JPH09289038A - 高分子固体電解質及びそれを用いた電池 - Google Patents

高分子固体電解質及びそれを用いた電池

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JPH09289038A
JPH09289038A JP8102654A JP10265496A JPH09289038A JP H09289038 A JPH09289038 A JP H09289038A JP 8102654 A JP8102654 A JP 8102654A JP 10265496 A JP10265496 A JP 10265496A JP H09289038 A JPH09289038 A JP H09289038A
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JP
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electrolyte
polymer
component
battery
solid electrolyte
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JP8102654A
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English (en)
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Nobuhito Hoshi
星  信人
Masakatsu Kuroki
正勝 黒木
Masanori Ikeda
池田  正紀
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いイオン伝導度を有し、加工性、柔軟性、
機械的強度に優れた高分子固体電解質用材料、及びこれ
をイオン移動媒体に用いた電池を提供する。 【解決手段】 フッ素化ビニルエーテル単量体とビニリ
デンフルオライド単量体を有する共重合体5〜90重量
部と電解質1〜90重量部と可塑剤5〜90重量部から
なる高分子固体電解質、及び該高分子固体電解質を介し
て電極が接合した電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性、及び
イオン伝導性に優れた高分子材料並びにこれをイオン移
動媒体として用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質をイオン移動媒体として構成
した固体電池は、従来の電解液をイオン移動媒体とした
電池に比べ、液漏れがないため電池の信頼性、安全性が
向上するとともに、薄膜化や積層体形成、パッケージの
簡略化、軽量化が期待されている。この固体電解質材料
として、イオン伝導性のセラミック材料またはポリマー
材料が提案されているが、前者のイオン伝導性セラミッ
ク材料はもろい性質を有し電極との積層体形成が難し
い。一方イオン伝導性ポリマー材料は加工柔軟性を有す
るため固体電解質材料として電池との積層構造体形成、
電極のイオン吸蔵放出による体積変化に追随した界面保
持ができるなど好ましい。
【0003】このポリマー固体電解質の試みとして、W
rightによりポリエチレンオキシドのアルカリ金属
塩複合体が、British Polymer Jou
rnal,7 p319(1975)に報告され、以来
ポリエチレングリコール、ポリプロピレンオキシドなど
のポリアルキレンエーテル系材料を中心として、ポリア
クリロニトリル、ポリホスファゼン、ポリシロキサンな
どを骨格とした固体電解質材料が活発に研究されてい
る。
【0004】これらポリマーをマトリックスとして金属
塩を含有させ固溶させた高分子固体電解質のイオン伝導
度は電解液のイオン伝導度に比較してかなり小さく、こ
れを用いて構成した電池は充放電電流密度が限定される
などの問題を有する。このため、高いイオン伝導度を有
する高分子固体電解質材料が要求されている。Gozd
zらはフッ化ビニリデンと8〜25重量%のヘキサフル
オロプロピレンからなる共重合体を用い、これに電解質
と大量の可塑剤を含ませることで比較的高いイオン伝導
度を有する高分子電解質材料を報告している(米国特許
第5296318号明細書)。しかしこの場合、大量の
電解質と可塑剤を加えた状態では高分子電解質材料の強
度が大幅に低下するため、高分子電解質材料のフィルム
をロールで扱う際に張力を加えると容易に破損したり、
電極と積層した場合にわずかな圧力で押しつぶされて短
絡するなどの問題が生じ、電池の製造プロセスや信頼性
の点で十分な機械的特性を有するとは言い難かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大量の電解
質と可塑剤を含浸した状態に於いても、高いイオン伝導
度を有し、加工性、柔軟性、機械的強度に優れた高分子
固体電解質を提供するとともに、これをイオン移動媒体
に用いた固体電池を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の問題を解決する手
段として、本発明者らは新たに高分子材料について検討
し、充分な強度をもち、かつイオン伝導度の高い高分子
固体電解質材料を得るべく検討を重ねた結果、本発明を
得るに至った。すなわち、本発明は以下のとおりであ
る。 (1) (a)下記一般式(1)で表されるトリフルオ
ロビニルエーテルからなるモノマー単位の少なくとも1
種、及びフッ化ビニリデンからなるモノマー単位を含む
共重合体、 CF2 =CF−OX (1) (式中、Xは炭素数1〜18個のパーフルオロアルキル
基であり、これらの基では炭素鎖の末端が水素化されて
いてもよく、また炭素鎖中にエーテル基を含有していて
もよい。)(b)電解質、及び(c)可塑剤を成分とす
る高分子固体電解質であって、且つ(a)、(b)、
(c)成分の和100重量部に対して(a)成分が5〜
90重量部、(b)成分が1〜90重量部、(c)成分
が5〜90重量部であることを特徴とする高分子固体電
解質。 (2) 上記1の高分子固体電解質を介して電極が接合
したことを特徴とする電池。
【0007】以下本発明の高分子固体電解質及び電池の
構成要素について説明する。本発明の高分子固体電解質
の(a)成分として用いられる共重合体は充分にフッ素
化された構造を有する高分子化合物であり、耐熱性、酸
化還元安定性に優れた性質を提供するものである。一般
式(1)においてXは、炭素数1〜18個のパーフルオ
ロアルキル基であり、これらの基では、炭素鎖の末端が
水素化されていてもよく、また炭素鎖中にエーテル基を
含有していてもよい。
【0008】Xの具体的な例としては下記化1に示すも
のが挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】本発明の高分子固体電解質の(a)成分で
ある共重合体は、一般式(1)で表されるトリフルオロ
ビニルエーテルからなるモノマー単位の少なくとも1種
と、フッ化ビニリデンからなるモノマー単位とを含んで
いれば良いが、通常は一般式(1)で表されるモノマー
成分を1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、フ
ッ化ビニリデン成分を50〜99重量%、好ましくは7
0〜95重量%含んでいる。またこれらの成分以外のモ
ノマー成分を49重量%以下、好ましくは20重量%以
下の範囲で1種または2種以上含んでいても良く、その
ような例としてテトラフルオロエチレン、トリフルオロ
エチレン、フルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、クロロトリ
フルオロエチレン等の含フッ素モノマーの他、エチレ
ン、プロピレン、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、
アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリル酸リチウ
ム、メタクリル酸リチウム、メチルメタクリレート、ス
チレン等が挙げられる。
【0011】該共重合体は、一般的なラジカル重合で合
成することができる。重合は溶液重合、懸濁重合、乳化
重合、塊状重合等のいずれの方法によっても行なうこと
ができる。重合開始剤としては例えばジイソプロピルパ
ーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ヘプ
タフルオロブチリルパーオキサイド、3,5,6−トリ
クロロパーフルオロヘキサノイルパーオキサイド、アゾ
ビスイソブチロニトリル、過硫酸カリウム、過硫酸アン
モニウム等があげられる。
【0012】本発明における(a)成分の添加量は上記
(a),(b),(c)成分の和100重量部に対して
5〜90重量部、好ましくは10〜60重量部である。
添加する(a)成分が全体の5重量部未満では高分子固
体電解質が非常にもろいものとなり、90重量部を超え
る値ではイオン伝導性が十分でない。本発明の(b)成
分である電解質としては無機塩、有機塩、無機酸、有機
酸のいずれも使用可能である。この例として、たとえば
テトラフルオロホウ酸、過塩素酸、硝酸、硫酸、リン
酸、フッ酸、塩酸などの無機酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、ポリフルオロプロピルスルホン酸、ビス(ト
リフルオロメタンスルホニル)イミド酸、酢酸、トリフ
ルオロ酢酸、プロピオン酸などの有機酸、及びこれら有
機酸、無機酸の塩が挙げられる。またオリゴマー状また
は高分子状の多価電解質を使用することもできる。さら
にこれらの有機酸、無機酸、及びこれらの塩の混合物も
電解質として使用可能である。この塩型の電解質のカチ
オンとしてプロトン、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、遷移金属、希土類金属などの単独または混合状態で
用いることができるが好ましくはリチウムやナトリウム
等のアルカリ金属が使用される。このカチオン種は使用
する用途によって異なるため電解質の種類は限定されな
い。たとえば、本発明の高分子固体電解質を用いてリチ
ウム電池として利用する場合は、添加する電解質として
リチウム塩を用いることが好ましい。特に、リチウム二
次電池として利用する場合、広い電位領域を使用するた
め、電気化学的に安定なリチウム塩が好ましく、この例
として、CF3 SO3 Li、C4 9 SO3 Liなどの
フッ素スルホン酸リチウム塩、(CF3 SO2 2 NL
iに代表されるスルホニルイミドリチウム塩、LiBF
4 、LiPF6 、LiClO4 、LiAsF6 等を挙げ
ることができる。
【0013】本発明における(b)成分の添加量は上記
(a)、(b)、(c)成分の和100重量部に対して
1〜90重量部、好ましくは10〜60重量部である。
添加する(b)成分が1重量部未満ではイオン伝導性が
十分でなく、90重量部を超えると高分子固体電解質が
非常にもろいものとなる。本発明の(c)成分である可
塑剤は高分子固体電解質のイオン解離促進、加工性、柔
軟性などの強度調整などのために用いられる。この可塑
剤として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート化
合物 、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート
化合物、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラ
ンなどのエーテル化合物、ブチロラクトン、プロピオラ
クトン、酢酸メチルなどのエステル化合物、アセトニト
リル、プロピオニトリルなどのニトリル化合物などの低
分子有機化合物、ジグライムやテトラグライムなどのオ
リゴエチレンオキシドおよびこれらの誘導体を用いるこ
とができる。また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピ
レンオキシドなどの脂肪族ポリエーテル、ポリビニリデ
ンフルオライド、ポリ(ビニリデンフルオライド・ヘキ
サフルオロプロピレン)共重合体などのフッ素系ポリマ
ー、ポリアクリロニトリル、脂肪族ポリエステル、脂肪
族カーボネートなどのポリマーを上記の可塑剤と混合し
た混合物も可塑剤として利用することもできる。
【0014】本発明の高分子固体電解質をリチウムイオ
ン電池の電解質として用いる場合には、環状カーボネー
ト、鎖状カーボネート、エステル化合物から選ばれた化
合物、及びその混合物が好ましく用いられる。本発明に
おいて、(c)成分は、これを添加することによって高
分子固体電解質の柔軟性とイオン伝導度を上げることが
できる。(c)成分の添加量は上記(a)、(b)、
(c)成分の和100重量部に対して5〜90重量部、
好ましくは30〜80重量部である。添加する(c)成
分が全体の5重量部未満ではイオン伝導度の向上が十分
でなく、90重量部を超えると高分子固体電解質が非常
にもろいものとなる。
【0015】以上説明した(a)、(b)、(c)成分
を用いて固体電解質を構成する場合、3者の均一な混合
物としても良いし、ポリマー(a)を発泡などの処理に
よって多孔質構造とし、そこに(b)、(c)成分を不
均一に混合させて用いても良い。以上説明した(a)共
重合体、(b)電解質、(c)可塑剤を利用する用途に
応じて構成要素を選び固体電解質を構成する。さらに必
要があれば、さらに他のポリマー、セラミック、金属を
機械的強度、耐熱性調整のため添加させることができ
る。
【0016】本発明の高分子固体電解質の製造方法は、
たとえば上記の高分子固体電解質の構成要素を均一混合
した後、所定形状に成形加工する方法があげられる。具
体的には、構成要素の溶液を基板上に塗布してシート状
に形成する方法、構成要素を加熱溶融状態で成形したの
ち冷却加工する方法、粉末状の構成要素を所定形状に圧
縮成形する方法などいずれも使用可能である。また、あ
らかじめ所定形状に成形したポリマーに電解質と可塑剤
を順次拡散させる方法も用いることができる。具体的に
はキャストあるいは溶融などで得られたポリマーフィル
ムを電解質と可塑剤に浸して含浸させる方法、有機溶媒
で膨潤させたフィルムを電解質と可塑剤に浸して有機溶
媒を置き換える方法などいずれも可能であり、電極をと
りつけた状態で電解質と可塑剤を含浸させてもよい。ま
た、高分子固体電解質の一般式(1)の化合物と電解
質、可塑剤とともに重合性モノマー、必要があれば開始
剤を混合した後、熱、電子線、放射線などの輻射エネル
ギー照射によって混合物中に重合体を形成させることも
できる。さらに、成形加工した高分子固体電解質の強
度、溶媒含有性調節などの目的で、輻射エネルギーを照
射して変性することも可能である。
【0017】本発明の電池は、上記の高分子固体電解質
を介して、正極及び負極が接合した構造を有する電池で
あり、一次電池及び二次電池として利用できる。たとえ
ば電池がリチウム電池の場合、本発明の高分子固体電解
質に添加する電解質としてリチウム塩を用いることが好
ましい。この際、電池の正極、及び負極として、リチウ
ムの吸蔵放出が可能な物質を用いる。この正極物質とし
て、負極に対し高い電位を有する材料を選ぶ。この例と
して、Li1-x CoO2 (0<x<1)、Li1-x Ni
2 、Li1-x Mn2 4 、Li1-x MO2 (MはC
o、Ni、Mn、Feの混合体)、Li2-y Mn2 4
(0<y<2)、結晶性Li 1-x 2 5 、アモルファ
ス状Li2-y 2 5 、Li1.2-x'Nb2 5 (0<
x’<1.2)などの酸化物、Li1-x TiS2 、Li
1-x MoS2 、Li3-zNbSe3 (0<z<3)など
の金属カルコゲナイド、ポリピロール、ポリチオフェ
ン、ポリアニリン、ポリアセン誘導体、ポリアセチレ
ン、ポリチエニレンビニレン、ポリアリレンビニレン、
ジチオール誘導体、ジスルフィド誘導体などの有機化合
物を挙げることができる。
【0018】また負極として、上記正極に対して低い電
位を有する材料を用いる。この例として、金属リチウ
ム、アルミ・リチウム合金、マグネシウム・アルミ・リ
チウム合金などの金属リチウム、グラファイト、コーク
ス、低温焼成高分子などの炭素系材料、酸化チタン、酸
化鉄などの金属酸化物にリチウム固溶体などのセラミッ
クス等が挙げられる。ただし、リチウムイオンを負極で
還元して金属リチウムとして利用する場合は、導電性を
有する材料であればよいので上記に限定されない。
【0019】本発明の電池に用いる正極及び負極は上記
の材料を所定の形状に成形加工する。電極の形態とし
て、連続体または粉末材料のバインダー分散体のいずれ
も使用可能である。前者の連続体の成形方法として、電
解、蒸着、スパッタリング、CVD、溶融加工、焼結、
圧縮などが用いられる。また、後者の方法は、粉末状の
電極材料をバインダーとともに混合して成形する。この
バインダー材料としてポリマー、ポリマー前駆体、金属
などが用いられ、本発明の高分子固体電解質をバインダ
ーとして利用することができる。また、正極、または負
極材料の電子移動を行うために電極に電気抵抗の低い材
料で集電体を設けることができ、集電体を基板に上記の
方法で形成した電極とすることができる。また、正極/
高分子固体電解質/負極の構造で構成した電池に本発明
の高分子固体電解質の構成要素である可塑剤、電解質を
含浸や拡散などの方法で導入することができる。
【0020】電池の形態は、リチウム電池の場合、正極
と負極が高分子固体電解質を介して接合した構造を有す
る。例えば、シート状の構成要素を順次積層した正極/
高分子固体電解質/負極を単位としてシート状やロール
状構造とすることができる。また、電池単位の電極同士
を並列または直列に接続した組電池とすることも可能で
ある。特に、固体電解質電池の場合、直列接続数によっ
て電圧を増加させることができる特徴を有する。また、
必要があれば電池電極に電流取り出し、注入のための外
部端子接続部分、電流電圧制御回路素子や電池単位・積
層体の吸湿防止、構造保護などのための保護層を設けた
りパッケージ化することができる。
【0021】本発明の高分子固体電解質は柔軟性、加工
性、機械的強度に優れるため、上記のリチウム電池に留
まらず、アルカリ電池、鉛電池、ニッケル水素電池、燃
料電池、光電気化学電池、電気化学センサーなど種々の
電気化学素子、装置に応用できるため産業上有用であ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を一層明確にするた
めに実施例を挙げて説明する。本発明の高分子固体電解
質のイオン伝導度は、高分子固体電解質を金属電極で挟
み込み電気化学セルを構成し、電極間に交流を印可して
抵抗成分を測定する交流インピーダンス法を用い、コー
ルコールプロットの実部抵抗切片から計算した。
【0023】
【製造例1】300mlの耐圧ステンレス容器に、パー
フルオロ(プロピルビニルエーテル)1.8g(一般式
(1)においてX=CF2 CF2 CF3 としたもの)、
トリクロロトリフルオロエタン(以下、CFC113と
称す。)25ml、ヘプタフルオロブチリルパーオキサ
イドの5%CFC113溶液1mlを仕込み、反応器内
を窒素置換した後、−78℃に冷却して真空にした。こ
の中にフッ化ビニリデン12.2gを仕込み、室温で2
0時間撹拌した。反応後、未反応のフッ化ビニリデンを
パージして白色粉末状の反応生成物を取り出し、乾燥し
て12.5gの白色固体を得た。重DMSO中で測定し
たNMRスペクトルから求められた、共重合体中のパー
フルオロ(プロピルビニルエーテル)モノマー単位の含
量は重量比換算で14%であった。以下、この反応生成
物をポリマーAとする。
【0024】
【実施例1】製造例1で合成したポリマーA(1g)に
LiBF4 のエチレンカーボネート(EC)/プロピレ
ンカーボネート(PC)混合溶媒(1:1)溶液(1m
ol/l)4g(EC:1.956g、PC:1.76
8、LiBF4:0.276g)、アセトン10gを混合
し、50℃に加熱して均一混合物とした後、キャストし
て高分子電解質フィルムを作製した。該フィルムをステ
ンレスシートを電極として挟み込み、インピーダンス測
定(EG&G社製 389型インピーダンスメーター)
をおこなった結果、室温イオン伝導度2.4×10-3
/cmであった。
【0025】
【実施例2】製造例1で得たポリマーAを用い、実施例
1と同じ操作で作成したフィルム(膜厚300μm)を
10mm幅に切り出し、オリエンテック製RTM−50
0引っ張り試験機を用い、チャック間を30mmとし
て、10mm/分の定速で引っ張ったところ、サンプル
は135%伸張した後に破断し、破断時の応力は2.4
kg/cm2 であった。
【0026】
【比較例1】ポリマーAに代えて、フッ化ビニリデン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体(共重合体中のヘキ
サフルオロプロピレンは12重量%、以下これをポリマ
ーBとする。)を用いた以外は、実施例1と同様にフィ
ルムを作成してイオン伝導度を測定した結果、室温イオ
ン伝導度2.3×10-3S/cmであった。
【0027】
【比較例2】ポリマーB(1g)を用いて実施例2と同
様に試験片を作成して引っ張り試験機にかけた。サンプ
ルはもろく、22%伸びた点で破断し、破断時の応力は
0.3kg/cm2 であった。比較例2と実施例2の応
力−伸び曲線を図1に示す。この組成では、ポリマーB
は製造例1で合成したポリマーAを用いた電解質材料と
比較すると、イオン伝導度は同等であるが、フィルムの
伸びと強度は大幅に劣っていることがわかる。
【0028】
【実施例3】共重合体に電解質と可塑剤を添加すること
による電解質材料の機械的な強度の変化を調べるため、
製造例1で得たポリマーAと、比較例に用いたポリマー
Bの2種を用いて両者の特性を比較した。それぞれの共
重合体1gにアセトン10gと、表1記載の量のLiB
4 のエチレンカーボネート(EC)/プロピレンカー
ボネート(PC)混合溶媒(1:1)溶液(1mol/
l)を混合し、キャストして得たフィルムを実施例2と
同様の条件で引っ張り試験機にかけた。両者を比較した
結果を表1に示すが、本発明のパーフルオロ(ビニルエ
ーテル)はフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体と比較して機械的強度に優れていることがわ
かる。特に、多量の電解質と可塑剤を加えた組成におい
て、本発明の共重合体からなる電解質材料は優れた機械
的特性を示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【製造例2】製造例1と同様の操作で、パーフルオロ
(プロピルビニルエーテル)11.2gとフッ化ビニリ
デン12.2g、ヘプタフルオロブチリルパーオキサイ
ドの5%CFC113溶液1mlを室温で20時間反応
させ、乾燥して22.5gの白色固体を得た。重DMS
O中で測定したNMRスペクトルから求められた、共重
合体中のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)の含
量は重量比換算で48%であった。
【0031】
【実施例4】実施例1と同様の操作で、製造例2で得た
共重合体(1g)、LiBF4 のエチレンカーボネート
(EC)/プロピレンカーボネート(PC)混合溶媒
(1:1)溶液(1mol/l)1g(EC:0.48
9g、PC:0.442g、LiBF4 :0.069
g)、アセトン10gからフィルムを作成したところ、
室温イオン伝導度は7.8×10-4S/cmであった。
【0032】
【製造例3】製造例1と同様の操作で、パーフルオロ
(メチルビニルエーテル)1.8gとフッ化ビニリデン
8.7g、ヘプタフルオロブチリルパーオキサイドの5
%CFC113溶液1mlを反応させ、乾燥して9.5
gの白色固体を得た。この反応生成物をポリマーCとす
る。重DMSO中で測定したNMRスペクトルから求め
られた、ポリマー中のパーフルオロ(プロピルビニルエ
ーテル)の含量は重量比換算で13%であった。
【0033】
【実施例5】実施例1と同様の操作で、製造例3で得た
ポリマーC(1g)、LiBF4 のエチレンカーボネー
ト(EC)/プロピレンカーボネート(PC)混合溶媒
(1:1)溶液(1mol/l)1g(EC:0.48
9g、PC:0.442g、LiBF4 :0.069
g)、アセトン10gからフィルムを作成したところ、
室温イオン伝導度は6.6×10-4S/cmであった。
【0034】
【実施例6】水酸化リチウム、酸化コバルトを所定量混
合した後、750℃で5時間加熱して平均粒径10μm
のLiCoO2 粉末を合成した。該粉末とカーボンブラ
ックと、ポリビニリデンフロライド(呉羽化学工業
(株)製 KF1100)のN−メチルピロリドン溶液
(5重量%)に混合分散してスラリーを作製した。な
お、スラリー中の固形分重量組成は、LiCoO2 (8
5%)、カーボンブラック(8%)、ポリマー(7%)
とした。このスラリーをアルミフォイル上にドクターブ
レード法で塗布乾燥して膜厚110μmのシートを作製
した。該LiCoO2シートを2cm角に切断し、この
表面にに実施例1で作製した高分子固体電解質フィルム
(2.5cm角)を重ねた。さらにこの上に金属リチウ
ムホイル(2cm角)を積層して正極(LiCoO2
/高分子固体電解質/負極(金属リチウム)の構成で電
極積層体を構成した。ついで電極積層体の正極、負極に
ステンレス端子を取り付け、ガラスセルの端子にそれぞ
れ接続してアルゴン雰囲気中で封入した。該電池を充放
電機(北斗電工製 101SM6)を用い電流密度0.
1mA/cm2 の電流密度で充放電を行なった。充電後
の電極間電位は4.2V(定電流後4.2V定電位充
電)であり充電が確認できた。また、放電はカットオフ
電圧2.7V定電流放電で行った結果、繰り返し充放電
が可能であり二次電池として作動することがわかった。
【0035】
【実施例7】平均粒径10μmのニードルコークス粉末
に、実施例6で用いたポリビニリデンフルオライドのN
−メチルピロリドンの5%溶液を混合してスラリーを作
製した(乾燥重量混合比:ニードルコークス(92
%)、ポリマー(8%))。該スラリーを金属銅シート
にドクターブレード法で塗布して乾燥膜厚120μmで
フィルム(電極層)を形成した。該フィルムを2cm角
に切断した後この表面上に、実施例1で作成した高分子
固体電解質フィルムを2.5cmに切断して積層し、つ
いで実施例6で作製したLiCoO2 電極を積層して正
極(LiCoO2 )/高分子固体電解質/負極(コーク
ス)で接合した電池を形成した。ついで、電池を電極付
きガラスセルに封入した後、実施例6と同様に充放電機
にて充放電を行った。電流密度0.1mA/cm2 で定
電流低電位(4.2V)充電、定電流放電(2.7Vカ
ットオフ)を行った結果、充電後の電池電圧は4.2V
であり、繰り返し充放電可能であった。
【0036】
【発明の効果】本発明の共重合体を用いた高分子固体電
解質材料は、高いイオン伝導度を有し、加工性、柔軟
性、機械的強度、イオン輸率に優れることから、これを
イオン移動媒体に用いることにより、十分な機械的強度
を有する固体電池を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いたパーフルオロビニルエーテル・
フッ化ビニリデンコポリマーと市販フッ化ビニリデン・
ヘキサフルオロプロピレンコポリマーの応力−歪み曲線
の比較を示すグラフ図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年5月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【化1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01M 8/02 G01N 27/58 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記一般式(1)で表されるトリ
    フルオロビニルエーテルからなるモノマー単位の少なく
    とも1種、及びフッ化ビニリデンからなるモノマー単位
    を含む共重合体、 CF2 =CF−OX (1) (式中、Xは炭素数1〜18個のパーフルオロアルキル
    基であり、これらの基では炭素鎖の末端が水素化されて
    いてもよく、また炭素鎖中にエーテル基を含有していて
    もよい。)(b)電解質、及び(c)可塑剤を成分とす
    る高分子固体電解質であって、且つ(a)、(b)、
    (c)成分の和100重量部に対して(a)成分が5〜
    90重量部、(b)成分が1〜90重量部、(c)成分
    が5〜90重量部であることを特徴とする高分子固体電
    解質。
  2. 【請求項2】 請求項1の高分子固体電解質を介して電
    極が接合したことを特徴とする電池。
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