JPH09280355A - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JPH09280355A
JPH09280355A JP8089763A JP8976396A JPH09280355A JP H09280355 A JPH09280355 A JP H09280355A JP 8089763 A JP8089763 A JP 8089763A JP 8976396 A JP8976396 A JP 8976396A JP H09280355 A JPH09280355 A JP H09280355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 係合圧調圧弁により係合圧が直接的に制御さ
れる油圧式摩擦係合装置の係合作動の高い応答性が得ら
れる車両用自動変速機の変速制御装置を提供する。 【解決手段】 第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への1→
2変速に先立って、係合圧調圧弁変速前待機手段162
により、B3コントロール弁92のスプール弁子104
が所定の作動位置へ予めに待機させられるので、1→2
変速出力に応答してB3コントロール弁92に変速用の
制御圧PSLU が供給されることによりそのB3コントロ
ール弁92の調圧作動が開始されるとき、B3コントロ
ール弁92のスプール弁子104が既に所定の作動位置
へ待機させられていることから、直ちにB3コントロー
ル弁92から係合圧PB3が出力されるので、ブレーキB
3の係合作動の高い応答性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用自動変速機
の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の油圧式摩擦係合装置の作動を組み
合わせることによって複数のギヤ段のうちの所望のギヤ
段を達成させる形式の自動変速機が知られている。この
ような自動変速機では、変速時のトルク変化を緩和させ
るために油圧式摩擦係合装置内の油圧の上昇或いは下降
を緩やかとするためのアキュムレータが用いられる場合
が多い。このアキュムレータは、そのピストンの裏面に
作用されるアキュム背圧に従って油圧式摩擦係合装置内
の油圧の変化を制御するようになっている。
【0003】しかしながら、上記アキュムレータはその
機能を充分に発揮させるために比較的大きな容積を必要
とすることから、アキュムレータを複数設けることによ
り自動変速機の形状が大きくなるので、油圧式摩擦係合
装置内の油圧をアキュムレータを用いないで直接的に制
御することが提案されている。たとえば、特開平6−3
41525号公報に記載された変速制御装置がそれであ
る。
【0004】上記のような変速制御装置では、たとえ
ば、制御圧を出力するリニヤソレノイド弁と、そのリニ
ヤソレノイド弁からの制御圧に基づいて前記油圧式摩擦
係合装置内の油圧を調圧する係合圧調圧弁とが備えら
れ、前記所定のギヤ段の達成に際しては電磁弁から出力
される制御圧に従って係合圧調圧弁が作動させられるこ
とにより油圧式摩擦係合装置の係合圧がアキュムレータ
を用いないで電子制御装置によって直接的に制御され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
変速制御装置では、たとえば所定の油圧式摩擦係合装置
を係合させることにより達成されるギヤ段への変速出力
が開始されると、それまで非作動状態であった係合圧調
圧弁へリニヤソレノイド弁からの制御圧が作用されてそ
の係合圧調圧弁の作動が開始されることにより、上記油
圧式摩擦係合装置に供給される係合圧が立ち上げられる
のであるが、上記リニヤソレノイド弁へその駆動信号が
供給されてからその駆動信号の大きさに対応する大きさ
の係合圧となるまでの遅れ時間が長く、上記所定の油圧
式摩擦係合装置の係合作動が遅れるという不都合があっ
た。特に、作動油温度が低くなってその粘性が高くなる
ほどそのような不都合が顕著となる。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、係合圧調圧弁に
より係合圧が直接的に制御される油圧式摩擦係合装置の
係合作動の高い応答性が得られる車両用自動変速機の変
速制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、第1のギヤ段から第
2のギヤ段への変速に際して係合させられる油圧式摩擦
係合装置の係合圧を直接的に制御する係合圧調圧弁を有
する車両用自動変速機において、その第1のギヤ段から
第2のギヤ段への変速を実行させるために、係合圧調圧
弁に油圧式摩擦係合装置の係合圧の昇圧を制御させる変
速油圧制御手段を備えた変速制御装置であって、前記第
1のギヤ段から第2のギヤ段への変速に先立って、前記
係合圧調圧弁を所定の作動位置へ予めに待機させる係合
圧調圧弁変速前待機手段を、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、前記第1のギヤ段か
ら第2のギヤ段への変速に先立って、係合圧調圧弁変速
前待機手段により、係合圧調圧弁が所定の作動位置へ予
めに待機させられる。このため、変速出力に応答して係
合圧調圧弁に変速用の制御圧が供給されることによりそ
の係合圧調圧弁の調圧作動が開始されるとき、既に所定
の作動位置へ待機させられていることから、直ちに係合
圧調圧弁から係合圧が出力されるので、油圧式摩擦係合
装置の係合作動の高い応答性が得られるのである。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記係合圧調圧
弁に制御圧を出力するリニヤソレノイド弁が設けられ、
その係合圧調圧弁は、そのリニヤソレノイド弁からの制
御圧に基づく推力によって係合圧増大方向へ移動させら
れるスプール弁子を備え、前記係合圧調圧弁変速前待機
手段は、そのスプール弁子を所定の作動位置に待機させ
る大きさの変速前待機用制御圧をリニヤソレノイド弁か
ら発生させるために、そのリニヤソレノイド弁へ駆動信
号を供給するものである。このようにすれば、リニヤソ
レノイド弁から変速前待機用制御圧が変速出力に先立っ
て出力されることから、変速出力が行われるときには既
にリニヤソレノイド弁のスプール弁子が所定の作動位置
へ位置させられてリニヤソレノイド弁の応答時間が大幅
に減少するので、変速出力から係合圧の立ち上がりまで
の応答性が好適に改善される。
【0010】また、好適には、前記係合圧調圧弁変速前
待機手段は、作動油の温度TOIL 或いは車速Vに応じて
前記変速前待機用制御圧或いはその変速前待機用制御圧
を発生させるためにリニヤソレノイド弁に供給される駆
動信号を変更する。たとえば、前記係合圧調圧弁変速前
待機手段は、作動油の温度TOIL が予め設定された判断
基準値T0 以上となったか否かを判定する油温判定手段
を備え、その油温判定手段により実際の温度TOIL が判
断基準値T0 以上となったことが判定されたときには、
前記変速前待機用制御圧或いはその変速前待機用制御圧
を発生させるためにリニヤソレノイド弁に供給される駆
動信号を零に変更する。これにより、係合圧調圧弁の応
答遅れが本来的に問題とならない作動油温度TOIL が比
較的高い領域では、変速前待機用制御圧を出力する制御
が行われない利点がある。
【0011】また、好適には、前記係合圧調圧弁変速前
待機手段は、車速Vが予め設定された判断基準値V0
下まわったか否かを判定する車速判定手段を備え、その
車速判定手段により実際の車速Vが判断基準値V0 を下
まわったことが判定された場合には、前記変速前待機用
制御圧或いはその変速前待機用制御圧を発生させるため
にリニヤソレノイド弁に供給される駆動信号を零に変更
する。これにより、リニヤソレノイド弁から出力される
制御圧を、低車速時の他の制御、たとえばシフトレバー
のN→D操作ショックを解消するためのオリフィス制御
に対して利用することが可能となる。
【0012】また、好適には、前記第1のギヤ段から第
2のギヤ段への変速を判断してその変速を実現するため
の変速出力を行う変速制御手段と、この変速制御手段に
よって変速出力が行われた場合には、上記第1のギヤ段
から第2のギヤ段への変速を実現するために係合圧が立
ち上げられるように前記リニヤソレノイド弁を制御する
変速油圧制御手段とが備えられ、前記係合圧調圧弁変速
前待機手段は、その係合圧の立ち上げ開始時においてリ
ニヤソレノイド弁に供給される駆動信号と略同じ大きさ
の駆動信号を、上記変速出力に先立ってリニヤソレノイ
ド弁に付与することにより、上記係合圧の立ち上げ開始
時の制御圧と略同じ大きさの変速前待機用制御圧を発生
させる。このようにすれば、変速出力が行われたときに
おいて、リニヤソレノイド弁のスプール弁子および係合
圧調圧弁のスプール弁子が既に係合圧の立ち上げ開始時
と同じ位置に位置させられているので、係合圧の立ち上
がりおよびその係合圧が供給される油圧式摩擦係合装置
の応答遅れが好適に解消される。
【0013】また、好適には、前記係合圧調圧弁変速前
待機手段は、予め記憶された関係から実際の作動油の温
度TOIL 或いは車速Vに応じて変速前待機用制御圧を決
定する変速前待機用制御圧決定手段を備える。その関係
は、作動油の温度TOIL が高くなるほど変速前待機用制
御圧が減少する関係である。これにより、作動油の温度
OIL が低くなるほど変速前待機用制御圧が高くされる
ことから、低温によって係合圧調圧弁の応答遅れ時間が
大きくなるほど変速前待機用制御圧が高くされるので、
作動油の温度TOIL に拘わらず係合圧調圧弁の応答遅れ
が好適に解消される。また、上記関係は、車速Vが高く
なるほど変速前待機用制御圧が増加する関係である。こ
れにより、車速が高くなるほど変速前待機用制御圧が高
くされることから、加速指向走行程速やかに第1のギヤ
段から第2のギヤ段への変速が速やかに行われる。
【0014】
【発明の実施の態様】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、エンジン10の出力は、トル
クコンバータ12を介して自動変速機14に入力され、
図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝
達されるようになっている。
【0016】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプインペラ18
と、自動変速機14の入力軸20に連結されたタービン
ランナー22と、それらポンプインペラ18およびター
ビンランナー22の間を直結するロックアップクラッチ
24と、一方向クラッチ26によって一方向の回転が阻
止されているステータ28とを備えている。
【0017】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0018】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0019】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0020】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0021】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、ブ
レーキB3は、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換
える変速に際して係合させられるようになっている。
【0022】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセルペダル50によって操作される
第1スロットル弁52とスロットルアクチュエータ54
によって操作される第2スロットル弁56とが設けられ
ている。また、エンジン10の回転速度NE を検出する
エンジン回転速度センサ58、エンジン10の吸入空気
量Q/Nを検出する吸入空気量センサ60、吸入空気の
温度TA を検出する吸入空気温度センサ62、上記第1
スロットル弁52の開度θTHを検出するスロットルセン
サ64、出力軸42の回転速度NOUT すなわち車速Vを
検出する車速センサ66、エンジン10の冷却水温度T
W を検出する冷却水温センサ68、ブレーキの作動を検
出するブレーキスイッチ70、シフトレバー72の操作
位置PSHを検出する操作位置センサ74、入力軸20す
なわちクラッチC0の回転速度N C0を検出するクラッチ
C0回転センサ73、油圧制御回路84の作動油温度T
OI L を検出する油温センサ75などが設けられており、
それらのセンサから、エンジン回転速度NE 、吸入空気
量Q/N、吸入空気温度TA 、第1スロットル弁の開度
θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作動
状態BK、シフトレバー72の操作位置PSH、クラッチ
C0の回転速度NC0、作動油温度TOIL を表す信号がエ
ンジン用電子制御装置76或いは変速用電子制御装置7
8に供給されるようになっている。
【0023】また、図4に示すように、上記シフトレバ
ー72は、車両の前後方向に位置するPレンジ、Rレン
ジ、Nレンジ、Dおよび4レンジ、3レンジ、2および
Lレンジへ操作されるとともに、Dレンジと4レンジの
間、および2レンジとLレンジとの間が車両の左右方向
に操作されるようにその支持機構が構成されている。
【0024】図3のエンジン用電子制御装置76は、C
PU、RAM、ROM、入出力インターフェースを備え
た所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRAM
の一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプ
ログラムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制
御を実行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料
噴射弁80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ
82を制御し、アイドルスピード制御のために図示しな
いバイパス弁を制御し、トラクション制御のためにスロ
ットルアクチュエータ54により第2スロットル弁56
を制御し、エンジン回転速度NE が予め設定された過回
転領域(たとえばレッドゾーン)に入ると燃料噴射弁8
0を遮断してそれ以上のエンジン回転速度NE の上昇を
抑制する。このエンジン用電子制御装置76は、変速用
電子制御装置78と相互に通信可能に接続されており、
一方に必要な信号が他方から適宜送信されるようになっ
ている。
【0025】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、第1スロットル弁52の開
度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させ
るためにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制
御するためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアップ
クラッチ24の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3
の直接制御、およびクラッチツウクラッチのシフトを制
御するためにリニヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動す
る。また、変速用電子制御装置78は、予め記憶された
変速線図から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速V
に基づいて自動変速機14のギヤ段を決定し、この決定
されたギヤ段および係合状態が得られるように電磁弁S
1、S2、S3を駆動し、エンジンブレーキを発生させ
る際には電磁弁S4を駆動する。
【0026】図5および図6は上記油圧制御回路84の
要部を示している。図5および図6において、1−2シ
フト弁88および2−3シフト弁90は、電磁弁S1、
S2の出力圧に基づいて、第1速ギヤ段から第2速ギヤ
段への変速時および第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への
変速時においてそれぞれ切り換えられる切換弁であり、
その切換位置を示す数値はギヤ段を示している。前進レ
ンジ圧PD は、シフトレバー72が前進レンジ(D、
4、3、2、L)へ操作されているときに図示しないマ
ニュアル弁から発生される圧であり、図示しないライン
圧調圧弁によりスロットル弁開度θTHに応じて高くなる
ように調圧されるライン圧PL を元圧としている。
【0027】第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速出力が出された時には、上記前進レンジ圧P
D は、1−2シフト弁88、2−3シフト弁90、油路
L01、B3コントロール弁92、油路L02を経てブ
レーキB3へ供給される。なお、94はライン圧PL
急激な供給に対して緩衝を行うダンパである。また、第
2速ギヤ段から第3速ギヤ段へ切り換える変速出力が出
された時には、前進レンジ圧PD は、2−3シフト弁9
0、油路L03を経て、ブレーキB2およびB2アキュ
ムレータ100へ供給されると同時に、ブレーキB3内
の作動油は、油路L02、B3コントロール弁92、油
路L01、2−3シフト弁90、戻り油路L04、2−
3タイミング弁98を経て調圧ドレンされるとともに、
戻り油路L04から分岐する分岐油路L05およびB2
オリフィスコントロール弁96を経て急速ドレンされる
ようになっている。
【0028】上記B2アキュムレータ100の背圧室1
00B には、リニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT
リニヤソレノイド弁SLN の出力圧PSLN に基づいてアキ
ュム背圧PACC を発生させる図示しないアキュム背圧制
御弁からのアキュム背圧PAC C が、各変速に際して供給
される。
【0029】前記B3コントロール弁92は、油路L0
1と油路L02との間を開閉するスプール弁子104
と、スプリング106を挟んでスプール弁子104と同
心に設けられ且つそのスプール弁子104よりも大径の
プランジャ108と、スプリング106を収容し、前記
2−3シフト弁90が第3速側へ切り換えられたときに
それから出力される前進レンジ圧PD を油路L07を介
して受け入れる油室110と、プランジャ108の軸端
に設けられてリニヤソレノイド弁SLU の出力圧P SLU
受け入れる油室112とを備えている。このため、B3
コントロール弁92は、第2速ギヤ段の成立過程では、
リニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU に従ってスプー
ル弁子104を中心線の左側に示す開位置に位置させて
ファーストフィルをその初期に行うとともに、その後は
油路L01からの作動油を油路L02に供給したり或い
は油路L02内の作動油を排出油路L06へ流出させる
ことによりブレーキB3内の係合圧PB3の立ち上がりを
数式1から上記出力圧PSLUに基づき、アキュムレータ
による緩衝作用の如くに、直接的に調圧する。前記リニ
ヤソレノイド弁SLU は、その出力圧PSLU が変速用電子
制御装置78からリニヤソレノイド弁SLU へ供給される
指令値DSLU(駆動デューティ比:単位は%)に応じ
て増加するように構成されている一方、数式1から明ら
かなように、ブレーキB3内の係合圧PB3とリニヤソレ
ノイド弁SLU の出力圧PSLU とは相互に比例的に対応し
ているので、上記指令値DSLUとブレーキB3内の係
合圧PB3とは一義的に対応している。上記B3コントロ
ール弁92は、リニヤソレノイド弁SLU の出力圧PSLU
すなわちそのリニヤソレノイド弁SLU への指令値(駆動
デューティ比:駆動信号)DSLUに従って制御される
のである。なお、数式1において、S1 およびS2 はプ
ランジャ108およびスプール弁子104の断面積であ
る。
【0030】
【数1】PB3=PSLU ・S1 /S2
【0031】B2オリフィスコントロール弁96は、ブ
レーキB2およびB2アキュムレータ100と油路L0
3との間を開閉すると同時に排出油路L06とドレンポ
ート113との間を開閉するスプール弁子114と、ス
プール弁子114をファーストドレン位置へ向かって付
勢するスプリング116と、スプール弁子114の軸端
に設けられて第3電磁弁S3の出力圧PS3を3−4シフ
ト弁118を通して受け入れる油室120とを備えてい
る。これにより、3→2変速時などには第3電磁弁S3
がオン状態とされてその出力圧PS3が油室120に供給
されなくなるので、スプール弁子114によりブレーキ
B2およびB2アキュムレータ100と油路L03との
間を開かれて、それらブレーキB2およびB2アキュム
レータ100からの作動油の排出を速やかに行うファー
ストドレン作動が行われる。また、1→2変速において
は、上記第3電磁弁S3がオフ状態とされてその出力圧
S3が油室120に供給されることにより、B3コント
ロール弁92の調圧作動によりそれから排出される作動
油を排出させる排出油路L06とドレンポート113と
の間が開かれてそのB3コントロール弁92の調圧作動
が許容されるが、1→2変速が完了すると第3電磁弁S
3がオン状態とされて排出油路L06とドレンポート1
13との間が閉じられることによりB3コントロール弁
92の調圧作動が停止させられる。
【0032】2−3タイミング弁98は、第2速ギヤ段
から第3速ギヤ段への変速に関与し、ブレーキB3から
の解放圧をリニヤソレノイド弁SLU から出力圧PSLU
従って調圧する調圧弁として機能する。すなわち、2−
3タイミング弁98は、2→3変速が出力されたときに
2−3シフト弁90から出力された前進レンジ圧PD
3−4シフト弁118およびソレノイドリレー弁122
を通して供給される供給ポート124と、ドレンポート
126と、油路L04をその供給ポート124またはド
レンポート126に連通させることによりブレーキB3
のドレン期間の圧力PB3を調圧するスプール弁子128
と、スプリング130を介してスプール弁子128と同
心に設けられ且つそのスプール弁子128と同径の第1
プランジャ132と、スプール弁子128と同心に且つ
その一端に当接可能に設けられ且つそのスプール弁子1
28よりも大径の第2プランジャ134と、スプリング
130を収容し、前記2−3シフト弁90が第2速側へ
切り替えられたときにそれから出力される前進レンジ圧
D を油路L08を介して受け入れる油室136と、第
1プランジャ132の軸端に設けられ、リニヤソレノイ
ド弁SLU からの出力圧PSLU を受け入れる油室138
と、第2プランジャ134の軸端に設けられ、ブレーキ
B2内の油圧PB2を受け入れる油室140と、フィード
バック圧を受け入れるフィードバック油室142とを備
えている。
【0033】したがって、スプール弁子128および第
1プランジャ132の断面積をS3、スプール弁子12
8の第2プランジャ134側のランドの断面積をS4
第2プランジャ134の断面積をS5 とすると、2→3
変速出力が出された状態における解放過程のブレーキB
3の圧力PB3は、2−3タイミング弁98による調圧作
動により、数式2から、ブレーキB2の係合圧PB2の増
加に応じて減少し、リニヤソレノイド弁SLU の出力圧P
SLU に応じて増加するように調圧される。
【0034】
【数2】PB3=PSLU ・S3 /(S3 −S4 )−PB2
5 /(S3 −S4
【0035】また、上記2−3タイミング弁98は、第
2速側へ切り換えられた2−3シフト弁90から出力さ
れる前進レンジ圧PD が油室136へ供給されると、上
記スプール弁子128がロックされるようになってい
る。これも、2−3タイミング弁98の油室138とB
3コントロール弁92の油室112とが接続されている
ことから、第1速および第2速の状態では2−3タイミ
ング弁98の油室138の容積変化を阻止して、B3コ
ントロール弁92の調圧作動に影響を与えないようにす
るためである。
【0036】C0エキゾースト弁150は、第3電磁弁
S3の出力圧PS3および油路L01内の油圧に従って閉
位置に位置させられるが、第4電磁弁S4の出力圧PS4
に従って開位置に位置させられるスプール弁子152を
備え、図示しない4−5シフト弁が第4速以下の切り換
え状態であるときにそれを経由して供給されるライン圧
L を、第2速および第5速時以外のときにクラッチC
0およびC0アキュムレータ154に供給する。
【0037】図7は前記リニヤソレノイド弁SLU の構成
を説明するための図である。図において、リニヤソレノ
イド弁SLU は、図8に示すように、変速用電子制御装置
78から供給される駆動信号すなわち指令値(駆動デュ
ーティ比)DSLUが大きくなるに従って出力圧すなわ
ち制御圧PSLU を発生させる。リニヤソレノイド弁SLU
は、図示しない調圧弁から供給される一定の元圧が供給
される供給ポート142および制御圧PSLU を出力させ
る出力ポート143と、それら供給ポート142および
出力ポート143の間を開閉するスプール弁子144
と、そのスプール弁子144を閉弁方向に付勢するスプ
リング145と、駆動信号DSLUに従ってスプール弁
子144を開弁方向に付勢するソレノイド146と、ス
プール弁子144を閉弁方向の推力を発生させるために
制御圧PSLU を導き入れるフィードバック油室147と
を備えており、駆動信号DSLUが大きくなるほど、ス
プール弁子144がスプリング145側へ押し下げられ
て制御圧PSLU が高められるようになっている。
【0038】以上のように構成された変速制御装置にお
いて、1→2変速判断が行われて第2速ギヤ段を達成す
るための変速出力が出された場合には、1−2シフト弁
88がその第1速側から第2速側へ切り換えられる。こ
れにより、前進レンジ圧PDが1−2シフト弁88、2
−3シフト弁90、油路L01、B3コントロール弁9
2を経てブレーキB3へ供給される。このような1→2
変速の変速期間では、B3コントロール弁92を用いて
ブレーキB3内の係合圧PB3を直接的に制御することに
より、その係合圧PB3を所定の手順にしたがって立ち上
げる。
【0039】図9は、変速用電子制御装置78による制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図に
おいて、自動変速機14には、第2速ギヤ段を達成する
ため係合させられ或いは第1速ギヤ段を達成するために
解放させられる油圧式摩擦係合装置(ブレーキB3)
と、そのブレーキB3内の油圧PB3を直接的に調圧する
係合圧調圧弁(B3コントロール弁92)とが設けられ
ている。
【0040】変速制御手段158は、各ギヤ段間の変速
の種類に対応する複数本のアップシフト用変速線および
ダウンシフト用変速線から成る予め記憶された基本変速
線図から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基
づいて自動変速機14の変速判断を行い、その変速判断
されたシフト先のギヤ段を達成させるように電磁弁S
1、S2、S3を駆動するための駆動信号の出力すなわ
ち変速出力を実行する。上記基本変速線図は、自動変速
機の制御装置においてよく知られたものである。
【0041】変速油圧制御手段160は、変速制御手段
158によりブレーキB3に関連する変速出力が行われ
た場合には、前記B3コントロール弁92を制御するた
めの指令値DSLUをリニヤソレノイド弁SLU へ出力
し、ブレーキB3の係合圧PB3の変速期間における過渡
的な係合圧を所定の手順で制御する。たとえば1→2変
速が出力された場合には、変速油圧制御手段160によ
り、図10に示すように、ブレーキB3内に速やかに作
動油を満たすための急速供給(ファーストフィル)制
御、ブレーキB3内の係合圧PB3を僅かな係合トルクが
発生する程度に維持する変速中待機制御、ブレーキB3
の係合トルクをエンジン負荷に拘わらず滑らかに増加さ
せるためにクラッチ回転速度NC0の低下が検出されるま
でブレーキB3内の係合圧PB3をそのときのエンジン負
荷すなわちスロットル弁開度θTHに応じた大きさおよび
変化率で上昇させるスイープ制御、ブレーキB3の完全
係合が検出されるまでクラッチ回転速度NC0の低下速度
が所定の目標値となるようにブレーキB3内の係合圧P
B3を制御するフィードバック制御が順次実行される。
【0042】係合圧調圧弁変速前待機手段162は、変
速制御手段158による第1のギヤ段から第2のギヤ段
への変速出力たとえば第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ
の1→2変速を実現するための変速出力に先立って、リ
ニヤソレノイド弁SLU から変速前待機用制御圧PSLUTA
を出力させることにより、B3コントロール弁92のス
プール弁子104を所定の作動位置へ予め待機させる。
その変速前待機用制御圧PSLUTA は、変速油圧制御手段
160による係合圧PB3の立ち上げ開始時(図10の急
速供給区間t1 〜t2 )においてリニヤソレノイド弁SL
U に供給される駆動信号DSLUと略同じ大きさの駆動
信号DSLUTAを、上記変速出力に先立ってリニヤソレ
ノイド弁SLU に付与することにより、上記係合圧PB3
立ち上げ開始時の位置と同じ位置にB3コントロール弁
92のスプール弁子104を予め待機させる。
【0043】また、上記係合圧調圧弁変速前待機手段1
62は、作動油の温度TOIL が予め設定された判断基準
値T0 以上となったか否かを判定する油温判定手段16
4を備え、その油温判定手段164により実際の温度T
OIL が判断基準値T0 以上となったことが判定されたと
きには、B3コントロール弁92のスプール弁子104
を待機位置に位置させるための変速前待機用制御圧P
SLUTA を零に変更する。この判断基準値T0 は、作動油
の粘性に関連してB3コントロール弁92の応答遅れが
大きいため上記変速前待機用制御圧PSLUTA を発生させ
る温度範囲の上限値であり、たとえば40°C程度の温
度に設定される。
【0044】また、好適には、前記係合圧調圧弁変速前
待機手段162は、車速Vが予め設定された判断基準値
0 を下まわったか否かを判定する車速判定手段166
を備え、その車速判定手段166により実際の車速Vが
判断基準値V0 を下まわったことが判定された場合に
は、B3コントロール弁92のスプール弁子104を待
機位置に位置させるための待機用制御圧PSLUTA を零に
変更する。この判断基準値V0 は、たとえばシフトレバ
ー72のN→D操作ショックを解消するためのオリフィ
ス切換制御が実行される車速よりも十分に高い値に設定
されるものであり、たとえば5〜9km/h程度の値が採用
される。
【0045】図11は、変速用電子制御装置78による
制御作動の要部を説明するフローチャートであり、1→
2変速制御ルーチンを示している。なお、前記変速制御
手段158に対応するフローチャートはよく知られたも
のであるので省略されている。
【0046】図11において、SA1では、前記変速制
御手段158により1→2変速出力が行われたか否かが
判断される。このSA1の判断が否定された場合は、1
→2変速出力に先立ってB3コントロール弁92のスプ
ール弁子104を待機位置に位置させるための制御SA
2乃至SA6が実行されるが、肯定された場合は、係合
圧PB3を所定の手順で立ち上げることによりブレーキB
3を滑らかに係合させて1→2変速を実行する制御SA
7乃至SA13が実行される。
【0047】上記SA1の判断が否定された場合は、S
A2において、1→2変速の前提となる第1速ギヤ段で
あるか否かが判断される。3速以上では、リニヤソレノ
イド弁SLU から出力される制御圧PSLU がロックアップ
クラッチ24のスリップ或いは係合制御に用いられるか
らである。このSA2の判断が否定された場合はSA6
において制御圧PSLU が零とされた後、本ルーチンが終
了させられるが、肯定された場合は、前記車速判定手段
166に対応するSA3において、実際の車速Vが予め
設定された判断基準値V0 よりも低いか否かが判断され
る。このSA3の判断が肯定された場合はSA6におい
て制御圧PSLU が零とされた後、本ルーチンが終了させ
られるが、否定された場合は、前記油温判定手段164
に対応するSA4において、実際の作動油温度TOIL
予め設定された判断基準値T0 よりも低いか否かが判断
される。
【0048】上記SA4の判断が否定された場合はSA
6において制御圧PSLU が零とされた後、本ルーチンが
終了させられるが、肯定された場合は、前記係合圧調圧
弁変速前待機手段162に対応するSA5において、予
め設定された駆動信号DSLUTAがリニヤソレノイド弁
SLU へ出力されることにより、変速前待機用制御圧P
SLUTA がB3コントロール弁92へ供給される。図10
の区間t0 〜t1 はこの状態を示している。このときの
駆動信号DSLUTAは、変速出力後の最初の急速供給区
間における制御圧PSLU を発生させる駆動信号DSLU
A と同じ値に設定されることにより、上記変速前待機用
制御圧PSLUTA がその急速供給区間と同じ値とされてい
る。
【0049】前記SA1の判断が肯定された場合は、S
A7の急速供給制御が実行されることにより、駆動信号
DSLUが予め設定されたステップ値DSLUA に予め
設定された区間t1 〜t2 だけ維持される。このステッ
プ値DSLUA および区間t 1 〜t2 は、ブレーキB3
内へ速やかに作動油を供給して充填することによりその
応答性を高めるために予め実験的に求められたものであ
る。これにより、B3コントロール弁92を通して作動
油がブレーキB3内へ速やかに供給される。図11のt
2 時点はこの状態を示す。このとき、1→2変速出力に
先立って、変速前待機用制御圧PSLUTA がリニヤソレノ
イド弁SLU から出力されることから、B3コントロール
弁92のスプール弁子104が上記急速供給制御区間t
1 〜t2と同じ所定の作動位置へ既に位置させられてい
てB3コントロール弁92の応答時間が大幅に減少する
ので、図12に示すように、1→2変速出力から係合圧
B3の立ち上がりまでの応答性が破線に示す従来の場合
に比較して好適に改善される。
【0050】続くSA8では、変速中待機圧制御が実行
されることにより、駆動信号DSLUが予め設定された
変速中待機指令値DSLUB に予め設定された区間t2
〜t 3 だけ維持される。この変速中待機指令値DSLU
B および区間t2 〜t3 は、ブレーキB3に僅かな係合
トルクが発生するように予め実験的に求められたもので
ある。これにより、ブレーキB3内の係合圧PB3が上記
変速中待機指令値DSLUB に対応する圧に区間t2
3 だけ維持される。図10のt3 時点はこの状態を示
す。なお、上記区間t1 〜t2 およびt2 〜t3 は図示
しないソフト上のタイマーにより時間制御される。
【0051】上記のようにして変速中待機圧制御が終了
すると、SA9において、スイープ制御が実行される。
このスイープ制御はブレーキB3の係合トルクをエンジ
ン負荷に応じて次第に増加させるためのものである。す
なわち、上記スイープ制御により、エンジン負荷が小さ
い場合には変速ショックが比較的目立つために緩やかに
係合トルクを増加させる一方、エンジン負荷が大きい場
合には変速ショックが比較的目立たないことから比較的
速やかに係合トルクを増加させるのである。
【0052】次いで、SA10において、クラッチ回転
速度NC0の低下が開始したか否かが、たとえばクラッチ
回転速度NC0の折点或いは上ピークを判定するよく知ら
れたアルゴリズムを利用して判断される。このSA10
の判断が否定された場合には前記SA9のスイープ制御
が繰り返し実行されるが、肯定された場合は、ブレーキ
B3の係合トルクの増加によって入力軸20などの回転
部材の回転速度変化が開始された状態であるので、SA
11のフィードバック制御が実行される。図10のt4
はこのフィードバック制御の開始点を示している。この
SA11のフィードバック制御では、予め設定されたク
ラッチ回転速度NC0の目標低下速度と実際の低下速度と
が比較され、それらの差すなわち制御偏差が解消される
ようにリニヤソレノイド弁SLU に対する指令値DSLU
が制御偏差の大きさや制御偏差の変化速度に対応して逐
次調節される。
【0053】次いで、SA12では、ブレーキB3が完
全係合状態となったか否かが、たとえば自動変速機14
の入力軸回転速度NINすなわちNC0と出力軸回転速度N
OUTとの比である実際の変速比γ(=NIN/NOUT )が
第2速ギヤ段の変速比γ2 と一致したか否かに基づいて
判断される。このSA12の判断が否定された場合には
前記SA11以下が繰り返し実行されるが、肯定された
場合は、SA13において指令値DSLUが最大値DS
LUmax とされ、ブレーキB3の係合圧PB3がその最大
値である前進レンジ圧PD (=ライン圧PL )とされ
る。図10のt5はこの時点を示している。上記のよう
に、SA7乃至SA13は、1→2変速に際してブレー
キB3の係合圧PB3を所定の手順で制御することから、
前記変速油圧制御手段160に対応している。
【0054】上述のように、本実施例によれば、第1速
ギヤ段から第2速ギヤ段への1→2変速に先立って、係
合圧調圧弁変速前待機手段162(SA5)により、B
3コントロール弁92のスプール弁子104が所定の作
動位置へ予めに待機させられるので、1→2変速出力に
応答してB3コントロール弁92に変速用の制御圧P
SLU が供給されることによりそのB3コントロール弁9
2の調圧作動が開始されるとき、B3コントロール弁9
2のスプール弁子104が既に所定の作動位置へ待機さ
せられていることから、図12に示すように直ちにB3
コントロール弁92から係合圧PB3が出力されるので、
ブレーキB3の係合作動の高い応答性が得られるのであ
る。
【0055】また、本実施例では、B3コントロール弁
92に制御圧PSLU を出力するリニヤソレノイド弁SLU
が設けられ、そのB3コントロール弁92は、そのリニ
ヤソレノイド弁SLU からの制御圧PSLU に基づく推力に
よって係合圧増大方向へ移動させられるスプール弁子1
04を備え、係合圧調圧弁変速前待機手段162(SA
5)は、そのスプール弁子104を所定の作動位置に待
機させる大きさの変速前待機用制御圧PSLUTA をリニヤ
ソレノイド弁SLU から発生させるために、そのリニヤソ
レノイド弁SLU へ駆動信号DSLUTAを供給するもので
あることから、リニヤソレノイド弁SLU から変速前待機
用制御圧PSLUTA が1→2変速出力に先立って出力され
て、図12に示すようにその1→2変速出力が行われる
ときには既にリニヤソレノイド弁SLU のスプール弁子1
44が所定の作動位置へ位置させられてリニヤソレノイ
ド弁SLU の応答時間が大幅に減少するので、1→2変速
出力から係合圧PB3の立ち上がりまでの応答性が一層改
善される。
【0056】また、本実施例では、係合圧調圧弁変速前
待機手段162(SA4、SA5)は、作動油の温度T
OIL が予め設定された判断基準値T0 以上となったか否
かを判定する油温判定手段164(SA4)を備え、そ
の油温判定手段164により実際の温度TOIL が判断基
準値T0 以上となったことが判定されたときには、変速
前待機用制御圧PSLUTA 或いはその変速前待機用制御圧
を発生させるためにリニヤソレノイド弁SLU に供給され
る駆動信号DSLUTAを零に変更するので、B3コント
ロール弁92の応答遅れが本来的に問題とならない作動
油温度TOIL が比較的高い領域では、変速前待機用制御
圧PSLUTA を出力する制御が行われない利点がある。
【0057】また、本実施例では、係合圧調圧弁変速前
待機手段162(SA3、SA5)は、車速Vが予め設
定された判断基準値V0 を下まわったか否かを判定する
車速判定手段166(SA3)を備え、その車速判定手
段166により実際の車速Vが判断基準値V0 を下まわ
ったことが判定された場合には、変速前待機用制御圧P
SLUTA 或いはその変速前待機用制御圧PSLUTA を発生さ
せるためにリニヤソレノイド弁SLU に供給される駆動信
号DSLUTAを零に変更するので、リニヤソレノイド弁
SLU から出力される制御圧PSLU を、低車速時の他の制
御、たとえばシフトレバーのN→D操作ショックを解消
するためのオリフィス制御に対して利用することが可能
となる。
【0058】また、本実施例では、変速制御手段158
によって1→2変速出力が行われた場合には、その1→
2変速を実現するために係合圧PB3が立ち上げられるよ
うにリニヤソレノイド弁SLU を制御する変速油圧制御手
段160(SA7乃至SA13)が備えられ、係合圧調
圧弁変速前待機手段162は、その係合圧PB3の立ち上
げ開始時においてリニヤソレノイド弁SLU に供給される
駆動信号DSLUA と略同じ大きさの駆動信号DSLU
TAを、上記1→2変速出力に先立ってリニヤソレノイド
弁SLU に付与することにより、上記係合圧PB3の立ち上
げ開始時の制御圧と略同じ大きさの変速前待機用制御圧
SLUTA を発生させることから、1→2変速出力が行わ
れたときにおいて、リニヤソレノイド弁SLU のスプール
弁子144およびB3コントロール弁92のスプール弁
子104が既に係合圧PB3の立ち上げ開始時t1 と同じ
位置に位置させられているので、係合圧PB3の立ち上が
りおよびその係合圧PB3が供給されるブレーキB3の応
答遅れが好適に解消される。
【0059】図13および図14は、本発明の他の実施
例において変速用電子制御装置78の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図の一部、および変速用電子制
御装置78の制御作動の要部を説明するフローチャート
の一部を示している。なお、以下の説明において前述の
実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省
略する。
【0060】図13において、係合圧調圧弁変速前待機
手段162は、たとえば図15に示す関係から実際の作
動油温度TOIL に基づいて変速前待機用制御圧PSLUTA
を決定する変速前待機用制御圧決定手段168を備え、
その変速前待機用制御圧決定手段168により決定され
た変速前待機用制御圧PSLUTA を1→2変速出力に先立
ってB3コントロール弁92へ供給する。上記図15の
関係は、判断基準温度T0 以下において作動油温度T
OIL が低くなるほど変速前待機用制御圧PSLUTAが増加
するように設定されている。
【0061】本実施例のフローチャートは、図14に示
すように、図11のフローチャートにおけるSA4に替
えてSA4−1が設けられている。その図14におい
て、上記変速前待機用制御圧決定手段168に対応する
SA4−1では、上記図15に示す関係から実際の作動
油温度TOIL に基づいて変速前待機用制御圧PSLUTA
決定される。そして、続くSA5においてその変速前待
機用制御圧PSLUTA を発生させるための駆動信号DSL
TAが出力される。
【0062】本実施例によれば、係合圧調圧弁変速前待
機手段162(SA5)は、予め記憶された図15の関
係から実際の作動油の温度TOIL に応じて変速前待機用
制御圧PSLUTA を決定する変速前待機用制御圧決定手段
168(SA4−1)を備え、作動油の温度TOIL が低
くなるほど変速前待機用制御圧PSLUTA が増加する関係
から実際の作動油の温度TOIL に基づいて決定された変
速前待機用制御圧PSL UTA をB3コントロール弁92へ
供給することから、低温によりB3コントロール弁92
の応答遅れ時間が大きくなるほど変速前待機用制御圧P
SLUTA が高くされるので、作動油の温度TOIL に拘わら
ずB3コントロール弁92の応答遅れが好適に解消され
る。
【0063】上記実施例と同様に、図11のSA3に替
えて、図16に示す関係から実際の車速Vに基づいて変
速前待機用制御圧PSLUTA を決定するステップ(変速前
待機用制御圧決定手段)が設けられてもよい。この図1
6に示す関係は、判断基準値V0 以上の範囲において、
車速Vが高くなるほど変速前待機用制御圧PSLUTA が増
加する関係である。これにより、車速Vが高くなるほど
変速前待機用制御圧P SLUTA が高くされるので、加速指
向走行程速やかに1→2変速が行われる。
【0064】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0065】たとえば、前述の図11の実施例では、1
→2変速前の待機用制御圧PSLUTA或いは駆動信号DS
LUTAと1→2変速直後の区間t1 〜t2 の制御圧P
SLUA或いは駆動信号DSLUA とは、相互に同じ値とさ
れていたが、それらは必ずしも同じ値でなくても差し支
えない。1→2変速前にリニヤソレノイド弁SLU からB
3コントロール弁92へ供給される待機用制御圧P
SLUTA 或いは電子制御装置78からリニヤソレノイド弁
SLU へ出力される駆動信号DSLUTAは、上記制御圧P
SLUA或いは駆動信号DSLUA よりも大きい値や小さい
値であっても、B3コントロール弁92の応答性改善効
果が得られる。
【0066】また、前述の実施例においては、ブレーキ
B3を係合させる1→2変速について説明されていた
が、他の変速であってもよい。要するに、係合圧調圧弁
によって係合圧が制御される摩擦係合装置の係合作動に
よって実行される変速であればよいのである。
【0067】また、前述の実施例では、制御圧PSLU
増加に従ってスプール弁子104が係合圧PB3の増加方
向に移動させられる形式のB3コントロール弁92が用
いられていたが、制御圧PSLU の増加に従ってスプール
弁子104が係合圧PB3の減少方向に移動させられる形
式のものであってもよい。また、前述の実施例のリニヤ
ソレノイド弁SLU は、駆動信号DSLUの増加に伴って
増加する制御圧PSLUを出力するように構成されていた
が、駆動信号DSLUの増加に伴って減少する制御圧P
SLU を出力するように構成されていてもよい。
【0068】また、前述の図11、図14のフローチャ
ートは、同様の制御機能を達成する範囲でステップが追
加されたり、或いはステップ内容の変更が行われても差
支えない。
【0069】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて、種々の変更、改良を加えた態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の変速制御装置によって制御
される車両用自動変速機の構成を説明する骨子図であ
る。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電気制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図6】図3の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図7】図6のリニヤソレノイド弁SLU の構成を詳しく
説明する図である。
【図8】図6のリニヤソレノイド弁SLU の出力特性を説
明する図である。
【図9】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置の制御作動を説明
するタイムチャートである。
【図11】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートである。
【図12】図3の変速用電子制御装置の制御作動によっ
て得られる係合圧の応答性を、破線に示す従来と比較し
て説明する図である。
【図13】本発明の他の実施例における変速用電子制御
装置の制御機能を説明する機能ブロック線図の一部を示
す図である。
【図14】図13の実施例における変速用電子制御装置
の制御作動を説明するフローチャートの一部を示す図で
ある。
【図15】図13の実施例において用いられる関係を説
明する図である。
【図16】本発明の他の実施例において用いられる関係
を説明する図である。
【符号の説明】
14:自動変速機 92:B3コントロール弁(係合圧調圧弁) 160:変速油圧制御手段 162:係合圧調圧弁変速前待機手段 164:油温判定手段 166:車速判定手段 168:変速前待機用制御圧決定手段 SLU:リニヤソレノイド弁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のギヤ段から第2のギヤ段への変速
    に際して係合させられる油圧式摩擦係合装置の係合圧を
    直接的に制御する係合圧調圧弁を有する車両用自動変速
    機において、該第1のギヤ段から第2のギヤ段への変速
    を実行させるために、該係合圧調圧弁に該油圧式摩擦係
    合装置の係合圧の昇圧を制御させる変速油圧制御手段を
    備えた変速制御装置であって、 前記第1のギヤ段から第2のギヤ段への変速に先立っ
    て、前記係合圧調圧弁を所定の作動位置へ予めに待機さ
    せる係合圧調圧弁変速前待機手段を、含むことを特徴と
    する車両用自動変速機の変速制御装置。
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JP2011027266A (ja) * 2010-11-08 2011-02-10 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP2011033196A (ja) * 2010-11-08 2011-02-17 Toyota Motor Corp 車両用自動変速機の油圧制御装置

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