JPH1026166A - 二輪車等のフロントフォークにおけるばね特性調整装置 - Google Patents

二輪車等のフロントフォークにおけるばね特性調整装置

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JPH1026166A
JPH1026166A JP19853396A JP19853396A JPH1026166A JP H1026166 A JPH1026166 A JP H1026166A JP 19853396 A JP19853396 A JP 19853396A JP 19853396 A JP19853396 A JP 19853396A JP H1026166 A JPH1026166 A JP H1026166A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロントフォークにおける懸架スプリングの
ばね定数を、外部から容易に変更して調整できるように
すること。 【解決手段】 アウタチューブ11とインナチューブ1
2との間に懸架スプリング13が配設され、この懸架ス
プリングは第1ばね体及び第2ばね体が直列に配列さ
れ、各ばね体の相互に対向するオープンエンド部が螺合
して重ね合されて構成され、懸架スプリングの両端部が
ばね受け20、21を介して支持されたフロントフォー
ク10において、アウタチューブの上端部内周にばね定
数アジャスタ110が回転自在に配設され、このばね定
数アジャスタの回転操作により、アジャストパイプ2
5、26を介しばね受け20が回転してばね体の重ね合
せ長を変更可能とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロントフォーク
における懸架スプリングのばね特性を調整する二輪車等
のフロントフォークにおけるばね特性調整装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車のフロントフォークは、アウ
タチューブ内にインナチューブが摺動自在に挿通され、
これらのアウタチューブ及びインナチューブ内に、懸架
スプリング及びダンパ装置が配設されて構成される。ア
ウタチューブ、インナチューブの一方が車体側に保持さ
れ、他方が車軸を保持する。このフロントフォークによ
り、路面からの衝撃が上記懸架スプリングにて吸収さ
れ、フロントフォークの伸縮振動が上記ダンパ装置にて
抑制される。
【0003】上述のような自動二輪車のフロントフォー
クにあっては、懸架スプリングが、2つのばね体を直列
配列し、各ばね体の相互に対向する端部が螺合して重ね
合されて構成されたものがある(実開平5-81546 号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような懸架スプ
リングでは、 2本のばね体の重ね合せ部分のばね定数が
他の部分のばね定数に比べ大きくなるので、上記 2本の
ばね体の重ね合せ長(重ね合せ巻数)を変更することに
より、懸架スプリングのばね定数を調整できる。ところ
が、上記公報記載の自動二輪車のフロントフォークで
は、懸架スプリングのばね定数を外部から調整する手段
が開示されていない。
【0005】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、フロントフォークにおける懸架スプ
リングのばね定数を外部から容易に変更して調整できる
二輪車等のフロントフォークにおけるばね特性調整装置
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車体に支持される車体側チューブと車軸を支持する
車軸側チューブとの間に懸架スプリングが配設され、こ
の懸架スプリングは、 2本のばね体が直列に配列され、
各ばね体の相互に対向する端部が螺合して重ね合されて
構成され、上記懸架スプリングの両端部が一対のはね受
けを介して上記両チューブに支持された二輪車等のフロ
ントフォークにおいて、上記車体側チューブの上端部内
周にばね定数アジャスタが回転自在に配設され、このば
ね定数アジャスタは、アジャストパイプのいずれか一方
に軸方向に形成したスリットと上記アジャストパイプの
他方に形成した凸部を介して上記ばね受けの一方に連結
され、このばね定数アジャスタの回転操作により、上記
ばね受けの一方が回転して上記ばね体の重ね合せ長を変
更可能とするようにしたものである。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、上記車体側チューブには、ばね定数ア
ジャスタの内周側にイニシャルアジャスタが回転自在に
配設され、上記ばね定数アジャスタは、アジャストパイ
プのいずれか一方に軸方向に形成したスリットと上記ア
ジャストパイプの他方に形成した凸部を介してばね受け
の一方に連結され、また、上記イニシャルアジャスタ
は、上記アジャストパイプの内周に螺合されたイニシャ
ルアジャスト部材に連結され、上記イニシャルアジャス
タの回転操作により、上記イニシャルアジャスト部材を
介して上記アジャストパイプを軸方向に移動させて、上
記ばね受けの一方を懸架スプリングの軸方向に移動可能
とし、更に、上記車体側チューブの上端部には、上記ば
ね定数アジャスタに係合可能なロック部材が設置され、
上記イニシャルアジャスタの回転操作時に上記ロック部
材により上記ばね定数アジャスタの回転が阻止されるよ
う構成されたものである。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、上記イニシャルアジャスト部材が、ダ
ンパ装置におけるダンパシリンダであるようにしたもの
である。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか一に記載の発明において、上記懸架スプリング
は、巻き方向が反対である 2本のばね体を相互に直列に
配列して構成されたものである。
【0010】請求項1に記載の発明には、次の作用があ
る。複数のばね体の重ね合せ部分は他の部分に比べばね
定数が大きいので、ばね定数アジャスタの回転操作によ
って、一方のばね受けを介しばね体の重ね合せ長(重ね
合せ巻数)を変更することにより、懸架スプリングのば
ね定数を変更できる。従って、フロントフォークにおけ
る懸架スプリングのばね定数を、ばね定数アジャスタを
操作することにより外部から容易に変更して調整でき
る。
【0011】請求項2に記載の発明には、次の作用があ
る。ばね定数アジャスタを回転操作することにより、ア
ジャストパイプを介してばね受けの一方が回転し、懸架
スプリングにおけるばね体の重ね合せ長(重ね合せ巻
数)が変更されるので、懸架スプリングのばね定数を外
部から容易に変更できる。
【0012】また、イニシャルアジャスタの回転操作時
には、ロック部材によってばね定数アジャスタが固定
(回転阻止)されるので、上記イニシャルアジャスタを
回転操作することにより、イニシャルアジャスト部材を
介してアジャストパイプが軸方向に移動する。これによ
り、ばね受けの一方が懸架スプリングの軸方向に移動し
て、懸架スプリングの初期荷重を外部から容易に変更し
て調整できる。
【0013】請求項3に記載の発明には、次の作用があ
る。イニシャルアジャスタに連結されるイニシャルアジ
ャスト部材がダンパ装置のダンパシリンダにて兼用され
ることから、専用のイニシャルアジャスト部材が不要と
なり、部品点数が削減して、フロントフォークのコスト
を低減できる。
【0014】請求項4に記載の発明には、次の作用があ
る。懸架スプリングを構成する直列配列された複数のば
ね体の巻き方向が相互に反対であることから、懸架スプ
リングの伸縮時に発生するねじれを相殺でき、懸架スプ
リングを長寿命化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る二輪車等
のフロントフォークにおけるばね特性調整装置の一つの
実施の形態が適用された自動二輪車のフロントフォーク
を示す縦断面図である。図2は、図1の上部を示す断面
図である。図3は、図1の中央部を示す断面図である。
図4は、図1の下部を示す断面図である。図5は、図1
の懸架スプリングを示す正面図である。図6は、図5の
懸架スプリングを構成するばね体を示し、(A)が第1
ばね体の正面図であり、(B)が図6(A)のVIB 矢視
図であり、(C)が第2ばね体の正面図であり、(D)
が図6(C)のVID 矢視図である。図7は、図2のばね
定数アジャスタを示し、(A)が図7(B)のVIIA-VII
A 線に沿う断面図であり、(B)が図7(A)のVIIB矢
視図である。図8は、図2のロック部材を示し、(A)
が図8(B)のVIIIA-VIIIA 線に沿う断面図であり、
(B)が図8(A)のVIIIB 矢視図である。図9は、図
2及び図3の第1アジャストパイプを示し、(A)が縦
半断面図であり、(B)が図9(A)のIXB 矢視図であ
り、(C)が図9(A)のIXC 矢視図である。図10
は、図3の第2アジャストパイプを示し、(A)が縦半
断面図であり、(B)が図10(A)のX 矢視図であ
る。図11は、図3のアッパばね受けを示し、(A)が
図11(B)のXIA-XIA 線に沿う断面図であり、(B)
が図11(A)のXIB 矢視図である。図12は、図4の
ロアばね受けを示し、(A)が図12(B)のXIIA-XII
A 線に沿う断面図であり、(B)が図12(A)のXIIB
矢視図である。図13は、図1の懸架スプリングの作動
特性を示す作動図である。図14は、比較例としての懸
架スプリングの作動特性を示す作動図である。
【0016】図1に示すように、自動二輪車の倒立型の
フロントフォーク10は、車体側チューブとしてのアウ
タチューブ11内に車軸側チューブとしてのインナチュ
ーブ12が挿通され、両チューブ11及び12間に懸架
スプリング13及びダンパ装置14が内蔵して構成され
たものであり、アウタチューブ11がアッパブラケット
及びロアブラケット(ともに図示せず)を介して車体側
に支持され、インナチューブ12の車軸ブラケット15
に締付ボルト16を用いて車軸が支持される。
【0017】アウタチューブ11の開口端部17の内周
に第1ガイドブッシュ18が、更に、この第1ガイドブ
ッシュ18と離間したアウタチューブ11の内周に、第
2ガイドブッシュ19がそれぞれ固着される。これらの
第1ガイドブッシュ18及び第2ガイドブッシュ19が
インナチューブ12の外周面に摺接して、アウタチュー
ブ11及びインナチューブ12が摺動自在に構成され
る。図1のフロントフォーク10は、最圧縮状態を示
す。
【0018】懸架スプリング13の下端部は、ロアばね
受け21、ロアメタル22及び車軸ブラケット15を介
してインナチューブ12に支持される。つまり、ロアメ
タル22は、図4に示すように、センタボルト23を介
して車軸ブラケット15に固定され、このロアメタル2
2にロアばね受け21の雌ねじ部24(図12)が螺合
される。
【0019】また、図1に示すように、懸架スプリング
13の上端部は、アッパばね受け20、第2アジャスト
パイプ26、後述のダンパシリンダ27、ジョイントピ
ース28及びフォークボルト29を介してアウタチュー
ブ11に支持される。つまり、図3に示すように、アッ
パばね受け20外周の雄ねじ部30(図11)が第2ア
ジャストパイプ26下端部内周の雌ねじ部31(図1
0)に螺合固定されてアッパばね受け20が第2アジャ
ストパイプ26に一体化され、この第2アジャストパイ
プ26の雌ねじ部32とダンパシリンダ27の雄ねじ部
33とが回転自在に螺合されて、第2アジャストパイプ
26がダンパシリンダ27に支持される。第2アジャス
トパイプ26の雌ねじ部32とダンパシリンダ27の雄
ねじ部33は左ねじに形成される。更に、ダンパシリン
ダ27の上端部が、図2に示すようにジョイントピース
28の段部28Aに当接して支持され、このジョイント
ピース28が、アウタチューブ11の上端部内周に螺装
されたフォークボルト29の段部29Aに当接して支持
される。
【0020】上述のように、懸架スプリング13の上端
部、下端部が、それぞれアッパばね受け20を介してア
ウタチューブ11に支持され、ロアばね受け21を介し
てインナチューブ12に支持されて、懸架スプリング1
3は路面からの衝撃力を吸収する。
【0021】また、上記ダンパ装置14は、図1及び図
2に示すように、ジョイントピース28及びフォークボ
ルト29を介してアウタチューブ11に支持されたダン
パシリンダ27と、図1及び図4に示すように、ロアメ
タル22に螺装されて車軸ブラケット15を介しインナ
チューブ12に支持された中空形状のピストンロッド3
4と、ピストン35及びニードル弁36を備えたピスト
ンバルブ機構37と、ダンパシリンダ27内の上方にベ
ースピストン38及びベースニードル弁39を備えたベ
ースバルブ機構40と、を有して構成される。これらの
ピストンバルブ機構37及びベースバルブ機構40によ
り発生する減衰力によって、懸架スプリング13による
衝撃力の吸収に伴い発生するアウタチューブ11及びイ
ンナチューブ12の伸縮運動が抑制される。尚、符号4
1は、ピストンロッド34の抜け止めを果たすロックナ
ットである。
【0022】図1及び図3に示すように、ダンパシリン
ダ27の先端部(下端部)には、先端側からシリンダロ
アキャップ42、ブッシュハウジング43、オイルシー
ルハウジング44及びばね受け45が順次配設され、こ
れらがストッパリング46とキャップ押え47間に挟ま
れてダンパシリンダ27の先端部に固定される。上記ブ
ッシュハウジング43内に第3ガイドブッシュ48が装
着され、この第3ガイドブッシュ48がピストンロッド
34の外周面に摺接可能とされる。オイルシールハウジ
ング44内には、ピストンロッド34の外周面に摺接す
るオイルシール49が収容され、このオイルシール49
により、ダンパシリンダ27内に充填された作動油(油
面H)の漏洩が防止される。尚、ばね受け45にてリバ
ウンドスプリング50が支持される。
【0023】上記ダンパシリンダ27内は、作動油の油
面Hの上方に、図1及び図2に示すように、空気が充填
されたガス室51が形成される。このガス室51内のガ
ス圧がエアバルブ55により調整される。また、ダンパ
シリンダ27内の作動油が充填された領域は、ピストン
35及びベースピストン38を隔てて、ロッド側室52
とピストン側室53とベースバルブ室54とに区画され
る。
【0024】ピストンバルブ機構37におけるピストン
35は、ピストンロッド34の上端部に螺装されたピス
トンホルダ56に取り付けられる。このピストン35に
は、伸側流路57及び圧側流路(図示せず)が軸方向に
貫通して形成され、又、軸方向両端面に伸側バルブ58
及び圧側バルブ(チェックバルブ)59が配設される。
伸側バルブ58は伸側流路57を、圧側バルブ59は圧
側流路をそれぞれ閉止可能とし、共に、ピストン35と
ともにオイルロックカラー60によりピストンホルダ5
6に固定される。
【0025】また、ピストンバルブ機構37におけるニ
ードル弁36は、図1及び図4に示すように、アジャス
トロッド61及びアジャストボール62を介してニード
ル弁アジャスト機構63に連結される。このニードル弁
アジャスト機構63は、車軸ブラケット15に回転自在
に配設されたニードル弁アジャスタ64と、このニード
ル弁アジャスタ64と一体回転可能にロアメタル22内
に支持されたジョイントボルト65と、このジョイント
ボルト65に固定されロアメタル22にクリック機構6
6を介して支持されたアジャストプレート67と、ジョ
イントボルト65のねじ部に螺合されテーパ面68がア
ジャストボール62に当接するアジャストスライダ69
と、を有して構成される。
【0026】ニードル弁アジャスタ64を回転操作する
ことにより、ジョイントボルト65がクリック機構66
にて微小角度間欠的に回転し、これによりアジャストス
ライダ69がジョイントボルト65の軸方向に移動し
て、アジャストスライダ69のテーパ面68がアジャス
トボール62を介しアジャストロッド61をその軸方向
に移動可能とする。この結果、図2及び図3に示すよう
に、ニードル弁36は、ピストンホルダ56との間に形
成されるオリフィス70の流路面積を変更する。このオ
リフィス70とピストンホルダ56の通路71とを経
て、ロッド側室52とピストン側室53とが連通可能と
される。
【0027】ピストンバルブ機構37の伸側バルブ5
8、圧側バルブ59及びニードル弁36によって、イン
ナチューブ12がアウタチューブ11内に侵入するフロ
ントフォーク10の圧縮行程で、ピストン側室53から
の作動油が圧側流路を通り圧側バルブ59を開弁してロ
ッド側室52内へ導かれる。
【0028】また、インナチューブ12がアウタチュー
ブ11から突出するフロントフォーク10の伸長行程で
は、ダンパシリンダ27に対するピストン35の相対速
度が低速のときに、ロッド側室52内の作動油が通路7
1及びオリフィス70を通りピストン側室53へ導か
れ、作動油がオリフィス70を通るときに伸側減衰力が
発生する。また、フロントフォーク10の伸長行程で、
ダンパシリンダ27に対するピストン35の相対速度が
中高速であるときには、ロッド側室52内の作動油が伸
側流路57を経て伸側バルブ58を撓み変形させてピス
トン側室53へ流れ、作動油が伸側バルブ58を変形さ
せるときに伸側減衰力が発生する。
【0029】ダンパシリンダ27とピストン35との相
対速度が低速の場合オリフィス70を作動油が通るとき
に発生する伸側減衰力は、ニードル弁アジャスト機構6
3のニードル弁アジャスタ64を回転操作して、オリフ
ィス70の流路面積を変更することにより調整される。
【0030】一方、ベースバルブ機構40におけるベー
スピストン38は、図1及び図2に示すように、中空形
状のベースホルダ72に固着される。このベースピスト
ン38には、軸方向に貫通して圧側流路73及び伸側流
路(図示せず)が形成され、又、軸方向両端面に圧側バ
ルブ74及び伸側バルブ(チェックバルブ)75が配設
される。圧側バルブ74は圧側流路73を、伸側バルブ
75は伸側流路をそれぞれ閉止可能として、共に、ベー
スホルダ72の下端部に螺着されるオイルロックピース
76によりベースホルダ72に固着される。
【0031】上記ベースホルダ72は、中空形状の中空
ロッド72Aの下端部に螺着固定される。前記アウタチ
ューブ11の上端部に、フォークボルト29及びジョイ
ントピース28を介して支持されたダンパシリンダ27
の上端部には、イニシャルアジャスタ77(後述)が一
体に螺着固定される。このイニシャルアジャスタ77の
内周部に、ダンパシリンダ27の上部つまりガス室51
を密閉するシリンダアッパキャップ78が一体に螺着固
定され、このシリンダアッパキャップ78の下部内周に
上記中空ロッド72Aの上端部が一体に螺着固定され
て、ベースホルダ72がアウタチューブ11に支持され
る。
【0032】上記圧側バルブ74の背面は、バルブ押え
79を介しバルブスプリング80により支持される。こ
のバルブスプリング80の上端は、アジャストカラー8
5に支持される。一方、上記シリンダアッパキャップ7
8の軸方向中央部内周にアジャストケース81の下部外
周部が一体に螺着固定され、これらのシリンダアッパキ
ャップ78の上部とアジャストケース81との間に圧側
バルブアジャスタ82が配設される。この圧側バルブア
ジャスタ82は、アジャストケース81に回転自在に螺
合され、アジャストケース81との間にクリック機構8
3が介在されて、微小角度間欠回転可能に設けられる。
この圧側バルブアジャスタ82の下端面は、シリンダア
ッパキャップ78に貫通配置されたアジャストピン84
に当接し、このアジャストピン84が上記アジャストカ
ラー85の上端面に当接する。
【0033】従って、圧側バルブアジャスタ82を回転
操作することによりアジャストピン84及びアジャスト
カラー85が軸方向に移動し、バルブスプリング80が
伸縮して、バルブ押え79を介し圧側バルブ74へ付与
されるばね力が変更され、これにより圧側バルブ74の
初期開弁圧が調整可能とされる。
【0034】また、ベースバルブ機構40におけるベー
スニードル弁39はベースホルダ72内に収容され、中
空ロッド72A内に収容されたアジャストロッド86を
介してアジャストピン87に回転一体に、且つ軸方向に
進退可能に連結される。アジャストピン87は、アジャ
ストケース81内に回転自在に配設され、上端部にベー
スニードル弁アジャスタ88を備える。このベースニー
ドル弁アジャスタ88を回転操作させることにより、ア
ジャストピン87及びアジャストロッド86を介して、
ベースニードル弁39は、ベースホルダ72との間に形
成されたオリフィス89の流路面積を変更する。このオ
リフィス89、ベースホルダ72の通路90、及びオイ
ルロックピース76の通路91を介してピストン側室5
3とベースバルブ室54とが連通可能とされる。ベース
ニードル弁アジャスタ88は、アジャストケース81と
の間に介在されたクリック機構92により、微小角度間
欠回転可能に設けられる。
【0035】フロントフォーク10の圧縮行程では、図
1に示すように、ダンパシリンダ27のロッド側室52
内にピストンロッド34が侵入するので、この侵入体積
分の作動油がベースバルブ機構40の作用でピストン側
室53からベースバルブ室54へ排出される。つまり、
ダンパシリンダ27に対するピストン35の相対速度が
低速のときには、ピストン側室53内の作動油は、オイ
ルロックピース76の通路91、オリフィス89及びベ
ースホルダ72の通路90を経てベースバルブ室54へ
流れる。作動油がオリフィス89を流れる間に圧側減衰
力が発生する。また、ダンパシリンダ27に対するピス
トン35の相対速度が中高速のときには、ピストン側室
53内の作動油は、ベースピストン38の圧側流路73
を通り圧側バルブ74を撓み変形させてベースバルブ室
54内へ流れる。作動油が圧側バルブ74を撓み変形さ
せる間に圧側減衰力が発生する。
【0036】フロントフォーク10の伸長行程では、ダ
ンパシリンダ27からピストンロッド34が抜け出て、
その分ピストン側室53内の容積が増大するので、ベー
スバルブ室54内の作動油がベースピストン38の伸側
流路を経て伸側バルブ75を開きピストン側室53内へ
流れる。
【0037】ダンパシリンダ27に対するピストン35
の相対速度が低速のときにオリフィス89にて発生する
圧側減衰力は、ベースニードル弁アジャスタ88を回転
操作し、ベースニードル弁39によりオリフィス89の
流路面積を変更することによって調整される。また、ダ
ンパシリンダ27に対するピストン35の相対速度が中
高速のときに圧側バルブ74にて発生する圧側減衰力
は、圧側バルブアジャスタ82を回転操作し、バルブス
プリング80のばね力を変更して圧側バルブ74の初期
開弁圧を変えることにより調整される。
【0038】従って、図1に示すように、フロントフォ
ーク10の圧縮行程では、ベースバルブ機構40におい
て、ベースニードル弁39のオリフィス89或いは圧側
バルブ74を流れる作動油により圧側減衰力が発生し、
ピストンバルブ機構37においては減衰力が殆ど発生し
ない。また、フロントフォーク10の伸長行程では、ピ
ストンバルブ機構37において、ニードル弁36のオリ
フィス70或いは伸側バルブ58を流れる作動油により
伸側減衰力が発生し、ベースバルブ機構40においては
減衰力が殆ど発生しない。これらの圧側及び伸側減衰力
によって、フロントフォーク10の伸縮運動が抑制され
る。
【0039】尚、ピストンホルダ56の上端に設置され
たオイルロックカラー60と、ベースホルダ72の下端
に設置されたオイルロックピース76とは、フロントフ
ォーク10の最圧縮時に緊密状態で嵌合可能に設けられ
る。これにより、フロントフォーク10の最圧縮時に、
オイルロックカラー60とオイルロックピース76との
間で圧縮された作動油によりオイルロック作用が発生
し、フロントフォーク10の圧縮ストローク端での緩衝
が実施される。
【0040】また、ダンパシリンダ27の下端部に配設
されたリバウンドスプリング50は、フロントフォーク
10の最伸長時にピストンホルダ56のばね押え部93
に当接して圧縮される。これにより、フロントフォーク
10の伸長ストローク端での緩衝が実施される。
【0041】更に、アウタチューブ11の開口端部17
には、図4に示すようにシールハウジング94が螺着さ
れる。このシールハウジング94内に、第1ガイドブッ
シュ18に対し軸方向に隣接してオイルシール95が装
着され、このオイルシール95に隣接してダストシール
96が装着される。
【0042】さて、上述のようなフロントフォーク10
においては、図5及び図6に示すように、上記懸架スプ
リング13は、第1ばね体97と第2ばね体98とが直
列に配列され、第1ばね体97と第2ばね体98との互
いに対向するオープンエンド部99が螺合し、一部が重
ね合されて構成される。第1ばね体97及び第2ばね体
98は巻き方向が共に右巻きであり、第1ばね体97の
巻数は第2ばね体98の巻数よりも短く設定される。
【0043】第1ばね体97と第2ばね体98とのオー
プンエンド部99が螺合し得るように、第1ばね体97
の平均径R1 は第2ばね体98の平均径R2 と同一に設
定され、又、第1ばね体97のピッチP1 も第2ばね体
98のピッチP2 と同一に設定される。また、第1ばね
体97の線径d1 と第2ばね体98の線径d2 、並びに
第1ばね体97と第2ばね体98の材質は、両ばね体9
7及び98のばね定数が大きく異ならない範囲で、異な
って設定されてもよい。
【0044】懸架スプリング13においては、上記第1
ばね体97と第2ばね体98とが重ね合された重ね合せ
部101は、第1ばね体97の線径d1 と第2ばね体9
8の線径d2 とを加算した線径となるので、重ね合せ部
101以外の部分に比べばね定数が大きくなる。従っ
て、懸架スプリング13の圧縮時には、重ね合せ部10
1以外の部分が先に撓む(圧縮変形する)。また、同様
の理由で、第1ばね体97と第2ばね体98との重ね合
せ部101の長さ(重ね合せ長L)を変更することによ
り、懸架スプリング13のばね定数が変更可能とされ
る。
【0045】図5及び図6に示すように、懸架スプリン
グ13を構成する第1ばね体97及び第2ばね体98の
クローズドエンド100は、平坦面に端面加工されると
ともに、端末102から約 270°の位置に、凹部103
が形成される。
【0046】図1、図3及び図4に示すように、懸架ス
プリング13をアウタチューブ11とインナチューブ1
2との間に配設させたときには、第1ばね体97のクロ
ーズドエンド100がロアばね受け21に支持され、第
2ばね体98のクローズドエンド100がアッパばね受
け20に支持される。
【0047】アッパばね受け20及びロアばね受け21
は、それぞれ図11、図12に示すように、フランジ部
104を備えた略リング形状であり、これらのフランジ
部104にて第1ばね体97、第2ばね体98のクロー
ズドエンド100が支持される。このフランジ部104
に凸部105が形成され、第1ばね体97、第2ばね体
98の凹部103が上記凸部105に係合可能とされ
る。尚、アッパばね受け20の雌ねじ部106と、ロア
ばね受け21の雄ねじ部107にばねガイド108、1
09(図1)がそれぞれ螺着固定される。また、これら
の雌ねじ部106及び雄ねじ部107は左ねじに形成さ
れている。
【0048】ところで、図1〜図3に示すように、アウ
タチューブ11の上端部には、フォークボルト29の内
周側にばね定数アジャスタ110が回転自在に配設され
る。このばね定数アジャスタ110にジョイントピース
28を介して、第1アジャストパイプ25及び第2アジ
ャストパイプ26が連結され、この第2アジャストパイ
プ26に前述の如くアッパばね受け20が螺着固定され
る。
【0049】ばね定数アジャスタ110は、図7に示す
ように、六角面111及び段部112を備える円筒形状
であり、六角面111と反対側の端部に雄ねじ部113
を有する。この雄ねじ部113にジョイントピース28
の上部が一体に螺着固定される。
【0050】また、第1アジャストパイプ25は、図9
に示すようにパイプ形状であり、上端部に雌ねじ部11
4が形成され、下部が若干縮径されるとともに、下端部
の外周面に凸部115が形成される。雌ねじ部114
に、ジョイントピース28が一体に螺着固定される。
【0051】また、第2アジャストパイプ26は、図1
0に示すようにパイプ形状であり、上部が若干拡径され
て、第1アジャストパイプ25の縮径下部に嵌合される
とともに、この上部にスリット116が形成される。こ
のスリット116は、軸方向に延在して形成され、第2
アジャストパイプ26の拡径上部が第1アジャストパイ
プ25の縮径下部に嵌合された際に、第1アジャストパ
イプ25の凸部115を嵌め込み可能とする。この凸部
115とスリット116との嵌合により、第1アジャス
トパイプ25と第2アジャストパイプ26とが一体回転
可能に設けられる。その他、この第2アジャストパイプ
26の内周面には、軸方向中央位置に雌ねじ部32が、
下端部に雌ねじ部31が前述の如く刻設される。雌ねじ
部32がダンパシリンダ27の雄ねじ部33に回転自在
に螺合され、雌ねじ部31がアッパばね受け20の雄ね
じ部30に一体に螺合され、アッパばね受け20が第2
アジャストパイプ26に固定される。
【0052】図2及び図8に示すように、フォークボル
ト29とばね定数アジャスタ110との間に、ロックス
プリング121により上方に付勢された状態でロック部
材117が装着される。このロック部材117はリング
形状であり、上端部内周面にばね定数アジャスタ110
の六角面111に嵌合可能な六角面118が形成される
とともに、下端部に挿通孔119が形成される。この挿
通孔119は、ロック部材117の下端面に開口すると
ともに、フォークボルト29に螺装されたボルト120
を挿通可能とする。従って、ロック部材117は、ロッ
クスプリング121に付勢されて六角面118がばね定
数アジャスタ110の六角面111に嵌合した通常の状
態では、ばね定数アジャスタ110の回転を阻止し、ロ
ック部材117をロックスプリング121の付勢力に抗
して下方へ押圧し、ロック部材117の六角面118を
ばね定数アジャスタ110の六角面111から外した状
態では、ばね定数アジャスタ110を回転可能とする。
【0053】従って、ロック部材117を下方に押圧し
てばね定数アジャスタ110を回転可能とした状態で、
このばね定数アジャスタ110を回転操作することによ
り、ジョイントピース28を介して第1アジャストパイ
プ25が一体に回転し、この第1アジャストパイプ25
の突部115と第2アジャストパイプ26のスリット1
16との嵌合により、第2アジャストパイプ26が第1
アジャストパイプ25と同期回転してアッパばね受け2
0を回転させる。アッパばね受け20、ロアばね受け2
1の凸部105が懸架スプリング13における第2ばね
体98、第1ばね体97の凹部103にそれぞれ係合さ
れているので、上記アッパばね受け20の回転により、
第2ばね体98が第1ばね体97に対し相対的に回転
し、軸方向に移動して、第1ばね体97と第2ばね体9
8の重ね合せ部101の重ね合せ長L(重ね合せ巻数)
が変更され、懸架スプリング13のばね定数が調整され
る。
【0054】一方、図1及び図2に示すように、アウタ
チューブ11の上端部には、ばね定数アジャスタ110
の内周側に、このばね定数アジャスタ110の段部11
2上に係止された状態で、イニシャルアジャスタ77が
回転自在に配設される。このイニシャルアジャスタ77
は、上端部外周に六角面122が形成され、下端外周部
が前述の如くダンパシリンダ27の上端内周部に一体に
螺着固定される。このダンパシリンダ27は、イニシャ
ルアジャスト部材として機能し、左ねじの雄ねじ部33
及び雌ねじ部32を介して第2アジャストパイプ26に
回転自在に螺合される。
【0055】従って、イニシャルアジャスタ77を回転
操作することによりダンパシリンダ27が一体に回転
し、第2アジャストパイプ26のスリット116に第1
アジャストパイプ25の突部115が嵌合して、後述の
ロック部材117の作用により第2アジャストパイプ2
6が回転阻止されているので、雄ねじ部33と雌ねじ部
32の螺合により第2アジャストパイプ26が軸方向に
移動する。この第2アジャストパイプ26の軸方向の移
動により、アッパばね受け20が懸架スプリング13の
軸方向に移動して、懸架スプリング13の初期荷重の設
定が調整される。
【0056】尚、上記イニシャルアジャスタ77の回転
操作時には、ロック部材117がばね定数アジャスタ1
10に嵌合して、このばね定数アジャスタ110並びに
第1及び第2アジャストパイプ25、26の回転が阻止
される。また、イニシャルアジャスタ77の外周部には
ばね定数アジャスタ110との間にOリング123が装
着され、又、ダンパシリンダ27の外周部には第1アジ
ャストパイプ25との間にOリング123が装着され
て、ばね定数アジャスタ110の回転操作時に、イニシ
ャルアジャスタ77及びダンパシリンダ27が連れ回り
するよう設けられる。
【0057】次に、上述のように、ばね定数アジャスタ
110、第1アジャストパイプ25、第2アジャストパ
イプ26、アッパばね受け20、ロアばね受け21及び
ロック部材117にて構成されたばね定数アジャスト機
構と、イニシャルアジャスタ77、ダンパシリンダ2
7、第1アジャストパイプ25、第2アジャストパイプ
26、アッパばね受け20及びロアばね受け21により
構成されたイニシャルアジャスト機構の作用をそれぞれ
説明する。
【0058】懸架スプリング13の初期荷重を変更する
には、イニシャルアジャスト機構のイニシャルアジャス
タ77を回転操作する。ダンパシリンダ27の雄ねじ部
33と第2アジャストパイプ26の雌ねじ部32とが左
ねじであるため、イニシャルアジャスタ77を右回転操
作すれば、ダンパシリンダ27を介し第2アジャストパ
イプ26が軸方向下方へ移動して懸架スプリング13が
圧縮され、この懸架スプリング13の初期荷重が高めら
れる。また、イニシャルアジャスタ77を左回転操作す
れば、第2アジャストパイプ26が軸方向上方へ移動し
て懸架スプリング13が伸長し、この懸架スプリング1
3の初期荷重が低められる。
【0059】懸架スプリング13のばね定数を変更する
には、ばね定数アジャスト機構のロック部材117をス
パナ等の自重で押し下げて、このロック部材117の六
角面118をばね定数アジャスタ110の六角面111
から外し、この状態でばね定数アジャスタ110を回転
操作する。このばね定数アジャスタ110を右回転操作
することにより、ジョイントピース28、第1アジャス
トパイプ25及び第2アジャストパイプ26を介してア
ッパばね受け20が右回転し、懸架スプリング13の第
2ばね体98が第1ばね体97に対し相対的に右回転し
て、両ばね体97及び98が更に螺合し、これらのばね
体97及び98の重ね合せ部101の重ね合せ長Lが増
大して、懸架スプリング13のばね定数が大きくなる。
【0060】また、ばね定数アジャスタ110を左回転
操作することにより、ジョイントピース28、第1アジ
ャストパイプ25及び第2アジャストパイプ26を介し
てアッパばね受け20が左回転し、懸架スプリング13
の第2ばね体98が第1ばね体97に対して相対的に左
回転し、両ばね体97及び98の重ね合せ部101の重
ね合せ長Lが減少して、懸架スプリング13のばね定数
が小さくなる。
【0061】ばね定数アジャスタ110を右回転して懸
架スプリング13のばね定数を大きくしたときには、懸
架スプリング13の軸長が短くなり初期荷重が変更され
るので、このばね定数アジャスタ110の右回転操作終
了後ロック部材117にてばね定数アジャスタ110を
回転阻止した後に、イニシャルアジャスタ77を右回転
操作してアッパばね受け20を懸架スプリング13の軸
方向に下降させ、懸架スプリング13の初期荷重を適正
な値に調整する。また、ばね定数アジャスタ110を左
回転して懸架スプリング13のばね定数を小さくしたと
きには、この懸架スプリング13の軸長が長くなるの
で、ばね定数アジャスタ110の左回転操作終了後ロッ
ク部材117にてばね定数アジャスタ110の回転を阻
止した後に、イニシャルアジャスタ77を左回転操作し
てアッパばね受け20を懸架スプリング13の軸方向に
上昇させ、この場合も懸架スプリング13の初期荷重を
適正な値に調整する。
【0062】上記実施の形態によれば、次の〜の効
果を奏する。 ばね定数アジャスタ110を回転操作することによ
り、第1アジャストパイプ25及び第2アジャストパイ
プ26を介してアッパばね受け20が回転操作し、懸架
スプリング13における第1ばね体97及び第2ばね体
98の重ね合せ部101の重ね合せ長Lが変更されるの
で、フロントフォーク10における懸架スプリング13
のばね定数を、ばね定数アジャスタ110を回転操作す
ることにより外部から容易に変更して調整することがで
きる。
【0063】また、イニシャルアジャスタ77の回転
操作時には、ロック部材117によってばね定数アジャ
スタ110が回転阻止されるので、上記イニシャルアジ
ャスタ77を回転操作することにより、イニシャルアジ
ャスト部材としてのダンパシリンダ27を介して第2ア
ジャストパイプ26が軸方向に移動する。これにより、
アッパばね受け20が懸架スプリング13の軸方向に移
動して、懸架スプリング13の初期荷重を外部から容易
に変更して調整できる。
【0064】更に、イニシャルアジャスタ77に連結
されるイニシャルアジャスト部材がダンパシリンダ装置
14のダンパシリンダ27にて兼用されたことから、専
用のイニシャルアジャスト部材が不要となり、部品点数
が削減してフロントフォーク10のコストを低減でき
る。
【0065】懸架スプリング13の重ね合せ部101
は、図1に示すように、アッパばね受け20及びロアば
ね受け21にて支持されていない部分であるため、懸架
スプリング13の圧縮時に軸線が折れ曲る座屈現象を生
じ易く、このとき、座屈した重ね合せ部101がインナ
チューブ12の内周面に接触して、このインナチューブ
12の内周面に擦れてしまう。また、懸架スプリング1
3における重ね合せ部101以外の部分は、この重ね合
せ部101に比べばね定数が小さいので、懸架スプリン
グ13の圧縮時に、重ね合せ部101よりも先に撓む。
【0066】そこで、仮に、図14に示すように、懸架
スプリング13を構成する第1ばね体97と第2ばね体
98との軸長(つまり巻数)が同一であると、懸架スプ
リング13の最伸長時に軸方向中央位置にあった重ね合
せ部101のA点(このA点は図14(A)に示すよう
に車軸ブラケット15から距離Mの位置にある。)は、
懸架スプリング13の最圧縮時にも軸方向中央位置にあ
り(図14(B)に示すように、A点は車軸ブラケット
15から距離Nの位置にある。)、その移動距離Sは
(M−N)となる。このため、フロントフォーク10の
圧縮行程で懸架スプリング13の重ね合せ部101が座
屈し、重ね合せ部101のA点が上記移動距離Sを移動
する間にインナチューブ12の内周面に擦れて、懸架ス
プリング13のばね特性にスティック現象が生ずる。
【0067】これに対し、本実施の形態では、図13に
示すように、懸架スプリング13を構成する第1ばね体
97及び第2ばね体98のうち、第1ばね体97の軸長
(巻数)が第2ばね体98よりも小さく形成されている
ので、懸架スプリング13の圧縮時における第1ばね体
97の撓み量は、第2ばね体98よりも小さい。このた
め、図13(A)に示す懸架スプリング13の最伸長時
に、車軸ブラケット15から距離mの位置にあった重ね
合せ部101のa点は、図13(B)に示す懸架スプリ
ング13の最圧縮時に車軸ブラケット15から距離nの
位置にきて、その移動距離sは(m−n)となる。この
a点の移動距離sは、図14に示すA点の移動距離Sよ
りも小さいので、フロントフォーク10の圧縮行程で懸
架スプリング13の重ね合せ部101が座屈し、この重
ね合せ部101のa点がインナチューブ12の内周面に
擦れる距離が短くなる。このため、懸架スプリング13
のばね特性においてスティック現象が抑制され、ばね特
性を良好にすることができる。
【0068】尚、上記実施の形態では、懸架スプリング
13を構成する第1ばね体97と第2ばね体98とが共
に右巻きのばね体であるものを述べたが、第1ばね体9
7と第2ばね体98の一方が左巻きで、他方が右巻きの
ばね体であってもよい。この場合には、懸架スプリング
13の伸縮時に発生するねじれを相殺でき、懸架スプリ
ング13を長寿命化できる。
【0069】また、上記実施の形態では、イニシャルア
ジャスト部材がダンパ装置14におけるダンパシリンダ
27の場合を述べたが、イニシャルアジャスト部材をダ
ンパシリンダ27と別体に設けてこのダンパシリンダ2
7の外側に配置し、イニシャルアジャスタ77に連結し
てもよい。
【0070】また、上記実施の形態では、ダンパ装置1
4のダンパシリンダ27が、ジョイントピース28及び
フォークボルト29を介してアウタチューブ11に支持
され、ダンパ装置14のピストンロッド34がロアメタ
ル22及び車軸ブラケット15を介してインナチューブ
12に支持されるものを述べたが、ダンパシリンダ27
を車軸ブラケット15を介してインナチューブ12にて
支持させ、ピストンロッド34をイニシャルアジャスタ
77の内側に配設してアウタチューブ11にて支持させ
てもよい。
【0071】更に、懸架スプリング13の巻き数の短い
第1ばね体97をアッパばね受け20にて支持させ、巻
き数の多い第2ばね体98をロアばね受け21にて支持
させてもよい。また、本発明を、正立型のフロントフォ
ークに適用してもよい。
【0072】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る二輪車等の
フロントフォークにおけるばね特性調整装置によれば、
フロントフォークにおける懸架スプリングのばね定数を
外部から容易に変更して調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る二輪車等のフロントフォ
ークにおけるばね特性調整装置の一つの実施の形態が適
用された自動二輪車のフロントフォークを示す縦断面図
である。
【図2】図2は、図1の上部を示す断面図である。
【図3】図3は、図1の中央部を示す断面図である。
【図4】図4は、図1の下部を示す断面図である。
【図5】図5は、図1の懸架スプリングを示す正面図で
ある。
【図6】図6は、図5の懸架スプリングを構成するばね
体を示し、(A)が第1ばね体の正面図であり、(B)
が図6(A)のVIB 矢視図であり、(C)が第2ばね体
の正面図であり、(D)が図6(C)のVID 矢視図であ
る。
【図7】図7は、図2のばね定数アジャスタを示し、
(A)が図7(B)のVIIA-VIIA線に沿う断面図であ
り、(B)が図7(A)のVIIB矢視図である。
【図8】図8は、図2のロック部材を示し、(A)が図
8(B)のVIIIA-VIIIA 線に沿う断面図であり、(B)
が図8(A)のVIIIB 矢視図である。
【図9】図9は、図2及び図3の第1アジャストパイプ
を示し、(A)が縦半断面図であり、(B)が図9
(A)のIXB 矢視図であり、(C)が図9(A)のIXC
矢視図である。
【図10】図10は、図3の第2アジャストパイプを示
し、(A)が縦半断面図であり、(B)が図10(A)
のX 矢視図である。
【図11】図11は、図3のアッパばね受けを示し、
(A)が図11(B)のXIA-XIA 線に沿う断面図であ
り、(B)が図11(A)のXIB 矢視図である。
【図12】図12は、図4のロアばね受けを示し、
(A)が図12(B)のXIIA-XIIA 線に沿う断面図であ
り、(B)が図12(A)のXIIB矢視図である。
【図13】図13は、図1の懸架スプリングの作動特性
を示す作動図である。
【図14】図14は、比較例としての懸架スプリングの
作動特性を示す作動図である。
【符号の説明】
10 フロントフォーク 11 アウタチューブ(車体側チューブ) 12 インナチューブ(車軸側チューブ) 13 懸架スプリング 20 アッパばね受け 21 ロアばね受け 25 第1アジャストパイプ 26 第2アジャストパイプ 27 ダンパシリンダ 29 フォークボルト 77 イニシャルアジャスタ 97 第1ばね体 98 第2ばね体 99 オープンエンド部 101 重ね合せ部 110 ばね定数アジャスタ 117 ロック部材 L 重ね合せ長

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に支持される車体側チューブと車軸
    を支持する車軸側チューブとの間に懸架スプリングが配
    設され、この懸架スプリングは、 2本のばね体が直列に
    配列され、各ばね体の相互に対向する端部が螺合して重
    ね合されて構成され、上記懸架スプリングの両端部が一
    対のはね受けを介して上記両チューブに支持された二輪
    車等のフロントフォークにおいて、 上記車体側チューブの上端部内周にばね定数アジャスタ
    が回転自在に配設され、このばね定数アジャスタは、ア
    ジャストパイプのいずれか一方に軸方向に形成したスリ
    ットと上記アジャストパイプの他方に形成した凸部を介
    して上記ばね受けの一方に連結され、このばね定数アジ
    ャスタの回転操作により、上記ばね受けの一方が回転し
    て上記ばね体の重ね合せ長を変更可能とすることを特徴
    とする二輪車等のフロントフォークにおけるばね特性調
    整装置。
  2. 【請求項2】 上記車体側チューブには、ばね定数アジ
    ャスタの内周側にイニシャルアジャスタが回転自在に配
    設され、 上記ばね定数アジャスタは、アジャストパイプのいずれ
    か一方に軸方向に形成したスリットと上記アジャストパ
    イプの他方に形成した凸部を介してばね受けの一方に連
    結され、 また、上記イニシャルアジャスタは、上記アジャストパ
    イプの内周に螺合されたイニシャルアジャスト部材に連
    結され、上記イニシャルアジャスタの回転操作により、
    上記イニシャルアジャスト部材を介して上記アジャスト
    パイプを軸方向に移動させて、上記ばね受けの一方を懸
    架スプリングの軸方向に移動可能とし、 更に、上記車体側チューブの上端部には、上記ばね定数
    アジャスタに係合可能なロック部材が設置され、上記イ
    ニシャルアジャスタの回転操作時に上記ロック部材によ
    り上記ばね定数アジャスタの回転が阻止されるよう構成
    された請求項1に記載の二輪車等のフロントフォークに
    おけるばね特性調整装置。
  3. 【請求項3】 上記イニシャルアジャスト部材が、ダン
    パ装置におけるダンパシリンダである請求項2に記載の
    二輪車等のフロントフォークにおけるばね特性調整装
    置。
  4. 【請求項4】 上記懸架スプリングは、巻き方向が反対
    である 2本のばね体を相互に直列に配列して構成された
    請求項1〜3のいずれか一に記載の二輪車等のフロント
    フォークにおけるばね特性調整装置。
JP19853396A 1996-07-10 1996-07-10 二輪車等のフロントフォークにおけるばね特性調整装置 Expired - Fee Related JP3889086B2 (ja)

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