JPH09288081A - 溶融金属中の酸素連続測定用プローブ及び測定装置 - Google Patents

溶融金属中の酸素連続測定用プローブ及び測定装置

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JPH09288081A
JPH09288081A JP8122169A JP12216996A JPH09288081A JP H09288081 A JPH09288081 A JP H09288081A JP 8122169 A JP8122169 A JP 8122169A JP 12216996 A JP12216996 A JP 12216996A JP H09288081 A JPH09288081 A JP H09288081A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間に亘って使用しても、高精度で、
且つ安定した測定ができる溶融金属中の酸素連続測定用
プローブ及び測定装置を提供する。 【解決手段】 測定部11においては、下端が閉塞した
固体電解質管4内に内部電極を兼ねるシース熱電対2が
挿入され、更にMo及びMoO2等からなる基準物質3
が充填されている。そして、固体電解質管4の上端部及
び固体電解質管4から導出された部分のシース熱電対2
には内部保護管5が嵌合され、内部保護管5の下端部に
は、固体電解質管4の上端部が嵌合され、両者は耐火セ
メント等の固定剤によって固定されている。また、この
内部保護管5及び固定電解質管4には、外部電極を兼ね
た外部保護管6が外嵌されており、この外部保護管の下
部にはスリット7a及び7bが形成されている。これら
のスリットの幅は固体電解質管4の外径の1/4以上、
外部保護管6の外径の1/3未満である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶銅等の溶融金属中の
酸素量を長時間連続測定することができる溶融金属中の
酸素連続測定用プローブ及び測定装置に関し、特に、溶
融金属が流動している場合に好適の溶融金属中の酸素連
続測定用プローブ及び測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、溶融金属中の酸素量を測定する
従来の酸素測定用プローブを示す模式的断面図である。
この図9に示すように、従来の酸素測定用プローブに
は、中心部に一端が閉塞された固体電解質管73が配置
され、この固体電解質管73において閉塞された下端部
の内側に、白金線等からなるリード線74が接続されて
いる。また、固体電解質管73の外周部に、この固体電
解質管73を保護すると共に、外部電極となる外部保護
管71が設けられており、固体電解質管73の下部が耐
火セメント等からなる固定剤72によって外部保護管7
1内に固定されている。そして、一端が固体電解質管7
3の内側下端部に接続されたリード線74の他端と、外
部保護管71の上端部との間に電圧計79が接続されて
いる。
【0003】このように構成された酸素測定用プローブ
において、固体電解質管73内に空気、酸素ガス又は酸
素を含む混合ガス等であって、その酸素濃度が既知のガ
ス(標準ガス)を供給しつつ、前記酸素測定用プローブ
の下端部に構成された測定部を溶融金属75に浸漬する
と、前記標準ガスを酸素分圧既知の基準極とする酸素濃
淡電池が構成され、固体電解質管73の内外両界面に起
電力が発生する。この起電力がリード線74と外部保護
管71とを接続する電圧計79で測定することができ、
その値から計算によって溶融金属中の酸素濃度を知るこ
とができる。
【0004】ところで、不純物が殆ど混入されていない
溶銅を測定する場合において、図9に示す酸素測定用プ
ローブの下端部を溶銅に浸漬すると、固定剤72が溶銅
75と接触し、測定が長時間に亘ると、固定剤72が溶
銅と反応して起電力に影響を及ぼすと共に、溶銅75に
固定剤72が混入し、この溶銅75から製造される製品
の性質を低下させてしまう。
【0005】そこで、特開昭55−98351号公報で
は、次のような酸素測定用プローブが開示されている。
即ち、酸素測定用プローブの測定部を溶融金属に浸漬す
る場合において、固定剤が溶融金属に接触することを阻
止するために、図10に示すように、固体電解質管73
の先端が外部保護管71の下端面より突出しないように
固体電解質管73を配置して固定すると共に、外部保護
管71の下端部の内側に所定の空間76を形成し、そこ
にガスを残留させる。更に、固体電解質管73の下端部
が溶融金属75に安定して接触するために、図11に示
すように、外部保護管71の下端部に必要最小限のスリ
ット77又は貫通孔78を形成している。
【0006】また、実公平2−40536号公報では、
外部保護管の下端部において、その外周面にスリットの
ようなセルを有する溶湯フィルターを設けた酸素測定用
プローブが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1
0、11に示す特開昭55−98351号公報に開示さ
れた酸素測定用プローブにおいては、固体電解質管73
は溶融金属75と接触することができるものの、以下に
示すような欠点がある。
【0008】即ち、スリット77又は貫通孔78の大き
さが外部保護管71及び固体電解質管73の大きさに比
して小さく形成されている場合には、測定時において溶
融金属が外部保護管71の外側から内側へ、また内側か
ら外側へと円滑に流出入することができない。つまり、
測定当初に外部保護管71内に流入した溶融金属は、外
部保護管71の内側に滞留してしまい、この溶融金属
と、外部保護管71の外側の溶融金属とを円滑に循環さ
せることができない。
【0009】通常、溶融金属浴槽の溶融金属は均一な成
分状態ではないため、溶融金属中の酸素濃度を高精度に
測定するためには、固体電解質管73に接触する溶融金
属を循環させて、常に新鮮な溶融金属、即ち固体電解質
管73に未だ接触していない溶融金属が、固体電解質管
73に接触できるようにすることが必要である。
【0010】一方、スリット77等の大きさが、外部保
護管71等の大きさに比して大きく形成されている場合
においては、溶融金属は外部保護管71の内外へ円滑に
流出入することができるものの、大量に溶融金属が外部
保護管71の内側へ流入すると、外部保護管71の内側
にガスを残留させる空間76を維持しておくことができ
ず、固定剤72が溶融金属75に接触してしまう。
【0011】それに、スリットの幅の大小によっても、
次のような問題が発生する。即ち、スリット77の幅が
大きすぎると、溶融金属の流れによる圧力によって、外
部保護管71の下端部であって、スリットが形成されて
いない領域の部分が内側に曲がり、固体電解質管73に
接触したり、最悪の場合には外部保護管71の下端部が
折損してしまう場合もある。一方、スリット77の幅が
小さすぎる酸素測定用プローブを長時間に亘って連続使
用すると、外部保護管71の下端部が収縮して、スリッ
ト77を閉塞してしまう。
【0012】また、実公平2−40536号公報に開示
された酸素測定用プローブでは、溶融スラグから固体電
解質を保護するために溶湯フィルターが設けられている
が、この酸素測定用プローブを長時間に亘って使用する
と、フィルターの目詰まり等が発生するため、固体電解
質管に安定して溶融金属を接触させることができなくな
る。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、長時間に亘って使用しても、高精度で、且
つ安定した測定ができる溶融金属中の酸素連続測定用プ
ローブ及び測定装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶融金属中
の酸素連続測定用プローブは、一端閉塞型の固体電解質
管と、この固体電解質管内に挿入され内部電極を兼ねる
シース熱電対と、前記固体電解質管内に充填された基準
物質と、前記固体電解質管に外嵌され外部電極を兼ねる
保護管とを有し、前記保護管の先端部に、幅又は直径が
前記固体電解質管の外径の1/4以上、保護管の外径の
1/3未満であるスリット又は貫通孔が複数個形成され
ていることを特徴とする。
【0015】また、前記保護管の先端部に補強体を取り
付け、前記保護管の先端部に、幅又は直径が前記固体電
解質管の外径の1/5以上、前記保護管の外径の3/5
未満であるスリット又は貫通孔が複数個形成されている
ものであってもよい。
【0016】更に、前記スリットは、前記固体電解質管
が前記スリット内に露出している長さと、前記スリット
の長さとの比が1:7乃至6:7であることが好まし
く、また前記保護管の内側には、前記固体電解質管の上
端部及び前記固体電解質管から導出された部分の前記シ
ース熱電対を覆う内部保護管を有し、この内部保護管は
その下端部にて前記固体電解質管の上端部に嵌合固定さ
れていることが好ましい。
【0017】更にまた、前記補強体は、スリットが形成
された前記保護管の先端部の1箇所又は複数箇所にて前
記スリットを橋渡す棒状又は板状の部材であることが好
ましく、また前記補強体はリング状の部材からなり、こ
の補強体が前記保護管の先端部に嵌合固定されているこ
とが好ましい。
【0018】本発明に係る溶融金属中の酸素連続測定装
置は、上述の溶融金属中の酸素連続測定用プローブと、
前記プローブにより測定された起電力及び温度信号から
酸素活量及び溶融金属の温度を求める演算処理手段と、
前記演算処理手段によって得られた酸素活量及び溶融金
属の温度を経時的に表示する第1表示手段と、前記酸素
活量のみを表示する第2表示手段と、一定時間毎に断続
的に測定される起電力及び温度信号から前記演算処理手
段により求められた酸素活量及び溶融金属の温度を表示
する第3表示手段とを有することを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明に係る酸素連続測定用プローブにおいて
は、測定部における保護管の先端部に所定形状のスリッ
ト又は貫通孔が複数個形成されているので、前記保護管
の内外の溶融金属を円滑に循環させることができ、常に
新鮮な溶融金属を固体電解質管に接触させることができ
る。このため、溶融金属中の酸素濃度を高精度で測定す
ることができる。
【0020】また、前記保護管の先端部に補強体を取り
付けることにより、形成できるスリット等の形状及び大
きさの範囲をより一層広くすることができる。
【0021】更に、固体電解質管がスリットの上端から
露出している長さと、前記スリットの管軸方向の長さと
の比を所定の範囲とすることにより、固体電解質管の先
端部を保護できると共に、測定すべき溶融金属を十分に
固体電解質管に接触させることができる。このため、溶
融金属中の酸素濃度を高精度で測定することができる。
【0022】更にまた、固体電解質管の上端部を、内部
保護管の下端部に嵌合固定することにより、固体電解質
管を保護管内面に接触することなく保持できるので、前
記固体電解質管に前記保護管による外力等が作用するこ
とを防止することができる。このため、固体電解質管に
折損等が発生することを防止することができる。
【0023】次に、保護管の先端部に形成されるスリッ
ト又は貫通孔の形状と、固体電解質管及び保護管との関
係について説明する。
【0024】スリットの幅及び貫通孔の直径 保護管の先端部に形成されるスリットの幅及び貫通孔の
直径の大きさは、測定精度に大きな影響を与える。即
ち、測定時において、常に新鮮な溶融金属が固体電解質
管に接触するようにすると、高精度で測定することがで
きる。このため、一定以上の大きさを有するスリット等
を形成しておく必要があり、またスリット等の形状が小
さすぎると、スラグなどによって測定中においてスリッ
ト等が閉塞してしまう虞れもある。このような新鮮な溶
融金属の供給及びスリット閉塞防止のためには、スリッ
トの幅及び貫通孔の直径を固体電解質管の外径の1/4
以上とすることが必要である。
【0025】また、スリットの幅及び貫通孔の直径の大
きさは、保護管の強度にも影響を与える。即ち、前述と
は逆に、スリット等の形状が大きすぎると、保護管の先
端部であってスリットが形成されていない部分の領域が
小さくなってしまい、この部分が測定時において容易に
変形してしまう。このような保護管の変形を防止するた
めに、スリットの幅及び貫通孔の直径を保護管の外径の
1/3未満とすることが必要である。
【0026】従って、保護管の先端部に形成されるスリ
ットの幅又は貫通孔の直径は、いずれも固体電解質管の
外径の1/4以上、保護管の外径の1/3未満とする。
【0027】また、スリット等の形状を前述の範囲を超
えて大きくする場合、又は前述の範囲以下とする場合に
は、保護管の先端部に補強体を取り付けることが有効で
ある。この補強体としては、例えば、保護管の先端部で
あってスリットが形成されていない部分を橋渡し状に連
結する棒状又は板状のもの、又は帯状のリング等を使用
するものであってもよい。このような補強体を使用する
と、保護管の先端部に形成されるスリットの幅又は貫通
孔の直径を、固体電解質管の外径の1/5以上、保護管
の外径の3/5未満とすることができる。
【0028】スリットの長さに対する固体電解質管の露
出部の長さ 保護管の先端部に形成されたスリットから露出する固体
電解質管の部分は、測定精度及び固体電解質管の保護の
点において影響を与える。即ち、固体電解質管の露出部
が少なかったり、また固体電解質管の下端がスリットの
上端より上方に位置するように酸素測定用プローブの測
定部が構成されている場合には、測定時に前記測定部を
溶融金属に浸漬しても、固体電解質管に溶融金属を接触
させることができない場合もあり、測定精度が低下して
しまう。このため、固体電解質管の露出部の長さと、ス
リットの長さとの比は1:7以上とすることが好まし
い。逆に、固体電解質管の露出部がスリットの長さより
長く、即ち保護管の下端面から固体電解質管の下端部が
突出してしまうと、酸素測定用プローブの取り扱い時等
において固体電解質管を破損してしまう場合がある。こ
のため、固体電解質管の露出部の長さはスリットの長さ
より短い方がよく、その比は6:7以下であることが好
ましい。
【0029】従って、固体電解質管の露出部の長さと、
スリットの長さとの比は、1:7乃至6:7の範囲内と
する。
【0030】本発明に係る酸素連続測定装置において
は、溶融金属に酸素測定用プローブの測定部を浸漬させ
ることによって発生する起電力及び溶融金属温度信号を
基に、演算処理手段が酸素活量及び溶融金属の温度を算
出する。そして、適時酸素活量及び溶融金属を各表示手
段にて表示する。この酸素連続測定装置を、溶融金属を
材料とする製品の製造ラインに一箇所又は複数箇所設置
することにより、必要な酸素値及び温度情報を的確に得
ることができるため、高品質及び高精度な製品を製造す
ることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例に
係る酸素測定用プローブ1を示す断面図である。また、
図2は酸素測定用プローブ1の測定部(センサ部)11
を示す拡大断面図である。この図1及び2に示すよう
に、酸素測定用プローブ1は、大きく分けて測定部11
と端子部の2つの部分から構成されている。
【0032】この測定部11には、その下端が閉塞した
固体電解質管4が中心部に配置されており、この固体電
解質管4内に内部電極を兼ねるシース熱電対2の先端部
が挿入されている。また、固体電解質管4内にはMo及
びMoO2等からなる基準物質3が充填されている。そ
して、固体電解質管4の上端部及び固体電解質管4から
導出された部分のシース熱電対2は内部保護管5により
嵌合されており、この内部保護管5の下端部には固体電
解質管4の上端部が嵌合され、耐火セメント等の固定剤
によって両者が固定されている。また、この内部保護管
5及び固定電解質管4には、外部電極を兼ねた外部保護
管6が外嵌されており、この外部保護管6の下端部には
その管軸方向に延びるスリット7a及び7bが形成され
ている。一方、端子部では、蓋が設けられた端子箱10
内に、外部への出力端子等を有する端子台9が設置さ
れ、端子箱10の底部にソケット8が螺着されている。
このソケット8の下部には、外部保護管6の上端部が螺
着されており、また内部保護管5の上端部がセメント等
で固定されている。更に、シース熱電対の上部はソケッ
ト8及び端子台9を挿通し、その先端は所定の端子に配
線されている。
【0033】このように構成された酸素測定用プローブ
によって溶融金属の酸素量を測定する場合には、先ず測
定部11を下方へ向け、その先端部を溶融金属に浸漬す
る。そうすると、シース熱電対2を基準極とする酸素濃
淡電池が構成され、基準物質3が接触する固体電解質管
4の内周面と、溶融金属が接触する固体電解質管4の外
周面との間に起電力が発生する。この発生した起電力
は、基準物質3と接触するシース熱電対2と、溶融金属
に接触する外部保護管6を介して上方の端子部に導出さ
れ、この端子部で検出される。
【0034】本実施例に係る酸素測定用プローブの測定
部においては、固体電解質管が従来のように直接外部保
護管内に固定されるものではなく、内部保護管5の下端
部に固体電解質管4の上端部が嵌合固定されており、こ
の嵌合部に固定剤を使用しているものの、固体電解質管
4が嵌合部から下方へ延出するように取り付けられ、外
部保護管6の内面に接触することなく保持されている。
このため、耐火セメントが測定中において溶融金属に混
入する虞れはなく、それに大部分の固体電解質管の外周
面に十分に溶融金属を接触させることができるため、溶
融金属中の酸素を高精度で測定することができる。ま
た、測定中において、外部保護管6の歪み等による外部
的圧力が固体電解質管に作用することがないので、固体
電解質管4が折損したり、固体電解質管の歪みによって
熱電対素線が断線したりすること等を防止することがで
きる。
【0035】また、外部保護管6の下端部には所定形状
のスリット7a及び7bが形成されている。即ち、形成
されるスリット7a及び7bの幅を固体電解質管4の外
径の1/4以上であり、且つ、外部保護管6の外径の1
/3未満とすることにより、酸素量を測定すべき溶融金
属が外部保護管6内で滞留することなく、常に新鮮な溶
融金属を固体電解質管4の外面に循環接触させることが
できる。
【0036】次に、第2の実施例として、外部保護管6
の下端部に補強体を取り付けた酸素測定用プローブにつ
いて説明する。図3は、酸素測定用プローブの測定部に
補強体を取り付けたセンサ部の例を示す側面図であり、
(a)は補強体が外部保護管の下端面に、(b)は補強
体が外部保護管の下端近傍に取り付けられた場合であ
る。また、図4は、外部保護管の下端面に各種の補強体
を取り付けた酸素測定用プローブの底面図である。
【0037】外部保護管の下端部に形成するスリット
は、測定中における外部保護管の下端部の折損等を防止
するため、そのスリットの幅を所定の大きさとすること
が必要であるが、所定の大きさより大きくすることが必
要である場合には、図3(a)、図4(a)〜(d)に
示すように、スリット7a、7bが形成されていない外
部保護管6の下端面において、複数箇所を橋渡すように
棒材又は板材からなる補強体31を取り付ける。
【0038】また、補強体は外部保護管6の下端面に取
り付けるものだけでなく、帯状のリングからなる補強体
32のように、外部保護管6の下端先端部を嵌挿するも
のであってもよい。更に、このような補強体32を外部
補強体6の下端先端部に複数個嵌挿させてもよい。
【0039】なお、補強体は前述の補強体31、32に
限定されるものではなく、固体電解質管に、常に新鮮な
溶融金属が接触するような溶融金属の流れを確保しつ
つ、外部保護管の下端部が変形したり、スリットが収縮
閉塞したりすることを防止できるものであればよい。
【0040】次に、上述の酸素測定用プローブを使用し
て溶融金属の酸素を測定する装置について説明する。図
6は、本発明の実施例に係る溶融金属中の酸素連続測定
装置を示す模式的構成図である。この図6に示すよう
に、樋43内を流れる溶融金属44内に、酸素測定用プ
ローブ41の測定部を浸漬し、この状態で架台42に酸
素測定用プローブ41を固定する。
【0041】この酸素測定用プローブ41によって測定
された起電力及び温度信号は演算処理装置45に入力さ
れ、この演算処理装置45は酸素活量及び溶融金属の温
度をリアルタイムで算出する。この演算処理装置45で
は、下記の数式1によって溶融金属(溶銅)の酸素活量
を算出する。
【0042】
【数1】ao=exp[-ΔGo/RT]・[(Pθ1/4+Pref 1/4)exp[-E
F/RT]-Pθ1/4]2o:溶銅中酸素活量 E:起電力 T:絶対温度 R:ガス定数 F:ファラデー定数 Pθ:イオン電導と電子電導が等しくなる酸素分圧 Pref:基準物質の平衡酸素分圧 ΔGo:溶銅への溶解に伴う自由エネルギー変化
【0043】上記数式1におけるPrefは基準物質の平
衡酸素分圧を表しており、図5はこのPrefとして、Kub
aschewskiの値を使用した場合に算出された酸素活量を
縦軸にとり、横軸に製品分析値をとって、両者の相関関
係を示すグラフ図である。この図5に示すように、Pre
fとしてKubaschewskiの値を使用すると、製品分析値と
酸素活量とが最も良く一致した。このため、Prefとし
てKubaschewskiの値を採用することが好ましい。
【0044】演算処理装置45はこれらの演算値を各表
示装置46、47、48に出力し表示させる。第1表示
装置46では、酸素演算値及び温度を表示し、第2表示
装置47では、酸素演算値のみを表示し、第3表示装置
48では、一定時間毎に断続的に測定される起電力及び
温度信号から演算処理装置45で求められた酸素活量及
び溶融金属の温度を表示する。
【0045】このように構成された酸素連続測定装置
を、溶融金属を材料とする製品の製造ラインに一箇所又
は複数箇所設置することにより、操業上の省力化を図る
ことができ、安定操業化を実現することができる。ま
た、各製造ラインにおいて、必要な酸素値及び温度情報
を的確に表示するため、高品質及び高精度な製品を製造
することができる。
【0046】次に、実際に酸素測定用プローブを使用し
て溶融金属の酸素を測定した結果を特許請求の範囲から
外れる比較例と比較して説明する。
【0047】第1実施例 図7は本実施例に係る酸素測定用プローブにおいて、内
部保護管を使用せずに構成された測定部を示す断面図で
ある。この図7に示すように、この測定部には、その下
端が閉塞した固体電解質管54が中心部に配置されてお
り、この固体電解質管54内にシース熱電対52の先端
部が挿入されている。また、固体電解質管54内にはM
o及びMoO2等からなる基準物質53が充填されてい
る。そして、固体電解質管54は外部保護管56内にて
耐火セメント等の固定剤58によって固定されている。
また、外部保護管56の下端部にスリット57が形成さ
れ、外部保護管56の下端面に補強体51が取り付けら
れている。
【0048】なお、固体電解質管54の外径及び内径は
夫々10mm及び6mmであり、外部保護管56の外径
及び内径は夫々25mm及び21mmのものを使用し
た。また、固定剤58の下端から外部保護管56の下端
までの距離Tを30mm、固体電解質管54の下端から
外部保護管の下端までの距離Sを5mmとして、酸素測
定用プローブの測定部を構成した。
【0049】以上のような酸素測定用プローブに下記表
1に示す幅及び数のスリットを形成し、補強体を取り付
け又は取り外して溶融金属に測定部を浸漬した。
【0050】なお、本実施例に係る酸素測定用プローブ
において、固体電解質管54の外径の1/5及び1/4
は夫々2.0mm及び2.5mmであり、外部保護管5
6の外径の1/3及び3/5は夫々8.33mm及び1
5.00mである。
【0051】
【表1】
【0052】上記表1に示すスリットを形成した酸素測
定用プローブを溶融金属に浸漬させた結果を下記表2に
示す。
【0053】なお、測定精度は、Vacuum Sample(V.
S)の分析値を基準としたときの精度であり、σ%(変
動係数)=±3%以下、σ%=±4%以下、σ%=±5
%以下及びσ%=±5%より大の場合を夫々「◎」
(優)、「○」(良)、「△」(やや不良)及び「×」
(不良)として下記表2に示す。
【0054】また、下記表2の耐久性の欄では、実際に
測定可能であった時間の分析結果について示しており、
耐久性が30時間を超えるもの、10〜30時間のも
の、10時間より短いものを夫々「○」(良)、「△」
(可)及び「×」(不可)として示した。
【0055】
【表2】
【0056】上記表2に示すように、スリット幅が特許
請求の範囲内に入る実施例No1〜3及び4〜7につい
ては、スリット幅が狭い実施例No1とスリット幅が広
い実施例No3、7で測定精度又は耐久性がやや劣る結
果となった以外はいずれも測定精度及び耐久性が優れた
結果となった。
【0057】一方、比較例No1、3については、形成
されたスリットの幅が特許請求の範囲より小さいため、
測定精度が各実施例に比べて低いものとなった。また、
比較例No2、4については、形成されたスリットの幅
が特許請求の範囲より大きいため、外部保護管の先端部
が変形して測定不能となったり、変形によって固体電解
質管が折損してしまった。
【0058】第2実施例 図8は本実施例に係る酸素測定用プローブにおいて、内
部保護管65を使用して構成された測定部を示す断面図
である。この図8に示すように、この測定部には、その
下端が閉塞した固体電解質管64が中心部に配置されて
おり、この固体電解質管64内にシース熱電対62の先
端部が挿入されている。また、固体電解質管64にはM
o及びMoO2等からなる基準物質63が充填されてい
る。そして、固体電解質管64の上端部及び固体電解質
管64に挿入されていないシース熱電対62を覆う内部
保護管65の下端部には、固定剤によって固体電解質管
64の上端部が嵌合固定されている。また、外部保護管
66の下端部にスリット67が形成され、外部保護管6
6の下端面に補強体61が取り付けられている。
【0059】なお、固体電解質管64の外径及び内径は
夫々8mm及び6mmであり、外部保護管66の外径及
び内径は夫々21.7mm及び16mmのものを使用し
た。また、固体電解質管64の下端から外部保護管66
の下端までの距離Sを8mmとして、酸素測定用プロー
ブの測定部を構成した。
【0060】以上のような酸素測定用プローブに下記表
3に示す幅及び数のスリットを形成し、補強体を取り付
け又は取り外して溶融金属に測定部を浸漬させた。
【0061】なお、本実施例に係る酸素測定用プローブ
において、固体電解質管64の外径の1/5及び1/4
は夫々1.6mm及び2.0mmであり、外部保護管6
6の外径の1/3及び3/5は夫々7.23mm及び1
3.02mmである。
【0062】
【表3】
【0063】上記表3に示すスリットを形成した酸素測
定用プローブを溶融金属に浸漬させた結果を下記表4に
示す。なお、測定精度については、上述した第1実施例
と同様である。
【0064】
【表4】
【0065】上記表4に示すように、実施例No8で
は、形成されたスリットの幅は特許請求の範囲内である
が、補強体がないため、スリットが閉塞し、V.Sとの
相関性がやや悪くなったが、それ以外の実施例について
は、いずれも測定精度及び耐久性が優れた結果となっ
た。
【0066】一方、比較例No5は補強体がない上にス
リット幅が狭いため、スリットが閉塞するなどしてV.
Sとの相関性が悪く、又比較例No6については、形成
されたスリットの幅が特許請求の範囲より大きいため、
外部保護管の先端が変形して湯の流れが安定した状態と
ならず、測定精度が良から不良へと変化して安定せず、
加えて外部保護管の先端部の変形によって固体電解質管
が折損してしまった。また、補強体ありの比較例No7
については、形成されたスリットの幅が特許請求の範囲
より小さいため、測定測定精度が各実施例に比べて低い
ものとなった。更にまた、比較例8についてはスリット
幅が広すぎるため外部保護管が変形し、耐久性が悪い結
果となった。
【0067】なお、上述した第1実施例と異なり、本実
施例では外部保護管と固体電解質管とが固定剤によって
固定されたものではないため、外部保護管に作用する外
部からの圧力等の各種力が固定剤を介して固体電解質管
に作用することが少なく、固体電解質管の折損を防止す
る効果を有することが分かった。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
酸素測定用プローブにおける保護管の先端部に所定のス
リット等を形成し、またこのスリットにおける固体電解
質管の露出部の長さとスリットの長さとの比を所定の範
囲内とすることにより、溶融金属に保護管を長時間浸漬
しても、その先端部が変形したり、スリット等が収縮し
たり、又は閉塞したり等することを防止することができ
る。このため、本発明に係る酸素測定用プローブを使用
して溶融金属中の酸素を測定する場合には、常に新鮮な
溶融金属を固体電解質管に接触させることができ、長時
間連続測定しても、高精度で安定した測定を行うことが
できる。
【0069】また、保護管の下端先端面又は先端近傍に
補強体を取り付けることにより、保護管の先端部に形成
されるスリットの幅が大きくなっても、保護管の先端部
が溶湯流方向に変形したり、前記先端部のスリット以外
の部分がハの字状に広がったり、固体電解質管に抱き付
くように変形したり、スリットが収縮したり、又は閉塞
したりすることを防止することができる。
【0070】更に、内部保護管を使用して固体電解質管
を保護管(外部保護管)内に配置することにより、内部
保護管と固体電解質管との嵌合に固定剤を使用しても、
この嵌合部は外部保護管に形成されたスリットの上端よ
り更に上方に位置するため、測定中に固定剤が溶融金属
中に混入することによって、測定精度が低下したり、そ
の結果製品の精度が低下してしまうことを防止すること
ができる。
【0071】更にまた、溶融金属を使用した製品の製造
ラインにおいて、所定の酸素連続測定装置を設置するこ
とにより、操業上の省力化を図ることができ、安定操業
化を実現することができる。また、各製造ラインにおい
て、必要な酸素活量及び温度情報を的確に表示するた
め、高品質及び高精度な製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る酸素連続測定用プローブ
を示す断面図である。
【図2】前記プローブのセンサー部を示す拡大図であ
る。
【図3】プローブの先端に補強体を取り付けた前記プロ
ーブのセンサー部を示す断面図である。
【図4】補強体を取り付けたプローブ先端面を示す図で
ある。
【図5】横軸に製品分析値をとり、縦軸に測定された酸
素活量をとって、PrefとしてKubaschewskiの値を使用
したときの溶融金属中の酸素活量測定値と製品分析値と
の関係を示すグラフ図である。
【図6】本発明の実施例に係る酸素連続測定装置を示す
模式的構成図である。
【図7】本発明の実施例に係る酸素測定プローブの測定
部の1例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例に係る酸素測定プローブの測定
部の1例を示す断面図である。
【図9】従来の酸素測定用プローブを示す模式的断面図
である。
【図10】従来の酸素測定用プローブを示す模式的断面
図である。
【図11】前記プローブの外部保護管を示す図であり、
(a)は測定側先端部にスリットが形成された側面図、
(b)は貫通孔が形成された側面図、(c)は(a)に
示す外部保護管の底面図である。
【符号の説明】
1,41;酸素測定用プローブ 2,52,62;シース熱電対 3,53,63;基準物質 4,54,64;固体電解質管 5,65;内部保護管 6,56,66,71;外部保護管 7a,7b,57,67,77;スリット 8;ソケット 9;端子台 10;端子箱 11;測定部 31,51,61;補強体 42;固定手段 43;樋 44,75;溶融金属 45;演算処理装置 46;第1表示装置 47;第2表示装置 48;第3表示装置 72;固定剤 73;固体電解質管 74;リード線 76;残留ガス 78;貫通孔 79;電圧計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 初 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 井川 久雄 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号 川惣電機工業株式会社内 (72)発明者 金川 行男 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号 川惣電機工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端閉塞型の固体電解質管と、この固体
    電解質管内に挿入され内部電極を兼ねるシース熱電対
    と、前記固体電解質管内に充填された基準物質と、前記
    固体電解質管に外嵌され外部電極を兼ねる保護管とを有
    し、前記保護管の先端部に、幅又は直径が前記固体電解
    質管の外径の1/4以上、保護管の外径の1/3未満で
    あるスリット又は貫通孔が複数個形成されていることを
    特徴とする溶融金属中の酸素連続測定用プローブ。
  2. 【請求項2】 一端閉塞型の固体電解質管と、この固体
    電解質管内に挿入され内部電極を兼ねるシース熱電対
    と、前記固体電解質管内に充填された基準物質と、前記
    固体電解質管に外嵌され外部電極を兼ねる保護管と、こ
    の保護管の先端部に取付けられた補強体とを有し、前記
    保護管の先端部に、幅又は直径が前記固体電解質管の外
    径の1/5以上、保護管の外径の3/5未満であるスリ
    ット又は貫通孔が複数個形成されていることを特徴とす
    る溶融金属中の酸素連続測定用プローブ。
  3. 【請求項3】 前記スリットは、前記固体電解質管が前
    記スリット内に露出している長さと、前記スリットの長
    さとの比が1:7乃至6:7であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の溶融金属中の酸素連続測定用プロ
    ーブ。
  4. 【請求項4】 前記保護管の内側には、前記固体電解質
    管の上端部及び前記固体電解質管から導出された部分の
    前記シース熱電対を覆う内部保護管を有し、この内部保
    護管はその下端部にて前記固体電解質管の上端部に嵌合
    固定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載の溶融金属中の酸素連続測定用プロー
    ブ。
  5. 【請求項5】 前記補強体は、スリットが形成された前
    記保護管の先端部の1箇所又は複数箇所にて前記スリッ
    トを橋渡す棒状又は板状の部材であることを特徴とする
    請求項2乃至4に記載の溶融金属中の酸素連続測定用プ
    ローブ。
  6. 【請求項6】 前記補強体はリング状の部材からなり、
    この補強体が前記保護管の先端部に嵌合固定されている
    ことを特徴とする請求項2乃至4に記載の溶融金属中の
    酸素連続測定用プローブ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の
    溶融金属中の酸素連続測定用プローブと、前記プローブ
    により測定された起電力及び温度信号から酸素活量及び
    溶融金属の温度を求める演算処理手段と、前記演算処理
    手段によって得られた酸素活量及び溶融金属の温度を経
    時的に表示する第1表示手段又は前記酸素活量のみを表
    示する第2表示手段の何れか1つを少なくとも有するこ
    とを特徴とする溶融金属中の酸素連続測定装置。
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