JPH09281079A - 水素脆化その場計測方法およびその装置 - Google Patents

水素脆化その場計測方法およびその装置

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JPH09281079A
JPH09281079A JP9380696A JP9380696A JPH09281079A JP H09281079 A JPH09281079 A JP H09281079A JP 9380696 A JP9380696 A JP 9380696A JP 9380696 A JP9380696 A JP 9380696A JP H09281079 A JPH09281079 A JP H09281079A
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hydrogen
ball bearing
hole
hydrogen embrittlement
embrittlement
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JP9380696A
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Toshihiko Yoshimura
敏彦 吉村
Shoji Sakata
莊司 坂田
Toshio Hattori
敏雄 服部
Yuichi Ishikawa
雄一 石川
Hiromitsu Ono
啓充 大野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造部品や材料に水素脆化を引き起こす水素を
直接その場で計測し、水素脆化度を評価することができ
る検出装置、及びその測定方法を提供する。 【解決手段】水素脆化を起こす材料表面の近く、または
粒界の近くに微小な内径を有するホール110を空け、
ホール110に侵入する水素108を真空チャンバ11
3へ導入して、四重極質量分析計116で計測し、質量
スペクトル301のうちm/n=2イオンのピーク、ま
たはm/n=18イオンのピークで校正したm/n=1
イオンのピークの合計を発生した水素量として、材料の
水素脆化度の評価や最適材料の選定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水素脆化をその場で
直接測定するのに好適な劣化,脆化検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、材料の水素脆化挙動を直接計測し
て水素脆化度を評価するとともに、耐水素脆化度の高い
材料を開発するという例は全くなかった。本発明に最も
近い公知例は、合金の水素脆化によるき裂進展挙動を調
べ、き裂先端表面からの水素透過は含有するNi量とと
もに減少することを示している。また、ボールベアリン
グの水素脆化による早期はくりでは、外輪がはくりした
鋼中の水素量を調べ、水素脆化挙動を論じた例もある。
前者の例は、『M.Nakamura 他, Material Science and
Technology, “Crack propagation of secondary harde
ned alloysteels in gaseous hydrogen atomoshere”,V
ol5−6(1989)p584−589』に記載されて
いる。後者の例は、『武村 他,日本トライボロジー学
会予稿集,“曲げ応力下における転がり寿命”, (19
92−10)』に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、水素脆
化を起こす材料で、脆化前後の鋼中の水素を化学分析等
で計測することはできたが、水素脆化の原因となる水素
を直接その場で分析することができないという問題があ
った。また、水素脆化材料の開発における最適化が不十
分であったり、水素脆化材料の劣化診断や余寿命評価の
精度と信頼性が低いという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記従来の方法の問題点
を解決するために、以下の技術的手段を採用した。
【0005】水素脆化を起こす構造部品の表面、あるい
は粒界の近くに微小な内径を有するホールを空け、前記
ホールを真空排気された真空チャンバと接続した。さら
に真空チャンバに水素分子H2 や水素原子H,水分子H
2O の分圧質量スペクトルを測定することができる四重
極質量分析計を具備した。また、発生水素量として水素
分子H2 ピークとともに水分子H2O ピークで校正した
水素原子Hを用いた。前記構造部品の表面の近くで発生
した水素分子H2 は表面上で解離し、水素原子Hとなっ
て透過する。そして材料内部を拡散し、前記ホール先端
表面から放出される。放出された水素原子Hは即座に再
結合し、水素分子H2 となって真空チャンバ内に侵入
し、四重極質量分析計の分析チャンバで計測される。ま
た、一部再結合されない水素原子Hも分析チャンバで検
出される。真空チャンバ内に残留する水分子H2Oは分
析チャンバ内で解離し水素原子Hを発生するが、水分子
2Oピークで水素原子Hピークを校正するので、水素
分子H2 とともに発生した水素脆化の起因となる水素を
定量的に評価することができる。また、発生する水素は
連続的に四重極質量分析計で測定されるので、水素脆化
をその場で直接評価できるようになる。水素脆化の材料
を脆化後間接的に調べて脆化度を予測するのではなく、
脆化進行中に直接評価するため、材料開発の最適化と材
料の余寿命評価の精度と信頼性が向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
用いて説明する。
【0007】図1は本発明の水素脆化その場計測装置を
示す説明図である。ボールベアリング101は、モータ
駆動の中間プーリ102とベルト103により高速に回
転する。ボールベアリング101は、外輪104と内輪
105、さらに外輪104と内輪105間の7個のボー
ル106により構成されており、その間にグリース10
7が充填されている。ボールベアリング101が高速に
回転すると温度が上昇し、グリース107が分解し水素
108が発生する。発生した水素108は、外輪104
とボール106の接触面のうち、外輪104の表面より
侵入し、水素脆化に起因したはくりを起こしてしまう。
本発明では、外輪104の外側から微小な内径を有する
ホール110を空け、ホール110の出口とパイプ11
1を銀ろう付けする。パイプ111の先端には超高真空
フランジ112を取り付け、真空チャンバ113と合体
させる。真空チャンバ113はベローズ114を介して
ターボ分子ポンプ115で排気する。ここで、ボール1
06が転走する外輪104の表面とホール110の先端ま
での距離は、水素脆化によりはくりが起こると考えられ
る最大深さとする。外輪104を通過してきた水素10
8の分圧を計測するために、四重極質量分析計116の
分析チャンバ117を真空チャンバ113に具備する。
また、真空チャンバ113の全圧は、B−Aゲージ11
8で測定する。水素の検出装置として、ガスクロマトグ
ラフィー等のクロマトグラフィーを用いることも可能で
ある。
【0008】図2に示すように、ボールベアリングが高
速回転中にグリース107が分解して水素108が発生
するが、これは水素分子H2 201である。水素分子H
2201は解離し、水素原子H202として外輪104の転
走面203から吸収され、ホール110の先端表面から
放出される。放出された水素原子H202は即座にリコ
ンビネーション、即ち、再結合し水素分子H2 201と
なって四重極質量分析計116の分析チャンバ117で
測定される。また、放出された水素原子H202の一部は
そのまま分析チャンバ117で計測される。しかし、真
空チャンバ113や分析チャンバ117には残留ガスとし
て水分子H2O 204が存在し、分析チャンバ117内
で解離し、水素原子H202として計測される場合があ
る。図3は四重極質量分析計116で測定される質量ス
ペクトル301である。転走面203から吸収されホー
ル110先端から放出される水素118は、主にm/n
=2のイオン302として検出されるが、一部はm/n
=1のイオン303としても測定される。したがって透
過した水素108を定量的に評価する一つとして、ボー
ルベアリング101が回転する前後のm/n=2のイオ
ン302の差圧を水素量とする方法がある。また、m/
n=1のイオン303をm/n=18のイオン304で
ある水のピークで標準化し、m/n=2のイオン302
と合わせた値を用い、ボールベアリング101の回転前
後のイオン電流値を水素量とする方法も有効である。
【0009】ボールベアリング101を通常回転より高
速で荷重をかけて回し、加速試験を行うと、転走面とホ
ール先端との距離が周囲の外輪幅に比べて短いために、
図4に示すように転走面からホール先端へかけてき裂4
01が発生する。き裂は、大気側からホールへの微小な
大気リークを引き起こすが、それと共にグリースが分解
した水素分子H2 201を転走面で解離させて透過させ
ずに直接真空側402へ取り込み、四重極質量分析計で
計測できる。したがって、グリースの分解によって発生
した水素を直接計測できるという効果がある。
【0010】図5は同一のボールベアリング101材料
を使用し、各種グリース107に対して図2に示した透
過試験を行った結果である。これに対して、図6は同一
のグリース107を用い、各種外輪104材料に対して
行った結果である。グリース107Cが水素分子(H2 )
イオン電流量と校正水素(H2+H/H2O)イオン電流量
ともに最も水素発生量が少ないことが分かる。一方、外
輪104材料では、外輪104材料bが水素発生を抑制
する。以上のように本発明は、耐水素脆化に好適なグリ
ースやボールベアリング材料の選定や開発に有効である
という効果がある。
【0011】図7はボールベアリングのはくり寿命と水
素分子(H2 )イオン電流量との関係を示す。測定点70
1には多少のバラツキはあるものの、水素分子(H2 )イ
オン電流量の上昇とともにはくり寿命は減少することが
分かる。したがって、開発するボールベアリング材料に
必要な設計寿命702が決定されれば、許容水素発生量
703が定まり、製造コストの低減や信頼性の向上等を
考慮した最適なグリース及びボールベアリング材料の開
発が可能になるという効果がある。
【0012】また、本発明の水素脆化その場計測装置
を、長寿命化が必要とされる原子力プラント等の大型プ
ラントに適用すれば、水素脆化の劣化診断装置や余寿命
評価装置として用いることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、水素脆化を起こす水素
の発生量をその場で計測することができるので、構造材
料の材料開発の最適化と高精度化を図ることができる。
さらに、構造材料の劣化診断や余寿命評価等の予防保全
技術の精度と信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水素脆化その場計測装置を示す説明
図。
【図2】ボールベアリング回転中における水素の挙動を
示す説明図。
【図3】四重極質量分析計で計測される質量スペクトル
特性図。
【図4】ボールベアリング内でグリースの分解により発
生する水素を直接計測する方法を示す説明図。
【図5】各種グリース材料の水素脆化その場計測試験結
果の説明図。
【図6】各種外輪材料の水素脆化その場計測試験結果の
説明図。
【図7】ボールベアリングのはくり寿命と水素分子(H2
)イオン電流量との関係を示す特性図。
【符号の説明】
101…ボールベアリング材料、102…中間軸プー
リ、103…ベルト、104…外輪、105…内輪、1
06…ボール、107…グリース、108…水素、10
9…はくり、110…ホール、111…パイプ、112
…超高真空フランジ、113…真空チャンバ、114…
ベローズ、115…ターボ分子ポンプ、116…四重極
質量分析計、117…分析チャンバ、118…B−Aゲ
ージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 雄一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 大野 啓充 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素脆化を起こす材料表面の近く、または
    粒界の近くに微小な内径を有するホールを設け、前記ホ
    ールに侵入する前記水素脆化の原因となる水素を、前記
    水素脆化の進行に伴い逐一、または連続的に測定し、予
    め求めておいた水素脆化度と含有水素量との関係と、発
    生する水素量から前記水素脆化度を診断することを特徴
    とする水素脆化その場計測方法。
  2. 【請求項2】水素脆化を起こす材料と、前記材料の表
    面、または粒界の近くに設けた微小な内径を有するホー
    ルと、前記ホールに侵入する水素脆化の原因となる水素
    を逐一、または連続的に測定する装置と、前記水素量か
    ら前記水素脆化度を診断するシステムからなることを特
    徴とする水素脆化その場計測装置。
  3. 【請求項3】グリースを封入したボールベアリングにお
    いて、前記ボールベアリングの外輪とボールが接触する
    前記外輪表面の近くまで、前記ボールベアリングの外側
    から微小な内径を有するホールを設け、前記ボールベア
    リングが回転中に前記グリースが分解して発生し、前記
    外輪表面から透過し前記ホールへ侵入した水素を測定
    し、予め求めておいた前記グリース及びボールベアリン
    グと水素発生量の関係から前記グリースとボールベアリ
    ング材料の品質と性能を評価することを特徴とする水素
    脆化その場計測方法。
  4. 【請求項4】グリースを封入したボールベアリングと、
    前記ボールベアリングの外輪とボールが接触する前記外
    輪表面の近くまで前記ボールベアリングの外側から空け
    た微小な内径を有するホールと、前記ホールへ侵入した
    水素を測定する装置と、前記グリースとボールベアリン
    グ材料の品質と性能を評価するシステムとからなること
    を特徴とする水素脆化その場計測方法およびその装置。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4において、前記
    ホールへ侵入した水素を測定する装置が四重極質量分析
    計である水素脆化その場計測方法およびその装置。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    前記ホールへ侵入した水素を測定する装置がクロマトグ
    ラフィーである水素脆化その場計測方法。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6におい
    て、前記外輪表面と前記ホールの先端表面との距離を小
    さくして前記ボールベアリングの回転時にクラックを発
    生させ、前記ボールと前記外輪表面で、前記グリースが
    分解して発生する水素を直接計測する水素脆化その場計
    測方法。
  8. 【請求項8】請求項5において、前記四重極質量分析計
    で測定するスペクトルの中で、前記ボールベアリングの
    回転前後でのH2 ピークの高さの相違を水素量として用
    いる水素脆化その場計測方法。
  9. 【請求項9】請求項5において、前記四重極質量分析計
    で測定するスペクトルの中で、H2Oピークの高さにより
    Hピークを校正し、前記ボールベアリングの回転前後で
    のH2 ピークの高さの相違と前記Hピークの高さの相違
    との合計を発生した水素量として用いる水素脆化その場
    計測方法。
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