JPH09268329A - 貴金属及び重金属含有液から貴金属を回収する方法 - Google Patents
貴金属及び重金属含有液から貴金属を回収する方法Info
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- JPH09268329A JPH09268329A JP8082160A JP8216096A JPH09268329A JP H09268329 A JPH09268329 A JP H09268329A JP 8082160 A JP8082160 A JP 8082160A JP 8216096 A JP8216096 A JP 8216096A JP H09268329 A JPH09268329 A JP H09268329A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 Au,Ag,Pt及び/又はPdからなる貴
金属のシアン化合物またはシアノ錯体と貴金属以外の重
金属のシアン化合物またはシアノ錯体を含有する水溶液
より前記貴金属を金属形態で析出回収する。 【解決手段】 前記水溶液を、温度130〜250℃、
圧力2.7×105 〜40×105 Paの条件で、かつ
ギ酸もしくはギ酸塩及び前記重金属イオンより還元され
た重金属の存在下で加熱処理する。あるいは、硫化物ま
たはチオシアン酸イオンの形態として存在することがあ
るイオウイオン(S2-)を重金属イオンに対する比率:
イオウイオン(S2-)/重金属イオンを当量比が1以下
として、上記条件で加熱処理する。
金属のシアン化合物またはシアノ錯体と貴金属以外の重
金属のシアン化合物またはシアノ錯体を含有する水溶液
より前記貴金属を金属形態で析出回収する。 【解決手段】 前記水溶液を、温度130〜250℃、
圧力2.7×105 〜40×105 Paの条件で、かつ
ギ酸もしくはギ酸塩及び前記重金属イオンより還元され
た重金属の存在下で加熱処理する。あるいは、硫化物ま
たはチオシアン酸イオンの形態として存在することがあ
るイオウイオン(S2-)を重金属イオンに対する比率:
イオウイオン(S2-)/重金属イオンを当量比が1以下
として、上記条件で加熱処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貴金属及び貴金属
以外の重金属のシアン化合物もしくはシアノ錯体を含有
する液、例えばめっき廃液等を高温・高圧処理すること
により、その液中に含まれる貴金属を金属形態で回収す
る方法に関するものである。本発明法を適用できる廃液
としてはシアン含有めっき液の他にめっき剥離液などが
挙げられる。また、本発明法は貴金属などの有価金属の
湿式精錬技術としても適用が可能である。
以外の重金属のシアン化合物もしくはシアノ錯体を含有
する液、例えばめっき廃液等を高温・高圧処理すること
により、その液中に含まれる貴金属を金属形態で回収す
る方法に関するものである。本発明法を適用できる廃液
としてはシアン含有めっき液の他にめっき剥離液などが
挙げられる。また、本発明法は貴金属などの有価金属の
湿式精錬技術としても適用が可能である。
【0002】
【従来の技術】重金属は含有しないが貴金属を含有する
めっき廃液から貴金属を回収する方法として、特公昭6
3−26184号公報に、金や銀のシアン化合物を含む
溶液をアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物の共
存下で加熱処理する方法が開示されている。この発明で
は金属水酸化物はシアン化合物をギ酸(塩)に分解さ
せ、かつ金や銀を単体析出させる上で効果的であること
を謳っている。
めっき廃液から貴金属を回収する方法として、特公昭6
3−26184号公報に、金や銀のシアン化合物を含む
溶液をアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物の共
存下で加熱処理する方法が開示されている。この発明で
は金属水酸化物はシアン化合物をギ酸(塩)に分解さ
せ、かつ金や銀を単体析出させる上で効果的であること
を謳っている。
【0003】特公平1−18793号公報及び特開平6
−7781号公報にて公知のように、シアンの分解促進
に硫化物を添加して水熱反応を行うと、金属シアノ錯体
の貴金属及び重金属(これらを「有価金属」と総称す
る)は次式に示すように金属硫化物となって沈殿析出す
る。 2NaMe(CN)2 +Na2 S→4NaCN+Me2 S・・・・(1) (Me:1価貴金属、重金属の例) Na2 Me(CN)2 +Na2 S→4NaCN+Me2 S・・・・(2) (Me:2価貴金属、重金属の例) この反応の結果、貴金属シアノ錯体に含有される貴金属
は硫化物として回収される。
−7781号公報にて公知のように、シアンの分解促進
に硫化物を添加して水熱反応を行うと、金属シアノ錯体
の貴金属及び重金属(これらを「有価金属」と総称す
る)は次式に示すように金属硫化物となって沈殿析出す
る。 2NaMe(CN)2 +Na2 S→4NaCN+Me2 S・・・・(1) (Me:1価貴金属、重金属の例) Na2 Me(CN)2 +Na2 S→4NaCN+Me2 S・・・・(2) (Me:2価貴金属、重金属の例) この反応の結果、貴金属シアノ錯体に含有される貴金属
は硫化物として回収される。
【0004】特開平7−90403号公報において開示
されているAgなどの有価金属回収方法は、金属捕捉剤
として硫化物を添加し、高温・高圧処理するもので、こ
の方法によって得られる有価金属の形態は硫化物、水酸
化物もしくは酸化物である。なお、この公報ではシアン
熱加水分解処理方法により処理されたAu、Ag含有シ
アン廃液中にはAu、Agはイオンとして溶解されてお
り、単純なpHコントロールではこれらを沈殿させるこ
とができないので、金属捕捉剤として添加すると説明さ
れている。
されているAgなどの有価金属回収方法は、金属捕捉剤
として硫化物を添加し、高温・高圧処理するもので、こ
の方法によって得られる有価金属の形態は硫化物、水酸
化物もしくは酸化物である。なお、この公報ではシアン
熱加水分解処理方法により処理されたAu、Ag含有シ
アン廃液中にはAu、Agはイオンとして溶解されてお
り、単純なpHコントロールではこれらを沈殿させるこ
とができないので、金属捕捉剤として添加すると説明さ
れている。
【0005】上述した従来の無機化合物を捕捉剤として
有価金属を回収する方法では、貴金属回収処理後、貴金
属を硫化物から分離回収するための精練処理が複雑にな
るという問題がある。
有価金属を回収する方法では、貴金属回収処理後、貴金
属を硫化物から分離回収するための精練処理が複雑にな
るという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
金、銀などの貴金属と貴金属以外の重金属のシアン化合
物もしくはシアノ錯体を含有する溶液からこれら貴金属
を簡単な操作により金属形態で回収することができる方
法を提供することを第一の目的とする。さらに、本発明
は金、銀などの貴金属と貴金属以外の重金属のシアン化
合物もしくはシアノ錯体を含有する溶液から硫化物を金
属捕捉剤として使用する場合に、貴金属は金属形態で回
収することができる方法を提供することを第二の目的と
する。
金、銀などの貴金属と貴金属以外の重金属のシアン化合
物もしくはシアノ錯体を含有する溶液からこれら貴金属
を簡単な操作により金属形態で回収することができる方
法を提供することを第一の目的とする。さらに、本発明
は金、銀などの貴金属と貴金属以外の重金属のシアン化
合物もしくはシアノ錯体を含有する溶液から硫化物を金
属捕捉剤として使用する場合に、貴金属は金属形態で回
収することができる方法を提供することを第二の目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
抱えるこれらの問題点を解決するため、シアン化合物及
びシアノ錯体(以下「シアン」と総称する)含有溶液を
高温高圧処理することによりシアンを分解する際に起こ
る反応につき研究し、シアンの分解により生成するギ酸
もしくはギ酸塩が有機還元剤として機能して金、銀、銅
などのイオンを還元し、さらに還元された銅などの重金
属が未還元の金、銀イオンなどと反応して後者の析出を
促進することを見出した。したがってこのような反応を
利用すると、硫化物などの捕捉剤を使用することなく簡
単な操作で有価金属を回収することができる。かかる知
見に基づいて完成した第一発明は、金、銀、白金及びパ
ラジウムから選ばれる少なくとも1種の貴金属のシアン
化合物またはシアノ錯体と、貴金属以外の重金属イオン
のシアン化合物またはシアノ錯体を含有する水溶液を、
温度130〜250℃、圧力2.7×105 〜40×1
05 Paの条件で、かつギ酸もしくはギ酸塩及び前記重
金属イオンより還元された重金属の存在下で加熱処理す
ることにより貴金属を金属形態で析出回収することを特
徴とする方法(以下「第一方法」と言う)である。
抱えるこれらの問題点を解決するため、シアン化合物及
びシアノ錯体(以下「シアン」と総称する)含有溶液を
高温高圧処理することによりシアンを分解する際に起こ
る反応につき研究し、シアンの分解により生成するギ酸
もしくはギ酸塩が有機還元剤として機能して金、銀、銅
などのイオンを還元し、さらに還元された銅などの重金
属が未還元の金、銀イオンなどと反応して後者の析出を
促進することを見出した。したがってこのような反応を
利用すると、硫化物などの捕捉剤を使用することなく簡
単な操作で有価金属を回収することができる。かかる知
見に基づいて完成した第一発明は、金、銀、白金及びパ
ラジウムから選ばれる少なくとも1種の貴金属のシアン
化合物またはシアノ錯体と、貴金属以外の重金属イオン
のシアン化合物またはシアノ錯体を含有する水溶液を、
温度130〜250℃、圧力2.7×105 〜40×1
05 Paの条件で、かつギ酸もしくはギ酸塩及び前記重
金属イオンより還元された重金属の存在下で加熱処理す
ることにより貴金属を金属形態で析出回収することを特
徴とする方法(以下「第一方法」と言う)である。
【0008】さらに、本発明者らは、シアン含有溶液を
硫化物系捕捉剤を添加して高温高圧処理することにより
シアンを分解する際に起こる反応につき研究し、シアン
の分解により生成するギ酸もしくはギ酸塩が有機還元剤
として機能して金、銀、銅などのイオンを還元し、さら
にイオウイオン/重金属イオンの比率に貴金属の析出形
態が関係することを見出した。かかる知見に基づいて完
成した第二発明は、金、銀、白金及びパラジウムから選
ばれる少なくとも1種の貴金属の硫化物をシアン酸又は
シアン化アルカリで溶解し、かつ貴金属以外の重金属イ
オンを含有する水溶液に、硫化物またはチオシアン酸イ
オンの形態として存在するイオウイオン(S2-)を、前
記重金属イオンに対する比率:イオウイオン/重金属イ
オンが当量比1以下となるように配合した水溶液を、温
度130〜250℃、圧力2.7×105 〜40×10
5 Paの条件で、かつギ酸もしくはギ酸塩及び前記重金
属イオンより還元された重金属の存在下で加熱処理する
ことにより、貴金属を金属形態で析出回収することを特
徴とする方法(以下「第二方法」と言う)である。さら
に、金、銀、白金及びパラジウムから選ばれる少なくと
も1種の貴金属のシアン化合物又はシアンノ錯体、及び
貴金属以外の重金属イオンを含有する水溶液において、
硫化物またはチオシアン酸イオンの形態として存在する
イオウイオン(S2-)の前記重金属イオンに対する比
率:イオウイオン(S2-)/重金属イオンが当量比1以
下となるように配合した水溶液に、温度130〜250
℃、圧力2.7×105 〜40×105 Paの条件で、
かつギ酸もしくはギ酸塩及び前記重金属イオンより還元
された重金属の存在下で加熱処理することにより、貴金
属を金属形態で析出回収することを特徴とする貴金属及
び重金属含有液から貴金属を回収する方法(以下「第三
方法」と言う)を完成した。以下本発明を、三発明の共
通する内容、第一方法〜第三方法の順に詳しく説明す
る。
硫化物系捕捉剤を添加して高温高圧処理することにより
シアンを分解する際に起こる反応につき研究し、シアン
の分解により生成するギ酸もしくはギ酸塩が有機還元剤
として機能して金、銀、銅などのイオンを還元し、さら
にイオウイオン/重金属イオンの比率に貴金属の析出形
態が関係することを見出した。かかる知見に基づいて完
成した第二発明は、金、銀、白金及びパラジウムから選
ばれる少なくとも1種の貴金属の硫化物をシアン酸又は
シアン化アルカリで溶解し、かつ貴金属以外の重金属イ
オンを含有する水溶液に、硫化物またはチオシアン酸イ
オンの形態として存在するイオウイオン(S2-)を、前
記重金属イオンに対する比率:イオウイオン/重金属イ
オンが当量比1以下となるように配合した水溶液を、温
度130〜250℃、圧力2.7×105 〜40×10
5 Paの条件で、かつギ酸もしくはギ酸塩及び前記重金
属イオンより還元された重金属の存在下で加熱処理する
ことにより、貴金属を金属形態で析出回収することを特
徴とする方法(以下「第二方法」と言う)である。さら
に、金、銀、白金及びパラジウムから選ばれる少なくと
も1種の貴金属のシアン化合物又はシアンノ錯体、及び
貴金属以外の重金属イオンを含有する水溶液において、
硫化物またはチオシアン酸イオンの形態として存在する
イオウイオン(S2-)の前記重金属イオンに対する比
率:イオウイオン(S2-)/重金属イオンが当量比1以
下となるように配合した水溶液に、温度130〜250
℃、圧力2.7×105 〜40×105 Paの条件で、
かつギ酸もしくはギ酸塩及び前記重金属イオンより還元
された重金属の存在下で加熱処理することにより、貴金
属を金属形態で析出回収することを特徴とする貴金属及
び重金属含有液から貴金属を回収する方法(以下「第三
方法」と言う)を完成した。以下本発明を、三発明の共
通する内容、第一方法〜第三方法の順に詳しく説明す
る。
【0009】本発明の各方法に共通する特徴であるギ酸
もしくはギ酸塩の反応は高温・高圧条件で以下のように
進行する。 HC00Na+H2 O→CO2 +NaOH+2H+ ・・・・・(3) HC0OH→CO2 +2H+ ・・・・・・・・・・・・・・・(4) これらの反応式で発生するCO2 は水溶液中にて炭酸イ
オンとして存在するかあるいは炭酸ガスとして系外に出
る。一方、H+ は金、銀、白金およびパラジウム等の貴
金属イオン及び重金属イオンと下記のように反応してこ
れらを還元する。
もしくはギ酸塩の反応は高温・高圧条件で以下のように
進行する。 HC00Na+H2 O→CO2 +NaOH+2H+ ・・・・・(3) HC0OH→CO2 +2H+ ・・・・・・・・・・・・・・・(4) これらの反応式で発生するCO2 は水溶液中にて炭酸イ
オンとして存在するかあるいは炭酸ガスとして系外に出
る。一方、H+ は金、銀、白金およびパラジウム等の貴
金属イオン及び重金属イオンと下記のように反応してこ
れらを還元する。
【0010】1価金属;Au、Ag、Cuなど NaMe(CN)2 +NaOH+3H2 O+H+ +e- →2NH3 +2HCOONa+Me0 ・・・・・・・(5) NaMe(CN)2 +4H2 O+H+ +e- →2NH3 +HCOONa+HCOOH+Me0 ・・・(6) 2価金属;Zn、Ni、Coなど Na2 Me(CN)4 +2NaOH+6H2 O+2H+ +2e- →4NH3 +4HCOONa+Me0 ・・・・・・・・(7) 以上の反応は金属シアノ錯体ナトリウム塩について例示
したが、他の錯体及びシアン化合物についても同様の反
応が起こる。
したが、他の錯体及びシアン化合物についても同様の反
応が起こる。
【0011】シアンの分解により発生するギ酸以外にH
+ を放出するホルムアルデヒド、アセトアルデヒド酢酸
及びジメチルアミノボランの1種以上(これらを「有機
還元剤」と総称する)を併用することができる。ホルム
アルデヒドの反応は以下のとおりである。 HCHO+H2 O→HCOOH+2H+ ・・・・・・・・・・・(8) なお、有機還元剤の量は貴金属の還元当量以上とするこ
とが好ましいが、小過剰でも弊害はなく、また若干還元
当量よりも少なくとも還元反応は進行する。
+ を放出するホルムアルデヒド、アセトアルデヒド酢酸
及びジメチルアミノボランの1種以上(これらを「有機
還元剤」と総称する)を併用することができる。ホルム
アルデヒドの反応は以下のとおりである。 HCHO+H2 O→HCOOH+2H+ ・・・・・・・・・・・(8) なお、有機還元剤の量は貴金属の還元当量以上とするこ
とが好ましいが、小過剰でも弊害はなく、また若干還元
当量よりも少なくとも還元反応は進行する。
【0012】本発明の各方法における高温・高圧反応条
件としては温度は130℃以上、圧力は2.7×105
Pa以上であることが必要である。温度が130℃未
満、圧力が2.7×105 Pa未満では十分な還元反応
が得られない。処理時間としては2時間以上が望まし
い。もちろん、高温の方が、それなりの耐圧容器は必要
であるが、反応時間は短くて済む。しかし温度の上限は
250℃及び圧力の上限は40×105 Paが処理装置
の安全性の面から望ましい。
件としては温度は130℃以上、圧力は2.7×105
Pa以上であることが必要である。温度が130℃未
満、圧力が2.7×105 Pa未満では十分な還元反応
が得られない。処理時間としては2時間以上が望まし
い。もちろん、高温の方が、それなりの耐圧容器は必要
であるが、反応時間は短くて済む。しかし温度の上限は
250℃及び圧力の上限は40×105 Paが処理装置
の安全性の面から望ましい。
【0013】(5)〜(7)式により析出する重金属と
未還元の銀イオンなどの貴金属イオンが共存すると、 2Ag+ +Cu0 →2Ag+Cu2+ ・・・・・・・・(9) の反応が起こり、貴金属は金属形態で析出し、一方金属
銅は再びイオン化して溶解するために、貴金属の析出率
が著しく高められる。(9)式の反応は系内のすべての
貴金属について起こるのではなく、あくまでかなりの割
合の貴金属を金属体として生成させる促進反応である。
ここで、Me(h)/Me(n)モル比率≧0.5によ
り(9)式の反応は十分に進行し、より好ましくは0.
8以上、さらに好ましくは1以上である。なお、Me
(h)は重金属、Me(n)は貴金属を表わす。
未還元の銀イオンなどの貴金属イオンが共存すると、 2Ag+ +Cu0 →2Ag+Cu2+ ・・・・・・・・(9) の反応が起こり、貴金属は金属形態で析出し、一方金属
銅は再びイオン化して溶解するために、貴金属の析出率
が著しく高められる。(9)式の反応は系内のすべての
貴金属について起こるのではなく、あくまでかなりの割
合の貴金属を金属体として生成させる促進反応である。
ここで、Me(h)/Me(n)モル比率≧0.5によ
り(9)式の反応は十分に進行し、より好ましくは0.
8以上、さらに好ましくは1以上である。なお、Me
(h)は重金属、Me(n)は貴金属を表わす。
【0014】以上説明したように、本発明の第一方法に
よると貴金属を捕捉剤を使用しないで金属形態として回
収することができるために、処理後の廃液処理の負担が
少なくなる。また貴金属の回収効率は実施例で後述する
ように100%近く、しかも貴金属の他に重金属を回収
することができるので、実用上の価値が高い。
よると貴金属を捕捉剤を使用しないで金属形態として回
収することができるために、処理後の廃液処理の負担が
少なくなる。また貴金属の回収効率は実施例で後述する
ように100%近く、しかも貴金属の他に重金属を回収
することができるので、実用上の価値が高い。
【0015】続いて、第二方法につき詳しく説明する。
第二方法においては、原液中に硫化物として存在する貴
金属例えばAgを次式によりシアン化銀ソーダ錯体とし
て液中に溶解し、これが(5)式及び(9)式により還
元される。 2Ag2 S+10NaCN+2H2 O+O2 →4Na[Ag(CN)2 ]+2NaCNS+4NaOH・・・・(10) 貴金属含有液が貴金属以外に原液中に含有する重金属イ
オンは(10)式により生成するチオシアン酸イオン
(SCN- )と次式により反応して硫化物として沈殿す
る。 NaCNS+2H2 O+Me2+→NH3 +HCOONa+MeS ・・・・・・・・(11) (11)式により重金属硫化物が生成すると、(9)式
の反応が阻害され貴金属の回収効率が下がる。この対策
について本発明者は鋭意研究した結果、硫化物またはチ
オシアン酸イオンの形態として存在するイオウイオン
(S2-)の前記重金属イオンに対する比率:イオウイオ
ン/重金属イオンが当量比1以下となる条件が満たされ
ると重金属硫化物は有機還元剤により還元され易くなる
ことを見出した。
第二方法においては、原液中に硫化物として存在する貴
金属例えばAgを次式によりシアン化銀ソーダ錯体とし
て液中に溶解し、これが(5)式及び(9)式により還
元される。 2Ag2 S+10NaCN+2H2 O+O2 →4Na[Ag(CN)2 ]+2NaCNS+4NaOH・・・・(10) 貴金属含有液が貴金属以外に原液中に含有する重金属イ
オンは(10)式により生成するチオシアン酸イオン
(SCN- )と次式により反応して硫化物として沈殿す
る。 NaCNS+2H2 O+Me2+→NH3 +HCOONa+MeS ・・・・・・・・(11) (11)式により重金属硫化物が生成すると、(9)式
の反応が阻害され貴金属の回収効率が下がる。この対策
について本発明者は鋭意研究した結果、硫化物またはチ
オシアン酸イオンの形態として存在するイオウイオン
(S2-)の前記重金属イオンに対する比率:イオウイオ
ン/重金属イオンが当量比1以下となる条件が満たされ
ると重金属硫化物は有機還元剤により還元され易くなる
ことを見出した。
【0016】すなわち、上記の水溶液を高温・高圧処理
するとAgなど貴金属の一部は硫化物として析出し、所
期の目的を達成できなくなることがある。これを避ける
ためにはイオウイオン(S-2)/重金属イオンを当量比
1以下、好ましくは0.6未満とすることにより、例え
ばAgについては Ag2 S+Cu0 →Ag0 +Cu2 S・・・・・・・・・(9´) の反応を右側に進行させ、貴金属を金属体として回収す
ることができる。すなわち1価重金属の場合はS2-に対
して2モル以上、2価重金属の場合はS2-に対して同モ
ル以上とすることにより、高温・高圧反応条件下では重
金属類は十分に硫化物中のイオウイオン(S2-)と置換
して、金属銀を析出することができる。
するとAgなど貴金属の一部は硫化物として析出し、所
期の目的を達成できなくなることがある。これを避ける
ためにはイオウイオン(S-2)/重金属イオンを当量比
1以下、好ましくは0.6未満とすることにより、例え
ばAgについては Ag2 S+Cu0 →Ag0 +Cu2 S・・・・・・・・・(9´) の反応を右側に進行させ、貴金属を金属体として回収す
ることができる。すなわち1価重金属の場合はS2-に対
して2モル以上、2価重金属の場合はS2-に対して同モ
ル以上とすることにより、高温・高圧反応条件下では重
金属類は十分に硫化物中のイオウイオン(S2-)と置換
して、金属銀を析出することができる。
【0017】以上説明したように、本発明の第二方法に
よると、原液中に硫化物として含有されている貴金属を
金属形態で高い回収率で回収することができ、しかも回
収には捕捉剤を使用しない。
よると、原液中に硫化物として含有されている貴金属を
金属形態で高い回収率で回収することができ、しかも回
収には捕捉剤を使用しない。
【0018】本発明の第三方法は、原液中に重金属がイ
オン状態で存在している点で第二方法と相違している。
したがって、重金属の例としてCuを硫化物の例として
Na2 Sを挙げると、 2NaCu[CN]2 +Na2 S→Cu2 S+4NaCN・・・・(12) の反応が起こって原液中のCuイオンが硫化物として加
熱処理中に析出する。イオウイオン(S2-)/重金属イ
オン(Meh )の当量比を第二方法と同様にすることに
より、(12)式の反応の他に(9)式の反応が十分に
起こり、貴金属を金属体として回収することができる。
なお硫化物としてはNa2 S以外にNaHSなどの水溶
性硫化物を使用することができる。本発明の第三方法に
よると、硫化物を重金属のみの捕捉剤として使用し、貴
金属を金属形態で高い回収率で回収することができる。
したがって、本方法は重金属と貴金属を分離することが
でき、以降の貴金属回収処理の負担が容易になる。
オン状態で存在している点で第二方法と相違している。
したがって、重金属の例としてCuを硫化物の例として
Na2 Sを挙げると、 2NaCu[CN]2 +Na2 S→Cu2 S+4NaCN・・・・(12) の反応が起こって原液中のCuイオンが硫化物として加
熱処理中に析出する。イオウイオン(S2-)/重金属イ
オン(Meh )の当量比を第二方法と同様にすることに
より、(12)式の反応の他に(9)式の反応が十分に
起こり、貴金属を金属体として回収することができる。
なお硫化物としてはNa2 S以外にNaHSなどの水溶
性硫化物を使用することができる。本発明の第三方法に
よると、硫化物を重金属のみの捕捉剤として使用し、貴
金属を金属形態で高い回収率で回収することができる。
したがって、本方法は重金属と貴金属を分離することが
でき、以降の貴金属回収処理の負担が容易になる。
【0019】
【作用】表1に、貴金属として銀及び/又は重金属とし
て銅を含有するシアン水溶液を有機還元剤の存在下で高
温・高圧処理を施すことにより析出回収される金属の形
態を、金属量と硫化物量との比率(当量比)との関連で
示した。 (以下余白)
て銅を含有するシアン水溶液を有機還元剤の存在下で高
温・高圧処理を施すことにより析出回収される金属の形
態を、金属量と硫化物量との比率(当量比)との関連で
示した。 (以下余白)
【0020】
【表1】 註:1.貴金属はAg,重金属はCuで代表して示す。 2.Me:貴金属と重金属の合計 3.Meh :重金属 4.重金属酸化物は種類によっては水酸化物となる。 5.Feは本発明の場合混入する量が少ないが析出物形態はFe3 O4 6.S量はS2-とCNSが分解したときのS2-を示す。
【0021】表1の内容を説明する。 1.貴金属のみが存在する場合(比較例) この条件では貴金属を金属体として回収できる場合もあ
るが、回収効率が低い。 硫化物がない場合;回収物は金、銀、白金、パラジウ
ムと金属体として析出する。 硫化物がS2-として貴金属に対して当量以下の場合;
回収物は金、銀等の貴金属は金属体と貴金属の硫化物と
の混合物として析出する(比較例)。 硫化物がS2-として貴金属に対して当量以上の場合;
回収物は貴金属の硫化物として析出する。
るが、回収効率が低い。 硫化物がない場合;回収物は金、銀、白金、パラジウ
ムと金属体として析出する。 硫化物がS2-として貴金属に対して当量以下の場合;
回収物は金、銀等の貴金属は金属体と貴金属の硫化物と
の混合物として析出する(比較例)。 硫化物がS2-として貴金属に対して当量以上の場合;
回収物は貴金属の硫化物として析出する。
【0022】2.重金属のみが存在する場合 参考例である。
【0023】3.貴金属以外にニッケル、銅等の重金属
を含有する場合 硫化物がない場合;析出回収物は金、銀等の貴金属は
金属体。他の重金属は金属体もしくはその酸化物及び金
属体の混在として析出する(第一方法に相当)。 硫化物がある場合; (a)硫化物がS2-として重金属に対して当量以下の場
合;析出回収物は金、銀等の貴金属は金属体、重金属は
単体、その酸化物のいずれかと硫化物として析出する
(第二及び第三方法に相当)。 (b)硫化物がS2-として重金属に対して当量の場合;
析出回収物は金、銀等の貴金属は貴金属体、重金属は硫
化物として析出する(第二及び第三方法に相当)。 (c)硫化物がS2-として重金属に対して当量を超える
場合;析出回収物は金、銀等の貴金属は金属体と貴金属
と重金属の複合硫化物(例えばAgCuS)、重金属は
その硫化物として析出する(比較例)。
を含有する場合 硫化物がない場合;析出回収物は金、銀等の貴金属は
金属体。他の重金属は金属体もしくはその酸化物及び金
属体の混在として析出する(第一方法に相当)。 硫化物がある場合; (a)硫化物がS2-として重金属に対して当量以下の場
合;析出回収物は金、銀等の貴金属は金属体、重金属は
単体、その酸化物のいずれかと硫化物として析出する
(第二及び第三方法に相当)。 (b)硫化物がS2-として重金属に対して当量の場合;
析出回収物は金、銀等の貴金属は貴金属体、重金属は硫
化物として析出する(第二及び第三方法に相当)。 (c)硫化物がS2-として重金属に対して当量を超える
場合;析出回収物は金、銀等の貴金属は金属体と貴金属
と重金属の複合硫化物(例えばAgCuS)、重金属は
その硫化物として析出する(比較例)。
【0024】本発明法を一連の工程として実施する場合
は図1に示すフローシートによることが好ましい。すな
わち、貴金属と重金属を混合して含有するシアン廃液を
オートクレーブに入れ、好ましくは130〜210℃で
1〜12時間保持する。得られた沈殿物をデカンターに
よりろ過し、析出物を回収する。ろ液は必要であれば一
般の排水処理を行って放流する。以下、本発明の実施例
を説明する。
は図1に示すフローシートによることが好ましい。すな
わち、貴金属と重金属を混合して含有するシアン廃液を
オートクレーブに入れ、好ましくは130〜210℃で
1〜12時間保持する。得られた沈殿物をデカンターに
よりろ過し、析出物を回収する。ろ液は必要であれば一
般の排水処理を行って放流する。以下、本発明の実施例
を説明する。
【0025】
実施例1 図2は実施例で使用した実験装置を示す。撹拌機付きオ
ートクレーブ1(容量200L、材質SUS304、耐
圧力30kg/cm2 )を電気炉(図示せず)により加
熱して高温・高圧処理を行い、貴金属を析出回収した。
操作方法について概説すると、原廃液槽2より貴金属と
重金属混合シアン系含有水溶液100Lをオートクレー
ブ1に送入し、撹拌しながら設定温度まで昇温した。一
定時間保持後、オートクレーブ1内処理液は中継槽3に
移送後デカンター4にて固形分を濾過した。固形分が目
的の回収金属(貴金属及び重金属)であり、バンカー5
に貯留した。ろ液は一次貯留槽6に溜めた後、排水基準
に合致するような排水処理を施し、放流した。
ートクレーブ1(容量200L、材質SUS304、耐
圧力30kg/cm2 )を電気炉(図示せず)により加
熱して高温・高圧処理を行い、貴金属を析出回収した。
操作方法について概説すると、原廃液槽2より貴金属と
重金属混合シアン系含有水溶液100Lをオートクレー
ブ1に送入し、撹拌しながら設定温度まで昇温した。一
定時間保持後、オートクレーブ1内処理液は中継槽3に
移送後デカンター4にて固形分を濾過した。固形分が目
的の回収金属(貴金属及び重金属)であり、バンカー5
に貯留した。ろ液は一次貯留槽6に溜めた後、排水基準
に合致するような排水処理を施し、放流した。
【0026】表2に示す内容成分の金含有水溶液(金め
っき廃液;Ni2+1000mg/L含有)100Lを、
アルカリを添加せずpH4.5のまま水熱処理を行なっ
た。処理中の温度は熱電対7(図2参照)により、また
圧力は圧力計8により検知して210℃に昇温後6時間
保持して高温・高圧処理を行った。オートクレーブ内圧
力はリーク弁9を40×105 Paに設定して高圧処理
条件を維持した。処理1時間毎に金めっき廃液のHCO
OH、CO3 -、残留Au+ イオン、析出Ni及び残留N
i2+のそれぞれの濃度を分析したところ次表に示す結果
が得られ、また処理後のpHは8.0になった。
っき廃液;Ni2+1000mg/L含有)100Lを、
アルカリを添加せずpH4.5のまま水熱処理を行なっ
た。処理中の温度は熱電対7(図2参照)により、また
圧力は圧力計8により検知して210℃に昇温後6時間
保持して高温・高圧処理を行った。オートクレーブ内圧
力はリーク弁9を40×105 Paに設定して高圧処理
条件を維持した。処理1時間毎に金めっき廃液のHCO
OH、CO3 -、残留Au+ イオン、析出Ni及び残留N
i2+のそれぞれの濃度を分析したところ次表に示す結果
が得られ、また処理後のpHは8.0になった。
【0027】
【表2】 処理時間 HCOOH CO3 2- 残留Au+ 析出金属Ni 残留Ni2+ 0hr 0 3250 8150 0 1000 1 480 4480 1.3 10 990 2 860 4530 0.5 80 920 3 985 4590 0.2 160 840 4 910 4690 ND 430 570 5 905 4830 ND 490 510 6 785 5000 ND 550 450 備考:濃度はすべてmg/Lである。
【0028】以上の分析結果から、高温・高圧処理によ
り生成するギ酸が分解してCO2 濃度が高まり、またN
i2+濃度が減少するに伴って残留金イオン(Au+ )の
濃度が1時間後に一挙に減少し、金の沈殿が起こってい
ることが分かる。
り生成するギ酸が分解してCO2 濃度が高まり、またN
i2+濃度が減少するに伴って残留金イオン(Au+ )の
濃度が1時間後に一挙に減少し、金の沈殿が起こってい
ることが分かる。
【0029】オートクレーブ1から処理液を中継槽3に
移液し、処理液中の析出物をろ別し、処理液及びろ液中
の貴金属類及び他の重金属類について、高周波プラズマ
発光分光分析法で測定した。また、ろ別した析出物の全
量を硝酸及び王水に溶解後、析出物に含まれている貴金
属を高周波プラズマ発光分光分析法で測定した。その分
析結果を図3(表3)に示す。
移液し、処理液中の析出物をろ別し、処理液及びろ液中
の貴金属類及び他の重金属類について、高周波プラズマ
発光分光分析法で測定した。また、ろ別した析出物の全
量を硝酸及び王水に溶解後、析出物に含まれている貴金
属を高周波プラズマ発光分光分析法で測定した。その分
析結果を図3(表3)に示す。
【0030】得られた析出物は870gであり、その金
およびニッケル含有量はそれぞれ95.6%、4.3%
であった。この金およびニッケルの回収率は96.0%
および、36.0%である。析出物は濃黄色を示し、X
線回折の結果金は金属体として存在していることが同定
された。処理液を除いた後オートクレーブ容器を観察し
たところ少量の金が析出物として回収されないで付着し
ていた。またニッケルは表3の分析値が示すように、原
液中の半分以上が処理液中に残存しているため、ニッケ
ルよりも金が優先的に回収されている。析出物中のニッ
ケルの形態はX線回折より同定できなかったが、析出物
中のNi収量より金属NiとNi化合物の混合物である
と判断された。
およびニッケル含有量はそれぞれ95.6%、4.3%
であった。この金およびニッケルの回収率は96.0%
および、36.0%である。析出物は濃黄色を示し、X
線回折の結果金は金属体として存在していることが同定
された。処理液を除いた後オートクレーブ容器を観察し
たところ少量の金が析出物として回収されないで付着し
ていた。またニッケルは表3の分析値が示すように、原
液中の半分以上が処理液中に残存しているため、ニッケ
ルよりも金が優先的に回収されている。析出物中のニッ
ケルの形態はX線回折より同定できなかったが、析出物
中のNi収量より金属NiとNi化合物の混合物である
と判断された。
【0031】実施例2 実施例1と同じ内容成分の金含有水溶液100Lをオー
トクレーブに入れ、水酸化ナトリウムにてpH9.0に
調整し、図2に示す有機還元剤槽10より37%ホルマ
リン320gを添加して、210℃に昇温後3時間保持
したところ、ギ酸、ホルムアルデヒド、炭酸イオン、残
留Au+ 及び析出Ni濃度は次のように変化した。
トクレーブに入れ、水酸化ナトリウムにてpH9.0に
調整し、図2に示す有機還元剤槽10より37%ホルマ
リン320gを添加して、210℃に昇温後3時間保持
したところ、ギ酸、ホルムアルデヒド、炭酸イオン、残
留Au+ 及び析出Ni濃度は次のように変化した。
【0032】
【表4】 処理時間 HCOOH HCHO CO3 2- 残留Au+ 析出金属Ni 0hr 0 1184 3250 8150 0 1 3400 60 3370 0.1 890 2 3750 25 3390 0 950 3 3820 5 3390 0 999.8
【0033】表4に示すように、本実施例で添加された
ホルムアルデヒドは処理1時間で急激に減少しており、
また残留Au+ 濃度は実施例1よりも低くなっている。
これらの点よりギ酸及びホルムアルデヒドがAu+ の還
元に関与していることが分かる。
ホルムアルデヒドは処理1時間で急激に減少しており、
また残留Au+ 濃度は実施例1よりも低くなっている。
これらの点よりギ酸及びホルムアルデヒドがAu+ の還
元に関与していることが分かる。
【0034】実施例と同様に分析を行った結果を図3
(表3)に示す。得られた析出物は880gであり、そ
の金及びニッケル含有量はそれぞれ89.2%、10.
7%であった。この金及びニッケルの回収率はそれぞれ
96.3%、94.2%である。析出物は実施例1より
淡色の黄色を示し、X線回折の結果より金が金属体とし
て存在していることが同定された。本実施例では、実施
例1に比較して、ニッケルの回収率が大幅に向上した。
ニッケルの金属形態はX線回折により同定はできなかっ
たが、収量より考えて金属として存在していると判断さ
れた。
(表3)に示す。得られた析出物は880gであり、そ
の金及びニッケル含有量はそれぞれ89.2%、10.
7%であった。この金及びニッケルの回収率はそれぞれ
96.3%、94.2%である。析出物は実施例1より
淡色の黄色を示し、X線回折の結果より金が金属体とし
て存在していることが同定された。本実施例では、実施
例1に比較して、ニッケルの回収率が大幅に向上した。
ニッケルの金属形態はX線回折により同定はできなかっ
たが、収量より考えて金属として存在していると判断さ
れた。
【0035】実施例3 粉砕した揮銀鉱(Ag2 S)1.0kgを撹拌機付き1
00Lオートクレーブに入れ10%シアン化ナトリウム
水溶液20Lと水を加えて約80Lとし約80℃に加熱
し溶解した(約1時間)。更に10%硫酸亜鉛水溶液7
L(S2-/Zn2+=0.91)加え、全量を約100L
とし、撹拌混合した。実施例1と同様な条件で6時間高
温高圧処理を行い、同様にろ別処理を行ったところ、1
260gの析出物が得られた。析出物は灰黒色を示し、
銀、亜鉛の含有率はそれぞれ67.5%、22.5%で
ある。析出物のX線解析の結果、金属銀と硫化亜鉛が確
認された。本実施例においては、はじめに存在していた
硫化銀を亜鉛と置換するとともに、シアン分解によって
生ずるギ酸の還元作用によって金属銀を析出させること
ができた。
00Lオートクレーブに入れ10%シアン化ナトリウム
水溶液20Lと水を加えて約80Lとし約80℃に加熱
し溶解した(約1時間)。更に10%硫酸亜鉛水溶液7
L(S2-/Zn2+=0.91)加え、全量を約100L
とし、撹拌混合した。実施例1と同様な条件で6時間高
温高圧処理を行い、同様にろ別処理を行ったところ、1
260gの析出物が得られた。析出物は灰黒色を示し、
銀、亜鉛の含有率はそれぞれ67.5%、22.5%で
ある。析出物のX線解析の結果、金属銀と硫化亜鉛が確
認された。本実施例においては、はじめに存在していた
硫化銀を亜鉛と置換するとともに、シアン分解によって
生ずるギ酸の還元作用によって金属銀を析出させること
ができた。
【0036】実施例4 図4(表4)に示す内容成分の金、銀、パラジウムを含
む貴金属水溶液(金、銀、パラジウムめっき剥離液、T
−CN:9,500mg/L,Au:380mg/L,
Ag:2,500mg/L,Pd:990mg/L,P
t:4mg/L,Ni:1330mg/L,Cu:3,
600mg/L,Fe:22mg/L)について実施例
1と同様な条件で6時間高温・高圧反応処理を行い、同
様にろ別処理を行ったところ744gの析出物が得られ
た。析出物の分析結果を図4(表5)に示す。析出物の
金、銀、パラジウム、白金の含有量はそれぞれ5.1
%、31.7%、13.5%、0.05%であった。重
金属であるニッケル、銅の含有率はそれぞれ16.2
%、33.1%であった。金、銀、パラジウム、白金、
ニッケル、銅の回収率はそれぞれ96.6%、91.8
%、98.9%、100%、87.9%、66.7%で
ある。析出物は黒色を示し、X線回折の結果、金属銀と
金属銅が確認された。オートクレーブ容器内に貴金属や
銅が付着していた。本実施例でも実施例1と同様にHC
OOH量が0から急激に増大する1時間処理後に貴金属
イオン濃度が急激に減少した。
む貴金属水溶液(金、銀、パラジウムめっき剥離液、T
−CN:9,500mg/L,Au:380mg/L,
Ag:2,500mg/L,Pd:990mg/L,P
t:4mg/L,Ni:1330mg/L,Cu:3,
600mg/L,Fe:22mg/L)について実施例
1と同様な条件で6時間高温・高圧反応処理を行い、同
様にろ別処理を行ったところ744gの析出物が得られ
た。析出物の分析結果を図4(表5)に示す。析出物の
金、銀、パラジウム、白金の含有量はそれぞれ5.1
%、31.7%、13.5%、0.05%であった。重
金属であるニッケル、銅の含有率はそれぞれ16.2
%、33.1%であった。金、銀、パラジウム、白金、
ニッケル、銅の回収率はそれぞれ96.6%、91.8
%、98.9%、100%、87.9%、66.7%で
ある。析出物は黒色を示し、X線回折の結果、金属銀と
金属銅が確認された。オートクレーブ容器内に貴金属や
銅が付着していた。本実施例でも実施例1と同様にHC
OOH量が0から急激に増大する1時間処理後に貴金属
イオン濃度が急激に減少した。
【0037】実施例5 実施例2と同一の貴金属含有液にNa2 S・9H2 Oを
413g添加し、さらにイオウに対してニッケル、銅、
鉄が当量となるように添加した水溶液を実施例2と同一
条件にて高温・高圧反応処理を行った。この結果を図4
(表5)に示す。析出物の金、銀、パラジウム、白金の
含有量はそれぞれ3.6%、22.5%、9.6%、
0.04%であった。重金属であるニッケル、銅の含有
率はそれぞれ16.2%、33.1%であった。金、
銀、パラジウム、白金、ニッケル、銅の回収率はそれぞ
れ96.6%、91.8%、98.9%、100%、9
8.5%、96.5%である。実施例2に比較すると重
金属の収量が多くなっている。析出物をX線回折した結
果、貴金属は金属体として、貴金属以外の重金属イオン
は硫化物として回折されていた。
413g添加し、さらにイオウに対してニッケル、銅、
鉄が当量となるように添加した水溶液を実施例2と同一
条件にて高温・高圧反応処理を行った。この結果を図4
(表5)に示す。析出物の金、銀、パラジウム、白金の
含有量はそれぞれ3.6%、22.5%、9.6%、
0.04%であった。重金属であるニッケル、銅の含有
率はそれぞれ16.2%、33.1%であった。金、
銀、パラジウム、白金、ニッケル、銅の回収率はそれぞ
れ96.6%、91.8%、98.9%、100%、9
8.5%、96.5%である。実施例2に比較すると重
金属の収量が多くなっている。析出物をX線回折した結
果、貴金属は金属体として、貴金属以外の重金属イオン
は硫化物として回折されていた。
【0038】比較例1 実施例3で更に全重金属に対してイオウが2モル当量に
相当する量に硫化物(Na2 S・9H2 O−920g)
を添加して高温・高圧反応処理を行ったところ920g
の析出物が得られた。そのX線回折の結果、AgCuS
とCu2 Sの存在が同定された。析出物は1115gで
あり、その金、銀、パラジウム、白金の含有量はそれぞ
れ3.3%、20.5%、8.8%、0.04%であっ
た。重金属であるニッケル、銅の含有率はそれぞれ1
1.7%、31.6%であった。金、銀、パラジウム、
白金、ニッケル、銅の回収率はそれぞれ96.8%、9
1.4%、99.1%、100%、98.6%、97.
8%である。
相当する量に硫化物(Na2 S・9H2 O−920g)
を添加して高温・高圧反応処理を行ったところ920g
の析出物が得られた。そのX線回折の結果、AgCuS
とCu2 Sの存在が同定された。析出物は1115gで
あり、その金、銀、パラジウム、白金の含有量はそれぞ
れ3.3%、20.5%、8.8%、0.04%であっ
た。重金属であるニッケル、銅の含有率はそれぞれ1
1.7%、31.6%であった。金、銀、パラジウム、
白金、ニッケル、銅の回収率はそれぞれ96.8%、9
1.4%、99.1%、100%、98.6%、97.
8%である。
【0039】比較例2 実施例1において、Ni2+の濃度が0mg/Lである他
は同一内容成分の水溶液を同一条件で加熱処理したとこ
ろ、7時間後に残留Au+ 濃度が4000mg/Lとな
った。
は同一内容成分の水溶液を同一条件で加熱処理したとこ
ろ、7時間後に残留Au+ 濃度が4000mg/Lとな
った。
【図1】本発明による貴金属回収フローシートである。
【図2】本発明による貴金属回収実験装置の図である。
【図3】実施例1及び2の貴金属回収結果を示す図表
(表3)である。
(表3)である。
【図4】実施例3、4及び比較例1の貴金属回収結果を
示す図表(表5)である。
示す図表(表5)である。
1 オートクレーブ 2 原廃液槽 3 中継槽 10 有機還元剤槽
Claims (4)
- 【請求項1】 金、銀、白金及びパラジウムから選ばれ
る少なくとも1種の貴金属のシアン化合物またはシアノ
錯体と、貴金属以外の重金属イオンのシアン化合物また
はシアノ錯体を含有する水溶液を、温度130〜250
℃、圧力2.7×105 〜40×105 Paの条件で、
かつギ酸もしくはギ酸塩及び前記重金属イオンより還元
された重金属の存在下で加熱処理することにより前記貴
金属を金属形態で析出回収することを特徴とする貴金属
及び重金属含有液から貴金属を回収する方法。 - 【請求項2】 金、銀、白金及びパラジウムから選ばれ
る少なくとも1種の貴金属の硫化物をシアン酸又はシア
ン化アルカリで溶解し、かつ貴金属以外の重金属イオン
を含有する水溶液に、硫化物またはチオシアン酸イオン
の形態として存在するイオウイオン(S2-)を前記重金
属イオンに対する比率:イオウイオン(S2-)/重金属
イオンを当量比が1以下となるように配合した水溶液
を、温度130〜250℃、圧力2.7×105 〜40
×105 Paの条件で、かつギ酸もしくはギ酸塩及び前
記重金属イオンより還元された重金属の存在下で加熱処
理することにより、前記貴金属を金属形態で析出回収す
ることを特徴とする貴金属及び重金属含有液から貴金属
を回収する方法。 - 【請求項3】 金、銀、白金及びパラジウムから選ばれ
る少なくとも1種の貴金属のシアン化合物又はシアノ錯
体、及び貴金属以外の重金属イオンを含有する水溶液
に、硫化物またはチオシアン酸イオンの形態として存在
するイオウイオン(S2-)を前記重金属イオンに対する
比率:イオウイオン(S2-)/重金属イオンを当量比1
以下となるように配合した水溶液を、温度130〜25
0℃、圧力2.7×105 〜40×105 Paの条件
で、かつギ酸もしくはギ酸塩及び前記重金属イオンより
還元された重金属の存在下で加熱処理することにより、
前記貴金属を金属形態で析出回収することを特徴とする
貴金属及び重金属含有液から貴金属を回収する方法。 - 【請求項4】 ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
酢酸及びジメチルアミノボランからなる群より選ばれる
1種以上がさらに存在する条件で前記加熱処理を行うこ
とを特徴とする請求項1から3までの何れか1項記載の
貴金属及び重金属含有液から貴金属を回収する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8082160A JPH09268329A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 貴金属及び重金属含有液から貴金属を回収する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8082160A JPH09268329A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 貴金属及び重金属含有液から貴金属を回収する方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09268329A true JPH09268329A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=13766687
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8082160A Pending JPH09268329A (ja) | 1996-04-04 | 1996-04-04 | 貴金属及び重金属含有液から貴金属を回収する方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09268329A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100436528B1 (ko) * | 2002-02-25 | 2004-06-22 | 한국과학기술연구원 | 철분말을 사용한 산성 티오요소 수용액으로부터 금, 은의회수방법 |
| JP2010513002A (ja) * | 2006-12-19 | 2010-04-30 | ヴィーラント デンタール + テヒニック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニエ コマンデット ゲゼルシャフト | シアン化物および/または錯化剤含有溶液の処理方法、および処理装置 |
| WO2014175218A1 (ja) * | 2013-04-24 | 2014-10-30 | 田中貴金属工業株式会社 | 有価金属回収方法 |
| CN116590532A (zh) * | 2023-04-27 | 2023-08-15 | 湖州久岳新材料有限公司 | 利用甲酸盐回收金属钯并制备超细钯粉的方法及其应用 |
-
1996
- 1996-04-04 JP JP8082160A patent/JPH09268329A/ja active Pending
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