JPH09283837A - 半導体分布帰還型レーザ装置 - Google Patents

半導体分布帰還型レーザ装置

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JPH09283837A
JPH09283837A JP8086172A JP8617296A JPH09283837A JP H09283837 A JPH09283837 A JP H09283837A JP 8086172 A JP8086172 A JP 8086172A JP 8617296 A JP8617296 A JP 8617296A JP H09283837 A JPH09283837 A JP H09283837A
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layer
well
laser device
distributed feedback
semiconductor distributed
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Application number
JP8086172A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kito
雅弘 鬼頭
Nobuyuki Otsuka
信之 大塚
Masato Ishino
正人 石野
Yasushi Matsui
康 松井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い温度範囲において単一波長発振可能な半
導体分布帰還型レーザ装置を提供する。 【解決手段】 半導体分布帰還型レーザ装置の多重量子
井戸活性層8においてInPと格子整合した厚さ6nmの第1の
InGaAsP井戸層A(λg =1.40μm)とInPと格子整合した厚
さ8nmの第2のInGaAsP井戸層B(λg =1.40μm)が5つづつ
層方向に交互に配置されており、第1の井戸層Aと第2の
井戸層Bの間にはInPと格子整合した厚さ10nmのInGaAsP
障壁層(λg =1.05μm)が配置されている。この様な構成
にすることにより、利得を有する従来よりも波長範囲幅
が広くなり、従来よりも広い温度範囲において単一波長
発振可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に光通信の光源に
適した半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体分布帰還型レーザは単一波長でレ
ーザ発振する特徴を有しており、高速応答性に優れ、低
雑音であるため、光通信の光源として広く用いられてい
る。通常このような半導体分布帰還型レーザでは特性の
安定を図るためにレーザの温度を一定に保つ必要があ
り、ペルチェクーラーなどの温度コントロールを行う素
子上にマウントされ、所定の温度で動作させている。し
かしながら、光通信システムの簡素化のために温度コン
トロールを行うことなくレーザを動作させる必要があ
る。従来の半導体分布帰還型レーザでは低しきい値電流
特性、高光出力特性及び高速変調特性が実現可能なこと
から、活性層に複数の量子井戸から形成される多重量子
井戸構造を用いている。
【0003】図12(a)に従来の半導体分布帰還型レー
ザの共振器方向の断面図を示す。n型InP基板101上に分
布帰還を生じさせる凹凸状の回折格子102が形成されて
おり、その上にn型InGaAsP導波路層103、多重量子井戸
活性層104、p型InGaAsP導波路層105、p型InPクラッド層
106が積層されている。この様な構成により層方向の実
効屈折率が共振器方向に周期的に変動し、実効屈折率と
回折格子102の周期から決定されるブラッグ波長のみで
レーザ発振する。また、多重量子井戸活性層は層厚及び
バンドギャップエネルギーが等しい井戸層107と層厚及
びバンドギャップエネルギーが等しい障壁層108から形
成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来例の半導体分布帰
還型レーザでは多重量子井戸活性層を構成する各井戸層
に形成される基底量子準位は全ての井戸層において同じ
エネルギーレベルであり、伝導帯側に形成される基底量
子準位と価電子帯側に形成される基底量子準位の間で光
の吸収及び再結合が生じ、利得を生じる。光の吸収及び
再結合に関与する電子及び正孔はエネルギー的に広がっ
て存在するため、利得は図12(b)の実線Aの様に波長に
対してピークを有する。実効屈折率と回折格子の周期か
ら決定されるブラッグ波長BR1は動作温度において利得
が存在する波長領域に設定される。更に通常は低しきい
値特性を実現するためにブラッグ波長は利得のピーク波
長近傍に設定される。
【0005】この様な構成においてレーザの周囲温度が
変化した場合、レーザを構成する化合物半導体材料のバ
ンド゛ギャップエネルギーが変化する。例えば、周囲温
度が室温から高くなった場合はバンド゛ギャップエネル
ギーは小さくなる。井戸層のバンド゛ギャップエネルギ
ーが小さくなった場合、利得のピーク波長は図12(b)
の破線Bに示す様に長波長側にシフトする。この変化率
は約0.5nm/℃である。
【0006】これに対して温度変化に対する実効屈折率
の変化量は非常に小さく、また、回折格子の周期は変化
しないため、図12(b)に示す様に温度変化に対するブ
ラッグ波長の変化量は0.1nm/℃と非常に小さい。このた
め、ブラッグ波長BR2における利得の非常に小さくな
り、ブラッグ波長ではレーザ発振せず、利得ピーク波長
近傍においてファブリーペローモードでレーザ発振して
しまう。周囲温度が室温から低くなった場合は利得のピ
ーク波長は短波長側にシフトし(破線C)、同様にブラ
ッグ波長(BR3)ではレーザ発振せず、利得ピーク波長
近傍においてファブリーペローモードでレーザ発振して
しまう。このため、従来例の半導体分布帰還型レーザで
はブラッグ波長で単一波長発振可能な温度範囲は0℃か
ら50℃と非常に狭いものであった。
【0007】本発明は以上の問題に鑑みてなされたもの
であって、従来よりも広い温度範囲において単一波長発
振可能な半導体分布帰還型レーザ装置を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題は図1から
図6に示す様に、半導体分布帰還型レーザ装置の多重量
子井戸活性層を少なくとも2つの異なる基底量子準位レ
ベルを有する量子井戸で形成し、広い波長範囲において
高い利得を生じさせることにより解決する。
【0009】本発明の原理を図10と図11を用いて説
明する。図10のエネルギーバンド図に示す様に、半導
体分布帰還型レーザ装置の多重量子井戸活性層の各井戸
層のバンドギャップエネルギーを全て同一として、各井
戸層が井戸層厚がLzA及びLzBである2種類の複数の井戸
層A51と井戸層B52に分ける。LzA及びLzBがLzA>LzBの関
係にある場合、井戸層A51の井戸の伝導帯にはEcA、荷電
子帯にはEvBの基底量子準位レベルが形成される。井戸
層B52の井戸にも同様に伝導帯にはEcA、荷電子帯にはEv
Bの基底量子準位レベルが形成される。井戸層A51の基底
量子準位レベル間のエネルギーはEgAであり、井戸層B52
の基底量子準位レベル間のエネルギーはEgBとなる。こ
の時、量子サイズ効果の違いにより、EgA<EgBの関係が
成立する。
【0010】この様な多重量子井戸活性層が発生する利
得の波長依存性である利得曲線は図11(b)の実線Cの様
になる。図11(a)の実線Aは複数の井戸層A51による利
得であり、図11(a)の実線Bは井戸層B52による利得で
あり、多重量子井戸活性層全体からの利得は実線Aと実
線Bを合わせた実線Cとなる。実線Cは複数の井戸層A51及
び複数の井戸層B52からの利得である実線Aと実線Bのそ
れぞれと比較して利得を有する波長範囲幅が広くなる。
また、ブラッグ波長BR1は実線Cの利得を有する波長範囲
の中央部分に設定する。
【0011】この様な構成とすることにより、例えば周
囲温度が高温側に変化して、図11(b)に示す様に利得
曲線が波長に対して長波長側にシフトして破線Dのよう
になった場合においてもブラッグ波長(BR2)での利得
は充分にあり、単一波長発振が可能となる。これは周囲
温度が低温側にシフトした場合においても同様である。
【0012】また、図1は多重量子井戸活性層の各井戸
層のバンドギャップエネルギーを全て同一として、各井
戸層が井戸層厚がLzA及びLzBである2種類の複数の井戸
層Aと井戸層Bに分けた場合であるが、井戸層厚について
は2種類以上であればよく、また、少なくとも2つの異
なる基底量子準位レベルを有する構造とするためには井
戸層厚のみではなく、井戸層のバンドギャップエネルギ
ーを2種類以上としてもよく、更に障壁層のバンドギャ
ップエネルギーを2種類以上としてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図9を用いて説明する。
【0014】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1の半導体分布帰還型レーザ装置を示す図である。図
1(a)は正面から見た図であり、図1(b)は破線A-Bにお
ける共振器方向の断面図である。本発明の半導体分布帰
還型レーザは発振波長が1.31μm近傍になるように設定
されている。本発明の半導体分布帰還型レーザは回折格
子2が形成されたn型InP基板1上にn型InGaAsP導波路層3
(厚さ150nm,λg=1.05μm)、多重量子井戸活性層4、p
型InGaAsP導波路層5(厚さ30nm,λg=1.05μm)がメサ状
に形成されており、また、これらの両側はp型InP電流ブ
ロック層6、n型InP電流ブロック層7で埋め込まれてお
り、その上部にはp型InPクラッド層8、p型InGaAsPコン
タクト層9(λg=1.3μm)が形成されている。n型InP基板1
の裏面にはAu/Sn電極10が形成され、p型InGaAsPコンタ
クト層9の上部にはストライプ状の窓を有するSiO2絶縁
膜11が形成されており、その上部に形成されたAu/Zn電
極12はSiO2絶縁膜11のストライプ状の窓を通してp型InG
aAsPコンタクト層9に接触している。また、Au/Zn電極12
上にはTi/Au電極13が形成されている。
【0015】多重量子井戸活性層4にはInPと格子整合し
た厚さ6nmの第1のInGaAsP井戸層A14(λg=1.40μm)とInP
と格子整合した厚さ8nmの第2のInGaAsP井戸層B15(λg=
1.40μm)が5つづつ層方向に交互に配置されており、第
1の井戸層Aと第2の井戸層Bの間にはInPと格子整合した
厚さ10nmのInGaAsP障壁層16(λg=1.05μm)が配置されて
いる。
【0016】本実施の形態1のエネルギーバンド図は図
1(c)の様になり、伝導帯側(Ec)では井戸層A14にはEc
A、井戸層B15にはEcBの基底量子準位レベルが形成さ
れ、価電子帯側(Ev)では井戸層A14にはEvA、井戸層B15
にはEvBの基底量子準位レベルが形成され、(EcA-EvA)>
(EcB-EvB)の関係になっている。
【0017】InGaAsP障壁層16の組成波長を1.05μm、In
GaAsP井戸層14及びInGaAsP井戸層15の組成波長を1.40μ
mとした時、室温における井戸層厚と井戸層に形成され
る基底量子準位レベル間のエネルギー波長(λgw)の関係
は図7の様になり、井戸層厚が6nmの時はλgw=1.308μ
m、井戸層厚が8nmの時はλgw=1.333μmとなる。回折格
子から決定されるブラッグ波長を1.308μmと1.333μmの
中心付近の波長に設定することにより従来よりも広い温
度範囲において単一波長発振可能となる。
【0018】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2の半導体分布帰還型レーザ装置を示す図である。図
2(a)は正面から見た図であり、図2(b)は破線A-Bにお
ける共振器方向の断面図である。本発明の半導体分布帰
還型レーザは発振波長が1.31μm近傍になるように設定
されている。
【0019】実施の形態1と異なる点は多重量子井戸活
性層4の構成である。多重量子井戸活性層4を構成するIn
GaAsP井戸層は全てInPと格子整合しており、井戸層厚は
6nmである。多重量子井戸活性層4には組成波長λgが1.4
0μmの第1のInGaAsP井戸層A17と組成波長λgが1.43μm
の第2のInGaAsP井戸層B18が5つづつ層方向に交互に配置
されており、第1の井戸層A14と第2の井戸層B15の間に
はInPと格子整合した厚さ10nmのInGaAsP障壁層19(λg=
1.05μm)が配置されている。
【0020】本実施の形態2のエネルギーバンド図は図
2(c)の様になり、伝導帯側(Ec)では井戸層A17にはEc
A、井戸層B18にはEcBの基底量子準位レベルが形成さ
れ、価電子帯側(Ev)では井戸層A17にはEvA、井戸層B18
にはEvBの基底量子準位レベルが形成され、(EcA-EvA)>
(EcB-EvB)の関係になっている。
【0021】InGaAsP障壁層19の組成波長を1.05μm、In
GaAsP井戸層の井戸層厚を6nmとした時、室温における井
戸層の組成波長と井戸層に形成される基底量子準位レベ
ル間のエネルギー波長(λgw)の関係は図8の様になり、
井戸層の組成波長が1.40μmの時はλgw=1.308μm、井戸
層の組成波長が1.43μの時はλgw=1.333μmとなる。回
折格子から決定されるブラッグ波長を1.308μmと1.333
μmの中心付近の波長に設定することにより従来よりも
広い温度範囲において単一波長発振可能となる。
【0022】(実施の形態3)図3は本発明の実施の形
態2の半導体分布帰還型レーザ装置を示す図である。図
3(a)は正面から見た図であり、図3(b)は破線A-Bにお
ける共振器方向の断面図である。本発明の半導体分布帰
還型レーザは発振波長が1.31μm近傍になるように設定
されている。
【0023】実施の形態1と異なる点は多重量子井戸活
性層4の構成である。多重量子井戸活性層4を構成するIn
GaAsP井戸層20は全てInPと格子整合しており、井戸層厚
は6nmであり、組成波長λgは1.40μmである。n型InGaAs
P障壁層3側から3つの井戸層に隣接してInPと格子整合
した厚さ10nmの第1のInGaAsP障壁層A21(λg=1.05μm)
が、p型InGaAsP障壁層5側から2つの井戸層に隣接して
第1のInGaAsP障壁層A21(λg=1.05μm)が配置されてお
り、他に井戸層に隣接してInPと格子整合した厚さ10nm
の第2のInGaAsP障壁層B22(λg=1.14μm)が配置されて
いる。
【0024】本実施の形態3のエネルギーバンド図は図
3(c)の様になり、伝導帯側(Ec)では障壁層A21の間の井
戸層AにはEcA、障壁層B22の間の井戸層BにはEcBの基底
量子準位レベルが形成され、価電子帯側(Ev)では井戸層
AにはEvA、井戸層BにはEvBの基底量子準位レベルが形成
され、(EcA-EvA)>(EcB-EvB)の関係になっている。
【0025】InGaAsP井戸層の井戸層厚を6nm、組成波長
を1.40μmとした時、室温におけるInGaAsP障壁層の組成
波長と井戸層に形成される基底量子準位レベル間のエネ
ルギー波長(λgw)の関係は図9の様になり、障壁層の組
成波長が1.05μmの時はλgw=1.308μm、障壁層の組成波
長が1.14μmの時はλgw=1.321μmとなる。回折格子から
決定されるブラッグ波長を1.308μmと1.321μmの中心付
近の波長に設定することにより従来よりも広い温度範囲
において単一波長発振可能となる。
【0026】(実施の形態4)図4は本発明の実施の形
態4の半導体分布帰還型レーザ装置を示す図である。図
4(a)は正面から見た図であり、図4(b)は破線A-Bにお
ける共振器方向の断面図である。本発明の半導体分布帰
還型レーザは発振波長が1.31μm近傍になるように設定
されている。
【0027】実施の形態1と異なる点は多重量子井戸活
性層4の構成である。多重量子井戸活性層4にはp型InGaA
sP導波路層3側にInPと格子整合した5つの厚さ6nmの第1
のInGaAsP井戸層A23(λg=1.40μm)とn型InGaAsP導波路
層側にInPと格子整合した5つの厚さ8nmの第2のInGaAsP
井戸層B24(λg=1.40μm)が配置されており、各井戸層の
間にはInPと格子整合した厚さ10nmのInGaAsP障壁層25
(λg=1.05μm)が配置されている。
【0028】本実施の形態4のエネルギーバンド図は図
4(c)の様になり、伝導帯側(Ec)では井戸層A23にはEc
A、井戸層B24にはEcBの基底量子準位レベルが形成さ
れ、価電子帯側(Ev)では井戸層A23にはEvA、井戸層B24
にはEvBの基底量子準位レベルが形成され、(EcA-EvA)>
(EcB-EvB)の関係になっている。
【0029】InGaAsP障壁層の組成波長を1.05μm、InGa
AsP井戸層の組成波長を1.40μmとした時、室温における
井戸層厚と井戸層に形成される基底量子準位レベル間の
エネルギー波長(λgw)の関係は図7の様になり、井戸層
厚が6nmの時はλgw=1.308μm、井戸層厚が8nmの時はλg
w=1.333μmとなる。回折格子から決定されるブラッグ波
長を1.308μmと1.333μmの中心付近の波長に設定するこ
とにより従来よりも広い温度範囲において単一波長発振
可能となる。
【0030】更に、本実施の形態4の特徴としては、p
型InGaAsP導波路層5側で価電子帯側における障壁層と基
底量子準位レベルEvA間のエネルギーDEvAがn型InGaAsP
導波路層3側で価電子帯側における障壁層と基底量子準
位レベルEvB間のエネルギーDEvBよりも小さくなってお
り、実施の形態1の構成と比較してp型InPクラッド層側
から供給される正孔がn型InGaAsP導波路層3側の井戸層
まで、充分に供給されるようになっている。これによ
り、全ての井戸層に正孔が均一に注入され、高速応答性
などのレーザ特性が向上する。
【0031】(実施の形態5)図5は本発明の実施の形
態5の半導体分布帰還型レーザ装置を示す図である。図
5(a)は正面から見た図であり、図5(b)は破線A-Bにお
ける共振器方向の断面図である。本発明の半導体分布帰
還型レーザは発振波長が1.31μm近傍になるように設定
されている。
【0032】実施の形態1と異なる点は多重量子井戸活
性層4の構成である。多重量子井戸活性層4を構成するIn
GaAsP井戸層26及びInGaAsP井戸層27は全てInPと格子整
合しており、井戸層厚は6nmである。多重量子井戸活性
層4にはp型InGaAsP導波路層5側に組成波長λgが1.40μm
の5つの第1のInGaAsP井戸層26とn型InGaAsP導波路層3
側に組成波長λgが1.43μmの5つの第2のInGaAsP井戸層
27が配置されており、第1の井戸層と第2の井戸層の間
にはInPと格子整合した厚さ10nmのInGaAsP障壁層28(λg
=1.05μm)が配置されている。
【0033】本実施の形態5のエネルギーバンド図は図
5(c)の様になり、伝導帯側(Ec)では井戸層A26にはEc
A、井戸層B27にはEcBの基底量子準位レベルが形成さ
れ、価電子帯側(Ev)では井戸層A26にはEvA、井戸層B27
にはEvBの基底量子準位レベルが形成され、(EcA-EvA)>
(EcB-EvB)の関係になっている。
【0034】InGaAsP障壁層の組成波長を1.05μm、InGa
AsP井戸層の井戸層厚を6nmとした時、室温における井戸
層の組成波長と井戸層に形成される基底量子準位レベル
間のエネルギー波長(λgw)の関係は図8の様になり、井
戸層の組成波長が1.40μmの時はλgw=1.308μm、井戸層
の組成波長が1.43μの時はλgw=1.333μmとなる。回折
格子から決定されるブラッグ波長を1.308μmと1.333μm
の中心付近の波長に設定することにより従来よりも広い
温度範囲において単一波長発振可能となる。
【0035】更に、本実施の形態5の特徴としては、p
型InGaAsP導波路層5側で価電子帯側における障壁層と基
底量子準位レベルEvA間のエネルギーDEvAがn型InGaAsP
導波路層3側で価電子帯側における障壁層と基底量子準
位レベルEvB間のエネルギーDEvBよりも小さくなってお
り、実施の形態2の構成と比較してp型InPクラッド層側
から供給される正孔がn型InGaAsP導波路層3側の井戸層
まで、充分に供給されるようになっている。これによ
り、全ての井戸層に正孔が均一に注入され、高速応答性
などのレーザ特性が向上する。
【0036】(実施の形態6)図6は本発明の実施の形
態6の半導体分布帰還型レーザ装置を示す図である。図
6(a)は正面から見た図であり、図6(b)は破線A-Bにお
ける共振器方向の断面図である。本発明の半導体分布帰
還型レーザは発振波長が1.31μm近傍になるように設定
されている。
【0037】実施の形態1と異なる点は多重量子井戸活
性層4の構成である。多重量子井戸活性層4を構成するIn
GaAsP井戸層29は全てInPと格子整合しており、井戸層厚
は6nmであり、組成波長λgは1.40μmである。n型InGaAs
P導波路層3側にの井戸層と井戸層の間にはInPと格子整
合した厚さ10nmの5つの第1のInGaAsP障壁層A30(λg=
1.05μm)が、p型InGaAsP導波路層5側にはInPと格子整合
した厚さ10nmの5つの第2のInGaAsP障壁層B31(λg=1.1
4μm)が配置されている。
【0038】本実施の形態6のエネルギーバンド図は図
6(c)の様になり、伝導帯側(Ec)では障壁層A30の間の井
戸層AにはEcA、障壁層B31の間の井戸層BにはEcBの基底
量子準位レベルが形成され、価電子帯側(Ev)では井戸層
AにはEvA、井戸層BにはEvBの基底量子準位レベルが形成
され、(EcA-EvA)>(EcB-EvB)の関係になっている。
【0039】InGaAsP井戸層の井戸層厚を6nm、組成波長
を1.40μmとした時、室温におけるInGaAsP障壁層の組成
波長と井戸層に形成される基底量子準位レベル間のエネ
ルギー波長(λgw)の関係は図9の様になり、障壁層の組
成波長が1.05μmの時はλgw=1.308μm、障壁層の組成波
長が1.14μmの時はλgw=1.321μmとなる。回折格子から
決定されるブラッグ波長を1.308μmと1.321μmの中心付
近の波長に設定することにより従来よりも広い温度範囲
において単一波長発振可能となる。
【0040】更に、本実施の形態6の特徴としては、p
型InGaAsP導波路層5側で価電子帯側における障壁層と基
底量子準位レベルEvB間のエネルギーDEvBがn型InGaAsP
導波路層3側で価電子帯側における障壁層と基底量子準
位レベルEvA間のエネルギーDEvAよりも小さくなってお
り、実施の形態3の構成と比較してp型InPクラッド層側
から供給される正孔がn型InGaAsP導波路層3側の井戸層
まで、充分に供給されるようになっている。これによ
り、全ての井戸層に正孔が均一に注入され、高速応答性
などのレーザ特性が向上する。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体分布帰還
型レーザ装置では、従来よりも、広い温度範囲におい
て、単一波長発振が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を説明する図
【図2】本発明の実施の形態2を説明する図
【図3】本発明の実施の形態3を説明する図
【図4】本発明の実施の形態4を説明する図
【図5】本発明の実施の形態5を説明する図
【図6】本発明の実施の形態5を説明する図
【図7】井戸層厚と井戸層に形成される基底量子準位レ
ベル間のエネルギー波長の関係を説明する図
【図8】井戸層の組成波長と井戸層に形成される基底量
子準位レベル間のエネルギー波長の関係を説明する図
【図9】障壁層の組成波長と井戸層に形成される基底量
子準位レベル間のエネルギー波長の関係を説明する図
【図10】本発明の構成を説明する図
【図11】本発明の効果を説明する図
【図12】従来例を説明する図
【符号の説明】
1 n型InP基板 2 回折格子 3 n型InGaAsP導波路層 4 多重量子井戸活性層 5 p型InGaAsP導波路層 6 p型InP電流ブロック層 7 n型InP電流ブロック層 8 p型InPクラッド層 9 p型InGaAsPコンタクト層 10 Au/Sn電極 11 SiO2絶縁膜 12 Au/Zn電極 13 Ti/Au電極 14 第1のInGaAsP井戸層A(厚さ6nm、λg =1.40μm) 15 第2のInGaAsP井戸層B(厚さ8nm、λg =1.40μm) 16 InGaAsP障壁層(厚さ10nm、λg =1.05μm) 17 第1のInGaAsP井戸層A(厚さ6nm、λg =1.40μm) 18 第2のInGaAsP井戸層B(厚さ6nm、λg =1.43μm) 19 InGaAsP障壁層(厚さ10nm、λg =1.05μm) 20 InGaAsP井戸層(厚さ6nm、λg =1.40μm) 21 第1のInGaAsP障壁層A(厚さ10nm、λg =1.05μm) 22 第2のInGaAsP障壁層B(厚さ10nm、λg =1.14μm) 23 第1のInGaAsP井戸層A(厚さ6nm、λg =1.40μm) 24 第2のInGaAsP井戸層B(厚さ8nm、λg =1.40μm) 25 InGaAsP障壁層(厚さ10nm、λg =1.05μm) 26 第1のInGaAsP井戸層A(厚さ6nm、λg =1.40μm) 27 第2のInGaAsP井戸層B(厚さ6nm、λg =1.43μm) 28 InGaAsP障壁層(厚さ10nm、λg =1.05μm) 29 InGaAsP井戸層(厚さ6nm、λg =1.40μm) 30 第1のInGaAsP障壁層A(厚さ10nm、λg =1.05μm) 31 第2のInGaAsP障壁層B(厚さ10nm、λg =1.14μm) 51 井戸層厚がLzAの井戸層A 52 井戸層厚がLzBの井戸層B 101 n型InP基板 102 回折格子 103 n型InGaAsP導波路層 104 多重量子井戸活性層 105 p型InGaAsP導波路層 106 p型InPクラッド層 107 井戸層 108 障壁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松井 康 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に形成された多層構造と
    を備え、レーザ光を放射する半導体レーザであって、 周期的に屈折率もしくは利得を共振器方向に周期的に変
    化させる回折格子を備え、該多層構造は少なくとも多重
    量子井戸構造からなる活性層を含んでおり、該活性層は
    少なくとも2つの異なる基底量子準位レベルを有する量
    子井戸から形成されており、広い波長範囲において高い
    利得を有し、該回折格子により決定されるブラッグ波長
    が該波長範囲内に設定されており、周囲温度が変化して
    もブラッグ波長で発振可能なことを特徴とする半導体分
    布帰還型レーザ装置。
  2. 【請求項2】前記活性層を形成する多重量子井戸構造が
    少なくとも2種類の異なる井戸層厚を有していることを
    特徴とする請求項1に記載の半導体分布帰還型レーザ装
    置。
  3. 【請求項3】前記活性層を形成する多重量子井戸構造を
    構成する各井戸層のバンドギャップエネルギーが全て等
    しことを特徴とする請求項2に記載の半導体分布帰還型
    レーザ装置。
  4. 【請求項4】前記活性層を形成する多重量子井戸構造が
    少なくとも2種類の異なるバンドギャップエネルギーを
    有する井戸層により構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の半導体分布帰還型レーザ装置。
  5. 【請求項5】前記活性層を形成する多重量子井戸構造を
    構成する各井戸層の井戸層厚が全て等しいことを特徴と
    する請求項4に記載の半導体分布帰還型レーザ装置。
  6. 【請求項6】前記活性層を形成する多重量子井戸を構成
    する各井戸層に隣接する障壁層が少なくとも2種類の異
    なるバンドギャップエネルギーを有していることを特徴
    とする請求項1に記載の半導体分布帰還型レーザ装置。
  7. 【請求項7】前記活性層を形成する多重量子井戸を構成
    する各井戸層の井戸層厚及びバンドギャップエネルギー
    が全て等しいこと特徴とする請求項6に記載の半導体分
    布帰還型レーザ装置。
  8. 【請求項8】前記活性層を形成する多重量子井戸構造が
    少なくとも2つ以上の領域で形成されていおり、各領域
    に含まれる井戸層の層厚が全て等しく、領域ごとに井戸
    層のバンドギャップエネルギーが異なり、p側電極側に
    井戸層のバンドギャップエネルギーが最も大きな領域が
    存在し、n側電極側に井戸層のバンドギャップエネルギ
    ーが最も小さい領域が存在し、正孔の各井戸層への注入
    効率を向上させることを特徴とする請求項4または5に
    記載の半導体分布帰還型レーザ装置。
  9. 【請求項9】前記活性層を形成する多重量子井戸構造が
    少なくとも2つ以上の領域で形成されていおり、各領域
    に含まれる井戸層のバンドギャップエネルギーが全て等
    しく、領域ごとに井戸層の層厚が異なり、p側電極側に
    井戸層の層厚が最も厚い領域が存在し、n側電極側に井
    戸層の層厚が最も薄い領域が存在し、正孔の各井戸層へ
    の注入効率を向上させることを特徴とする請求項2また
    は3に記載の半導体分布帰還型レーザ装置。
  10. 【請求項10】前記活性層を形成する多重量子井戸構造
    が少なくとも2つ以上の領域で形成されていおり、各領
    域に含まれる井戸層のバンドギャップエネルギー及び層
    厚が全て等しく、領域ごとに障壁層のバンドギャップエ
    ネルギーが異なり、p側電極側に障壁層のバンドギャッ
    プエネルギーが最も小さい領域が存在し、n側電極側に
    障壁層のバンドギャップエネルギーが最も大きい領域が
    存在し、正孔の各井戸層への注入効率を向上させること
    を特徴とする請求項6または7に記載の半導体分布帰還
    型レーザ装置。
  11. 【請求項11】室温において前記活性層によって生じる
    利得が存在する波長範囲の中央付近に前記ブラッグ波長
    が設定されていることを特徴とする請求項1〜10のい
    ずれかに記載の半導体分布帰還型レーザ装置。
  12. 【請求項12】前記井戸層の+0.5%から+1.5%の圧縮歪が
    導入されていることを特徴とする請求項1〜11のいず
    れかに記載の半導体分布帰還型レーザ装置。
  13. 【請求項13】前記化合物半導体基板がInPであり、前
    記多重量子井戸構造の障壁層がInGaAsPであり、井戸層
    がInGaAsP もしくはInGaAsもしくはInAsPであることを
    特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の半導体分
    布帰還型レーザ装置。
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