JPH09291221A - 顔料組成物の製造方法、顔料組成物およびその用途 - Google Patents
顔料組成物の製造方法、顔料組成物およびその用途Info
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Abstract
刷インキ製造工程に係わる多大な時間と労力を低減し高
品位のβ型銅フタロシアニン顔料の印刷インキを提供す
ることにある。 【解決手段】粗製銅フタロシアニン用樹脂を1〜200
重量%加え60〜200℃で乾式粉砕することで摩砕物
の凝集を緩和し、得られた摩砕物の印刷インキ用溶剤又
はワニス中でのβ型結晶への転移を容易にすると同時
に、乾式粉砕を第酸素雰囲気下で行なう。
Description
ン顔料の印刷インキを製造する際に、銅フタロシアニン
のβ型結晶形態を経由することなく、粗製銅フタロシア
ニンから直接印刷インキを製造するための顔料組成物及
びこれを用いた印刷インキの製造法に関するものであ
る。
銅フタロシアニンと呼ばれ、10〜200μm程度の巨
大β型結晶粒子のため、そのまま印刷インキ用顔料とし
て使用することはできない。この粗製銅フタロシアニン
を印刷インキとして使用可能な大きさ(0.02〜0.
1μm程度)まで小さくすることを顔料化と呼ぶ。顔料
化にはさまざまな方法が知られている。
グ法と呼ばれる方法である。この方法は粗製銅フタロシ
アニンに食塩などの磨砕剤とβ型への結晶転移を促進さ
せる有機溶剤を加え磨砕する方法である。この方法によ
るβ型銅フタロシアニン顔料はアスペクト比(一次粒子
の短径と長径の比)が1〜2で、黄味鮮明で高着色力な
ど印刷インキに適しており、広く使用されている。しか
し顔料の数倍量の磨砕剤が必要であり、この磨砕剤や有
機溶剤を回収する工程にも多くの時間と労力、エネルギ
ーを必要とする。
で粉砕した後に有機溶剤等で処理するする方法も知られ
ている。この場合粉砕時に機械的な力を加えることでβ
型結晶型の一部がα型結晶型へ転移してしまうため、再
びβ型に転移させるためにこの磨砕物を有機溶剤と共に
加熱処理しなければならない。この方法はソルベントソ
ルトミリング法に比べてコスト的に有利であるが、有機
溶剤で加熱処理する際に粒子が針状に成長しアスペクト
比が大きくなり色相が赤味になることや流動性の問題な
どが生じてしまう。そこでこの粒子成長を抑制するた
め、顔料誘導体や成長防止剤を添加する方法も知られて
いるが、これらの添加剤は印刷インキの成分としては好
ましくない場合が多い。
としては乾燥顔料を用いる方法と水分40〜70重量%
を含んだウエットケーキ顔料を用いる方法が一般的であ
る。乾燥顔料を用いるインキ化方法は乾燥顔料を印刷イ
ンキワニス、溶剤、添加剤などと混合した後、ビーズミ
ル、3本ロールなどを用いて顔料を分散させる方法であ
るが、乾燥顔料は一次粒子の凝集が強いため顔料を分散
させるために多くのエネルギーを必要とする。ウエット
ケーキ顔料を用いる方法はフラッシング法と呼ばれ、ウ
エットケーキ顔料を印刷インキワニス、溶剤、添加剤な
どと混合し顔料を水相からワニス相へ転換させる方法で
あり、乾燥顔料のインキ化工程のエネルギーは必要とし
ないもののニーダーなどの大型装置やフラッシングによ
る排水も発生する。
キを製造するためには、顔料化工程とインキ化工程で非
常に多くの時間とエネルギーが必要である。
は、顔料の形態を経由せずに粗製銅フタロシアニンから
直接インキを製造することが必要である。粗製銅フタロ
シアニンを印刷インキ用ワニスと混合した後、ビーズミ
ルを用いてインキ化と同時に顔料化を行う方法が知られ
ている。しかしながら、印刷インキワニス中での顔料化
は摩砕効率が低いため、超微細なビーズを用いた分散ミ
ルなどを必要とし、エネルギー効率、品質などの点で問
題点が多い。
タロシアニンを一度乾式で摩砕した後、そのままインキ
化する方法が記載されている。乾式での摩砕は効率的に
行われるため有効な方法であるものの、摩砕物はα/β
型結晶の混合物となってしまうためインキ中でα型結晶
をβ型結晶に再転移させなければならない。αからβ型
への結晶転移は熱や有機溶剤中で進行し、芳香族有機溶
媒を多く含むグラビアインキ中ではとても上手くいくも
のの、溶剤量が少ないオフセット印刷インキ中ではスム
ースではなく、また近年需要が拡大している芳香族を含
まない溶剤(AFソルベント)中ではβ型結晶への転移
は非常に困難である。
には、摩砕された銅フタロシアニンの凝集を緩和させる
ことが非常に有効であることが知られており、幾つかの
方法が提案されている。
製銅フタロシアニンを乾式で摩砕する際に1〜8倍量の
樹脂を添加する方法が、また特開平2−294365号
公報には粗製銅フタロシアニンを乾式で摩砕する際にロ
ジン変性フェノールなどの樹脂を0.5〜10%添加す
る方法が記載されている。これらの方法は、添加した樹
脂の効果により銅フタロシアニン粒子の凝集を防止する
意味で非常に効果がある方法と言える。
は、室温で保存した場合でも酸化による劣化が起こるこ
とが知られている。即ち、これらの特許の方法では添加
した樹脂は粉砕されることで表面積が増大することや衝
撃による瞬間的な熱により、例え冷却したとしても粉砕
時の樹脂の酸化を避けることはできない。樹脂は酸化さ
れることでその溶解性や色調、その他の物性が変化して
しまうため、従来の使用されてきた樹脂をそのまま適用
したとしても同じインキの性能を引き出すことは不可能
である。
フタロシアニンの顔料化工程と顔料の印刷インキ製造工
程に係わる多大な時間と労力を低減し高品位のβ型銅フ
タロシアニン顔料の印刷インキを提供することにある。
シアニンに対して樹脂を1〜200重量%添加し、脱酸
素雰囲気下で60〜200℃で乾式粉砕することを特徴
とする顔料組成物の製造方法に関する。更に本発明は、
樹脂がロジン変性フェノール樹脂である上記製造方法に
関する。更に本発明は、樹脂の添加量が粗製銅フタロシ
アニンに対して5〜100重量%である上記製造方法に
関する。更に本発明は、乾式粉砕の温度が80〜170
℃である上記製造方法に関する。更に本発明は、上記製
造方法により得られる顔料組成物に関する。更に本発明
は、上記顔料組成物を印刷インキ用溶剤またはワニスに
添加し、処理してなる印刷インキの製造方法に関する。
する。本発明では、粗製銅フタロシアニンに対して樹脂
を1〜200重量部添加して乾式粉砕する。乾式粉砕し
たβ型粗製銅フタロシアニンをそのままインキ用溶剤又
はワニス中に加えて印刷インキを製造しようとした場
合、摩砕物の強い凝集が起こり、顔料粒子が容易に分散
しないこと、凝集しているために摩砕物中のα型結晶を
再びβ型へ転移させることが困難である。
シアニンに添加する樹脂としては、ロジン変性フェノー
ル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキ
ド樹脂など印刷インキに使用される樹脂が好ましく、こ
れらは任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用
できるが、好ましくはロジン変性フェノール樹脂であ
る。これらの樹脂は、粉砕物の分散やα型結晶のβ型へ
の転移の点に於いては、非常に有効である。
部での樹脂の付着、固着が生じる危険性が高くなる。こ
れは当然のことながら樹脂の軟化点、粉砕温度にも影響
されるため、これらの条件を加味しながら最適処理量を
決める必要がある。樹脂処理量としては粗製銅フタロシ
アニンに対して1〜200重量%の範囲であり、乾式粉
砕温度としては80〜170℃の範囲である。粉砕時間
はその装置によってまたは希望とする粉砕粒径に応じて
任意に設定できる。
ィアを内蔵した粉砕機を使用して、実質的に液状物質を
介在させないで粗製銅フタロシアニンを粉砕するもので
ある。粉砕は、粉砕メディア同士の衝突による粉砕力や
破壊力を利用して行なわれる。乾式粉砕装置としては、
乾式のアトライター、ボールミル、振動ミルなどの公知
の方法を用いることができる。また、必要に応じて窒素
ガスなどを流すことで乾式粉砕装置内部を脱酸素雰囲気
として乾式粉砕を行なってもよい。
時の劣化を防止し、設計したインキの性能を引き出すこ
とために脱酸素雰囲気下で行なう。添加した樹脂が酸化
されることによる具体的な影響としてはオフセット印刷
インキの場合、湿し水に対するインキの散りの悪化が挙
げられる。これは、樹脂が酸化されることにより樹脂表
面張力が低下するためと考えられ、オフセット印刷イン
キ適性として好ましくない。乾式粉砕を脱酸素下で行な
うための手段としては、不活性ガスを乾式粉砕機の内部
に充満した状態にする方法で、最も一般的なのが窒素を
流す方法である。また、この様に酸素を遮断する方法
は、安全性の面からも有効である。
製造する場合の印刷インキ用溶剤またはワニス中の溶剤
としては、高沸点石油系溶剤、脂肪族炭化水素溶剤、高
級アルコール系溶剤など印刷インキに適した溶剤であれ
ば芳香族を含まない溶剤であっても単独あるいは2種類
以上の組み合わせで任意に使用できる。
印刷インキワニス用樹脂としては、ロジン変性フェノー
ル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、石油樹脂、アルキ
ド樹脂など印刷インキに適した樹脂;大豆油、桐油、ア
マニ油など印刷インキに適した乾性油や重合乾性油など
を、その他印刷インキ用の添加剤などと共に任意に単独
または2種類以上を組み合わせて使用できる。
β混合結晶型であるため、印刷インキ溶剤又はワニスと
混合し加熱処理することで全てをβ型結晶型へ転移させ
る必要がある。一般的に、この工程はグラビア印刷イン
キの場合は芳香族を含む溶剤が多量に存在するため比較
的容易であるものの、芳香族を含まない溶剤を使用した
場合は非常に困難である。しかしながら、本発明では、
樹脂の存在下に乾式粉砕を行なった処理顔料を使用する
ことで、β型への結晶転移が容易となる。つまり、処理
された樹脂が印刷インキ用溶剤またはワニス中に溶解す
ることで粒子の分散、β型への結晶転移が進行する。乾
式粉砕した顔料とワニスとの混合時の温度は高い方が効
果的である。
十分に進行し、特に分散機などは必要としない。摩砕物
の十分な分散とα型結晶のβ転移は使用する印刷インキ
用溶剤によって異なるが数10分〜3時間程度で完了
し、次に簡単な分散機を通すことでベースインキの作成
は完了する。
る場合は、従来から使用されているビーズミル分散機な
どを用いて前述の温度条件で処理することで、その時間
は大幅に短縮することも可能である。
ら行われているソルベントソルトミリング法の乾燥顔料
をインキ化したもの、水分を含んだウエットケーキ顔料
でフラッシング法によりインキ化したものとそれぞれ比
較したところ、着色力、光沢、流動性などの点に於いて
同等の品位を有していることが確認された。
的に説明する。なお、実施例中で標準インキとして使用
しているのは、粗製銅フタロシアニンをソルベントソル
トミリング(食塩5倍量)により顔料化したウエットケ
ーキ顔料を用いて、フラッシング法により製造したβ型
銅フタロシアニン顔料インキである。また、結晶型の測
定にはX線回折装置を使用した。
70重量部と軟化点160℃のロジン変性フェノール樹
脂7重量部を加え、窒素気流下に於いて160℃で1時
間粉砕を行った。この得られた顔料組成物中の樹脂を抽
出しその物性を調べたところ、処理前と比較して特に変
化は見られなかった。次に、得られた摩砕物18重量部
を、印刷インキ用ワニス44重量部、7号ソルベント
(日本石油株式会社製)5重量部に加え、120℃にて
4時間緩やかに攪拌した後、60℃の3本ロール三回の
練肉で顔料粒子は7.5μ以下に分散された。次に、得
られたベースインキにワニス22重量部、7号ソルベン
ト11重量部を加え最終インキに調整した後、同一顔料
分を含む標準インキと比較したところ、本実施例のイン
キは着色力、光沢、色相、湿し水に対する散りなどの点
において標準インキと同等の品位を有していた。また、
α型結晶の含有率は1%以下であった。
70重量部と軟化点160℃のロジン変性フェノール樹
脂35重量部を加え、窒素気流下に於いて130℃で1
時間粉砕を行った。この得られた顔料組成物中の樹脂を
抽出しその物性を調べたところ、処理前と比較して特に
変化は見られなかった。次に、得られた摩砕物24重量
部を、印刷インキ用ワニス32重量部、AFソルベント
7号(日本石油株式会社製)11重量部に加え、100
℃にて2時間緩やかに攪拌した後、60℃の3本ロール
一回の練肉で顔料粒子は7.5μ以下に分散された。次
に、得られたベースインキにワニス22重量部、AFソ
ルベント7号11重量部を加え最終インキに調整した
後、同一顔料分を含む標準インキと比較したところ、本
実施例のインキは着色力、光沢、色相、湿し水に対する
散りなどの点において標準インキと同等の品位を有して
いた。また、α型結晶の含有率は1%以下であった。
70重量部と軟化点160℃のロジン変性フェノール樹
脂70重量部を加え、窒素気流下に於いて80℃で1時
間粉砕を行った。この得られた顔料組成物中の樹脂を抽
出しその物性を調べたところ、処理前と比較して特に変
化は見られなかった。次に、得られた摩砕物32重量部
を、印刷インキ用ワニス16重量部、AFソルベント7
号(日本石油株式会社製)19重量部に加え、100℃
にて2時間緩やかに攪拌した後、60℃の3本ロール一
回の練肉で顔料粒子は7.5μ以下に分散された。次
に、得られたベースインキにワニス22重量部、AFソ
ルベント7号11重量部を加え最終インキに調整した
後、同一顔料分を含む標準インキと比較したところ、本
実施例のインキは着色力、光沢、色相、湿し水に対する
散りなどの点において標準インキと同等の品位を有して
いた。また、α型結晶の含有率は1%以下であった。
70重量部を加え、130℃で1時間粉砕を行った。得
られた摩砕物16重量部を印刷インキ用ワニス48重量
部、AFソルベント7号3重量部に加え、110℃にて
4時間緩やかに攪拌した後、60℃の3本ロール三回の
練肉で、その最大粒子径は12.5μであった。次に、
得られたベースインキにワニス22重量部、AFソルベ
ント7号11重量部を加え最終インキに調整した後、同
一顔料分を含む標準インキと比較したところ、本実施例
のインキの色相は赤味でα型結晶の含有率が6%であっ
た。
70重量部と軟化温度160℃のロジン変性フェノール
樹脂35重量部を加え、160℃で1時間粉砕を行っ
た。この得られた顔料組成物中の樹脂を抽出しその物性
を調べたところ、処理前と比較して溶解性が低下してい
た。得られた摩砕物24重量部を印刷インキ用ワニス3
2重量部、AFソルベント7号11重量部に加え、90
℃にて3時間緩やかに攪拌した後、60℃の3本ロール
三回の練肉で最大顔料粒子は7.5でμであった。次
に、得られたベースインキにワニス22重量部、AFソ
ルベント7号11重量部を加え最終インキに調整した
後、同一顔料分を含む標準インキと比較したところ、本
実施例のインキは湿し水に対する散りが標準インキより
劣っていた。
70重量部と軟化点160℃のロジン変性フェノール樹
脂70重量部を加え、80℃で1時間粉砕を行った。こ
の得られた顔料組成物中の樹脂を抽出しその物性を調べ
たところ、処理前と比較して溶解性が低下していた。次
に、得られた摩砕物32重量部を、印刷インキ用ワニス
16重量部、AFソルベント7号(日本石油(株)製)
19重量部に加え、100℃にて2時間緩やかに攪拌し
た後、60℃の3本ロール一回の練肉で顔料粒子は7.
5μ以下に分散された。次に、得られたベースインキに
ワニス22重量部、AFソルベント7号11重量部を加
え最終インキに調整した後、同一顔料分を含む標準イン
キと比較したところ、本実施例のインキは湿し水に対す
る散りが標準インキより劣っていた。また、α型結晶の
含有率は1%以下であった。
が大幅に簡略化されることになる。また、他の類似した
方法では添加した樹脂が酸化することにより、インキの
性能に影響が生じるのに対して、本発明の方法では使用
する樹脂が劣化しないため、従来方法と同じ樹脂を用い
ても同品質の印刷インキを製造することが可能である。
Claims (6)
- 【請求項1】 粗製銅フタロシアニンに対して樹脂を1
〜200重量%添加し、脱酸素雰囲気下で60〜200
℃で乾式粉砕することを特徴とする顔料組成物の製造方
法。 - 【請求項2】 樹脂がロジン変性フェノール樹脂である
請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 樹脂の添加量が粗製銅フタロシアニンに
対して5〜100重量%である請求項1または2記載の
製造方法。 - 【請求項4】 乾式粉砕の温度が80〜170℃である
請求項1ないし3いずれか記載の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の製造方
法により得られる顔料組成物。 - 【請求項6】 請求項5の顔料組成物を印刷インキ用溶
剤またはワニスに添加し、処理してなる印刷インキの製
造方法。
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