JPH09292491A - 可燃性ガス濃度低減装置及びその制御方法 - Google Patents

可燃性ガス濃度低減装置及びその制御方法

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JPH09292491A
JPH09292491A JP8107196A JP10719696A JPH09292491A JP H09292491 A JPH09292491 A JP H09292491A JP 8107196 A JP8107196 A JP 8107196A JP 10719696 A JP10719696 A JP 10719696A JP H09292491 A JPH09292491 A JP H09292491A
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gas
gas concentration
catalyst
oxygen
combustible gas
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JP8107196A
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Tadashi Fujii
正 藤井
Shozo Yamanari
省三 山成
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可燃性ガス濃度低減装置において、シビアアク
シデントのように大量の水素ガスが発生した場合の余剰
水素ガスを効率良く処理する。 【解決手段】原子炉格納容器内に複数配置される可燃性
ガス濃度低減装置100は、収納容器3内に水素ガスと
酸素ガスを反応させる触媒1を収納する。さらに、触媒
1に酸素を含むガスを供給するノズル3、配管4、弁6
を有するガス供給手段と、格納容器内の可燃性ガス(水
素、酸素)の濃度を検出する検出管7と濃度計8を有す
る濃度検出手段と、前記濃度検出手段が検出したガス濃
度に基づいて弁6を開閉する制御系(点線)からなる。
余剰水素ガスのある場合、収納容器3内に酸素ガスを供
給して、触媒1で余剰水素ガスと反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉格納容器内
の可燃性ガス低減装置及び、設計基準を超えるようなシ
ビアアクシデントが発生した場合の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉の安全設計では、設計基準事象と
して考慮している冷却材喪失事故が発生した場合に、原
子炉格納容器内において以下のような可燃性ガスの発生
が想定している。
【0003】まず、原子炉圧力容器内の燃料温度が上昇
することで、燃料被覆材のジルコニウムと水が反応して
水素ガスが発生する。また、配管破断部から放出された
放射性物質が圧力抑制プールへ流入し、水の放射線分解
によって水素ガスと酸素ガスが発生する。なお、沸騰水
型原子炉では、通常運転中、原子炉格納容器内は窒素ガ
スで置換されているため、初期の酸素ガス濃度は3.5
%以下に抑制されている。
【0004】図3に、水素、酸素の組成と可燃限界の関
係を示す。事故発生により、原子炉格納容器で水素ガス
と酸素ガスの濃度が上昇する。水素ガス濃度4%以上か
つ酸素ガス濃度5%以上の濃度に達すると、図示のよう
に可燃限界となり、自然発火して原子炉格納容器の安全
性が損なわれる危険性がある。このため、水素ガスと酸
素ガスを再結合させる可燃性ガス濃度制御系が設けられ
る。
【0005】沸騰水型原子炉における従来の可燃性ガス
濃度制御系の概略を図2に示す。系統構成は再結合装置
を主体とし、ブロア15、加熱器16、熱反応式再結合
器17、冷却器18、セパレータ19、配管弁類及び計
測制御装置からなる。設計上想定している冷却材喪失事
故が発生した場合には、可搬式の再結合装置を原子炉建
屋に運搬し、搬入・据付を行う。そして、ドライウエル
12から原子炉格納容器11内のガスをブロア15で吸
引し、加熱器16を介して再結合器17で水素ガスと酸
素ガスを熱反応により再結合させる。再結合反応で生じ
た蒸気は、冷却器18で凝縮された後、セパレータ19
で水分を除去して、残りのガスはウェットウエル13に
戻される。
【0006】この他にも、事故時の可燃性ガスの濃度を
低減する方法としては、特開平3−200097号公報
や特公平4−6950号公報に記載のように、原子炉格
納容器11の外部に設置される可搬式の再結合装置を含
む配管部の途中に水素吸収装置を設置した例がある。ま
た、特開昭58−135991号公報に記載のように、
原子炉格納容器11内に水素ガスを酸化する触媒を設置
する例が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】設計で想定すべき事故
事象を超えるようなシビアアクシデントが発生して、溶
融したデブリと水との反応によって大量の水素ガスが発
生するような場合には、格納容器内の水素ガスは酸素ガ
スに比べて相対的に多くなる。このため、上記した再結
合装置では、再結合器17で水素ガスと酸素ガスを反応
させても、格納容器11内に余剰の水素ガスが残ってし
まう。この状態は、図3に示す不燃領域に入り、直ちに
燃焼を生じることはないが、原子炉運転上の不安が残
る。しかし、従来の再結合装置では余剰水素ガスの処理
については考慮されていなかった。
【0008】また、従来の再結合装置は原子炉格納容器
の外部に設置されているので、可燃性ガスを導くための
配管や格納容器貫通部での隔離弁が必要となるので、設
備コストが増加するのみならず保守上の問題が増加す
る。さらに、可搬式の再結合装置では、ブロア15や加
熱器16、冷却器18への冷却水の供給用ポンプなどを
作動させるのに、動力源を必要する。
【0009】さらに、特開昭58−135991号のよ
うに、格納容器内部に触媒を設置している場合にも、通
常運転中に触媒に付着するゴミの影響や、定検時などに
触媒機能の劣化を検査できない等の問題がある。
【0010】本発明の第1の目的は、シビアアクシデン
トのように大量の水素ガスが発生した場合においても、
原子炉格納容器内の余剰水素ガスを効率的に処理する、
可燃性ガス濃度低減装置及びその制御方法を提供するこ
とにある。
【0011】本発明の第2の目的は、可燃性ガス処理機
能の劣化防止あるいは保守点検を容易にし、信頼性の高
い可燃性ガス濃度低減装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的は、水
素ガスと酸素ガスを反応させる触媒と、その触媒を収納
した収納容器を備え、原子炉格納容器内に複数配置され
た可燃性ガス濃度低減装置において、前記収納容器内の
前記触媒の下方位置に、水素ガス吸収体を配置したこと
により達成される。
【0013】この構成による作用として、触媒での水素
と酸素の反応熱により、格納容器内でガスの循環流が形
成され、前記収納装置への可燃性ガスの流入量が増加す
る。従って、水素ガス吸収体を収納容器内に設置してお
くことで、水素ガスの吸収が容易になる。さらに、触媒
出口部では水素と酸素の反応熱によりガス温度が上昇す
る。しかし、水素吸収体を触媒の下方位置に設けている
ので、温度上昇による水素ガスの吸収体からの再放出を
防止できる。
【0014】これによれば、シビアアクシデント時に相
対的に多量の水素ガスが発生しても、水素ガスを一旦、
水素ガス吸収体により選択的に吸収することで水素ガス
濃度を低減でき、水素と酸素の割合を近付けてから触媒
による反応を行なうので、極めて簡単な構成によって余
剰水素ガスが効率よく低減できる。
【0015】また、上記の第1の目的は、本発明による
以下の構成によっても達成される。即ち、水素ガスと酸
素ガスを反応させる触媒と、その触媒を収容した収納容
器を備え、原子炉格納容器内に複数配置した可燃性ガス
濃度低減装置において、前記触媒に酸素または酸素を含
むガスを供給する酸素ガス供給手段と、前記格納容器内
の可燃性ガス(水素及び酸素)の濃度を検出する濃度検
出手段を設け、検出したガス濃度に基づいて前記酸素ガ
ス供給手段による酸素ガスの供給を制御することにより
達成される。
【0016】これによれば、酸素ガス濃度に比べて水素
ガス濃度が相対的に高いことを濃度検出手段で検出す
る。酸素ガスまたは酸素を含む空気などを供給する酸素
ガス供給手段では、水素ガス濃度が高い場合に酸素ガス
との割合に応じて、触媒を収納した収納容器内に酸素ガ
スを供給し、触媒で余剰水素ガスと反応させることで、
効率的に余剰水素ガスを処理できる。
【0017】上記の第2の目的は、上記の第1の目的に
対する可燃性ガス濃度低減装置において、通常運転時は
閉止状態となっている収納容器の出入口部が、事故時の
格納容器内の温度や圧力の上昇を検知して開放する機構
を有することによって達成される。
【0018】これによれば、通常運転時は閉止状態とな
っている収納容器の出入口部が、事故時の格納容器内の
温度や圧力の上昇を検知して開放する機構を有すること
により、通常運転時のごみなどが触媒表面に付着するこ
とを防止して、事故時に作用する触媒の機能劣化を予防
できる。
【0019】また、上記第2の目的は、上記の第1の目
的に対する可燃性ガス濃度低減装置において、触媒の下
方に濃度既知の可燃性ガスを供給する検査用ガス供給手
段と、触媒の上方に水素ガス濃度の検出手段を備えるこ
とによって達成される。
【0020】これによれば、原子力発電所の定期点検時
において、収納容器の出入口部が閉じた状態で、検査用
ガスを触媒の下方から供給し、触媒で検査用ガスを反応
させ、収納容器出口部での水素ガス濃度を検出すること
で、触媒での反応効率を評価することができ、可燃性ガ
ス濃度低減装置の点検検査が容易になる。
【0021】なお、上記した本発明の各構成は、適宜な
組合せが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複数の実施形態に
ついて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】〔実施形態1〕実施形態1は主として上記
第1の目的に対応するものであり、図1、図3〜7によ
り説明する。
【0024】図1は、可燃性ガス濃度低減装置の概略の
構成を示す。可燃性ガス濃度低減装置100は、収納容
器3内に触媒1を配置し、支持構造物2により固定して
いる。触媒1の材質としては、従来より周知のように、
可燃性ガス濃度が低い状態からでも作動する白金やパラ
ジウムを用いるものとする。触媒1は複数のプレート状
に成形し、各プレートの間隙を可燃性ガスが流れる構造
としている。可燃性ガスが流れる際の流動抵抗を少なく
するには、触媒1を金網メッシュ状の構造とすることも
可能である。
【0025】触媒1の下方には、酸素を含むガス(たと
えば、空気)を供給するための配管4、ノズル5を設け
るとともに、収納容器3の入口部には可燃性ガス濃度検
出器8とその検出配管7を設け、検出した水素ガス・酸
素ガス濃度から配管4に設けた弁6の開度を調整する制
御系(点線にて略記)も備える。
【0026】図4に、可燃性ガス濃度低減装置を配置し
た原子炉格納容器内の構成を示す。原子炉格納容器11
内では、水素ガスの集まりやすいドライウエル12やウ
ェットウエル13の上方位置に、可燃性ガス濃度低減装
置100の収納容器3をより多く配置する。このうち、
ドライウエル12に配置した収納容器3は、原子炉格納
容器11外側の冷却水プール34内の熱交換器30の入
口配管部に相対して配置される。
【0027】収納容器3への酸素ガス供給手段として
は、通常は窒素ガスで置換されている原子炉格納容器1
1内に、定期点検時に検査員が立ち入れるように、窒素
ガスを排気して酸素濃度を上昇させる格納容器調気系を
利用する。すなわち、格納容器調気系のブロア22と配
管23、24と、可燃性ガス濃度低減装置100の配管
4を接続する。あるいは、格納容器11内に小型の空気
ボンベや酸素ボンベを設置し、配管4と接続することで
もよい。
【0028】ところで、冷却材喪失事故のような設計基
準事故においては、安全解析上、炉心に存在するジルコ
ニウムの0.73%が水と反応すると想定している。例
えば、130万kWe級の原子炉の場合には、約150
Nm3 の水素ガスが発生する。また、水の放射線分解
では、原子炉スクラムから1000秒後において16N
m3/hの水素ガス(酸素ガスはその半分)が発生する
が、時間とともにガス発生量は減少する。この水−金属
反応と放射線分解による水素ガスの発生量は、格納容器
11内のドライウエル12とウェットウエル13の容積
に比べて非常に小さい。このため、初期の水素ガス濃度
はドライウエル12側で約3%であり、その後の水素ガ
ス濃度の増加率も緩慢となる。なお、格納容器11内の
初期酸素ガス濃度は、通常運転時に窒素ガスで置換され
ているため約3.5%以下に維持されており、その後放
射線分解により酸素ガス濃度も徐々に増加する。
【0029】本実施形態では、図3に示す可燃限界(水
素ガス濃度4%以上かつ酸素ガス濃度5%以上)より低
い濃度から作動する触媒1を収納した容器3を、格納容
器11の空間部の上方位置に多数配置しているので、設
計基準事故で発生した低濃度の水素ガスと酸素ガスは触
媒1で反応する。したがって、ガス供給配管4から酸素
ガスを供給することなく、水素ガスを処理できる。
【0030】次に、シビアアクシデントのように溶融し
たデブリと水が反応して大量の水素ガスと蒸気が発生し
た場合を想定する。最も厳しい想定として、水とジルコ
ニウムの反応割合を100%とした場合には、約200
00Nm3 (約900kg)の水素ガスが発生するの
で、水素ガス濃度は急激に増加する。この場合、水素ガ
ス濃度が酸素ガス濃度に比べて相対的に高くなるので、
酸素ガスが触媒1で全量反応した後でも余剰水素ガスが
残る。この場合、酸素量が少ないため可燃限界には達し
ていないが、余剰水素ガスは残っている。
【0031】図5に、余剰水素ガス状態での酸素を含む
ガスの供給制御方法を示す。濃度検出器8で水素ガス濃
度と酸素ガス濃度を検出し(S1)、H2 濃度が所定
量以上か、H2 濃度がO2 濃度以上か判定し(S2,
S3)、それら条件を満たしている場合に、弁6を開放
してO2 ガスを供給する(S4)。
【0032】例えば、水素ガス濃度が4%以上で、かつ
酸素ガス濃度が通常運転時の3.5%以下と水素ガス濃
度に比べて非常に低い場合にのみ、ガス供給配管4に設
けた弁6を開放し、格納容器調気系等から酸素ガス(空
気でもよい)をノズル5から収納容器3内に徐々に注入
する。この結果、収納容器3内に注入された酸素ガス
は、格納容器11へ拡散することなく、触媒1で確実に
水素ガスと反応させることができる。水素ガス濃度が十
分低いレベル(例えば4%以下)になるまで、ガス供給
配管4に設けた弁6から酸素を含むガスの供給すること
で、触媒1を用いて余剰水素ガスを効率的に処理でき
る。
【0033】ところで、触媒1では、水素ガスと酸素ガ
スの反応により水蒸気が生成し、格納容器11内の可燃
性ガス濃度は低減する。しかし、格納容器11内の蒸気
分圧は増加するので、格納容器外部の熱交換器によって
格納容器圧力を低減する。本実施形態では、圧力の低減
を速めて事故を収束させるために、ドライウエル12の
可燃性ガス濃度低減装置3の出口と外部の熱交換器30
の入口配管部を相対している。
【0034】図6は、格納容器外部の熱交換器と可燃性
ガス濃度低減装置の配置と作用を説明する概念図であ
る。可燃性ガス濃度低減装置100の収納容器3は、そ
の出口部を熱交換器30の入口配管31と相対して配置
される。また、入口配管31を、ジェットポンプ形状と
する。これにより、水素ガスと酸素ガスの反応熱によっ
て触媒1の出口部に生じる上昇流を利用して、配管31
の入口周囲の格納容器11内のガスをあわせて吸引し、
熱交換器30に導くことができる。
【0035】熱交換器30では、冷却水プール34との
温度差によって、伝熱管で蒸気が凝縮する。熱交換器3
0の下部ヘッダで、凝縮水と窒素ガスのような不凝縮性
ガスを分離し、凝縮水は配管33から原子炉圧力容器1
0等へ供給し、不凝縮性ガスは配管32からウェットウ
エル13へ排出する。このように、可燃性ガス濃度低減
装置100を凝縮式熱交換器30の入口配管部に相対し
て配置することで、凝縮式熱交換器30への流入ガス量
を増大できるので、熱交換器30の凝縮伝熱性能も向上
し、蒸気容積の減少による格納容器11圧力の低減を促
進できる。
【0036】〔実施形態2〕実施形態2の可燃性ガス濃
度低減装置は、主として上記第1の目的に対応する別案
である。
【0037】図7は、本実施形態による可燃性ガス濃度
低減装置の概略の構成図である。可燃性ガス濃度低減装
置200は、収納容器3内の触媒1の下方に水素ガス吸
収体9を配置し、触媒1と同様、支持構造物2により固
定している。上記した実施形態1(図1)との相違い
は、酸素ガス供給手段に代えて水素ガス吸収体9を設け
たことにある。
【0038】水素ガス吸収体9としては、吸蔵能力が大
きく、吸収した水素ガスを再度放出する解離温度が高い
MgあるいはMg−Ni合金等の水素吸蔵金属の適用が
好ましい。本例では、水素ガス吸収体9を触媒1と同様
に複数のプレート状に成形し、各プレートの間隙を可燃
性ガスが流れる構造としている。
【0039】触媒1での水素ガスと酸素ガスの反応熱に
より、触媒1出口部のガス温度が上昇するので、この温
度上昇による水素ガスの解離を生じないように、吸収体
9は触媒1の下方に設置する。また、触媒1での水素ガ
スと酸素ガスの反応熱に誘起されて、収納容器3を通過
する循環流が格納容器11内に形成されるので、水素ガ
ス吸収体9を収納容器3内に配置しておくことで選択的
に水素ガスのみを吸収できるので、水素ガス濃度を容易
に低減できる。
【0040】仮に、シビアアクシデント時に発生する大
量の水素ガスを水素ガス吸収体9のみで対応する場合に
は、Mgの水素吸蔵能は7.6重量%であるので、約1
1800kgのMgが必要となる。格納容器11内に約
11800kgの水素ガス吸収体9を分散して配置する
ことは可能だが、水素ガス吸収体9の物量が増大する。
このため、本実施形態のように水素ガス吸収体9と触媒
1を併用することで、水素ガス吸収体9の物量を大幅に
低減することができる。しかも、制御機構を一切有しな
いので、保守が容易になる。
【0041】図8に、本実施形態の代案による可燃性ガ
ス濃度低減装置の概略の構成を示す。本例の可燃性ガス
濃度低減装置300は、図1に示した可燃性ガス濃度低
減装置に水素ガス吸収体9を組み合わせたものである
(したがって、実施形態1の代案でもある)。
【0042】図1の可燃性ガス濃度低減装置100と比
べた場合、格納容器11内の余剰水素ガス濃度を吸収体
9により簡単に低減できるので、余剰水素ガスを処理す
るのに必要な酸素ガス供給量を低減できる。また、図7
の可燃性ガス濃度低減装置200と比べた場合、水素ガ
ス吸収体9の物量を低減できる。
【0043】〔実施形態3〕実施形態3の可燃性ガス濃
度低減装置は、主として上記第2の目的に対応するもの
である。以下では、酸素ガス供給手段と水素ガス吸収体
9の組合せを持つ可燃性ガス濃度低減装置300(図
8)の例で説明するが、図1の装置100または図7の
装置200であってもよい。
【0044】図9に、本実施形態の可燃性ガス濃度低減
装置の概略の構成を示す。可燃性ガス濃度低減装置30
0には、図8の構成に加え、収納容器3に収納容器入口
板50と収納容器出口板51を備えている。入口板50
と出口板51は扉状に形成され、通常運転時には点線で
示した位置に、図示しない特定の物質で固定されてお
り、収納容器3内部は格納容器11と隔離されている。
【0045】事故発生時には、格納容器11の温度や圧
力が上昇する。格納容器11内のガス温度の上昇によっ
て、入口板50と出口板51を固定していた特定物質
(たとえばゴムのような低融点のもの)が溶解すること
で、重力の作用で入口板50と出口板51が実線で示し
た位置まで回転して、格納容器11雰囲気と収納容器3
内部が連通する。なお、圧力上昇を利用する場合には、
ラプチャディスクで入口板50と出口板51を構成する
こと等により、格納容器11雰囲気と収納容器3内部を
連通させることも可能である。
【0046】このように、通常運転時は閉止状態となっ
ている収納容器3の出入口部に、事故時の格納容器内の
温度や圧力の上昇を検知して開放する機構を備えること
により、ごみなどが触媒1表面に付着することを防止し
て、事故時に作用する触媒1の機能劣化を予防できる。
これにより、可燃性ガス濃度低減装置の信頼性が向上す
る。
【0047】〔実施形態4〕実施形態3の可燃性ガス濃
度低減装置は、主として上記第2の目的に対応するもの
で、触媒機能の試験設備を具備している。以下では、図
9に示した可燃性ガス濃度低減装置を例にして説明する
が、上記した他の実施形態(図1、図7、図8)にも適
用可能である。
【0048】図10に、本実施形態の可燃性ガス濃度低
減装置の概略の構成を示す。本例では、触媒1の下方
で、かつ水素ガス吸収体9の上方位置において、濃度が
既知である水素と酸素を含む検査用ガスボンベ52と配
管53、弁54からなる検査用ガス供給設備と、触媒1
上方の収納容器3の出口部において水素ガス濃度の検出
器55、配管57、弁56を備えている。
【0049】図示の収納装置3は、原子力発電所の定期
点検中の状態を示しており、収納容器3の出入口は入口
板50と出口板51により閉止されている。触媒1の機
能を検査するために、可燃性ガス濃度が既知である検査
用ガスを触媒1の下方から流入させ、触媒1を通過して
酸素と反応した後の水素ガス濃度を検出器55で検出す
る。密封状態となっている収納容器3の内部に設けられ
た検出器55で検知された水素ガス濃度と、流入させた
検査用ガス濃度と比較することで、触媒1の反応効率が
評価できるので、触媒1の点検検査が容易になる。
【0050】このように、定期点検時等において、ガス
濃度が既知である検査用ガスを触媒1の下方から供給
し、触媒1出口部での水素ガス濃度を検出することで、
触媒1での反応効率を評価でき、触媒1の点検検査が容
易になる。これにより、可燃性ガス濃度低減装置の信頼
性が向上する。
【0051】
【発明の効果】本発明の可燃性ガス濃度低減装置によれ
ば、水素ガス吸収体を触媒の下方位置に配置すること
で、触媒で発生する循環流を利用して水素ガスを選択的
に吸収できるので、水素ガス濃度を簡単に低減できる。
また、シンプルな構成となるので、保守が容易になる効
果がある。
【0052】本発明の可燃性ガス濃度低減装置によれ
ば、シビアアクシデントにより原子炉格納容器内に余剰
水素ガスが残存する場合、触媒の収納容器に酸素ガスを
注入することで、余剰水素ガスと酸素ガスを確実に反応
させて余剰水素ガスを低減できるので、原子炉の安全性
が向上する。また、格納容器内の可燃性ガス(水素、酸
素)の濃度を検出し、水素ガス量及び水素と酸素の濃度
比に応じて酸素ガスの供給を制御するので効率的に余剰
水素ガスを確実に除去処理できる効果がある。また、供
給する酸素ガスには格納容器調気系の空気を使用するの
で、構成が簡単で動力源の必要もない。
【0053】さらに、収納容器の触媒下方に酸素吸収体
を配置するとともに、収納容器に酸素ガスを注入するの
で、余剰水素ガス除去に必要な水素ガス吸収体の物量等
を低減でき、コストダウンが可能になる。
【0054】本発明の可燃性ガス濃度低減装置によれ
ば、収納容器の出入口部が通常運転時は閉止状態とされ
るので、触媒表面にごみなどが付着することを防止で
き、触媒機能が劣化することを予防できる。
【0055】本発明の可燃性ガス濃度低減装置によれ
ば、定検時等に使用される触媒機能の検査手段を具備し
ているので、酸化触媒の反応効率が評価でき、触媒の点
検検査が容易になり、可燃性ガス濃度低減装置の信頼性
が向上する。
【0056】本発明によれば、可燃性ガス濃度低減装置
を、水素ガスの集まりやすい格納容器空間部の上方位置
に配置しておくことで、可燃性ガスの処理効率が向上す
る。
【0057】本発明によれば、可燃性ガス濃度低減装置
から排出された蒸気を効率良く熱交換器で凝縮し、事故
時の格納容器の圧力低減が促進できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による可燃性ガス濃度低減
装置の概略の構成図。
【図2】従来の可燃性ガス濃度制御系の概略の系統図。
【図3】水素、酸素の組成と可燃限界の関係を示す特性
図。
【図4】可燃性ガス濃度低減装置の原子炉格納容器内の
配置図。
【図5】可燃性ガス濃度低減装置の酸素ガス供給制御方
法を示すフロー図。
【図6】可燃性ガス濃度低減装置と外部熱交換器による
圧力低減作用を示す概念図。
【図7】本発明の実施形態2による可燃性ガス濃度低減
装置の概略の構成図。
【図8】本発明の実施形態1または実施形態2の代案に
よる可燃性ガス濃度低減装置の概略の構成図。
【図9】本発明の実施形態3による可燃性ガス濃度低減
装置の概略の構成図。
【図10】本発明の実施形態5による可燃性ガス濃度低
減装置の概略の構成図。
【符号の説明】
1…触媒、2…支持構造物、3…収納容器、4…配管、
5…ノズル、6…弁、7…配管、8…濃度検出器、9…
水素ガス吸収体、10…原子炉圧力容器、11…原子炉
格納容器、12…ドライウエル、13…ウェットウエ
ル、15…ブロア、16…加熱器、17…再結合器、1
8…冷却器、19…セパレータ、20,21…隔離弁、
22…ブロア、23,24…配管、30…凝縮式熱交換
器、31,32,33…配管、34…冷却水プール、5
0…収納容器入口板、51…収納容器出口板、52…検
査用ガスボンベ、53,57…配管、54,56…弁、
55…濃度検出器。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素ガスと酸素ガスを反応させる触媒
    と、その触媒を収納した収納容器を備え、原子炉格納容
    器内に複数配置された可燃性ガス濃度低減装置におい
    て、 前記収納容器内の前記触媒の下方位置に、水素ガス吸収
    体を配置したことを特徴とする可燃性ガス濃度低減装
    置。
  2. 【請求項2】 水素ガスと酸素ガスを反応させる触媒
    と、その触媒を収納した収納容器を備え、原子炉格納容
    器内に複数配置された可燃性ガス濃度低減装置におい
    て、 前記触媒に酸素または酸素を含むガスを供給する酸素ガ
    ス供給手段と、前記格納容器内の可燃性ガス(水素及び
    酸素)の濃度を検出する濃度検出手段を設け、検出した
    ガス濃度に基づいて前記酸素ガス供給手段による酸素ガ
    スの供給を制御することを特徴とする可燃性ガス濃度低
    減装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記収納容器内の前記触媒の下方位置に、水素ガス吸収
    体を配置したことを特徴とする可燃性ガス濃度低減装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3のいずれか1項におい
    て、 前記酸素ガス供給手段を原子炉格納容器の調気系と接続
    し、前記酸素を含むガスとして空気を供給することを特
    徴とする可燃性ガス濃度低減装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、 前記触媒の下方位置に濃度既知の可燃性ガス(水素及び
    酸素)を供給する検査用ガス供給手段と、前記触媒の上
    方位置に水素ガス濃度の検出手段を備え、前記触媒の機
    能試験を可能にしたことを特徴とする可燃性ガス濃度低
    減装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項におい
    て、 前記収納容器の下方の入口部に入口板、上方の出口部に
    出口板を、通常運転時には閉止状態に設け、原子炉格納
    容器内の事故時の温度または圧力の上昇に応じて前記入
    口板及び前記出口板を開放するように構成したことを特
    徴とする可燃性ガス濃度低減装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項におい
    て、 前記可燃性ガス濃度低減装置は、原子炉格納容器の空間
    部上方位置により多く配置したことを特徴とする可燃性
    ガス濃度低減装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至7のいずれか1項にお
    いて、 可燃性ガス濃度低減装置を原子炉格納容器の空間部上方
    位置に設け、その前記収納装置の出口部を原子炉格納容
    器の外側に設置された冷却水プール内の熱交換器の入口
    配管部に相対して配置したことを特徴とする可燃性ガス
    濃度低減装置。
  9. 【請求項9】 水素ガスと酸素ガスを反応させる触媒
    と、その触媒を収納した収納容器を備え、原子炉格納容
    器内に複数配置された可燃性ガス濃度低減装置の制御方
    法において、 原子炉格納容器内の水素ガス濃度が4%以上で、酸素ガ
    ス濃度が前記水素ガス濃度以下であることを検出した場
    合に、前記収納容器内に酸素ガスを供給することを特徴
    とする可燃性ガス濃度低減装置の制御方法。
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