JPH09291352A - 紙加工用部材 - Google Patents
紙加工用部材Info
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- JPH09291352A JPH09291352A JP10714396A JP10714396A JPH09291352A JP H09291352 A JPH09291352 A JP H09291352A JP 10714396 A JP10714396 A JP 10714396A JP 10714396 A JP10714396 A JP 10714396A JP H09291352 A JPH09291352 A JP H09291352A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】紙、または表面に有機質膜が形成された紙を加
工する部材として、従来は、加工用部材の摩耗が激し
く、また有機質膜が加工用部材に凝着するという問題が
あった。 【解決手段】紙または表面に有機質膜が被覆された紙を
加工するための部材表面を、ラマン分光スペクトルにお
いて1340±40cm-1と1160±40cm-1にピ
ークが存在する硬質炭素膜、特に、ラマン分光分析チャ
ートにおいて、1160±40cm-1に存在するピーク
のうち最も強度の高いピーク強度をH1 、1340±4
0cm-1に存在するピークのうち最も強度の高いピーク
強度をH2とした時、H1 /H2 で表されるピーク強度
比が0.05乃至2の硬質炭素膜により構成する。
工する部材として、従来は、加工用部材の摩耗が激し
く、また有機質膜が加工用部材に凝着するという問題が
あった。 【解決手段】紙または表面に有機質膜が被覆された紙を
加工するための部材表面を、ラマン分光スペクトルにお
いて1340±40cm-1と1160±40cm-1にピ
ークが存在する硬質炭素膜、特に、ラマン分光分析チャ
ートにおいて、1160±40cm-1に存在するピーク
のうち最も強度の高いピーク強度をH1 、1340±4
0cm-1に存在するピークのうち最も強度の高いピーク
強度をH2とした時、H1 /H2 で表されるピーク強度
比が0.05乃至2の硬質炭素膜により構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙あるいは表面
に、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコー
ル、ナイロンなどの有機質膜が形成された紙を裁断する
ための刃物や曲げ加工するための型材等に使用する紙加
工用部材に関するものである。
に、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコー
ル、ナイロンなどの有機質膜が形成された紙を裁断する
ための刃物や曲げ加工するための型材等に使用する紙加
工用部材に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、紙または表面に有機質膜が形成
された紙に孔明け加工したり、曲げ加工するための部材
としては、これまで金属を主体にしたものが多用されて
いるが、紙との接触により部材が摩耗するとの問題があ
り、最近では、耐摩耗性に優れたアルミナなどのセラミ
ックスを用いることも提案されている。
された紙に孔明け加工したり、曲げ加工するための部材
としては、これまで金属を主体にしたものが多用されて
いるが、紙との接触により部材が摩耗するとの問題があ
り、最近では、耐摩耗性に優れたアルミナなどのセラミ
ックスを用いることも提案されている。
【0003】また、耐摩耗性を向上させる1つの手段と
して、部材の表面に高硬度のダイヤモンド膜を形成する
ことも従来から行われている。
して、部材の表面に高硬度のダイヤモンド膜を形成する
ことも従来から行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙加工
にあたって、その量産化に伴い加工速度が高速化した
り、加工条件が過酷になるにつれて、加工用部材の摩耗
が激しくなり、従来のセラミックス部材においてもその
摩耗が極度に進行する傾向にある。また、表面に有機質
膜が形成された紙を加工する場合には、紙または有機質
膜が加工用部材に凝着するという問題があった。
にあたって、その量産化に伴い加工速度が高速化した
り、加工条件が過酷になるにつれて、加工用部材の摩耗
が激しくなり、従来のセラミックス部材においてもその
摩耗が極度に進行する傾向にある。また、表面に有機質
膜が形成された紙を加工する場合には、紙または有機質
膜が加工用部材に凝着するという問題があった。
【0005】また、部材表面に従来から知られるダイヤ
モンド膜を形成した場合、ある程度の耐摩耗性の向上が
見られるものの、ダイヤモンド膜が大きなダイヤモンド
結晶粒により形成され、また膜中に微小なボイドが存在
するために膜に急激にクラックが発生したり、紙の切断
に用いる刃先において、所望の先端R形状が得られず、
切れ味が悪くなり、さらには有機質膜を有する紙加工に
おいては有機質膜が凝着するなどの問題があった。
モンド膜を形成した場合、ある程度の耐摩耗性の向上が
見られるものの、ダイヤモンド膜が大きなダイヤモンド
結晶粒により形成され、また膜中に微小なボイドが存在
するために膜に急激にクラックが発生したり、紙の切断
に用いる刃先において、所望の先端R形状が得られず、
切れ味が悪くなり、さらには有機質膜を有する紙加工に
おいては有機質膜が凝着するなどの問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、紙あるいは表面に有機質膜が被覆された紙を加工
するのに適した加工用部材について検討を重ねた結果、
部材の紙または紙表面に形成された有機質膜と接する部
材表面に、ラマン分光スペクトルにおいて1340±4
0cm-1と1160±40cm-1にピークが存在する特
殊な硬質炭素膜を被覆すると、加工時の摩耗を顕著に低
減できるとともに、有機質膜の凝着を低減することもで
き、加工用部材の寿命を大幅に向上できることを見いだ
し本発明に至った。
めに、紙あるいは表面に有機質膜が被覆された紙を加工
するのに適した加工用部材について検討を重ねた結果、
部材の紙または紙表面に形成された有機質膜と接する部
材表面に、ラマン分光スペクトルにおいて1340±4
0cm-1と1160±40cm-1にピークが存在する特
殊な硬質炭素膜を被覆すると、加工時の摩耗を顕著に低
減できるとともに、有機質膜の凝着を低減することもで
き、加工用部材の寿命を大幅に向上できることを見いだ
し本発明に至った。
【0007】さらに、本発明によれば、部材と硬質炭素
膜との間にダイヤモンドと金属炭化物を含有する中間層
を介在させることにより膜剥離のない極めて長寿命の加
工用部材を提供するに至った。
膜との間にダイヤモンドと金属炭化物を含有する中間層
を介在させることにより膜剥離のない極めて長寿命の加
工用部材を提供するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における紙加工用部材は、
その部材表面にラマン分光スペクトルにおいて1160
±40cm-1と1340±40cm-1にピークが存在す
る硬質炭素膜を被覆することが大きな特徴である。この
硬質炭素膜は、ダイヤモンドを主とするものであるが、
一般に知られるダイヤモンド膜は、高純度ダイヤモンド
からなり、炭素原子間がSP3 混成で結合された構造か
らなり、ラマン分光スペクトルにおいて1340±40
cm-1にピークを有するもので、場合によってSP2 混
成で結合されたグラファイト構造の黒鉛等を含む時は1
500〜1600cm-1付近にブロードなピークを有す
るものである。
その部材表面にラマン分光スペクトルにおいて1160
±40cm-1と1340±40cm-1にピークが存在す
る硬質炭素膜を被覆することが大きな特徴である。この
硬質炭素膜は、ダイヤモンドを主とするものであるが、
一般に知られるダイヤモンド膜は、高純度ダイヤモンド
からなり、炭素原子間がSP3 混成で結合された構造か
らなり、ラマン分光スペクトルにおいて1340±40
cm-1にピークを有するもので、場合によってSP2 混
成で結合されたグラファイト構造の黒鉛等を含む時は1
500〜1600cm-1付近にブロードなピークを有す
るものである。
【0009】これに対して、本発明における硬質炭素膜
は、1340±40cm-1に加え、1160±40cm
-1にピークを有するものである。この1160±40c
m-1のピークは、ダイヤモンド構造を有するものの、微
細な結晶のダイヤモンド粒子からなるためにその結晶の
周期が短いことを意味するものと考えられる。従って、
本発明における硬質炭素膜は、ダイヤモンド結晶が極め
て微細な粒子により構成されるもので、従来のようなダ
イヤモンド結晶による凹凸がなく平坦性に優れたもので
ある。また、グラファイト構造の物質を微量含んでいて
も高硬度と耐摩耗性を有するものである。
は、1340±40cm-1に加え、1160±40cm
-1にピークを有するものである。この1160±40c
m-1のピークは、ダイヤモンド構造を有するものの、微
細な結晶のダイヤモンド粒子からなるためにその結晶の
周期が短いことを意味するものと考えられる。従って、
本発明における硬質炭素膜は、ダイヤモンド結晶が極め
て微細な粒子により構成されるもので、従来のようなダ
イヤモンド結晶による凹凸がなく平坦性に優れたもので
ある。また、グラファイト構造の物質を微量含んでいて
も高硬度と耐摩耗性を有するものである。
【0010】従って、あらゆる形状の部材の表面に被覆
しても部材表面形状に整合した平滑で緻密な被覆面を形
成でき、例えば紙の裁断加工に使用する刃先などにおい
て、鋭い刃先からなる部材であっても、上記の硬質炭素
膜では、被覆後の表面も刃先部材形状に整合した鋭い被
覆面を形成することができる。
しても部材表面形状に整合した平滑で緻密な被覆面を形
成でき、例えば紙の裁断加工に使用する刃先などにおい
て、鋭い刃先からなる部材であっても、上記の硬質炭素
膜では、被覆後の表面も刃先部材形状に整合した鋭い被
覆面を形成することができる。
【0011】一方、紙を曲げ加工する際の摺動面など硬
質炭素膜被覆表面に高い平滑性が要求されるときは、部
材表面を所望の表面粗さに仕上げると、容易に所望の表
面を得ることができる。しかも従来のダイヤモンド膜に
比較して成膜直後の膜表面が平滑性に優れるため研磨加
工も容易に行うことができる。
質炭素膜被覆表面に高い平滑性が要求されるときは、部
材表面を所望の表面粗さに仕上げると、容易に所望の表
面を得ることができる。しかも従来のダイヤモンド膜に
比較して成膜直後の膜表面が平滑性に優れるため研磨加
工も容易に行うことができる。
【0012】また、本発明における硬質炭素膜は、緻密
な膜で従来のダイヤモンド膜のようなボイドなどの欠陥
がなく、有機質膜が形成された紙などとの摺動において
も有機質膜の部材表面への凝着を防ぐことができる。
な膜で従来のダイヤモンド膜のようなボイドなどの欠陥
がなく、有機質膜が形成された紙などとの摺動において
も有機質膜の部材表面への凝着を防ぐことができる。
【0013】本発明における硬質炭素膜のラマン分光ス
ペクトルにおける1160±40cm-1のピーク強度に
ついて具体的に説明する。図1に示すように得られたラ
マンスペクトルの曲線において、1100cm-1と17
00cm-1の位置間で斜線を引き、これをベースライン
として、1160±40cm-1に存在するピークのうち
最も強度の高いピーク強度をH1 、1340±40cm
-1に存在するピークのうち最も強度の高いピーク強度を
H2 とする。このときH1 /H2 で表されるピーク強度
比が0.05乃至2となる組成であることが望ましい。
このピーク強度比が小さすぎると、ダイヤモンド結晶粒
子が大きく成長し過ぎ、膜中にボイドが発生したり膜の
表面粗さが大きくなり耐摩耗性が低下したり有機質膜の
凝着が発生しやすくなる。また前記ピーク強度比が大き
すぎると非晶質ダイヤモンドの存在が増加し、硬質炭素
膜自体の硬度が低下し耐摩耗性が低下する場合がある。
このピーク強度比は0.1乃至1.0であることがさら
に望ましい。
ペクトルにおける1160±40cm-1のピーク強度に
ついて具体的に説明する。図1に示すように得られたラ
マンスペクトルの曲線において、1100cm-1と17
00cm-1の位置間で斜線を引き、これをベースライン
として、1160±40cm-1に存在するピークのうち
最も強度の高いピーク強度をH1 、1340±40cm
-1に存在するピークのうち最も強度の高いピーク強度を
H2 とする。このときH1 /H2 で表されるピーク強度
比が0.05乃至2となる組成であることが望ましい。
このピーク強度比が小さすぎると、ダイヤモンド結晶粒
子が大きく成長し過ぎ、膜中にボイドが発生したり膜の
表面粗さが大きくなり耐摩耗性が低下したり有機質膜の
凝着が発生しやすくなる。また前記ピーク強度比が大き
すぎると非晶質ダイヤモンドの存在が増加し、硬質炭素
膜自体の硬度が低下し耐摩耗性が低下する場合がある。
このピーク強度比は0.1乃至1.0であることがさら
に望ましい。
【0014】本発明における加工用部材は上記の硬質炭
素膜を被覆してなるものであるが、部材表面への膜の被
覆は、膜の剥離という新たな問題が懸念される。しか
し、本発明における加工用部材によれば、部材と硬質炭
素膜との間に、少なくともダイヤモンドと炭化ケイ素を
含有する層を介在させることにより、極めて密着性の良
い硬質炭素膜を形成することができる。
素膜を被覆してなるものであるが、部材表面への膜の被
覆は、膜の剥離という新たな問題が懸念される。しか
し、本発明における加工用部材によれば、部材と硬質炭
素膜との間に、少なくともダイヤモンドと炭化ケイ素を
含有する層を介在させることにより、極めて密着性の良
い硬質炭素膜を形成することができる。
【0015】このような膜構成により硬質炭素膜と母材
との密着強度が向上する理由は次のように考えられる。
原子同士は電子を介在することにより結合されている
が、一般に、原子間の電子が一方に存在して電気的な結
び付きにより結合しているイオン結合よりも、電子を双
方の原子で共有している共有結合の方が強い結合力を持
つ。ダイヤモンドは炭素の共有結合により構成されてい
るので強い結合力を有している。したがって、ダイヤモ
ンドと異種化合物との密着強度を向上させるためには類
似の結合様式である共有結合性の化合物であることが望
ましいと考えられる。またダイヤモンドの成分である炭
素を含む化合物の方がより整合性がよいと思われる。炭
素含有化合物は数多く存在するがその多くはイオン性結
合を主体としたものであるが、共有結合性金属炭化物と
しては炭化ケイ素が挙げられる。
との密着強度が向上する理由は次のように考えられる。
原子同士は電子を介在することにより結合されている
が、一般に、原子間の電子が一方に存在して電気的な結
び付きにより結合しているイオン結合よりも、電子を双
方の原子で共有している共有結合の方が強い結合力を持
つ。ダイヤモンドは炭素の共有結合により構成されてい
るので強い結合力を有している。したがって、ダイヤモ
ンドと異種化合物との密着強度を向上させるためには類
似の結合様式である共有結合性の化合物であることが望
ましいと考えられる。またダイヤモンドの成分である炭
素を含む化合物の方がより整合性がよいと思われる。炭
素含有化合物は数多く存在するがその多くはイオン性結
合を主体としたものであるが、共有結合性金属炭化物と
しては炭化ケイ素が挙げられる。
【0016】これらの金属炭化物とダイヤモンドが混在
する層を硬質炭素膜と母材との間に形成することによ
り、硬質炭素膜と母材との密着強度が向上する。またこ
のダイヤモンドと、金属炭化物はダイヤモンドの周りを
取り囲むような構造を呈し、ダイヤモンドが島状に分布
した構造となるために、いわゆるアンカー効果が期待で
き、硬質炭素膜と母材との密着強度が向上する。
する層を硬質炭素膜と母材との間に形成することによ
り、硬質炭素膜と母材との密着強度が向上する。またこ
のダイヤモンドと、金属炭化物はダイヤモンドの周りを
取り囲むような構造を呈し、ダイヤモンドが島状に分布
した構造となるために、いわゆるアンカー効果が期待で
き、硬質炭素膜と母材との密着強度が向上する。
【0017】このような膜構成の作製方法は、気相成長
法に基づき、加工用部材が内部に設置された反応室内
に、原料ガスとして水素と炭素含有ガス、およびケイ素
含有ガスを導入し、励起することによりダイヤモンドと
炭化ケイ素が混在する層を形成することができ、さらに
ケイ素含有ガスの供給を停止することにより硬質炭素膜
を形成することができる。
法に基づき、加工用部材が内部に設置された反応室内
に、原料ガスとして水素と炭素含有ガス、およびケイ素
含有ガスを導入し、励起することによりダイヤモンドと
炭化ケイ素が混在する層を形成することができ、さらに
ケイ素含有ガスの供給を停止することにより硬質炭素膜
を形成することができる。
【0018】この時用いられる炭素含有ガスとしては、
例えば、メタン、エタン、プロパンなどのアルカン類、
エチレン、プロピレンなどのアルケン類、アセチレンな
どのアルキン類、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、シ
クロプロパンなどのシクロパラフィン類、シクロペンテ
ンなどのシクロオレフィン類などが挙げられる。また一
酸化炭素、二酸化炭素、メチルアルコール、エチルアル
コール、アセトンなどの含酸素炭素化合物、モノ(ジ、
トリ)メチルアミン、モノ(ジ、トリ)エチルアミンな
どの含窒素炭素化合物なども炭素源ガスとして使用する
ことができる。
例えば、メタン、エタン、プロパンなどのアルカン類、
エチレン、プロピレンなどのアルケン類、アセチレンな
どのアルキン類、ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、シ
クロプロパンなどのシクロパラフィン類、シクロペンテ
ンなどのシクロオレフィン類などが挙げられる。また一
酸化炭素、二酸化炭素、メチルアルコール、エチルアル
コール、アセトンなどの含酸素炭素化合物、モノ(ジ、
トリ)メチルアミン、モノ(ジ、トリ)エチルアミンな
どの含窒素炭素化合物なども炭素源ガスとして使用する
ことができる。
【0019】これらは一種単独で用いることもできる
し、二種以上で併用することもできる。
し、二種以上で併用することもできる。
【0020】前記ケイ素含有ガスとしては、四フッ化ケ
イ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素などのハロゲン化
物、二酸化ケイ素などの酸化物の他に、モノ(ジ、ト
リ、テトラ、ペンタ)シラン、モノ(ジ、トリ、テト
ラ)メチルシランなどのシラン化合物、トリメチルシラ
ノールなどのシラノール化合物などが挙げられる。これ
らは一種単独で用いることもできるし、二種以上で併用
することもできる。
イ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素などのハロゲン化
物、二酸化ケイ素などの酸化物の他に、モノ(ジ、ト
リ、テトラ、ペンタ)シラン、モノ(ジ、トリ、テト
ラ)メチルシランなどのシラン化合物、トリメチルシラ
ノールなどのシラノール化合物などが挙げられる。これ
らは一種単独で用いることもできるし、二種以上で併用
することもできる。
【0021】また、紙加工用部材の母材材種としては、
例えば、窒化ケイ素、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア
などのセラミックス、チタン合金、超硬合金、サーメッ
ト、ステンレス鋼などの金属が挙げられる。これらの中
でも窒化ケイ素、炭化ケイ素、超硬合金、サーメットが
望ましい。これらの母材はそのまま用いることもできる
し、気相成長法などの薄膜形成技術で、適当な部材の表
面に薄膜として形成されたものでもよい。
例えば、窒化ケイ素、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア
などのセラミックス、チタン合金、超硬合金、サーメッ
ト、ステンレス鋼などの金属が挙げられる。これらの中
でも窒化ケイ素、炭化ケイ素、超硬合金、サーメットが
望ましい。これらの母材はそのまま用いることもできる
し、気相成長法などの薄膜形成技術で、適当な部材の表
面に薄膜として形成されたものでもよい。
【0022】また、本発明において、前述したような1
340±40cm-1と1160±40cm-1にピークが
存在する硬質炭素膜を形成するには、例えば、上記原料
ガスを反応室内に導入すると同時に、2.45GHzの
マイクロ波を導入し、さらに875ガウス以上のレベル
の磁界を印加させて電子サイクロトロン共鳴プラズマを
発生させる。そして、反応室内を0.01〜0.10t
orrの圧力に維持するとともに部材の温度を400〜
650℃の比較的低温になるようにして成膜することに
より、形成することができる。
340±40cm-1と1160±40cm-1にピークが
存在する硬質炭素膜を形成するには、例えば、上記原料
ガスを反応室内に導入すると同時に、2.45GHzの
マイクロ波を導入し、さらに875ガウス以上のレベル
の磁界を印加させて電子サイクロトロン共鳴プラズマを
発生させる。そして、反応室内を0.01〜0.10t
orrの圧力に維持するとともに部材の温度を400〜
650℃の比較的低温になるようにして成膜することに
より、形成することができる。
【0023】このように、本発明によれば、紙と接する
部材表面を微粒組織で表面欠陥のない緻密な硬質炭素膜
により被覆することにより、紙加工部材の表面に整合し
た鋭利な刃先を形成できるとともに、紙を曲げ加工する
際の部材の摺動面に適応することにより、紙との接触に
よる摩耗を抑制するとともに、有機質膜が形成された紙
を加工する場合においても有機質膜の凝着を防止でき、
加工用部材の長寿命化を図ることができる。また、部材
表面と硬質炭素膜との間に、少なくともダイヤモンドと
炭化ケイ素を含有する層を介在させることにより、膜剥
離のない部材を提供できる。
部材表面を微粒組織で表面欠陥のない緻密な硬質炭素膜
により被覆することにより、紙加工部材の表面に整合し
た鋭利な刃先を形成できるとともに、紙を曲げ加工する
際の部材の摺動面に適応することにより、紙との接触に
よる摩耗を抑制するとともに、有機質膜が形成された紙
を加工する場合においても有機質膜の凝着を防止でき、
加工用部材の長寿命化を図ることができる。また、部材
表面と硬質炭素膜との間に、少なくともダイヤモンドと
炭化ケイ素を含有する層を介在させることにより、膜剥
離のない部材を提供できる。
【0024】
実施例1(試料No.1、2) 反応炉内に原料ガスを導入して、反応室内圧力を0.0
5Torrに設定した。原料ガスの種類、流量は表1に
示す。電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマCV
D法により最大2kガウスの強度の磁場を印加させ、マ
イクロ波出力3.0kWの条件で、超硬合金またはチタ
ン合金(Ti−6Al−4V)からなる先端が半径0.
5μmの鋭い刃先からなる紙裁断用刃物部材表面に硬質
炭素膜の成膜を行い、膜厚1μmの硬質炭素膜(うち、
中間層0.5μm)を形成した。
5Torrに設定した。原料ガスの種類、流量は表1に
示す。電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマCV
D法により最大2kガウスの強度の磁場を印加させ、マ
イクロ波出力3.0kWの条件で、超硬合金またはチタ
ン合金(Ti−6Al−4V)からなる先端が半径0.
5μmの鋭い刃先からなる紙裁断用刃物部材表面に硬質
炭素膜の成膜を行い、膜厚1μmの硬質炭素膜(うち、
中間層0.5μm)を形成した。
【0025】成膜時の原料ガス流量及び圧力変化を成膜
時間の経過と共に表1に示す。
時間の経過と共に表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】得られた膜をX線回折により分析した結
果、いずれの膜もダイヤモンドと炭化ケイ素の存在が確
認され、部材としてチタン合金を用いた試料No.2で
は、中間層にTiCの生成も確認された。また、この硬
質炭素膜をラマン分光法によりスペクトル測定を行った
ところ、いずれの膜も1337cm-1と1154cm-1
にピークが確認された。 (試料No.1、2)。なお、成
膜後の刃先を研磨加工したところ、良好な刃先形状を形
成することができた。
果、いずれの膜もダイヤモンドと炭化ケイ素の存在が確
認され、部材としてチタン合金を用いた試料No.2で
は、中間層にTiCの生成も確認された。また、この硬
質炭素膜をラマン分光法によりスペクトル測定を行った
ところ、いずれの膜も1337cm-1と1154cm-1
にピークが確認された。 (試料No.1、2)。なお、成
膜後の刃先を研磨加工したところ、良好な刃先形状を形
成することができた。
【0028】これらの紙裁断用刃物に対して、厚み0.
5mmの紙を裁断する実験を最高100万回繰り返し行
った。裁断回数と刃先の最大摩耗量を表2に示す。
5mmの紙を裁断する実験を最高100万回繰り返し行
った。裁断回数と刃先の最大摩耗量を表2に示す。
【0029】実施例2(試料No.3,4、6、7) 実施例1における成膜条件において、硬質炭素膜形成時
の原料ガス濃度と圧力を0.01〜0.10の範囲で変
化させる以外は全く同様にして成膜を行い、H1 /H2
ピーク比の異なる硬質炭素膜をそれぞれ被覆しその表面
を研磨した。このうち、試料No.3は、刃先の研磨加工
が困難であり、試料No.1、2に比較して10倍の時間
を要した。そして、実施例1と同様な方法で紙裁断試験
を行った。結果は表2に示した。
の原料ガス濃度と圧力を0.01〜0.10の範囲で変
化させる以外は全く同様にして成膜を行い、H1 /H2
ピーク比の異なる硬質炭素膜をそれぞれ被覆しその表面
を研磨した。このうち、試料No.3は、刃先の研磨加工
が困難であり、試料No.1、2に比較して10倍の時間
を要した。そして、実施例1と同様な方法で紙裁断試験
を行った。結果は表2に示した。
【0030】実施例3(試料No.5) 実施例1における成膜条件において、SiCのみからな
る中間層(0.5μm厚み)を形成しさらに硬質炭素膜
(0.5μm)を形成し、実施例1と同様に評価を行っ
た。結果は表2に示した。
る中間層(0.5μm厚み)を形成しさらに硬質炭素膜
(0.5μm)を形成し、実施例1と同様に評価を行っ
た。結果は表2に示した。
【0031】比較例1(試料No.8,9) 硬質炭素膜の形成を従来からの一般的手法であるマイク
ロ波CVD法により0.5μmの中間層と0.5μmの
硬質炭素膜を形成した。得られた硬質炭素膜についてラ
マン分光分析を行うとともに実施例1と同様にして紙裁
断試験を行った。なお、刃先表面の研磨を行ったとこ
ろ、ダイヤモンド結晶粒が大きいことにより所望の先端
R形状が得られなかった。結果は表2に示した。
ロ波CVD法により0.5μmの中間層と0.5μmの
硬質炭素膜を形成した。得られた硬質炭素膜についてラ
マン分光分析を行うとともに実施例1と同様にして紙裁
断試験を行った。なお、刃先表面の研磨を行ったとこ
ろ、ダイヤモンド結晶粒が大きいことにより所望の先端
R形状が得られなかった。結果は表2に示した。
【0032】比較例2(試料No.10) 従来材種の一つであるステンレス鋼からなる切断刃を用
いて、同様に紙の裁断試験を行った。結果は表2に示し
た。
いて、同様に紙の裁断試験を行った。結果は表2に示し
た。
【0033】
【表2】
【0034】なお、表2中、試料No.1(本発明品)お
よび試料No.8(比較品)のラマン分光分析チャート図
を図1および図2にそれぞれ示した。
よび試料No.8(比較品)のラマン分光分析チャート図
を図1および図2にそれぞれ示した。
【0035】表2の結果によれば、従来のステンレス鋼
では、10万回裁断で裁断不良が頻発し刃先の摩耗が5
μmと大きく、また、硬質炭素膜を被覆した試料でも、
1340±40cm-1にピークがあるものの1160±
40cm-1にピークが認められない試料No.8、9では
いずれも初期の段階で裁断不良が生じ所望のR形状が得
られないことが原因と思われる。
では、10万回裁断で裁断不良が頻発し刃先の摩耗が5
μmと大きく、また、硬質炭素膜を被覆した試料でも、
1340±40cm-1にピークがあるものの1160±
40cm-1にピークが認められない試料No.8、9では
いずれも初期の段階で裁断不良が生じ所望のR形状が得
られないことが原因と思われる。
【0036】これに対して、ラマン分光分析において
は、1340±40cm-1と1160±40cm-1にピ
ークが存在する試料No.1〜7ではいずれも100万回
までの良好な裁断が可能であったが、H1 /H2 ピーク
比が0.05〜2の範囲から逸脱する試料No.7では摩
耗が大きくなる傾向にあった。また、中間層がSiCの
みからなる試料No.5では、硬質炭素膜と部材との間に
クラックの発生が認められたが、中間層をダイヤモンド
と炭化ケイ素により構成した試料No.1、3、6、7で
は、試験後も何らクラックの発生や膜剥離等は認められ
なかった。
は、1340±40cm-1と1160±40cm-1にピ
ークが存在する試料No.1〜7ではいずれも100万回
までの良好な裁断が可能であったが、H1 /H2 ピーク
比が0.05〜2の範囲から逸脱する試料No.7では摩
耗が大きくなる傾向にあった。また、中間層がSiCの
みからなる試料No.5では、硬質炭素膜と部材との間に
クラックの発生が認められたが、中間層をダイヤモンド
と炭化ケイ素により構成した試料No.1、3、6、7で
は、試験後も何らクラックの発生や膜剥離等は認められ
なかった。
【0037】実施例4 実施例1、2、比較例1、2と全く同様な方法で、窒化
ケイ素室焼結体、チタン合金(Ti−6Al−4V)を
母材材種とした紙成形用金型表面に種々の硬質炭素膜を
被覆した。なお、膜厚が5μm(中間層1μm)とし
た。また、従来材種として超硬合金製の金型も準備し
た。
ケイ素室焼結体、チタン合金(Ti−6Al−4V)を
母材材種とした紙成形用金型表面に種々の硬質炭素膜を
被覆した。なお、膜厚が5μm(中間層1μm)とし
た。また、従来材種として超硬合金製の金型も準備し
た。
【0038】これらの金型に対して、表面にPET(ポ
リエチレンテレフタレート)樹脂が形成された紙を成形
する実験を最高100万回繰り返した。なお樹脂形成面
が金型と接触するようにして成形を行った。試験中、摺
動面にPET樹脂の凝着が確認された時点で試験は中止
した。結果を表3に示す。
リエチレンテレフタレート)樹脂が形成された紙を成形
する実験を最高100万回繰り返した。なお樹脂形成面
が金型と接触するようにして成形を行った。試験中、摺
動面にPET樹脂の凝着が確認された時点で試験は中止
した。結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3の結果によれば、従来の超硬合金No.
20では、500回程で凝着が認められた。また、硬質
炭素膜を被覆した試料でも、1340±40cm-1にピ
ークがあるものの1160±40cm-1にピークが認め
られない試料No.18、19ではいずれも樹脂の凝着が
認められた。
20では、500回程で凝着が認められた。また、硬質
炭素膜を被覆した試料でも、1340±40cm-1にピ
ークがあるものの1160±40cm-1にピークが認め
られない試料No.18、19ではいずれも樹脂の凝着が
認められた。
【0041】これに対して、ラマン分光分析において
は、1340±40cm-1と1160±40cm-1にピ
ークが存在する試料No.11、12、14〜17ではい
ずれも100万回までの良好な成形が可能であったが、
H1 /H2 ピーク比が0.05より低い試料No.13で
は、50万回の成形でPET樹脂の凝着が生じた。
は、1340±40cm-1と1160±40cm-1にピ
ークが存在する試料No.11、12、14〜17ではい
ずれも100万回までの良好な成形が可能であったが、
H1 /H2 ピーク比が0.05より低い試料No.13で
は、50万回の成形でPET樹脂の凝着が生じた。
【0042】また上記ピーク比が2より大きい試料No.
17では100万回成形後に炭素膜に局所摩耗が認めら
れた。また、H1 /H2 ピーク比が0.05〜2の範囲
の試料は、100万回成形後においても摩耗がほとんど
なく、しかも樹脂による凝着も認められなかった。ま
た、中間層がSiCのみからなる試料No.15では、硬
質炭素膜と部材との間にクラックの発生が認められた
が、中間層をダイヤモンドと炭化ケイ素により構成した
試料では、試験後も何らクラックの発生や膜剥離等は認
められなかった。
17では100万回成形後に炭素膜に局所摩耗が認めら
れた。また、H1 /H2 ピーク比が0.05〜2の範囲
の試料は、100万回成形後においても摩耗がほとんど
なく、しかも樹脂による凝着も認められなかった。ま
た、中間層がSiCのみからなる試料No.15では、硬
質炭素膜と部材との間にクラックの発生が認められた
が、中間層をダイヤモンドと炭化ケイ素により構成した
試料では、試験後も何らクラックの発生や膜剥離等は認
められなかった。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の紙加工用部
材は、その表面を特定の硬質炭素膜で被覆することによ
り、紙との接触による摩耗を抑制するとともに、有機質
膜が形成された紙を加工する場合においても有機質膜の
凝着を防止でき、紙裁断用、孔明け用部材、紙折り曲げ
時の成形用部材などの長寿命化を図ることができる。
材は、その表面を特定の硬質炭素膜で被覆することによ
り、紙との接触による摩耗を抑制するとともに、有機質
膜が形成された紙を加工する場合においても有機質膜の
凝着を防止でき、紙裁断用、孔明け用部材、紙折り曲げ
時の成形用部材などの長寿命化を図ることができる。
【図1】本発明における硬質炭素膜のラマン分光分析チ
ャート図である。
ャート図である。
【図2】従来の硬質炭素膜のラマン分光分析チャート図
である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】紙または表面に有機質膜が被覆された紙を
加工するための部材であって、該部材表面をラマン分光
スペクトルにおいて1340±40cm-1と1160±
40cm-1にピークが存在する硬質炭素膜で被覆したこ
とを特徴とする紙加工用部材。 - 【請求項2】前記硬質炭素膜のラマン分光分析チャート
において、1160±40cm-1に存在するピークのう
ち最も強度の高いピーク強度をH1 、1340±40c
m-1に存在するピークのうち最も強度の高いピーク強度
をH2 とした時、H1 /H2 で表されるピーク強度比が
0.05乃至2であることを特徴とする紙加工用部材。 - 【請求項3】前記硬質炭素膜と前記部材表面との間に、
少なくともダイヤモンドと金属炭化物を含有する中間層
が存在することを特徴とする請求項1記載の紙加工用部
材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10714396A JPH09291352A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 紙加工用部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10714396A JPH09291352A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 紙加工用部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09291352A true JPH09291352A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=14451612
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10714396A Pending JPH09291352A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 紙加工用部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09291352A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999054520A1 (en) * | 1998-04-22 | 1999-10-28 | Valmet Corporation | Parts of a paper/board or finishing machine that are subjected to intensive wear and method for manufacture of such parts |
-
1996
- 1996-04-26 JP JP10714396A patent/JPH09291352A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1999054520A1 (en) * | 1998-04-22 | 1999-10-28 | Valmet Corporation | Parts of a paper/board or finishing machine that are subjected to intensive wear and method for manufacture of such parts |
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