフソン素子の製造方
法の工程順断面図である。
【図14】(a)は従来のトンネル型ジョセフソン素子
の接合領域の拡大断面図である。(b)は従来のトンネ
ル型ジョセフソン素子の接合領域の拡大平面図である。
【符号の説明】
11 基板 11a 第1の凹状溝 12 薄膜 12a 凸部 12b 第1の領域 12c 凹状溝 12d 第2の領域 12e 第2の凹状溝 12A 単結晶粒 12B 単結晶粒 12C 単結晶粒 13 結晶粒界 14A 第1の電極 14B 第2の電極 14C 第3の電極 14D 第4の電極 15 絶縁体膜 16 第1の領域 17 第2の領域 18 斜面部 19 第1の平面部 20 第2の平面部 21 突起部 22 第1の平面部 23 第2の平面部
フロントページの続き (72)発明者 瀬恒 謙太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された導電性領域と、 前記導電性領域の上に設けられ、酸化物高温超電導体が
    該酸化物高温超電導体の結晶化温度以上の温度で熱処理
    されることにより形成された単結晶粒と、 前記単結晶粒における前記導電性領域の反対側の面に電
    気的に接続されている第1の電極と、 前記導電性領域の上における前記単結晶粒が形成されて
    いる領域と異なる領域に電気的に接続されている第2の
    電極とを備え、 前記単結晶粒はトンネル型ジョセフソン効果を有するよ
    うに形成されていることを特徴とするトンネル型ジョセ
    フソン素子。
  2. 【請求項2】 前記単結晶粒における、前記トンネル型
    ジョセフソン効果を示す領域のc軸方向に対して垂直な
    方向の断面積は400μm2 以下であることを特徴とす
    る請求項1に記載のトンネル型ジョセフソン素子。
  3. 【請求項3】 前記単結晶粒における、前記トンネル型
    ジョセフソン効果を示す領域のc軸方向の長さは、前記
    酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10倍以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のトンネル
    型ジョセフソン素子。
  4. 【請求項4】 前記酸化物高温超電導体は、Bi(ビス
    マス),Sr(ストロンチウム),Ca(カルシウ
    ム),Cu(銅)及びO(酸素)を含む化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のト
    ンネル型ジョセフソン素子。
  5. 【請求項5】 基板の主面上に酸化物高温超電導体より
    なる薄膜を形成する超電導体薄膜形成工程と、 前記薄膜に対して前記酸化物高温超電導体の結晶化温度
    以上の温度で熱処理を行なうことにより、前記酸化物高
    温超電導体よりなりc軸配向を有する単結晶粒を形成す
    る単結晶粒形成工程と、 前記薄膜の上面における一の領域に前記単結晶粒と電気
    的に接続される第1の電極を形成する第1の電極形成工
    程と、 前記薄膜の上面における他の領域に前記単結晶粒と電気
    的に接続される第2の電極を形成する第2の電極形成工
    程とを備えていることを特徴とするトンネル型ジョセフ
    ソン素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板の主面上に酸化物高温超電導体より
    なる薄膜を形成する超電導体薄膜形成工程と、 前記薄膜の上面における一の領域に第1の電極を形成す
    る第1の電極形成工程と、 前記薄膜の上面における他の領域に第2の電極を形成す
    る第2の電極形成工程と、 前記薄膜に対して前記酸化物高温超電導体の結晶化温度
    以上の温度で熱処理を行なうことにより、前記酸化物高
    温超電導体よりなりc軸配向を有する単結晶粒を形成す
    る単結晶粒形成工程とを備えていることを特徴とするト
    ンネル型ジョセフソン素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記単結晶粒形成工程と前記第1の電極
    形成工程との間に、 前記単結晶粒の上面部における所定領域を除く領域を、
    前記基板の主面に対して所定の深さまで除去することに
    より、前記単結晶粒の上面部に前記所定領域よりなる凸
    部を形成する工程を含み、 前記第1の電極形成工程は、前記単結晶粒の前記凸部の
    上面に前記第1の電極を形成する工程を含み、 前記第2の電極形成工程は、前記単結晶粒の前記凸部を
    除く領域に前記第2の電極を形成する工程を含むことを
    特徴とする請求項5に記載のトンネル型ジョセフソン素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記単結晶粒の前記凸部の上面の面積は
    400μm2 以下であることを特徴とする請求項7に記
    載のトンネル型ジョセフソン素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記単結晶粒の前記凸部の高さは、前記
    超電導体薄膜形成工程において形成される前記酸化物高
    温超電導体のブロック層の間隔の10倍以下であること
    を特徴とする請求項7又は8に記載のトンネル型ジョセ
    フソン素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記単結晶粒形成工程と前記第1の電
    極形成工程との間に、 前記単結晶粒の上面部に所定の深さを有する枠状の凹状
    溝を形成して、前記単結晶粒の上面を前記凹状溝により
    囲まれた第1の領域と前記凹状溝の外側の第2の領域と
    に分割する工程を含み、 前記第1の電極形成工程は、前記単結晶粒の前記第1の
    領域に前記第1の電極を形成する工程を含み、 前記第2の電極形成工程は、前記単結晶粒の前記第2の
    領域に前記第2の電極を形成する工程を含むことを特徴
    とする請求項5に記載のトンネル型ジョセフソン素子の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記単結晶粒における前記第1の領域
    の面積は400μm2 以下であることを特徴とする請求
    項10に記載のトンネル型ジョセフソン素子の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記単結晶粒の前記凹状溝の所定の深
    さは、前記超電導体薄膜形成工程において形成される前
    記酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10倍以下
    であることを特徴とする請求項10又は11に記載のト
    ンネル型ジョセフソン素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記超電導体薄膜形成工程の前に、 前記基板の主面部に所定の深さを有する枠状の凹状溝を
    形成して、前記基板の主面部を前記凹状溝により囲まれ
    た第1の領域と前記凹状溝の外側の第2の領域とに分割
    する工程を含み、 前記超電導体薄膜形成工程は、前記基板の主面上に前記
    凹状溝の所定の深さよりも大きい膜厚を有する酸化物高
    温超電導体よりなる薄膜を全面的に形成する工程を含
    み、 前記第1の電極形成工程は、前記薄膜における前記基板
    の第1の領域の上側部分に前記第1の電極を形成する工
    程を含み、 前記第2の電極形成工程は、前記薄膜における前記基板
    の第2の領域の上側部分に前記第2の電極を形成する工
    程を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載のトン
    ネル型ジョセフソン素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記薄膜における前記基板の第1の領
    域の上側部分の面積は400μm2 以下であることを特
    徴とする請求項13に記載のトンネル型ジョセフソン素
    子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記薄膜における前記凹状溝の所定の
    深さは、前記超電導体薄膜形成工程において形成される
    前記酸化物高温超電導体のブロック層の間隔の10倍以
    下であることを特徴とする請求項13又は14に記載の
    トンネル型ジョセフソン素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記超電導体薄膜形成工程の前に、 前記基板の主面部を、第1の平面部と第2の平面部とに
    分割すると共に、前記第1の平面部と前記第2の平面部
    との間に、前記基板の主面に対して15度以上且つ75
    度以下の角度を有し、前記第1の平面部と前記第2の平
    面部とをつなぐ斜面部を形成する斜面部形成工程を含
    み、 前記超電導体薄膜形成工程は、前記基板の主面上に前記
    斜面部の高さよりも小さい膜厚を有する酸化物高温超電
    導体よりなる薄膜を全面的に形成する工程を含み、 前記単結晶粒形成工程は、前記薄膜における前記基板の
    前記斜面部の上側部分を含む領域に前記単結晶粒を形成
    した後、該単結晶粒の前記斜面部に前記単結晶粒よりな
    る帯状部を前記斜面部の傾斜方向に形成する工程を含
    み、 前記第1の電極形成工程は、前記第1の平面部に、前記
    単結晶粒における前記第1の平面部と電気的に接続する
    前記第1の電極を形成する工程を含み、 前記第2の電極形成工程は、前記第2の平面部に、前記
    単結晶粒における前記第2の平面部と電気的に接続する
    前記第2の電極を形成する工程を含むことを特徴とする
    請求項5又は6に記載のトンネル型ジョセフソン素子の
    製造方法。
  17. 【請求項17】 前記超電導体薄膜形成工程の前に、 前記基板の主面部を、第1の平面部と第2の平面部とに
    分割すると共に、前記第1の平面部と前記第2の平面部
    との間に、前記第1の平面部と前記第2の平面部とを画
    する突起部を形成する突起部形成工程を含み、 前記超電導体薄膜形成工程は、前記基板の主面上に前記
    突起部の高さよりも小さい膜厚を有する酸化物高温超電
    導体よりなる薄膜を全面的に形成する工程を含み、 前記単結晶粒形成工程は、前記基板の主面上における前
    記突起部を含む領域に前記単結晶粒を形成した後、前記
    単結晶粒における前記突起部を跨ぐ領域に前記単結晶粒
    よりなる帯状部を形成する工程を含み、 前記第1の電極形成工程は、前記第1の平面部に、前記
    単結晶粒における前記第1の平面部と電気的に接続する
    前記第1の電極を形成する工程を含み、 前記第2の電極形成工程は、前記第2の平面部に、前記
    単結晶粒における前記第2の平面部と電気的に接続する
    前記第2の電極を形成する工程を含むことを特徴とする
    請求項5又は6に記載のトンネル型ジョセフソン素子の
    製造方法。
  18. 【請求項18】 前記超電導体薄膜形成工程における前
    記酸化物高温超電導体は、Bi(ビスマス),Sr(ス
    トロンチウム),Ca(カルシウム),Cu(銅)及び
    O(酸素)を含む化合物であることを特徴とする請求項
    5〜17のいずれか1項に記載のトンネル型ジョセフソ
    ン素子の製造方法。
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