JPH09267432A - 絞り−扱き加工用アルミ板とポリエステルフィルムとの積層体の製造方法及び絞り−扱き缶 - Google Patents

絞り−扱き加工用アルミ板とポリエステルフィルムとの積層体の製造方法及び絞り−扱き缶

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JPH09267432A
JPH09267432A JP7922896A JP7922896A JPH09267432A JP H09267432 A JPH09267432 A JP H09267432A JP 7922896 A JP7922896 A JP 7922896A JP 7922896 A JP7922896 A JP 7922896A JP H09267432 A JPH09267432 A JP H09267432A
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明人 濱野
Juji Konagaya
重次 小長谷
Toru Mizukami
透 水上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステルをラミネートしたアルミ板を絞
り−扱き加工(DI加工)してなるDI缶であって、印
刷工程による熱履歴を受けても缶底部分の耐衝撃性が実
用上充分であるようなポリエステルフィルムとアルミ板
との積層体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリエステルフィルムをアルミ板に仮接
着したものを非晶無配向化処理するにあたり、後の製缶
加工時に缶底となる部分近傍のみ中間的非晶無配向化処
理となるよう積層体を製造する技術及びそれをもって作
られるDI缶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として食品及び
飲料を充填保存するために用いられる、絞り−扱き缶
(Draw and Ironing缶、DI缶)を製
造するために使用される、アルミ板とポリエステルフィ
ルムとの積層体の製造方法と、該DI缶に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミを材料に用いた飲料缶の製造方法
として、アルミ板の絞り−扱き加工(Draw Iro
ning加工)がある。この方法により缶底と缶側壁に
継ぎ目のないツーピース缶(DI缶)が作られる。缶の
内側には内容物によるアルミの腐食を防ぐため、樹脂塗
装が行われるのが一般的である。しかしこの塗装工程を
作業環境の改善や工程簡素化の要請により省略し、加工
前のアルミ板の片面か又は両面にポリエステルフィルム
を熱接着した後、DI加工する技術が開発されつつあ
る。
【0003】しかし、DI加工は極めて過酷な加工法の
ため、あらかじめポリエステルフィルムを熱被覆したア
ルミ板をDI加工する際、フィルムには大きな衝撃力が
加わる。また延展性に富むアルミの変形にフィルムが追
従しなければならない。このような困難を克服するため
にいくつかの試みがなされてきている。
【0004】例えば 特表平2−501638号には、
アルミ板にポリエステルフィルムを熱接着し非晶無配向
化処理した後、DI加工する技術が開示されている。よ
り詳しくは、アルミ板をポリエステルフィルムの融点以
上の温度で予熱しポリエステルフィルムを圧着すること
で仮接着状態とし、更にポリエステルフィルムの融点以
上の温度の加熱炉に通すことで表面のポリエステルフィ
ルムを融解する。直後に冷却水槽又は空冷装置をくぐら
せることでポリエステル層の完全な非晶無配向化処理を
実現するというものである。
【0005】この非晶無配向化処理を行うことによっ
て、後に続く苛酷なDI加工にポリエステル層が耐え得
るために重要な処理となっている。そしてこの一連の工
程はフィルム層を被覆したDI缶を製造するための基本
的操作の一つとして当業者の間で一般的に行われてい
る。
【0006】しかしながら内側塗装の旧来のアルミDI
缶に対し、ポリエステルフィルム被覆のアルミDI缶の
実現を目指す上記の工夫がなされても実際に旧来の塗装
型のアルミDI缶に較べて成形加工性に於いて、満足の
ゆく缶が得られていないのが現状であり、例えば特表平
4−500185号では成形加工性を改善するために、
用いるポリエステルの分子量を高くしている。
【0007】また、特表平4−500175号では、成
形加工性を改善するために成形用の特に、扱き用金型を
改良している。しかし、これらの改良は総じてポリエス
テルフィルムをラミネートしたアルミ板のDI加工性向
上を主目的として行われている。
【0008】それゆえ、これが達成された後にも多くの
解決すべき課題が残されている。例えばDI加工後の各
工程や最終製品としての流通時、使用時に要求される耐
衝撃性の問題があり、これらの問題はDI加工性を向上
させる技術と必ずしも両立しない場合がある。
【0009】この点に関しては特開平4−231120
号の中にDI加工直後の缶の洗浄工程に於ける耐衝撃性
を向上するために製缶後に加熱処理を行うという技術が
開示されている程度である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】アルミ板にポリエステ
ルフィルムをラミネートした積層体をDI加工する技術
はようやく実現しつつある。しかし、DI加工後のカッ
プ状の半製品では未だ缶としての利用価値はなく、後に
続く諸工程が必要である。例えば缶首部のネッキング、
フランジング工程、洗浄工程、印刷工程、内容物充填工
程、蓋の巻き締め工程がある。更に流通経路までも考慮
した缶の一生を通じて、あるときは必然的な、またある
時は偶然突発的な機械的衝撃が加わる。
【0011】ところで、DI加工の機構により積層体に
加わる変形の特徴は、DI缶の缶側壁となる部分には極
度の扱き変形が加えられ、一方缶底となる部分には扱き
変形が加えられないことにある。扱き加工に耐えるため
には積層体上のポリエステル部分は非晶無配向化してい
ることが必要である。従って積層体の缶側壁となる部分
のポリエステルは非晶無配向でなければならない。製造
上の容易さから、従来のように積層体全面のポリエステ
ル部を非晶無配向化した積層体にてDI缶を作成すれ
ば、缶側壁部のポリエステルは扱き加工により高度に再
配向し、これにより耐熱性、耐衝撃性は充分なものとな
る。
【0012】一方、缶底部のポリエステルは扱き加工を
受けず、非晶無配向化状態のままである。この状態で印
刷工程のような熱履歴を受けると不都合な無配向結晶化
による脆化が起きてしまう。
【0013】本発明ではポリエステルフィルムをラミネ
ートしたアルミ板から作られるDI缶の耐衝撃性が、缶
の印刷工程に於いて被る熱履歴によって著しく悪化する
こと、缶のなかでもとりわけ缶底の部分が特に顕著であ
るという問題を解決すべき課題としている。
【0014】そして最終的にポリエステルフィルムをラ
ミネートしたアルミ板から作られ、印刷工程を経ても、
耐衝撃性低下のないDI缶を得ることも解決すべき課題
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】しかる課題を解決するた
めに、本発明で用いる手段は、DI缶の材料であるアル
ミ板とポリエステルフィルムとの積層体を作るときに適
用されるものである。すなわち、アルミ板とポリエステ
ルフィルムとを仮熱接着した仮積層体のポリエステル部
分を非晶無配向化処理するに際し、後に続く絞り−扱き
加工で缶底となる部分に対して、非晶無配向化処理を完
全には行わず、中間的処理状態として残し、缶側壁とな
る部分及びその他の部分については完全な非晶無配向化
処理を行う。かかる手段を講じてなる積層体をDI加工
し、印刷を施したDI缶をつくることによって従来法で
は得られない耐衝撃性に優れた缶が得られる。
【0016】本発明に用いられるポリエスルフィルムの
ポリエステル原料組成物としては、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)や、PETに共重合成分としてテレ
フタル酸以外の酸成分を0〜30モル%の範囲、エチレ
ングリコール以外のグリコール成分を0〜30モル%の
範囲で共重合したものが用いられ、これらのPET及び
共重合PETの複数種の混合物も用いられる。
【0017】共重合用酸成分として好適なものは、イソ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、オルトフ
タル酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、トリメ
リット酸等が挙げられる。
【0018】共重合用グリコール成分として好適なもの
は、1,4ーブタンジオール、ジエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコー
ル、ビスフェノール系化合物等がある。
【0019】該ポリエステル組成物の固有粘度は、0.
6dl/sec以上あることが実用的である。また原料
ポリエステルの融点は200℃〜260℃が好ましい。
融点が260℃より高い場合扱き加工性が悪く、加工時
にフィルムにクラックが入ってしまう。一方200℃未
満の場合は缶の印刷工程やトップコートで熱硬化性イン
クや塗料を焼付ける条件(200℃の雰囲気で10分)
でポリエステル層が融解して望ましくない。
【0020】ポリエステル組成物中には必要に応じて滑
剤、アンチブロッキング剤、マット化剤、白色顔料また
は着色顔料の役割をする無機粒子や、熱安定剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、誘電損失物質などを含んでいても
良い。
【0021】本発明に用いられるポリエステルフィルム
は二軸延伸ポリエステルフィルムが好ましい。層構成と
しては単層もしくはその片面にアルミ板との接着層とし
てのポリエステル又は他の樹脂コーティング法ないしは
共押出法で積層されたものである。
【0022】該ポリエステルフィルムの製膜方法として
は、一般に、通常のロール延伸機を用いて3倍以上縦延
伸し、続いてステンター型延伸機を用いて3倍以上横延
伸し、熱固定および弛緩処理を行う、いわゆる逐次二軸
延伸方式にて製膜される。この他に同時二軸延伸方式、
インフレーション方式にて製膜することもできる。
【0023】必要に応じて接着剤層が二軸延伸工程の途
中か又は後にコーティング法にて施される。最終的にフ
ィルムの厚みは積層するアルミ板の厚みとDI加工装置
の金型のクリアランスの関係から接着剤層も含めて20
μm以下が適当である。
【0024】本発明で用いられるアルミ板は純アルミか
又はその合金でできている。その厚みは0.1〜0.4
mmが好ましく、表面処理としてリン酸クロメート処理
やDOS処理がなされていても良い。形状は枚葉状でも
又帯状体のロール形状でも良い。
【0025】本発明で行われるアルミ板とポリエステル
フィルムとの熱接着方法は、大まかに分けて仮熱接着工
程と非晶無配向化工程の二工程を包含する。
【0026】(仮熱接着工程)仮接着の方法としては通
常のロールを加熱してラミネートするロールラミネータ
ーやそれに類する形式のラミネーターを使うことができ
る。また、図1のA工程のようにあらかじめアルミ板1
を熱風炉6にて予熱し、その後圧着ロール4、5にてポ
リエステルフィルム2、3を圧着する方法をとることも
できる。
【0027】このとき予熱手段は熱風法に限られない。
例えば誘導加熱法、電熱線法、赤外又は遠赤外線法、超
音波加熱法等が用いられる。いづれの方法であってもポ
リエステルフィルム2、3表面が圧着ロール4、5に触
れる時のフィルム表面温度はロールへの融着を防ぐた
め、ポリエステルの融点未満でなければならない。
【0028】(非晶無配向化工程)本発明で用いられる
非晶無配向化処理は、後のDI加工工程で、缶底となる
部分のみ中間的非晶無配向化処理状態とし、缶側壁とな
る部分を含む他の部分は完全な非晶無配向化状態とする
ような処理技術であれば、いかなるものも採用し得る。
【0029】例えば、図1に於いてA工程にてアルミ板
に仮接着されたポリエステルフィルムはB工程の非晶無
配向化工程で熱風炉により完全非晶無配向化されるが、
このとき缶底予定部の冷却部材9をアルミ板とポリエス
テルフィルムとの仮積層体に接触させるか又は近づける
ことによって冷却し缶底予定部は中間的処理状態とな
る。この方法は更に改良して積層体の両面から行っても
良い。
【0030】さらに、図1および図2で示した装置につ
いて概略を説明すると、図1中の仮熱接着工程Aで使用
する装置は、アルミロール1aから送り出されたアルミ
板1を予熱するための、仮接着の予熱用熱風炉6と、該
アルミ板1の表裏両側に配設されておりポリエステルフ
ィルムロール2a、3aから繰り出されるポリエステル
フィルム2,3をアルミ板1の表面に加熱、圧着するた
めの、仮熱接着用圧着ロール4,5と、を有している。
【0031】非晶無配向化処理工程Bにおける装置は、
非晶無配向化処理用熱風炉7と、急冷用装置8と、缶底
予定部冷却用部材支持体10と、缶底予定部冷却用部材
9と、を有している。該非晶無配向化処理用熱風炉7に
は、図2に示すように、仮積層体20が通過するスリッ
ト71が設けられている。回転駆動する缶底予定部冷却
用部材支持体10の周囲に缶底予定部冷却用部材9が多
数固定されており、該缶底予定部冷却用部材9の先端部
91が上記スリット71内に配設されて移動するように
なっており、そのロッド92が通過する通路72が該非
晶無配向化処理用熱風炉7に設けられている。図中13
は缶底予定部マーキング装置である。
【0032】該非晶無配向化処理用熱風炉7のスリット
71内を移動する仮積層体20の片面に近接もしくは接
触して上記缶底予定部冷却用部材9の先端部91が配置
されるようにスリット71は湾曲しており、かつ仮積層
体20と該先端部91とが同速で移動するように該缶底
予定部冷却用部材支持体10の回転速度が設定されてい
る。図中11および12は引き取りロールである。
【0033】また、図3に於いてA工程で借り接着され
たフィルムは、B工程で誘導加熱装置14にて仮積層体
20のアルミ板を発熱させることで完全非晶無配向化さ
れるが、このとき缶底予定部電磁遮蔽部材29,30を
近づけることによって冷却し缶底予定部を中間的処理状
態とする。
【0034】図3および図4において、誘導加熱装置1
4は仮積層体20の移動通路に配設されており、該誘導
加熱装置14に設けられた通口21を仮積層体20が通
過する。また仮積層体20の両側には、一対のロール2
2、22にて移動するベルト23、23が配設されてい
る。該ベルト23には、缶底予定部冷却用部材としての
電磁遮蔽部材29、29、…が適当間隔おきに設けられ
ている。図中8は急冷用装置、11および12は引き取
りロールである。
【0035】また、図5においてA工程で仮接着された
フィルムは、B工程で誘電加熱法により帯状電極39,
40にて完全非晶無配向化されるが、このとき電極3
9,40中で缶底予定部に近接する部分に孔28が開い
ているため、缶底予定部は中間的処理状態となる。また
誘電加熱法でも缶底予定部のみ遮蔽する方法も用いるこ
とができる。
【0036】図5においては、電極積層体支持槽15が
配設されており、仮積層体20の両側には一対のロール
22、22にて移動する誘電加熱用孔あき帯状電極3
9、40が配設されている。そして、この誘電加熱用孔
あき帯状電極39、40が該電極積層体支持槽15の開
口26を通るようになっている。なお、図中8は冷却装
置である。
【0037】また例えば、図7に於いてA工程で仮接着
されたフィルムは、B工程で適切な厚みであってポリエ
ステルと融着、急冷後の易剥離性に優れた帯状高熱伝導
部材49,50を介し、加熱圧着ロール22、22にて
圧着完全非晶無配向化されるが、帯状高熱伝導部材の缶
底予定部に圧着される部分のみ開孔状態となっており、
この部分のみ加熱圧着ロールも帯状高熱伝導部材もとも
にフィルムに接しないため、中間的処理状態となる。
【0038】図7においては、B工程で使用される装置
は、仮積層体20の両側に配設された帯状高熱伝導部材
16、16と、該帯状高熱伝導部材16を予熱するため
の予熱炉13、14を有している。該帯状高熱伝導部材
16は、一対のロール22、22間に巻回され、仮積層
体20と同速で移動するようになっている。該帯状高熱
伝導部材16は、適切な厚みであってポリエステルと融
着、急冷後の易剥離性に優れたもので形成され、缶底予
定部に圧着される部分のみ開孔27が形成されている。
なお、図中8は冷却装置であり、帯状高熱伝導部材16
に向けて冷風を吐出する。
【0039】本発明の方法で、帯状高熱電導部材がポリ
エステルフィルムに接するときの表面温度はポリエステ
ルの融点以上の温度である。またこの方法ではA工程の
仮接着を省略することもできる。以上幾つかの熱接着工
程を例示したが、用いられる方法は、本発明の請求する
ところを逸脱しない範囲内では限定されない。
【0040】
【実施例】次に、本発明の実施例により説明する。例中
に用いた測定法、評価法は以下の通りである。
【0041】(1)落下テスト(耐衝撃性の評価法) 金属缶に内容物がはいる所まで水を入れ、蓋又は封をす
る。その缶を1mの高さから床に縦に落とす。これによ
り生じた缶の損傷の度合を他の計量法にて評価する。
【0042】(2)加熱テスト(缶内面塗料や印刷イン
キの熱硬化焼付工程を想定した評価法) 金属缶を熱風式加熱炉内にいれ、200℃の温度で10
分間加熱する。
【0043】(3)ERV測定(缶内面の防食用被覆層
の品質評価法) 開封した金属缶の中に1%のNaCl水溶液を内容物が
入る高さまで入れ、缶体を陽極、真ちゅうを陰極として
+6Vの電圧をかけたときに流れる電流値を測定した。
電流値が製缶直後で1mA以下、落下テスト後で10m
A以下であれば実用に供し得る缶となる。
【0044】(4)融点(Tm) 理学電機製サーモフレックスシリーズの外熱タイプ熱流
束型示差走査型熱量計(DSC)を用い、フィルムサン
プル10mgを室温から280℃まで昇温速度20℃/
分にて測定し、結晶融解の吸熱ピークの温度を融点(T
m)とした。
【0045】(実施例1)用いたポリエステルフィルム
は以下のものである。
【0046】ポリエチレンテレフタレート(PET)
と、酸成分として20モル%のイソフタル酸を共重合し
たポリエチレンテレフタレートイソフタレート共重合体
を重量比で1:1に混合したポリエステル原料を押出機
に供給し、280℃で溶融し、T型ダイより押出し冷却
ドラム上にキャストして未延伸シートを得た。
【0047】このシートをロール型延伸機にて、温度1
03℃、倍率3.3倍で縦延伸し、続いてステンター型
延伸機にて温度120℃、倍率3.4倍で横延伸し、2
30℃で横方向に12%弛緩処理しつつ熱固定した。
【0048】結果として厚み15μmの二軸配向ポリエ
ステルフィルムが得られた。このフィルムの融点は24
5℃であった。このフィルムを20cm角に2枚切り出
し、リン酸クロメート表面処理層を有する20cm角、
厚み300μmのアルミ板に表裏より重ね、ゴムロール
のラミネーターにて、ロール表面温度200℃、ロール
圧力6kgf/cm2で仮接着した。
【0049】このアルミ板とポリエステルフィルムとの
仮積層板の表裏とも中央部に直径66mmのテフロンク
ロス、多孔質セラミック板をこの順で重ね、その部分を
表裏より挟持し、260℃の循環式熱風炉中で1分間加
熱後冷却水中にくぐらせ、非晶無配向化処理を行った。
水分を拭い1週間陰干しにした。
【0050】このものの上に偏光板を重ね、常光光線の
もとで偏光板を徐々に回転させながら観察すると、セラ
ミック板を重ねた部分は偏光板の角度によって淡く翳り
が見えるが、その周囲は明るく反射光が見えた。
【0051】次に、この積層体をセラミック板を重ねた
部分が缶底となるように絞り−扱き加工(DI加工)を
行った。得られたDI缶の特性を表1に示す。
【0052】(比較例1)実施例1に於いて、テフロン
クロスと多孔質セラミック板を用いず、積層板の角をハ
ンドバイスで挟持し、非晶無配向化処理を行った。
【0053】偏光板による複屈折の確認では積層板の角
以外は完全非晶無配向化していた。それ以外は実施例1
と同様の操作を行い得られたDI缶の特性を表1に示
す。
【0054】(実施例2)実施例1で用いたものと同一
のポリエステルフィルムを使い、図1に示した熱接着装
置を用いて、巾20cm、厚み300μmのリン酸クロ
メート処理層を有するアルミ板1の表裏にラミネートし
た。図1に於ける熱風炉6により予熱されたアルミ板1
にポリエステルフィルム2,3を圧着ロール4,5にて
アルミ板1の表面の温度が180℃となる時点で仮接着
を行った。この時、圧着ロールは18kgf/cmであ
る。
【0055】次に、缶底部認識用マーカー13でアルミ
板1の耳部分にマークをつけた後、温度265℃とした
熱風炉7、急冷装置8に仮積層体を通してポリエステル
部分を非晶無配向化処理した。このとき缶底予定部冷却
部材9(ここでは先端が多孔質セラミック板とテフロン
クロスでできている)を仮積層体に接触させ該部分を中
間的非晶無配向処理とした。
【0056】その後、引き取りロール11,12にて引
き取り、アルミ板とポリエステルフィルムとの積層体を
得た。
【0057】このものの偏光板による複屈折の確認では
缶底予定部には翳りが起こるが他の部分は明るいままで
あった。この積層体を缶底予定部が缶底となり、冷却部
材が接した側が缶の内側となるよう絞り−扱き加工(D
I加工)を行った。得られたDI缶の特性を表1に示
す。
【0058】(比較例2)実施例2に於いて、非晶無配
向化処理するとき、缶底予定部冷却部材9をアルミ板と
ポリエステルフィルムとの仮積層体に接触させないよう
隔離した以外は実施例2と同様の方法を用い、得られた
DI缶の特性を表1に示す。
【0059】(実施例3)実施例2に於いて、用いるポ
リエステルフィルムのポリエステルとしてグリコール成
分のうち24モル%のネオペンチルグリコールを共重合
したポリエステルを用い、製膜時の熱固定温度を220
℃とした以外は実施例2と同様の方法により積層体を作
り、DI加工を行った。得られたDI缶の特性を表1に
示す。
【0060】(比較例3)実施例3に於いて、非晶無配
向化処理するとき缶底予定部冷却部材9をアルミ板とポ
リエステルフィルムとの仮積層体に接触させないよう隔
離した以外は実施例3と同様の方法を用い、積層体を作
り、DI加工を行った。得られたDI缶の特性を表1に
示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1で用いたポリエステル組成の略号は以
下の通り。
【0063】TPA;テレフタル酸 IPA;イソフタル酸 EG;エチレングリコール NPG;ネオペンチルグリコール
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、アルミ板とポリエステ
ルフィルムとの積層体を作る工程に於いて、仮接着、非
晶無配向化処理工程を通じて缶底となる部分のみ二軸配
向性、配向結晶性を幾分かでも残すので、缶側壁ばかり
でなく缶底も耐熱性、耐衝撃性を有し、印刷工程のよう
な熱履歴を受けてもその特性が大巾に低下することのな
いDI缶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリエステルフィルムをアルミ板
に熱接着する装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】図1における非晶無配向化処理の入り口の斜視
図である。
【図3】本発明によるポリエステルフィルムをアルミ板
に熱接着する装置の他の実施例を示す概略図である。
【図4】図3における非晶無配向化処理工程の斜視図で
ある。
【図5】本発明によるポリエステルフィルムをアルミ板
に熱接着する装置のさらに他の実施例を示す概略図であ
る。
【図6】図5に於ける非晶無配向化処理工程の斜視図で
ある。
【図7】本発明によるポリエステルフィルムをアルミ板
に熱接着する装置のさらに他の実施例を示す概略図であ
る。
【図8】図7における非晶無配向化処理工程の斜視図で
ある。
【符号の説明】
A 仮熱接着工程 B 非晶無配向化処理工程 1 アルミ板 2,3 ポリエステルフィルム 4,5 仮熱接着用圧着ロール 6 仮接着の予熱用熱風炉 7 非晶無配向化処理用熱風炉 8 急冷用装置 9 缶底予定部冷却用部材 10 缶底予定部冷却用部材支持体 11,12 引き取りロール 13 缶底予定部マーキング装置 14 誘導加熱装置 15 電極積層体支持槽 16 帯状高熱伝導部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱野 明人 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 小長谷 重次 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 水上 透 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ板とポリエステルフィルムとを仮
    接着した仮積層体のポリエステルフィルム部分を非晶無
    配向化処理するに際し、後に続く絞り−扱き加工で缶底
    となる部分を中間的非晶無配向化処理状態として残し、
    缶側壁となる部分は完全な非晶無配向状態となるよう加
    熱処理をするアルミ板とポリエステルフィルムとの積層
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法によって得られ
    たアルミ板とポリエステルフィルムとの積層体のうち中
    間的非晶無配向化状態となっている部分が缶底となるよ
    う該積層体が成形加工されてなる絞り−扱き缶。
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