JPH09288251A - パルス幅伸長光学系および該光学系を備えた露光装置 - Google Patents

パルス幅伸長光学系および該光学系を備えた露光装置

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JPH09288251A
JPH09288251A JP9049777A JP4977797A JPH09288251A JP H09288251 A JPH09288251 A JP H09288251A JP 9049777 A JP9049777 A JP 9049777A JP 4977797 A JP4977797 A JP 4977797A JP H09288251 A JPH09288251 A JP H09288251A
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half mirror
optical
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Yuji Kudo
祐司 工藤
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Lasers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルス光の発光時間を疑似的に伸長すること
によって、発光時間内の平均エネルギを低減する。 【解決手段】 パルス光を複数の光路に沿って分割する
ための光分割手段と、複数の光路に沿った分割パルス光
を同一の光路に沿って合成するための光合成手段とを備
え、同一の光路に沿って合成された合成パルス光の強度
が複数の光路に沿って分割される元のパルス光の強度よ
りも実質的に小さくなるように、複数の光路は互いに所
定の光路長差を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパルス幅伸長光学系
および該光学系を備えた露光装置に関し、特にパルスレ
ーザー光源からのパルス光の発光時間を疑似的に伸長す
る光学系および該光学系を備えた露光装置に関する。さ
らには、本発明は、パルス幅伸長光学系を備えた露光装
置を用いた半導体デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は、パルスレーザー光源を備えた
従来の露光装置の構成を概略的に示す図である。図16
の露光装置において、パルス発光するレーザー光源1か
ら射出された光束は、ビーム整形光学系2によって所定
のビーム断面形状に整形された後、フライアイレンズ3
に入射する。フライアイレンズ3に入射した光束は、フ
ライアイレンズ3の後側焦点位置に複数の光源像(二次
光源)を形成する。
【0003】複数の二次光源からの光束は、開口絞り4
を介して制限された後、コンデンサーレンズ5によって
集光され、マスク6を重畳的に均一照明する。マスク6
上には、半導体集積回路などの非常に微細なパターンが
描かれている。マスク6のパターンは、投影光学系7を
介してウエハ8上に縮小投影または拡大投影される。こ
のとき、ウエハ8上に形成することが可能な微細パター
ンのサイズは、レーザー光源1からの光の波長に比例す
る。このため、より微細なパターンを形成するために
は、レーザー光源1からの光の波長をできるだけ短くす
ることが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パルス
発光のレーザー光源においては、パルス光の発光時間内
の平均エネルギーが非常に大きい。例えば、波長193nm
のArF エキシマレーザーの場合、ビーム断面形状を20mm
×5mm とし、発光時間を10nsecとすると、発光時間内の
平均エネルギーは10MW/cm2となる。
【0005】レーザー光の波長が短くなるにつれて発光
時間内の平均エネルギーが増大するので、光学材料のレ
ーザー耐性が低くなる傾向がある。このため、波長の短
いレーザー光を使用する従来の光学系においては、レン
ズ材料の透過率低下、反射防止コートや反射ミラーの性
能低下などにより、光学系全体としての光の透過率の低
下、照明パワーの低下、照度均一性の悪化などが発生す
る。また、波長の短いレーザー光を使用する従来の露光
装置においては、投影光学系のレンズ材料の屈折率変化
により収差が発生し、投影光学系の結像性能に重大な悪
影響を及ぼす場合もある。
【0006】例えば、露光装置の光源として近年注目さ
れているArF エキシマレーザー(波長:193nm)を用
いる場合、合成石英ガラスおよび蛍石の2種類の光学屈
折材料しか実質的に使用することができなかった。しか
も、合成石英ガラスおよび蛍石のいずれの材料において
も、あるしきい値以上のエネルギー密度を有するレーザ
ー光に対して徐々に透過率の低下が観測される。このた
め、従来技術においては、光学系の性能低下を回避して
その耐久性を維持するために、光学系を大型化して単位
面積当たりのエネルギー密度を減らさざるを得なかっ
た。
【0007】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、パルス光の発光時間を疑似的に伸長すること
によって、発光時間内の平均エネルギを低減することの
できるパルス幅伸長光学系および該光学系を備えた露光
装置を提供することを目的とする。また、本発明は、パ
ルス幅伸長光学系を備えた露光装置を用いた半導体デバ
イスの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1発明においては、パルス光の発光時間
を疑似的に伸長するパルス幅伸長光学系において、前記
パルス光を複数の光路に沿って分割するための光分割手
段と、前記複数の光路に沿った分割パルス光を同一の光
路に沿って合成するための光合成手段とを備え、前記同
一の光路に沿って合成された合成パルス光の強度が前記
複数の光路に沿って分割される元のパルス光の強度より
も実質的に小さくなるように、前記複数の光路は互いに
所定の光路長差を有することを特徴とするパルス幅伸長
光学系を提供する。
【0009】第1発明の好ましい態様によれば、前記所
定の光路長差は、前記元のパルス光の発光時間内におい
て発光強度がピーク強度の1/2以上である時間と光速
との積よりも大きい。また、前記複数の光路のうち少な
くとも1つの光路中には、前記光分割手段の分割面と前
記光合成手段の合成面とを実質的に共役に構成するため
のリレー光学系が設けられているのが好ましい。
【0010】また、本発明の第2発明においては、パタ
ーンが形成されたマスクをほぼ均一に照明するための照
明光学系を備え、前記マスク上に形成されたパターンの
像を感光基板上に形成する露光装置において、前記照明
光学系は、パルス発光する光源と、該光源からのパルス
光の発光時間を疑似的に伸長するためのパルス幅伸長光
学系とを備え、前記パルス幅伸長光学系は、前記パルス
光を複数の光路に沿って分割するための光分割手段と、
前記複数の光路に沿った分割パルス光を同一の光路に沿
って合成するための光合成手段とを備え、前記同一の光
路に沿って合成された合成パルス光の強度が前記複数の
光路に沿って分割される元のパルス光の強度よりも実質
的に小さくなるように、前記複数の光路は互いに所定の
光路長差を有することを特徴とする露光装置を提供す
る。
【0011】第2発明の好ましい態様によれば、前記照
明光学系は、前記パルス幅伸長光学系を介して形成され
た合成パルス光に基づいて多数の光源像を形成するため
の多光源像形成手段と、該多光源像形成手段により形成
された多数の光源像からの光束を集光して前記マスク上
を重畳的に照明する集光光学系とをさらに備えている。
【0012】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明では、パル
ス光を複数の光路に沿って分割した後、複数の分割パル
ス光を同一の光路に沿って合成する。この場合、同一の
光路に沿って合成された合成パルス光の強度が複数の光
路に沿って分割される元のパルス光の強度よりも実質的
に小さくなるように、複数の光路は互いに所定の光路長
差を有する。
【0013】このように、本発明では、パルス光の発光
時間を疑似的に伸長することによって、発光時間内の平
均エネルギーを、すなわち単位時間当たりのエネルギー
を低減することができる。したがって、パルス発光の光
源を使用する一般の光学系において、光照射による光学
材料の性能低下を回避することができる。特に、パルス
発光のレーザー光源を使用する露光装置では、レーザー
照射による投影光学系の結像性能の低下を回避して、微
細パターンを良好に形成することができる。
【0014】以下、本発明の実施例を、添付図面を参照
して説明する。図1は、本発明の第1実施例にかかるパ
ルス幅伸長光学系の構成を概略的に示す図である。ま
た、図2は、図1のレーザー光源から射出されるパルス
光のエネルギーの時間変化を模式的に示す図である。図
1のパルス幅伸長光学系は、ほぼ直線偏光のパルス光を
発するレーザー光源1を備えている。なお、レーザー光
源1からのパルス光の偏光方向は、図1の紙面に対して
垂直または平行であるものとする。
【0015】レーザー光源1から射出されたパルス光
は、誘電体多層膜からなる半透過膜を有するハーフミラ
ー10に入射して、反射光と透過光とに分割される。ハ
ーフミラー10で1回目に反射された光は、分割パルス
光となってミラー14に入射し、図中右側に反射され
る。一方、ハーフミラー10を1回目に透過した光は、
分割パルス光となってミラー11、12および13によ
り順次反射された後、ハーフミラー10に再び入射す
る。
【0016】ハーフミラー10に再び入射した光のうち
ハーフミラー10を2回目に透過した光は、ハーフミラ
ー10で1回目に反射された光と同一の光路に沿って合
成される。また、ハーフミラー10に再び入射した光の
うちハーフミラー10で2回目に反射された光は、ミラ
ー11、12および13により順次反射された後、ハー
フミラー10に再び入射する。このように、ハーフミラ
ー10は、パルス光を複数の光路に沿って分割するため
の光分割手段および複数の光路に沿った分割パルス光を
同一の光路に沿って合成するための光合成手段を構成し
ている。また、この3つのミラー(11〜13)とハー
フミラー10とで形成される周回光路は、後述するよう
に所定の光路長となるように3つのミラー(11〜1
3)の配置によって設定されており、3つのミラー(1
1〜13)は、光路長差付与手段として機能している。
【0017】ハーフミラー10に再び入射した光のうち
ハーフミラー10を3回目に透過した光は、ハーフミラ
ー10で1回目に反射された光およびハーフミラー10
を2回目に透過した光と同一の光路に沿って合成され
る。こうして、ハーフミラー10で2回目以降に反射さ
れた光成分は、ミラー11、12および13を介する同
一の光路を周回する。このように、周回光路の光路長を
Lとし、nを2以上の整数とすると、ハーフミラー10
をn回介する分割光は、ハーフミラー10を(n−1)
回介する分割光に対して、光路長差Lが付与される。そ
して、ハーフミラー10で2回目以降に反射された光成
分は、周回ごとにハーフミラー10を透過する光の分だ
け徐々に減衰し、最終的にはすべての光がハーフミラー
10を透過することになる。したがって、ミラー11、
12および13の反射率がそれぞれ100%であれば、
原理的には光量損失は発生しない。
【0018】なお、パルス光の発光時間(以下、「パル
ス幅」という)をδ秒とすると、発光時間内に進む光の
距離(以下、「パルス長」という)は、3×108 ×δ
[m]となる。したがって、ハーフミラー10とミラー
11、12および13とからなる光学系(以下、「周回
光学系」という)の光路長がパルス長よりも大きけれ
ば、ハーフミラー10を介して順次合成される複数の分
割パルス光は時間的に重なり合わない。つまり、ハーフ
ミラー10を介して順次合成される複数の分割パルス光
は、光路長差付与手段としての3つのミラー(11〜1
3)の作用によってそれぞれ所定の光路長差が付与され
るため、時間的に重なることがない。図3は、時間的に
重なり合わない複数の分割パルス光からなる合成パルス
光のエネルギーの時間変化を示す図である。
【0019】一例として、発光時間すなわちパルス幅δ
を10nsecすると、パルス長は3mとなる。したがって、
周回光学系の光路長を3m以上にすれば、合成される複
数の分割パルス光は時間的に重なり合わないことにな
る。図3を参照すると、周回光学系の作用によりパルス
幅が疑似的に伸長され、単位時間当たりのエネルギーが
大きく低減されていることがわかる
【0020】なお、光路長差(すなわち周回光学系の光
路長)がパルス長以下であっても、各分割パルス光の発
光エネルギーのピーク位置を時間的に十分ずらせること
により、合成光の平均エネルギーを、すなわち単位時間
当たりのエネルギーを実質的に低減することができる。
光路長差をたとえば半値パルス長に設定することによっ
て、単位時間当たりのエネルギーを実質的に低減するこ
とができる。ここで、図2に示すように、分割される元
のパルス光の発光強度がピーク強度Eの2分の1以上で
ある時間を半値パルス幅と定義し、半値パルス幅の間に
光が進む距離を半値パルス長と定義している。
【0021】図4は、光路長差が半値パルス長に等しい
場合の合成パルス光のエネルギーの時間変化を示す図で
ある。図4を参照すると、各分割パルス光の発光エネル
ギーのピーク位置が、隣接するパルス光の半値パルス幅
の外側に位置している。このように、光路長差がたとえ
ば半値パルス長に等しい場合にも、単位時間当たりのエ
ネルギーを大幅に減少させることができる。
【0022】ハーフミラー10で分割された各分割パル
ス光のエネルギーは、パルス光に対するハーフミラー1
0の反射率に依存する。なお、前述したように、ハーフ
ミラー10の半透過膜は誘電体多層膜により構成されて
おり、吸収損失および散乱損失は微小として無視するこ
とができる。したがって、ハーフミラー10の反射率を
Rとすると、透過率TはT=1−Rと表される。
【0023】そして、各分割パルス光のエネルギーは、
以下の式(1)〜(4)で表される。 E1 =E・R (1) E2 =E・(1−R)・(1−R) (2) E3 =E・(1−R)・R・(1−R) (3) En =E・(1−R)・R(n-2) ・(1−R) (4)
【0024】ここで、 E :ハーフミラー10で分割される元のパルス光のエ
ネルギー E1 :ハーフミラー10で1回目に反射される分割パル
ス光すなわち第1パルス光のエネルギー E2 :周回光学系を1周した後にハーフミラー10から
射出される分割パルス光すなわち第2パルス光のエネル
ギー E3 :周回光学系を2周した後にハーフミラー10から
射出される分割パルス光すなわち第3パルス光のエネル
ギー En :周回光学系を(n−1)周した後にハーフミラー
10から射出される分割パルスすなわち第nパルス光の
エネルギー
【0025】この場合、ハーフミラー10の反射率Rに
依存して、第1パルス光のエネルギーE1 と第2パルス
光のエネルギーE2 とが最大となる。したがって、合成
光における各分割パルス光の発光強度の最大値をできる
だけ小さくするには、第1パルス光のエネルギーE1 と
第2パルス光のエネルギーE2 とがほぼ等しくなるよう
に、ハーフミラー10の反射率Rを設定することが望ま
しい。すなわち、E・R=E・(1−R)・(1−R)
を満たすように、ハーフミラー10の反射率Rを0.3
82に設定するのが好ましい。ハーフミラー10の反射
率Rが0.382の場合、各分割パルス光のエネルギー
En の元のパルス光のエネルギーEに対する比は、次の
式(5)〜(9)のように表される。
【0026】 第1パルス光 E1 /E=38.2% (5) 第2パルス光 E2 /E=38.2% (6) 第3パルス光 E3 /E=14.6% (7) 第4パルス光 E4 /E= 5.6% (8) 第5パルス光 E5 /E= 2.1% (9)
【0027】ただし、ハーフミラーの透過率には製造誤
差や変動もあるため、第1パルス光のエネルギーと第2
パルス光のエネルギーとを厳密に等しくすることは難し
い。そこで、第1パルス光のエネルギーE1 および第2
パルス光のエネルギーE2 が元のパルス光のエネルギー
Eの50%以下になることを最低条件とし、以下の条件
式(10)および(11)を満足するように設定してもよ
い。 E・R<0.5E (10) E・(1−R)・(1−R)<0.5E (11)
【0028】さらに具体的には、条件式(10)および
(11)を満足するハーフミラー10の反射率Rは、以下
の条件式(12)を満足する。 29.3%<R<50% (12)
【0029】なお、第1実施例において、レーザー光源
からのパルス光が直線偏光であるものとしているが、非
偏光、円偏光またはランダムな偏光であってもよい。た
だし、非偏光、円偏光またはランダムな偏光である場合
には、S偏光に対するハーフミラーの反射率とP偏光に
対するハーフミラーの反射率とが等しくなるように構成
することが望ましい。S偏光に対するハーフミラーの反
射率とP偏光に対するハーフミラーの反射率とが異なる
場合、S偏光に対する反射率とP偏光に対する反射率と
の平均反射率が条件式(12)を満たせば、ほぼ同等の効
果を得ることができる。この場合、第1パルス光におけ
るS偏光とP偏光との割合と、第2パルス光におけるS
偏光とP偏光との割合とが異なることになるが、本発明
の作用効果を阻害することはない。
【0030】図5は、本発明の第2実施例にかかるパル
ス幅伸長光学系の構成を概略的に示す図である。第2実
施例のパルス幅伸長光学系は第1実施例と類似の構成を
有するが、光分割手段および光合成手段を構成するハー
フミラーの透過および反射の作用が第1実施例とは逆で
ある。以下、第1実施例との相違点に着目しながら、第
2実施例を説明する。
【0031】図5のパルス幅伸長光学系において、レー
ザー光源1から射出されたパルス光は、誘電体多層膜か
らなる半透過膜を有するハーフミラー20に入射して、
反射光と透過光とに分割される。ハーフミラー20を1
回目に透過した光は、分割パルス光となって図中右側へ
進行する。一方、ハーフミラー20で1回目に反射され
た光は、分割パルス光となってミラー21、22、23
および24により順次反射された後、ハーフミラー20
に再び入射する。
【0032】ハーフミラー20に再び入射した光のうち
ハーフミラー20で2回目に反射された光は、ハーフミ
ラー20を1回目に透過した光と同一の光路に沿って合
成される。また、ハーフミラー20に再び入射した光の
うちハーフミラー20を2回目に透過した光は、ミラー
21、22、23および24により順次反射された後、
ハーフミラー20に再び入射する。
【0033】ハーフミラー20に再び入射した光のうち
ハーフミラー20で3回目に反射された光は、ハーフミ
ラー20を1回目に透過した光およびハーフミラー20
で2回目に反射された光と同一の光路に沿って合成され
る。こうして、ハーフミラー20を2回目以降に透過し
た光成分は、ミラー21、22、23および24を介す
る同一の光路を周回する。このように、この4つのミラ
ー(21〜24)とハーフミラー20とで形成される周
回光路は、所定の光路長となるように4つのミラー(2
1〜24)の配置によって設定されており、4つのミラ
ー(21〜24)は、光路長差付与手段として機能して
いる。このため、周回光路の光路長をLとし、nを2以
上の整数とすると、ハーフミラー20をn回介する分割
光は、ハーフミラー20を(n−1)回介する分割光に
対して、光路長差Lが付与される。そして、ハーフミラ
ー20を2回目以降に透過した光成分は、周回ごとにハ
ーフミラー20で反射される光の分だけ徐々に減衰し、
最終的にはすべての光がハーフミラー20で反射される
ことになる。したがって、ミラー21、22、23およ
び24の反射率がそれぞれ100%であれば、原理的に
は光量損失は発生しない。
【0034】第2実施例では、ハーフミラー20の透過
および反射の作用が第1実施例とは全く逆である。した
がって、第2実施例において、第1パルス光のエネルギ
ーと第2パルス光のエネルギーとがほぼ等しくなるよう
なハーフミラー20の透過率Tは、第1実施例において
第1パルス光のエネルギーと第2パルス光のエネルギー
とがほぼ等しくなるようなハーフミラー10の反射率R
に等しい。すなわち、第1パルス光のエネルギーと第2
パルス光のエネルギーとをほぼ等しくするには、ハーフ
ミラー20の透過率Tを38.2%にすればよい。
【0035】また、同様に、第1パルス光のエネルギー
E1 および第2パルス光のエネルギーE2 を元のパルス
光のエネルギーEの50%以下にするには、ハーフミラ
ー20の透過率Tが以下の条件式(13)を満足するよう
に構成すればよい。 29.3%<T<50% (13) また、第1実施例と同様に、レーザー光源1からのパル
ス光が非偏光、円偏光またはランダムな偏光である場
合、S偏光に対する透過率とP偏光に対する透過率との
平均透過率が上記の条件式(13)を満たせば、ほぼ同等
の効果を得ることができる。
【0036】図6は、本発明の第3実施例にかかるパル
ス幅伸長光学系の構成を概略的に示す図である。第1実
施例および第2実施例では光分割手段および光合成手段
を1つのハーフミラーで構成しているのに対し、第3実
施例では光分割手段および光合成手段をそれぞれ1つの
偏光ビームスプリッターで構成している。以下、第1実
施例および第2実施例との相違点に着目しながら、第3
実施例を説明する。
【0037】図6のパルス幅伸長光学系において、レー
ザー光源1から射出されたパルス光は、偏光ビームスプ
リッター30によってP偏光とS偏光とに分割される。
すなわち、偏光ビームスプリッター30を透過したP偏
光の分割パルス光は、偏光ビームスプリッター33をさ
らに透過する。一方、偏光ビームスプリッター30で反
射されたS偏光の分割パルス光は、ミラー31および3
2で順次反射された後、偏光ビームスプリッター33に
入射する。
【0038】偏光ビームスプリッター33に入射したS
偏光の分割パルス光は、偏光ビームスプリッター33で
反射され、偏光ビームスプリッター33を透過したP偏
光の分割パルス光と同一の光路に沿って合成される。こ
のように、偏光ビームスプリッター30は、パルス光を
複数の光路に沿って分割するための光分割手段を構成し
ている。また、偏光ビームスプリッター33は、複数の
光路に沿った分割パルス光を同一の光路に沿って合成す
るための光合成手段を構成している。なお、2つのミラ
ー(31、32)は、偏光ビームスプリッター30を透
過して偏光ビームスプリッター33に入射する光の光路
と、偏光ビームスプリッター30を反射して2つのミラ
ー(31、32)を経由して偏光ビームスプリッター3
3に向かう光の光路との間に所定の光路長差を付与する
光路長差付与手段として機能している。
【0039】そして、偏光ビームスプリッター30およ
び33を介したP偏光の分割パルス光と、偏光ビームス
プリッター30、ミラー31、32、および偏光ビーム
スプリッター33を介したS偏光の分割パルス光との間
には、所定の光路長差が設定されている。前述のよう
に、この光路長差をパルス長よりも大きく設定すれば、
合成光において2つの分割パルス光が時間的に重なり合
わない。また、前述したように、光路長差をたとえば半
値パルス長に設定することによっても、合成光の単位時
間当たりのエネルギーを大幅に減少させることができ
る。
【0040】第3実施例では、周回光学系が存在する第
1実施例および第2実施例とは異なり、元のパルス光は
2つの光路に沿って分割された後に合成されるだけであ
る。したがって、非偏光、円偏光、ランダム偏光などの
ように、元のパルス光が偏光ビームスプリッターに対し
てP偏光の成分とS偏光の成分とが常に等しい光であれ
ば、分割された2つの分割パルス光のエネルギーは、そ
れぞれ元のパルス光のエネルギーの約50%となる。
【0041】一方、元のパルス光が直線偏光や楕円偏光
の場合には、偏光ビームスプリッターに対してP偏光の
成分とS偏光の成分とが常に等しくはならない。したが
って、分割された2つの分割パルス光の強度がほぼ等し
くなるように、偏光ビームスプリッターの偏光軸を配置
するのが好ましい。すなわち、元のパルス光が直線偏光
であってその偏光方向が図6の紙面に対して垂直または
平行な場合、偏光ビームスプリッターの偏光軸を紙面に
対してほぼ45度に配置することが望ましい。
【0042】なお、第3実施例において、偏光ビームス
プリッター30および33に代えてハーフミラーを使用
することもできる。しかしながら、この場合、光合成手
段を構成するハーフミラー(参照番号33の偏光ビーム
スプリッターに相当)において、図中下方向への光の漏
れに起因する光量損失が起こる。
【0043】図7は、本発明の第4実施例にかかるパル
ス幅伸長光学系の構成を概略的に示す図である。第4実
施例のパルス幅伸長光学系は第1実施例と類似の構成を
有するが、周回光学系の光路中に波長板41が付設され
ている点だけが第1実施例と基本的に相違する。以下、
第1実施例との相違点に着目しながら、第4実施例を説
明する。
【0044】図7のパルス幅伸長光学系は、ほぼ直線偏
光のパルス光を発するレーザー光源1を備えている。な
お、レーザー光源1からのパルス光は、図1の紙面に対
して平行な偏光方向を有するP偏光であるものとする。
レーザー光源1から射出されたP偏光のパルス光は、ハ
ーフミラー40に入射して、反射光と透過光とに分割さ
れる。ハーフミラー40で1回目に反射された光は、分
割パルス光となってミラー14に入射し、図中右側に反
射される。一方、ハーフミラー40を1回目に透過した
光は、分割パルス光となってミラー11および12によ
り順次反射された後、1/2波長板41に入射する。
【0045】1/2波長板41は、紙面に対して結晶軸
が45度の角度をなす水晶から構成されている。したが
って、1/2波長板41は、周回光学系を通過する光の
偏光方向を90度だけ回転させる役割を果たす。すなわ
ち、1/2波長板41を通過する度に、P偏光はS偏光
に、S偏光はP偏光にそれぞれ変換される。したがっ
て、1/2波長板41を介してS偏光に変換された分割
パルス光は、ハーフミラー40に再び入射する。
【0046】ハーフミラー40に再び入射した光のうち
ハーフミラー40を2回目に透過した光は、ハーフミラ
ー40で1回目に反射された光と同一の光路に沿って合
成される。また、ハーフミラー40に再び入射した光の
うちハーフミラー40で2回目に反射された光は、ミラ
ー11および12により順次反射された後、1/2波長
板41に入射する。1/2波長板41を介してP偏光に
変換された分割パルス光は、ハーフミラー40に再び入
射する。
【0047】ハーフミラー40に再び入射した光のうち
ハーフミラー40を3回目に透過した光は、ハーフミラ
ー40で1回目に反射された光およびハーフミラー40
を2回目に透過した光と同一の光路に沿って合成され
る。こうして、ハーフミラー40で2回目以降に反射さ
れた光成分は、ミラー11、12、1/2波長板41、
およびミラー13を介する同一の光路を周回する。そし
て、ハーフミラー40で2回目以降に反射された光成分
は、周回ごとに偏光状態がP偏光とS偏光との間で交互
に変わり、ハーフミラー40を透過する光の分だけ徐々
に減衰し、最終的にはすべての光がハーフミラー40を
透過することになる。
【0048】ハーフミラー40で分割された各分割パル
ス光のエネルギーは、パルス光に対するハーフミラー4
0の反射率に依存する。すなわち、P偏光に対するハー
フミラー40の反射率をRp とし、S偏光に対するハー
フミラー40の反射率をRsとすると、第1パルス光〜
第3パルス光のエネルギーE1 〜E3 は、以下の式(1
4)〜(16)で表される。
【0049】 E1 =E・Rp (14) E2 =E・(1−Rp )・(1−Rs ) (15) E3 =E・(1−Rp )・Rs ・(1−Rp ) (16)
【0050】第3実施例では、周回光学系の光路中に付
設された1/2波長板41を介して分割パルス光の偏光
方向を交互に変化させることにより、第1パルス光のエ
ネルギーE1 と、第2パルス光のエネルギーE2 と、第
3パルス光のエネルギーE3とをほぼ等しくすることが
可能である。式(14)〜(16)で表される各パルス光の
エネルギーが互いに等しくなるとき、P偏光に対するハ
ーフミラー40の反射率Rp は29.3%となり、S偏
光に対するハーフミラー40の反射率Rs は58.6%
となる。
【0051】この場合、3つのパルス光のエネルギーE
1 〜E3 は、元のパルス光のエネルギーEの約29.3
%となる。このように、第4実施例では、2つの分割パ
ルス光のエネルギーE1 およびE2 を元のパルス光のエ
ネルギーEの約38.2%に最適化することのできる第
1実施例よりも、各分割パルス光当たりのエネルギーを
さらに低減することが可能となる。
【0052】また、前述のように、ハーフミラー40の
反射率の誤差を考慮して、3つのパルス光のエネルギー
E1 〜E3 が元のパルス光のエネルギーEの約40%以
下になることを最低条件とし、以下の条件式(17)〜
(19)を満足するように構成することもできる。
【0053】 E・Rp <0.4E (17) E・(1−Rp )・(1−Rs )<0.4E (18) E・(1−Rp )・Rs ・(1−Rp )<0.4E (19) なお、レーザー光源1からのパルス光が紙面に対して垂
直な偏光方向を有するS偏光である場合には、上述の式
(14)〜(19)においてRp とRs とを入れ替えて考え
れば良い。
【0054】図8は、本発明の第5実施例にかかるパル
ス幅伸長光学系の構成を概略的に示す図である。第5実
施例のパルス幅伸長光学系は図5の第2実施例と類似の
構成を有するが、周回光学系の光路中に波長板51が付
設されている点だけが第2実施例と基本的に相違する。
すなわち、第5実施例では、第4実施例と同様に、第1
〜第3パルス光のエネルギーE1 〜E3 が互いにほぼ等
しくなるように構成することができる。以下、第2実施
例および第4実施例との相違点に着目しながら、第5実
施例を説明する。
【0055】第5実施例では、レーザー光源1からのパ
ルス光が紙面に対して平行な偏光方向を有するP偏光で
ある場合には、第4実施例における反射率Rp およびR
s をそれぞれ透過率Tp およびTs に置き換えて考えれ
ば良い。したがって、ハーフミラー50のP偏光に対す
る透過率Tp が29.3%で、ハーフミラー50のS偏
光に対する透過率Ts が58.6%の条件を満たすとき
に、3つの分割パルス光のエネルギーE1 〜E3 が互い
に等しくなる。また、レーザー光源1からのパルス光が
紙面に対して垂直な偏光方向を有するS偏光である場合
には、ハーフミラー50の透過率Tp とTs とを入れ替
えて考えれば良い。
【0056】図9は、本発明の第6実施例にかかるパル
ス幅伸長光学系の構成を概略的に示す図である。第6実
施例のパルス幅伸長光学系は図5の第2実施例と類似の
構成を有するが、周回光学系の光路中にケプラー型のリ
レー光学系(61、62)が付設されている点だけが第
2実施例と基本的に相違する。以下、第2実施例との相
違点に着目しながら、第6実施例を説明する。
【0057】図9のパルス幅伸長光学系において、周回
光学系の光路中に付設されたケプラー型のリレー光学系
(61、62)は、光分割手段としてのハーフミラー2
0の分割面と光合成手段としてのハーフミラー20の合
成面とをほぼ共役に構成している。レーザー光源1とし
てエキシマレーザーのような発散角の大きい光源を用い
た場合、図5の第2実施例では、周回光学系を介する回
数が増えるほど分割パルス光ほど発散角によるビームの
ぼけが大きく発生する。
【0058】図10は、図5の第2実施例において周回
光学系を介する回数が大きい分割パルス光ほど発散角に
よるビームのぼけが大きく発生する様子を模式的に表わ
した図である。図10には、ハーフミラー20において
合成される際の第1パルス光、第2パルス光および第3
パルス光のビーム強度の断面形状がそれぞれ示されてい
る。図10に示すように、図5の第2実施例では、ハー
フミラー20において複数の分割パルス光を合成する際
に、各分割パルス光のビーム断面形状が徐々に変化する
ことがわかる。
【0059】図9の第6実施例のパルス幅伸長光学系に
おいては、周回光学系の光路中にケプラー型のリレー光
学系(61、62)が設けられているので、周回光学系
を介する回数にかかわらず、発散角によりビームのぼけ
が増大することはない。なお、第6実施例では、リレー
光学系(61、62)の倍率が−1倍になっているた
め、第1パルス光と第2パルス光とは相対的に180度
だけ回転して合成される。すなわち、奇数番目のパルス
光と偶数番目のパルス光とが相対的に180度だけ回転
して合成されることになる。
【0060】したがって、図11に示すようにエキシマ
レーザー光源1が対称性の良くないビーム断面形状のパ
ルス光を射出するような場合でも、図12に示すように
奇数番目のパルス光と偶数番目のパルス光とが180度
だけ回転して合成される。このように、第6実施例で
は、ハーフミラー20の分割面とハーフミラー20の合
成面とをほぼ共役に構成し且つ−1倍の倍率を有するリ
レー光学系(61、62)の作用により、発散角による
ビームのぼけの増大を回避するとともに、合成光のビー
ム断面形状をほぼ対称に改善することができる。
【0061】なお、図9の第6実施例において、レーザ
ー光源1とハーフミラー20とを結ぶ光路と、ミラー2
2とミラー23とを結ぶ光路とが交差(クロス)するよ
うに構成されている。しかしながら、光路の交差が好ま
しくないような場合には、ミラー21、22、23、2
4、およびリレー光学系(61、62)を含む面をたと
えば紙面に垂直な方向に沿って配置することにより、光
路の交差を回避することも可能である。なお、リレー光
学系の倍率は、1倍または−1倍に構成することが望ま
しい。また、リレー光学系の中間点に集光点が形成され
るため、光学素子が集光点から十分に離れるように構成
し、損傷を防ぐ必要がある。
【0062】図13は、本発明の第7実施例にかかるパ
ルス幅伸長光学系の構成を概略的に示す図である。第7
実施例のパルス幅伸長光学系は図1の第1実施例と類似
の構成を有するが、周回光学系の光路中にケプラー型の
リレー光学系(70、71)が付設されている点だけが
第1実施例と基本的に相違する。したがって、第7実施
例では、第6実施例と同様に、光分割手段の分割面と光
合成手段の合成面とをほぼ共役に構成し且つ−1倍の倍
率を有するリレー光学系(70、71)の作用により、
発散角によるビームのぼけの増大を回避するとともに、
合成光のビーム断面形状をほぼ対称に改善することがで
きる。
【0063】図14は、本発明の第8実施例にかかるパ
ルス幅伸長光学系の構成を概略的に示す図である。第8
実施例のパルス幅伸長光学系は図6の第3実施例と類似
の構成を有するが、分割された2つの光路のうち光路長
が長い方の光路中にケプラー型のリレー光学系(80、
81)が付設されている点だけが第3実施例と基本的に
相違する。したがって、第8実施例では、第6実施例お
よび第7実施例と同様に、光分割手段の分割面と光合成
手段の合成面とをほぼ共役に構成し且つ−1倍の倍率を
有するリレー光学系(80、81)の作用により、発散
角によるビームのぼけの増大を回避するとともに、合成
光のビーム断面形状をほぼ対称に改善することができ
る。
【0064】図15は、本発明の第9実施例にかかるパ
ルス幅伸長光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示
す図である。第9実施例の露光装置では、193nmの
波長のパルス光を発光するパルス発光の光源として、エ
キシマレーザー光源(ArFエキシマレーザー光源)6
0を備えている。エキシマレーザー光源60から射出さ
れたパルス光は、ケプラー型のリレー光学系(91、9
2)を介して、ハーフミラー20に入射する。なお、リ
レー光学系(91、92)は、エキシマレーザー光源6
0のレーザー射出口とハーフミラー20の分割面とをほ
ぼ共役に構成している。
【0065】また、ケプラー型のリレー光学系(91、
92)の倍率は、光源60からのパルス光のビーム断面
形状とハーフミラー20の大きさとに応じた適切な倍率
に規定されている。したがって、光源60がリレー光学
系(91、92)の光軸に対して角度ずれを起こして
も、光源60からのパルス光をハーフミラー20に正確
に導くことが可能となっている。
【0066】ハーフミラー20に入射したパルス光は、
図9の第6実施例のパルス幅伸長光学系と同様に、ハー
フミラー20を透過するパルス光と、ハーフミラー20
で反射されて周回光学系に導かれるパルス光とに分割さ
れる。周回光学系に導かれたパルス光は、ミラー21、
22、23、24、ケプラー型のリレー光学系(93、
94)を介して、ハーフミラー20に再び入射する。こ
うして、前述のように、ハーフミラー20に戻って反射
された光が、順次同一光路に沿って合成される。なお、
ケプラー型のリレー光学系(93、94)は−1倍の倍
率を有し、光分割手段としてのハーフミラー20の分割
面と、光合成手段としてのハーフミラー20の合成面と
を光学的に共役に構成している。
【0067】このように、ケプラー型のリレー光学系
(91、92)、ハーフミラー20、ミラー21、2
2、23、24、およびケプラー型のリレー光学系(9
3、94)は、光源60からのパルス光の発光時間を疑
似的に伸長するパルス幅伸長光学系を構成している。図
15の露光装置のパルス幅伸長光学系においても、リレ
ー光学系(93、94)の作用により、レーザー光の発
散角によるビームのぼけの増大を回避することができ
る。また、レーザー光源60からのパルス光が対称性の
良くないビーム断面形状を有する場合でも、合成光のビ
ーム断面形状をほぼ対称に改善することができる。
【0068】なお、前述のように、周回光学系の光路長
をたとえば半値パルス長よりも大きく設定することによ
り、パルス幅を実質的に伸長させて、発光時間内の平均
エネルギを低減することができる。その結果、パルス幅
伸長光学系以降の照明光学系の性能低下を回避し、レー
ザー照射に対して十分な耐久性を維持することができ
る。
【0069】ハーフミラー20を介して同一の光路に沿
って合成されたパルス光は、ケプラー型のリレー光学系
(95、96)によってリレーされた後、たとえばシリ
ンドリカルレンズと球面レンズとからなるビーム整形光
学系2に入射する。ビーム整形光学系2を介してフライ
アイレンズ3の形状に応じたビーム断面形状に整形され
た光は、フライアイレンズ3に入射する。フライアイレ
ンズ3は、照明光学系の光軸に沿って並列配置された多
数のレンズエレメントからなる。フライアイレンズ3に
入射した光束は、複数の光束に分割され、フライアイレ
ンズ3の後側焦点位置に複数の光源像(二次光源)を形
成する。
【0070】なお、ハーフミラー20とフライアイレン
ズ3の入射面とは、ビーム整形光学系2によってほぼ共
役に構成されている。このため、ハーフミラー20を介
して形成された合成パルス光の射出方向と照明光学系の
光軸との間に多少の角度差がある場合でも、すべての合
成パルス光をフライアイレンズ3の入射面に正確に導く
ことが可能になる。また、ビーム整形光学系2にシリン
ドリカルレンズが含まれている場合には、特願平7−5
3579号明細書および図面に開示されているように、
縦方向と横方向との双方においてハーフミラー20とフ
ライアイレンズ3の入射面とがほぼ共役になるように構
成することが望ましい。
【0071】複数の二次光源からの光束は、開口絞り4
を介して制限された後、コンデンサーレンズ5によって
集光され、折り曲げミラー98を介してマスク6を重畳
的に均一照明する。マスク6上には、半導体集積回路な
どの非常に微細なパターンが描かれている。マスク6の
パターンは、投影光学系7を介してウエハ8上に縮小投
影または拡大投影され、ウエハ8上に塗布されたレジス
トに露光される。このように、光源60、パルス幅伸長
光学系、リレー光学系(95、96)、ビーム整形光学
系2、フライアイレンズ3、開口絞り4、コンデンサー
レンズ5、および折り曲げミラー98は、マスク6をほ
ぼ均一に照明するための照明光学系を構成している。
【0072】以上のように、図15に示した露光装置に
よる露光の工程(フォトリソグラフィ工程)は、投影光
学系7の物体面にマスク6を設定するマスク設定工程
と、投影光学系7の像面に感光性基板としてのウエハ8
を設定する基板設定工程と、マスク6とウエハ8とを設
定する工程後に、照明光学系によってマスク6を照明し
て、マスク6のパターンを投影光学系7を介してウエハ
8上に投影転写する転写工程とを含む。
【0073】そして、図15に示した露光装置による露
光の工程(フォトリソグラフィ工程)を経たウエハ8
は、現像する工程を経てから、現像したレジスト以外の
部分を除去するエッチングの工程、エッチングの工程後
の不要なレジストを除去するレジスト除去の工程等を経
る。そして、露光、エッチング、レジスト除去の工程を
繰り返して、ウエハプロセスが終了する。その後、ウエ
ハプロセスが終了すると、実際の組立工程にて、焼き付
けられた回路毎にウエハを切断してチップ化するダイシ
ング、各チップに配線等を付与するボンディング、各チ
ップ毎にパッケージングするパッケージング等の各工程
を経て、最終的にLSI等の半導体デバイスが製造され
る。なお、以上には、露光装置を用いたウエハプロセス
でのフォトリソグラフィ工程によりLSI等の半導体デ
バイスを製造する例を示したが、露光装置を用いたフォ
トリソグラフィ工程によって、液晶表示素子、薄膜磁気
ヘッド、撮像素子(CCD等)等の半導体デバイスも製
造することができる。
【0074】なお、図15の第9実施例において、ビー
ム整形光学系2をフライアイレンズ3の直前に配置して
いるが、ビーム整形光学系2の位置はこれに限定される
わけではない。前述のように、光源60とハーフミラー
20とフライアイレンズ3との共役関係が満たされる限
り、例えばレーザー光源60の直後や、ハーフミラー2
0とリレー光学系(95、96)のレンズ95との間の
光路中などにビーム整形光学系2を配置することもでき
る。
【0075】また、投影光学系7を複数の屈折性レンズ
で構成した場合、投影光学系7の色収差の影響を防止し
て、良好なるマスクパターン像を感光性基板としてのウ
エハ8に露光するには、エキシマレーザ光源60から出
力される光の波長幅を10pm以下とする狭幅化手段
(エタロン、回折格子等)を、エキシマレーザ光源60
の内部あるいはエキシマレーザ光源60の射出側に設け
ることが好ましい。また、狭幅化手段を備えた光源とし
て、インジェクションロッキング型のエキシマレーザ光
源を用いることも可能である。特に、投影光学系7を全
て石英製の複数のレンズで構成した場合には、ArFエ
キシマレーザ等の光源60から出力される光の波長幅
(狭幅化の幅)を1pm以下となるように狭帯化するこ
とが良く、より好ましくは狭帯化の幅を0.5pm以下
とすることが良い。
【0076】また、投影光学系7を石英レンズと蛍石レ
ンズとの混合で構成した場合には、ArFエキシマレー
ザ等の光源60から出力される光の波長幅を3pm以下
となるように狭帯化することが良く、より好ましくは狭
帯化の幅を1.5pm以下とすることが良い。また、投
影光学系7をミラー等の反射部材と屈折性レンズとの混
合で構成した場合には、ArFエキシマレーザ等の光源
60から出力される光の波長幅を10pm以下とするこ
とが良く、より好ましくは狭帯化の幅を5pm以下とす
ることが良い。
【0077】以上の如く、狭幅化された光をパルス幅伸
長光学系へ入射させることにより、露光装置の光学特性
の低下を回避しながら良好なるマスクパターン像を感光
性基板に露光することができる。なお、以上の例では、
光路長差付与手段として主にミラーを用いた例を示した
が、これに限ることなく、例えば、平行平面板等の透過
性の光学部材を光路長差付与手段として、分割光路中に
配置しても良い。さらに、光路長差付与手段中の少なく
とも1つのミラーを移動可能に構成して、光路長差を可
変とすることもできる。
【0078】また、図15に示した露光装置としては、
マスク6上のパターンをウエハ8上の1ショット領域に
一括露光する所謂ステップ・アンド・リピート方式のも
ののみならず、照明光学系によってマスク6を円弧状又
はスリット状の照明領域のもとで照明し、マスク6を保
持するマスクステージとウエハを保持する基板ステージ
とを露光中に移動させて、走査露光する方式のものであ
っても良い。
【0079】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、パルス
光の発光時間を疑似的に伸長することによって、単位時
間当たりのエネルギーを低減することができるので、光
学系の性能低下を回避することができる。特に、露光装
置では、レーザー照射による投影光学系の結像性能の低
下を回避して、微細パターンを良好に形成することがで
きる。したがって、この露光装置を用いて、良好なる半
導体デバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかるパルス幅伸長光学
系の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1のレーザー光源から射出されるパルス光の
エネルギーの時間変化を模式的に示す図である。
【図3】時間的に重なり合わない複数の分割パルス光か
らなる合成パルス光のエネルギーの時間変化を示す図で
ある。
【図4】光路長差が半値パルス長に等しい場合の合成パ
ルス光のエネルギーの時間変化を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例にかかるパルス幅伸長光学
系の構成を概略的に示す図である。
【図6】本発明の第3実施例にかかるパルス幅伸長光学
系の構成を概略的に示す図である。
【図7】本発明の第4実施例にかかるパルス幅伸長光学
系の構成を概略的に示す図である。
【図8】本発明の第5実施例にかかるパルス幅伸長光学
系の構成を概略的に示す図である。
【図9】本発明の第6実施例にかかるパルス幅伸長光学
系の構成を概略的に示す図である。
【図10】図5の第2実施例において周回光学系を介す
る回数が大きい分割パルス光ほど発散角によるビームの
ぼけが大きく発生する様子を模式的に表わした図であ
る。
【図11】第6実施例においてエキシマレーザー光源1
が射出するパルス光の対称性の良くないビーム断面形状
を示す図である。
【図12】第6実施例において奇数番目のパルス光と偶
数番目のパルス光とが180度だけ回転して合成される
様子を模式的に示す図である。
【図13】本発明の第7実施例にかかるパルス幅伸長光
学系の構成を概略的に示す図である。
【図14】本発明の第8実施例にかかるパルス幅伸長光
学系の構成を概略的に示す図である。
【図15】本発明の第9実施例にかかるパルス幅伸長光
学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図16】パルスレーザー光源を備えた従来の露光装置
の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源 2 ビーム整形光学系 3 フライアイレンズ 4 開口絞り 5 コンデンサーレンズ 6 マスク 7 投影光学系 8 ウエハ 9 ミラー 10 ハーフミラー 11〜14 ミラー 20 ハーフミラー 21〜24 ミラー 30、33 偏光ビームスプリッター 31、32 ミラー 41、51 1/2波長板 50 ハーフミラー 60 エキシマレーザー光源 61、62 ケプラー型リレー光学系

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス光の発光時間を疑似的に伸長する
    パルス幅伸長光学系において、 前記パルス光を複数の光路に沿って分割するための光分
    割手段と、前記複数の光路に沿った分割パルス光を同一
    の光路に沿って合成するための光合成手段とを備え、 前記同一の光路に沿って合成された合成パルス光の強度
    が前記複数の光路に沿って分割される元のパルス光の強
    度よりも実質的に小さくなるように、前記複数の光路は
    互いに所定の光路長差を有することを特徴とするパルス
    幅伸長光学系。
  2. 【請求項2】 前記所定の光路長差は、前記元のパルス
    光の発光時間内において発光強度がピーク強度の1/2
    以上である時間と光速との積よりも大きいことを特徴と
    する請求項1に記載のパルス幅伸長光学系。
  3. 【請求項3】 前記光分割手段により分割された少なく
    とも1つの光路に、前記所定の光路長差を付与する光路
    長差付与手段が設けられていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のパルス幅伸長光学系。
  4. 【請求項4】 前記複数の光路のうち少なくとも1つの
    光路中には、前記光分割手段の分割面と前記光合成手段
    の合成面とを実質的に共役に構成するためのリレー光学
    系が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載のパルス幅伸長光学系。
  5. 【請求項5】 前記複数の光路は2つの光路からなり、
    前記光分割手段と前記光合成手段とは同一の光学素子で
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に
    記載のパルス幅伸長光学系。
  6. 【請求項6】 パターンが形成されたマスクをほぼ均一
    に照明するための照明光学系を備え、前記マスク上に形
    成されたパターンの像を感光基板上に形成する露光装置
    において、 前記照明光学系は、パルス発光する光源と、該光源から
    のパルス光の発光時間を疑似的に伸長するためのパルス
    幅伸長光学系とを備え、 前記パルス幅伸長光学系は、前記パルス光を複数の光路
    に沿って分割するための光分割手段と、前記複数の光路
    に沿った分割パルス光を同一の光路に沿って合成するた
    めの光合成手段とを備え、前記同一の光路に沿って合成
    された合成パルス光の強度が前記複数の光路に沿って分
    割される元のパルス光の強度よりも実質的に小さくなる
    ように、前記複数の光路は互いに所定の光路長差を有す
    ることを特徴とする露光装置。
  7. 【請求項7】 前記照明光学系は、前記パルス幅伸長光
    学系を介して形成された合成パルス光に基づいて多数の
    光源像を形成するための多光源像形成手段と、該多光源
    像形成手段により形成された多数の光源像からの光束を
    集光して前記マスク上を重畳的に照明する集光光学系と
    をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の
    露光装置。
  8. 【請求項8】 前記光分割手段により分割された少なく
    とも1つの光路に、前記所定の光路長差を付与する光路
    長差付与手段が設けられていることを特徴とする請求項
    6または請求項7に記載の露光装置。
  9. 【請求項9】 前記所定の光路長差は、前記元のパルス
    光の発光時間内において発光強度がピーク強度の1/2
    以上である時間と光速との積よりも大きいことを特徴と
    する請求項6乃至8のいずれか1項に記載の露光装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の光路のうち少なくとも1つ
    の光路中には、前記光分割手段の分割面と前記光合成手
    段の合成面とを光学的に共役に構成するためのリレー光
    学系が設けられていることを特徴とする請求項6乃至9
    のいずれか1項に記載の露光装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の光路は2つの光路からな
    り、前記光分割手段と前記光合成手段とは同一の光学素
    子であることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか
    1項に記載の露光装置。
  12. 【請求項12】 前記多光源像形成手段は、前記照明光
    学系の光軸に沿って並列配置された多数のレンズエレメ
    ントからなるフライアイレンズであり、 前記フライアイレンズの入射面と前記光合成手段の合成
    面とが実質的に共役に位置決めされていることを特徴と
    する請求項7乃至11のいずれか1項に記載の露光装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項6乃至請求項12のいずれか1
    項に記載した露光装置を用いて、前記マスク上に形成さ
    れたパターンを感光性基板に露光する工程を含む、こと
    を特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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