JPH09291490A - パルプ、紙及び塗被紙 - Google Patents
パルプ、紙及び塗被紙Info
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- JPH09291490A JPH09291490A JP4362297A JP4362297A JPH09291490A JP H09291490 A JPH09291490 A JP H09291490A JP 4362297 A JP4362297 A JP 4362297A JP 4362297 A JP4362297 A JP 4362297A JP H09291490 A JPH09291490 A JP H09291490A
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Abstract
光沢、耐ブリスター性に優れた印刷用塗被紙の提供。 【解決手段】 紙力増強剤としてセルロース誘導体のC
MC及び/又はCECの塩を、パルプ繊維スラリーに添
加し、次いで鉱酸を添加してパルプ繊維スラリーのpH
を2〜6に調整し、CMC及び/又はCECを酸型に転
換して繊維表面に吸着させた後、抄紙し、乾燥する。C
MC及び/又はCECの塩の添加率が絶乾パルプ繊維重
量に対して0.01〜5.0重量%である。前記パルプ
繊維スラリーのpHを2〜6に調整後、pH5〜9の範
囲において抄紙薬品及び必要に応じて填料を添加し、抄
紙する。置換度が0.3〜0.6のCMC及び/又はC
ECの塩の場合、パルプ繊維スラリーのpHを3.5〜
5.5の範囲に調整する。
Description
歩留りを改善し、紙の強度を顕著に増加させた紙及び該
紙の高速製造方法に関する。また、本発明は光沢に優れ
た印刷用塗被紙及び該塗被紙の高速製造方法に関する。
さらに耐ブリスター性に優れた印刷用塗被紙及び該塗被
紙の高速製造方法に関する。
ンプン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアミド
ーエピクロルヒドリン樹脂、メラミンーホルムアルデヒ
ド樹脂、尿素ーホルムアルデヒド樹脂等が製紙用紙力増
強剤としてパルプ繊維に添加され、紙料として用いられ
ている。しかしながら、これらは、紙力増強効果が低か
ったり、高価であったり、或いは抄造条件によっては歩
留まりが悪く十分な強度の発現効果を紙に付与しない等
種々の欠点があり、紙力を増加させる点で十分に満足し
得るものではない。
5巻245〜249頁及び同46巻986〜996頁に
は、アニオン性ポリアクリルアミドとマンニッヒ変性或
いはホフマン変性したカチオン性ポリアクリルアミドを
併用する方法、或いはこれらを混合して添加する方法が
開示されている。しかしながら、これらの併用処方或い
は混合処方を、アニオン性ポリアクリルアミド或いはカ
チオン性ポリアクリルアミドをそれぞれ単独で添加する
方法と比較してみると、強度の増強効果は若干高いもの
の満足し得る水準には到達しておらず、その効果は硫酸
バンドの添加量の多寡に大きく左右され、又その他に添
加併用される薬品助剤によっても、効果の発現が一定し
ない等の問題点がある。
という)やカルボキシエチルセルロース(以下CECと
いう)のセルロース誘導体にも紙の強度を増強する作用
があることは古くから知られているが、パルプ繊維を含
む紙料に添加して用いる種類の紙力増強剤としては、得
られる強度の増強効果が小さく、又硫酸バンドを添加併
用しなければ紙に留まらず、効果を発現しない等の問題
点があり、紙料に添加して用いる製紙用紙力増強剤とし
ては、現在ほとんど使用されていないのが実状である。
に撥水性、耐水性、サイズ度等の性能を付与する目的
で、ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルケニ
ルコハク酸塩、アルキルケテンダイマー、アルケニル無
水コハク酸等の製紙用サイズ剤等をパルプ繊維スラリー
に添加し、紙料として用いている。これらサイズ剤に関
する大きな問題点の一つとして、サイズ剤の歩留まり不
良がある。サイズ剤の紙料への定着の機構は、サイズ剤
の種類によって異なるが、特に、中性抄紙で用いられる
アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸等
は、歩留まりが悪く、不安定であるため、得られる紙の
サイズ度が低いとか、一定しない等の問題点を有し、こ
のためサイズ剤の歩留まりや紙の強度を向上させる目的
で、カチオン変性デンプン、ポリアミド・エピクロルヒ
ドリン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリルア
ミド樹脂、ポリアミド樹脂等のように種々のカチオン性
の薬品が添加される。しかしながら、それでも得られる
効果が十分でなかったり、薬品が高価であったり、又、
他に添加される薬品や填料によっても効果が落ちると
か、品質が安定しない等の問題点を有する。
上させる目的で、炭酸カルシウム、酸化チタン、含水シ
リカ、タルク、クレー、カオリン等の公知の製紙用填料
もパルプ繊維スラリーに添加され紙料として用いられ
る。これらの填料を用いる際にも、前記サイズ剤の場合
と同様、歩留まりの悪いことが大きな問題となってい
る。填料の歩留まりが低いと、白水の汚れが発生し、ひ
いては抄紙系内の汚れが発生し、そのため抄紙機の運転
を停止して洗浄を繰り返す頻度が増加し、生産効率を著
しく損なう上、これに伴う紙の品質低下等の問題点も生
ずる。従って、填料の歩留まりを向上させるため、ポリ
アクリルアミド、ポリアミド、ポリエチレンイミン等の
填料歩留まり向上剤を添加して用いるが、これらの薬品
を使用しても填料の歩留まり向上効果が低いとか、効果
が安定しない或いは使用する薬品が高価であるといった
問題点を有する。
印刷物の重要性が再認識され、その基体となる印刷用塗
被紙の需要が増えてきている。その一方で、印刷物のビ
ジュアル化やカラー化のために印刷用塗被紙に対する品
質面、特に印刷物の見栄えに関わる光沢の要求も年々高
くなってきている。このような紙の需要増に対応するた
めには、抄紙機の高速化が必須の要件である。
抄紙機のワイヤーパートの変革が大いに寄与した。すな
わち、従来の長網抄紙機(図1)の長網の後半部の上方
にループをなすトップワイヤを配置して、その部分では
上下両面で脱水を行うツインワイヤーによる抄紙方式、
いわゆるオントップフォーマー型あるいはハイブリッド
フォーマー抄紙機(図2)が実用化された。しかしなが
ら、ハイブリッドフォーマー型抄紙機の場合であって
も、高速化に伴い、トップワイヤーより前半、いわゆる
初期脱水部分で紙料のジャンピングや乱れが発生し、紙
の地合が極めて劣ったものとなる難点があった。
ー型抄紙機(図3)である。ギャップフォーマー型抄紙
機では、トップワイヤーとボトムワイヤーで形成される
ギャップ(くさび状の開口部)にインレットよりパルプ
スラリーが供給され、当初よりパルプスラリーを2枚
(上下)のワイヤーで挟んだ状態で脱水、紙層形成が行
われる。このため、ハイブリッドフォーマー型抄紙機の
場合のように原料の乱れを誘発することなく、均一な紙
層形成ができるので、高く評価されている。
らず、抄紙機の脱水能力の強化に伴い必然的に紙料中の
微細繊維、填料等がワイヤーから抜け落ち、歩留まりが
悪化してしまう。これに伴って、紙料懸濁液に添加され
るサイズ剤等の製紙用薬品の歩留まりも低くなり、サイ
ズ性を発現しなかったり、あるいは極度のサイズむらを
生じる。従来、紙料の歩留まり向上対策としては、ポリ
アクリルアミド、ポリアミド、ポリエチレンイミンなど
の歩留まり向上剤を紙料懸濁液に添加することが一般的
であった。これら歩留まり向上剤の作用は、紙料中の微
細繊維、または填料を凝集させることによってワイヤー
からの脱離を抑制するものであり、これらの添加により
歩留まり向上効果は認められるものの、満足できる効果
ではなく、さらにかえって濾水性の悪化、地合の悪化を
引き起こすという問題点を有する。また、添加薬品も高
価である。
いはゲートロール工程で、各種澱粉、ポリビニルアルコ
ール等を塗布し、紙の表面強度、サイズ性付与を図る
が、ワイヤーパートでのサイズ性が不十分であると、塗
布薬品の塗布むらを生じ、最終的にサイズむらのある原
紙となってしまう。係る欠陥を有する原紙に塗工層を設
けると、塗工層の浸透ムラが生じ、印刷用塗被紙として
十分な印刷光沢が得られず、また、光沢ムラも生じると
いう問題点を有する。
て、原紙のサイズ度または地合といった品質が不良とな
り、印刷用塗被紙に重要な印刷光沢が達成できない、あ
るいは光沢ムラが生じるという問題点がでてくる。従来
より、印刷用塗被紙の高速抄紙化と高品質化の双方を実
現することが求められていたが、印刷用塗被紙の抄造に
おいては、この二つの要求を両立することは困難である
とされてきた。
のような抄紙機で原紙を製造した場合には、原紙中の微
細繊維が表層に偏在し、原紙の層間強度が弱くなるとい
う問題点も生じる。これを基紙として印刷用塗被紙を製
造した場合には、オフセット印刷等の乾燥工程におい
て、いわゆる「ブリスター」と呼ばれる、塗工層が膨れ
上がる印刷不良を起こしやすくなり、重大な欠陥製品と
なる場合がある。このブリスターは、高温での乾燥工程
で、紙中の水分が気化して紙層外に逃げる際に、紙が層
間で破壊される現象であり、原紙の透気性と層間強度が
重要な要因となる。一般に、この種の問題を解決するた
めに、原紙の調成工程において、カチオン化澱粉、ある
いはポリアクリルアミド等の紙力増強剤を添加、あるい
は増添して原紙の層間強度を改善する方法が用いられ
る。しかしながら、このような紙力増強剤の添加量を多
くして原紙を抄造した場合、原紙の層間強度は向上する
ものの、透気性が低下するために、場合によってはブリ
スターが逆に起こりやすくなる、また、原紙の地合が悪
化し、塗被紙とした場合に光沢ムラを生じる、さらに抄
造時の濾水性の低下により操業性も悪化するといった問
題点があった。また、紙力増強剤を外添した場合でも、
前記のように、原紙表層に微細繊維が局在化するために
原紙内部まで紙力増強剤が浸透せず、ブリスターの防止
の有効な手段とはならなかった。一方、パルプの叩解度
を上げてパルプの繊維間結合力を高めることによって原
紙の層間強度を向上させた場合には、耐ブリスター性は
向上するものの、原紙の寸法安定性が悪化し、また、パ
ルプの濾水性の低下により操業性も悪化するという問題
点があった。
リグノセルロースを加工して得られる繊維に作用してそ
れらを改質する技術が多数提案されている。例えば、特
公平2−20756号公報、特開平1−92490号公
報、特公平3−4672号公報、特開平6−16697
8号公報、特開平6−316899号公報、特開平7−
279078号公報、特開平7−331588号公報等
に開示されているような、叩解性の改良やパルプ繊維の
改質を目的として、叩解前のパルプ繊維にセルラーゼを
添加する方法、特開平2−6681号公報、特開平2−
229291号公報、特開平3−124891号公報等
に開示されているようなワイヤー上での濾水性を改善す
るため、叩解して薬品を添加後の紙料にセルラーゼやヘ
ミセルラーゼ等の酵素を添加する方法がある。また、特
開平2−264087号公報、特開平2−293486
号公報、特開平6−101185号公報、特開平6−2
07390号公報等に開示されているように、漂白前に
パルプ繊維をセルラーゼやヘミセルラーゼ等の酵素で処
理することにより、漂白性を改善する方法も知られてい
る。特開平8−49187号公報には、パルプを酵素処
理することにより、オフセット印刷用塗工紙の耐ブリス
ター性と折り割れ性が改善されることが開示されてい
る。
被紙を高速で製造する方法について、パルプの酵素処理
を種々検討したところ、キシラン分解活性を有する酵素
でパルプを処理することにより、原紙の寸法安定性が向
上することを見いだした。さらに、多段漂白前のパルプ
をろ紙分解活性を有さずキシラン分解活性を有する酵素
で処理し、次いで多段漂白すれば、目的の白色度まで漂
白するのに要する漂白薬品を低減できるので、漂白工程
でのパルプ繊維の損傷を最小限に抑制することができ、
その結果、原紙の寸法安定性が向上することを見いだし
た。そしてこのような酵素で処理したパルプを原料とし
て用いた原紙は透気性が向上し、耐ブリスター性に有効
である反面、層間強度が若干劣るため、最終的に耐ブリ
スター性が十分に改善されない場合もあった。
技術の欠点を克服し、優れた紙力増強効果が得られ、し
かもサイズ性、耐水性、填料の歩留り等を改善しうるパ
ルプを安価に提供することにある。また本発明は、該パ
ルプを使用して、サイズ性、耐水性、填料の歩留まりを
改善した紙及び該紙の高速製造方法を提供する。さらに
該紙に塗被層を設けることにより、表面光沢、印刷光沢
に優れ、且つ光沢ムラのない印刷用塗被紙を提供する。
さらには耐ブリスター性に優れた印刷用塗被紙を提供す
る。
景に鑑み、安価にして且つ簡便に使用でき、優れた紙力
増強効果が得られ、しかもサイズ性、耐水性、填料の歩
留り等を改善して紙の品質を向上させる方法を見い出す
べく鋭意検討を重ねた。この中で、特にCMCやCEC
といったセルロース誘導体の性質、すなわちpHが中性
からアルカリ性の間では水溶性であるが、構造中のカル
ボキシル基の解離状態によって溶解性が変化し、弱酸性
から強酸性領域にかけてゲル化或いは沈殿を生じること
に着眼した。そしてそのようなセルロース誘導体の水溶
液をパルプ繊維スラリーに添加し、酸を添加してスラリ
ーのpHを酸性にすることでセルロース誘導体の一部或
いは全部を酸型に戻したものは、極めて密にパルプ繊維
表面に固着すること、そしてそのような紙料を用いて湿
式抄紙機で抄紙して得られる紙は強度が顕著に改善され
るばかりでなく、抄紙に際しその他の併用される抄紙薬
品の歩留まりを顕著に高める効果があることを見出し本
発明を完成するに至った。
度、或いは溶液の濃度によっても異なるが、溶液のpH
が5付近でゲル化し、更にpHが低くなると、沈殿を生
ずることは、「セロゲン物語」208頁(第一工業製薬
株式会社編)に記載されている通りで、広く認識されて
いる事実である。本発明者等は、このようなセルロース
誘導体、なかでもCMCとCECの塩の性質を熟知し、
更にパルプ繊維スラリー中での挙動を詳細に検討した結
果、パルプ繊維とCMC及び/又はCECの塩を存在さ
せた状態で前記スラリーのpHを、鉱酸により弱酸性〜
強酸性の領域に調整すると、意外なことにCMCやCE
Cのセルロース誘導体は、ゲル化も沈殿もすることな
く、スラリー中のパルプ繊維の表面に均一に吸着するこ
とを見出したのである。
ロース誘導体は通常置換度が0.7〜1.2の範囲のも
のが市販されているが、これらはpH2〜3の範囲のよ
うに強酸性領域においては十分にパルプ繊維に吸着する
が、弱酸性領域においてはパルプ繊維に吸着され難い傾
向があった。しかしながら、このような強酸性領域にお
けるパルプ繊維の取扱い或いは処理は実際の使用に際し
て非常に不便であり、本発明者等はこの問題点を解決す
べく更に鋭意検討を重ねた。その結果、置換度が0.3
〜0.6の範囲の低置換度のCMC及び/又はCECの
塩は、pHが3.5〜5.5のような弱酸性領域で、パ
ルプ繊維によく吸着して極めて優れた紙の強度の向上と
抄紙薬品や填料の歩留まり向上をもたらすことを見出し
た。しかも、このような低置換度のCMC及び/又はC
ECの塩は、従来から用いられているカチオン性の薬品
或いは樹脂からなる紙力増強剤或いは紙の湿潤強度増強
剤と併用すると、驚くほど紙の強度が向上することも見
出し、こうして本発明を完成した。
繊維の強度と繊維間の結合強度によって構成されること
は、紙の製造、研究に携わるものならば誰もが認識して
おり、更に、パルプ繊維の場合では、この繊維間結合は
セルロース分子間に生じる水素結合が主因子であること
も周知のことであり、この繊維間結合を強めたり、繊維
間結合面積を増大させることが、紙の強度を向上させる
要因となり、従来の紙力増強剤は、すべてパルプ繊維と
紙力増強剤との間で、水素結合を生じさせることによっ
て、紙力増強効果を発現するものである。
検討を重ねた結果、前記したようにパルプ繊維の存在す
るスラリーにCMC及び/又はCECの塩を添加し、p
Hを強酸性〜弱酸性の領域、とりわけ0.3〜0.6の
低置換度のものは、弱酸性の領域に調整して酸型に転換
し、パルプ繊維表面に吸着させた後、必要に応じてpH
を弱酸性、中性、又はアルカリ性に再調整して、抄紙薬
品を添加し、必要ならば填料及び/又はカチオン性の薬
品或いは樹脂の紙力増強剤や湿潤強度増強剤を併用し
て、硫酸バンド、ロジンサイズ剤を用いる酸性抄紙法、
中性サイズ剤と定着剤による中性抄紙法或いはアルカリ
抄紙法等により湿式抄紙機で紙を製造すると、かかる処
理を施した紙は、前記した従来の紙力増強剤や湿潤強度
増強剤を単独で用いて得られる紙よりはるかに優れた強
度の向上効果と顕著な填料や抄紙薬品の歩留まりの向上
効果が得られることが判明したのである。
プフォーマー型抄紙機のような高速で脱水能力が強化さ
れ、紙料の歩留まりが悪い抄紙機でも、紙に効果的にサ
イズ度を付与できることを見いだした。さらに該紙に塗
被層を設けると、均一な塗被層が得られ、光沢に優れた
塗被紙が得られることが判明した。
処理による寸法安定性の向上効果を減殺することなく、
また、原紙の透気性及び地合の悪化、その他操業条件の
悪化を伴うことなく、層間強度が顕著に向上することを
見いだした。そして該原紙に塗被層を設けた塗被紙は、
耐ブリスター性が顕著に向上することが判明した。
るスラリーに、CMC及び/又はCECを添加し、次い
で鉱酸を添加してパルプ繊維スラリーのpHを2〜6の
範囲に調整し、CMC及び/又はCECを酸型に転換し
て吸着させたことを特徴とするパルプである。本発明の
第二は、CMC又はCECの置換度が0.3〜0.6で
あり、かつ鉱酸添加後のpHが3.5〜5.5の範囲で
あることを特徴とする本発明第一記載のパルプである。
本発明の第三は、前記鉱酸添加後のパルプ繊維スラリー
のpHをさらにpH5〜9に調整することを特徴とする
本発明第一及び本発明第二記載のパルプである。本発明
の第四は、CMC及び/又はCECの添加率が、絶乾パ
ルプ繊維重量に対して0.01〜5.0重量%であるこ
とを特徴とする、本発明第一、本発明第二及び本発明第
三記載のパルプである。本発明の第五は、本発明第一記
載のパルプ繊維が、キシラン分解活性を有する酵素で処
理され、次いで多段漂白されたパルプを含有することを
特徴とする本発明第一、本発明第二、本発明第三及び本
発明第四記載のパルプである。本発明の第六は、本発明
第一、本発明第二、本発明第三、本発明第四及び本発明
第五記載のパルプを含有することを特徴とする紙であ
る。本発明の第七は、本発明第一から第六までに記載し
たパルプ、紙力増強剤を含む抄紙薬品及び必要に応じて
填料からなるパルプ繊維スラリーを用いて湿式抄紙機で
抄紙する紙の製造方法である。本発明第八は、本発明第
七記載の湿式抄紙機がギャップフォーマー型抄紙機で抄
紙したことを特徴とする本発明第七記載の紙の製造方法
である。本発明第九は、本発明第七記載の紙の片面又は
両面に塗被層を設けたことを特徴とする塗被紙である。
塩としては、木材パルプ、コットンパルプ、リンターパ
ルプ等を原料とし、モノクロル酢酸、クロロプロピオン
酸等を反応させて合成されたセルロース誘導体であり、
工業的には、水媒法、溶媒法等の公知の製造方法で得ら
れるものがそのまま用いられる。
CECの塩の置換度(エーテル化度)は、0.3〜1.
2の範囲のものである。しかしながら、置換度が0.7
〜1.2の範囲の高置換度の塩はpHを2〜3.5未満
の強酸性の領域であれば十分パルプ繊維に吸着させるこ
とができるが、pH3.5以上の弱酸性の領域において
は部分的な吸着しか生じないので、得られる効果がやや
不満足となる上、前記したように強酸性領域におけるパ
ルプ繊維の取扱いや処理は、製紙工業ではそのような工
程は未晒パルプの漂白工程(例えば、塩素化段)におい
て見られるが、実際の使用に際して不便であることは否
めない。そこで、本発明者等は、この問題を解決するた
めに種々検討した結果、置換度が0.3〜0.6の範囲
の比較的低置換度のCMC及び/又はCECの塩は、パ
ルプ繊維の存在下に鉱酸を用いてpHを3.5〜5.
5、好ましくは4〜5の範囲の弱酸性の領域に調整する
と、この領域においてもパルプ繊維に十分に吸着し、そ
の結果極めて優れた紙の強度向上と抄紙薬品や填料の歩
留まり向上効果が得られることを知得したのである。こ
れに対して、置換度が0.3未満のものは水に不溶であ
り、置換度が1.2を超えるものはCMC化又はCEC
化の際に通常の1回の反応では得られ難く、同じ反応を
繰り返し行って初めて得られるので製造コストが極めて
高くなるので好ましくないが、本発明の方法により使用
できないことはない。
は、使用するパルプ繊維の性状や前記したようにCMC
やCECの製造方法により様々な重合度のものが製造可
能であるが、1%の水溶液の粘度が5〜16、000c
ps(0.1NーNaCl溶媒、25℃、B型粘度
計)、平均重合度が100〜4、500、平均分子量が
2万〜100万の範囲のものでる。本発明に用いられる
CMCとCECは、市販品はその殆どがカルボン酸ナト
リウム塩或いはカリウム塩であり、正確に記せばCMC
の塩はカルボキシメチルセルロースナトリウム或いはカ
ルボキシメチルセルロースカリウムであるが、慣用上、
ナトリウムやカリウムの記載は省略し、単にCMC及び
CECの塩、さらには単にCMC及びCECとして表示
する。
塩、カリウム塩或いはアンモニウム塩が用いられるが、
価格が安価で容易に入手できること及び得られる効果が
高いことから、CMCのナトリウム塩が好ましい。又、
CMCやCECの塩をパルプスラリーへ添加する際の前
記塩の溶液の濃度は、濃度が高すぎると粘性が高く、使
用が困難になるため、0.01〜5.0重量%、好まし
くは0.1〜3.0重量%の範囲である。
水であり、本発明においても、CMC或いはCECの塩
の水溶液、或いはCMCとCECの塩の混合水溶液とし
て使用するが、CMCやCECの塩が安定して溶解する
範囲で、必要に応じて水と相溶性のある溶媒、例えばメ
タノール、エタノール等を任意の割合で混合してもよい
し、更にCMCやCECの塩が安定して溶解する範囲
で、必要に応じて他の物質を混合してもよい。又、CM
CとCECの塩を混合して使用する際のそれぞれの割合
は、特に限定されず、任意の割合で混合できる。
の使用量は、それらの塩の置換度、紙の種類、用途、要
求される性能等に応じて変えられるが、パルプ繊維の乾
燥重量に対して0.01〜5.0重量%、好ましくは
0.05〜3.0重量%、更に好ましくは0.05〜
1.0重量%である。これらの塩の使用量は多ければ多
いほど効果は顕著になるが、使用量が多いと紙に剛度が
付与され、しかも高価であるため紙の用途や経済的な理
由によりその上限が適宜選択され、決められる。
でパルプ繊維スラリーに添加する際のパルプ繊維スラリ
ーの濃度は、濃度が高すぎると攪拌が困難で、混合が不
十分となり、逆に濃度が低すぎると、pHを調整するた
めの酸を大量に必要とし不経済であるので、固形分で1
〜5重量%、好ましくは2〜4重量%である。本発明で
は、前記濃度のパルプ繊維スラリーにCMCの塩及び/
又はCECの塩の水溶液を添加し、十分撹拌して混合
し、次いで鉱酸を添加し、スラリーのpHを2〜6、好
ましくは3.5〜5.5の範囲に調整する。とりわけ、
CMC及びCECの置換度が0.3〜0.6の範囲の場
合は、前記スラリーのpHは3.5〜5.5、好ましく
は4〜5の範囲に調整する。この場合に、公知のカチオ
ン変性デンプン、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹
脂、ポリエチレンイミン樹脂、ポリアクリルアミド樹
脂、ポリアミド樹脂等のようにカチオン性の薬品或いは
カチオン性樹脂の紙力増強剤や湿潤強度増強剤が前記C
MCの塩及び/又はCECの塩と併用すると、極めて少
ない添加量で優れた乾燥強度或いは湿潤強度の向上効果
と抄紙薬品や填料の歩留まり向上効果が得られる。この
場合の添加量はCMCの塩及び/又はCECの塩がパル
プ繊維の絶乾重量当り0.05〜0.5重量%、好まし
くは0.07〜0.3重量%の範囲であり、前記カチオ
ン性薬品或いは樹脂がパルプ繊維の絶乾重量当り0.0
5〜0.5重量%、好ましくは0.07〜0.3重量%
の範囲から選ばれる。
は特に限定されず、硫酸、塩酸、硝酸等を挙げることが
でき、これらの中から適宜選択して用いられる。前記の
範囲にpH調整した後のCMC及びCECは、酸型とな
っており、パルプ繊維表面に或いはパルプ繊維間に極め
て容易に吸着され、その後更にpH調整せずに、或いは
アルカリを添加してpHを調整し、抄紙薬品、必要に応
じて填料、顔料等の添加物を添加し、紙料として湿式抄
紙機に送り、紙とする。前記パルプ繊維スラリーのpH
調整において、pHが6を超える場合、CMCの塩及び
CECの塩の酸型への転換が不十分もしくは不可能とな
り、CMC及びCECのパルプ繊維表面への吸着が殆ど
生じないので、その結果得られる紙の強度の発現効果が
不十分もしくは得られない。又、pHが2未満では、C
MCの塩及びCECの塩の酸型への転換はpHが2に至
るところで十分完了しているため、2を超えて低下させ
る意義がなく、その上パルプ繊維スラリーを取り扱う装
置の腐食が問題となるため、特殊な耐酸性の材料を使用
せざるを得なくなり、不経済となる。
るパルプ繊維スラリーのpHを前記範囲内に調整する
と、CMCの塩及びCECの塩の酸型への解離は瞬時に
して完了するので、パルプスラリーとCMCの塩及び/
又はCECさらに鉱酸が十分均一に攪拌される条件下で
は、pHを調整した後の保持時間は0.1秒〜10分間
の範囲のように極めて短時間で十分である。実操業条件
を考慮すれば抄紙機のミキシングポンプのサクション口
で前記パルプスラリーへ鉱酸を添加してpHを2〜6の
範囲に調整してもよく、更に紙料の移送中、或いは貯蔵
中に調整を行っても良い。
Hが5未満のパルプスラリーに添加すると都合が悪いも
のがある。係る場合には、苛性ソーダのようなアルカリ
を添加してpHを6〜9の範囲、好ましくは6〜8に適
宜再調整した後抄紙薬品、必要に応じて填料、顔料及び
その他の添加物を添加するのが好ましい。pHが5〜6
の範囲であれば、再調整せずに実施することも可能であ
る。具体的には、主に酸性抄紙で使用されるロジンサイ
ズ剤は、pHが4以下では凝集沈殿を起こす虞れがあ
り、また、中性抄紙での填料として汎用される炭酸カル
シウムは、酸性下では炭酸ガスとカルシウムイオンに分
解してしまう。したがって、このような薬品、或いは填
料を使用する場合には、必要に応じてパルプスラリーの
pHを調整しなければならない。
中性抄紙或いはアルカリ性抄紙する場合、pHを6.5
〜9とするのが好ましいが、9を超えたアルカリ性下に
パルプ繊維スラリーを長時間保持すると、せっかくパル
プ繊維表面に吸着させたCMCやCECの一部或いは大
部分が脱離する虞れがあるため、その場合はpH9以下
とするか、pHが9を超えたパルプ繊維スラリーは紙料
として迅速に抄紙機へ乗せ抄紙するのが望ましい。
範囲に調整する処理は、晒或いは未晒パルプの貯蔵工程
から抄紙工程の間の工程で既存のチェスト、タンク等の
容器及び撹拌設備、回流ポンプ、移送ポンプ等による撹
拌を利用して行うこともできるが、更に前記の処理を行
うための専用の工程を別に設けても良い。前記パルプ繊
維スラリーのpHを2〜6の範囲内に調整すると、前記
したようにCMCの塩及び/又はCECの塩はそれぞれ
一部或いは全部が酸型に転換され、パルプ繊維表面に極
めて容易に吸着され、それによって抄紙後の紙の強度が
顕著に向上するのである。即ち、前記のpHが調整され
た紙料を、pHが5〜6のものはそのままで或いは5未
満の場合は、アルカリを添加して再度前記のpHを6を
超える範囲に調整して填料及び/又は抄紙薬品を添加し
た後紙料として用いて、公知の湿式抄紙機により抄紙
し、乾燥することにより強度向上の発現と抄紙薬品や填
料の歩留まりを顕著に改善しながら紙を製造することが
できる。
限定されず、通常用いられている公知の製紙用パルプに
適用でき、サルファイトパルプ、クラフトパルプ、ソー
ダパルプ等のケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、メ
カニカルパルプ等の木材パルプ、或いはこうぞ、みつま
た、麻のパルプの非木材パルプいずれでもよく、未晒パ
ルプでも晒パルプでもよい。ただし印刷用塗被紙用原紙
においては、良好な地合が求められるため、繊維長の短
い広葉樹材が好適に用いられる。
たパルプを用いる場合には、公知の蒸解法により得られ
た未晒しパルプを、洗浄、粗選および精選工程を経て、
多段漂白を行う前に酵素で処理する。しかしながら、酵
素の至適pH、至適温度を考慮した場合には、未晒しパ
ルプを酸素脱リグニンした後に酵素処理を行うのが好適
である。
処理すると、パルプの表面あるいはパルプ繊維中に遍在
するキシランが選択的に分解され、パルプはセルロース
骨格を保持したまま多孔性となるので、このようなパル
プを原紙に用いた場合には、原紙の透気性が向上するた
め、耐ブリスター性の改善が期待できる。一方、酵素処
理によりパルプの主要骨格であるセルロースは殆ど作用
を受けないので、原紙の寸法安定性は維持される。
0.1〜10U/絶乾パルプg、好ましくは0.5〜5
U/絶乾パルプgの範囲でパルプに添加する。ここに、
1Uとは、酵素をキシランに作用させた場合に、1分間
に1μモルのキシロースを生成する酵素量のことをい
う。
ないパルプを混合して用いることはもちろん可能だが、
その割合が多いほど効果は高いため、酵素処理したパル
プの含有量は60〜100重量%の範囲であることが望
ましい。
は、円網式抄紙機、短網式抄紙機、長網式抄紙機等の商
業規模の抄紙機が目的に応じて適宜選択して用いられ
る。また、高速に印刷用塗被紙の原紙を抄造する際に
は、前記したようにギャップフォーマー型抄紙機が適し
ている。
ECの塩をpHの調整により酸型に転換する前或いは後
に、とりわけパルプ繊維とCMC及び/CECからなる
スラリーのpHを2〜6の範囲にしたものは、pHが5
〜9の範囲において、製紙用サイズ剤と定着剤、製紙用
紙力増強剤、填料、顔料、歩留まり向上剤、染料、消泡
剤、防腐剤、粘度低下剤等の抄紙薬品を添加して用いら
れるが、これらの抄紙薬品は前記のpH範囲に影響され
ないことを確認して目的に応じて適宜選択して用いられ
る。
スあるいはロールコーターで澱粉、あるいはPVA等を
用いてサイズ処理することはもちろん可能であるが、製
造速度の高速化を考慮した場合には、フィルムメタリン
グタイプのサイズプレス装置を用いて糊の固形濃度を高
くしてサイズプレス処理を行う方法が好適に用いられ
る。また、ロールコーター、ブレードコーター等で予備
塗工を行うことはもちろん可能である。
成物の主成分の一つである顔料としては、例えばクレ
ー、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、
タルク、プラスチックピグメント等の通常の汎用顔料の
内の一種以上を任意に選択し配合することができる。ま
た接着剤としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合
体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体等の
共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル
および/またはメタクリル酸エステルの重合体または共
重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢
酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、ある
いはこれらの各種重合体ラテックス、カルボキシル基等
の官能基含有単量体で変性したアルカリ部分溶解性ある
いはアルカリ非溶解性の重合体ラテックスを用いること
ができる。また、合成接着剤と併用する水溶性接着剤と
しては、例えばカチオン化澱粉、酸化澱粉、熱化学変性
澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、冷水可溶澱粉
等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
メチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルア
ルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂等の水溶性
接着剤等、任意に選択し使用することができる。
化剤、流動性変性化剤、着色剤、蛍光増白剤等の各種添
加剤を必要に応じて添加することができる。塗工層の塗
工は、一般の塗被紙の製造に用いられる塗工装置、例え
ばブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコー
ター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテ
ンコーター、ダイスロッドコーター、グラビアコータ
ー、チャンプレックスコーター、サイズプレスコーター
等の塗工装置を設けたオンマシンあるいはオフマシンコ
ーターによって、基紙上に片面か両面に一層あるいは多
層に塗工される。その際の塗被組成物の固形分濃度は、
一般に45〜70重量%の範囲が好ましい。また、カレ
ンダー仕上げの方法は、グロスあるいはマットカレンダ
ーとして、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダ
ー、ソフトコンパクトカレンダー等の金属またはドラム
と弾性ロールよりなる各種カレンダーが、オンマシンま
たはオフマシンで任意に選択し使用できる。
の顕著な向上は、CMC及び/又はCECの水酸基がパ
ルプ繊維表面或いは繊維間に均一に吸着されて分布し、
シート形成時にこれらの繊維間で水素結合を形成するこ
とにより発現すると考えられる。鉱酸によるpH調整を
行わず、硫酸バンド等の定着剤でCMC及び/又はCE
Cをパルプに定着させた場合には、CMC及び/又はC
ECが硫酸バンドと反応してゲル状化してしまうため、
パルプ繊維表面の分布が均一ではなく、本発明のような
優れた紙力増強作用を発現しない。又、パルプ繊維に均
一に分布したCMC及び/又はCEC分子中のカルボキ
シル基が静電気的相互作用力(クーロン力)により填料
や顔料もしくは各種抄紙薬品を吸着し、その結果抄紙薬
品の歩留まりが向上するとともに、これらのパルプ繊維
上での分布が顕著に改善され、各々の薬品の効果が向上
するものと考えられる。
なCMC及び/又はCECの作用により、地合を損なう
ことなく優れたサイズ性が原紙に付与されることによ
り、塗被液が均一に塗布され、ムラ無く光沢に優れた印
刷用塗被紙の製造が達成される。また、層間強度が向上
することにより耐ブリスター性も向上し、さらにキシラ
ン分解活性を有する酵素で処理したパルプを用いること
により、該原紙の透気性が増し、より一層の耐ブリスタ
ー性の優れた印刷用塗被紙の製造が可能となるものと考
えられる。
に説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。尚、以下の実施例及び比較例において、%と
あるのはすべて重量%であり、パルプ繊維スラリーへの
添加剤の添加量は、絶乾紙料重量に対する重量%で示し
た。 実施例1 実験用ナイアガラビーターでろ水度を480mlCSF
(カナダ標準フリーネス)に調製した広葉樹晒クラフト
パルプ100gと水4.9リットルからなる2%濃度の
パルプ繊維スラリーに、固形分1%の溶液粘度が160
0cps、置換度が0.6のCMCのナトリウム塩(商
品名:セロゲン4H、第一工業製薬社製)を濃度が1%
の水溶液としてパルプ重量に対し0.2%添加し、スリ
ーワン・モーターにて450rpmの速度で攪拌しなが
ら、1%濃度の希硫酸を添加し、パルプ繊維スラリーの
pHを3に調整し、そのまま30秒間攪拌を続けた後、
5%濃度の希苛性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維ス
ラリーのpHを7とした。このパルプ紙料を用いてTA
PPI標準の角型シートマシンで坪量60g/m2の紙
を抄いて、室内に24時間放置し乾燥した。この手抄き
シートを20℃の温度、65%相対湿度の部屋で24時
間調湿した後、紙の引張り強度と層間強度を下記の試験
法で行い、品質の評価を行った。 試験法 (1)引張強度 TAPPI T205に準拠して測定し、裂断長(K
m)で示した。 (2)層間強度 TAPPI UM403に準拠して測定した。 (3)CMC溶液の粘度 0.1NーNaClを溶媒とし、25℃においてB型粘
度計で測定して得られた値である。
して0.5%としたこと以外は、実施例1と同様にして
手抄きシートを作製し、得られた紙を試験して品質を評
価した。
ルプ重量に対して0.2%としたこと以外は、実施例1
と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙を試験
して品質を評価した。
して0.5%としたこと以外は、実施例1と同様にして
手抄シートを作成し、得られた紙を試験して品質を評価
した。
ーのpHを5としたこと以外は、実施例1と同様にして
手抄きシートを作製、得られた紙を試験して品質を評価
した。
4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社
製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして手抄き
シートを作製し、得られた紙を試験して品質を評価し
た。
4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社
製)を用い、CMCのナトリウム塩を添加した後のパル
プ繊維スラリーのpHを5に調整したこと以外は、実施
例1と同様にして手抄シートを作製し、得られた紙を試
験して品質を評価した。
両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリス
トロン655、荒川化学工業社製)をパルプ重量に対し
0.2%添加し、十分混合した。このパルプ紙料を用い
て手抄きシートを作製し、品質を評価した。
し0.5%添加したこと以外は、比較例1と同様にして
手抄きシートを作製し、得られた紙を試験して品質を評
価した。
1%の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のC
MCのナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業
製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対
し0.2%添加し、スリーワン・モーターにて450r
pmの速度で攪拌し、希硫酸を添加してpHを調整する
ことなくパルプ紙料とし、実施例1と同様にして手抄き
シートを作製し、得られた紙を試験して評価した。
外は比較例3と同様にして手抄シートを作製し、品質を
評価した。実施例1〜7、比較例1〜6で得られた結果
を表1に示した。
の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMC
のナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業製薬
社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し
0.2%添加し、スリーワン・モーターにて450rp
mの速度で攪拌しながら、1%濃度の希硫酸を添加し、
パルプ繊維スラリーのpHを3に調整し、そのまま30
秒間攪拌を続けた後、5%濃度の希苛性ソーダ水溶液を
添加し、パルプ繊維スラリーのpHを7とした。さらに
硫酸バンドを2%添加して30秒間攪拌したものを紙料
として同様に手抄シートを作製し、得られた紙を試験し
て評価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは
4.5であった。
以外は、実施例8と同様にして紙料を調製し、手抄シー
トを作製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パ
ルプスラリーの最終的なpHは4.5であった。
4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社
製)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして紙料を
調製し、手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評
価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5
であった。
ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロ
ン655、荒川化学工業社製)をパルプ重量に対し0.
2%添加し、十分混合した後、さらに硫酸バンドを2%
添加して30秒間攪拌したものを紙料として用い、同様
に手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価し
た。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5であ
った。
の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMC
のナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業製薬
社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し
0.2%添加し、十分混合した後、さらに硫酸バンドを
2%添加して30秒間攪拌したものを紙料として用い、
同様に手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評価
した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5で
あった。
と同様にして紙料を調製し、手抄シートを作製し、得ら
れた紙を試験して評価した。なお、パルプスラリーの最
終的なpHは4.5であった。
4のCMCのナトリウム塩(PX01、第一工業製薬社
製)を用いたこと以外は、比較例6と同様にして紙料を
調製し、手抄シートを作製し、得られた紙を試験して評
価した。なお、パルプスラリーの最終的なpHは4.5
であった。
の溶液粘度が1600cps、置換度が0.6のCMC
のナトリウム塩(商品名:セロゲン4H、第一工業製薬
社製)を濃度が1%の水溶液としてパルプ重量に対し
0.2%添加し、スリーワン・モーターにて450rp
mの速度で攪拌しながら、pHが3となるまで硫酸バン
ドを添加した。このまま30秒間攪拌を続けた後、5%
濃度の希苛性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維スラリ
ーのpHを4.5に調整したものを紙料として手抄シー
トを作製し、得られた紙を試験して評価した。
リーに、製紙用薬品を一切添加せず、これをパルプ紙料
として実施例1と同様にし手抄きシートを作製し、得ら
れた紙を試験して評価した。
を2%添加しただけのものを紙料として手抄シートを作
製し、得られた紙を試験して評価した。なお、パルプス
ラリーの最終的なpHは4.5であった。実施例8〜1
0、及び比較例5〜9、及び参考例1〜2で得られた結
果を表2に示す。
(カナダ標準フリーネス)に調製した針葉樹晒クラフト
パルプ55g、同じくろ水度を480mlCSF(カナ
ダ標準フリーネス)に調製した広葉樹晒クラフトパルプ
45g及び水4.9リットルからなる2%濃度のパルプ
繊維スラリーに、固形分1%の溶液粘度が1400cp
s、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PXO
1、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパ
ルプ重量に対し0.1%添加し、スリーワン・モーター
にて450rpmの速度で攪拌しながら、1%濃度の希
硫酸を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを4に調整
し、そのまま30秒間攪拌を続けた後、5%濃度の希苛
性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを
7とした。更に、撹拌を続けたまま、このスラリーにパ
ルプ重量に対して製紙用ロジンサイズ剤(商品名:サイ
ズパインE、荒川化学工業社製)0.2%、アニオン性
ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロ
ン194ー7、荒川化学工業社製)0.1%及び硫酸バ
ンド2.0%を、前記の順番に添加し、pHを4.5と
し、更に1分間撹拌を続けた後、TAPPI標準の角型
シートマシンで坪量60g/m2の手抄きシートを作製
し、実施例1と同様にして得られた紙の引張り強度と層
間強度を試験し、更にステキヒトサイズ度を試験し、品
質を評価した。 尚、紙のステキヒトサイズ度はJIS
P 8122に準拠して測定した。
ーワン・モーターで攪拌しながらCMCのナトリウム塩
を添加することなく、パルプ重量に対して製紙用ロジン
サイズ剤(商品名:サイズパインE、荒川化学工業社
製)0.2%、アニオン性ポリアクリルアミド系の紙力
増強剤(商品名:ポリストロン194ー7、荒川化学工
業社製)0.1%及び硫酸バンド(Al2(SO4)3・
18H2O)2.0%を、この順番に添加し、1分間攪
拌を続けpHを4.5とした後、実施例1と同様にして
手抄きシートを作製し、得られた紙を試験し、品質を評
価した。
0.5%、紙力増強剤0.3%、硫酸バンド2.0%と
して、スラリーの最終pHを4.5としたこと以外は、
比較例10と同様にして手抄きシートを作製し、得られ
た紙を試験し、品質を評価した。実施例11及び比較例
10〜11で得られた結果を表3に示す。
(カナダ標準フリーネス)に調製した広葉樹晒クラフト
パルプ100gと水4.9リットルからなる2%濃度の
パルプ繊維スラリーに、固形分1%の溶液粘度が140
0cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(P
X01、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液とし
てパルプ重量に対し0.1%添加し、スリーワン・モー
ターにて450rpmの速度で攪拌しながら、1%濃度
の希硫酸を添加し、パルプ繊維スラリーのpHを4に調
整し、そのまま30秒間攪拌を続けた後、5%濃度の希
苛性ソーダ水溶液を添加し、パルプ繊維スラリーのpH
を7とした。更に、撹拌を続けながら、このスラリー
に、パルプ重量に対してカチオン化澱粉(商品名:ケー
トF、ナショナルスターチ社製)0.5%、アルキルケ
テンダイマーを成分とする中性抄紙用サイズ剤(商品
名:サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.0
5%、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂を成分とす
る紙力増強剤(商品名:WS570、日本PMC社製)
0.1%、製紙用填料として軽質炭酸カルシウム10
%、硫酸バンド0.2%及びポリアクリルアミドを成分
とする製紙用歩留り向上剤(商品名:ハイモロックNR
11L、ハイモ社製)0.01%を、この順番に添加
し、1分間撹拌を続けた後(最終pHは8.2)、実施
例1と同様にして手抄きシートを作製し、得られた紙の
引張り強度、ステキヒトサイズ度及びハンター白色度を
試験し、品質を評価した。更に、手抄きシートの灰分を
JIS P 8128に準拠して測定し、この値を用い
て填料の歩留まり(リテンション)を算出した。尚、紙
のハンター白色度はJIS P 8123によった。
Cのナトリウム塩を添加しないこと以外は、実施例7と
同様にして撹拌しながら抄紙薬品を添加した後、手抄き
シートを作製し、品質を評価した。パルプ繊維スラリー
の最終pHは8.2であった。
Cのナトリウム塩を添加せず、製紙薬品の添加率を、パ
ルプ重量に対してカチオン化デンプン0.7%、アルキ
ルケテンダイマーを成分とする中性抄紙用サイズ剤を
0.15%、ポリアミドーエピクロルヒドリン樹脂を成
分とする紙力増強剤を0.2%、炭酸カルシウムを10
%、硫酸バンドを0.2%、製紙用歩留り向上剤を0.
03%としたこと以外は、実施例12と同様にして手抄
きシートを作製し、得られた紙の品質を評価した。パル
プ繊維スラリーの最終pHは8.2であった。実施例1
2及び比較例12〜13で得られた結果を表4に示し
た。
広葉樹晒しクラフトパルプをダブルディスクリファイナ
ーを用いてカナダ標準ろ水度が500mlとなるように
叩解した。叩解後、濃度を2%としたパルプスラリー
に、固形分1%の溶液粘度が1600cps、置換度が
0.6のCMCのナトリウム塩(商品名:セロゲン4
H、第一工業製薬社製)を濃度が1%の水溶液としてパ
ルプ重量に対し0.2%添加し、次いで1%濃度の希硫
酸を添加してpHを3に調整した。その後5%濃度の希
苛性ソーダ水溶液を添加しパルプスラリーのpHを7と
し、内添サイズ剤としてロジンサイズ剤(商品名:サイ
ズパインE、荒川化学社製)0.7%および硫酸バンド
2%、および填料としてタルク20%を絶乾パルプ重量
当たり添加し紙料とした。 (抄紙)前記紙料を用いて、ギャップフォーマーを有す
る抄紙機にて速度1300m/分で抄紙し、さらにオン
マシン上のゲートロールサイズプレス装置で、10%濃
度の酸化澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ
社製)液を2g/m2塗布、乾燥して坪量55g/m2の
印刷用塗被紙用原紙を製造した。 (塗被液の調製)重質炭酸カルシウム(商品名:FMT
−90、ファイマテック社製)25%とカオリン(商品
名:アマゾン88、CADAM社製)75%からなる顔
料をコーレス分散機を用いて分散し、固形分濃度72%
の顔料スラリーを得た。このスチレン−ブタジエン共重
合体ラテックス(商品名:SN307、住友ダウ社製)
を顔料重量当たり固形分で10%、酸化澱粉(商品名:
エースA、王子コーンスターチ社製)を固形分で4%、
その他助剤を添加分散して固形分濃度58%の塗被液を
調製した。 (塗被紙の製造)前記の印刷用塗被紙用原紙に前記の塗
被液を用いて、片面15g/m2となるようにブレード
コーターで両面塗工を行った。得られた塗被紙を金属ロ
ール6本とコットンロール6本からなるオフマシンスー
パーカレンダーにニップ圧200kg/cmで通紙し、
王研式平滑度が表1100秒、裏1120秒のオフセッ
ト印刷用塗被紙を製造した。 (品質評価)以下の試験方法を用い、得られた印刷用塗
被紙の品質を評価した。 (1)原紙の地合 原紙の地合を目視により、下の3段階の評価を行った。 ◎:非常に良好 ○:良好
△:やや劣る (2)塗被紙の白紙光沢 JIS−P8142に準拠して測定した。 (3)塗被紙の印刷光沢 RI印刷試験機(明製作所社製)を使用し、オフセット
用インキ(Graf−G墨、大日本インキ化学工業社
製)0.4ccを用いて塗被紙表面に印刷し、印刷後の
表面光沢を目視判定した。また、併せて光沢ムラについ
ても目視判定した。 ◎:非常に良好 ○:良好
△:やや劣る (4)層間強度 TAPPI UM403に準拠して測定した。 (5)耐ブリスター性の測定 RI印刷機(明製作所製)でオフセット輪転印刷用イン
キ1mlを展開し、塗被紙サンプルの両面に印刷する。
印刷したサンプルを加温したシリコーンオイルに漬け、
発生するブリスターの様子を目視で観察し、次の評価基
準で評価した。 評価基準 ◎・・・ブリスターの発生が殆ど見られない。 ○・・・極めて軽度のブリスターの発生が見られるが、
実用的に問題とならない。 △・・・ブリスターの発生が見られ、実用的に使用でき
ない。 ×・・・ひどいブリスターの発生が見られ、実用的に使
用できない。
0.02%とした以外は実施例13と同様にして原紙お
よび印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
cps、置換度が0.4のCMCのナトリウム塩(PX
01、第一工業製薬社製)を用い、CMC添加後のpH
を4とした以外は実施例13と同様にして原紙および印
刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
8.0に調整し、次いでキシラン分解活性を有する酵素
(商品名:パルプザイムHC、ノボノルディスク社製)
を2U/絶乾パルプg添加した後、60℃で90分処理
した。その後に多段漂白を行い酵素処理晒しクラフトパ
ルプを製造した。この酵素処理したパルプを用いたこと
以外は実施例13と同様にして原紙及び印刷用塗被紙を
製造し、品質を評価した。
ること以外は実施例16と同様にして原紙及び印刷用塗
被紙を製造し、品質を評価した。
ず、かつパルプスラリーのpH調整をしないこと以外は
実施例13と同様にして原紙および印刷用塗被紙を製造
し、品質を評価した。
ウム塩を添加した後に、希硫酸によるpH調整を行わな
いこと以外は実施例13と同様にして原紙および印刷用
塗被紙を製造し、品質を評価した。
プスラリーに、ロジンサイズ剤、硫酸バンド、タルクを
同様に添加した後、歩留まり向上剤(商品名:ハイモロ
ックNR11L、ハイモ社製)0.02%を添加した以
外は実施例13と同様にして原紙および印刷用塗被紙を
製造し、品質を評価した。
とした以外は実施例13と同様にして原紙および印刷用
塗被紙を製造し、品質を評価した。
たこと以外は、比較例14と同様にして原紙及び印刷用
塗被紙を製造し、品質を評価した。
い、紙料の調成において、前出のロジンサイズ剤0.7
%を添加した後にポリアクリルアミド系紙力増強剤(商
品名:ポリストロン194−7、荒川化学社製)を0.
2%添加したこと以外は比較例14と同様にして原紙及
び印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。
/分で原紙を抄造し、その他は実施例13と同様にして
印刷用塗被紙を製造し、品質を評価した。実施例13〜
17及び比較例14〜19及び参考例3で得られた結果
を表5に示した。
もポリアクリルアミドを成分とする市販の紙力増強剤を
使用した場合より優れた紙力増強効果を示す(実施例1
〜7と比較例1〜2)。また、CMC及び/又はCEC
を添加した後の鉱酸によるpH調整なしではこのような
優れた効果は発現せず(実施例1及び実施例3と比較例
3〜4)、また、CMC添加後のpH調整は、より低い
方が効果は高い(実施例1と実施例5、及び実施例6と
実施例7)。また、CMCとCECではCMCの方が効
果は高く(実施例1〜2と実施例3〜4)、さらにCM
Cの方が低価格であることも併せて考えれば、実用的に
はCMCの方が好ましい。さらに、CMCの置換度が小
さい方が紙力増強効果は大きく(実施例1及び実施例5
と実施例6〜7)、CMC添加後のpH調整も軽減でき
ることから、本発明において用いるものとしては、低置
換度のCMCが最も好ましい。
発明の効果を示している。硫酸バンドはサイズ剤その他
の定着剤として汎用されている製紙用薬品の一つであ
り、この硫酸バンドの添加率により前出酸性抄紙と中
性、或いはアルカリ抄紙が区別される。すなわち酸性抄
紙では紙料固形分に対しおおよそ1〜3重量%の硫酸バ
ンドが添加され、このため紙料スラリーのpHは4〜5
となる。一方の中性、或いはアルカリ抄紙では、硫酸バ
ンドの添加率はおおむね0.5%未満であり、さらに弱
アルカリ性を示す炭酸カルシウムが填料として加えられ
ることが多く、このため紙料スラリーのpHは6〜9と
なる。硫酸バンド中のアルミニウムイオンがパルプ繊維
表面に吸着してサイズ剤その他の定着剤として作用する
が、一方、このため繊維間結合を阻害し、一般に硫酸バ
ンドを添加すると紙力は低下する(参考例1と参考例
2)。ただし、中性抄紙或いはアルカリ抄紙の場合は、
前記したとおり一般的に炭酸カルシウム等の填料が配合
され、これら填料も紙力を大幅に低下させるため、硫酸
バンドの添加率が多いからといって酸性紙が中性紙より
紙力が劣るというわけではない。このような硫酸バンド
が添加される条件下で本発明の効果を比較しても、市販
の紙力増強剤より優れた効果を示す(実施例8〜10と
比較例5)。また、前段落で記したと同様に、この場合
もCECよりCMCの方が効果が高く(実施例8と実施
例9)、また、CMCでも置換度の低いものの方が優れ
た効果を示す(実施例8と実施例10)。また、CMC
及び/又はCEC添加後のpH調整を行わない場合に
は、たとえ硫酸バンドでパルプスラリーの最終的なpH
が酸性域であっても本発明のような高い効果は発現しな
い(実施例8〜10と比較例6〜8)。さらにこのpH
調整は、硫酸等の鉱酸で行わなければ、ほとんど効果は
発現しない(実施例8と比較例9)。これは、希硫酸等
の鉱酸でpH調整を行った場合には、CMC及び/又は
CECがパルプ繊維表面に均一な分布で吸着するのに対
し、硫酸バンドでpH調整を行った場合には、パルプに
は吸着されるものの、CMC及び/又はCECがゲル状
となり、パルプ繊維上の分布が悪いためと考えられる。
この、硫酸バンドではなく、鉱酸によりpH調整を行う
ことが本発明の最大の特徴である。
剤の他サイズ剤が添加された場合の、本発明の効果を示
している。この表から明らかな如く、本発明は、従来か
ら用いられている紙力増強剤(ポリアクリルアミド)を
少量(パルプ重量当り0.1%)併用することにより、
前記の酸性抄紙においても極めて優れた引張り強度と層
間強度を得ることができ、しかもサイズ剤の歩留まり、
及び繊維上の分布が優れるため、極めて高いサイズ度を
発現させることができ、必要に応じてサイズ剤の使用量
を減少させることができる(実施例12と比較例12〜
13)。
加され、最終的なパルプスラリーのpHが8付近となる
中性抄紙の条件において、紙力増強剤の他、填料、サイ
ズ剤、歩留まり向上剤が添加された場合の、本発明の効
果を示している。この表から明らかなように、本発明は
中性抄紙法においても填料の歩留まりを顕著に改善して
引張り強度とサイズ度を高めることができ、必要に応じ
て薬品の使用量を減少させ製造コストを低下させること
ができる(実施例12と比較例12〜13)。填料の歩
留まりが高いということは、抄紙系内での汚れの発生が
少ないことを示唆しており、このことも本発明の顕著な
効果の一つである。
法によれば、印刷用塗被紙の原紙を高速に抄造するにあ
たっての課題であった、光沢性並びに耐ブリスター性に
優れた印刷用塗被紙の製造が可能となるが、CMCの添
加量が多い方が効果は高く(実施例13と14)、又低
置換度のCMCを用いた方がその効果は高い(実施例1
5)。さらにキシラン分解活性を有する酵素で処理した
パルプを使用することにより 、さらに耐ブリスター性
に優れた印刷用塗被紙の製造が可能となる(実施例1
6、17)。CMCを添加しない場合(比較例14)、
或いはCMCを添加してもpH調整を行わなければ(比
較例15)、光沢性、ブリスター性とも不満足なものと
なり、歩留まり向上剤を添加すると地合が悪化し、また
耐ブリスター性も改善されない(比較例16、17)。
みならず、パルプ繊維スラリーに添加される抄紙薬品、
填料の歩留まりを顕著に改善し紙の品質の向上と製造コ
ストの削減を可能にする紙の製造方法を提供するという
効果を奏する。また、印刷用塗被紙の原紙を抄紙するに
あたっては、ギャップフォーマーによる高速抄紙でも、
地合を損ねることなく歩留まりの向上、また、優れたサ
イズ性を発現させ、その結果、表面光沢、印刷光沢に優
れ、且つ光沢ムラのない極めて優れた印刷用塗被紙が製
造できる。さらに層間強度を効果的に向上させることに
より耐ブリスター性にも優れた印刷用塗被紙の製造が可
能となる。キシラン分解活性を有する酵素で処理したパ
ルプを用いると、原紙の通気性が高くなるため、さらに
耐ブリスター性に優れた印刷用塗被紙の製造が可能とな
る。
図である。
ある。
Claims (9)
- 【請求項1】 パルプ繊維からなるスラリーに、カルボ
キシメチルセルロース及び/又はカルボキシエチルセル
ロースを添加し、次いで鉱酸を添加してパルプ繊維スラ
リーのpHを2〜6の範囲に調整し、カルボキシメチル
セルロース及び/又はカルボキシエチルセルロースを酸
型に転換してパルプに吸着させたことを特徴とするパル
プ。 - 【請求項2】 カルボキシメチルセルロース及び/又は
カルボキシエチルセルロースの置換度が0.3〜0.6
であり、かつ、鉱酸添加後のpHが3.5〜5.5の範
囲であることを特徴とする請求項1記載のパルプ。 - 【請求項3】 前記鉱酸添加後のパルプ繊維スラリーの
pHをさらにpH5〜9に調整したことを特徴とする請
求項1及び請求項2記載のパルプ。 - 【請求項4】 カルボキシメチルセルロース及び/又は
カルボキシエチルセルロースの添加率が、絶乾パルプ重
量に対して0.01〜5.0重量%であることを特徴と
する請求項1、請求項2及び請求項3記載のパルプ。 - 【請求項5】 請求項1記載のパルプ繊維が、キシラン
分解活性を有する酵素で処理されていることを特徴とす
る請求項1、請求項2、請求項3及び請求項4記載のパ
ルプ。 - 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
4及び請求項5記載のパルプを含有することを特徴とす
る紙。 - 【請求項7】 請求項1から請求項6までに記載したパ
ルプ、紙力増強剤を含む抄紙薬品及び必要に応じて填料
からなるパルプ繊維スラリーを用いて湿式抄紙機で抄紙
する紙の製造方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の湿式抄紙機がギャップフ
ォーマー型抄紙機で抄紙したことを特徴とする請求項7
記載の紙の製造方法。 - 【請求項9】 請求項6記載の紙の片面又は両面に塗被
層を設けたことを特徴とする塗被紙。
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