JPH09267246A - 光学素材心出し用保持具 - Google Patents

光学素材心出し用保持具

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JPH09267246A
JPH09267246A JP10362696A JP10362696A JPH09267246A JP H09267246 A JPH09267246 A JP H09267246A JP 10362696 A JP10362696 A JP 10362696A JP 10362696 A JP10362696 A JP 10362696A JP H09267246 A JPH09267246 A JP H09267246A
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Masaki Aizawa
正樹 相澤
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 心取りを行うレンズに傷をつけることがな
く、レンズの滑りが円滑で、かつ心取り機のスピンドル
への着脱に伴う心出し精度の低下を防止し得るベルクラ
ンプ式の光学素材心出し用保持具を提供する。 【解決手段】 ベルクランプ法によるレンズホルダ11
において、各レンズ面S1 ,S2 を挟んで押圧する当接
縁13dを心取りを行うレンズの材料に比べ軟質な合成
樹脂材料により形成し、かつ心取りを行う心取り機のス
ピンドル41,42へ着脱するための装着部12を着脱
の前後における変形が小さい金属材料により形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラス等の光
学材料からなる光学素材の光軸を心取軸等の機械的中心
線に一致させる心出し作業において光学素材を保持する
光学素材心出し用保持具に関し、特に「ベルクランプ式
心出し」により心出しを行う場合の光学素材心出し用保
持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学素材の加工において、例えば
両凸レンズを作製する場合には、クラウン系ガラス,フ
リント系ガラス等の光学ガラスを含む光学材料からなる
光学素材に、素材取り、レンズ面加工、レンズ外
径加工の順で加工を施す。素材取り加工は、レンズ1個
分の光学材料を粗成形し、加工を施すべき光学素材を得
る工程である。また、レンズ面加工は、粗加工、ス
ムージング、磨き(ポリッシング)の順で行われる。
【0003】このうち、最初の粗加工は、素材取りされ
た光学素材の寸法をレンズの最終値に近付け、表面の粗
さを改善する工程であり、「荒摺り」や「カーブゼネレ
ータ研削」により行われる。続くスムージング加工は、
粗加工で生じた表面の粗さをより細かくし、レンズの厚
さ寸法を必要精度内に入れる工程であり、「砂かけ」や
「ダイヤモンドスムージング」により行われる。最終の
磨き加工は、レンズ面を光学鏡面に仕上げるとともに、
その寸法と形状を最終精度内に入れる工程であり、水ス
ラリー状の研磨剤等を用いて行われる。
【0004】レンズ外径加工は、「心取り」と呼ばれ、
上記の磨き工程が終了し、互いに背向する2面のうち少
なくとも1面が球面レンズ状に研磨加工された光学素材
(以下、「心取り前レンズ」という。)を「心取り機」
と呼ばれる円筒研削機に装着し、心取り機における円筒
状の研削加工の中心軸とレンズの光軸とを一致させる
「心出し」を行い、心出しされたレンズの外周部分のう
ちの不要部分を削除して所定の直径のレンズを得るため
の工程である。したがって、レンズ加工の第1段階であ
る素材取りでは、設計上の直径値に心取りのための余裕
しろを見込んだ大きな直径に加工される。この心取り工
程では、レンズの正しい外径の削り出しのほか、レンズ
外周部の面取り、正面取りなども併せて行われる。
【0005】上記した心取りの方法として、図3に示す
ものが知られている。この心取り方法は、「ベルクラン
プ式心出し」と呼ばれる方法を用いたものであり、図3
(A)はベルクランプ式心出しによる心出し前の状態
を、図3(B)はベルクランプ法により心出しを行い心
取りを行うまでを、それぞれ示している。このベルクラ
ンプ法では、図に示すように、2つの略円柱状の金属製
スピンドル41,42を有する心取り機を用いる。各ス
ピンドル41,42は、同一の中心軸A1 を共有してお
り、図の左右方向に移動可能に構成されている。この中
心軸A1 は心取り機における円筒研削加工の中心軸(以
下、「加工機軸」という。)と一致している。また、各
スピンドル41,42の互いに対向する先端部には雄ネ
ジ部41a,42aが形成されている。これらのスピン
ドル41,42のそれぞれには、略円筒状のレンズホル
ダ31,32が用意され、各レンズホルダ31,32の
後部には雌ネジ部31a,32aが形成されている。し
たがって、雄ネジ部41a又は42aに雌ネジ部31a
又は32aを螺合させることにより、スピンドル41又
は42にレンズホルダ31又は32を装着し、両者の中
心軸が同軸となるようにすることができる。また、両者
の螺合を緩めることにより、スピンドル41又は42か
らレンズホルダ31又は32を離脱させることができ
る。また、レンズホルダ31,32の互いに対向する前
部31b,32bは、円筒の内孔に向けて円錐面状をな
すように形成されており、この円錐面の断面のテーパー
角は例えば45度程度に設定されている。このため、レ
ンズホルダ31,32の前部31b,32bの先端は円
状の尖った縁状の当接縁となっている。
【0006】上記のような構成の心取り機により、まず
レンズの心出しを行う。そのため、磨き加工までのレン
ズ面加工を終了した心取り前レンズLを、図3(A)に
示すように、レンズホルダ31,32の間に入れる。こ
の場合、心取り前レンズLは球面状のレンズ面S1 とS
2 を有し、レンズ面S1 の曲率半径はR1 となっており
曲率中心はO1 にある。また、レンズ面S2 の曲率半径
はR2 となっており曲率中心はO2 にある。また、レン
ズLの真の光軸はA2 だが、心取り前ではレンズLの外
径中心軸はA3 であり、両者は一致していない。
【0007】次に、図3(B)に示すように、心取り前
レンズLの両側をレンズホルダ31,32で挟み込み、
各レンズ面S1 ,S2 にレンズホルダ31,32の前部
31b,32bの先端の当接縁を当接させ、所定の力で
押圧すると、レンズ面S2 が球面でありレンズホルダ3
1の前部31bの当接縁と線接触し接触線が円をなすこ
と、及びレンズ面S1 が球面でありレンズホルダ32の
前部32bの当接縁と線接触し接触線が円をなすことか
ら、心取り前レンズLは、その光軸A2 が心取り機の中
心軸である加工機軸A1 と合致した位置まで動いた後に
その位置で安定する。すなわち、レンズ自身が滑り運動
を行うことにより心出しが自動的に行われる。
【0008】この状態で、心取り機により心取り前レン
ズLの不要な外周部C1 ,C2 を所要量研削すれば、心
取り前にはD1 であったレンズ直径を、所要のレンズ直
径D2 とすることができる。また、心取り後は、レンズ
Lの外径中心軸がレンズLの光軸A2 と合致する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の心出し方法では、レンズのクランプに用いるレンズホ
ルダ31,32が真鍮などの金属材料で形成されている
ため、レンズの光学素材が軟質材の場合には、レンズホ
ルダの先端の円状の当接縁によりレンズ面に傷をつけて
しまう、という問題があった。
【0010】上記の問題を解決するため、心取り前レン
ズの両面に厚さが0.02mm程度の薄葉紙を貼り、レ
ンズに傷がつくことを防止する対策が実施されたが、薄
葉紙を貼る手間がかかり工程が増加するうえ、レンズと
レンズホルダの間に薄葉紙が介在することにより、レン
ズの両側をレンズホルダで挟んで押圧してもレンズが円
滑に滑らず、心出し精度が低下する、という問題が生じ
た。
【0011】このため、両レンズホルダを合成樹脂材料
により形成して心出しを行ったところ、レンズに傷がつ
かず、かつ心出し精度も所定値に収まった。しかしなが
ら、この場合には、レンズホルダの後部の雌ネジ部31
a,32aの部分も合成樹脂で形成されている。このた
め、レンズホルダの後部の合成樹脂製の雌ネジ部31
a,32aは、金属製のスピンドル41,42に比べ変
形が大きい。したがって、他の種類のレンズの心出しを
行うべく、レンズホルダ31,32をスピンドル41,
42からいったん外し、その後再度螺着させると、レン
ズホルダの後部の雌ネジ部31a,32aとスピンドル
の雄ネジ部41a,42aとの噛み合い状態が当初の噛
み合い状態と異なった噛み合い状態に変化し、レンズホ
ルダ31,32の中心軸とスピンドル41,42の中心
軸との間に微小な偏心や偏角等が生じ、当初得られた心
出し精度が得られない、という再現性不良の問題が発生
した。
【0012】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、心
取りを行うレンズに傷をつけることがなく、レンズの滑
りが円滑で、かつ心取り機のスピンドルへの着脱に伴う
心出し精度の低下を防止し得るベルクランプ式の光学素
材心出し用保持具を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る光学素材心出し用保持具は、光学材料
からなり互いに背向する2面のうち少なくとも1面が球
面状に加工された光学素材の前記球面に当接可能な円状
の当接縁を先端に有するクランプ部と、心出し装置に着
脱自在な装着部とを備えた光学素材心出し用保持具にお
いて、少なくとも前記当接縁は前記光学素材に比べ軟質
な第1材料により形成され、かつ前記装着部は前記心出
し装置への着脱の前後における変形が小さい第2材料に
より形成されることを特徴とする。
【0014】上記の光学素材心出し用保持具において、
好ましくは、前記第1材料は合成樹脂材料を含む。
【0015】また、上記の光学素材心出し用保持具にお
いて、好ましくは、前記第2材料は、金属材料又はセラ
ミックス材料を含む。
【0016】また、上記の光学素材心出し用保持具にお
いて、好ましくは、前記装着部の前部は略円筒状に形成
され前記クランプ部の方向に突出し、かつ前記クランプ
部は前記装着部の前部の外径よりもわずかに大きな内径
を有する略円筒状に形成され前記クランプ部に外嵌され
て固定される。
【0017】また、上記の光学素材心出し用保持具にお
いて、好ましくは、前記クランプ部は略円筒状に形成さ
れ、前記装着部の前部に固定される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】(1)第1実施形態 図1は、本発明の光学素材心出し用保持具の第1実施形
態の構成を示したものであり、レンズの心取りを示して
いる。図の上半部は側面図を、図の下半部はその部分の
断面図を、それぞれ示している。図1に示すように、光
学素材心出し用保持具であるレンズホルダ11は、装着
部12とクランプ部13を備えて構成されている。
【0020】装着部12は、第2材料である金属材料、
例えば真鍮等により形成され、略薄肉円筒状の細径部1
2aと、略厚肉円筒状の太径部12bを有している。細
径部12aはクランプ部13に向って前方に突出してい
る。太径部12bは、細径部12aの外径よりも大きな
外径を有し、細径部12aの後部に接続している。ま
た、装着部12の内部には、細径部12aと太径部12
bを貫通する貫通孔12dが形成されている。太径部1
2bの後方の貫通孔内面には、雌ネジ部12cが形成さ
れており、この雌ネジ部12cは、図3に示した心取り
機のスピンドル41又は42に螺合により着脱可能とな
っている。
【0021】また、細径部12aの前部は、円筒の内部
の貫通孔12dに向けて円錐面状をなすように形成され
ており、この円錐面12gの断面のテーパー角は例えば
45度程度に設定されている。また、太径部12bの前
面12eは、円筒の軸に直交する平坦面状に形成されて
いる。
【0022】クランプ部13は、第1材料である合成樹
脂材料、例えばポリアセタールなどのエンジニアリング
プラスチック等からなり、略薄肉円筒状に形成されてい
る。このクランプ部13の後端面13cは、円筒の軸に
直交する平坦面状に形成されている。また、クランプ部
13の内径は、上記した装着部12の前方の細径部12
aの外径よりもわずかに大きく設定されている。このよ
うな構成により、クランプ部13は、上記した装着部1
2の細径部12aに外側から嵌められ、クランプ部13
の内面13bと装着部12の細径部12aの外面との
間、及びクランプ部13の後端面13cと装着部12の
太径部12bの前面12eとの間で接着されて固定され
ている。
【0023】また、クランプ部13の前部は、円筒の内
部の貫通孔12dに向けて円錐面状をなすように形成さ
れており、この円錐面13aの断面のテーパー角は例え
ば45度程度に設定されている。また、クランプ部13
の前部の円錐面13aは、細径部12aの前部の円錐面
12gと連接し、1つの円錐面を形成している。また、
クランプ部13の先端は円形の尖った縁状をなす当接縁
13dとなっている。この当接縁13dの真円度は2μ
m以下となるように設定されている。
【0024】次に、上記した第1実施形態のレンズホル
ダ11の作製方法について説明する。まず、真鍮等の金
属材料からなる円柱素材を用意し、旋盤等の加工機械に
より、その外周部に細径の前部と太径の後部を切削加工
により形成するとともに、円柱素材の内部を中ぐりし貫
通孔を形成した金属部材を作製する。この金属部材の前
部は図1における装着部12の細径部12aになる部分
であり、金属部材の後部は図1における装着部12の太
径部12bになる部分である。また、金属部材内部の貫
通孔は、図1における貫通孔12dになる部分である。
その後、貫通孔の後方内面に雌ネジ部を形成する。この
雌ネジ部は、図1における装着部12の雌ネジ部12c
になる部分である。この場合、金属部材の前部の長さを
図1に示すクランプ部13の長さよりもやや長く設定し
ておく。
【0025】次に、エンジニアリングプラスチック等の
合成樹脂材料を用い、射出成形等により円筒状の樹脂部
材を作成する。この樹脂部材は、図1におけるクランプ
部13になる部分である。この場合、樹脂部材の内径を
上記した金属部材の前部の外径よりもわずかに大きく設
定しておき、また樹脂部材の長さを上記した細径の前部
の長さと同程度の長さに設定しておく。
【0026】次に、上記の樹脂部材の内面と後端面に接
着剤を塗布し、金属部材の前部に外側から嵌め、金属部
材の前部外面と後部前面に接着して固定する。この状態
で、金属部材の前端面と樹脂部材の前端面とをテーパー
状に中ぐりすることにより、図1に示す当接縁13dと
円錐面13aと円錐面12gを形成することができる。
このようにして、レンズホルダ11を作成することがで
きる。
【0027】したがって、第1実施形態のレンズホルダ
11が上記した従来のレンズホルダ31と異なる点は、
レンズホルダ11の先端の当接縁13dが合成樹脂材料
で形成されるとともに、心取り機に着脱される装着部の
雌ネジ部12cが金属材料で形成され、「ハイブリッド
部材」として構成された点にある。
【0028】上記したベルクランプ式心出しにより、心
取り前レンズ、例えば図3に示すLの2面の各々に当接
縁13dを対向させるようにして、2つのレンズホルダ
11,11を心取り機のスピンドル、例えば図3に示す
41,42に装着する。その後、該レンズホルダ11,
11の間に心取り前レンズを挟んで保持することで、上
述した原理により、心取り前レンズの光軸が自動的に加
工機軸と合致し、心出しが行われる。この心出し状態を
維持し、心取り前レンズを回転させながら、外周部分を
ダイヤモンドツール等により研削すれば、レンズの外径
を所望の値とすることができ、かつレンズの外径中心軸
を光軸と合致させることができる。試験加工の結果、こ
の第1実施形態のレンズホルダ11による心出しの精度
(レンズ外径中心軸とレンズ光軸の偏心)は、角度20
秒以内であった。
【0029】また、この第1実施形態のレンズホルダ1
1では、レンズホルダ11の先端の当接縁13dが合成
樹脂材料で形成されている。一般に合成樹脂材料は光学
ガラス等の光学材料に比べ軟質であるため、両者を押圧
した場合、光学材料には傷がつかない。このため、この
レンズホルダ11により心取り前レンズを両側からクラ
ンプしてもいずれのレンズ面にも傷がつくことがない。
約100個程度試験加工を行ったが、傷はまったくつか
なかった。
【0030】一方、この第1実施形態のレンズホルダ1
1では、レンズホルダ11の後方の装着部に設けられる
雌ネジ部12cが金属材料で形成されている。したがっ
て、合成樹脂材料のように大きな変形を生じないから、
レンズホルダ11を心取り機のスピンドルの雄ネジ部へ
ねじ込むことにより装着した後に離脱させ、再度装着し
た場合であっても、スピンドルの雄ネジと装着部の雌ネ
ジの間ではつねに同一の噛み合い状態を再現することが
できる。このため、このレンズホルダ11は、心取り機
のスピンドルへの着脱を繰り返しても、心出し精度が低
下することはなく、つねに所定の心出し精度を再現する
ことができる。試験の結果、この精度再現性について
も、レンズホルダ着脱の前後でほぼ同等の心出し精度を
得ることができた。
【0031】(2)第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明する。図2
は、本発明の光学素材心出し用保持具の第2実施形態の
構成を示したものであり、図の上半部は側面図を、図の
下半部はその部分の断面図を、それぞれ示している。図
2に示すように、光学素材心出し用保持具であるレンズ
ホルダ21は、装着部22とクランプ部23を備えて構
成されている。
【0032】装着部22は、第2材料である金属材料、
例えば真鍮等により、略厚肉円筒状に形成されている。
また、装着部22の内部には貫通孔22dが形成されて
いる。この装着部222の後方の貫通孔内面には、雌ネ
ジ部22cが形成されており、この雌ネジ部22cは、
図3に示した心取り機のスピンドル41又は42に螺合
により着脱可能となっている。
【0033】また、装着部22の前面22eは、円筒の
軸に直交する平坦面状に形成されている。この前面22
e上には、環状の溝22fが形成されている。
【0034】クランプ部23は、第1材料である合成樹
脂材料、例えばポリアセタールなどのエンジニアリング
プラスチック等からなり、略薄肉円筒状に形成されてい
る。このクランプ部23の後端面23cは、円筒の軸に
直交する平坦面状に形成されている。また、クランプ部
23の内の貫通孔23eは、装着部22内の貫通孔22
dと連通している。このクランプ部23の後部は、上記
した装着部22の前面22e上に設けられた環状の溝2
2fに嵌め込まれ、クランプ部23の後端面23cと装
着部22の環状溝22fの内底面との間、及びクランプ
部23の後端面23cに隣接する内外の側面と装着部2
2の環状溝22fの内側面との間で接着されて固定され
ている。
【0035】また、クランプ部23の前部は、円筒の内
部の貫通孔23eに向けて円錐面状をなすように形成さ
れており、この円錐面23aの断面のテーパー角は例え
ば45度程度に設定されている。また、クランプ部23
の先端は円形の尖った縁状をなす当接縁23dとなって
いる。この当接縁23dの真円度精度は第1実施形態の
場合と同様である。
【0036】次に、上記した第2実施形態のレンズホル
ダ21の作製方法について説明する。まず、真鍮等の金
属材料からなる円柱素材を用意し、旋盤等の加工機械に
より、円柱素材の内部を中ぐりし貫通孔を形成した金属
部材を作製する。この金属部材の前面は図2における装
着部22の前面22eになる部分である。また、金属部
材内部の貫通孔は、図2における貫通孔22dになる部
分である。次に、金属部材の前面上に環状の溝を形成す
る。この金属部材の前面の環状溝は図2における装着部
22の前面22eの環状溝22fになる部分である。そ
の後、貫通孔の後方内面に雌ネジ部を形成する。この雌
ネジ部は、図2における装着部22の雌ネジ部22cに
なる部分である。
【0037】次に、エンジニアリングプラスチック等の
合成樹脂材料を用い、射出成形等により円筒状の樹脂部
材を作成する。この樹脂部材は、図2におけるクランプ
部23になる部分である。
【0038】次に、上記の樹脂部材の後端面と後端面に
隣接する内外の側面に接着剤を塗布し、金属部材の前面
の環状溝に嵌め込み、環状溝の内底面及び内側面に接着
して固定する。この状態で、樹脂部材の前端面とをテー
パー状に中ぐりすることにより、図2に示す当接縁23
dと円錐面23aを形成することができる。このように
して、レンズホルダ21を作製することができる。
【0039】したがって、第2実施形態のレンズホルダ
21が上記した従来のレンズホルダ31と異なる点は、
レンズホルダ21の先端の当接縁23dが合成樹脂材料
で形成されるとともに、心取り機に着脱される装着部の
雌ネジ部22cが金属材料で形成され、第1実施形態の
場合と同様に、ハイブリッド構造となっている点にあ
る。
【0040】このため、この第2実施形態のレンズホル
ダ21の場合も、上記した第1実施形態の場合と同様
に、上記したベルクランプ法による心出し、外周部研削
を行うことにより、容易に心取りを行うことができる。
この場合、レンズの両側のレンズホルダの位置調整精
度、ベルクランプ圧等の値は、上記した第1実施形態の
場合と同様である。
【0041】そして、この第2実施形態のレンズホルダ
21も、第1実施形態の場合と同様に、レンズホルダ2
1の先端の当接縁23dが、光学ガラス等の光学材料に
比べ軟質な合成樹脂材料で形成されている。したがっ
て、ベルクランプ時に両者を押圧しても、いずれのレン
ズ面にも傷がつくことがない。
【0042】一方、この第2実施形態のレンズホルダ2
1の場合も、レンズホルダ21の後方の装着部に設けら
れる雌ネジ部22cが、大きな変形を生じない金属材料
で形成されている。したがって、心取り機のスピンドル
への着脱を繰り返しても、スピンドルの雄ネジと装着部
の雌ネジの間ではつねに同一の噛み合い状態を再現する
ことができ、つねに所定の心出し精度を再現することが
できる。
【0043】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0044】例えば、上記各実施形態においては、光学
素材心出し用保持具であるレンズホルダにより保持され
心取り加工を施される心取り前レンズとして両凸レンズ
を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定され
ず、少なくとも1つの面が球面のレンズであればどのよ
うなものであってもよく、他の形状のレンズ、例えば両
凹レンズ、片面が凸で他の片面が凹のメニスカスレンズ
等であってもよい。また、レンズの心取り用加工だけで
なくレンズ同士の接着作業でもよく、さらに、レンズだ
けでなく球面ミラー等の光学素材の心出し・心取り等に
も適用できる。
【0045】ただし、上記したベルクランプ法により心
出しを行えるか否かは、下式 Z=〔(r1 /R1 )±(r2 /R2 )〕/2 で表わされるZの値による。この値Zを「心出し係数」
という。上式において、〔〕は絶対値記号を示してお
り、R1 ,R2 は図3における各レンズ面S1 ,S2 の
曲率半径を、r1 は図3におけるレンズ面S1 に接触す
るレンズホルダ32の先端の当接縁の円の半径を、r2
は図3におけるレンズ面S2 に接触するレンズホルダ3
1の先端の当接縁の円の半径を、それぞれ示している。
また、心取りを行うレンズが両凸レンズ又は両凹レンズ
の場合には、上式における正負の複号のうち正号を採用
し、心取りを行うレンズがメニスカスレンズの場合に
は、上式における正負の複号のうち負号を採用する。ベ
ルクランプ法により心出しを行うためには、上式で表わ
される心取り係数値Zが0.15程度以上となる必要が
ある。これは、ベルクランプ法の心出しが、レンズホル
ダの当接縁とレンズとの間の滑り運動を利用しているた
め、両者間の摩擦係数に依存するからである。
【0046】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダの先端が円筒の内
孔に向けて円錐面状をなすように形成された例について
説明したが、本発明はこれには限定されず、光学素材心
出し用保持具の先端がレンズと円状に線接触し得る形状
であればどのような形状であってもよく、光学素材心出
し用保持具の先端が円筒の外部及び内部のいずれに向け
ても円錐面状をなし、断面が「V」字状となるように形
成されてもよい。あるいはまた、光学素材心出し用保持
具の先端の断面がなめらかな「U」字状となるように形
成されてもよい。さらに、両凹レンズの心取りを行う場
合には、上記各実施形態の場合とは逆に、光学素材心出
し用保持具の先端が円筒の外部に向けて円錐面状をなす
ように形成されてもよい。
【0047】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダの当接縁を形成す
る第1材料としてエンジニアリングプラスチック等の合
成樹脂材料を例に挙げて説明したが、本発明はこれには
限定されず、光学素材である心取り前レンズを構成する
光学材料に比べて軟質で、ベルクランプ時にレンズ面に
傷がつかないものであればどのような材質であってもよ
く、他の材料、例えば、合成樹脂を含む複合材料、金属
材料の表面に他の材料を薄膜形成(コーティング)した
ものなどであってもよい。
【0048】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダのクランプ部の全
体が第1材料である合成樹脂材料等の軟質材料により形
成された例について説明したが、本発明はこれには限定
されず、少なくとも光学素材心出し用保持具の先端の当
接縁の部分が軟質材料で形成されていれば十分であり、
クランプ部の本体部分と当接縁が別の部材により形成さ
れ接合されていてもよい。
【0049】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダの装着部を形成す
る第2材料として真鍮を例に挙げて説明したが、本発明
はこれには限定されず、心取り機のスピンドルへの着脱
の前後における変形が小さいものであればどのような材
質であってもよく、他の材料、例えば、軟鉄、鋼鉄等の
他の金属材料、窒化物や炭化物等のセラミックス材料な
どであってもよい。
【0050】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダを円筒研削機であ
る心取り機のスピンドルに着脱させる手段としてネジに
よる螺合を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限
定されず、機械的な着脱手段であればどのようなもので
あってもよく、他の形式の着脱手段、例えば上記各実施
形態においてスピンドル側を雌ネジとしレンズホルダ側
を雄ネジとしたもの、一方の端部に凹部を設けて他方を
挿入し周囲をボルト等で締め付け又は緩めることにより
装着又は離脱させる形式のものなどであってもよい。
【0051】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダの装着部の全体が
第2材料である金属材料により形成された例について説
明したが、本発明はこれには限定されず、少なくとも装
着部の雌ネジ部(着脱手段)が、心取り機のスピンドル
への着脱の前後における変形が小さい材料で形成されて
いれば十分であり、装着部の本体部分と雌ネジ部(着脱
手段)が別の部材により形成され接合されていてもよ
い。
【0052】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダとして、円筒部材
を組合せたものを例に挙げ、内部に貫通孔を有するもの
について説明したが、本発明はこれには限定されず、当
接縁を形成するための最小限の凹部と、スピンドルへ着
脱するための雌ネジ部を形成するための最小限の凹部が
あればよく、他の構造、例えば、円錐面とその近傍、あ
るいは装着部の雌ネジ部の付近が盲孔状に形成され、貫
通しない構造であってもよい。
【0053】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダのクランプ部の先
端の当接縁付近を形成する方法として、装着部に接着固
定した後に切削加工する例について説明したが、これ
は、当接縁と中心軸との精度等を考慮したためであり、
本発明はこれには限定されず、製作精度を確保できれ
ば、当接縁をあらかじめ加工形成したクランプ部を装着
部に接着固定するようにしてもよい。
【0054】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持具であるレンズホルダを心取り前レンズ
の水平方向の両側、すなわち左右方向からクランプさせ
る例について説明したが、本発明はこれには限定され
ず、心取り前レンズの光軸を垂直方向に向け、光学素材
心出し用保持具であるレンズホルダを心取り前レンズの
垂直方向の両側、すなわち上下方向からクランプさせる
ようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光学
素材心出し用保持具によれば、ベルクランプ法による光
学素材心出し用保持具において、各レンズ面を挟んで押
圧する当接縁を心取りを行う光学素材に比べ軟質な第1
材料により形成し、かつ心取りを行う円筒研削機へ着脱
するための装着部を着脱の前後における変形が小さい第
2材料により形成するようにしたので、心取りを行うレ
ンズ面に傷をつけることがなく、心出し時のレンズの滑
り運動が円滑であり、かつ円筒研削機への着脱を繰り返
してもつねに所定の心出し精度を再現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるレンズホルダの構
成を示す一部欠截側面図である。
【図2】本発明の第2実施形態であるレンズホルダの構
成を示す一部欠截側面図である。
【図3】従来のレンズの心取り方法を説明する図であ
り、図3(A)はベルクランプ法による心出し前の状態
を、図3(B)はベルクランプ法により心出しを行い心
取りを行うまでを、それぞれ示している。
【符号の説明】
11 レンズホルダ 12 装着部 12a 細径部 12b 太径部 12c 雌ネジ部 12d 貫通孔 12e 前面 12g 円錐面 13 クランプ部 13a 円錐面 13b 内壁面 13c 後端面 13d 当接縁 21 レンズホルダ 22 装着部 22c 雌ネジ部 22d 貫通孔 22e 前面 22f 溝 23 クランプ部 23a 円錐面 23c 後端面 23d 当接縁 23e 貫通孔 31,32 レンズホルダ 31a,32a 雌ネジ部 31b,32b 前部 41,42 スピンドル 41a,42a 雄ネジ部 A1 加工機軸 A2 心取り前レンズの光軸 A3 心取り前レンズの外径中心軸 C1 ,C2 研削部 D1 心取り前のレンズ直径 D2 心取り後のレンズ直径 L 心取り前レンズ O1 レンズ面S1 の曲率中心 O2 レンズ面S2 の曲率中心 R1 レンズ面S1 の曲率半径 R2 レンズ面S2 の曲率半径 S1 ,S2 レンズ面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学材料からなり互いに背向する2面の
    うち少なくとも1面が球面状に加工された光学素材の前
    記球面に当接可能な円状の当接縁を先端に有するクラン
    プ部と、心出し装置に着脱自在な装着部とを備えた光学
    素材心出し用保持具において、 少なくとも前記当接縁は前記光学素材に比べ軟質な第1
    材料により形成され、かつ前記装着部は前記心出し装置
    への着脱の前後における変形が小さい第2材料により形
    成されることを特徴とする光学素材心出し用保持具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学素材心出し用保持具
    において、 前記第1材料は合成樹脂材料を含むことを特徴とする光
    学素材心出し用保持具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の光学素材心
    出し用保持具において、 前記第2材料は、金属材料又はセラミックス材料を含む
    ことを特徴とする光学素材心出し用保持具。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちのいずれ
    か1項に記載の光学素材心出し用保持具において、 前記装着部の前部は略円筒状に形成され前記クランプ部
    の方向に突出し、かつ前記クランプ部は前記装着部の前
    部の外径よりもわずかに大きな内径を有する略円筒状に
    形成され前記クランプ部に外嵌されて固定されることを
    特徴とする光学素材心出し用保持具。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のうちのいずれ
    か1項に記載の光学素材心出し用保持具において、 前記クランプ部は略円筒状に形成され、前記装着部の前
    部に固定されることを特徴とする光学素材心出し用保持
    具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007044806A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Tdk Corp 切断装置及び切断方法
WO2014199973A1 (ja) * 2013-06-10 2014-12-18 Hoya株式会社 芯取り加工装置及び芯取り加工方法
CN115625637A (zh) * 2022-10-31 2023-01-20 天津津航技术物理研究所 一种机械定心磨边的工装及加工方法

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