JPH09291329A - 平版印刷版用支持体及びその製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体及びその製造方法

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JPH09291329A
JPH09291329A JP12771296A JP12771296A JPH09291329A JP H09291329 A JPH09291329 A JP H09291329A JP 12771296 A JP12771296 A JP 12771296A JP 12771296 A JP12771296 A JP 12771296A JP H09291329 A JPH09291329 A JP H09291329A
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宏和 澤田
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博和 榊
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亘 曽根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶微細化の目的でアルミニウム又はアルミ
ニウム合金に添加したTi粒子の存在に起因するスジ故
障の発生が防止された平版印刷版用アルミニウム支持体
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 Tiを含有するアルミニウムを鋳造し、
冷間圧延及び/又は、熱処理を行い、矯正・粗面化して
得た平版印刷版用アルミニウム支持体のアルミニウム板
の表層の0〜20μmの範囲に存在する圧延方向にそっ
てレンズ状に伸ばされたTi粒子の巾が100μm以下
である平版印刷版用アルミニウム支持体、及び、アルミ
ニウム溶湯にTi粒子径が1.0mm未満の粒子からな
るAl−Ti合金またはAl−Ti−B合金を添加し、
一対の冷却ロールで直接厚さ10mm以下の鋳造板を連
続鋳造圧延し、該鋳造板に冷間圧延と熱処理のいずれか
または両方を行って、厚さ0.1〜0.5mmのアルミ
ニウム合金板とし、次いで矯正及び粗面化して平版印刷
版用アルミニウム支持体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版用アルミ
ニウム支持体及びその製造方法に関する、特に結晶微細
化の目的でアルミニウム又はアルミニウム合金に添加し
たTi粒子の存在に起因するスジ故障の発生が防止され
た平版印刷版用アルミニウム支持体及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】印刷版用アルミニウム支持体、とくにオ
フセット印刷版用支持体としてはアルミニウム板(アル
ミニウム合金板を含む)が用いられている。一般にアル
ミニウム板をオフセット印刷版用支持体として使用する
ためには、感光材料との適度な接着性と保水性を有して
いることが必要である。このためにはアルミニウム板の
表面を均一かつ緻密な砂目を有するように粗面化しなけ
ればならない。この粗面化処理は製版後実際にオフセッ
ト印刷を行ったときに版材の印刷性能や耐刷力に著しい
影響をおよぼすので、その良否は版材製造上重要な要素
となっている。
【0003】印刷版用アルミニウム支持体の粗面化法と
しては、交流電解エッチング法が一般的に採用されてお
り、電流としては、普通の正弦並み交流電流、矩形波な
どの特殊交番波形電流が用いられている。そして、黒鉛
等の適当な電極を対極として交流電流により、アルミニ
ウム板の粗面化処理を行うもので、通常一回の処理で行
われているが、そこで得られるピット深さは全体的に浅
く、耐刷性能に劣るものであった。このため、その直径
に比べて深さの深いピットが均一かつ緻密に存在する砂
目を有する印刷版用支持体として好適なアルミニウム板
が得られるように、数々の方法が提案されている。その
方法としては、特殊電解電源波形を使った粗面化方法
(特開昭53−67507号公報)、交流を使った電解
粗面化時の陽極時と陰極時の電気量の比率(特開昭54
−65607号公報)、電源波形(特開昭55−253
81号公報)、単位面積あたりの通電量の組み合わせ
(特開昭56−29699号公報)などが知られてい
る。また、機械的な粗面化との組み合わせ(特開昭55
−142695号公報)なども知られている。
【0004】一方、アルミニウム支持体の製造方法とし
ては、アルミニウムのインゴットを溶解保持してスラブ
(厚さ400〜600mm,幅1000〜2000m
m,長さ2000〜6000mm)を鋳造し、スラブ表
面の不純物組織部分を面削機にかけて3〜10mmづつ
切削する面削工程を経た後、スラブ内部の応力の除去と
組織の均一化の為、均熱炉において480〜540℃,
6〜12時間保持する均熱化処理工程を行い、しかる後
に熱間圧延を480〜540℃で行う。熱間圧延で5〜
40mmの厚みに圧延した後、室温で所定の厚みに冷間
圧延を行う。またその後組織の均一化のため焼鈍を行い
圧延組織等を均質化した後、規定の厚みに冷間圧延を行
い、平坦度の良い板にするため矯正する。この様にして
作られたアルミニウム支持体を平版印刷版用支持体とし
ていた。
【0005】しかしながら、電解粗面化処理の場合は特
に対象となるアルミニウム支持体の影響を受けやすく、
アルミニウム支持体を溶解保持→鋳造→面削→均熱とい
う工程を通して製造する場合、加熱,冷却をくり返し、
面削という表面層を削り取る工程があったとしても、表
面層に金属合金成分などのばらつきを生じて平板印刷版
としては得率低下の原因となっていた。
【0006】これに対して、本出願人は先にアルミニウ
ム支持体の材質のバラツキを少くし、電解粗面化処理の
得率を向上させることによって品質の優れた得率のよい
平板印刷版を作れる方法として、アルミニウム溶湯から
鋳造,熱間圧延を連続して行い、薄板の熱間圧延コイル
を形成させた後、冷間圧延,熱処理、矯正を行ったアル
ミニウム支持体を粗面化処理することを特徴とする平版
印刷版用支持体の製造方法を提案した。(特開平3−7
9798号公報) さらに、特に電解粗面化性の良いアルミニウム支持体の
製造方法として、アルミニウム溶湯を鋳造した後、圧
延、熱処理を行い、さらに矯正と粗面化する平版印刷版
用アルミニウム支持体の製造方法において、アルミニウ
ム溶湯供給ノズルにおける溶湯の温度分布がノズル先端
において30℃以内とする製造方法を提案した。(特開
平6−262308号公報) また、同様な目的で、アルミニウム溶湯を連続鋳造圧延
後、冷間圧延、熱処理を一回以上行い、さらに矯正と粗
面化する平版印刷版用アルミニウム支持体の製造方法に
おいて、連続鋳造機鋳造直前の溶湯温度を鋳造開始時の
温度が定常運転の温度より20℃以上高くなるようにし
て連続鋳造圧延を行う製造方法を提案した。(特開平7
−40017号公報)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、本出願人は、先
に上記したような、平版印刷版用アルミニウム支持体の
製造方法において、結晶粒微細化剤としてのチタン(T
i)を、Al−Ti合金またAl−Ti−B合金として
アルミニウム溶湯中に添加してから鋳造または連続鋳造
するを提案した。(例えば、特願平6−184900
号、特願平6−212878号、特願平6−22673
5号参照) しかしながら、Tiを含有するアルミニウムまたはアル
ミニウム合金を前記したような平版印刷版用アルミニウ
ム支持体の製造方法による場合には、アルミニウム板の
圧延方向にTiに起因するスジ状欠陥が断続的に発生
し、このような欠陥を防ぐことは出来なかった。また、
特開平3−294490号公報には、アルミニウム板の
表面をアルカリエッチングする方法が記載されている
が、この方法によってもTiに起因するスジ状欠陥の発
生を防ぐことは出来なかった。即ち、圧延方向にTiに
起因したスジ状欠陥が発生しているアルミニウム板にア
ルカリエッチングを施すと、白いこすれきず状のスジと
なり、これが平版印刷版用アルミニウム支持体の裏面に
現れた場合には、アルミニウム傷として認知されるため
に、商品価値を低下させる。また、平版印刷版として必
要な粗面化処理を施すと、その部分は粗面化されにく
く、黒いスジ故障となり、平版印刷版としての性能(イ
ンキ汚れ防止性、検版性)を著しく低下させ、商品価値
を低下させるという不具合があった。
【0008】本発明の目的は、アルミニウム溶湯を連続
鋳造圧延し、該鋳造板に冷間圧延及び/又は熱処理を行
い、次いで矯正及び粗面化して平版印刷版用アルミニウ
ム支持体を製造する方法において、結晶粒微細化剤とし
て加えたTiに起因してアルミニウム板の圧延方向に断
続的に発生するスジ状欠陥のない平版印刷版用アルミニ
ウム支持体及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために種々検討の結果、上記目的は、以下に述
べる本発明によって達成されることを見い出した。即
ち、本発明は、Tiを含有するアルミニウムを鋳造し、
冷間圧延及び/又は、熱処理を行い、矯正・粗面化して
得た平版印刷版用アルミニウム支持体において、アルミ
ニウム板の表層の0〜20μmの範囲に存在する圧延方
向にそってレンズ状に伸ばされたTi粒子の巾が100
μm以下であることを特徴とする平版印刷版用アルミニ
ウム支持体およびアルミニウム溶湯にTi又はTiとB
を含むアルミニウム合金を添加し、一対の冷却ロールで
直接厚さ10mm以下の鋳造板を連続鋳造圧延し、該鋳
造板に冷間圧延と熱処理のいずれかまたは両方を行っ
て、厚さ0.1〜0.5mmのアルミニウム合金板と
し、次いで矯正及び粗面化して平版印刷版用アルミニウ
ム支持体を製造する方法において、Ti粒子径が1.0
mm未満の粒子からなるAl−Ti合金またはAl−T
i−B合金を用いることを特徴とする平版印刷版用支持
体の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明における連続鋳造圧延装置の1例を示す
略図であって、アルミニウムまたはアルミニウム合金の
溶湯を溶解保持炉1に保持し、炉1を溶解保持炉傾動モ
ーター9で傾け、アルミニウム溶湯を樋2に注ぎ、溶湯
供給ノズル3から冷却ロール4a,4bを有する双ロー
ル連続鋳造圧延機4に送り、冷却ロール間で凝固・冷却
しながらアルミニウム板を連続鋳造圧延し、コイラー6
に巻き取る。なお、7は溶湯のレベル計で、樋上の溶湯
のレベルを検知し、アンプ8から傾動モーター9にレベ
ルの情報を送り、樋2上のアルミニウム溶湯を一定のレ
ベルに保持する。また、5はカッターで、一定量のアル
ミニウム圧延板をコイラーに巻き取った後にアルミニウ
ム板を切断する。本発明においては、前記したように、
結晶粒微細化剤として、Tiを例えば図1の装置におい
て、Ti粒子径が1.0mm(1000μm)未満の粒
子からなるAl−Ti合金ワイヤまたはAl−Ti−B
合金ワイヤ10としてアルミニウム溶湯に加える。この
場合、アルミニウム支持体に含まれるTiの総量が0.
005〜0.03%、好ましくは0.008〜0.02
%になるようにAl−Ti合金ワイヤまたはAl−Ti
−B合金ワイヤをアルミニウム溶湯中に加える。なお、
添加する合金としては、Al−Ti−B合金を用いるこ
とが好ましい。ワイヤに含まれるTi粒子の大きさは、
ワイヤの断面を電子ブロックマイクロアナライザーで分
析することにより確認できる。Ti粒子の大きさは1.
0mm以下のワイヤを使用することが必須である。ここ
で、Ti粒子とはAlTi3 、TiB2 等の化合物や単
体Tiあるいはそれらの集合体を意味する。なお、ワイ
ヤに含まれるTi粒子の大きさを1.0mm以下にする
には、例えば、溶解したAl溶湯(例えば、Al99.
7重量%)に金属Tiを溶解した後に、線状あるいはブ
ロック状に凝固させることでAl−Ti合金を製造する
のであるが、凝固前に、1mm以上のTi粒子を除去で
きるようなフィルタ(例えばグラスフィルタ等)をかけ
る方法、又は凝固前の溶湯に剪断力与えられる攪拌処理
を施す方法等を利用することができる。また、上記連続
鋳造圧延装置により得られるアルミニウム鋳造板の厚さ
は1〜7mmが好ましい。コイラー6に巻き取られたア
ルミニウム板は、次いで図2に例示する冷間圧延機11
及び図3に例示する熱処理機12(a)によって、冷間
圧延及び熱処理を行う。なお、本発明においては、必要
に応じて、冷間圧延及び熱処理のいずれか一方のみを行
ってもよい。冷間圧延及び/又は熱処理は、連続鋳造圧
延して得られたアルミニウム板の組織の均一化と平坦化
のために行う操作であって、本発明においては、上記冷
間圧延と熱処理の両方を行う場合は3mm〜0.5mm
になるように圧延し、引続き熱処理を行い、さらに冷間
圧延を行って厚さ0.5〜0.1mmのアルミニウム板
に仕上げる。熱処理を行わない場合は、冷間圧延で厚さ
0.5mm〜0.1mmのアルミニウム板に仕上げる。
熱処理方法には、図3に示すような連続焼鈍装置12
(a)と図4に示すバッチ焼鈍装置12(b)の2方式
があり、そのいずれを選んでもよい。連続焼鈍方式の場
合、温度は400℃〜600℃、時間は1秒〜600秒
間熱処理を行う。バッチ焼鈍方式の場合は300℃〜6
00℃、時間は1時間〜12時間熱処理を行う。次い
で、アルミニウム板を図5に例示する矯正装置13によ
って矯正を行い、アルミニウム支持体を作る。本発明に
おいては、さらに、矯正されたアルミニウム支持体を粗
面化し、平版印刷版用支持体とする。本発明におけるア
ルミニウム支持体の粗面化の方法は機械的粗面化,化学
的粗面化,電気化学的粗面化及びそれらの組合わせ等各
種用いられる。機械的な砂目立て法としては、例えばボ
ールグレイン,ワイヤーグレイン,ブラッシグレイン,
液体ホーニング法などがある。また電気化学的砂目立て
方法としては、交流電解エッチング法が一般的に採用さ
れており、電流としては、普通の正弦波交流電流あるい
は矩形波など、特殊交番電流が用いられている。またこ
の電気化学的砂目立ての前処理として、苛性ソーダなど
でエッチング処理をしても良い。
【0011】また電気化学的粗面化を行う場合、塩酸ま
たは硝酸主体の水溶液で交番電流によって粗面化される
のが良い。以下詳細に説明する。先ず、アルミニウム支
持体は、まずアルカリエッチングされる。好ましいアル
カリ剤は、苛性ソーダ,苛性カリ,メタ珪酸ソーダ,炭
酸ソーダ,アルミン酸ソーダ,グルコン酸ソーダ等であ
る。濃度0.01〜20%,温度は20〜90℃,時間
は5sec〜5min間の範囲から選択されるのが適当
であり、好ましいエッチング量としては0.1〜5g/
2 である。特に不純物の多い支持体の場合、0.01
〜1g/m2 が適当である。(特開平1−237197
号公報)。引き続き、アルカリエッチングしたアルミニ
ウム板の表面にアルカリに不溶な物質(スマット)が残
存するので、必要に応じてデスマット処理を行っても良
い。
【0012】前処理は上記の通りであるが、引き続き、
本発明として塩酸,または硝酸を主体とする電解液中で
交流電解エッチングされる。交流電解電流の周波として
は、0.1〜100Hz,より好ましくは0.1〜1.
0又は10〜60Hzである。液濃度としては、3〜1
50g/l,より好ましくは5〜50g/l,浴内のア
ルミニウムの溶解量としては50g/l以下が適当であ
り、より好ましくは2〜20g/lである。必要によっ
て添加物を入れても良いが、大量生産をする場合は、液
濃度制御などが難しくなる。また、電流密度は、5〜1
00A/dm2 が適当であるが、10〜80A/dm2
がより好ましい。また、電源波形としては、求める品
質,使用されるアルミニウム支持体の成分によって適時
選択されるが、特公昭56−19280号,特公昭55
−19191号各公報に記載の特殊交番波形を用いるの
がより好ましい。この様な波形,液条件は、電気量と共
に求める品質,使用されるアルミニウム支持体の成分な
どによって適時選択される。
【0013】電解粗面化されたアルミニウムは、次にス
マット処理の一部としてアルカリ溶液に浸漬しスマット
を溶解する。アルカリ剤としては、苛性ソーダなど各種
あるが、PH10以上,温度25〜60℃、浸漬時間1
〜10secの極めて短時間で行うことが好ましい。次
に硫酸主体の液に浸漬する。硫酸の液条件としては、従
来より一段と低い濃度50〜400g/l,温度25〜
65℃が好ましい。硫酸の濃度を400g/l以上,又
は温度を65℃以上にすると処理槽などの腐食が大きく
なり、しかも、マンガンが0.3%以上あるアルミニウ
ム合金では、電気化学的に粗面化された砂目が崩れてし
まう。また、アルミニウム素地の溶解量が0.2g/m
2 以上エッチングされると、耐刷力が低下して来るの
で、0.2g/m2 以下にすることが好ましい。
【0014】陽極酸化被膜は、0.1〜10g/m2
より好ましくは0.3〜5g/m2を表面に形成するが
良い。陽極酸化の処理条件は、使用される電解液によっ
て種々変化するので一概には決定されていないが、一般
的には電解液の濃度が1〜80重量%、液温5〜70
℃、電流密度0.5〜60A/cm2 、電圧1〜100
V、電解時間1秒〜5分の範囲が適当である。この様に
して得られた陽極酸化皮膜を持つ砂目のアルミニウム板
はそれ自身安定で親水性に優れたものであるから、直ち
に感光性塗膜を上に設ける事も出来るが、必要により更
に表面処理を施す事が出来る。
【0015】たとえば、先に記載したアルカリ金属珪酸
塩によるシリケート層あるいは、親水性高分子化合物よ
りなる下塗層を設けることができる。下塗層の塗布量は
5〜150mg/m2 が好ましい。
【0016】次に、このように処理したアルミニウム支
持体上に感光性塗膜を設け、画像露光、現像して製版し
た後に、印刷機にセットし、印刷を開始する。上記の方
法によって得られた平版印刷版用アルミニウム支持体
は、支持体の表層0〜20μm,好ましくは1〜10μ
mの範囲に存在する圧延方向にそってレンズ状に伸ばさ
れたTi粒子の巾が100μm以下、好ましくは70μ
m以下にすることで、アルミニウム板の圧延方向に断続
的に発生するTi起因のスジ状欠陥を防止することがで
きる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例−1、−2及び比較例−1、−2、−3 図1に示す連続鋳造圧延装置を用いて、次のように、ア
ルミニウム板を連続鋳造圧延した。まず、溶解保持炉1
でFe: 0.30 重量%(以下同様)、Si: 0.05%、Cu:
0.01% 残りAl と不可避不純物となるようにアルミニ
ウム溶湯を調製し、775℃に保持した。溶解保持炉1
を傾けて、樋2にアルミニウム溶湯を注ぎ、溶湯供給ノ
ズルから冷却ロール4a,4bを持つ連続鋳造圧延1に
送り、冷却ロール間で凝固・冷却しながら厚さ7.0m
mのアルミニウム板を連続鋳造圧延した。この際、Al-
Ti(5%)-B(1%) の合金ワイヤを結晶微細化剤として10
の位置から樋2のアルミニウム溶湯に供給し、アルミニ
ウム溶湯中のTi濃度が0.01%になるように供給速
度を設定して溶解させた。(実施例1) また、他の実施例サンプルと比較例サンプルを作製する
ために、前記結晶微細化剤としてのアルミニウム合金の
供給速度を変えたり、溶解保持炉にAl-Ti(5%)-B(1%)
の合金ブロックを投入溶解した。ここで、実施例−2
は、実施例−1と同様な方法でAl−Ti(5%)−B
(10%)の合金ワイヤを用い、アルミニウム溶湯中の
Ti濃度が0.04%になるように供給速度を設定し作
製した。比較例−1は、実施例−2と同様にして、溶湯
中にTi濃度が0.07%になるように供給速度を設定
し作製した。比較例−2は溶解保持炉にAl−Ti(5
0%)−B(1%)の合金ブロックを投入溶解し、アル
ミニウム溶湯中のTi濃度が0.04%になるようにし
て作製した。比較例−3は、比較例−2と同様の方法
で、アルミニウム溶湯中のTi濃度が0.1%になるよ
うに供給速度を設定して作製した。鋳造中は樋2の溶湯
面レベルをレベル計7で測定し、アンプ8を介して溶解
保持炉の保持炉傾動モーター9を制御し、溶湯の供給量
を一定にした。このように作製したサンプルをコイラ6
で巻き取り、カッター5で適宜カットしてサンプルウェ
ブとした。次いで、図2に示す冷間圧延機で厚み1.5
mmまで圧延し、図4に示すバッチ式熱処理(焼鈍)装
置で480℃×10時間保持の熱処理を行い、再度冷間
圧延機で厚み0.24mmに仕上げた。このようにして
仕上げたサンプルをAl-Ti(5%)-B(1%) 合金の投入方法
毎に分類し、アルミニウム板表面のTi の分布状況を確
認して本発明の実施例−1、−2及び比較例−1、−
2、−3のアルミニウム板とした。まず、Ti起因のス
ジのレベルを確認するため、上記各アルミニウム板をア
ルミン酸ソーダ(Al3+ 10%, NaOH 30%)液を用いて60
℃、30秒間のエッチング処理を行って外観評価を行っ
た。また、印刷性能を評価するため、上記実施例−1、
−2、比較例−1、−2、−3のアルミニウム板を別途
用意し、平版印刷版用支持体として用い、まず、5%苛
性イソーダ水溶液でエッチング量が5g/m2 になるよ
うに温度50℃でエッチングし、水洗後、150g/リ
ットル、50℃の硫酸中に10秒間浸漬してデスマット
し、水洗した。さらに、支持体を16g/リットルの硝
酸水溶液中で、特公昭55−19191号公報に記載の
交番波形電流を用いて、電気化学的に粗面化した。電解
条件としては、アノード電圧VA =14ボルト、カソー
ド電圧VC =12ボルトとして、陽極時の電気量が、3
50クーロン/dm2 となるようにした。次いで、水酸
化ナトリウム5%水溶液中でアルミニウム合金板の溶解
量が0.5g/dm2 となるように化学的なエッチング
処理を行った後、60℃、300g/リットルの硫酸水
溶液中に20秒間浸漬してデスマット処理を行った。さ
らに、硫酸150g/リットル、アルミニウムイオン濃
度2.5g/リットルの水溶液中で極間距離150mm
において電圧22ボルトの直流によって60秒間陽極酸
化処理を行った。
【0018】以上の如くして作製した実施例−1、ー2
及び比較例−1、−2、−3で得たアルミニウム支持体
に下記組成物を、乾燥後の塗布重量が2.0g/m2
なる様に塗布して感光層を設けた。 感光液 N−(4−ヒドロキシフェニル),メタクリルアミド/2−ヒドロキシエチル メタクリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸(= 15:10:30:38:7モル比)共重合体(平均分子量60000) ・・・5.0g 4−ジアジゾフェニルアミンとホルムアルデヒドの縮合物の六弗化燐酸塩 ・・・0.5g 亜燐酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.05g ジクトリアピュアーブル−BOH(保土ケ谷化学(株)社製)・・・0.1g 2−メトキシエタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・100.0g このようにして作製して感光性平版印刷版に、真空焼枠
中で透明ネガティブフィルムを通して、1mの距離から
3kwのメタルハライドランプにより50秒間露光を行
なったのち、下記組成の現像液で現像しアラビアガム水
溶液でガム引きして平版印刷版とした。
【0019】 現像液 亜流酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0g ベンジルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30.0g 炭酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5.0g イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム・・・・・・・・12.0g 純水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1000.0g この様にして製版された平版印刷版を用いて、通常の手
順で印刷評価した。以上のアルカリ処理後の外観評価の
結果と印刷評価の結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】上記の結果から明らかなように、本発明の
サンプルは、アルミニウム支持体の表面に分布するTi
の巾を100μm以下のすることによってスジ状の欠陥
が発生せず、印刷結果も良好であることが分かる。 実施例−3、−4、−5、−6及び比較例−4、−5 図1に示す溶解保存炉でFe: 0.20%, Si: 0.03%, Cu:
0.003% 残りAl 及び不可避不純物からなるアルミニウ
ム溶湯を調製し、775℃に保持した。以下、実施例1
と同様な操作で、厚さ7.0mmのアルミニウム板を連
続鋳造圧延した。この際、6種類のAl-Ti(5%)-B(1%)
のAl合金ワイヤを、その中に含まれるTiの分散状態
(Ti の粒子径) を変えて作製した。即ち、Ti の粒子
径が本発明の範囲内にあるものを4種類と本発明の範囲
外のも2種類を作り、それぞれを、実施例−3、−4、
−5、−6用及び比較例−4、−5用に使用した。次い
で、図2に示す冷間圧延機で厚さ0.24mmに仕上げ
た。このように仕上げたアルミニウム板を前記実施例と
同様な方法で評価し、併せてアルミニウム板面にTiの
分布状態を確認した。結果を表2に示した。
【0022】
【表2】
【0023】以上の結果から明らかなように、本発明の
実施例では、Ti起因のスジ故障発生が少なくなり、外
観、印刷結果共に優れた平版印刷版用支持体を製造する
ことができる。なお、上記の実施例−1〜−6及び各比
較例に共通して、アルミニウム板表面のTi分布巾、
Al-Ti(5%)-B(1%) のアルミニウム合金ワイヤ内のTi粒
子径の測定には、電子プローブマイクロアナライザー
(EPMA)(JXA−8800M、日本電子(株)
製)を使用し、加速電圧20kV,平均電流1.0×1
-6Aの条件でマッピング分析をする方法を用いた。ま
た、図6は本発明の実施例−2でえられたアルミニウム
支持体の表面の金属組織を示すEPMA写真で約90μ
m巾のTiが検出された。図7は同比較例−2(従来
品)のアルミニウム支持体の表面の金属組織を示すEP
MA写真で約400μm巾のTiが検出された。写真中
に白く見える部分はTiの濃度が大きいことを示す。両
図を比較して明らかなように、本発明によるアルミニウ
ム支持体の表面にはTi起因のスジ故障の発生が極めて
少ないことが分かる。
【発明の効果】上記のように、本発明の平版印刷版用支
持体の製造方法によって製造された平版印刷版は、従来
のものに比べ、Ti起因のスジ故障野発生が少なく、外
観不良の発生を防止できると共に印刷性能が優れたもの
となる。更にアルミニウム支持体の製造工程が合理化さ
れたことによる原材料コストの低減の効果も大きく、特
に平版印刷版用支持体の品質向上及びコスト低減に大き
く貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の一実
施例の一部の工程である双ロール連続鋳造圧延装置の側
面図
【図2】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の冷間
圧延工程の側面図
【図3】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の熱処
理工程(連続焼鈍装置)の側面図
【図4】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の熱処
理工程(バッチ焼鈍装置)の側面図
【図5】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の矯正
工程の側面図
【図6】本発明の実施例2により得られたアルミニウム
支持体の表面の金属組織(Tiの分布)を示すEPMA
写真
【図7】従来方法(比較例2)により得られたアルミニ
ウム支持体の表面の金属組織(Tiの分布)を示すEP
MA写真
【符号の説明】
1 溶解保持炉 2 溶湯 3 溶湯保持ノズル 4 双ロール連続鋳造圧延機 5 カッター 6 コイラー 7 溶湯レベル計 8 アンプ 9 溶解保持炉傾動モータ 10 微細化剤ワイヤ供給位置 11 冷間圧延機 12 熱処理機 13 矯正装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41N 1/08 B41N 1/08 C22F 1/04 C22F 1/04 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tiを含有するアルミニウムを鋳造し、
    冷間圧延及び/又は、熱処理を行い、矯正・粗面化して
    得た平版印刷版用アルミニウム支持体において、アルミ
    ニウム板の表層の0〜20μmの範囲に存在する圧延方
    向に沿ってレンズ状に伸ばされたTi粒子の巾が100
    μm以下であることを特徴とする平版印刷版用アルミニ
    ウム支持体。
  2. 【請求項2】 アルミニウム溶湯にTi又はTiとBを
    含むアルミニウム合金を添加し、一対の冷却ロールで直
    接厚さ10mm以下の鋳造板を連続鋳造圧延し、該鋳造
    板に冷間圧延と熱処理のいずれかまたは両方を行って、
    厚さ0.1〜0.5mmのアルミニウム合金板とし、次
    いで矯正及び粗面化して平版印刷版用アルミニウム支持
    体を製造する方法において、Ti粒子径が1.0mm未
    満の粒子からなるAl−Ti合金またはAl−Ti−B
    合金を用いることを特徴とする平版印刷版用支持体の製
    造方法。
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