JPH09291959A - 二輪車の倒立型フロントフォーク - Google Patents

二輪車の倒立型フロントフォーク

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JPH09291959A
JPH09291959A JP12933296A JP12933296A JPH09291959A JP H09291959 A JPH09291959 A JP H09291959A JP 12933296 A JP12933296 A JP 12933296A JP 12933296 A JP12933296 A JP 12933296A JP H09291959 A JPH09291959 A JP H09291959A
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inner tube
outer tube
bush
front fork
dimension
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JP12933296A
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Osamu Nagai
修 永井
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Astemo Ltd
Original Assignee
Showa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウタチューブとインナチューブ間の摺動抵
抗を低減して、路面追従性及び衝撃吸収性を向上させる
ようにすること。 【解決手段】 自動二輪車の倒立型フロントフォーク2
0において、アウタチューブ21のロアブラケット28
Bによる支持位置の曲げ剛性EIZOと、インナチューブ
22の第1ガイドブッシュ26による支持位置の曲げ剛
性EIZIとの曲げ剛性比が、 【数12】 但し、L1 :前輪84の半径 L2 :インナチューブにおいて、前輪の車軸支持位置と
第1ガイドブッシュによる支持位置との寸法 L3 :アウタチューブにおいて、第1ガイドブッシュ配
設位置とロアブラケットによる支持位置との寸法 L4 :第1ガイドブッシュと第2ガイドブッシュ27と
の寸法 にて設定されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インナチューブと
アウタチューブとがテレスコピックに摺動自在に嵌合さ
れた二輪車の倒立型フロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、自動二輪車の倒立型
フロントフォーク10は、アウタチューブ11内にイン
ナチューブ12が摺動自在に挿通され、これらのアウタ
チューブ11及びインナチューブ12内に、懸架スプリ
ング及びダンパ装置(共に図示せず)が配設されて構成
される。一対のフロントフォーク10のアウタチューブ
11がアッパブラケット13及びロアブラケット14を
介して車体側に保持される。また、一対のフロントフォ
ーク10のインナチューブ12に、車軸ブラケット18
を介して前輪15が軸支される。このフロントフォーク
10により、路面19からの衝撃が上記懸架スプリング
にて吸収され、フロントフォーク10の伸縮振動が上記
ダンパ装置にて抑制される。
【0003】ところで、近年、前輪15及び後輪のタイ
ヤのグリップ性能が向上した結果、自動二輪車のコーナ
リング走行時にバンク角θが小さくなってきた。このた
め、コーナリング走行時には、路面19から自動二輪車
へ作用する外力Fのうち、フロントフォーク10の軸方
向の分力Fa に対し、フロントフォーク10の軸に直角
方向の分力Fb が大きくなってしまう。この分力Fb
が、フロントフォーク10に対し曲げ荷重として作用
し、フロントフォーク10に曲げモーメントを生じさせ
る。
【0004】また、図7に示すように、自動二輪車は、
フロントフォーク10が車両の前後方向に傾斜して配置
されているため、例えばジャンプ後着地したときにも、
路面19からフロントフォーク10へ作用する外力Fの
うち、フロントフォーク10の軸方向分力Fa に対し、
フロントフォーク10の軸に直角な方向の分力Fb が大
きくなり、この分力Fb が曲げ荷重となってフロントフ
ォーク10に作用する。
【0005】上述のいずれの場合にも、アウタチューブ
11の曲げ剛性がインナチューブ12の曲げ剛性より大
きなときには、上記曲げ荷重Fb によってインナチュー
ブ12がアウタチューブ11に対し相対的に湾曲してし
まい、アウタチュ−ブ11の開口端部内周に固着された
ガイドブッシュがインナチューブ12に対し線接触状態
となって、アウタチューブ11とインナチューブ12間
の摺動抵抗が増大し、フロントフォーク10の路面追従
性及び衝撃吸収性が低下してしまう。
【0006】そこで、従来のフロントフォーク10に
は、図8に示すように、アウタチューブ11の開口端部
に、外側へ向って拡径するテーパ面11Aを形成し、こ
のテーパ面11Aに上記ガイドブッシュ16を配設した
ものがある。これにより、上述の曲げ荷重Fb がフロン
トフォーク10に作用してインナチューブ12がアウタ
チューブ11に対し相対的に湾曲した際にも、このガイ
ドブッシュ16が湾曲形状のインナチューブ12に倣
い、ガイドブッシュ16をインナチュ−ブ12に対し面
接触状態としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
のフロントフォーク10では、アウタチューブ11の開
口端部にガイドブッシュ16と隣接して配置されたオイ
ルシール17の中心線が、インナチューブ12のアウタ
チューブ11に対する湾曲時に、このインナチューブ1
2の軸線12Aから偏心して、オイルシール17の一部
がインナチューブ12の外周面から離れてしまう場合が
ある。そこで、これを回避するために、オイルシール1
7をガータスプリング(図示せず)による強い締付力で
インナチューブ12の外周面に強く押し付けて、オイル
シール17のリップの締代を良好に確保する必要があ
る。このため、ガイドブッシュ16をインナチューブ1
2に対し面接触状態としても、アウタチューブ11とイ
ンナチューブ12間の摺動抵抗を低減できず、フロント
フォーク10の路面追従性及び衝撃吸収性を向上させる
ことができない。
【0008】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、アウタチューブとインナチューブ間
の摺動抵抗を低減して、路面追従性及び衝撃吸収性を向
上させることができる二輪車の倒立型フロントフォーク
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ロアブラケット及びアッパブラケットを介して車体
側に保持されるアウタチューブと、前輪の車軸を保持す
るインナチューブとが、上記アウタチューブの開口端部
内周に固定した下部ブッシュ、及び上記アウタチューブ
の内周、又は上記インナチューブの先端部外周に固定し
た上部ブッシュを介して摺動自在に嵌合され、これらの
アウタチューブ及びインナチューブ内に懸架スプリング
及びダンパ装置が配設された二輪車の倒立型フロントフ
ォークにおいて、上記アウタチューブの上記ロアブラケ
ットによる支持位置の曲げ剛性EIZOと、上記インナチ
ューブの上記下部ブッシュによる支持位置の曲げ剛性E
ZIとの曲げ剛性比EIZO/EIZIが、
【数4】 但し、L1 :前輪の半径 L2 :インナチューブにおいて、前輪の車軸支持位置と
下部ブッシュによる支持位置との寸法 L3 :アウタチューブにおいて、下部ブッシュ配設位置
とロアブラケットによる支持位置との寸法 L4 :上部ブッシュと下部ブッシュとの寸法 にて設定されたものである。
【0010】請求項2に記載の発明は、ロアブラケット
及びアッパブラケットを介して車体側に保持されるアウ
タチューブと、前輪の車軸を保持するインナチューブと
が、上記アウタチューブの開口端部内周に固定した下部
ブッシュ、及び上記アウタチューブの内周、又は上記イ
ンナチューブの先端部外周に固定した上部ブッシュを介
して摺動自在に嵌合され、これらのアウタチューブ及び
インナチューブ内に懸架スプリング及びダンパ装置が配
設された二輪車の倒立型フロントフォークにおいて、上
記インナチューブには、上記上部ブッシュと上記下部ブ
ッシュとの間に、肉厚が上記上部ブッシュ側へ向って漸
次縮径する薄肉部がテーパ形状に形成され、上記アウタ
チューブには、上記ロアブラケットと上記アウタチュー
ブの開口端部との間に、外周が上記開口端部側へ向って
漸次縮径する薄肉部がテーパ形状に形成され、上記アウ
タチューブにおける薄肉部のテーパ起点と上記下部ブッ
シュ配設位置との寸法L5 と、上記インナチューブにお
ける薄肉部のテーパ起点と上部ブッシュ配設位置との寸
法L6 との寸法比L5 /L6 が、
【数5】 但し、L1 :前輪の半径 L2 :インナチューブにおいて、前輪の車軸支持位置と
下部ブッシュによる支持位置との寸法 L4 :上部ブッシュと下部ブッシュとの寸法 EIZO1 :アウタチューブにおける薄肉部のテーパ起点
における曲げ剛性 EIZI1 :インナチューブにおける薄肉部のテーパ起点
における曲げ剛性 にて設定されるようにしたものである。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記インナチューブには、上記上部ブ
ッシュと上記下部ブッシュとの間に、肉厚が上記上部ブ
ッシュ側へ向って漸次減少する薄肉部がテーパ形状に形
成され、上記アウタチューブには、上記ロアブラケット
と上記アウタチューブの開口端部との間に、外周が上記
開口端部側へ向って漸次縮径する薄肉部がテーパ形状に
形成され、上記アウタチュ−ブにおける薄肉部のテーパ
起点と上記下部ブッシュ配設位置との寸法L5と、上記
インナチューブにおける薄肉部のテーパ起点と上部ブッ
シュ配設位置との寸法L6 との寸法比L5 /L6 が、
【数6】 但し、L1 :前輪の半径 L2 :インナチューブにおいて、前輪の車軸支持位置と
下部ブッシュによる支持位置との寸法 L4 :上部ブッシュと下部ブッシュとの寸法 EIZO1 :アウタチューブにおける薄肉部のテーパ起点
における曲げ剛性 EIZI1 :インナチューブにおける薄肉部のテーパ起点
における曲げ剛性 にて設定されるようにしたものである。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1、2又
は3に記載の発明において、オンロードタイプの二輪車
に使用されるフロントフォークにあっては、上記寸法L
2 、L4 を上記フロントフォークが2/3 〜3/4 収縮した
ストローク範囲での値として、上記曲げ剛性比EIZO
EIZI、EIZO1 /EIZI1 、上記寸法比L5 /L6
設定されるようにしたものである。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1、2又
は3に記載の発明において、オフロードタイプの二輪車
に使用されるフロントフォークにあっては、寸法L1
0 、寸法L2 及びL4 を上記フロントフォークが全伸び
状態にあるときの値として、上記曲げ剛性比EIZO/E
ZI、EIZO1 /EIZI1 、寸法比L5 /L6 が設定さ
れるようにしたものである。
【0014】請求項1、4又は5に記載の発明には、次
の作用がある。アウタチューブのロアブラケットによる
支持位置の曲げ剛性EIZOとインナチューブの下部ブッ
シュによる支持位置の曲げ剛性EIZIとが式(1) にて設
定されたことから、自動二輪車のコーナリング走行中に
或いはジャンプ等のように前輪が浮いた状態から着地し
たときにフロントフォークに曲げ荷重が作用した場合、
アウタチューブのロアブラケットによる支持位置の曲率
半径と、インナチューブの下部ブッシュによる支持位置
の曲率半径とが同一の値となる。従って、上述のコーナ
リング走行中や前輪の着地時等に、インナチューブがア
ウタチューブ内に滑らかに侵入して両チューブ間の摺動
抵抗が減少し、フロントフォークによる路面追従性及び
衝撃吸収性を向上させることができる。
【0015】また、アウタチューブの開口端部内周には
下部ブッシュに隣接してシール部材が配設されるが、上
述の如く、自動二輪車のコーナリング走行中に、或いは
ジャンプ等のように前輪が浮いた状態から着地したとき
にフロントフォークに曲げ荷重が作用した場合、アウタ
チューブのロアブラケットの支持位置の曲率半径と、イ
ンナチューブの下部ブッシュによる支持位置の曲率半径
とが同一の値になるので、上記シール部材の中心線とイ
ンナチューブの軸線とが偏心しない。この結果、シール
部材のリップの締代を良好に確保するために、このシー
ル部材をインナチューブ側へ強固に締め付ける必要がな
い。従って、この点からも、アウタチューブとインナチ
ューブ間の摺動抵抗を低減でき、フロントフォークによ
る路面追従性及び衝撃吸収性を向上させることができ
る。
【0016】請求項2、4又は5に記載の発明には、次
の作用がある。アウタチューブにおける薄肉部のテーパ
起点と下部ブッシュ配設位置との寸法L5 と、インナチ
ューブにおける薄肉部のテーパ起点と上部ブッシュ配設
位置との寸法L6 とが、式(2) にて設定されたので、自
動二輪車のコーナリング走行中に、又はジャンプ等のよ
うに前輪が浮いた状態から着地したときにフロントフォ
ークに曲げ荷重が作用した場合、アウタチューブにおけ
る薄肉部のテーパ起点の曲率半径と、インナチューブに
おける薄肉部のテーパ起点の曲率半径とが同一の値とな
る。従って、上述のコーナリング走行中や前輪の着地時
等に、インナチューブがアウタチューブ内に滑らかに侵
入し、またアウタチューブの開口端部に配設されたシー
ル部材をインナチューブに強固に締め付ける必要がない
ので、アウタチューブとインナチューブ間の摺動抵抗を
低減できる。この結果、フロントフォークによる路面追
従性及び衝撃吸収性を向上させることができる。
【0017】請求項3に記載の発明には、次の作用があ
る。アウタチューブ21のロアブラケットによる支持位
置の曲げ剛性EIZOと、インナチューブの下部ブッシュ
による支持位置の曲げ剛性EIZIとが式(1) にて設定さ
れ、更に、アウタチューブにおける薄肉部のテーパ起点
と下部ブッシュの配設位置との寸法L5 と、インナチュ
ーブにおける薄肉部のテーパ起点と上部ブッシュ配設位
置との寸法Lとの寸法比が式(2) にて設定されている。
これらのことから、自動二輪車のコーンリング中に、或
いはジャンプ等のように前輪が浮いた状態から着地した
ときにフロントフォークに曲げ荷重が作用した場合、ア
ウタチューブのロアブラケットによる支持位置の曲率半
径と、インナチューブの下部ブッシュによる支持位置の
曲率半径とが同一の値になり、更にアウタチューブにお
ける薄肉部のテーパ起点の曲率半径と、インナチューブ
における薄肉部のテーパ起点の曲率半径とが同一の値と
なる。従って、上述のコーナリング走行中や前輪の着地
時等に、インナチューブがアウタチューブ内により一層
滑らかに侵入し、また、アウタチューブの開口端部に配
設されたシール部材をインナチューブに強固に締め付け
る必要がないので、アウタチューブとインナチューブ間
の摺動抵抗をより一層低減できる。この結果、フロント
フォークによる路面追従性及び衝撃吸収性を一層向上さ
せることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る二輪車の
倒立型フロントフォークの一つの実施の形態を示す縦断
面図である。図2は、図1のインナチューブを示す縦断
面図である。図3は、図1のアウタチューブを示す縦断
面図である。図4は、図1の倒立型フロントフォークの
半断面図と、このフロントフォークに作用する曲げモー
メント図との相関図である。図5は、図1のフロントフ
ォークに曲げ荷重が作用したときの状態を示す部分断面
図である。
【0019】図1に示すように、自動2輪車の倒立型の
フロントフォーク20は、アウタチューブ21内にイン
ナチューブ22が挿通され、両チューブ21及び22間
に懸架スプリング23及びダンパ装置24が内蔵して構
成されたものであり、アウタチューブ21がアッパブラ
ケット28A及びロアブラケット28Bを介して車体側
に支持され、インナチューブ22の車軸ブラケット25
に車軸が支持される。
【0020】アウタチューブ21の開口端部30内周に
下部ブッシュとしての第1ガイドブッシュ26が、更
に、この第1ガイドブッシュ26と離間したアウタチュ
ーブ21の内周に、上部ブッシュとしての第2ガイドブ
ッシュ27がそれぞれ固着される。第1ガイドブッシュ
26及び第2ガイドブッシュ27のそれぞれの内周面が
インナチューブ22の外周面に摺接することにより、ア
ウタチューブ21及びインナチューブ22が摺動自在に
構成される。
【0021】懸架スプリング23の下端部は、ワッシャ
29、並びに後述のオイルロックカラー67、ダンパシ
リンダ41及び車軸ブラケット25を介してインナチュ
ーブ22に支持される。また、懸架スプリング23の上
端はスプリングジョイント32、懸架アッパカラー33
及びスプリングアジャスタ機構34を介してアウタチュ
ーブ21に支持される。この懸架スプリング23によ
り、路面からの衝撃力が吸収される。
【0022】上記スプリングアジャスタ機構34は、ス
プリングアジャスタ35、アジャストピース36、ワッ
シャ37及びアジャストスライダ38を有して構成され
る。一方、アウタチューブ21の上端部にはフォークボ
ルト39が螺合され(螺合部a)、このフォークボルト
39の内周にアジャストケース40が螺合される(螺合
部b)。このアジャストケース40の外周に上記スプリ
ングアジャスタ35が螺合されて(螺合部c)、このス
プリングアジャスタ35は軸方向に移動可能とされる。
また、アジャストピース36はフォークボルト39を貫
通し、アジャストスライド38は、アジャストケース4
0に軸方向移動可能に嵌合されると共に、懸架アッパカ
ラー33を装着する。従って、スプリングアジャスタ3
5を回転調整することにより、アジャストピース36及
びアジャストスライダ38が軸方向に移動し、懸架アッ
パカラー33及びスプリングジョイント32を介して、
懸架スプリング23の初期荷重が変更される。尚、上記
螺合部a及びbの締付トルクは、螺合部cのねじ摩擦力
以上に設定される。
【0023】上記ダンパ装置24は、インナチューブ2
2から立設されたダンパシリンダ41と、ピストン42
及びニードル弁43を備えたピストンバルブ機構44
と、ボトムピストン45及びボトムニードル弁ユニット
46を備えたベースバルブ機構47と、を有して構成さ
れる。これらのピストンバルブ機構44及びベースバル
ブ機構47により発生する減衰力によって、懸架スプリ
ング23による衝撃力の吸収に伴い発生するアウタチュ
ーブ21及びインナチューブ22の伸縮摺動が抑制され
る。
【0024】ダンパシリンダ41は、インナチューブ2
2内に配置されて、インナチューブ22との間にリザー
バ室48を形成する。このダンパシリンダ41には貫通
孔49が開設されて、この貫通孔49により、ダンパシ
リンダ41の内部(ベースバルブ室55C)とリザーバ
室48とが連通される。
【0025】ピストンバルブ機構44におけるピストン
42は、上記アジャストケース40の下端部に螺合され
た中空形状のピストンロッド50に、ピストンホルダ5
1を介して固着される。このピストン42により、ダン
パシリンダ41内が上室55Aと下室55Bとに区画さ
れる。このピストン42に、伸側流路52及び圧側流路
(図示せず)が軸方向に貫通して形成され、また軸方向
両端面に伸側バルブ53及び圧側バルブ(チェックバル
ブ)54が配設される。
【0026】また、ピストンバルブ機構44におけるニ
ードル弁43は、アジャストロッド56を介してニード
ル弁アジャスタ57に連結される。このニードル弁アジ
ャスタ57はアジャストケース40に螺合され、このニ
ードル弁アジャスタ57を回転させることにより、ニー
ドル弁43は、ピストンホルダ41との間で流路(オリ
フィス)面積を変更するものである。このニードル弁4
3により、ピストンホルダ51の通路58を経て、上室
55Aと下室55Bとが連通可能とされる。また、上記
ニードル弁アジャスタ57は、クリック機構58Aを介
して、アジャストケース40に対する停止位置が保持さ
れる。
【0027】上記ピストンバルブ機構44の伸側バルブ
53及び圧側バルブ54並びにニードル弁43によっ
て、インナチューブ22がアウタチューブ21内へ侵入
するフロントフォーク20の圧縮時に、下室55Bから
のオイル(オイル面H)が、圧側流路を通り圧側バルブ
54を開いて上室55Aへ導かれる。また、インナチュ
ーブ22がアウタチューブ21内から進出するフロント
フォーク20の伸長時には、ダンパシリンダ41とピス
トン42との相対速度が低速のときに、上室55Aから
のオイルが通路58を経て、ニードル弁43とピストン
ホルダ51との流路(オリフィス)を通り下室55Bへ
導かれ、この間に伸側の減衰力が発生する。また、フロ
ントフォーク20の伸長時で、ダンパシリンダ41に対
するピストン42の相対速度が中高速である場合には、
上室55Aからのオイルが伸側流路52を経て、伸側バ
ルブ53を撓み変形させて下室55Bへ流れ、この間に
伸側の減衰力が発生する。
【0028】ダンパシリンダ41とピストン42との相
対速度が低速度のとき、ニードル弁43とピストンホル
ダ51との流路をオイルが通るときに発生する伸側減衰
力は、ニードル弁アジャスタ57を回転して上記流路面
積を変更することにより調整される。
【0029】一方、上記ベースバルブ機構47における
ボトムピストン45は、中空形状のボトムホルダ59に
固着される。このボトムピストン45には、軸方向に貫
通して圧側流路60及び伸側流路65が形成され、ま
た、軸方向両端面に圧側バルブ61及び伸側バルブ(チ
ェックバルブ)62が装着される。このボトムピストン
45によりベースバルブ室55Cが、下室55Bに区画
して形成される。前記車軸ブラケット25には、センタ
ボルト63を介して中空形状のボトムピース64が螺合
され、このボトムピース64に上記ボトムホルダ59が
固着される。
【0030】また、ベースバルブ機構47におけるボト
ムニードル弁ユニット46は車軸ブラケット25に設置
され、連通路66Bを経てリザーバ室48に連通され
る。更に、このボトムニードル弁ユニット46は、連通
路66A、ボトム流路70、ボトムピース64の中空部
71及びボトムホルダ59の中空部72を経て下室55
Bに連通される。上記連通路66A及び66Bは車軸ブ
ラケット25に形成され、ボトム流路70はセンタボル
ト63に形成される。このボトムニードル弁ユニット4
6には図示しないボトムニードル弁が内蔵されて、ダン
パシリンダ41とピストン42との相対速度が低速度の
ときに、圧側減衰力を発生する。この圧側減衰力は、ボ
トムニードル弁ユニット46のボトムニードル弁アジャ
スタ73を回転することにより調整される。
【0031】フロントフォーク20の圧縮時には、図1
に示すように、ダンパシリンダ41の上室55A内にピ
ストンロッド50が侵入してダンパシリンダ41の上室
55Aの容積が減少するので、ピストンロッド50の侵
入体積分のオイルが、上記ベ−スバルブ機構47の作用
で、下室55Bからリザーバ室48へ排出される。つま
り、ダンパシリンダ41とピストン42との相対速度が
低速のときには、下室55Bからのオイルは、ボトムホ
ルダ59の中空部72、ボトムピース64の中空部7
1、センタボルト63のボトム流路70、及び連通路6
6Aを介してボトムニードル弁ユニット46へ導かれ、
更に連通路66Bを介してリザーバ室48へ導かれる。
オイルがボトムニードル弁ユニット46を流れる間に圧
側の減衰力が発生する。また、ダンパシリンダ41とピ
ストン42との相対速度が中速度のときには、下室55
Bからのオイルは、圧側流路60を通り圧側バルブ61
を撓み変形させて、ベースバルブ室55C及び連通孔4
9を介しリザーバ室48へ導かれる。オイルが圧側バル
ブ61を変形させる間に、圧側の減衰力が発生する。
【0032】フロントフォーク20の伸長時には、ダン
パシリンダ41の上室55Aからピストンロッド50が
抜け出て、その分ダンパシリンダ41の上室55A内の
容積が増大するので、リザーバ室48内のオイルが連通
孔49、ベースバルブ室55C及びボトムピストン45
の伸側通路65を経て、伸側バルブ62を開き、下室5
5Bへ導かれる。
【0033】従って、フロントフォーク20の圧縮時に
は、ベースバルブ機構47において、ボトムニードル弁
ユニット46或いは圧側バルブ61を流れるオイルによ
り圧側の減衰力が発生し、ピストンバルブ機構44にお
いては減衰力が発生しない。また、フロントフォーク2
0の伸長時には、ピストンバルブ機構44において、ニ
ードル弁43或いは伸側バルブ53を流れるオイルによ
り伸側の減衰力が発生し、ベースバルブ機構47におい
ては減衰力がほとんど発生しない。これらの圧側及び伸
側の減衰力によって、フロントフォーク20の伸縮摺動
が抑制される。
【0034】ところで、ダンパシリンダ41の上端部に
は、オイルロックカラー67が装着され、このオイルロ
ックカラー67にロッドガイド68が収容される。符号
69はOリングである。ロッドガイド68の内周に第3
ガイドブッシュ74が固着され、この第3ガイドブッシ
ュ74の内周面がピストンロッド50の外周面に摺接可
能とされる。ここで、符号75はリバウンドスプリング
を示す。
【0035】また、ピストンロッド50にオイルロック
ピース76が固着され、このオイルロックピース76
は、フロントフォーク20の最圧縮状態でオイルロック
カラー67に緊密状態で嵌合可能に設けられる。従っ
て、フロントフォーク20の最圧縮時に、オイルロック
カラー67とオイルロックピース76との間で圧縮され
たオイルによりオイルロック作用が発生し、インナチュ
ーブ22の上端部とフォークボルト39との衝突が回避
される。
【0036】更に、アウタチューブ21の開口端部30
には、第1ガイドブッシュ26に対し軸方向に隣接して
オイルシール77が装着される。このオイルシール77
は、ワッシャ78及びストッパリング79によってアウ
タチューブ21に装着され、このオイルシール77に隣
接して更にダストシール80が装着されている。
【0037】さて、上述のようなフロントフォーク20
では、前輪及び後輪におけるタイヤのグリップ性の向上
により、コ−ナリング走行時にバンク角θ(図6)が小
さくなり、この結果、フロントフォーク20に大きな曲
げ荷重Fb が作用して、フロントフォーク20に曲げモ
ーメントが作用する。
【0038】フロントフォーク20のインナチューブ2
2に作用する曲げモーメントは、図4の曲げモーメント
線Aに示すように、インナチューブ22において、アウ
タチューブ21の開口端部30に固定の第1ガイドブッ
シュ26に対応する位置Gbで最も大きく(最大曲げモ
ーメントMI )、この位置から第2ガイドブッシュ27
側及び車軸ブラケット25側へ向うに従って漸次減少す
る。ここで、図4中の符号Gt は、インナチューブ22
における第2ガイドブッシュ27に対応する位置を示
し、符号AX は、車軸ブラケット25に軸支された車軸
に対応する位置を示す。
【0039】また、フロントフォーク20のアウタチュ
ーブに作用する曲げモーメントは、図4の曲げモーメン
ト線Bに示すように、アウタチューブ21において、ロ
アブラケット28Bに取り付けられた位置Bb で最も大
きく(最大曲げモーメントMO )、この位置からアッパ
ブラケット28A側及び開口端部30側へ向うに従って
漸次減少する。ここで、図4中の符号Bt は、アウタチ
ューブ21におけるアッパブラケット28Aに対応する
位置を示し、符号Gb は、アウタチューブ21に固定の
第1ガイドブッシュ26に対応する位置を示す。
【0040】更に、フロントフォーク20の全体に作用
する曲げモーメントは、図4の曲げモーメント線Cに示
すように、インナチューブ22に作用する曲げモーメン
ト(図4のA)とアウタチューブ21に作用する曲げモ
ーメント(図4のB)との加算値であり、アウタチュー
ブ21がロアブラケット28Bに取り付けられた位置B
b で最大となる。尚、図4中の符号81は路面を示す。
【0041】上述のインナチューブ22に作用する曲げ
モーメントAと、アウタチューブ21に作用する曲げモ
ーメントBとを考慮して、それぞれインナチューブ22
及びアウタチューブ21の肉厚が設計される。
【0042】つまり、図1、図2及び図4に示すよう
に、インナチューブ22の外周形状は、アウタチューブ
21に固定の第1ガイドブッシュ26と第2ガイドブッ
シュ27とに対応する範囲において、第1ガイドブッシ
ュ26が摺接する領域Yと、第2ガイドブッシュ27が
摺接する領域Xとが同一の外径に形成され、これらの領
域X及びYを除く領域Zが、インナチューブ22が受け
る上記曲げモーメント(図4のA)の大きさに応じて、
領域Xへ向い即ち第2ガイドブッシュ27側へ向い漸次
縮径して形成される。これにより、インナチューブ22
の領域Xにテーパ形状の薄肉部82が設けられる。
【0043】また、図1、図3及び図4に示すように、
アウタチューブ21の外周形状は、アウタチューブ21
が受ける上記曲げモーメント(図4のB)の大きさに応
じて、ロアブラケット28Bが取り付けられた部分で最
も厚く、この部分から開口端部30へ向う領域Wが漸次
縮径して形成されて、アウタチューブ21の領域Wにテ
ーパ形状の薄肉部83が設けられる。尚、図4中の符号
rは前輪84の半径を示す。
【0044】更に、上記フロントフォーク20では、図
2〜図4に示すように、アウタチューブ21のロアブラ
ケット28Bによる支持位置での曲げ剛性EIZOと、イ
ンナチューブ22の第1ガイドブッシュ26による支持
位置での曲げ剛性EIZIとの曲げ剛性比EIZO/EIZI
は、
【数7】 のように設定される。ここで、寸法L1 は前輪84の半
径(r)であり、寸法L2 は、インナチューブ22にお
いて、車軸ブラケット25の前輪84の車軸支持位置と
第1ガイドブッシュ26による支持位置との寸法であ
り、寸法L3 は、アウタチューブ21において、第1ガ
イドブッシュ26の配設位置とロアブラケット28Bに
よる支持位置との寸法であり、寸法L4 は、第1ガイド
ブッシュ26と第2ガイドブッシュ27との寸法であ
る。
【0045】上記式(1) は、次のようにして導かれる
(図4参照)。先ず、インナチューブ22に曲げ荷重F
b が作用することによるインナチューブ22の位置Gb
での反力Pは、位置Gt でのモーメントの均り合いか
ら、 P=(L1 +L2 +L4 )Fb /L4 …(3) として求まる。次に、アウタチューブ21の位置Bb
おける曲げモーメントMO は、 MO =P×L3 =(L1 +L2 +L4 )L3b /L4 …(4) である。また、インナチューブ22の位置Gb における
曲げモーメントMI は、 MI =(L1 +L2 )Fb …(5) である。ところで、アウタチューブ21のロアブラケッ
ト28Bによる支持位置での曲率半径をRo とし、イン
ナチューブ22の第1ガイドブッシュ26による支持位
置での曲率半径をRI とすると、上記曲げモーメントM
O 、MI は、
【数8】 である。この式(6) で、RO =RI とすると、 EIZO/EIzI=MO /MI …(7) となる。この式(7) に式(4) 及び式(5) を代入すると、
式(1) が導かれる。
【0046】従って、式(1) に基づき、寸法L1 、L
2 、L3 及びL4 の各値から、アウタチューブ21のロ
アブラケット28Bによる支持位置での曲げ剛性EIZO
と、インナチューブ22の第1ガイドブッシュ26によ
る支持位置での曲げ剛性EIZIとの曲げ剛性比EIZO
EIZIを設定することにより、アウタチューブ21のロ
アブラケット28Bによる支持位置での曲率半径RO
と、インナチューブ22の第1ガイドブッシュ26によ
る支持位置での曲率半径RI とを等しくできる。
【0047】具体的には、オンロードタイプの自動二輪
車に適用されるフロントフォーク10では、寸法L2
を、フロントフォーク20が2/3 〜3/4 収縮したストロ
ーク範囲での値として、上記曲げ剛性比EIZO/EIZI
を決定する。このとき、寸法L1 及びL3 は予め設定さ
れた一定値であり、第2ガイドブッシュ27がアウタチ
ューブ21の内周に固着されている場合には、寸法L4
も予め定められた一定値である。
【0048】また、オフロードタイプの自動二輪車に適
用されるフロントフォーク20では、ジャンプ後の着地
時等には前輪84の車軸に路面81からの外力Fが作用
することから、寸法L1 =0 とし、寸法L2 を、フロン
トフォーク20が全伸び状態での値として、上記曲げ剛
性比EIZO/EIZIを決定する。このときも、寸法L
3 、L4 は、上述のオンロードタイプの自動二輪車のよ
うに、予め定められた一定値である。
【0049】更に、上記フロントフォーク20では、ア
ウタチュー21における薄肉部83のテーパ起点83A
と第1ガイドブッシュ26の配設位置との寸法L5 と、
インナチューブ22における薄肉部82のテーパ起点8
2Aと第2ガイドブッシュ27の配設位置との寸法L6
との寸法比L5 /L6 は、
【数9】 のように設定される。ここで、EIZO1 は、アウタチュ
ーブ21における薄肉部83のテーパ起点83Aにおけ
る曲げ剛性であるが、アウタチューブ21のテーパ起点
83A位置とロアブラケット28Bによる支持位置とが
同一の断面形状であるため、上記曲げ剛性EIZO1 は、
アウタチューブ21のロアブラケット28Bによる支持
位置での曲げ剛性EIZOと等しい値である。また、EI
ZI1 は、インナチューブ22における薄肉部82のテー
パ起点82Aにおける曲げ剛性であるが、インナチュー
ブ22のテーパ起点82A位置と第1ガイドブッシュ2
6による支持位置とが同一の断面形状であるため、上記
曲げ剛性EIZI1 は、インナチューブ22の第1ガイド
ブッシュ26による支持位置での曲げ剛性EIZIと等し
い値である。従って、上記式(2) は、
【数10】 のように書き換えられる。
【0050】上記式(2) は、次のようにして導かれる。
先ず、アウタチューブ21における薄肉部83のテーパ
起点83Aにおける曲げモーメントMO1は、式(4) と図
4に示すアウタチューブ21の曲げモーメント線Bとか
ら MO1=Mo ×(L5 /L3 ) =(L1 +L2 +L4 )L5b /L4 …(8) である。また、インナチューブ22における薄肉部82
のテーパ起点82Aにおける曲げモーメントMI1は、式
(5) と図4に示すインナチューブ22の曲げモーメント
線Aとから、 MI1=MO ×(L6 /L4 ) =(L1 +L2 )L6b /L4 …(9) である。次に、アウタチューブ21における薄肉部83
のテーパ起点83Aでの曲率半径をRO1とし、インナチ
ューブ22における薄肉部82のテーパ起点82Aでの
曲率半径をRI1とすると、上記曲げモーメントMO1、M
I1は、
【数11】 である。この式(10)で、RO1=RI1とすると、 EIZO1 /EIZI1 =MO1/MI1 …(11) となる。従って、この式(11)に式(8) 及び (9)を代入し
て変形すると、式(2) が導かれる。
【0051】従って、式(2)'に基づき、寸法L1 、L2
及びL4 の各値、並びに式(1) で求めた曲げ剛性比EI
ZO/EIZIの値から、寸法L5 、L6 を求めることによ
り、アウタチューブ21における薄肉部83のテーパ起
点83Aでの曲率半径RO1と、インナチューブ22にお
ける薄肉部82のテーパ起点82Aでの曲率半径RI1
を等しくできる。
【0052】このように寸法L5 、L6 を求める際に
も、オンロードタイプの自動二輪車におけるフロントフ
ォーク20の場合には、寸法L2 を、フロントフォーク
20が2/3 〜3/4 収縮した状態での値とし、また、オフ
ロードタイプの自動二輪車におけるフロントフォーク2
0の場合には、寸法L1 =0 、寸法L2 をフロントフォ
ーク20が全伸び状態での値とする。更に、寸法L4
は、第2ガイドブッシュ27がアウタチューブ21の内
周に固着の場合には、予め定められた一定値である。
【0053】尚、アウタチューブ21の薄肉部83、イ
ンナチューブ22の薄肉部82のそれぞれのテーパ形状
は、薄肉部83、82の最小径部が曲率半径RO1(=R
I1)を満足する点とそれぞれのテーパ起点83A、82
Aとを直線形状に結ぶか、曲率半径RO1(=RI1)に沿
って階段状の曲線で結ぶことにより設定される。
【0054】上記実施の形態によれば、次の効果を奏す
る。 アウタチューブ21のロアブラケット28Bによる支
持位置の曲げ剛性EIZOと、インナチューブ22の第1
ガイドブッシュ26による支持位置の曲げ剛性EIZI
が式(1) にて設定されたことから、自動二輪車のコーナ
リング中に、或いはジャンプ等のように前輪84が浮い
た状態から着地したときにフロントフォーク20に曲げ
荷重Fb が作用した場合、アウタチューブ21のロアブ
ラケット28Bによる支持位置の曲率半径RO と、イン
ナチューブの第1ガイドブッシュ26による支持位置の
曲率半径RI とが同一の値となる。従って、上述のコー
ナリング中や前輪84の着地時等に、インナチューブ2
2がアウタチューブ21内に滑らかに侵入して両チュー
ブ21、22間の摺動抵抗が低減し、フロントフォーク
20による路面追従性及び衝撃吸収性を向上させること
ができる。
【0055】また、アウタチューブ22の開口端部3
0の内周には、第1ガイドブッシュ26に隣接してオイ
ルシール77が配設されるが、上述の如く、自動二輪車
のコーナリング中に、或いはジャンプ等のように前輪8
4が浮いた状態から着地したときにフロントフォーク2
0に曲げ荷重Fb が作用した場合、アウタチューブ21
のロアブラケット28Bによる支持位置の曲率半径RO
と、インナチューブ22の下部ブッシュ26による支持
位置の曲率半径RI とが同一の値になるので、上記オイ
ルシール77の中心線とインナチューブ22の軸線とが
偏心しない。この結果、オイルシール77のリップの締
代を良好に確保するために、このオイルシール77をイ
ンナチューブ22側へ強固に締め付ける必要がない。従
って、この点からも、アウタチューブ21とインナチュ
ーブ22間の摺動抵抗を低減でき、フロントフォーク2
0による路面追従性及び衝撃吸収性を向上させることが
できる。
【0056】また、アウタチューブ21のロアブラケ
ット28Bによる支持位置の曲げ剛性EIZOと、インナ
チューブ22の第1ガイドブッシュ26による支持位置
の曲げ剛性EIZIとが式(1) にて設定され、更に、アウ
タチューブ21における薄肉部83のテーパ起点83A
と第1ガイドブッシュ26の配設位置との寸法L5 と、
インナチューブ22における薄肉部82のテーパ起点8
2Aと第2ガイドブッシュ27の配設位置との寸法L6
との寸法比L5 /L6 が式(2) にて設定されている。こ
れらのことから、自動二輪車のコーナリング中に、或い
はジャンプ等のように前輪84が浮いた状態から着地し
たときにフロントフォーク20に曲げ荷重Fb が作用し
た場合、フロントフォーク21のロアブラケット28B
による支持位置の曲率半径RO と、インナチューブ22
の第1ガイドブッシュ26による支持位置の曲率半径R
I とが同一の値となり、更に、アウタチューブ21にお
ける薄肉部83のテーパ起点83Aの曲率半径RO1と、
インナチューブ22における薄肉部82のテーパ起点8
2Aの曲率半径RI1とが同一の値となる。従って、上述
のコーナリング中や前輪84の着地時等に、インナチュ
ーブ22がアウタチューブ21内により一層滑らかに侵
入し、また、アウタチューブ21の開口端部30に配設
されたオイルシール77をインナチューブ22に強固に
締め付ける必要がないので、アウタチューブ21とイン
ナチューブ22間の摺動抵抗をより一層低減できる。こ
の結果、フロントフォーク20による路面追従性及び衝
撃吸収性を向上させることができる。
【0057】尚、上記実施の形態において、式(2)'の曲
げ剛性比EIZO/EIZIは、式(1)で求められたもので
はなく、既知の値であっても良い。
【0058】また、フロントフォーク20には、アウタ
チューブ21に薄肉部83が、インナチューブ22に薄
肉部82がそれぞれ形成されず、従って、式(2) 、(2)'
を満足せず、式(1) のみを満足するものでも良い。逆
に、フロントフォーク20は、アウタチューブ21に薄
肉部83が、インナチューブ22に薄肉部82がそれぞ
れ形成されて式(2) 、(2)'を満足するが、式(1) を満足
しないものであっても良い。
【0059】更に、上記実施の形態では、第2ガイドブ
ッシュ27がアウタチューブ21の内周に固着されるも
のを述べたが、この第2ガイドブッシュ27がインナチ
ューブ22の外周に固着されるものでも良い。この場合
には、インナチューブ22の外周に第2ガイドブッシュ
27との摺接領域Xを設ける必要がないので、インナチ
ューブの前記領域Zと領域Xに、外周が第2ガイドブッ
シュ27側へ向って縮径するテーパ形状の薄肉部を連続
して形成できる。
【0060】また、上記実施の形態では、インナチュー
ブ22のテーパ形状の薄肉部82は、インナチューブ2
2の外周が第2ガイドブッシュ27側へ向い漸次縮径し
て形成されるものであったが、インナチューブ22の内
周を第2ガイドブッシュ27側へ向い漸次拡径して形成
しても良い。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る二輪車の倒
立型フロントフォークによれば、アウタチューブとイン
ナチューブ間の摺動抵抗を低減して、路面追従性及び衝
撃吸収性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る二輪車の倒立型フロント
フォークの一つの実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1のインナチューブを示す縦断面図
である。
【図3】図3は、図1のアウタチューブを示す縦断面図
である。
【図4】図4は、図1の倒立型フロントフォークの半断
面図と、このフロントフォークに作用する曲げモーメン
ト図との相関図である。
【図5】図5は、図1のフロントフォークに曲げ荷重が
作用したときの状態を示す部分断面図である。
【図6】図6は、自動二輪車のコーナリング走行時にお
ける従来の倒立型フロントフォークについて一部を断面
状態で示す正面図である。
【図7】図7は、ジャンプ後着地したときの自動二輪車
の前部について、従来の倒立型フロントフォークを破断
して示す側面図である。
【図8】図8は、図6及び図7のフロントフォークに曲
げ荷重が作用したときの状態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
20 フロントフォーク 21 アウタチューブ 22 インナチューブ 23 懸架スプリング 24 ダンパ装置 26 第1ガイドブッシュ(下部ブッシュ) 27 第2ガイドブッシュ(上部ブッシュ) 28A アッパブラケット 28B ロアブラケット 30 アウタチューブの開口端部 82 インナチューブの薄肉部 83 アウタチューブの薄肉部 82A、83A テーパ起点 EIZO、EIZI、EIZO1 、EIZI1 曲げ剛性 L1 、L2 、L3 、L4 、L5 、L6 寸法

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロアブラケット及びアッパブラケットを
    介して車体側に保持されるアウタチューブと、前輪の車
    軸を保持するインナチューブとが、上記アウタチューブ
    の開口端部内周に固定した下部ブッシュ、及び上記アウ
    タチューブの内周、又は上記インナチューブの先端部外
    周に固定した上部ブッシュを介して摺動自在に嵌合さ
    れ、これらのアウタチューブ及びインナチューブ内に懸
    架スプリング及びダンパ装置が配設された二輪車の倒立
    型フロントフォークにおいて、 上記アウタチューブの上記ロアブラケットによる支持位
    置の曲げ剛性EIZOと、上記インナチューブの上記下部
    ブッシュによる支持位置の曲げ剛性EIZIとの曲げ剛性
    比EIZO/EIZIが、 【数1】 但し、L1 :前輪の半径 L2 :インナチューブにおいて、前輪の車軸支持位置と
    下部ブッシュによる支持位置との寸法 L3 :アウタチューブにおいて、下部ブッシュ配設位置
    とロアブラケットによる支持位置との寸法 L4 :上部ブッシュと下部ブッシュとの寸法 にて設定されたことを特徴とする二輪車の倒立型フロン
    トフォーク。
  2. 【請求項2】 ロアブラケット及びアッパブラケットを
    介して車体側に保持されるアウタチューブと、前輪の車
    軸を保持するインナチューブとが、上記アウタチューブ
    の開口端部内周に固定した下部ブッシュ、及び上記アウ
    タチューブの内周、又は上記インナチューブの先端部外
    周に固定した上部ブッシュを介して摺動自在に嵌合さ
    れ、これらのアウタチューブ及びインナチューブ内に懸
    架スプリング及びダンパ装置が配設された二輪車の倒立
    型フロントフォークにおいて、 上記インナチューブには、上記上部ブッシュと上記下部
    ブッシュとの間に、肉厚が上記上部ブッシュ側へ向って
    漸次縮径する薄肉部がテーパ形状に形成され、 上記アウタチューブには、上記ロアブラケットと上記ア
    ウタチューブの開口端部との間に、外周が上記開口端部
    側へ向って漸次縮径する薄肉部がテーパ形状に形成さ
    れ、 上記アウタチューブにおける薄肉部のテーパ起点と上記
    下部ブッシュ配設位置との寸法L5 と、上記インナチュ
    ーブにおける薄肉部のテーパ起点と上部ブッシュ配設位
    置との寸法L6 との寸法比L5 /L6 が、 【数2】 但し、L1 :前輪の半径 L2 :インナチューブにおいて、前輪の車軸支持位置と
    下部ブッシュによる支持位置との寸法 L4 :上部ブッシュと下部ブッシュとの寸法 EIZO1 :アウタチューブにおける薄肉部のテーパ起点
    における曲げ剛性 EIZI1 :インナチューブにおける薄肉部のテーパ起点
    における曲げ剛性 にて設定されることを特徴とする二輪車の倒立型フロン
    トフォーク。
  3. 【請求項3】 上記インナチューブには、上記上部ブッ
    シュと上記下部ブッシュとの間に、肉厚が上記上部ブッ
    シュ側へ向って漸次減少する薄肉部がテーパ形状に形成
    され、 上記アウタチューブには、上記ロアブラケットと上記ア
    ウタチューブの開口端部との間に、外周が上記開口端部
    側へ向って漸次縮径する薄肉部がテーパ形状に形成さ
    れ、 上記アウタチュ−ブにおける薄肉部のテーパ起点と上記
    下部ブッシュ配設位置との寸法L5 と、上記インナチュ
    ーブにおける薄肉部のテーパ起点と上部ブッシュ配設位
    置との寸法L6 との寸法比L5 /L6 が、 【数3】 但し、L1 :前輪の半径 L2 :インナチューブにおいて、前輪の車軸支持位置と
    下部ブッシュによる支持位置との寸法 L4 :上部ブッシュと下部ブッシュとの寸法 EIZO1 :アウタチューブにおける薄肉部のテーパ起点
    における曲げ剛性 EIZI1 :インナチューブにおける薄肉部のテーパ起点
    における曲げ剛性 にて設定される請求項1に記載の二輪車の倒立型フロン
    トフォーク。
  4. 【請求項4】 オンロードタイプの二輪車に使用される
    フロントフォークにあっては、上記寸法L2 、L4 を上
    記フロントフォークが2/3 〜3/4 収縮したストローク範
    囲での値として、上記曲げ剛性比EIZO/EIZI、EI
    ZO1 /EIZI 1 、上記寸法比L5 /L6 が設定される請
    求項1、2又は3に記載の二輪車の倒立型フロントフォ
    ーク。
  5. 【請求項5】 オフロードタイプの二輪車に使用される
    フロントフォークにあっては、寸法L1 =0 、寸法L2
    及びL4 を上記フロントフォークが全伸び状態にあると
    きの値として、上記曲げ剛性比EIZO/EIZI、EI
    ZO1 /EIZI1、寸法比L5 /L6 が設定される請求項
    1、2又は3に記載の二輪車の倒立型フロントフォー
    ク。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002181109A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Showa Corp フロントフォーク

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