JPH09281122A - ニアフィールド光学顕微装置 - Google Patents
ニアフィールド光学顕微装置Info
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- JPH09281122A JPH09281122A JP11836996A JP11836996A JPH09281122A JP H09281122 A JPH09281122 A JP H09281122A JP 11836996 A JP11836996 A JP 11836996A JP 11836996 A JP11836996 A JP 11836996A JP H09281122 A JPH09281122 A JP H09281122A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 エバネッセント場を散乱体(好ましくは金属)
で散乱させ伝搬光に変換する方式のNSOMにおいて、
試料表面の形状の影響を排除し光学的情報のみを観察で
きるように、プローブと試料表面間の距離を一定に保つ
STM制御とは異なる新たな技術を備えるニアフィール
ド光学顕微装置を提供する。 【構成】 金属プローブの先端とは反対側に、プローブ
の先端をプローブの軸線と直交する方向に振動させるプ
ローブ励振手段を設けると共に、励振されたプローブの
振動をモニタしてプローブの軸線方向の位置をフィード
バック制御する制御手段を設ける。これにより、試料表
面の形状の影響を排除して光学的情報のみを得ることが
できると共に、試料が非導電性のもの(誘電体結晶表面
や生物細胞組織など)でも予備操作なく簡易に超解像観
察が可能となる。
で散乱させ伝搬光に変換する方式のNSOMにおいて、
試料表面の形状の影響を排除し光学的情報のみを観察で
きるように、プローブと試料表面間の距離を一定に保つ
STM制御とは異なる新たな技術を備えるニアフィール
ド光学顕微装置を提供する。 【構成】 金属プローブの先端とは反対側に、プローブ
の先端をプローブの軸線と直交する方向に振動させるプ
ローブ励振手段を設けると共に、励振されたプローブの
振動をモニタしてプローブの軸線方向の位置をフィード
バック制御する制御手段を設ける。これにより、試料表
面の形状の影響を排除して光学的情報のみを得ることが
できると共に、試料が非導電性のもの(誘電体結晶表面
や生物細胞組織など)でも予備操作なく簡易に超解像観
察が可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、試料の表面に生成さ
れるエバネッセント場が存在するニアフィールド(近接
場)にプローブを挿入し、試料またはプローブを走査す
ることにより試料表面の光学的情報を含む各種情報を超
解像観察できるニアフィールド光学顕微装置に関する。
れるエバネッセント場が存在するニアフィールド(近接
場)にプローブを挿入し、試料またはプローブを走査す
ることにより試料表面の光学的情報を含む各種情報を超
解像観察できるニアフィールド光学顕微装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、盛んに研究されているニアフィー
ルド光学顕微鏡(NSOM:Near-field Scanning Optical M
icroscope)は、試料表面の屈折率分布、吸収率分布、
蛍光物質分布といった光学的情報の超解像観察を可能に
する。この顕微鏡における超解像の原理は、試料表面に
生成されるエバネッセント場の有する高波数情報を引き
出すことにある。
ルド光学顕微鏡(NSOM:Near-field Scanning Optical M
icroscope)は、試料表面の屈折率分布、吸収率分布、
蛍光物質分布といった光学的情報の超解像観察を可能に
する。この顕微鏡における超解像の原理は、試料表面に
生成されるエバネッセント場の有する高波数情報を引き
出すことにある。
【0003】エバネッセント場は、試料表面に局在し空
間中を伝播できないので、従来の光学顕微鏡で測定する
ことは不可能であったが、新たな技法の開発によりこの
測定が可能となり、エバネッセント場成分を測定する方
式として、第一に、エバネッセント場に微小開口を設定
しこの微小開口でエバネッセント場を回折させ伝搬光に
変換する方式が提案され、次いで、近年、エバネッセン
ト場を散乱体(誘電体または金属)で散乱させ伝搬光に変
換して測定する方式が提案された。後者の方式は、例え
ば、特願平4−286046号(特開平6−13784
7号公報)として知られている。
間中を伝播できないので、従来の光学顕微鏡で測定する
ことは不可能であったが、新たな技法の開発によりこの
測定が可能となり、エバネッセント場成分を測定する方
式として、第一に、エバネッセント場に微小開口を設定
しこの微小開口でエバネッセント場を回折させ伝搬光に
変換する方式が提案され、次いで、近年、エバネッセン
ト場を散乱体(誘電体または金属)で散乱させ伝搬光に変
換して測定する方式が提案された。後者の方式は、例え
ば、特願平4−286046号(特開平6−13784
7号公報)として知られている。
【0004】前者の微小開口でエバネッセント場を回折
させ、伝搬光に変換する方式では、マイクロピペットや
光ファイバーなどをプローブとして用いることが提案さ
れた。このプローブは、先鋭化した後、周囲に金属コー
ティングをし、先端に微小開口を設ける。このプローブ
の特徴は、微小開口による回折光をプローブ内を導波さ
せて測定する点にある。このため、プローブ先端からの
散乱光以外のノイズ成分の混入を防ぐことができる。し
かし、伝播中の信号光がコーティングされた金属薄膜に
より吸収され、S/Nが低下する大きな欠点がある。
させ、伝搬光に変換する方式では、マイクロピペットや
光ファイバーなどをプローブとして用いることが提案さ
れた。このプローブは、先鋭化した後、周囲に金属コー
ティングをし、先端に微小開口を設ける。このプローブ
の特徴は、微小開口による回折光をプローブ内を導波さ
せて測定する点にある。このため、プローブ先端からの
散乱光以外のノイズ成分の混入を防ぐことができる。し
かし、伝播中の信号光がコーティングされた金属薄膜に
より吸収され、S/Nが低下する大きな欠点がある。
【0005】これに対し、先端を鋭く尖らせた誘電体針
あるいは金属針を散乱体として用いる散乱プローブNSOM
では、プローブ内を導波させずに、先端からの散乱光を
外部の集光系で検出する。この方式では、プローブ内を
導波させないため、金属薄膜による導波中の吸収がな
く、また、とりわけ、プローブ材質を金属にすると(金
属プローブNSOM)、誘電体プローブに比べ、散乱効
率が非常に高く、空間分解が高いという特徴をもつ。
あるいは金属針を散乱体として用いる散乱プローブNSOM
では、プローブ内を導波させずに、先端からの散乱光を
外部の集光系で検出する。この方式では、プローブ内を
導波させないため、金属薄膜による導波中の吸収がな
く、また、とりわけ、プローブ材質を金属にすると(金
属プローブNSOM)、誘電体プローブに比べ、散乱効
率が非常に高く、空間分解が高いという特徴をもつ。
【0006】金属プローブNSOMでエバネッセント場
の測定を行ったとき、エバネッセント場は、試料表面の
形状と光学的情報を含んでいるため、試料の光学的情報
のみ取り出すには、プローブを試料表面から数nmの位置
に制御し走査する必要がある。しかしながら、プローブ
先端を試料表面から数nmの位置に制御するのは、非常に
困難である。
の測定を行ったとき、エバネッセント場は、試料表面の
形状と光学的情報を含んでいるため、試料の光学的情報
のみ取り出すには、プローブを試料表面から数nmの位置
に制御し走査する必要がある。しかしながら、プローブ
先端を試料表面から数nmの位置に制御するのは、非常に
困難である。
【0007】そこで、前記の有利な特徴をもった金属プ
ローブNSOMにおいて、プローブが導電性を有してい
ることを利用し、走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning
Tunneling Microscope)と組み合わせることが提案さ
れている(河田聡,井上康志:ニアフィールド光学走査
顕微鏡,電子顕微鏡,Vol.28,No.2,pp.137−1
40(1993))。このSTM制御と組み合わせた形態
では、プローブと試料の間の距離を一定に保ちながら、
金属プローブを走査することが可能であり、試料表面の
形状による影響を排除した光学像が得られる。これを用
いて、光磁気ディスク、ラットの心筋細胞などの光学像の
超解像観察に成功した例も報告されている。
ローブNSOMにおいて、プローブが導電性を有してい
ることを利用し、走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning
Tunneling Microscope)と組み合わせることが提案さ
れている(河田聡,井上康志:ニアフィールド光学走査
顕微鏡,電子顕微鏡,Vol.28,No.2,pp.137−1
40(1993))。このSTM制御と組み合わせた形態
では、プローブと試料の間の距離を一定に保ちながら、
金属プローブを走査することが可能であり、試料表面の
形状による影響を排除した光学像が得られる。これを用
いて、光磁気ディスク、ラットの心筋細胞などの光学像の
超解像観察に成功した例も報告されている。
【0008】
【従来技術の問題点】しかしながら、STM制御との組
み合わせでは、プローブ−試料間にトンネル電流を流さ
なければならないため、導電性をもつ試料、金属薄膜で
コートされた試料、導電性基板上に1ナノメートル以下
のごく薄い厚さで作製された試料でなければならないと
いう、試料自体に制約を受けるという問題(観察可能に
するため非導電性試料に対し導電性を付与する事前の操
作をしなければならない問題を含む)があり、そのた
め、誘電体結晶表面や生物細胞組織のin vivo観察に対
しては適用できないといった問題がある。また、装置に
おいても、トンネル電流という超微小な電流を扱うST
M制御のための装備(冷却や増幅などの主として熱現象
に係る付帯設備も必要)の付加は、装置の大型化を招
き、また、装置コストの増大にもつながり、さらに大き
な欠点は、STM制御は、その操作に熟練しないと取扱
いが非常に困難であるということがあって、通常の技術
者が簡易にその取り扱いができない装置利用上の問題点
もあった。
み合わせでは、プローブ−試料間にトンネル電流を流さ
なければならないため、導電性をもつ試料、金属薄膜で
コートされた試料、導電性基板上に1ナノメートル以下
のごく薄い厚さで作製された試料でなければならないと
いう、試料自体に制約を受けるという問題(観察可能に
するため非導電性試料に対し導電性を付与する事前の操
作をしなければならない問題を含む)があり、そのた
め、誘電体結晶表面や生物細胞組織のin vivo観察に対
しては適用できないといった問題がある。また、装置に
おいても、トンネル電流という超微小な電流を扱うST
M制御のための装備(冷却や増幅などの主として熱現象
に係る付帯設備も必要)の付加は、装置の大型化を招
き、また、装置コストの増大にもつながり、さらに大き
な欠点は、STM制御は、その操作に熟練しないと取扱
いが非常に困難であるということがあって、通常の技術
者が簡易にその取り扱いができない装置利用上の問題点
もあった。
【0009】
【発明の目的】そこで、本発明は、試料が導電性を有す
るか非導電性であるかに関係なく、試料の超解像観察を
可能にするニアフィールド光学顕微装置を提供すること
を第1の目的とすると共に、特殊な技法を用いることな
く通常の技術者が容易かつ簡便に取り扱えるニアフィー
ルド光学顕微装置を提供することを第2の目的とする。
るか非導電性であるかに関係なく、試料の超解像観察を
可能にするニアフィールド光学顕微装置を提供すること
を第1の目的とすると共に、特殊な技法を用いることな
く通常の技術者が容易かつ簡便に取り扱えるニアフィー
ルド光学顕微装置を提供することを第2の目的とする。
【0010】
【目的を達成し上記の問題点を解決するための手段】本
発明に係るニアフィールド光学顕微装置は、試料の表面
に生成されたエバネッセント場に誘電体または金属から
なる先端が尖鋭なプローブを挿入し、前記エバネッセン
ト場を伝搬光に変換して該伝搬光を前記プローブまたは
前記試料を走査しながら検出し、前記試料の表面部にお
ける情報を観測できるニアフィールド光学顕微装置にお
いて、前記プローブの先端とは反対側に、当該プローブ
の先端をプローブの軸と直交する方向に振動させるプロ
ーブ励振手段を設けると共に、前記プローブの振動をモ
ニタしてプローブの軸方向の位置をフィードバック制御
する制御手段を設けたことを基本的な特徴とする。好ま
しくは、前記制御手段のフィードバック制御における入
力信号は、前記プローブの振動における振幅の信号であ
る。そして、使用するプローブに応じて、前記プローブ
励振手段を当該プローブの共振周波数で振動させるとよ
い。また好ましくは、前記制御手段のフィードバック制
御における入力信号は、前記プローブの振動における励
振基準位相に対する位相差の信号である。本発明に係る
ニアフィールド光学顕微装置は、プローブの高さを一定
に保持して前記試料を2次元走査するコンスタントハイ
トモード及び/又はプローブ振動の振幅が一定となるよ
うにプローブの高さをフィードバック制御してプローブ
と試料表面間の距離を一定に保持しながら試料を2次元
走査するコンスタントディスタンスモードを具備する。
発明に係るニアフィールド光学顕微装置は、試料の表面
に生成されたエバネッセント場に誘電体または金属から
なる先端が尖鋭なプローブを挿入し、前記エバネッセン
ト場を伝搬光に変換して該伝搬光を前記プローブまたは
前記試料を走査しながら検出し、前記試料の表面部にお
ける情報を観測できるニアフィールド光学顕微装置にお
いて、前記プローブの先端とは反対側に、当該プローブ
の先端をプローブの軸と直交する方向に振動させるプロ
ーブ励振手段を設けると共に、前記プローブの振動をモ
ニタしてプローブの軸方向の位置をフィードバック制御
する制御手段を設けたことを基本的な特徴とする。好ま
しくは、前記制御手段のフィードバック制御における入
力信号は、前記プローブの振動における振幅の信号であ
る。そして、使用するプローブに応じて、前記プローブ
励振手段を当該プローブの共振周波数で振動させるとよ
い。また好ましくは、前記制御手段のフィードバック制
御における入力信号は、前記プローブの振動における励
振基準位相に対する位相差の信号である。本発明に係る
ニアフィールド光学顕微装置は、プローブの高さを一定
に保持して前記試料を2次元走査するコンスタントハイ
トモード及び/又はプローブ振動の振幅が一定となるよ
うにプローブの高さをフィードバック制御してプローブ
と試料表面間の距離を一定に保持しながら試料を2次元
走査するコンスタントディスタンスモードを具備する。
【0011】
【作用】上記プローブ励振手段により、プローブの先端
はプローブの軸線と直交する方向に振動する。このプロ
ーブの振動をモニタし、プローブ−試料間に発生するシ
ェアフォース(shear force)を利用して、上記制御手段
によりプローブの軸線方向の位置が制御される。これに
より、試料の導電性の有無にかかわりなく(例えば、生
体試料のin vivo観察)、試料表面の形状の影響を排除し
て光学的情報(例えば、屈折率分布,吸収率分布,蛍光
物質分布など)の超解像観察ができ、また、装置系は基
本的に大型化することはなく小型で済み、かつ熟練度を
要求される操作上の困難性もない(プローブを励振し、
適切にモニタするだけでよい)ので、取扱い上、優れて
簡便にして超解像観察が可能となる。
はプローブの軸線と直交する方向に振動する。このプロ
ーブの振動をモニタし、プローブ−試料間に発生するシ
ェアフォース(shear force)を利用して、上記制御手段
によりプローブの軸線方向の位置が制御される。これに
より、試料の導電性の有無にかかわりなく(例えば、生
体試料のin vivo観察)、試料表面の形状の影響を排除し
て光学的情報(例えば、屈折率分布,吸収率分布,蛍光
物質分布など)の超解像観察ができ、また、装置系は基
本的に大型化することはなく小型で済み、かつ熟練度を
要求される操作上の困難性もない(プローブを励振し、
適切にモニタするだけでよい)ので、取扱い上、優れて
簡便にして超解像観察が可能となる。
【0012】
【シェアフォースによる距離制御の原理】そこで、ま
ず、以下に、本発明の原理的背景をなす、シェアフォー
スによる距離制御の原理を具体的に説明する。例えば、
「金属」プローブを振動させたとき、プローブ−試料間
に発生するシェアフォースを利用したプローブ−試料間
の距離制御について、対象とするニアフィールド光学顕
微鏡に用いられるプローブは細い針であるので、バネの
振動と同様にプローブの長さ、径、および曲げ剛性に対
応した共振周波数をもつ。そのプローブの上部で横方向
にプローブの共振周波数の強制変位を与えると、プロー
ブ先端は開放端であるため、強制変位の周波数と同じ周
波数で振動する。
ず、以下に、本発明の原理的背景をなす、シェアフォー
スによる距離制御の原理を具体的に説明する。例えば、
「金属」プローブを振動させたとき、プローブ−試料間
に発生するシェアフォースを利用したプローブ−試料間
の距離制御について、対象とするニアフィールド光学顕
微鏡に用いられるプローブは細い針であるので、バネの
振動と同様にプローブの長さ、径、および曲げ剛性に対
応した共振周波数をもつ。そのプローブの上部で横方向
にプローブの共振周波数の強制変位を与えると、プロー
ブ先端は開放端であるため、強制変位の周波数と同じ周
波数で振動する。
【0013】プローブを強制振動させながら、試料表面
に近づける。大気中に存在する物質の表面には、非常に
薄く水分子が吸着し、吸着層(液層)を形成していると
されている。そのため、プローブの先端が試料表面の吸
着層の中に入ったとき、試料表面の吸着層による粘性減
衰力が作用し、共振周波数が変化する。プローブと試料
との距離が近づくにつれ、吸着層に触れるプローブの長
さが長くなり、それに伴い、粘性減衰係数が大きくな
る。そのため、プローブ振動の振幅が減少し、また、強
制周期振動とプローブの振動との間で位相差に変化が生
じる。
に近づける。大気中に存在する物質の表面には、非常に
薄く水分子が吸着し、吸着層(液層)を形成していると
されている。そのため、プローブの先端が試料表面の吸
着層の中に入ったとき、試料表面の吸着層による粘性減
衰力が作用し、共振周波数が変化する。プローブと試料
との距離が近づくにつれ、吸着層に触れるプローブの長
さが長くなり、それに伴い、粘性減衰係数が大きくな
る。そのため、プローブ振動の振幅が減少し、また、強
制周期振動とプローブの振動との間で位相差に変化が生
じる。
【0014】ここで、振幅および位相差の変化を検出
し、振幅または位相差が一定になるようにフィードバッ
クしプローブの高さ制御をする。そして、プローブまた
は試料を2次元走査すると、プローブは、試料との間の
距離を一定に保ちながら試料表面をトレースする。その
ため、STMやAFMと同様に、試料の表面の空間分布
のシェアフォース像を観察することができる。シェアフ
ォース像を観察できる顕微鏡もAFMと同様に、試料の
導電性を必要としないため、絶縁体の試料も観察するこ
とができる。
し、振幅または位相差が一定になるようにフィードバッ
クしプローブの高さ制御をする。そして、プローブまた
は試料を2次元走査すると、プローブは、試料との間の
距離を一定に保ちながら試料表面をトレースする。その
ため、STMやAFMと同様に、試料の表面の空間分布
のシェアフォース像を観察することができる。シェアフ
ォース像を観察できる顕微鏡もAFMと同様に、試料の
導電性を必要としないため、絶縁体の試料も観察するこ
とができる。
【0015】プローブの横振動モデルの解析を行なう。
プローブが試料表面に近づき、試料表面の吸着層により
粘性減衰が作用する。これをバネとダッシュポットを用
いた図1のモデルに置き換えてみる。
プローブが試料表面に近づき、試料表面の吸着層により
粘性減衰が作用する。これをバネとダッシュポットを用
いた図1のモデルに置き換えてみる。
【0016】粘性減衰力の作用する振動系を考える。バ
ネSのバネ定数をkとする。減衰力はすべてダッシュポ
ットDにより与えられるものとする。ダッシュポットD
の粘性減衰係数をcとすると、減衰力は-c(dx/dt)と
なり、質量体Mの質量mの運動する方向と反対の方向に
作用する。また、強制周期変位 Psinwtがバネの上端U
に作用するため、質量体Mの質量mには、kPsinwtの力
が作用する。よって、質量mの運動方程式は、
ネSのバネ定数をkとする。減衰力はすべてダッシュポ
ットDにより与えられるものとする。ダッシュポットD
の粘性減衰係数をcとすると、減衰力は-c(dx/dt)と
なり、質量体Mの質量mの運動する方向と反対の方向に
作用する。また、強制周期変位 Psinwtがバネの上端U
に作用するため、質量体Mの質量mには、kPsinwtの力
が作用する。よって、質量mの運動方程式は、
【0016】
【数1】 となり、上式を書き直すと、
【0017】
【数2】 ここで、
【0018】
【数3】 とする。pは、減衰がないときの固有振動数を示す。
(2−2)式の解は、右辺を0としたときの一般解と、
特解との和で与えられる。右辺を0としたときの一般解
は、
(2−2)式の解は、右辺を0としたときの一般解と、
特解との和で与えられる。右辺を0としたときの一般解
は、
【0019】
【数4】 この式の特解を求める方法はいろいろあるが、それを求
める方法として、強制変位によりそれと同じ振動数を持
つ振動が引き起こされると仮定する。しかし、粘性減衰
力が作用するため、粘性減衰力が作用しない場合と違
い、生じる変位は強制変位より位相が遅れると考えられ
る。そのため、生じる変位を、
める方法として、強制変位によりそれと同じ振動数を持
つ振動が引き起こされると仮定する。しかし、粘性減衰
力が作用するため、粘性減衰力が作用しない場合と違
い、生じる変位は強制変位より位相が遅れると考えられ
る。そのため、生じる変位を、
【0020】
【数5】 とおく。A,βは、未定定数であるが、
【0021】
【数6】 とおき、(2−5)式を書き直すと、
【0022】
【数7】 となる。これより、U,Vを求めると、
【0023】
【数8】 となる。したがって、(2−2)式の解は、
【0024】
【数9】 となる。
【0025】(2−9)式において、C,Dは初期条件
から求められるが、右辺第一項は自然振動を表す項であ
り、時間が経つにつれ減衰してなくなってしまう。しか
し、強制変位により引き起こされる強制振動の項は、持
続して定常振動となる。ここでは、強制振動のみが問題
となるため、自然振動の項は考えずに強制振動の項だけ
を考える。
から求められるが、右辺第一項は自然振動を表す項であ
り、時間が経つにつれ減衰してなくなってしまう。しか
し、強制変位により引き起こされる強制振動の項は、持
続して定常振動となる。ここでは、強制振動のみが問題
となるため、自然振動の項は考えずに強制振動の項だけ
を考える。
【0026】(2−5)〜(2−7)式より、強制振動
は、
は、
【0027】
【数10】 となる。但し、ζ=μ/pで、ζは、減衰比を表す。
【0028】振幅Aおよび、強制変位に対する生じる変
位の位相の遅れβは、ωの関数で表せる。倍率α(=A
/P)を縦軸に、ω/pを横軸にとり、振幅−振動数特
性を図示すると、図2の振動数応答曲線が得られる。図
2より強制変位の振動数が、系の不減衰固有振動数より
小さくなるにつれ、すなわち、ωがpより小さくなるに
つれ、倍率は1に近づく。よって、強制振動の振幅A
は、強制変位の振幅Pに等しくなることが分かる。逆に
ωがpより大きくなると、倍率は1より小さくなる。ま
た、ωがpより小さいまたは大きいとき、ζの値に無関
係に応答曲線は一定値に収束する。これは、減衰のない
場合の応答曲線と特性が同じになる。ωがpに近づくに
つれ、倍率は急激に増大し共振状態となる。これは、
(2−10)式において、(δA/δ(ω/p))=0より
得られる、
位の位相の遅れβは、ωの関数で表せる。倍率α(=A
/P)を縦軸に、ω/pを横軸にとり、振幅−振動数特
性を図示すると、図2の振動数応答曲線が得られる。図
2より強制変位の振動数が、系の不減衰固有振動数より
小さくなるにつれ、すなわち、ωがpより小さくなるに
つれ、倍率は1に近づく。よって、強制振動の振幅A
は、強制変位の振幅Pに等しくなることが分かる。逆に
ωがpより大きくなると、倍率は1より小さくなる。ま
た、ωがpより小さいまたは大きいとき、ζの値に無関
係に応答曲線は一定値に収束する。これは、減衰のない
場合の応答曲線と特性が同じになる。ωがpに近づくに
つれ、倍率は急激に増大し共振状態となる。これは、
(2−10)式において、(δA/δ(ω/p))=0より
得られる、
【0029】
【数11】 のときに生じ、その値は、
【0030】
【数12】 である。このときの共振周波数ω/2πを変位共振周波
数という。(2−11)式から、ζ=1/√2のときは
極値はω/p=0にあり、ζ>1/√2になると極値は
存在しなくなる。
数という。(2−11)式から、ζ=1/√2のときは
極値はω/p=0にあり、ζ>1/√2になると極値は
存在しなくなる。
【0031】次に(2−10)式のβとω/pとの関
係、位相−振動数応答曲線を図3に示す。βは前述した
ように強制変位と生じる変位との位相差である。(2−
10)式より、ω<pのときtanβは正でβ<90゜、
ω>pのときtanβは負でβ<90゜となる。ζの値に
無関係に、ω=pのときβ=90゜、ω>>pのときβ
=180゜となる。特にζの値が小さいときには、共振
点付近で位相が急激に変化する。
係、位相−振動数応答曲線を図3に示す。βは前述した
ように強制変位と生じる変位との位相差である。(2−
10)式より、ω<pのときtanβは正でβ<90゜、
ω>pのときtanβは負でβ<90゜となる。ζの値に
無関係に、ω=pのときβ=90゜、ω>>pのときβ
=180゜となる。特にζの値が小さいときには、共振
点付近で位相が急激に変化する。
【0032】上記の解析結果を定性的にまとめると、
プローブが試料表面に近づくにつれ、振動の振幅が減少
し、加振に対して位相がずれる、共振周波数で加振し
たほうが、プローブが試料表面で粘性抵抗の影響を受
け、振幅が大きく変化する、位相においては、共振周
波数では、まったく変化せず、共振点から少しずれた方
が変化が大きい、となる。
プローブが試料表面に近づくにつれ、振動の振幅が減少
し、加振に対して位相がずれる、共振周波数で加振し
たほうが、プローブが試料表面で粘性抵抗の影響を受
け、振幅が大きく変化する、位相においては、共振周
波数では、まったく変化せず、共振点から少しずれた方
が変化が大きい、となる。
【0033】
【実施例】そこで、本発明の一実施例は、上記の解析結
果を踏まえて、誘電体よりも光の利用効率が高くかつ空
間分解も高くできる、先端を尖鋭にした金属プローブを
用いたニアフィールド光学顕微装置につき、以下、説明
する。
果を踏まえて、誘電体よりも光の利用効率が高くかつ空
間分解も高くできる、先端を尖鋭にした金属プローブを
用いたニアフィールド光学顕微装置につき、以下、説明
する。
【0034】一実施例のニアフィールド光学顕微装置の
概略システム構成を図4に示す。1は試料2を載置する
X−Y2軸ピエゾステージ、3はエバネッセント場に先
端を挿入する散乱体としての金属プローブ、4は金属プ
ローブ3の先端3pとは反対側(この場合、プローブの
上部)に設けたプローブ励振手段をなすバイモルフ型ピ
エゾ素子、5は金属プローブ3とバイモルフ型ピエゾ素
子4の構体を高さ方向、あるいは金属プローブ3の軸線
方向、すなわちZ軸方向に精密駆動するZ軸ピエゾステ
ージ、そしてZ軸ピエゾステージ5及び上記X−Y2軸
ピエゾステージ1は、コンピュータ6に内蔵するプログ
ラム手段に基づきインターフェースを介してそれぞれ制
御される。また、金属プローブ3の上部に設けたバイモ
ルフ型ピエゾ素子4には、オシレータ7より交流電圧を
印加する。
概略システム構成を図4に示す。1は試料2を載置する
X−Y2軸ピエゾステージ、3はエバネッセント場に先
端を挿入する散乱体としての金属プローブ、4は金属プ
ローブ3の先端3pとは反対側(この場合、プローブの
上部)に設けたプローブ励振手段をなすバイモルフ型ピ
エゾ素子、5は金属プローブ3とバイモルフ型ピエゾ素
子4の構体を高さ方向、あるいは金属プローブ3の軸線
方向、すなわちZ軸方向に精密駆動するZ軸ピエゾステ
ージ、そしてZ軸ピエゾステージ5及び上記X−Y2軸
ピエゾステージ1は、コンピュータ6に内蔵するプログ
ラム手段に基づきインターフェースを介してそれぞれ制
御される。また、金属プローブ3の上部に設けたバイモ
ルフ型ピエゾ素子4には、オシレータ7より交流電圧を
印加する。
【0035】金属プローブ3の微小振動をモニタし、プ
ローブの軸線方向すなわちZ軸方向にプローブの位置を
フィードバック制御するための手段は、この実施例で
は、レーザダイオード10、レンズ11、レンズ12、
2分割フォトダイオードとアンプからなるフォトディテ
クタ13、およびフォトディテクタ13の出力を入力し
て所定の制御出力をZ軸ピエゾステージ5に与える、コ
ンピュータ6内蔵プログラム、そのインターフェースを
含んで構成されている。
ローブの軸線方向すなわちZ軸方向にプローブの位置を
フィードバック制御するための手段は、この実施例で
は、レーザダイオード10、レンズ11、レンズ12、
2分割フォトダイオードとアンプからなるフォトディテ
クタ13、およびフォトディテクタ13の出力を入力し
て所定の制御出力をZ軸ピエゾステージ5に与える、コ
ンピュータ6内蔵プログラム、そのインターフェースを
含んで構成されている。
【0036】より具体的詳細に説明すると、上記の金属
プローブ3の材質としては、金属プローブNSOMのプロー
ブに多用されているプラチナイリジウム(PtIr)を選ん
でいる。PtIrは、酸化による散乱光率の低下がなく、ま
た、柔らかく加工性に優れている。そのプローブをラッ
ピングフィルムシート(アルミナ,#15000,粒径0.3μ
m,住友3M)を用いて、機械的研磨により先鋭化を行
ったものである。
プローブ3の材質としては、金属プローブNSOMのプロー
ブに多用されているプラチナイリジウム(PtIr)を選ん
でいる。PtIrは、酸化による散乱光率の低下がなく、ま
た、柔らかく加工性に優れている。そのプローブをラッ
ピングフィルムシート(アルミナ,#15000,粒径0.3μ
m,住友3M)を用いて、機械的研磨により先鋭化を行
ったものである。
【0037】金属プローブ3を微小振動させるために、
プローブをバイモルフ型ピエゾ素子4に固定している
が、このピエゾ素子4には周波数可変のオシレータ(WA
VETEKMODEL162,周波数0.3mHz〜30MHz)を接続し、この
オシレータによりバイモルフ型ピエゾ素子4に交流電圧
(〜10V)を印加するようにしている。バイモルフ型ピ
エゾ素子4は、図5に示すように、金属弾性板を中心電
極として、2枚の圧電セラミック素子の薄板を貼り合わ
せた構造になっている。電圧を印加することによって、
同図(b)に示されるように、一方が伸び、もう一方が縮
むために、印加する電圧の波形に応じて屈曲変位を生じ
る。この屈曲変位を用いて金属プローブ3を加振し、プ
ローブの先端を、プローブの軸線方向とは直交する方向
に微小振動させる。
プローブをバイモルフ型ピエゾ素子4に固定している
が、このピエゾ素子4には周波数可変のオシレータ(WA
VETEKMODEL162,周波数0.3mHz〜30MHz)を接続し、この
オシレータによりバイモルフ型ピエゾ素子4に交流電圧
(〜10V)を印加するようにしている。バイモルフ型ピ
エゾ素子4は、図5に示すように、金属弾性板を中心電
極として、2枚の圧電セラミック素子の薄板を貼り合わ
せた構造になっている。電圧を印加することによって、
同図(b)に示されるように、一方が伸び、もう一方が縮
むために、印加する電圧の波形に応じて屈曲変位を生じ
る。この屈曲変位を用いて金属プローブ3を加振し、プ
ローブの先端を、プローブの軸線方向とは直交する方向
に微小振動させる。
【0038】金属プローブ3の微小振動の測定を行うた
めに、光源に波長674nmのレーザダイオード10(Panas
onic LN9R05N,最大出力5mW)を用い、ディテクターに
2分割フォトダイオード13(浜松ホトニクス S2721-0
2,素子間ギャップ5μm)を用いている。プローブ振
動の振幅は、A/D変換ボード(Interface AZI-3503)
を通じてコンピューター6(PC-9801RA)により測定し
ている。
めに、光源に波長674nmのレーザダイオード10(Panas
onic LN9R05N,最大出力5mW)を用い、ディテクターに
2分割フォトダイオード13(浜松ホトニクス S2721-0
2,素子間ギャップ5μm)を用いている。プローブ振
動の振幅は、A/D変換ボード(Interface AZI-3503)
を通じてコンピューター6(PC-9801RA)により測定し
ている。
【0039】プローブの高さ、Z軸制御には、静電容量
型センサー内蔵の高精度ピエゾステージ5(Queensgate
Instruments DPT/AX100,精度1.5nm)を用い、これ
を、RS−232Cを通じてコンピュータ6により制御
した。また、試料2側の走査には、静電容量型センサー
内蔵の高精度2軸ピエゾステージ1(Physik Instrumen
te P-915.583)を用いた。ピエゾステージの制御は、コ
ンピューターからD/A変換ボード(Interface AZI-35
03)を通じて行っている。
型センサー内蔵の高精度ピエゾステージ5(Queensgate
Instruments DPT/AX100,精度1.5nm)を用い、これ
を、RS−232Cを通じてコンピュータ6により制御
した。また、試料2側の走査には、静電容量型センサー
内蔵の高精度2軸ピエゾステージ1(Physik Instrumen
te P-915.583)を用いた。ピエゾステージの制御は、コ
ンピューターからD/A変換ボード(Interface AZI-35
03)を通じて行っている。
【0040】金属プローブ3の微小振動を測定する手法
について述べると、レンズ11(NAは0.615)によ
り集光したレーザ光でプローブの先端付近を照明し、そ
のプローブ像を単レンズ12(f=50.2mm)により、フォ
トダイオードの境界線上にイメージングしている。この
系において、プローブの先端を振動させ、2分割フォト
ディテクタ13の2つの検出面の強度差を測定すること
により、プローブの微小振動を表す波形を発生させた。
について述べると、レンズ11(NAは0.615)によ
り集光したレーザ光でプローブの先端付近を照明し、そ
のプローブ像を単レンズ12(f=50.2mm)により、フォ
トダイオードの境界線上にイメージングしている。この
系において、プローブの先端を振動させ、2分割フォト
ディテクタ13の2つの検出面の強度差を測定すること
により、プローブの微小振動を表す波形を発生させた。
【0041】さて、上記の構成でまずはじめに、プロー
ブの共振周波数の測定を行った。金属プローブにおい
て、振動の共振現象を利用することにより、効率よく、
すなわち光学的ないし電気的な感度を高くすることがで
きるためである。
ブの共振周波数の測定を行った。金属プローブにおい
て、振動の共振現象を利用することにより、効率よく、
すなわち光学的ないし電気的な感度を高くすることがで
きるためである。
【0042】測定は、プローブを試料から離した状態
で、バイモルフ型ピエゾ素子4にオシレータ7より交流
電圧を印加し、金属プローブ3を振動させた。そして、
フォトディテクタ13の出力波形をオシロスコープで観
察しながら、印加する交流電圧を一定に保ち、その周波
数を変化させ振幅を測定した。
で、バイモルフ型ピエゾ素子4にオシレータ7より交流
電圧を印加し、金属プローブ3を振動させた。そして、
フォトディテクタ13の出力波形をオシロスコープで観
察しながら、印加する交流電圧を一定に保ち、その周波
数を変化させ振幅を測定した。
【0043】図6にその結果を示す。プローブ振動の振
幅のピークは、周波数4706Hzであった。共振周波数は、
プローブの長さ・径・曲げ剛性などに依存し、長さが長
くなるほど、また径が小さくなるほど、共振周波数は高
くなる。複数のプローブで同様に測定を行ったところ、
共振周波数は、約1kHz〜10kHzの範囲にあった。
幅のピークは、周波数4706Hzであった。共振周波数は、
プローブの長さ・径・曲げ剛性などに依存し、長さが長
くなるほど、また径が小さくなるほど、共振周波数は高
くなる。複数のプローブで同様に測定を行ったところ、
共振周波数は、約1kHz〜10kHzの範囲にあった。
【0044】また、バイモルフ型ピエゾ素子4への印加
電圧を低くすると、それに比例してプローブ振動の振幅
も減少した。
電圧を低くすると、それに比例してプローブ振動の振幅
も減少した。
【0045】次に、プローブ−試料間の距離と振幅の関
係を調べた。共振周波数でプローブを振動させながら、
試料表面に近づけたときの、振幅変化を調べた。試料2
にはスライドガラスを用いた。プローブ−試料間の距離
を1nmずつ変化させながら、プローブ振動の振幅を測定
した。
係を調べた。共振周波数でプローブを振動させながら、
試料表面に近づけたときの、振幅変化を調べた。試料2
にはスライドガラスを用いた。プローブ−試料間の距離
を1nmずつ変化させながら、プローブ振動の振幅を測定
した。
【0046】図7にその結果を示す。横軸はプローブ−
試料間の距離、縦軸はプローブ振動の振幅を示す。図7
より、プローブが試料に近づくにつれプローブ振動の振
幅が減少し、その振幅はプローブ−試料間の距離に比例
するのがわかる。また、バイモルフ型ピエゾ素子への印
加電圧とは無関係に、プローブ−試料間の距離に対する
振幅の傾きは一定である。このため、振幅が影響を受け
る距離は、プローブ振動の振幅の初期値に比例すること
がわかる。
試料間の距離、縦軸はプローブ振動の振幅を示す。図7
より、プローブが試料に近づくにつれプローブ振動の振
幅が減少し、その振幅はプローブ−試料間の距離に比例
するのがわかる。また、バイモルフ型ピエゾ素子への印
加電圧とは無関係に、プローブ−試料間の距離に対する
振幅の傾きは一定である。このため、振幅が影響を受け
る距離は、プローブ振動の振幅の初期値に比例すること
がわかる。
【0047】以上の予備測定に基づき、本実施例の装置
システムを用い、試料表面のシェアフォース像を観察し
た。試料2は、周期構造をもつ光磁気ディスク基板(M
O)を用いた。図8にこの光磁気ディスク基板の構造を
示す。光磁気ディスク基板は、ガラス製(屈折率 1.5)
で、幅約500nm、深さ40nmの溝が1.6μm間隔で並んでい
る。
システムを用い、試料表面のシェアフォース像を観察し
た。試料2は、周期構造をもつ光磁気ディスク基板(M
O)を用いた。図8にこの光磁気ディスク基板の構造を
示す。光磁気ディスク基板は、ガラス製(屈折率 1.5)
で、幅約500nm、深さ40nmの溝が1.6μm間隔で並んでい
る。
【0048】図9に、光磁気ディスク基板のシェアフォ
ース像を示す。金属プローブ3の高さを一定に保ち、試
料2を走査した(コンスタントハイトモード)。走査範
囲は5μm×5μmで、走査ピッチは100nm×100nmであ
る。すなわち50×50ポイントの走査である。このと
きのピエゾ素子4への印加電圧は3Vで、プローブの共振
周波数は4656Hzであった。プローブの振動方向は、図4
において横方向で、光磁気ディスクの溝の延びる方向と
平行である。図9を見てもわかるように、1.6μmの間
隔で周期的に溝が並んでいるのが観察できている。な
お、図10は、図9の一断面を示している。また、補足
すると、コンスタントハイトモードでは、金属プローブ
3のZ軸方向の位置を一定にするが、実際の走査に先立
ち、試料2の表面と衝突しない高さを選択するために、
適宜の走査ポイントを選び(20点程度)、プローブ振動
のフィードバック制御を行って、試料表面からの距離を
測定している。
ース像を示す。金属プローブ3の高さを一定に保ち、試
料2を走査した(コンスタントハイトモード)。走査範
囲は5μm×5μmで、走査ピッチは100nm×100nmであ
る。すなわち50×50ポイントの走査である。このと
きのピエゾ素子4への印加電圧は3Vで、プローブの共振
周波数は4656Hzであった。プローブの振動方向は、図4
において横方向で、光磁気ディスクの溝の延びる方向と
平行である。図9を見てもわかるように、1.6μmの間
隔で周期的に溝が並んでいるのが観察できている。な
お、図10は、図9の一断面を示している。また、補足
すると、コンスタントハイトモードでは、金属プローブ
3のZ軸方向の位置を一定にするが、実際の走査に先立
ち、試料2の表面と衝突しない高さを選択するために、
適宜の走査ポイントを選び(20点程度)、プローブ振動
のフィードバック制御を行って、試料表面からの距離を
測定している。
【0049】次に、プローブ振動の振幅が一定となるよ
うにプローブの高さを、コンピュータ6より実時間でフ
ィードバック制御してプローブ−試料表面間の距離を一
定に保ち、試料2を走査し測定を行った(コンスタント
ディスタンスモード)。
うにプローブの高さを、コンピュータ6より実時間でフ
ィードバック制御してプローブ−試料表面間の距離を一
定に保ち、試料2を走査し測定を行った(コンスタント
ディスタンスモード)。
【0050】図11に、測定したシェアフォース像を示
す。試料2は、先のコンスタントハイトモードと全く同
様の光磁気ディスク基板である。走査範囲は5μm×5μ
mで、走査ピッチは100nm×100nmである。このときのピ
エゾ素子4への印加電圧は3Vで、プローブの共振周波数
は4656Hzであった。プローブ−試料間の距離は、20nmに
固定した。プローブの振動方向は、図4において横方向
で、光磁気ディスクの溝の方向と平行である。図11よ
り、1.6μmの間隔で周期的に溝が並んでいるのが明瞭
にわかる。また、図12に、図11の一断面を示す。溝
の深さは、約30nmであり、図8の試料構造とほぼ一致し
ていることが分かる。
す。試料2は、先のコンスタントハイトモードと全く同
様の光磁気ディスク基板である。走査範囲は5μm×5μ
mで、走査ピッチは100nm×100nmである。このときのピ
エゾ素子4への印加電圧は3Vで、プローブの共振周波数
は4656Hzであった。プローブ−試料間の距離は、20nmに
固定した。プローブの振動方向は、図4において横方向
で、光磁気ディスクの溝の方向と平行である。図11よ
り、1.6μmの間隔で周期的に溝が並んでいるのが明瞭
にわかる。また、図12に、図11の一断面を示す。溝
の深さは、約30nmであり、図8の試料構造とほぼ一致し
ていることが分かる。
【0051】以上の実施例の結果を考察すると、共振周
波数でプローブを微小振動させながら試料表面に近づけ
ると、試料近傍において、その振幅は、プローブ−試料
間の距離に比例して減少する。また、プローブ振動の振
幅の初期値によらず、プローブ−試料間の距離に対する
振幅の傾きは、いずれの場合も同じである。これは、プ
ローブと試料が垂直ではなく傾いているため、プローブ
が振動したときに試料表面に接触するためではないかと
考えられる。そのため、プローブ振動の振幅が大きくな
るほど、振幅が変化する距離は長くなると考えられる。
波数でプローブを微小振動させながら試料表面に近づけ
ると、試料近傍において、その振幅は、プローブ−試料
間の距離に比例して減少する。また、プローブ振動の振
幅の初期値によらず、プローブ−試料間の距離に対する
振幅の傾きは、いずれの場合も同じである。これは、プ
ローブと試料が垂直ではなく傾いているため、プローブ
が振動したときに試料表面に接触するためではないかと
考えられる。そのため、プローブ振動の振幅が大きくな
るほど、振幅が変化する距離は長くなると考えられる。
【0052】また、いずれの印加電圧でも、プローブ−
試料間の距離に対する振幅の傾きが等しいため、プロー
ブの位置が変化したときの振幅の変化量も等しい。よっ
て、信号のS/Nによって決まる距離精度は、いずれの電
圧でも同じで3nmであった。印加電圧を大きくした方が
測定が容易になるが、プローブ振動の振幅の増大により
面内の分解能が低下する。そのため、測定が可能な限り
プローブ振動の振幅を小さくするのが良いと考えられ
る。
試料間の距離に対する振幅の傾きが等しいため、プロー
ブの位置が変化したときの振幅の変化量も等しい。よっ
て、信号のS/Nによって決まる距離精度は、いずれの電
圧でも同じで3nmであった。印加電圧を大きくした方が
測定が容易になるが、プローブ振動の振幅の増大により
面内の分解能が低下する。そのため、測定が可能な限り
プローブ振動の振幅を小さくするのが良いと考えられ
る。
【0053】次に、コンスタントハイトモードとコンス
タントディスタンスモードを比較し考察すれば、コンス
タントハイトモードでは、高さ方向のダイナミックレン
ジが、プローブ振動の振幅の初期値によって決定される
ため、レンジが狭く試料の傾きによりレンジを越えてし
まう。ダイナミックレンジを広くとるためには、プロー
ブ振動の振幅を大きくする必要があるが、プローブ振動
の振幅を大きくすると、空間分解能が低下する。これに
対し、コンスタントディスタンスモードでは、フィード
バックによりプローブの位置を制御するため、高さ方向
のダイナミックレンジは、高さ方向のピエゾのダイナミ
ックレンジと同じである。そのため、コンスタントハイ
トモードに比べ、ダイナミックレンジは広くなる。ま
た、検出可能な限りプローブ振動の振幅を小さくするこ
とができるので、コンスタントハイトモードに比べ、空
間分解能を向上させることができる。これらの点より、
コンスタントディスタンスモードによる測定のほうが優
れていることが解る。
タントディスタンスモードを比較し考察すれば、コンス
タントハイトモードでは、高さ方向のダイナミックレン
ジが、プローブ振動の振幅の初期値によって決定される
ため、レンジが狭く試料の傾きによりレンジを越えてし
まう。ダイナミックレンジを広くとるためには、プロー
ブ振動の振幅を大きくする必要があるが、プローブ振動
の振幅を大きくすると、空間分解能が低下する。これに
対し、コンスタントディスタンスモードでは、フィード
バックによりプローブの位置を制御するため、高さ方向
のダイナミックレンジは、高さ方向のピエゾのダイナミ
ックレンジと同じである。そのため、コンスタントハイ
トモードに比べ、ダイナミックレンジは広くなる。ま
た、検出可能な限りプローブ振動の振幅を小さくするこ
とができるので、コンスタントハイトモードに比べ、空
間分解能を向上させることができる。これらの点より、
コンスタントディスタンスモードによる測定のほうが優
れていることが解る。
【0054】なお、上記の実施例では、プローブ振動の
モニタによるフィードバック制御に振幅の信号を利用し
たが、励振手段に印加する基準振動の位相に対する、プ
ローブ振動の位相差を利用してもよいことは前述の振動
モデル解析のとおり明らかであり、位相差を検出してフ
ィードバック制御する構成とすることができる。尚、こ
のときには、図3に示されるように、共振周波数では不
可であり、これより若干ずれた周波数で利用する。
モニタによるフィードバック制御に振幅の信号を利用し
たが、励振手段に印加する基準振動の位相に対する、プ
ローブ振動の位相差を利用してもよいことは前述の振動
モデル解析のとおり明らかであり、位相差を検出してフ
ィードバック制御する構成とすることができる。尚、こ
のときには、図3に示されるように、共振周波数では不
可であり、これより若干ずれた周波数で利用する。
【0055】また、光散乱方式のNSOMのプローブに
ついて、誘電体または金属のいずれを用いるにしても、
散乱光を集光する光学系を設けるもののほか、プローブ
の先端ないし先端部に散乱光を直接的に光電変換しうる
検知部を備えたプローブであってもよく、このようなプ
ローブを上記の実施例と同様に装置し、同様に動作させ
ることができる。
ついて、誘電体または金属のいずれを用いるにしても、
散乱光を集光する光学系を設けるもののほか、プローブ
の先端ないし先端部に散乱光を直接的に光電変換しうる
検知部を備えたプローブであってもよく、このようなプ
ローブを上記の実施例と同様に装置し、同様に動作させ
ることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、STM制御をすること
なく試料表面の影響を排除して光学的情報のみを超解像
観測できると共に、試料が非導電性のもの(誘電体結晶
表面や生物細胞組織など)でも特別な予備操作を施すこ
となく超解像観察が可能となり(例えば、生体組織のin
vivo観察が可能)、さらには、装置の小型化を維持した
ままで装置操作の簡便性の点でこれを格段に向上させる
効果がある。
なく試料表面の影響を排除して光学的情報のみを超解像
観測できると共に、試料が非導電性のもの(誘電体結晶
表面や生物細胞組織など)でも特別な予備操作を施すこ
となく超解像観察が可能となり(例えば、生体組織のin
vivo観察が可能)、さらには、装置の小型化を維持した
ままで装置操作の簡便性の点でこれを格段に向上させる
効果がある。
【図1】プローブの振動モデルを示す図である。
【図2】振幅−振動数特性を示す図である。
【図3】位相−振動数特性を示す図である。
【図4】本発明の一実施例の要部の図解図である。
【図5】励振手段の一つであるバイモルフ型ピエゾ素子
の動作説明図であり、同図(a)はV=0の場合、同図(b)
はV≠0の場合の説明図である。
の動作説明図であり、同図(a)はV=0の場合、同図(b)
はV≠0の場合の説明図である。
【図6】使用したプローブの印加周波数と振幅との関係
を示す図である。
を示す図である。
【図7】プローブし試料表面間の距離と振幅との関係を
示す図である。
示す図である。
【図8】観察に用いた光磁気ディスク基板の試料構造
(断面)を示す図である。
(断面)を示す図である。
【図9】コンスタントハイトモードで動作させたときの
光磁気ディスク基板表面のシェアフォース像を示す図面
に代わる写真である。
光磁気ディスク基板表面のシェアフォース像を示す図面
に代わる写真である。
【図10】図9の像の一断面におけるプロファイルを示
す図である。
す図である。
【図11】コンスタントディスタンスモードで動作させ
たときの光磁気ディスク基板表面のシェアフォース像を
示す図面に代わる写真である。
たときの光磁気ディスク基板表面のシェアフォース像を
示す図面に代わる写真である。
【図12】図11の像の一断面におけるプロファイルを
示す図である。
示す図である。
1 X−Y2軸ピエゾステージ 2 試料 3 金属プローブ 4 バイモルフ型ピエゾ素子 5 Z軸ピエゾステージ 6 コンピュータ 7 オシレータ 10 レーザダイオード 11,12 レンズ 13 2分割フォトディテクタ
Claims (5)
- 【請求項1】 試料の表面に生成されたエバネッセント
場に誘電体または金属からなる先端が尖鋭なプローブを
挿入し、前記エバネッセント場を伝搬光に変換して該伝
搬光を前記プローブまたは前記試料を走査しながら検出
し、前記試料の表面部における情報を観測できるニアフ
ィールド光学顕微装置において、 前記プローブの先端とは反対側に、当該プローブの先端
をプローブの軸と直交する方向に振動させるプローブ励
振手段を設けると共に、前記プローブの振動をモニタし
てプローブの軸方向の位置をフィードバック制御する制
御手段を設けたことを特徴とするニアフィールド光学顕
微装置。 - 【請求項2】 前記制御手段のフィードバック制御にお
ける入力信号は、前記プローブの振動における振幅の信
号である請求項1記載のニアフィールド光学顕微装置。 - 【請求項3】 前記制御手段のフィードバック制御にお
ける入力信号は、前記プローブの振動における励振基準
位相に対する位相差である請求項1記載のニアフィール
ド光学顕微装置。 - 【請求項4】 使用するプローブに応じて、前記プロー
ブ励振手段を当該プローブの共振周波数で振動させる、
請求項1または請求項2記載のニアフィールド光学顕微
装置。 - 【請求項5】 プローブの高さを一定に保持して前記試
料を2次元走査するコンスタントハイトモード及び/又
はプローブ振動の振幅が一定となるようにプローブの高
さをフィードバック制御してプローブと試料表面間の距
離を一定に保持しながら試料を2次元走査するコンスタ
ントディスタンスモードを具備する請求項1ないし請求
項4のいずれかに記載のニアフィールド光学顕微装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11836996A JPH09281122A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | ニアフィールド光学顕微装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11836996A JPH09281122A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | ニアフィールド光学顕微装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09281122A true JPH09281122A (ja) | 1997-10-31 |
Family
ID=14735006
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11836996A Pending JPH09281122A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | ニアフィールド光学顕微装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09281122A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100551116B1 (ko) * | 1998-11-25 | 2006-05-12 | 엘지전자 주식회사 | 근접장기록/재생장치 |
| CN109827526A (zh) * | 2019-03-13 | 2019-05-31 | 中国十七冶集团有限公司 | 一种基于摄影测量平面平整度检测方法及其数据处理流程 |
-
1996
- 1996-04-15 JP JP11836996A patent/JPH09281122A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100551116B1 (ko) * | 1998-11-25 | 2006-05-12 | 엘지전자 주식회사 | 근접장기록/재생장치 |
| CN109827526A (zh) * | 2019-03-13 | 2019-05-31 | 中国十七冶集团有限公司 | 一种基于摄影测量平面平整度检测方法及其数据处理流程 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20041224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |