JPH09268927A - クランク室過給式多気筒エンジン - Google Patents

クランク室過給式多気筒エンジン

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JPH09268927A
JPH09268927A JP8079953A JP7995396A JPH09268927A JP H09268927 A JPH09268927 A JP H09268927A JP 8079953 A JP8079953 A JP 8079953A JP 7995396 A JP7995396 A JP 7995396A JP H09268927 A JPH09268927 A JP H09268927A
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JP
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chamber
engine
system means
cylinder
intake
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JP8079953A
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Atsushi Tagami
淳 田上
Kenji Mori
建二 森
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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    • F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00—Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/04—Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers
    • F02B61/045—Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving propellers for marine engines
    • F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B33/00—Engines characterised by provision of pumps for charging or scavenging
    • F02B33/02—Engines with reciprocating-piston pumps; Engines with crankcase pumps
    • F02B33/26—Four-stroke engines characterised by having crankcase pumps
    • F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸排気系手段や加圧吸気系手段によってエン
ジン全体としての出力を十分に導き出すことができ、ま
た、クランク軸方向に長くならず、かつ重量バランスの
よいクランク室過給式多気筒エンジンを提供すること。 【解決手段】 本発明に係るクランク室過給式多気筒エ
ンジンは、複数のシリンダを有し、各シリンダに対応す
るクランク室(49)、クランクウェブ(41)、及びピストン
(35)で各シリンダ毎にコンロッド収容室(60)を形成し、
各コンロッド収容室(60)を、対応するコンロッド(37)で
吸入室(A)と圧縮室(B)とに区分けし、前記吸入室(A)に
吸気系手段を接続し、前記圧縮室(B)と燃焼室(13)の吸
気孔とを加圧吸気系手段で連通させ、前記燃焼室(13)の
排気孔に排気系手段を接続したクランク室過給式エンジ
ンにおいて、複数のシリンダのシリンダ中心を通る面
(Y)を境に一方側に前記排気系手段を配置し、他方側に
加圧吸気系手段を配置したて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク室内の容
積変化を利用して過給するようにしたクランク室過給式
エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】本件出願人は、この種のクランク室過給
式エンジンとして、クランク室、クランクウェブ、及び
ピストンで囲まれたコンロッド収納室をコンロッドによ
り吸入室と圧縮室とに区分けし、前記コンロッドの揺動
によりコンロッド収納室に吸入した空気を圧縮して燃焼
室に過給するように構成したものを既に提案している
(特開平6−93869号公報参照)。このように構成
されたクランク室過給式エンジンによれば、クランク軸
が1回転する毎にコンロッドにより掃かれる容積分の新
気を燃焼室に圧送することができ、エンジン出力を向上
させることができるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成のクラン
ク室過給式エンジンを多気筒で構成しようとする時、エ
ンジン全体として高い性能を得るには、各気筒毎に吸気
系・排気系の管路抵抗が少なく、かつ吸気・排気の脈動
を十分に利用することが求められる。また、クランク室
から燃焼室に加圧された新気を供給するための加圧吸気
系も各気筒毎に管路抵抗が少なく、かつ十分な加圧度が
得られることが要求される。しかし、吸排気系手段及び
加圧吸気系手段の配置によっては、十分な性能を導き出
せない気筒が発生し、結果としてエンジン全体として高
い性能を得ることができないという問題がある。また、
上記した構成のクランク室過給式エンジンを多気筒で構
成しようとすると、各気筒に吸入室と圧縮室とを形成す
るために各気筒毎にクランクケースを分離する必要があ
るためエンジン本体(言い換えれば、クランクケース、
シリンダブロック、及びシリンダヘッドの組立体)がク
ランク軸方向に長くなることは避けられず、その結果、
吸排気系手段や加圧吸気系手段を構成する部品の配置に
よっては、エンジンが全体としてクランク軸方向に長く
なってしまうという問題もある。特に、船外機では、レ
イアウトの関係上エンジンを、クランク軸の長手方向が
船体の上下方向に向くように配置するため、上記したク
ランク室過給式エンジンを多気筒にして搭載しようとす
ると、エンジンを収納するカウルの高さが高くなり、例
えば、釣り等で船を使用する場合には釣竿が前記カウル
に当たってしまうという問題が生じる。上記した問題
は、エンジン本体に取り付けられる吸排気系手段や加圧
吸気系手段を構成する部品を小さく設計すれば、ある程
度解決することができるが、これらの部品の容積はエン
ジン出力性能に大きな影響を及ぼすので、この方法は好
ましくない。また、上記した問題の他に、上記したクラ
ンク室過給式エンジンでは、吸排気系手段の各部品の他
に、クランク室で圧縮された空気を燃焼室に導くための
加圧吸気系手段を設けなければならず、その結果、重量
の重い部品が増えるので、それらの部品の配置の仕方に
よっては、船舶に搭載するエンジンの場合には船舶のロ
ーリングモーメントを大きくしてしまう要因になるとい
う問題もある。本発明は、上記した問題点を解決し、吸
排気系手段や加圧吸気系手段によってエンジン全体とし
ての出力を十分に導き出すことができるクランク室過給
式多気筒エンジンを提供することを目的としている。ま
た、クランク軸方向に長くならず、かつ重量バランスの
よいクランク室過給式多気筒エンジンを提供することを
目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明のクランク室過給式多気筒エンジンは、
複数のシリンダを有し、各シリンダに対応するクランク
室、クランクウェブ、及びピストンで各シリンダ毎にコ
ンロッド収容室を形成し、各コンロッド収容室を、対応
するコンロッドで吸入室と圧縮室とに区分けし、前記吸
入室に吸気系手段を接続し、前記圧縮室と燃焼室の吸気
孔とを加圧吸気系手段で連通させ、前記燃焼室の排気孔
に排気系手段を接続したクランク室過給式エンジンにお
いて、複数のシリンダのシリンダ中心を通る面を境に一
方側に前記排気系手段を配置し、他方側に加圧吸気系手
段を配置したことを特徴とするものである。好ましく
は、前記吸気系手段は、複数のシリンダのシリンダ中心
を通る面を境に前記排気系手段を配置した側に配置され
得る。また、前記加圧吸気系手段は、加圧吸気通路と、
少なくとも加圧吸気通路の断面積より大きい断面積を有
する加圧吸気室とから構成され得る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示した幾つかの
実施例を参照して本発明に係るクランク室過給式多気筒
エンジンの実施の形態について説明する。
【0006】(船外機の説明)始めに、図1〜図4を参
照して本発明に係るクランク室過給式多気筒エンジン
(以下、単にクランク室過給エンジンと称する。)を船
外機に搭載した例を説明する。尚、図1、図3及び図4
中矢印Fは船体の前進方向を示している。図1はクラン
ク室過給エンジン1を搭載した船外機100の概略側面
図、図2は図1におけるA視図を各々示している。図面
に示すようにこの船外機100は、アッパーカウリング
102、ボトムカウリング103、エプロン104、ア
ッパーケース105、及びロアケース106によって全
体が覆われ、アッパーケース105の外面に設けられた
クランプブラケット108によって船体110の船尾板
112に取り付けられるように構成されている。前記ボ
トムカウリング103と、該ボトムカウリング103に
対して着脱可能とされるアッパーカウリング102で形
成されるエンジン室内にはクランク室過給エンジン1
が、そのクランク軸29の軸線が上下方向を向くように
搭載されており、また、ロアケース106内には前記ク
ランク室過給エンジン1によって回転駆動されるプロペ
ラ114を備えた駆動装置116が収納されている。前
記駆動装置116は、プロペラ駆動軸118に空転可能
に支持され、常時出力軸126の端部のピニオンと噛み
合う正転ベベルギヤ120及び逆転ベベルギヤ122を
備え、クラッチ操作レバー124を操作してプロペラ駆
動軸118とスプライン係合されるドッククラッチ(図
示せず)を移動させることにより、前記ベベルギヤ12
0又は122の一方とドッククラッチを係合させ、エン
ジン1のクランク軸29から順に、出力軸126、ピニ
オン、ベベルギヤ、ドッククラッチ、そしてプロペラ駆
動軸118と連結させて、プロペラ114を回転させ、
前進又は後進方向の推進力を得るように構成されてい
る。また、船外機100のアッパーケース105、ロア
ケース106、及びプロペラボス117の内部には、エ
ンジン1の排気ガスが通る排気通路128が形成されて
おり(図2参照)、エンジン1の排気ガスが、この排気
通路128を通って水中に排気されるように構成されて
いる。
【0007】(エンジンの説明)以下、前記船外機10
0に搭載されたクランク室過給エンジン1の構成につい
て、詳細に説明する。図3は船外機の側方から見たアッ
パー及びボトムカウリングとエンジンとの位置関係を示
す概略縦断面図、図4は図1におけるカウリング部分を
上面から見た概略横断面図を各々示している。図面に示
すように、クランク室過給エンジン1は2つの気筒を並
設した水冷式4サイクル2気筒エンジンであり、クラン
クケース3、シリンダブロック5、シリンダヘッド7、
及びヘッドカバー9を積層締結して構成されている。
【0008】(燃焼室周辺構造について)前記シリンダ
ブロック5には2つのシリンダボア11が上下に平行に
形成されており(図3参照)、シリンダヘッド7の、各
シリンダボア11に対応する部分には燃焼室13を形成
する燃焼凹部(符号なし)が各々形成されている。ま
た、シリンダヘッド7の前記燃焼凹部には吸気ポート1
5及び排気ポート17がそれぞれ開口しており、吸気ポ
ート15はシリンダヘッド7の右舷側に、排気ポート1
7はシリンダヘッド7の左舷側にそれぞれ導出されてい
る。また、吸気ポート15の燃焼室13側開口には吸気
バルブ19が、排気ポート17の燃焼室13側開口には
排気バルブ21が各開口を開閉自在に配置されている
(図4参照)。
【0009】(吸排気バルブ動弁機構について)前記吸
気バルブ19及び排気バルブ21は、それぞれバルブス
プリング23により閉方向に付勢されており、各バルブ
19及び21の後方には、各バルブ19及び21を前記
バルブスプリング23の力に抗して開弁させる動弁機構
が設けられている。前記動弁機構は各バルブ19及び2
1に対応するカムノーズを備えたカム軸25を有し、こ
のカム軸25の一端はスプロケット27及びチェーン2
8を介してクランク軸29に連結されている(図3参
照)。また、カム軸25の左右には、カム軸25と平行
にロッカシャフト31が配置されており、各ロッカシャ
フト31にはロッカアーム33が揺動可能に装着されて
いる。各ロッカアーム33はその一端部がカム軸25の
カムノーズに当接し、他端部が対応するバルブ19及び
21の後端部に当接している。従って、クランク軸25
の回転に応じてカム軸25が回転すると、各カムノーズ
が所定のタイミングで対応するロッカアーム33を押
し、ロッカアーム33が対応するバルブ19又は21を
バルブスプリング23の力に抗して押圧して対応する吸
気ポート15又は排気ポート17を開弁する。
【0010】(ピストン及びコンロッドについて)前記
シリンダブロック5の各シリンダボア11にはピストン
35が各々摺動自在に挿入配置されている。前記ピスト
ン35には、ピストンピン及び軸受け(共に符号なし)
を介してコンロッド37の小端部が連結されており、こ
のコンロッド37の大端部はクランク軸29のクランク
ピン39に軸受け(符号なし)を介して連結されている
(図3参照)。
【0011】(クランク軸の説明)クランク軸29は、
円板状に形成された複数(各気筒に2枚、本実施例では
2気筒なので4枚)のクランクウェブ41同士を、クラ
ンクウェブ41に一体に形成された前記クランクピン3
9で連結して構成されており、各クランクウェブ41に
はジャーナル部45が一体に形成され、これらジャーナ
ル部45がクランクケース3にジャーナル軸受け(符号
なし)を介して支持されている。ジャーナル軸受は各々
シール付きの軸受で、後述する各気筒毎のクランク隔室
50を気密にし、且つ各クランク隔室50への外部から
の水分等の侵入を防止している。また、図3において一
番上側に位置するクランクウェブ41のジャーナル部4
5はクランクケース3の外方に突出しており、該突出部
には発電機47が取り付けられている。また、図3にお
いて一番下側に位置するクランクウェブ41のジャーナ
ル部45もクランクケース3から突出して下方に伸びて
おり、この突出部は船外機100の前記出力軸126に
連結されている。
【0012】(シリンダブロック及びクランクケースの
説明)図3を参照すると分かるように、シリンダブロッ
ク5には、その前端よりさらに前方に突出し、シリンダ
ボア11の下方部分を画定している嵌合部51がシリン
ダボア毎に一体に形成されており、クランクケース3の
後部には、シリンダブロック5とクランクケース3とを
結合した時に、前記嵌合部51が圧入される嵌合孔52
が形成されている。また、前記クランクケース3は、そ
の内部にクランク軸29と直交する隔壁49が形成され
ており、この隔壁49によって、その内部をシリンダボ
ア11に対応する二つのクランク隔室50に区画してい
る。
【0013】(コンロッド収納室の構成)前記クランク
ケース3の後部と、クランクケース3の各クランク隔室
50におけるクランク軸29と直交する左右内壁とのコ
ンロッド37の移動範囲に対応する部分には、上下方向
の幅がコンロッド37の上下方向の厚みより僅かに大き
い切欠き53が形成され、コンロッド37が切欠き53
を左右に区画しつつ通過可能とされている。また、前記
シリンダブロック5の各嵌合部51におけるコンロッド
37の移動範囲に対応する部分にも、上下方向の幅がコ
ンロッド37の上下方向の厚みより僅かに大きい切欠き
55が形成されコンロッド37が通過可能とされてい
る。これらの切欠き53及び55は、それらの表面が面
一になるように形成され、かつコンロッド37の移動時
に対応する切欠き53及び55の表面とコンロッド37
の上下側面とが密閉的に相対するように寸法決めされて
いる。また、前記クランクケース3の各クランク隔室5
0の内周壁57はクランク軸29を囲むように円弧状に
形成されており(図4参照)、この内周壁57は、コン
ロッド37の移動時に、その表面とコンロッド37の大
端部の外周表面とが密閉的に相対するように寸法決めさ
れている。さらに、クランクケース3の各クランク隔室
50におけるクランク軸29と直交する壁面にはクラン
クウェブ41が収容配置される円形の収容凹部59が形
成されている。各クランクウェブ41は、その周囲に少
なくともクランクケース3より硬質の材料で形成された
密閉リング61を取り付けた状態で、前記クランクケー
ス3における収容凹部59に収納されている。また、前
記円形の収容凹部59の密閉リング61の外面が当接す
る部位には、不図示の耐磨耗性のリング状部材が鋳込ま
れており、クランク軸回転中に、密閉リング61の外面
がこの耐磨耗性リング状部材に接触摺接してシール作用
が得られるように構成されている。また、各クランクウ
ェブ41の寸法は、そのコンロッド側の表面とコンロッ
ド37の上下側面とがコンロッド移動時に密閉的に相対
するように寸法決めされている。また、図4を参照する
と分かるように、前記ピストン35の内側には三角形状
の凹部35aが形成されており、ピストン35のスカー
ト部における前記凹部35aに対応する部分にはコンロ
ッド37が通過可能な切欠き35bが形成されている。
前記ピストン35の凹部35aにはコンロッド37の小
端部が挿入配置されており、この凹部35aの半円筒状
の内周部のピストンピン中心からの半径は、コンロッド
37の小端部の外周のピストンピン中心からの半径より
ごく僅か大きくされており、かつ、凹部35a及び切欠
き35bの上下方向の内幅は、コンロッド37の上下方
向の厚みよりごく僅か大きくされている。これにより、
コンロッドの移動時に、ピストン35部においても、コ
ンロッド37の左右の空間が互いにコンロッド37によ
って密閉的に区画される。
【0014】(コンロッド収納室の作用)上記した構成
により、各クランク隔室50、各クランクウェブ41、
及び各ピストン35で囲まれたコンロッド収容室60
が、シリンダボア11毎に形成される。これにより、コ
ンロッド37の移動中、即ちエンジン駆動中は、コンロ
ッド37の表面が、ピストン内の凹部35aの上下方向
両内面及び半径方向内面、ピストンのスカート部の切欠
き35bの内面、シリンダブロック5の嵌合部51にお
ける切欠き55の上下方向両内面、クランクケース3に
おける切欠き53の上下方向両内面、クランクウェブ4
1のコンロッド側の表面、又はクランクケース3の各ク
ランク隔室50の円弧状に形成された内周面57と密閉
的に相対するので、ピストン35が上死点付近に位置す
る場合を除くクランク角度において、各コンロッド収納
空間はコンロッドによって二つの室(吸入室Aと圧縮室
B)とに区画されることになる。以上説明した構成によ
り、ピストン35が上死点に位置する状態からクランク
軸29が図4中、時計方向に回転するに伴い、コンロッ
ド37の大端部の外周がクランクケース3の内周壁57
に近接し、この時点でコンロッド収容室60が吸入室A
と圧縮室Bとに区画され、さらにクランク軸29の回転
に伴い一方の室Aに空気が吸入されると共に、他方の室
B内の前行程で吸入された空気が圧縮される容積型過給
機構が構成される。なお、係る容積型過給機構の構成
は、上述の特開平6−93869号公報に詳細に記載さ
れている。
【0015】(吸気系の説明)クランクケース3の吸入
室A側には、吸気系手段が設けられている。この吸気系
手段は、吸気室ハウジング75、吸気管77、気化器7
9、及びエアクリーナ81から成る。前記吸気室ハウジ
ング75は、二つのハウジング片75a,75bから成
り、内部に吸気室Dを画定している。前記吸気室ハウジ
ング75の一方のハウジング片75aはクランクケース
3に結合され、他方のハウジング片75bには吸気管7
7の一端が連結されている。前記吸気管77は、前記他
方のハウジング片75bから、船首方向に向かって伸び
気化器79を介してエアクリーナ81に接続されている
(図4参照)。前記クランクケース3及び前記ハウジン
グ片75aには、各々、吸入室Aと吸気室Dとを連通す
る開口が形成されており、ハウジング片75a側の開口
85に、吸入室Aの圧力が吸気室Dの圧力より低くなる
と開くリード弁手段87が設けられている。即ち、新気
は空気が取り入れられる一つのエアクリーナ81、燃料
が霧化混合される一つの気化器79、一つの吸気管77
を経て、一つの吸気室ハウジング77にいたり、ここ
で、分岐して各気筒毎の開口85より各気筒毎のクラン
ク隔室50、即ちコンロッド収容室60に吸引される。
【0016】(加圧吸気系の説明)また、クランクケー
ス3の圧縮室B側には、加圧吸気系手段が上下に並設さ
れている。この上下二つの加圧吸気系手段は、クランク
ケース3に取り付けられた一つの各気筒共通の加圧吸気
室ハウジング63と、各気筒に対応する上下二つの加圧
吸気管65とから成る。前記加圧吸気室ハウジング63
は、二分割式のハウジング片63a,63bからなり、
一方のハウジング片63aがクランクケース3に固定さ
れ、他方のハウジング片63bには加圧吸気管65が接
続され、これら二つのハウジング片63a,63bで内
部に加圧吸気室Cを形成している。前記加圧吸気管65
の他端は、シリンダヘッド7に形成された吸気ポート1
5の一端に接続されており、該加圧吸気管65の途中に
は、アクセルグリップ(図示せず)の操作に連動して開
閉するバタフライ型スロットル弁67が設けられてい
る。このバタフライ型スロットル弁67は、吸気系手段
を構成する気化器79に設けられたスロットル弁(図示
せず)と連動して動くように設けられ、これにより、気
化器79が吸気ポート15から離れていることによる応
答性の遅れを防止している。クランクケース3と前記ハ
ウジング片63bとの結合部には、加圧吸気室Cと圧縮
室Bとを連通する開口69が形成されており、この開口
69に、加圧吸気室Cの圧力が圧縮室Bの圧力より低く
なると開弁するリード弁手段71が取り付けられてい
る。前記加圧吸気室ハウジング63及び加圧吸気管65
には、冷却水が流れるウォータジャケット73が形成さ
れており、このウォータジャケット73は、シリンダブ
ロック5及びシリンダヘッド7のウォータジャケット
(符号なし)と連通している。このウォータジャケット
73内を流れる冷却水により、コンロッド37で圧縮さ
れて昇温する新気を、加圧吸気室ハウジング63及び吸
気加圧管65において冷却する。これにより、燃焼室1
3への新気の充填効率の低下を防止し、エンジン性能を
高く維持することができるようになる。なお、加圧吸気
室ハウジング63を各気筒毎に独立とし、上下の加圧吸
気系手段を気筒毎に完全に独立させてもよい。
【0017】(加圧吸気系と吸気系とを連結するバイパ
ス通路)上記した加圧吸気室Cと吸気室Dとは、小径の
バイパス通路88で連通されている。このバイパス通路
88の途中の加圧吸気室Cに近い位置にはバタフライ弁
88aが配置されており、このバタフライ弁88aはア
クセル操作に連動して開閉し、低負荷時(バタフライ式
スロットル弁67の開度が小さい時)に開となり、中・
高負荷時に閉となる。なお、加えて、急減速時に先行し
て閉から開へ動作するようにしてもよい。バタフライ式
スロットル弁67の開度が小の時には過給新気量が少な
くてよいので、バタフライ弁88aを開として加圧吸気
室Cの圧力を下げ、コンロッド37のポンプ仕事量を減
らし、これによりロス馬力が小さくできる。また、急減
速時に、加圧吸気室Cの出口側でバタフライ式スロット
ル弁67が急閉されて加圧吸気室C内の圧力が急上昇
し、ロス馬力が急上昇したり、エンジンストールが発生
したりする場合には、急減速時バタフライ弁88aを開
とするとよい。図4では、前記バイパス通路88はエン
ジン断面図に重ね描きしているが、バイパス通路88は
図3に示すようにエンジン1の上方を通過している。前
記したように加圧吸気室Cを各気筒毎に独立して設ける
場合には、各気筒毎の加圧吸気室Cから気筒数のバイパ
ス通路上流管が導かれ、途中で合体し一本のバイパス通
路下流管とされて吸気室Dに連通するようにする。そし
て、前記バタフライ弁88aは、各バイパス通路上流管
毎か、又は合体後のバイパス下流管に配置される。バタ
フライ弁88aをバイパス通路下流管に設ける場合に
は、一つの弁でよい。これにより、各加圧吸気室Cは、
少なくともバタフライ弁88aが開となる時、互いに連
通することになり、各気筒における加圧性能に差が出る
場合(各部のシール能力が経時変化した場合に発生す
る)でも、燃焼室13への充填新気量のバランスを取る
ことができ、各気筒における出力を平準化して振動増大
を防止することができる。この特徴は本実施例のように
加圧吸気室Cを各気筒共通に形成した場合でも同様に得
られる。
【0018】(排気系の説明)また、シリンダヘッド7
における各気筒の排気ポート17には各々排気管89が
接続されている。この排気管89は、下方に向かって伸
び、下流で集合してエンジン1とアッパーケース105
との間に挿入配置されるエキゾーストガイド130を貫
通し、下方のアッパーケース105内に侵入し、排気ガ
スをアッパーケース内に形成された排気通路128に導
いている(図1及び図2参照)。これにより、前述のよ
うに排気ガスはアッパーケース105、ロアケース10
6、及びプロペラハウジング117内に形成された排気
通路128を通過して水中に排気される。また、前記排
気管89には、冷却水が流れるウォータジャケット91
が形成されており、このウォータジャケット91は、シ
リンダブロック5及びシリンダヘッド7に形成されたウ
ォータジャケット(符号なし)に繋がっている。
【0019】(オイル関係の説明)以上説明したように
構成されたエンジン1におけるクランク軸29及びピス
トン35には、オイル供給手段93を介して2サイクル
オイルが不図示のオイルタンクから供給されている。ま
た、吸気バルブ19及び排気バルブ21の動弁機構に
は、シリンダヘッド7に設けられたオイル供給孔95を
介して供給された4サイクルオイルが、不図示のオイル
溜まりにためられ、不図示のオイルポンプにより循環供
給される。
【0020】(第一実施例特有の効果)以上説明したよ
うに、この第一の実施例に係るエンジン1では、二つの
シリンダボア11を通る面Yを境に、加圧吸気系手段と
吸排気系手段とが左右に分けて配置されているので(図
2及び図4参照)、各気筒毎の加圧吸気系手段の長さが
不揃いとなることなく、これにより各気筒毎の加圧吸気
系管路の抵抗が大きく不揃いになることがなくなるの
で、各気筒毎の出力差が出にくい。また各気筒毎の加圧
吸気系手段は、全てがシリンダボア11を通る面Yを境
として一方の側でクランク室とシリンダヘッド7とを結
ぶことができるので、エンジン1をコンパクトに形成で
きる。また各気筒毎の加圧吸気系手段を、全てシリンダ
ボア11を通る面Yを境として一方の側に配置したの
で、共通の加圧吸気室Cを形成し易く、上流側の加圧特
性に気筒毎の差が出ても、加圧吸気室Cで加圧特性を均
一にすることができ、各気筒毎の出力差が出にくくでき
る。また、各気筒毎の加圧吸気系手段を、全てシリンダ
ボア11を通る面Yを境として一方側に配置したので、
バラフライ型スロットル弁67も全てシリンダボア11
を通る面Yを境として一方側に集中配置できるようにな
り、不図示のバタフライ型スロットル弁67の回動駆動
用装置をコンパクトに構成することができる。また、全
ての気筒において加圧吸気系手段をシリンダボア11を
通る面Yを境として一方側に配置する一方、他方側に排
気系手段を配置しているので、加圧吸気が排気熱の影響
を受けにくく、充填効率の低下をきたすことがない。ま
た、全ての気筒において加圧吸気系手段をシリンダボア
11を通る面Yを境に一方側に配置する一方、他方側に
吸気系手段を配置しているので、吸気系手段を各気筒毎
に隣接して配置することができ、その結果、各気筒毎の
クランク室へ分岐する前の吸気系手段を共通化すること
が可能になり、コンパクトかつ安価に吸気系手段を構成
することができる。また、全ての気筒において吸気系手
段と排気系手段をシリンダボア11を通る面Yを境とし
て一方側に配置し、且つ前後方向に並設しているので、
エンジンの左右方向の幅を小さくできる。本実施例にお
けるクランク室過給式多気筒エンジンでは、全ての気筒
において吸気系手段と排気系手段を一方側に配置し、加
圧吸気系手段を他方側に配置しているので、全ての気筒
において、ガス(新気及び排気)が、吸気系手段からク
ランク隔室50(詳細には、コンロッド収容室60)、
クランク隔室50から加圧吸気系手段、加圧吸気系手段
から吸気ポート、吸気ポートから燃焼室を介して排気ポ
ート、排気ポートから排気系手段へと流れ、ガスの流れ
が、シリンダボア11を通る面Yを境に一方側から他方
側へと移る時に、クランク隔室50及び燃焼室以外の部
分、即ち、気筒の外側となる部分を通過することがな
い。前記したように気筒の外側となる部分をガスの流れ
が通過する場合、即ち、加圧吸気系手段を前記面Yを境
に一方側から他方側にかけて配置する場合には、気筒に
加えて加圧吸気系手段がエンジンのクランク軸方向の長
さを決めることになり、特に多気筒エンジンにおいて一
部あるいは全ての気筒において加圧吸気系を前記面Yを
境に一方側から他方側にかけて配置する場合には、エン
ジン1のクランク軸方向の長さ、即ち、本実施例のよう
に船外機に搭載する場合にはエンジンの高さを高くして
しまうが、この第1実施例に係るエンジン1では、二つ
のシリンダボア11を通る面Yを境に、吸排気系手段と
加圧吸気系手段とが左右に分けて配置されているので、
加圧吸気系手段及び吸排気系手段を構成する各種部品が
エンジン高(即ち、エンジンのクランク軸方向の長さ)
を高くすることなない。従って、上記第一の実施例に示
したクランク室過給式多気筒エンジンの構成によれば、
エンジン1を船外機100に横置きで搭載した場合で
も、エンジン1のエンジン高が高くないので、船体の上
端より上方に突出するアッパーハウジング102の高さ
が極端に高くなることはなく、例えば、釣り等に船を使
用する場合に、船外機側からも竿を出すことができる。
また、第一の実施例によれば、エアクリーナ及び気化器
をアッパーハウジング内の前方に配置しているので、走
航中に走航風を十分に当てることができ、これらエアク
リーナ及び気化器を十分に冷却することができるように
なる。さらに、第一実施例によれば、加圧吸気室ハウジ
ング及び加圧吸気管のウォータジャケットをエンジンの
ウォータジャケットに連通するように構成しているの
で、加圧吸気室ハウジング及び加圧吸気管用に別個に冷
却水供給ポンプ等を設ける必要がない。
【0021】(水上走航船に搭載した場合の実施例)次
に、図5〜図7を参照して本発明の第2の実施例に係る
クランク室過給式多気筒エンジン(以下、単にエンジン
と称する。)を水上走航船に搭載した例を説明する。図
5は、エンジンを搭載した水上走航船の一部断面概略側
面図、図6は、図5における水上走航船の一部断面概略
上面図、図7は、船体後方から見た、船体とエンジンと
の位置関係を表す図である。尚、本実施例に係るエンジ
ンは、吸気系手段及び排気系手段の構成以外は、第1の
実施例で説明したエンジンと同じ構成であるので、エン
ジンに係る符号は全て第1実施例と同じ符号を使用し、
また、同じ構成の部分の説明は省略する。
【0022】(水上走航船の説明)図5における符号1
50は水上走航船を示している。この水上走航船150
は、乗員が船体152上に設けられたシート154に跨
って座り、このシート154の前方に設けられた走航ハ
ンドル156を掴んで走航するように構成されている。
前記船体152の内部の略中央部分にはエンジン1が搭
載されており、また、船体152の後方にはジェットポ
ンプ式推進装置158が設けられている。前記ジェット
ポンプ式推進装置158は、流路形成管160、ディフ
レクタノズル162、及びプロペラ164から構成され
ており、流路形成管160は、その一端が船体152の
底面に開口し、そこから船体152の後方に向かって湾
曲しながら船体152の後部まで伸びている。この流路
形成管160の後端部には、ハンドル156の操作に応
じて左右に回動し、不図示のレバーにより上下に回動す
るディフレクタノズル162が連結されており、また、
流路形成管160の内部にはプロペラ164が配置され
ている。このプロペラ164は、エンジン1のクランク
軸29に連結された駆動軸166に固定されている。上
記した構成により、エンジン1が駆動すると、駆動軸1
66がプロペラ164を回転させて流路形成管160内
に、その船底側開口から吸い込まれ、後部開口から噴射
されるジェット水流を作り出す。前記ジェット水流は、
ハンドル156の操作に応じてディフレクタノズル16
2によって適当な方向に噴射される。
【0023】(エンジンの説明)エンジン1は、2つの
気筒を並設した水冷式のクランク室過給式4サイクル2
気筒エンジンであり、クランクケース3、シリンダブロ
ック5、シリンダヘッド7、及びヘッドカバー9を積層
締結して構成されている。このエンジン1は、そのクラ
ンク軸29が船体152の前後方向を向くように配置さ
れ、クランクケース3の下端に設けられた4つのエンジ
ン固定用ブラケット3a及び防振マウント3bにより船
体152の底部のエンジンヘッド152aに固定されて
いる。
【0024】(加圧吸気系手段及び吸排気系手段の説
明)図7を参照すると分かるように、このエンジン1
は、二つのシリンダボア11を通る面Yを境に左舷側に
加圧吸気系手段が配置され、右舷側に吸気系手段及び排
気系手段が配置されている。前記加圧吸気系手段は、前
後気筒共通の加圧吸気室ハウジング63と前後気筒独立
の加圧吸気管65から成る。尚、図6中、符号67aは
各加圧吸気管65に設けられたバタフライ型スロットル
弁(図示せず、第1実施例における符号67参照)の動
きを連動させる駆動リンクを示している。前記吸気系手
段は、吸気室ハウジング75、吸気管77、気化器7
9、及びエアクリーナ81から成り、前記吸気管77
は、その一端が吸気室ハウジング75に接続され、そこ
から船体152の右舷側に伸びて気化器79を介してエ
アクリーナ81に接続されている。前記排気系手段は、
各気筒の排気ポート17に接続された共通の排気管89
から成る。この排気管89は、前記排気ポート17か
ら、エンジン1のシリンダブロック5及びシリンダヘッ
ド7と前記エアクリーナ81との間を通って、船体15
2の後方に向かって伸び、その他端は、船体152にお
ける前記ジェットポンプ式推進装置158を収納してい
る隔室168内に開口している(図6参照)。
【0025】(水上走航船に搭載した場合の実施例2)
最後に、図8及び図9を参照して本発明の第3の実施例
に係るクランク室過給式多気筒エンジン(以下、単にエ
ンジンと称する。)を水上走航船に搭載した例を説明す
る。図8は、エンジン1を搭載した水上走航船の一部断
面概略上面図、図9は、船体後方から見た、船体とエン
ジンとの位置関係を表す図である。尚、本実施例に係る
エンジンは、吸気系手段及び排気系手段の構成以外は、
第1及び第2の実施例で説明したエンジンと同じ構成で
あるので、エンジンに係る符号は全て第1実施例と同じ
符号を使用し、また、同じ構成の部分の説明は省略す
る。また、本実施例に係る水上走航船は第2実施例の水
上走航船と同じ構成であるので、水上走航船に係る符号
は全て第2実施例と同じ符号を使用し、構成の詳細な説
明は省略する。
【0026】(エンジンの説明)このエンジン1は第1
及び第2実施例と同様二つのシリンダボア(図示せず)
を並設したクランク室過給式4サイクル2気筒エンジン
であり、そのクランク軸29の軸線が船体152の前後
方向を向くように配置され、クランクケース3の下端に
設けられた4つのエンジン固定用ブラケット3a及び防
振マウント3b(二つは図示せず)により船体152の
底部のエンジンヘッド152aに固定されている。図面
を参照すると分かるように、このエンジン1は、二つの
シリンダボア11を通る面Yを境に左舷側に加圧吸気系
手段が配置され、右舷側に吸気系手段及び排気系手段が
配置されている。前記加圧吸気系手段は、加圧吸気室ハ
ウジング63と加圧吸気管65から成る。前記加圧ハウ
ジング63及び加圧吸気管65は各気筒毎に設けられて
いる。尚、図8中、符号67aは各加圧吸気管65に設
けられたバタフライ型スロットル弁(図示せず、第1実
施例における符号67参照)の動きを連動させる駆動リ
ンクを示している。前記吸気系手段は、吸気室ハウジン
グ75、吸気管77、気化器79、及びエアクリーナ8
1から成り、前記吸気管77は、その一端が吸気室ハウ
ジング75に接続され、そこから船体152の上方に伸
びて気化器79を介してエアクリーナ81に接続されて
いる。前記排気系手段は、各気筒の排気ポート17に接
続された共通の排気管89から成る。この排気管89
は、前記排気ポート17から、前記吸気管77の外側を
通って船体152の後方に向かって伸び、その他端は、
船体152における前記ジェットポンプ式推進装置15
8を収納している隔室168内に開口している(図8参
照)。
【0027】(第2実施例及び第3実施例の効果)以上
説明した第2及び第3の実施例のエンジンによれば、重
量のある加圧吸気系手段と吸排気系手段とを、エンジン
の二つのシリンダボアを通る面Yを境に左右に分けて配
置しているので、図示実施例のようにエンジンを縦置き
に配置すると、水上走航船自体の横方向の重量バランス
がよくなり、その結果、水上走航船のローリングモーメ
ントが減少する。上記した第2及び第3の実施例によれ
ば、加熱されて熱くなりやすい加圧吸気系手段と排気系
手段とが左右に分けて配置されているので熱が分散さ
れ、局部的に熱が篭もることがなく、特に、第3実施例
によれば、前記加圧吸気系手段と排気系手段とが、それ
ぞれ、一番外側に配置されているので、これらの手段の
熱を外部に逃がすことができるようになる。また、上記
第2実施例では、エアクリーナ81及び気化器79が排
気系手段より外側に配置され、且つ吸込口81aが排気
系手段とは反対方向に向いているので、排気系手段近傍
の温度の高い空気が吸気系手段に吸引されることがな
く、高いエンジン性能が得やすい。また上記第3実施例
では、エアクリーナ81及び気化器79が排気系手段よ
り上側に配置されているので、船体152の脱着可能な
上部カバーを外して行う気化器79の点検整備が行い易
い。また、この第3実施例においても、エアクリーナ8
1の吸込口81aが排気系手段とは反対方向に向いてい
るので、排気系近傍の温度の高い空気が吸気系手段に吸
引されることがなく高いエンジン性能が得やすい。
【0028】(その他)本実施例では、加圧吸気系手段
を加圧吸気室ハウジングと加圧吸気管とで構成した例を
示しているが、加圧吸気系手段の構成は本実施例に限定
されるものではなく、例えば、加圧吸気管が十分な容積
を持つように構成されていれば、加圧吸気室ハウジング
は使用しなくてもよい。また、本実施例では、加圧吸気
系手段の一部を集合させ、一部を各気筒毎に設けている
が、加圧吸気系手段の構成は、本実施例に限定されるこ
となく、全ての気筒の加圧吸気手段を各気筒毎に独立し
て設けてもよく、また、3気筒以上のエンジンに適用す
る場合には、幾つかに分けて集合させてもよい。さら
に、吸気系手段及び排気系手段の構成も本実施例に限定
されることなく、必要に応じて、各気筒毎に、又は集合
させて設けられ得る。さらにまた、本実施例では、吸気
管に気化器を設け、加圧吸気管の吸気ポートの近くに、
前記気化器とは別のスロットル弁を設け、この別のスロ
ットル弁によってスロットル操作に対するエンジン出力
の応答遅れを防止しているが、気化器を設ける位置は本
実施例に限定されるものではなく、例えば、加圧吸気管
の吸気ポートの近くに設けてもよい。このように気化器
を加圧吸気管の吸気ポートの近くに設けた場合は、スロ
ットル弁を気化器とは別に設ける必要はないが、加圧吸
気管からの圧力漏れがないように、加圧吸気管における
気化器を設けた部分を十分にシールする必要がある。ま
た、気化器を加圧吸気管に設ける場合は、気化器内の圧
力を加圧吸気管における気化器より下流側の圧力より高
くしなければならないので、何らかの手段で気化器内の
フロート室を圧力を高くする必要がある。また、本実施
例では、気化器を使用して混合気を作るエンジンを例に
挙げて本発明に係るクランク室過給式多気筒エンジンを
説明しているが、燃料供給方法は本実施例に限定される
ことなく、燃料噴射装置を用いてもよいことはもちろん
である。以上説明した本実施例では、本発明に係るクラ
ンク室過給式多気筒エンジンを船外機及び水上走航船に
搭載した例を示しているが、本発明に係るクランク室過
給エンジンは、これら船外機や水上走航船に搭載するも
のに限定されるものではないことはもちろんであり、自
動二輪車、発電機、雪上車、或いはゴルフカー等に搭載
する場合もあり得る。
【発明の効果】以上説明した本発明に係るクランク室過
給式多気筒エンジンによれば、排気系手段と加圧吸気系
手段とを、複数のシリンダ中心を通る面を境に分けて配
置しているので、これらの手段を構成する部品によっ
て、エンジンがクランク軸方向に長くなることがなく、
エンジン全体をコンパクトにすることができるという効
果を奏する。また、本発明のクランク室過給式多気筒エ
ンジンによれば、比較的重量の重い、排気系手段と加圧
吸気系手段とを分けて配置しているので、エンジン全体
の重量バランスがよくなるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クランク室過給エンジン1を搭載した船外機
100の概略側面図である。
【図2】 図1における一部断面A視図である。
【図3】 船外機側方から見た、アッパーケースとエン
ジンとの位置関係を表す概略縦断面図である。
【図4】 図1におけるアッパーケース部分の概略横断
面図である。
【図5】 エンジンを搭載した水上走航船の一部断面概
略側面図である。
【図6】 図5における水上走航船の一部断面概略上面
図である。
【図7】 船体後方から見た、船体とエンジンとの位置
関係を表す図である。
【図8】 エンジン1を搭載した水上走航船の一部断面
概略上面図である。
【図9】 船体後方から見た、船体とエンジンとの位置
関係を表す図である。
【符号の説明】
1 クランク室過給式多気筒エンジン 3 クランクケース 5 シリンダブロック 7 シリンダヘッド 9 ヘッドカバー 11 シリンダボア 13 燃焼室 15 吸気ポート 17 排気ポート 19 吸気バルブ 21 排気バルブ 23 バルブスプリング 25 カム軸 27 スプロケット 28 チェーン 29 クランク軸 31 ロッカシャフト 33 ロッカアーム 35 ピストン 35a 凹部 35b 切欠き 37 コンロッド 39 クランクピン 41 クランクウェブ 45 ジャーナル部 47 発電機 49 隔壁 50 クランク隔室50(クランク室) 51 嵌合部(シリンダブロック) 52 嵌合孔(クランクケース) 53 切欠き(クランクケース) 55 切欠き(シリンダブロック) 57 内周壁(クランクケース) 59 収容凹部(クランクケース) 60 コンロッド収容室 61 密閉リング 63 加圧吸気室ハウジング 63a ハウジング片 63b ハウジング片 65 加圧吸気管 67 バタフライ型スロットル弁 69 開口(クランクケース圧縮室側)) 71 リード弁手段 73 ウォータジャケット 75 吸気室ハウジング 75a ハウジング片 75b ハウジング片 77 吸気管 79 気化器 81 エアクリーナ 85 開口(吸気室ハウジング) 87 リード弁手段 88 バイパス通路 89 排気管 91 ウォータジャケット 93 オイル供給手段(2サイクルオイル) 95 オイル供給孔 A 吸入室 B 圧縮室 C 加圧吸気室 D 吸気室 Y 二つのシリンダを通る面 F 船体の前進方向 100 船外機 102 アッパーカウリング 103 ボトムカウリング 104 エプロン 105 アッパーケース 106 ロアケース 108 クランプブラケット 110 船体 112 船尾板 114 プロペラ 116 駆動装置 117 プロペラボス 118 プロペラ駆動軸 120 正転ベベルギヤ 122 逆転ベベルギヤ 124 クラッチ操作レバー 126 出力軸 128 排気通路 130 エキゾーストガイド(水上走航船) 150 水上走航船 152 船体 154 シート 156 ハンドル 158 ジェットポンプ式推進装置 160 流路形成管 162 ディフレクタノズル 164 プロペラ 166 駆動軸 168 隔室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02B 33/24 F02B 33/44 C 33/44 B63H 21/26 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダを有し、 各シリンダに対応するクランク室、クランクウェブ、及
    びピストンで各シリンダ毎にコンロッド収容室を形成
    し、 各コンロッド収容室を、対応するコンロッドで吸入室と
    圧縮室とに区分けし、 前記吸入室に吸気系手段を接続し、 前記圧縮室と燃焼室の吸気孔とを加圧吸気系手段で連通
    させ、 前記燃焼室の排気孔に排気系手段を接続したクランク室
    過給式エンジンにおいて、 複数のシリンダのシリンダ中心を通る面を境に一方側に
    前記排気系手段を配置し、他方側に加圧吸気系手段を配
    置したことを特徴とするクランク室過給式多気筒エンジ
    ン。
  2. 【請求項2】 複数のシリンダのシリンダ中心を通る面
    を境に前記排気系手段を配置した側に吸気系手段を配置
    したことを特徴とする請求項1に記載のクランク室過給
    式多気筒エンジン。
  3. 【請求項3】 前記加圧吸気系手段が、加圧吸気通路
    と、少なくとも加圧吸気通路の断面積より大きい断面積
    を有する加圧吸気室とから成ることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のクランク室過給式多気筒エンジン。
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