JPH09286941A - インクジェット記録用インクおよび記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インクおよび記録方法

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JPH09286941A
JPH09286941A JP3912997A JP3912997A JPH09286941A JP H09286941 A JPH09286941 A JP H09286941A JP 3912997 A JP3912997 A JP 3912997A JP 3912997 A JP3912997 A JP 3912997A JP H09286941 A JPH09286941 A JP H09286941A
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田 和 英 窪
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辺 和 昭 渡
Kiyohiko Takemoto
本 清 彦 竹
Toshiyuki Miyabayashi
林 利 行 宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 願料系インク組成物において、耐擦性および
色ムラに優れた印刷物が得られ、さらに安定が印字が可
能となるインクジェット記録用インク組成物の提供。 【解決手段】 顔料と無機酸化物コロイドとを組み合わ
せて含有してなるインク組成物を用いてインクジェット
記録を行う。また、フッ素系高分子を含んでなるメッキ
層(104)による撥水処理が行われたノズルプレート
(101)を備えた記録ヘッドを用いることで、飛行曲
がりの少ない印字が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法に用いられるインク
組成物に関する。
【0002】背景技術 インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔
させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法
である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高
品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有す
る。通常インクジェット記録に使用されるインク組成物
は、水を主成分とし、これに着色剤および目詰まり防止
等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般
的である。
【0003】着色剤としては一般に染料と顔料とが用い
られている。染料は水溶性が良好であることから広く利
用されている。しかしながら、染料の良好な水溶性は、
印刷物の耐水性を劣るものとする。一方、顔料は本質的
に非水溶性であることから、耐水性に優れた印刷物を実
現できるが、インク組成物中に安定に分散させることが
必要となる。また、印刷物の耐擦性が染料よりも劣るこ
とがある。またさらに、顔料を着色剤として含むインク
組成物によって得られた印刷物には、印刷ムラが生じる
ことがある。印刷ムラとは、紙上での着色成分の偏りか
らくる印刷物の色濃度の乱れである。印刷ムラは、通常
サイズの文字では大きな問題とはならないが、図形やグ
ラフ等を印刷しなければならない様な用途にあっては、
重要な問題となってくる。
【0004】
【発明の概要】本発明者等は、今般、顔料と無機酸化物
コロイドとを組み合わせて含む顔料系インク組成物をイ
ンクジェット記録方法によって印字することで良好な画
像が実現できるとの知見を得た。さらに、特定の撥水処
理がなされたノズルプレートを備えた記録ヘッドとの組
み合わせにより、より良好な画像を実現できるとの知見
を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0005】従って、本発明は、良好な画像が実現でき
るインクジェット記録用インク組成物の提供をその目的
としている。
【0006】さらに本発明は、良好な画像が実現できる
インクジェット記録方法の提供をその目的としている。
【0007】そして、本発明によるインクジェット記録
用インク組成物は、顔料、無機酸化物コロイド、および
水性溶媒を少なくとも含有してなるものである。
【0008】また、本発明によるインクジェット記録方
法は、インク組成物の液滴を記録ヘッドから吐出し、該
液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット
記録方法であって、インク組成物として上記本発明によ
るインク組成物を用いるものである。
【0009】
【発明の具体的説明】インク組成物 本発明において用いられるインク組成物は、顔料、無機
酸化物コロイド、および水性溶媒を少なくとも含有して
なるものである。
【0010】本発明によるインク組成物によれば、耐擦
性および色ムラに優れた印刷物が得られる。また本発明
の好ましい態様によれば、意外なことに、後記するフッ
素系高分子を含むメッキ層を有するノズルプレートを備
えた記録ヘッドと組み合わせることで、安定な印字が可
能となる。より具体的には、インク滴の飛行曲がりを極
めて低いレベルに抑制することができ、その結果安定な
印字が可能となるとの利点が得られる。
【0011】無機酸化物コロイド 本発明において用いられる無機酸化物コロイド(無機酸
化物ゾルとも言う)は、分散媒が水または水と良好に混
合する有機溶媒からなり、分散質が無機酸化物の超微粒
子からなるコロイド溶液を意味する。無機酸化物として
は、高分子量の無水珪酸(SiO2)やアルミナ(Al2
3)等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。無機酸化物の超微粒子の粒径は1〜100nm程
度が一般的であり、好ましくは1〜20nmの範囲であ
り、より好ましくは1〜10nmの範囲である。また、
無機酸化物コロイドの分散媒は、水または水と良好な相
溶性を有する有機溶媒例えばメタノール、エタノ−ル、
イソプロピルアルコール、n−プロパノール等との混合
溶媒が一般的である。無機酸化物コロイドは、上記の無
機酸化物の超微粒子を水中または、上記の有機溶媒中に
分散することによって得られる。上記の無機酸化物の超
微粒子を水中に分散させたものは水性ゾル、有機溶媒に
分散させたものをオルガノゾルと呼ばれる。
【0012】このような無機酸化物コロイドとしては、
市販のものを利用することも可能である。その具体例と
しては、高分子量の無水珪酸の超微粒子を水中に分散さ
せたスノーテックス S、スノーテックス N、スノー
テックス C、スノーテックス SS、スノーテックス
XS、スノーテックス 20、スノーテックス 3
0、スノーテックス 40(以上 日産化学製)、Ca
taloid SI−350、Cataloid SI
−500、Cataloid SI−30、Catal
oid S−20L、Cataloid S−20H、
CataloidS−30L、Cataloid S−
30H、Cataloid SI−40(以上 デュポ
ン社製)等が挙げられる。アルミナの超微粒子を水中に
分散させアルミナゾル 100、アルミナゾル 20
0、アルミナゾル 520(以上日産化学製)等が挙げ
られる。高分子量の無水珪酸の超微粒子を有機溶媒中に
分散させたOSCAL−1432(イソプロピルアルコ
ールゾル;触媒化成工業製)も利用が可能である。上記
の市販の無機酸化物コロイド溶液のpHは、酸性または
アルカリ性に調整されているものが多い。これは、無機
酸化物コロイドの安定分散領域が酸性側かアルカリ性側
に存在するためであり、市販の無機酸化物コロイド溶液
をインク中に添加する場合は無機酸化物コロイドの安定
分散領域のpHとインクのpHとを考慮して添加する必
要がある。
【0013】無機酸化物コロイドの添加量は、適宜決定
されてよいが、例えばインク組成物の0.1〜15重量
%程度が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0重量
%程度の範囲である。また、複数の無機酸化物コロイド
を添加してもよい。
【0014】顔料 本発明において用いられるインク組成物に含まれる着色
剤は、顔料である。無機顔料、有機顔料のいずれも使用
することが可能である。無機顔料としては、酸化チタン
および酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サ
ーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボン
ブラックを使用することができる。また、有機顔料とし
ては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料
(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノ
ン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオ
キサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔
料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、
塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニ
トロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用
できる。
【0015】本発明の好ましい態様によれば、これらの
顔料は、分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料
分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好まし
い分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用され
ている分散剤、例えば高分子分散剤、界面活性剤を使用
することができる。
【0016】インク組成物への顔料の添加量は、0.1
〜15重量%程度が好ましく、より好ましくは2〜15
重量%程度である。
【0017】水性溶媒 本発明によるインク組成物の基本溶媒である水性溶媒と
は、水性有機溶媒と、水とからなる。
【0018】水性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶
剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エタ
ノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルア
ルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、te
rt−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノ
ールなどがあげられる。特に一価アルコールが好まし
い。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効
果がある。
【0019】また、本発明の好ましい態様によれば、水
性溶媒はさらに高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んで
なることが好ましい。高沸点有機溶媒剤の好ましい例と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チ
オグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多
価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエー
テル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価ア
ルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリド
ン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあ
げられる。
【0020】これら湿潤剤の添加量は、インクの0.5
〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量
%の範囲である。また、低沸点有機溶剤の添加量はイン
クの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは
1.5〜6重量%の範囲である。
【0021】また、本発明に用いられるインク組成物は
分散剤および界面活性剤を含むことができる。界面活性
剤の例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界
面活性剤、両性界面活性剤等の各種界面活性剤、メタノ
ール、エタノール、iso−プロピルアルコール等のア
ルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテ
ル等の多価アルコールの低級アルキルエーテルなどがあ
げられる。
【0022】本発明に用いられるインク組成物は、その
他、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等が
添加されてもよい。例えば、pH調整剤としては、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン
があげられる。
【0023】 本発明の好ましい態様によれば、本発明において用いら
れるインク組成物は、糖を含有してなるのが好ましい。
この糖の添加によって、色濃度をさらに改善し、にじ
み、および印刷ムラを極めて少なくすることができる。
さらに、カラー画像においてはカラーブリードをより高
い次元で防止できる。糖類の具体例としては、単糖類、
二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)およ
び多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノー
ス、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノー
ス、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビ
ット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロ
ース、トレハロース、マルトトリオース、などがあげら
れる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン
酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に
広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0024】また、これらの糖類の誘導体としては、前
記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式H
OCH2(CHOH)n CH2OH(ここで、n=2〜5
の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルド
ン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあげら
れる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマ
ルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0025】これら糖類の含有量は、インク組成物の
0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の
範囲が適当である。
【0026】エポキシ基含有化合物 本発明の好ましい態様によれば、本発明において用いら
れるインク組成物は、エポキシ基含有化合物を含んでな
るのが好ましい。エポキシ基含有化合物の添加によって
特に印刷物の耐擦性を向上させることができる。本発明
において、エポキシ基含有化合物とは、少なくとも二個
以上のエポキシ基を分子構造中に有するものであり、エ
ポキシ基が関与した架橋反応を生じ、樹脂化(すなわち
高分子量化)するものを意味するものとする。このエポ
キシ基含有化合物の添加によって、印刷画像に良好な耐
擦性、耐水性を付与することができる。
【0027】本発明において用いられるエポキシ基含有
化合物としては、エポキシ基を有し、エポキシ基と反応
可能な官能基を更に有する化合物が挙げられる。
【0028】ここで、エポキシ基と反応可能な官能基と
は、エポキシ基と反応し、その架橋反応を生じさせるも
のを意味し、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホ
ン酸基、などが挙げられる。
【0029】なお、インク組成物中においてこのエポキ
シ基と反応可能な官能基を有するエポキシ基含有化合物
同士が反応してしまうことが好ましくないことは明らか
であるから、そのようなエポキシ基含有化合物の利用は
避けるのが好ましい。
【0030】本発明において好ましく用いられるエポキ
シ基含有化合物としては、エポキシ基含有樹脂エマルジ
ョンがあげられる。
【0031】本発明の好ましい態様によれば、エポキシ
基含有樹脂エマルジョンとして、連続相が水であり、分
散相が下記の式(I)および(II):
【0032】
【化2】 (式中、R1およびR3は独立してHまたはCH3を表
し、R2はその構造中にアルキル基(好ましくはC1
21アルキル)、水酸基、カルボキシル基およびスルホン
酸基から選ばれる一種以上の基を含んでなる基を表わ
す)で表わされる繰返し単位を含んでなる共重合体を含
んでなる、エポキシ基含有アクリル系樹脂エマルジョン
があげられる。この樹脂は、共重合の態様によっては制
限されず、例えばブロックコポリマ、ランダムコポリマ
などであることができる。
【0033】また、このような共重合体の末端は、この
共重合体が高分子ゆえその性質に本質的な影響を与える
ものではないが、一般的には重合開始剤の切片が結合し
たものとなろう。このような重合開始剤の切片として
は、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの
重合開始剤の切片、具体的には−OSO3Hなどがあげ
られる。
【0034】R2の好ましい例としては、−OH、−C
OOH、−COO−R(ここで、Rは直鎖または分岐鎖
状のアルキル基、好ましくはC1-12のアルキル基を表
し、更にこのアルキル基上の一以上の水素原子は水酸
基、ホスホノ基、またはスルホン酸基で置換されていて
もよい)、スルホン酸基で置換されたアリール基(例え
ば、フェニル基、トリル基)が挙げられる。R2として
表わされる基の具体例としては、−OH、−COOH、
−COOCH2CH2OH、−COOCH2CH(CH3
OH、−COOCH2CH2PO(OH)2、−C65
3H、−COOCH2CH2SO3H、−COOCH3
−COOC25、−COOC49、−COOC613
−COO(CH211CH、−COOCH2CH(C
3)CH2C(CH33等が挙げられる。ここで、R2
に含まれることのある水酸基、カルボキシル基、または
スルホン酸基はエポキシ基と反応可能な官能基である。
【0035】また、この樹脂エマルジョンとして市販の
ものを用いることも可能であり、その例としてはアルマ
テックスZ116(三井東圧化学株式会社製)、ニュー
コートS−2170およびS−1080(新中村化学工
業株式会社製)、バナテックス#952およびHG−9
(新中村化学工業株式会社製)、Piestex B−
3(新中村化学工業株式会社製)があげられる。
【0036】本発明によるインク組成物におけるエポキ
シ基含有化合物の含有量は、インク組成物の1〜10重
量%程度が好ましく、より好ましくは1〜5重量%の範
囲である。
【0037】なお、本発明において用いられるインク組
成物は、好ましくは後記するような樹脂エマルジョンを
含んでなるが、前記したエポキシ基含有化合物がエポキ
シ基含有樹脂エマルジョンである場合、このエポキシ基
含有化合物はこの樹脂エマルジョンの作用をも兼ねるも
のであり、更に別の成分の樹脂エマルジョンを含まなく
ともよい。しかし、本発明の好ましい態様によれば、エ
ポキシ基含有樹脂エマルジョンに加え、更に樹脂エマル
ジョンが添加されるのが好ましい。
【0038】樹脂エマルジョン また、本発明の好ましい態様によれば、本発明において
用いられるインク組成物は樹脂エマルジョンを含んでな
るのが好ましい。樹脂エマルジョンの添加によって特に
印刷物の耐擦性を向上させることができる。好ましく用
いられる樹脂エマルジョンは、連続相が水であり、分散
相の樹脂成分がエポキシ基を含まないものである。な
お、前記したように、エポキシ基含有化合物がエポキシ
基含有樹脂エマルジョンである場合、この樹脂エマルジ
ョンの添加は必須ではない。このような樹脂成分として
は、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブ
タジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレ
ン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などがあ
げられる。
【0039】また、市販の樹脂エマルジョンとしては、
例えばマイクロジェルE−1002、E−5002(ス
チレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株
式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマ
ルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)ボンコー
ト5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、
大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014
(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン
株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系
樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、などが
あげられる。
【0040】本発明の好ましい態様によれば、これらの
樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であ
るのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエ
マルジョンを形成する限り特に限定されないが、150
nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100n
m程度である。
【0041】これらの樹脂エマルジョンは、重合反応に
よって得られた重合物に、界面活性剤と水を加えて乳化
する、あるいは、モノマーを界面活性剤存在下の水中で
乳化重合することによって得ることができる。例えば、
アクリル系樹脂エマルジョンまたはスチレン−アクリル
系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル
またはスチレンと(メタ)アクリル酸エステルとを界面
活性剤等の乳化剤の存在下で乳化重合することによって
得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割
合は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。
界面活性剤の使用量が前記範囲にあることでより良好な
インクの耐水性、浸透性が得られる。界面活性剤は特に
限定されないが、好ましい例としてはアニオン性界面活
性剤(例えばアルキルサルフェート、アルキルアリルス
ルホネート、ジアルキル サクシネート、アルキルナフ
タレンスルホネートなど)、HLB10以上の非イオン
性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルな
ど)があげられ、これらを単独または二種以上混合して
用いることができる。
【0042】また、分散相成分としての樹脂と水との割
合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量
部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。
【0043】本発明に使用するインク組成物は、樹脂エ
マルジョンを、その樹脂成分がインク組成物の0.1〜
40重量%となるよう含有するのが好ましく、より好ま
しくは1〜25重量%の範囲である。
【0044】インクジェット記録方法および記録装置 本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組
成物は、フッ素系高分子を含んだメッキ層をその表面に
有するノズルプレートを備えた記録ヘッドを用いたイン
クジェット記録方法に好ましく用いられる。上記インク
組成物とこのような記録ヘッドを組み合わせることで、
インク滴の飛行曲がりを極めて低いレベルに抑制するこ
とができ、その結果安定な印字が可能となるとの利点が
得られる。
【0045】図1のインクジェット記録装置は、インク
組成物をタンクに収納し、インク組成物がインクチュー
ブを介して記録ヘッドに供給される態様である。すなわ
ち、記録ヘッド1とインクタンク2とがインクチューブ
3で連通される。
【0046】記録ヘッド1は、キャリッジ4に搭載さ
れ、モータ5で駆動されるタイミングベルト6によって
ガイド9にガイドされて移動する。一方、記録媒体であ
る紙7はプラテン8によって記録ヘッド1と対面する位
置に置かれる。なお、この態様においては、キャップ1
0が設けられてなる。このキャップ10には吸引ポンプ
11が連結され、いわゆるクリーニング操作を行う。吸
引されたインク組成物はチューブ12を介して廃インク
タンク13に溜め置かれる。
【0047】記録ヘッド1のノズルプレートの拡大図を
図2に示す。ノズルプレート101は、インク組成物が
吐出される複数のノズル102が縦方向に並んで設けら
れてなる。さらに、このノズル102付近の断面拡大図
を図3として示す。
【0048】図3においてノズルプレート101は、基
材103と、その上に設けられたフッ素系高分子を含む
メッキ層104とを含んでなる。このノズルプレート1
01は接着層105を介してノズル基体106に接着さ
れ、インク室107が形成される。インク室107中は
インク組成物により満たされ、例えばそのメニスカスは
図中のMで示されるように形成される。インク室107
中のインク組成物は図示されてないアクチュエータによ
って圧力を受け、液滴となってノズル102より図中の
矢印の方向に吐出される。
【0049】基材103は、金属、セラミックス、シリ
コン、ガラス、プラスチック等で形成されてよく、好ま
しくはチタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
亜鉛、スズ、金等の単一もしくはニッケル−リン合金、
スズ−銅−リン合金(リン青銅)、銅−亜鉛合金、ステ
ンレス鋼等の合金、およびポリカーボネイト、ポリサル
フォン、ABS樹脂(アクリルニトリル・ブタジエン・
スチレン共重合)、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
アセタール、各種の感光性樹脂によって形成される。
【0050】基材103の表面へのフッ素系高分子を含
むメッキ層104は、次のような共析メッキ処理により
形成される。まず、基材表面を酸で洗浄した後、この基
材をマトリックス金属イオンを含む水溶液にフッ素系高
分子の粒子を分散させた液中に浸漬する。これにより、
フッ素系高分子粒子が、マトリックス金属イオンを媒介
して基材103の表面に付着し、皮膜を形成する。その
後、この皮膜をフッ素系高分子の融点以上の温度、例え
ば350℃程度以上の温度に加熱し、均質なメッキ層1
04を形成することができる。ここで、フッ素系高分子
の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパー
フルオロアルコキシブタジエン、ポリフルオロビニリデ
ン、ポリフルオロビニル、およびポリジパーフルオロア
ルキルフマレート、並びに下記の式(I)〜(V)で表
される高分子を挙げることができる。これらの高分子は
単独でも、複数混合して使用されてもよい。
【0051】
【化3】 (ここで、X1、X2、X3、およびX4の少なくとも二つ
は、フッ素原子またはパーフルオロアルキルを表し、他
はアルキル基、好ましくはC1-20アルキル基、を表し、
1、R2、R3、およびR4は水素原子およびハロゲン原
子を含む炭化水素を表す)
【化4】 (ここで、X1はCOOCm2m+1を表し、mは1〜2
0を表す)
【化5】 (ここで、Rはアルキル基、好ましくはC1-20アルキル
基、を表す)
【化6】 (ここで、Rはアルキル基、好ましくはC1-20アルキル
基、を表す)
【0052】また、マトリックス金属イオンは、ニッケ
ル、銅、銀、亜鉛、錫の金属イオンが好ましく、ニッケ
ル、ニッケル−コバルト合金、ニッケル−リン合金、ニ
ッケル−ホウ素合金が、その表面硬度が大で、しかも対
摩耗性に優れておりより好ましいものとして挙げられ
る。
【0053】フッ素系高分子を含むメッキ層104は、
その良好な撥インク性およびインク吐出口の径の精度を
確保するため、1〜10μmの範囲の膜厚とされるのが
好ましい。また、メッキ層10中のフッ素系高分子の共
析量は、メッキ層中60vol%以下、特に10〜50vol
%程度とされるのが好ましい。
【0054】共析メッキ処理は、無電解法、電解法のい
ずれによってもよいが、インク組成物中のイオン種の影
響を受けにくくかつ耐久性の高いメッキ層を形成可能な
電解法が好ましい。さらに、フッ素系高分子の融点以上
の温度に加熱する際、ノズルプレート101の反りを防
ぐため、100gf/cm2以上、好ましくは、500gf/c
m2の圧力を加えるのが好ましい。
【0055】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0056】インク組成物の調製 以下のインク組成物を調製した。すなわち、カーボンブ
ラックと分散剤とを混合し、サンドミル(安川製作所
製)中で、ガラスビーズ(直径1.7mm、混合物の
1.5倍量(重量))とともに2時間分散させた。その
後ガラスビーズを取り除き、他の上記成分を加え、常温
で20分間攪拌した。5μmのメンブランフィルターで
ろ過して、インクジェット記録用インクを得た。
【0057】実施例1 カーボンブラックMA7(三菱化成株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS(コロイダルシリカ、SiO2含有量30%、日産化学製) 10重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% 純水 残量
【0058】実施例2 カーボンブラックRaven1080(コロンビアン・カーボン株式会社) 5重量% スチレン−アクリル共重合体(分散剤) 1重量% スノーテックスS(コロイダルシリカ、SiO2含有量20%、日産化学製) 0.5重量% スクロース 0.7重量% マルチトール 6.3重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% 純水 残量
【0059】実施例3 カーボンブラックMA7(三菱化成株式会社製) 5重量% スチレン−アクリル共重合体(分散剤) 1重量% アルミナゾル−200 (Al23含有量10%、日産化学製) 5重量% ボンコート4001 5重量% (アクリル系樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、MFT=5℃、大日本インキ 株式会社製) グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% 純水 残量
【0060】実施例4 カーボンブラックRaven1080(コロンビアン・カーボン株式会社) 5重量% スチレン−アクリル共重合体(分散剤) 1重量% コロイダルシリカS 5重量% アルマテックスZ116 3重量% (エポキシ基含有アクリル樹脂エマルジョン、樹脂成分50%、三井束圧化学株 式会社製) グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% 純水 残量
【0061】比較例 カーボンブラックRaven1080(コロンビアン・カーボン株式会社) 5重量% スチレン−アクリル共重合体(分散剤) 1重量% グリセリン 10重量% 2−ピロリドン 2重量% 純水 残量
【0062】評価試験 以上のインク組成物の性能を以下ののように評価した。
【0063】評価1:耐擦性 インクジェットプリンターMJ−700V2Cを用い
て、XeroxP紙(ゼロックス株式会社製)に印刷
し、印刷物を24時間自然乾燥させた。その印刷物を2
5℃、50RHの環境で指で擦り、印刷の汚れの発生の
有無を目視で観察した。その結果は、表に示される通り
であった。表中、 ○:印刷の汚れが観察されない場合、 △:印刷の汚れが若干発生するが、文字の判別は可能な
場合 ×:印刷の汚れで文字の判別ができない場合である。
【0064】評価2:専用メディアへの定着性 インクジェットプリンターMJ−700V2Cを用い、
インクをMJ−700V2C用専用光沢フィルム(セイ
コーエプソン株式会社製)に印刷した後、印刷物を24
時間自然乾燥させる。その印刷物を25℃、50RHの
環境で指で擦り、印刷の汚れ、着色剤の剥離の発生の有
無を目視で観察した。その結果は、表中に示される通り
である。表中、 ○:印刷の汚れ、着色剤の剥離が観察されない場合 △:印刷の汚れが若干発生するが、着色剤の剥離は観察
されない場合 ×:印刷の汚れ、着色剤の剥離がともに発生する場合
【0065】評価3:印刷ムラ インクジェットプリンターMJ−700V2Cで、以下
の各紙に100%dutyで印刷を行なった。
【0066】評価紙 Ricopy6200紙(リコー株式会社製) Cannon dry紙(キャノン株式会社製) Macbeth PCMIIを用いて印刷部分の任意の5
点のOD値を測定しその平均を求めた。
【0067】この手順を5回繰り返し、5つの平均値の
最大値と最小値を求めた。この差が0.5未満であると
実用上問題なく、さらには0.4未満が好ましい。その
結果は、表に示される通りである。表中、 ○:OD値の差が0.3未満 △:OD値の差が0.3以上0.4未満 ×:OD値の差が0.4以上
【0068】評価4:吐出安定性 インクジェットプリンターMJ−700V2C(セイコ
ーエプソン株式会社製)を用いてインクを充填し、常温
でアルファベット文字を連続印字し、ドット抜け、およ
びインクの飛び散りを観察し、10回以上発生するまで
の時間を調べた。その結果は表に示される通りである。
表中、 ◎:48時間以上ドット抜けまたはインクの飛び散りが
10回発生しない。 ○:24〜48時間の内にドット抜けまたはインクの飛
び散りが10回発生する。 △:1〜24時間の内にドット抜けまたはインクの飛び
散りが10回発生する。 ×:1時間以下にドット抜けまたはインクの飛び散りが
10回以上発生する。 評価1 評価2 評価3 評価4 実施例1 ○ ○ ○ ◎ 実施例2 ○ ○ ○ ◎ 実施例3 ○ ○ ○ ◎ 実施例4 ○ ○ ○ ◎ 比較例 × × × △
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法を実施するインクジェット記
録装置を示す図であって、この態様においては記録ヘッ
ドとインクタンクがそれぞれ独立してなり、インク組成
物はインクチューブにより記録ヘッドに供給される。
【図2】本発明によるインク組成物と組み合わせて好ま
しく用いられる記録ヘッドのノズルプレートの拡大図で
あり、ノズルプレート101は、インク組成物が吐出さ
れる複数のノズル102が縦方向に並んで設けられてな
る。
【図3】ノズルプレート101に設けられたノズル10
2付近の断面拡大図である。ノズルプレート101は、
基材103と、その上に設けられたフッ素系高分子を含
むメッキ層104とを含んでなる。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インクタンク 3 インクチューブ 101 ノズルプレート 102 ノズル 103 基材 104 フッ素系高分子を含むメッキ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮 林 利 行 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料、無機酸化物コロイド、および水性溶
    媒を少なくとも含有してなる、インクジェット記録用イ
    ンク組成物。
  2. 【請求項2】無機酸化物コロイドがコロイダルシリカで
    ある、請求項1に記載のインクジェット記録用インク組
    成物。
  3. 【請求項3】糖をさらに含有してなる、請求項1または
    2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  4. 【請求項4】樹脂エマルジョンをさらに含有してなる、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記
    録用インク組成物。
  5. 【請求項5】エポキシ基と反応可能な官能基を有するエ
    ポキシ基含有化合物をさらに含んでなる、請求項1〜4
    のいずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組
    成物。
  6. 【請求項6】前記エポキシ基含有化合物が、エポキシ基
    含有樹脂エマルジョンである、請求項5に記載のインク
    ジェット記録用インク組成物。
  7. 【請求項7】前記エポキシ基含有樹脂エマルジョンが、
    下記の式(I)および(II)で表される繰返し単位を含
    んでなる共重合体を含んでなるものである、請求項6に
    記載のインクジェット記録用インク組成物。 【化1】 (式中、 R1およびR3は独立してHまたはCH3を表し、 R2はその構造中にアルキル基、水酸基、カルボキシル
    基、およびスルホン酸基から選ばれる一種以上の基を含
    んでなる基を表わす)。
  8. 【請求項8】フッ素系高分子を含むメッキ層をその表面
    に有するノズルプレートを備えた記録ヘッドを用いたイ
    ンクジェット記録方法に用いられる、請求項1〜7のい
    ずれか一項に記載のインクジェット記録用インク組成
    物。
  9. 【請求項9】フッ素系高分子を含むメッキ層が共析メッ
    キ処理によって得られたものである、請求項8に記載の
    インクジェット記録用インク組成物。
  10. 【請求項10】インク組成物の液滴を記録ヘッドから吐
    出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインク
    ジェット記録方法であって、インク組成物として請求項
    1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、
    インクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】記録ヘッドのノズルプレートの表面がフ
    ッ素系高分子を含むメッキ層である、請求項9に記載の
    インクジェット記録方法。
  12. 【請求項12】フッ素系高分子を含むメッキ層が共析メ
    ッキ処理によって得られたものである、請求項11に記
    載のインクジェット記録方法。
  13. 【請求項13】請求項10〜12のいずれか一項に記載
    の記録方法によって記録が行われた、記録物。
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