JPH09295003A - H形鋼の形状制御方法 - Google Patents

H形鋼の形状制御方法

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JPH09295003A
JPH09295003A JP8108954A JP10895496A JPH09295003A JP H09295003 A JPH09295003 A JP H09295003A JP 8108954 A JP8108954 A JP 8108954A JP 10895496 A JP10895496 A JP 10895496A JP H09295003 A JPH09295003 A JP H09295003A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】H形鋼のフランジ冷却による形状制御に際し、
フランジ温度分布が微妙な変化をした場合にも動的に容
易に対応でき、複雑な演算や制御ロジック等を用いるこ
となく冷却後の形状不良の発生を確実に防止できるよう
にする。 【解決手段】H形鋼のフランジ表面のフランジ幅方向の
温度分布をフランジ冷却前または冷却後に測定し、この
フランジ幅方向温度分布に基づいてフランジ幅方向の温
度中心位置(FL)を算出し、この温度中心位置を用い
てノズル5の高さまたは角度を予め調整し、フランジ水
冷装置3により温度測定したH形鋼あるいは次に冷却さ
れるH形鋼のフランジ冷却を行い、フランジ冷却完了後
の前記温度中心位置がフランジ幅中心位置と一致するよ
うにして製品形状不良の発生を未然に確実に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外法一定H形鋼
(ウェブ高さ一定のH形鋼)に代表されるウェブとフラ
ンジの厚み比が大きい(フランジ厚≫ウェブ厚)H形鋼
において、仕上げ圧延後の熱応力に起因するウェブ座
屈,あるいはフランジ倒れ,上下反りや左右曲がりとい
った形状不良の発生をフランジ水冷により防止するH形
鋼の形状制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】H形鋼は、図4(a)に示すように、一
般にウェブの厚みよりもフランジの厚みの方が厚く、こ
の厚みの違いから熱容量が異なり、冷却過程ではウェブ
はフランジよりも先に冷えるため、両者間に温度差が生
じ、またフランジ幅方向に注目しても、その構造,圧延
条件などからフランジ中央部および上下端部における温
度がそれぞれ異なってくる。このような温度差が生じる
と、熱応力によるウェブ波打ち,左右曲がり,上下反り
などの形状不良が発生する。従って、この形状不良の発
生を防止するためには、フランジ部の冷却などにより、
材質を劣化させることなく各部の温度差を低減させるこ
とか重要となる。
【0003】H形鋼のフランジ冷却技術に関しては、こ
れまでも多くの手段が提案・開示されている。例えば、
特公昭41−20336号公報,特公昭60−3785
6号公報,特公昭50−21913号公報,特開昭50
−21914号公報などフランジ水冷に関する発明があ
る。これらのフランジ水冷技術は、ウェブとフランジの
温度差を減少させるものであり、ウェブ波打ちの発生を
防止する手段としては有効であるが、フランジ幅方向の
温度分布を均一化する制御を行うことができず、上下反
りや左右曲がりを防止する手段としては不適である。
【0004】ここで、圧延中または圧延されたH形鋼
は、そのフランジが上下方向に平行な姿勢で搬送コンベ
ヤ上を搬送されることから、フランジ幅方向(上下方
向)に不均一な温度分布を有している。図4(b)に、
圧延されたH形鋼の温度分布を示すが、この図から明ら
かなように、ウェブよりもフランジの温度の方が高温と
なっているほか、フランジ幅方向についてみても、その
中央部の温度がより高く、その上下端では下端の方が3
0°C高くなっている。そして、フランジ幅方向に温度
差が生じると、熱応力により図5(a),(b)に示す
ような上反りまたは下反りなどの形状不良がH形鋼に生
じる。また、左右のフランジのそれぞれのフランジ幅方
向の温度分布が異なる場合も多く見られるが、この場合
の冷却終了後のH形鋼には、図5(c)に示すようなフ
ランジ倒れや、図5(d)に示すような左右曲がりが発
生する。
【0005】従来から、上述した上反りや下反りを減少
させるため、フランジ幅方向の冷却水密度分布がフラン
ジ幅中央に対して上下対称になるようにして実施する方
法、フランジの上下温度差に着目して温度差を小さくす
るような冷却方法が開示されている。即ち、例えば、特
開平5−337535号公報(従来技術I)には、フラ
ンジを冷却する多数の冷却水ノズルをフランジ幅方向に
は多段に配置し、H形鋼の送り方向には多連配置してな
る冷却ゾーンを、H形鋼の送り方向に沿って複数基配設
し、これら各冷却ゾーンにおける多段のノズルの配置段
ごとの一定流量の冷却水噴射供給をオン・オフ制御して
フランジ幅方向の温度分布を一様にし、製品の曲がり
(反り)などを制御するH形鋼の曲がり制御方法が開示
されている。
【0006】また、特開平5−117754号公報(従
来技術II) ,特開平6−190416号公報(従来技術
III)には、図6に示すように、H形鋼のフランジ幅方向
温度分布を温度センサ50等により測定し、この測定温
度値に基づいてH形鋼の圧延方向におけるフランジ上部
およびフランジ下部の残留応力分布(温度モーメント)
を予測し、これらフランジ上下部の残留応力の予測値の
差に応じて冷却水噴射ノズル51の高さ位置を調節する
などして、反りの発生を防止するH形鋼の形状制御方法
が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術I〜III に開示されたH形鋼の形状制御方法
は、いずれの方法も複雑な演算と制御ロジックが必要で
あり、さらに従来技術Iに開示された制御方法では、フ
ランジ幅方向のノズル段数に限りがあるため、フランジ
幅方向の微妙な温度分布の変化に対応することができな
い。また、従来技術II,従来技術III に開示されたH形
鋼の形状制御方法では、残留応力分布を予測してノズル
高さを制御する方法であり、具体的にはフランジ上部と
下部それぞれの温度モーメントの和なるもの(M
U,L :M=∫T(x)・xdx) を算出し、その温度
モーメントの差に比例して水冷ノズル高さを調整する
(ノズル移動量ΔH=L・(MU −ML ),L:比例定
数)とあるが、上下の温度差からノズル移動量を決定す
るため、その比例定数をH形鋼のサイズ毎、あるいは鋼
種毎に設定する必要があり、膨大な実験等の工数を必要
とする点で現実的でない。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的は、圧延ピッチや加熱炉
での在炉時間,在炉姿勢などによってフランジ水冷前の
フランジ温度分布が微妙な変化をした場合にも動的にか
つ容易に対応することができ、しかも複雑な演算や制御
ロジックあるいはノズル設定値を得るための膨大な実験
等を必要とすることなく冷却後の形状不良の発生を確実
に防止することの可能なH形鋼の形状制御方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は、H形鋼のフランジ水冷を行うにあた
り、水冷後のフランジ幅方向の温度分布を測定し、当該
温度測定データに基づいてフランジ幅方向の温度中心位
置を算出し、当該温度中心位置がフランジ幅中心位置と
一致するように冷却すれば、冷却終了後の形状不良が極
めて少なくなることを知見し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明の要旨とするところは、以下の通りで
ある。
【0010】(1) フランジが鉛直方向となる姿勢のH形
鋼のフランジ表面に冷却水を噴射してフランジを冷却す
るに際し、冷却水を噴射するノズルを調節することによ
り当該H形鋼の冷却後の形状を制御する方法において、
図1に示すように、前記H形鋼のフランジ表面のフラン
ジ幅方向の温度分布をフランジ冷却前に測定し、このフ
ランジ幅方向温度分布に基づいてフランジ幅方向の温度
中心位置を算出し、この温度中心位置を用いてフランジ
冷却完了後の前記温度中心位置がフランジ幅中心位置と
一致するように前記ノズルの高さまたは角度を当該H形
鋼のフランジ冷却前に予め調整して当該H形鋼のフラン
ジ冷却を行うことを特徴とするH形鋼の形状制御方法
(図1(b)のフィードフォワード制御)。
【0011】(2) フランジが鉛直方向となる姿勢のH形
鋼のフランジ表面に冷却水を噴射してフランジを冷却す
るに際し、冷却水を噴射するノズルを調節することによ
り当該H形鋼の冷却後の形状を制御する方法において、
図1に示すように、前記H形鋼のフランジ表面のフラン
ジ幅方向の温度分布をフランジ冷却後に測定し、このフ
ランジ幅方向温度分布に基づいてフランジ幅方向の温度
中心位置を算出し、この温度中心位置を用いて次に冷却
されるH形鋼の前記温度中心位置がフランジ幅中心位置
と一致するように前記ノズルの高さまたは角度を次に冷
却されるH形鋼のフランジ冷却前に予め調整して次に冷
却されるH形鋼のフランジ冷却を行うことを特徴とする
H形鋼の形状制御方法(図1(b)のフィードバック制
御)。
【0012】(3) 前述の(1) のフィードフォワード制御
あるいは(2) のフィードバック制御において、フランジ
幅方向の温度中心位置をH形鋼の圧延方向の複数箇所で
算出し、これらを圧延方向に平均化した温度中心位置平
均値がフランジ幅中心位置に一致するようにノズルの高
さまたは角度を調整することを特徴とするH形鋼の形状
制御方法。
【0013】(4) 前述の(1) のフィードフォワード制御
において、フランジ幅方向の温度中心位置をH形鋼の圧
延方向の複数箇所で算出し、フランジ冷却後の前記各箇
所の温度中心位置がフランジ幅中心位置に一致するよう
にノズルの高さまたは角度を当該H形鋼のフランジ冷却
前に時々刻々と調整することを特徴とするH形鋼の形状
制御方法。
【0014】(5) (2) のフィードバック制御において、
フランジ幅方向の温度中心位置をH形鋼の圧延方向の複
数箇所で算出し、次に冷却されるH形鋼のフランジ冷却
後の前記各箇所の温度中心位置がフランジ幅中心位置に
一致するようにノズルの高さまたは角度を次に冷却され
るH形鋼のフランジ冷却前に時々刻々と調整することを
特徴とするH形鋼の形状制御方法。
【0015】本発明者は、図2(a)に示すようなH形
鋼のフランジ水冷装置を用いて仕上げ圧延後のフランジ
の水冷を施し、冷却完了後の製品形状を調査する膨大な
実験を種々のサイズ・鋼種について行い、冷却水量やノ
ズル角度等の冷却条件と製品形状についての相関関係を
明らかにした。その結果、水冷後のフランジ幅方向の温
度分布から得られる温度中心位置とフランジ幅中心位置
の相対位置ずれと、冷却完了後の製品形状との間に相関
関係が存在することが明らかとなった。一例として、フ
ランジ冷却直後に測定したフランジ幅方向温度中心位置
とフランジ幅中心位置間の距離(位置ずれ)と、冷却完
了後のH形鋼の上下反り量との関係を図3(a)に示
す。なお、H形鋼の上下反り量は図3(b)に示すとお
りである(上反りの場合)。
【0016】ここで、フランジ幅方向温度中心位置とフ
ランジ幅中心位置間の距離(位置ずれ)FLとは、フラ
ンジ幅の幾何学中心を基準とした時のフランジ幅方向の
表面温度モーメントをフランジ平均表面温度で除して得
られるものであり、以下の式で定義されるものである。
【0017】
【数1】
【0018】但し、図3(c)に示すように、 B:フランジ幅 x,xi :フランジ幅中心位置からの距離 ΔT(x),ΔT(xi ) :位置x,xi における温度
とフランジ幅内最低温度(Tmin)の差 n:フランジ幅方向の温度測定点数。
【0019】図3(a)において、位置ずれ量FLと上
下反り量との間には強い相関関係が見られ、かつ上下反
り量を0(零)にするには、位置ずれ量FL=0にする
必要があることが判る。さらに、本発明者の実験結果か
ら、サイズ・鋼種にかかわらず両者の間には同様の相関
関係が成り立つことや、上下反り以外の形状不良に関し
ても同様な相関関係が成立することが判った。そこで、
フランジ水冷後の前記位置ずれFLを0にするように、
フランジ冷却方法をコントロールすれば、冷却完了後の
製品形状不良を極めて少なくできることを本発明者は明
らかにし、本発明を完成させるに至ったのである。
【0020】図1(b)に本発明に係るH形鋼のフラン
ジ冷却設備1の一例を示す。この図において、仕上げユ
ニバーサルミルUFを通過した熱間H形鋼2は、左右一
対で対向配置されたフランジ水冷装置3の入側または/
および出側に設置されたフランジ幅方向(上下方向)の
温度分布が測定可能なフランジ表面温度計4−1,4−
2により、フランジ水冷前または/および水冷後のフラ
ンジ表面温度分布が測定される。このフランジ表面温度
計としては、スポット式の温度計(放射温度計など)を
複数台フランジ幅方向に配置したものでも、あるいはフ
ランジ幅方向に走査できるような構造を有するスキャン
式温度計のいずれでもよい。但し、H形鋼の左右のフラ
ンジを均一に冷却するために、左右のフランジをそれぞ
れ独立して測定できるようにフランジ表面温度計4を左
右一対で設置することが肝要である。
【0021】フランジ水冷装置3としては、図2(a)
に示すように、冷却水噴射ノズル5の角度を変更するこ
とにより、フランジ表面温度分布の調整が可能な構造と
する。また、このフランジ水冷装置3は、図2(b)に
示すように、冷却水噴射ノズル5の高さを可動とするこ
とによりフランジ表面温度を調整する構造のものでもよ
い。
【0022】以上のような構成において、前述の(1) の
形状制御方法では、図1(b)のフィードフォワード制
御として示すように、先ず熱間H形鋼2を仕上げユニバ
ーサルミルUFで仕上げた後、続くフランジ水冷装置3
の入側に設置されたフランジ表面温度計4−1により、
フランジ表面温度をフランジ幅方向に複数箇所で測定
し、これら測定温度データに基づきフランジ幅方向の温
度中心位置を演算する。
【0023】即ち、前述の式(1)を用いてフランジ温
度中心位置とフランジ幅中心位置との位置ずれFLを算
出し、FL>0であれば、フランジの上部が下部に比べ
て温度が高いのであるから、例えばフランジ水冷装置3
のノズル角度を通常(均一なフランジ幅方向温度分布を
有するH形鋼を上下対称な温度分布にする冷却するため
の適性ノズル角度)よりもABS FL 相当分だけ上向き
に調整する。これにより、フランジ冷却完了後のフラン
ジ幅方向の温度分布を上下均一にできる。即ち、フラン
ジ水冷後のフランジ幅方向温度分布のFLを限りなく0
にすることができる。逆に、FL<0であれば、フラン
ジの上部が下部に比べて温度が低いのであるから、フラ
ンジ水冷装置3のノズル角度を前述の通常よりもABS F
L 相当分だけ下向きに調整する。これにより、フラン
ジ冷却完了後のフランジ幅方向の温度分布を上下均一に
でき、製品形状不良の発生を抑制できる。
【0024】前述の(2) の形状制御方法では、図1
(b)のフィードバック制御として示すように、フラン
ジ水冷装置3の出側に設置されたフランジ表面温度計4
−2により、前材のフランジ表面温度をフランジ幅方向
に複数箇所で測定し、これら測定温度データに基づきフ
ランジ幅方向の温度中心位置を演算する。即ち、前述と
同様に、位置ずれFLを算出してFL>0であれば、フ
ランジ水冷装置3のノズル角度を通常よりもABS FL
相当分だけ上向きに調整する。これにより、次材が同一
サイズ・鋼種で、かつ同一冷却水量であれば、フランジ
冷却完了後のフランジ幅方向の温度分布を上下均一にで
きる。逆のFL<0の場合も、フランジ水冷装置3のノ
ズル角度を前述の通常よりもABS FL 相当分だけ下向
きに調整する。これにより、次材が同一サイズ・鋼種
で、かつ同一冷却水量であれば、フランジ冷却完了後の
フランジ幅方向の温度分布を上下均一にでき、製品形状
不良の発生を抑制できる。
【0025】また、本発明のH形鋼の形状制御の実施方
法については、前述のフィードフォワード制御あるいは
フィードバック制御において、H形鋼のフランジ幅方
向の温度分布を圧延方向の全長にわたって測定し、H形
鋼の圧延方向の各断面について算出した位置ずれFLの
圧延方向の平均値を求め、当該温度中心位置平均値に基
づいてフランジ水冷装置のノズル角度またはノズル高さ
を一斉に調整する方法(前述の(3) の形状制御方法)
と、H形鋼のフランジ幅方向の温度分布を圧延方向の
全長にわたって測定し、H形鋼の圧延方向の各断面につ
いて位置ずれFLを算出し、フィードフォワード制御の
場合にはこれら位置ずれFLの測定位置がフランジ水冷
装置の各ノズル位置を通過するタイミングに合わせて、
またフィードバック制御の場合には次材における位置ず
れ測定位置に対応する位置がフランジ水冷装置の各ノズ
ル位置を通過するタイミングに合わせて、ノズル角度ま
たはノズル高さを個々に調整する方法(前述の(4),(5)
の形状制御方法) が適用可能である。これにより、圧延
方向の不均一な温度分布についても均一化することがで
きる。
【0026】一般に、ノズル角度またはノズル高さの調
整速度が速い場合には、上記のの制御方法が適してい
るが、調整速度が遅い場合には、の制御方法が適して
いる。なお、の制御方法に関して、位置ずれFLの圧
延方向の平均値を算出するにあたり、圧延材全長の平均
値とする方法、もしくは、ある範囲に限定して算出する
方法のいずれの方法であってもよい。
【0027】また、フランジ表面温度計は、図1(b)
において、フランジ水冷装置の入側・出側の真近に設置
されているが、フランジ水冷装置とある程度離れて設置
されていてもよく、特に出側の温度計については水冷直
後の測温よりも復熱後の測温の方が適切である点で、フ
ランジ水冷装置の数mから数10m後方に温度計を設置
する方がむしろ望ましい。
【0028】さらに、以上の説明は、フランジ水冷装置
を仕上げユニバーサルミルの出側に設置した場合につい
てであるが、フランジ水冷装置が仕上げユニバーサルミ
ルの入側に設置されている場合についても同様に本発明
の形状制御方法は適用可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する一実施例
に基づいて詳細に説明する。図1(a)に本発明に係る
H形鋼の形状制御方法の概要を示し、図1(b)に、本
発明に係るH形鋼の形状制御方法を適用するH形鋼の圧
延ラインの一例を示す。図2(a)に、この実施例で使
用するフランジ水冷装置を示す。
【0030】図1(b)において、熱間H形鋼の圧延ラ
インにおける最終段の仕上げユニバーサルミルUFの後
方に、フランジ水冷装置3を圧延ラインの搬送テーブル
上でH形鋼2を挟むように左右一対で対向配置し、この
フランジ水冷装置3の入側と出側にそれぞれフランジ表
面温度計4を左右一対で配設する。このフランジ表面温
度計4はスキャン式の赤外線温度計とし、フランジ幅方
向の温度分布を測定する。
【0031】フランジ水冷装置3は、図2(a)に示す
ように、主として、冷却水噴射ノズル5と、ヘッダー6
と、ノズル角度調整用の駆動装置(スクリュージャッ
キ)7と、支持架台8と、制御装置9を備えている。ヘ
ッダー6はH形鋼2の搬送方向と平行に複数配設され、
各ヘッダーには冷却水噴射ノズル5がH形鋼搬送方向に
間隔をおいて複数配設されている。また、ヘッダー6
は、フランジ幅方向である上下方向に複数段(この実施
例では3段)で配設され、それぞれがリンク10を介し
て各駆動装置7に接続されて個別に回動し、各段の冷却
水噴射ノズル5の角度を個別に調整可能としている。な
お、支持架台8は、これらの装置をH形鋼2に対して進
退自在に支持している。
【0032】制御装置9には、フランジ表面温度計4か
らのフランジ温度分布情報,プロセスコンピュータから
のフランジ幅情報などが入力され、前述した(1)式を
用いてフランジ温度中心位置とフランジ幅中心位置との
位置ずれFLが算出され、得られた位置ずれ量FLに基
づいて各段の冷却水噴射ノズル5の角度が調整される
(図1(a)参照)。ノズル角度は、通常すなわち均一
なフランジ幅方向温度分布を有するH形鋼を上下対称な
温度分布にする冷却するための適性ノズル角度よりもAB
S FL 相当分だけ調整する。位置ずれ量FLとノズル
角度調整量の関係はサイズ,鋼種毎に予め求めておき、
設定しておく。
【0033】フィードフォワード制御の場合には、入側
のフランジ表面温度計4−1で冷却前のH形鋼2のフラ
ンジ温度分布を測定し、得られた位置ずれFLに基づい
て冷却水噴射ノズル5の角度を調整して温度測定したH
形鋼2をフランジ水冷装置3で冷却する。フィードバッ
ク制御の場合には、出側のフランジ表面温度計4−2で
冷却後のH形鋼2のフランジ温度分布を測定し、得られ
た位置ずれFLに基づいて冷却水噴射ノズル5の角度を
調整し、次に冷却されるH形鋼2をフランジ水冷装置3
で冷却する。
【0034】また、圧延方向の不均一な温度分布に対し
ては、H形鋼2の全長にわたってフランジ温度分布の測
定と位置ずれFLの算出を行い、この位置ずれFLの平
均値を用いて前述のフィードフォワード制御あるいはフ
ィードバック制御を行う。あるいは、H形鋼の圧延方向
の各断面について位置ずれFLを算出し、対応する冷却
水噴射ノズル5の角度を各位置ずれFLに応じて時々刻
々と調整して前述のフィードフォワード制御あるいはフ
ィードバック制御を行う。
【0035】以上のようなH形鋼のフランジ冷却設備1
において、圧延材は、外法一定H形鋼のH450×20
0×6/16(ケースI)とH450×200×9/1
9(ケースII) の2サイズとし、鋼種はJIS規格でS
M490クラスとし、熱間圧延およびフランジ冷却によ
る形状制御を行った。いずれの圧延材についても、仕上
げユニバーサルミルUFを出た後、フランジ水冷装置3
で冷却後、冷却床で空冷された後にローラー強制が施さ
れ、検査工程を経て製品となる。
【0036】本発明のH形鋼の形状制御方法を行った場
合と行わなかった場合についてそれぞれの製品形状不良
レベルを製品本数100本について比較した。この時の
本発明の制御方法としては、フランジ水冷装置3の入側
および出側のフランジ表面温度計4−1,4−2を用い
てのフィードフォワード制御およびフィードバック制御
であるが、フランジ幅方向の温度中心位置を圧延方向
に1mピッチで全長にわたって算出後、圧延方向の平均
値を算出し、冷却完了後の当該温度中心位置平均値がフ
ランジ幅中心位置に一致させるような制御を行った場合
(ケースI)、フランジ幅方向の温度中心位置を圧延
方向に1mピッチで全長にわたって算出し、冷却完了後
の個々の断面の温度中心位置がフランジ幅中心位置に一
致させるようなダイナミックな制御を行った場合(ケー
スII)、の2通りを実施した。
【0037】結果を表1に示す。本発明の形状制御を実
施することにより、従来の制御無しの場合に比べて形状
不良が格段に減少することがわかる。また、圧延方向に
ダイナミックな制御を行ったケースIIの場合の方が形状
不良をより減少させることができる。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明は、H形鋼のフランジ表面のフラ
ンジ幅方向の温度分布を測定し、このフランジ幅方向温
度分布に基づいてフランジ幅方向の温度中心位置を算出
し、この温度中心位置を用いてノズルの高さまたは角度
を調整し、H形鋼のフランジ冷却を行うようにしたた
め、次のような効果を奏する。
【0040】(1) フランジ幅方向温度分布から算出した
温度中心位置に基づいてノズルの高さまたは角度を調整
するため、圧延ピッチや加熱炉での在炉時間,在炉姿勢
などによってフランジ水冷前のフランジ温度分布が微妙
な変化をした場合にも、動的にかつ容易に対応すること
ができ、冷却後の形状不良の発生を防止できる。
【0041】(2) 温度中心位置を算出してノズルの高さ
または角度を調整する簡単な演算と制御ロジックで形状
制御を行うことができ、従来のような複雑な演算や制御
ロジックあるいはノズル設定値を得るための膨大な実験
等を必要とせずに冷却後の形状不良を容易かつ確実に防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るH形鋼の形状制御方法を示し、
(a)はフランジ幅方向の温度中心位置の説明図、
(b)はH形鋼圧延ラインにおけるフランジ冷却設備の
1例を示す概略平面図である。
【図2】(a)は本発明に係るH形鋼の形状制御方法で
用いるフランジ水冷装置の1例を示す断面図、(b)は
他の例を示す断面図である。
【図3】(a)は本発明における、H形鋼の上反り量
と、フランジ幅方向温度中心位置とフランジ幅中心位置
との位置ずれとの関係を示すグラフ、(b)はH形鋼の
上下反り量を示す概略斜視図、(c)はフランジ幅方向
温度中心位置を算出するための説明図である。
【図4】(a)は従来一般のH形鋼水冷状況を示す断面
図、(b)はH形鋼の表面温度分布の一例を示す説明図
である。
【図5】(a),(b)はH形鋼の上下反りを示す斜視
図、(b)はH形鋼のフランジ倒れを示す断面図、
(c)はH形鋼の左右曲がりを示す斜視図である。
【図6】従来のH形鋼の形状制御方法の一例を示す概略
図である。
【符号の説明】
1…フランジ冷却設備 2…H形鋼 3…フランジ水冷装置 4…フランジ表面温度計 5…冷却水噴射ノズル 6…ヘッダー 7…ノズル角度調整用駆動装置 8…支持架台 9…制御装置
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】(a),(b)はH形鋼の上下反りを示す斜視
図、(c)はH形鋼のフランジ倒れを示す断面図、
(d)はH形鋼の左右曲がりを示す斜視図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フランジが鉛直方向となる姿勢のH形鋼
    のフランジ表面に冷却水を噴射してフランジを冷却する
    に際し、冷却水を噴射するノズルを調節することにより
    当該H形鋼の冷却後の形状を制御する方法において、 前記H形鋼のフランジ表面のフランジ幅方向の温度分布
    をフランジ冷却前に測定し、このフランジ幅方向温度分
    布に基づいてフランジ幅方向の温度中心位置を算出し、
    この温度中心位置を用いてフランジ冷却完了後の前記温
    度中心位置がフランジ幅中心位置と一致するように前記
    ノズルの高さまたは角度を当該H形鋼のフランジ冷却前
    に予め調整して当該H形鋼のフランジ冷却を行うことを
    特徴とするH形鋼の形状制御方法。
  2. 【請求項2】 フランジが鉛直方向となる姿勢のH形鋼
    のフランジ表面に冷却水を噴射してフランジを冷却する
    に際し、冷却水を噴射するノズルを調節することにより
    当該H形鋼の冷却後の形状を制御する方法において、 前記H形鋼のフランジ表面のフランジ幅方向の温度分布
    をフランジ冷却後に測定し、このフランジ幅方向温度分
    布に基づいてフランジ幅方向の温度中心位置を算出し、
    この温度中心位置を用いて次に冷却されるH形鋼の前記
    温度中心位置がフランジ幅中心位置と一致するように前
    記ノズルの高さまたは角度を次に冷却されるH形鋼のフ
    ランジ冷却前に予め調整して次に冷却されるH形鋼のフ
    ランジ冷却を行うことを特徴とするH形鋼の形状制御方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のH形鋼
    の形状制御方法において、フランジ幅方向の温度中心位
    置をH形鋼の圧延方向の複数箇所で算出し、これらを圧
    延方向に平均化した温度中心位置平均値がフランジ幅中
    心位置に一致するようにノズルの高さまたは角度を調整
    することを特徴とするH形鋼の形状制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のH形鋼の形状制御方法
    において、フランジ幅方向の温度中心位置をH形鋼の圧
    延方向の複数箇所で算出し、フランジ冷却後の前記各箇
    所の温度中心位置がフランジ幅中心位置に一致するよう
    にノズルの高さまたは角度を当該H形鋼のフランジ冷却
    前に時々刻々と調整することを特徴とするH形鋼の形状
    制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のH形鋼の形状制御方法
    において、フランジ幅方向の温度中心位置をH形鋼の圧
    延方向の複数箇所で算出し、次に冷却されるH形鋼のフ
    ランジ冷却後の前記各箇所の温度中心位置がフランジ幅
    中心位置に一致するようにノズルの高さまたは角度を次
    に冷却されるH形鋼のフランジ冷却前に時々刻々と調整
    することを特徴とするH形鋼の形状制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009113067A (ja) * 2007-11-05 2009-05-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 鋼材の冷却方法及び装置
JP2014014853A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Jfe Steel Corp 形鋼の曲り矯正方法
CN116773045A (zh) * 2023-06-21 2023-09-19 马鞍山钢铁股份有限公司 一种h型钢外截面温度监测装备及使用方法

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