JPH09290212A - 耐食性被覆鋼材 - Google Patents

耐食性被覆鋼材

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JPH09290212A
JPH09290212A JP10486496A JP10486496A JPH09290212A JP H09290212 A JPH09290212 A JP H09290212A JP 10486496 A JP10486496 A JP 10486496A JP 10486496 A JP10486496 A JP 10486496A JP H09290212 A JPH09290212 A JP H09290212A
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JP
Japan
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coating
steel
corrosion
resin
coating film
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JP10486496A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kishikawa
浩史 岸川
Hideaki Yuki
英昭 幸
Takayuki Kamimura
隆之 上村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】海上等の土木建築物、海水または淡水のタンク
の使用に好適な被膜疵部の孔食が抑制される耐食性被覆
鋼材の提供。 【解決手段】下記の鋼およびその鋼の表面に被覆され
た下記の被膜とからなる耐食性被覆鋼材。 : Cr、Cu、MoおよびNiの中の1種または2
種以上を合計して0.15〜5重量%含む鋼。 : 20重量%以上のZnと、有機樹脂または無機樹
脂とを主成分とする平均膜厚10μm以上の被膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海上および陸上の
土木建築構造物、または海水もしくは淡水タンク等へ適
用して腐食防止が期待される安価な耐食性被覆鋼材に関
する。
【0002】
【従来の技術】鋼にCrやNiを含有させ耐食性を向上
させた鋼は、古くから知られており、各種ステンレス鋼
として実用化されている。ステンレス鋼においては、高
価な元素であるCrが通常13重量%以上含まれ、材料
コストが非常に高価であるため、土木構造物やタンク等
の構造部材等に用いられることは稀にしかない。
【0003】一方、耐食性鋼材には、ステンレス鋼のほ
かに、腐食により生じた保護性のさびにより防食をおこ
なう低合金鋼も知られている。これら低合金鋼は、C
r、Cu、P等を含有した耐候性鋼およびCr、Cu、
Mo等を含有した耐海水鋼に大別される。耐候性鋼は大
気環境下で、また、耐海水鋼は海水中で優れた防食効果
を発揮する。
【0004】これらの低合金鋼は、ステンレス鋼に比し
安価であり、普通鋼に比し耐食性に優れるため、構造部
材としてもよく使用されている。
【0005】しかし、上記低合金鋼は、下記の2つの理
由により無被覆での適用は限定される傾向にある。
【0006】(a) 保護性のさび層を形成して耐食性を発
揮するので、そのさび層形成までの初期腐食速度は普通
鋼と大差無い。
【0007】(b) 海水中での使用に際しては、海水によ
る腐食促進効果が大きい。
【0008】このため、これら低合金鋼は、被覆して使
用されるケースが多くなっている。しかしながら、被覆
された被膜に疵が発生した場合、合金含有率が多いにも
拘らず、低合金鋼の疵部での孔食が普通鋼に比し著しく
促進されるという問題がある。
【0009】一方、普通鋼の腐食を防止する被膜には、
簡易的なものから本格的な重防食被膜まできわめて多く
のものがある。しかし、重防食被膜にみられるように、
“被膜に疵を発生させない”、または“被膜が多少疵つ
いても鋼材を表面に出さない”という考え方はあって
も、被膜に疵が発生し鋼材が外部環境にさらされても疵
部で孔食が促進されなければよいという発想はこれまで
なかった。また、各種のプライマー塗装等簡易的な塗装
に疵が発生したとき、その疵部の普通鋼表面において孔
食が進行するのを阻止できないことはいうまでもないこ
とである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被膜および
鋼の組成等を調整することにより鋼の表面の被膜に疵が
発生しても、疵部の孔食が抑制される耐食性被覆鋼材の
提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の低合金
鋼および被膜からなる耐食性被覆鋼材を要旨とする。
【0012】(1)下記の鋼およびその鋼の表面に被
覆された下記の被膜とからなることを特徴とする耐食
性被覆鋼材。
【0013】: Cr、Cu、MoおよびNiの中の
1種または2種以上を合計して0.15〜5重量%含む
鋼。
【0014】: 20重量%以上のZnと、有機樹脂
または無機樹脂とを主成分とする平均膜厚10μm以上
の被膜。
【0015】上記において被膜のZnの組成は乾燥重量
%での重量%である。したがって、後記する溶剤をふく
む被覆材などの場合には、鋼を被覆後乾燥した使用状態
での被膜中での重量%である。
【0016】以後、多層被膜の場合に鋼表面に直接接す
る被膜を、多層被膜の上層被膜と区別するために“下塗
り層”という場合がある。多層被膜の場合、上記(1)
における被膜とは、下塗り層のことをさし、上記乾燥重
量%は、下塗り層での乾燥重量%とする。上記の発明の
技術的背景について、つぎに説明する。
【0017】1.被覆された低合金鋼の疵部での孔食:
一般に、被覆された鋼の腐食はつぎの電気化学的反応に
より進行することが知られている。
【0018】アノード反応 :Fe→Fe2++2e- カソード反応 :1/2O2+H2O+2e-→2OH- 鋼表面を被覆する被膜は一般に水や酸素は通しやすいが
イオン、とくにOH-等の陰イオンは通しにくい。この
ため、被膜下(被膜に完全に覆われた鋼表面)でのカソ
ード反応は、アルカリ(OH- イオン)生成によりpH
が上昇し、カソード反応が抑制されるとともに、それと
対になったFe原子の溶出を伴うアノード反応も抑制さ
れ鋼表面は腐食生成物が存在した状態で不働態化する。
したがって、この腐食反応は、ある程度進行した時点で
停止する。この状態が被覆により防食効果が発揮された
状態である。この腐食反応を継続するためには駆動力と
してさらに大きな電位差が必要となる。
【0019】被覆された低合金鋼の疵部においては、被
膜下が上記カソード反応、疵部が上記アノード反応とな
る電気化学的腐食が促進されやすく、これが疵部での孔
食を促進する。疵部においては、被膜下に比し、水分が
十分でかつイオンが容易に移動できる状態にあるので、
通常pHは7付近で一定であり、アノード反応が選択的
に起こったときは、下記の反応または塩素イオンの濃縮
等により、pHは被膜下とは逆に下がることになる。
【0020】Fe2++H2O→Fe(OH)++H+ このとき腐食反応を継続させるほどの駆動力としての電
位差が生じているか、およびその電位差は普通鋼と低合
金鋼で相違するかの2点が問題となる。そこで、後記す
る実施例において使用した各種の鋼についてpH7(ア
ノード部位を想定)およびpH11(カソード部位を想
定)における電位を測定した。
【0021】表1に、これらの鋼について電位差を測定
した結果を示す。
【0022】
【表1】
【0023】Cr、Cu、Ni、Mo等の耐食性向上元
素を一定量以上含んだ低合金鋼の電位は被膜下のpHに
相当するpH11において普通鋼に比し高くなり、疵部
のpHに相当するpH7では普通鋼と変わらないために
被膜下と疵部の電位差が拡大することがわかる。本発明
者らは、この電位測定を行った結果、低合金鋼の疵部と
被膜下との間に生じる拡大された電位差のために、低合
金鋼の方が普通鋼よりも疵部の孔食が加速されることを
初めて確認したのである。
【0024】2.疵部での孔食を防止する方法 本発明者らは、この対策として被膜下のカソード化を防
止することが有効であると推論した。そこで、被膜全体
(単層)または多層被膜のうち鋼表面に直接接する被膜
にZnを20重量%以上含ませ孔食の促進を防止する試
験を行った。
【0025】その結果、非常に明瞭に疵部の孔食が抑制
されることを確認した。さらに、このZnを含んだ被膜
の効果は、一定範囲の合金元素を含む鋼に対して行うこ
とによってのみ発揮されることを確認した。
【0026】本発明は、各種の低合金鋼にZnを含む被
覆を行った被覆鋼材に人工的に疵をつけ、数カ月に及ぶ
腐食加速試験を遂行し、その結果に基づき完成されたも
のである。
【0027】
【発明の実施の形態】
1.鋼 本発明において、鋼は、Cr、Cu、MoおよびNiの
中の1種または2種以上の合金元素を合計した重量%
で、0.15〜5%含むものとする。以下において%は
重量%を表示するものとする。
【0028】Cr、Cu、MoまたはNiは、何れも鋼
表面に生成する腐食生成物被膜を安定化し保護性のさび
を生成しやすくする働きを持つ。しかし、その含有率が
0.15%未満ではその効果が薄く、また5%を超える
と、これら鋼材の溶接の施工性を著しく劣化させる。ま
た、安価な鋼材を提供するという本発明の目的にも沿わ
ない。このため、Cr、Cu、MoまたはNiの含有率
は、合計で0.15〜5%とする。
【0029】これらの元素のうちCrは、不働態被膜を
形成させる作用が強いので、0.3〜4.5%含有させ
ることによりより強力に疵部の孔食を防止することがで
きる。また、上記Cr、Cu、MoまたはNiの含有率
の合計が0.3%以上の場合も同様に強力な孔食防止効
果を発揮するので、とくに使用環境が劣悪な場合には上
記元素の含有率の合計は0.3%以上とするのが望まし
い。
【0030】なお、これらと同様の働きを持つ元素とし
てPがあるが、Pは耐食性を向上させるものの、溶接性
を大幅に低下させる。このため、溶接性を大きく劣化さ
せない範囲として許容される0.15%以下、さらに
0.05%以下とするのが望ましい。
【0031】上記合金元素以外に、C、Mn、Si、N
b、V、W、Ti、Al、B、Ca等の元素が、耐食性
以外の特性を改善するために積極的に、また耐食性を改
善するために補助的に、添加されていることは、当然あ
ってよい。これら元素の望ましい範囲はつぎに示すとお
りである。
【0032】C:Cは強度を確保するために0.02%
以上が望ましく、溶接性を確保するために0.19%以
下とするのがよい。より望ましい範囲は0.04〜0.
15%である。
【0033】Mn:Mnは靭性と強度を確保するのに
0.3%以上とするのがよく、溶接熱影響部(HAZ)
の靭性を確保するのに2%以下とするのが望ましい。よ
り望ましくは0.8〜1.6%とするのがよい。
【0034】Si:Siは脱酸効果を得るために0.0
2%以上とするのがよいが、一方、1%を超えると母材
とHAZの靭性を大きく劣化するので、1%以下とする
のがよい。
【0035】Nb:Nbは添加しなくてもよいが、添加
すると強度を向上させることができるので、高強度鋼と
する場合には添加するのが望ましい。しかし、含有させ
る場合でも0.05%を超えると、連続鋳造スラブの表
面性状を大きく劣化させるので0.05%以下とするの
がよい。
【0036】V:Vは添加しなくてもよいが、VもNb
と同様に添加すると強度を向上させるので、高強度とし
連続鋳造スラブの表面性状を確保する場合は添加するの
が望ましい。しかし、VはNbに比較して同じ強度上昇
を得るためにより多く含有させなければならなず、コス
ト上昇を招き、また、Nbに比べて靭性を劣化させるの
で、含有させる場合でも0.1%以下とすることが望ま
しい。
【0037】W:Wは添加しなくてもよいが、孔食をよ
り強力に抑制する場合には添加することが望ましい。し
かし、含有させる場合、1%を超えると溶接性を劣化さ
せ、また強度が上昇しすぎて靭性が低下するので1%以
下とするのが望ましい。
【0038】Ti:Tiは微量の添加でHAZ靭性およ
び連続鋳造スラブの表面性状を改善するので、添加する
ことが望ましい。しかし、0.05%を超えると母材の
みならずHAZ靭性も劣化させるので0.05%以下と
することが望ましい。
【0039】Al:Alは脱酸後に鋼に残存するAlは
細粒化に効き、また固溶窒素をAlNとして固定して靭
性を向上させるので、靭性を向上させる場合には添加す
るのがよい。しかし、その場合でも0.2%を超えると
連続鋳造スラブの表面性状を劣化させるので0.2%以
下とすることが望ましい。
【0040】B:Bが焼入性を高め、またHAZ靭性を
向上させるので、微量の範囲で添加してもよい。しか
し、0.005%を超えると母材の靭性を劣化させるの
で、含有させる場合でも0.005%以下とするのがよ
い。
【0041】Ca:Caは硫化物系介在物の塑性変形を
低下させ、圧延方向に延伸した硫化物系介在物の発生を
防止するので、機械的性質の圧延異方性を防止する場
合、または水素誘起割れを抑制する場合には添加しても
よい。しかし、0.01%を超えると母材の延性および
靭性が劣化するので0.01%とするのがよい。
【0042】不可避的不純物のS、N等の混入も、S:
0.03%以下、N:0.01%以下の範囲で許容され
る。
【0043】2.被膜 本発明における被膜とは、亜鉛(Zn)および有機樹脂
または無機樹脂を主成分とする被膜をさし、めっき等に
よる金属被膜は含まれない。Znは粉末状のものが対象
となる。有機樹脂または後記する無機樹脂は、Zn末の
バインダーであり、また鋼表面への接着を行わせること
を目的とする。
【0044】有機樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等がある。Zn
末以外に着色顔料や体質顔料、添加剤等を含むことがで
きる。着色顔料としては、ベンガラ、オーカー、チタン
白、チタンイエロー、酸化クロムグリーン、フタロシア
ニンブルー、フタロシアニングリーン等が、また体質顔
料にはタルク、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム等公知のものが使用できる。添加剤としては、
チキソ剤、分散剤等が上げられ、また塗装性向上のた
め、被覆前に適当量の溶剤を含むことは当然あってもよ
い。
【0045】無機樹脂被膜としてはアルキルシリケート
樹脂にZn末を添加したものがあげられる。その他の添
加剤等については有機樹脂と同様である。
【0046】この被膜の好適例としては、エポキシ樹脂
にZn末を含有させた有機ジンクプライマーや、エチル
シリケート樹脂にZn末を添加した無機ジンクプライマ
ーがあげられる。これらの被膜は、普通鋼板の保管時の
防錆、または普通鋼板の防食被膜の下塗り塗料として被
覆されてきた市販の塗料をそのまま使用することによっ
ても可能である。
【0047】これら従来のZnを含む被覆材を普通鋼に
適用したのでは、後記する実施例において示すように疵
部において孔食の進行は抑制することができない。本発
明のように、合金元素を一定範囲に含む鋼に、一定量以
上のZnを含む被膜を施すことによりはじめて疵部の孔
食が実用レベルで問題ない程度にまで抑制されるのであ
る。防食技術の分野においては、電気防食など取り得る
手段が非常に多いので、本発明のような大きな波及効果
が見込める素材としての耐食性被覆鋼材の発明に到るこ
とはこれまで無かったのである。
【0048】被膜は単層被膜であっても、重ね塗りによ
る多層被膜であっても構わないが、鋼表面に接する被
膜、すなわち下塗り層中には乾燥重量で20重量%以上
(以下、「重量」を省略)のZnを含む必要がある。こ
のZnを含む被膜は10μm以上の膜厚が必要である。
Znが20%未満であったり、膜厚が10μm未満にな
ると、被膜下でのカソード化抑制が不十分になり、疵部
の孔食抑制効果が減じられる。
【0049】膜厚の上限はとくに設けないが、被覆工数
抑制の点から性能上十分な値である100μmとするこ
とが望ましい。さらに、より完全かつ簡便に疵部の孔食
を抑制するには、15〜50μmとすることが望まし
い。
【0050】Znの上限は特に設けないが、造膜性を考
慮すると96重量%以下とすることが好ましい。96%
を超えると、亜鉛末を結合する樹脂バインダーが不足し
た状態になり、被膜付着性が著しく低下する。さらによ
り厳しい環境で孔食を抑制し、合わせて高い造膜性を確
保するには、40〜92%とすることが望ましい。
【0051】Znの粉末の粒径は、膜厚10μm程度に
おいても十分な造膜性を確保するために各粒の最長長さ
の平均値で、5μm以下とすることが望ましい。一方、
上記最長長さの平均値で0.1μm未満になるとZn末
の製造コストが高くなるばかりでなく塗料粘度が増大し
塗装性が低下するので、0.1μm以上とすることが望
ましい。これらZn末は被膜中に均一に分散しているこ
とが望ましいことはいうまでもない。
【0052】多層被膜の場合で、下塗り層の被膜と接着
する上層被膜については、特に限定を設けない。エポキ
シ被膜、タ−ルエポキシ被膜、ウレタン被膜、ビニル系
被膜、フタル酸樹脂被膜、アクリル樹脂被膜等が使用で
き、特に耐候性を要求される場合は、アクリルウレタン
樹脂やアクリルシリコン樹脂、フッソ樹脂等を最上層被
膜として被覆することができる。
【0053】被覆前には、ケレンないしはブラスト処理
により鋼表面を十分に清浄にしておくことが好ましく、
さびや油脂等により汚染された鋼表面に被覆した場合、
被膜剥離を生じやすく好ましくない。
【0054】
【実施例】以下に、実施例により本発明の効果を説明す
る。
【0055】表1は、前記したように本発明例および比
較例の低合金鋼の化学組成を示す一覧表である。これら
低合金鋼は実験室で溶製され、鍛造および熱間圧延によ
り鋼板とされた。この鋼板から、150mm長さ×70
mm幅×3mm厚さの試験体素材を切り出した。
【0056】表2は被覆に用いた被覆材のベース樹脂を
示すもので、符号A〜Dは下塗り用、また符号Eおよび
Fは上塗り用のベース樹脂である。
【0057】
【表2】
【0058】表3は、被覆材に添加した顔料の種類を示
す。
【0059】
【表3】
【0060】上記の低合金鋼にベース樹脂と顔料を組み
合わせて被覆を行い、被覆または無被覆の試験体とし、
被覆試験体には、カッターナイフで鋼面に疵が達するよ
うにクロスカットを入れ、無被覆のものはそのまま試験
に供した。
【0061】試験は塩水噴霧中における90日間の暴露
試験によった。各低合金鋼の無被覆試験体については、
腐食生成物をクエン酸水素二アンモニウム水溶液に浸漬
して除錆後、重量を測定し試験前後の重量変化により腐
食減量を測定した。腐食減量は供試材面積で除すること
によりg/m2 にて表した。この無被覆試験体(裸材)
の腐食減量は、参考値として、後記する表4および表5
に示す。
【0062】被膜試験体は、カット周辺部の被膜をリム
ーバー(濃厚アルカリ溶液)で除去した後、上述の方法
で除錆し、レーザー顕微鏡で最深の腐食部の深さを測定
した。また、測定値は、試験前のサンプルについて同様
の方法で被膜除去後、レーザー顕微鏡で測定した初期疵
深さが20μmであったため、この値をブランクとして
差し引いた値を示している。
【0063】表4および表5は被膜の条件とあわせて上
記試験の結果を示す一覧表である。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】本発明例においては、被覆状態において、
Znを含む被膜または下塗り層の効果により、疵部での
孔食が実用レベルにおいて問題ないまでに抑制されてい
る。
【0067】一方、比較例においては、Znを含む被膜
の膜厚が薄い場合(試験番号:29、30、33、3
4、35、44〜57)、あるいはZn濃度が低い場合
(試験番号:31、32、36、37)においては、被
膜下でのカソード化により被膜の疵部での孔食が促進さ
れている。
【0068】耐食性向上元素の含有率の合計が0.15
%未満の場合である試験番号38〜43においては、被
膜下でのカソード化による孔食促進効果は少ないもの
の、鋼材自身の耐食性が劣るために、疵部での孔食の深
さは、本発明例の被覆鋼材に比較して3倍以上の大きな
値に達する。したがって、本発明の鋼と被膜の組み合わ
せによってはじめて疵部の孔食が実用上差し支えない程
度にまで抑制される。
【0069】
【発明の効果】本発明は、一定範囲の組成の鋼表面へZ
nを20%以上含む被膜を施すことにより、被膜下のカ
ソード化が抑制される結果、優れた疵部の耐孔食性が実
現でき、特に海塩粒子の多い環境の土木構造物等の基本
的な素材として本格的な使用が期待される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の鋼およびその鋼の表面に被覆され
    た下記の被膜とからなることを特徴とする耐食性被覆
    鋼材。 : Cr、Cu、MoおよびNiの中の1種または2
    種以上を合計して0.15〜5重量%含む鋼。 : 20重量%以上のZnと、有機樹脂または無機樹
    脂とを主成分とする平均膜厚10μm以上の被膜。
JP10486496A 1996-04-25 1996-04-25 耐食性被覆鋼材 Pending JPH09290212A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2025522450A (ja) * 2022-06-15 2025-07-15 バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド 耐候性が高い高強度高可塑性熱延帯鋼およびその製造方法
JP2025522449A (ja) * 2022-06-15 2025-07-15 バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド 耐候性が高い高強度熱延帯鋼およびその製造方法

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JP2025522450A (ja) * 2022-06-15 2025-07-15 バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド 耐候性が高い高強度高可塑性熱延帯鋼およびその製造方法
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