JPH0929888A - 難クロム溶出型の耐パンチング性及び耐プレッシャーマーク性に優れたガードフィルムフリー型プレコート鋼板 - Google Patents

難クロム溶出型の耐パンチング性及び耐プレッシャーマーク性に優れたガードフィルムフリー型プレコート鋼板

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JPH0929888A
JPH0929888A JP18427695A JP18427695A JPH0929888A JP H0929888 A JPH0929888 A JP H0929888A JP 18427695 A JP18427695 A JP 18427695A JP 18427695 A JP18427695 A JP 18427695A JP H0929888 A JPH0929888 A JP H0929888A
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coating
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Motoo Kabeya
元生 壁屋
Hiroshi Kanai
洋 金井
Hiroyasu Furukawa
博康 古川
Ryoji Nishioka
良二 西岡
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 下地クロメート皮膜の形態改質による塗膜密
着性の改善とトップ塗膜の改質による金型摩耗の抑制に
よる耐パンチング性の改善及び鋼板自重に耐える。 【解決手段】 クロメート皮膜下層への金属皮膜の形
成:亜鉛系めっき鋼板の表面に、Ni、Co、Fe、Z
r、Sb、V、Mo、Wの少なくとも一種以上からなる
金属皮膜を形成する。クロメート皮膜の形成:金属皮
膜の上層に総Cr付着量で10〜150mg/m2 形成す
る。トップ塗膜の形成:塗膜Tgが5〜70℃、主樹
脂のポリエステル樹脂の分子量が15000〜5000
0、又その配合量を固形分重量比で30〜90%に特定
する。 【効果】 Cr溶出が殆どなく、かつ鮮映性の高いトッ
プ塗装面への耐パンチング性と耐PM性を両立付与した
ノンガードフィルム型のプレコート鋼板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にオーディオ製
品やクッキング製品等の家電製品に要求される難クロム
溶出型でかつ鮮映性の高いプレコート鋼板のガードフィ
ルムフリー化およびパンチング機械加工における耐孔開
け性(耐パンチング性)を両立付与したプレコート鋼板
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、家電や自動車分野における塗装鋼
板の低コスト化ニーズは高く、ポストコートのプレコー
ト化が一段と進む中、連続パンチング加工による耐孔開
け性(以下、単に耐パンチング性という)及び耐プレッ
シャーマーク性を両立したガードフィルムフリー型プレ
コート鋼板の市場要求が高まりつつある。
【0003】特に、オーディオやクッキング製品の外板
に多用される高機能性が要求されるプレコート鋼板(以
下、単にプレコートという)にあっては、需要家での製
品成形過程において生ずる表側トップ塗装外観の取扱い
疵の防止にあたり、プレコートの製造側では、該塗装面
に膜厚が数10〜数100μm程度のガードフィルムを
別途貼付して市場提供しているためコスト高となってお
り、他方、このフィルムの後処理として行うゴミ焼却等
から、広い意味での地球環境的視野においてプレコート
のフィルムノンガード化の要請が一段と高まりつつある
のが現状である。
【0004】また、この情勢にあって需要家での最終商
品段階では、このフィルム剥ぎ作業の省力化を含めたプ
レコートの低コスト化要求が強く、今後市場対応が必要
なプレコートについては、このフィルムのノンガード化
が要求されていくことは不可避な情勢にあると言っても
過言でない。
【0005】ところが、製造側でのこの要求を満たすた
めの製品製造技術としては、このガードフィルムフリー
型プレコートを高生産性のライン下で製造する必要があ
るが、切り板製品になるまでの間はコイル製品として一
旦床置して在庫されることが多く、問題はこの期間での
コイル自重による塗装面への圧痕転写疵(プレッシャー
マーク)をも解決する必要があり、改善課題としてコイ
ル製品の床置方法をも含めてプレコート塗膜に課せられ
る。同様な耐PM性の付与についてはプレコート製造側
の一次製品以外にもあり、需要家での最終加工製品の輸
送時の梱包材による製品外観維持は必須条件であり、そ
のための耐PM性の付与要求は根強いものがある。
【0006】ガードフィルムフリーではコイル単重によ
っては床との接触部分の塗膜に板巾方向に線状又は帯状
の圧痕マークが少なからず発生し、これがコイル長手方
向に一定ピッチで発生し生産性の大幅低下を招くため、
この点での塗膜の耐圧痕疵対策(以下、単に耐PM性と
いう)が最大の解決課題である。又、さらにはこの耐P
M性を付与したプレコートにあっては他の塗膜性能に支
障なく機械加工による連続孔明性(耐パンチング性)が
基本的にクリアーすることが要求され、塗膜への耐パン
チング性と耐PM性の両立付与が必須である。
【0007】この耐パンチング性とは、塗膜との擦過に
よるパンチング用金型の耐損耗性と、これに伴って生じ
る鋼板の孔部周辺へのバリ発生、或いは粉末化した剥離
塗膜が金型に圧着されてこれが塗装面への押疵を発生す
るため、塗膜密着性を含めてこれらを両立することが重
要な課題である。
【0008】こうした意味では、従来技術で耐パンチン
グ性および耐PM性を両立付与したプレコート鋼板或い
はその製造方法において開示された技術は殆ど見当たら
ないのが現状である。
【0009】また、産業廃棄物の規制に関わる課題とし
て、これに抵触する原料を用いての製品化はそのリサイ
クル化を含めて今後避けなければならない時代が間もな
く訪れようとしつつある。各種の表面処理鋼板にあっ
て、特に塗装鋼板ではその高防錆性付与にあたってCr
系防錆顔料などが多用されており、該廃棄物規制に抵触
する危険性を帯びている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
にあって、本発明は非Cr系防錆顔料をプライマー塗膜
に採用し、塗膜密着性を含めた耐パンチング性と耐PM
性を両立付与したガードフィルムフリー型のプレコート
を安価で市場に提供しようとするものであり、生産者か
ら需要家での最終商品化に至るまで一貫してパンチング
性を含めた加工取り扱い傷が発生しないプレコートでな
ければならないし、そのためには以下のような塗装下地
処理及び塗膜改質にあたっての技術課題が挙げられる。
【0011】塗装下地処理側として、下地クロメート
皮膜の素地原板に対する密着性の向上および塗膜密着性
の向上(耐パンチング性の付与)が必要である。また、
塗膜側では、非Cr系顔料の特定による塗装鋼板とし
ての高防錆化、加工製品の保管及び輸送環境に即応し
た塗膜への耐弾力性及び耐圧強度の付与(耐PM性の付
与)、金型寿命を低下させるおそれのある塗膜中骨材
の軟質化(耐PM性の付与)、他の塗膜性能を犠牲に
しない等、これらを全ての塗膜性能を満足するプレコー
トでなければならない。
【0012】すなわち、基本的に下地クロメート皮膜の
素地密着性を上げて、かつ適度に硬くて弾力性に富んだ
塗膜の設計が要求される。そのためには、先ず下地めっ
き原板の表面に形成する下地クロメート皮膜の難溶化と
それによる皮膜の素地密着性を上げて剥離塗膜のパンチ
ング金型への付着を抑制する必要があり、そのためには
クロメート皮膜の前処理として特定金属からなるフラッ
シュめっき皮膜が効果的であること、かつ塗膜のガラス
転移点(以下、単にTgという)を特定範囲に制御し、
且つ耐衝撃性を高めて弾力性に富む形の塗膜設計が耐パ
ンチング性向上の上で基本的に必要であるが、そのため
には塗膜中の骨材の硬さ制御が必要で、本発明にあって
はバインダーの主樹脂と殆ど溶解または反応しない樹脂
タイプの有機骨材の適用が必須で、従来技術で多用され
る結晶化度の高い無機系骨材(シリカ粒)などは硬いた
め、塗膜からの系外排除が前提となる。
【0013】また、より安定した表側トップ塗膜の耐P
M性を得るためには、特に裏面塗膜の表面状態、例えば
裏面塗膜の外観光沢をトップ塗膜の光沢度以下に制御す
ることが必要である、などの知見に基づき本発明を提案
するに至ったものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】以上のような従来技術の
欠点を解消し又、最近の市場ニーズであるプリペイント
鋼板の低コスト化に対応した商品として本発明は次のよ
うな技術思想に基き、意匠性の高いトップ塗膜の耐パン
チング性と耐PM性を両立付与した鮮映性黒色プレコー
トの塗膜設計について適正化を図ったものである。
【0015】下地クロメート皮膜の素地及び上層塗膜
に対する密着性向上には、クロメートの皮膜形態を難溶
化することが必須で、そのためにはクロメート皮膜の下
層に特定の金属皮膜を形成させる必要がある。 非Cr系顔料の成分系及びその性状特性による耐食性
の付与。 トップ塗膜への弾力性付与による耐パンチング性の付
与。有機系樹脂骨材の粒径および配合量の適正化。 トップ塗膜への耐PM性の付与。樹脂Tg、バインダ
ー樹脂の分子量および配合量の適正化。 裏面塗膜の光沢制御によるトップ塗膜の耐PM性の安
定性化。
【0016】以下、本発明鋼板の皮膜構成について先ず
説明する。本発明鋼板の皮膜構成の概要としては、先ず
めっき原板を表面及び裏面に特定元素でなるフラッシュ
めっき皮膜が特定量で等量に形成され、次いでその上層
に成分を特定したクロメート組成物を特定量塗布形成す
る。
【0017】次に、その上層に塗膜を形成するにあたっ
て、表側(トップ塗膜側)には防錆顔料の成分を非Cr
系に特定してなる高分子ポリエステル樹脂系プライマー
塗膜と、その上層にトップ塗膜として成分構成を特定し
てなる耐パンチング性と耐PM性を両立付与した2C2
Bの塗膜でなる。また、その表面については表面光沢度
を特定した1C1Bの塗膜でなる。
【0018】以下、これら皮膜構成の詳細について詳述
する。本発明の塗装鋼板の原板として用いるめっき原板
の表面状態としては、通常製造後あまり期間を置かない
方が好ましい。しかし、場合によって室内在庫が数年程
度であれば、在庫中に生じる多少の発錆を伴った原板で
あっても本発明の適用によって、在庫経時しない原板と
遜色のない効果が得られる利点があることを付言してお
く。
【0019】なお、本発明に適用される原板としては、
亜鉛系めっき鋼板としては公知のめっき方法によって得
られる何れであってもよく、例えば電気めっき系では、
Znめっき、合金元素がNi,Cr,Feの何れか1種
以上からなるZn系合金めっき鋼板が用いられてよい。
また、電気分散めっき系に置いては、Zn−Ni,Zn
−FeをベースにSiO2 ,TiO2 ,ZrO2 ,Ba
CrO4 等の金属酸化物を均一分散析出させてなるZn
系分散合金めっき鋼板が用いられてよい。
【0020】さらに、溶融めっき系において溶融亜鉛め
っき鋼板、Zn−Al系合金めっき鋼板及びそれらの熱
拡散による合金化処理した亜鉛めっき鋼板、さらには溶
融Alめっき鋼板等が適用されてよい。
【0021】次に、該めっき原板の表面に、Ni,C
o,Fe,Zr,Sb,V,Mo,Wの少なくとも一種
以上からなる金属皮膜が3〜50mg/m2 形成され、その
上層に総Cr量比でCr3+が10〜50%、一次平均粒
径3〜50mμmの気相シリカが総Cr量比で0.5〜
2.0からなるクロメート組成物が総Cr付着量として
10〜150mg/m2 形成してなることを特徴とする。
【0022】また、その上層に、その塩基を亜鉛カリウ
ム若しくはリン酸亜鉛カリウムに特定した塩基性亜リン
酸塩系防錆顔料が樹脂100重量部に対して10〜10
0重量部特定配合された高分子ポリエステル樹脂系のプ
ライマー塗膜が固形皮膜として0.5〜10μm形成さ
れたのち、最上層に塗膜のガラス転移点(Tg)が5〜
70℃、平均分子量が15000〜50000のメラミ
ン硬化型高分子ポリエステル樹脂が固形分重量比で30
〜90%、この樹脂に殆ど融合しない一次平均粒径2〜
50μmの有機樹脂粒子が骨材として固形分重量比で1
〜50%及び滑剤として融点が80〜130℃のポリエ
チレンワックスが固形分重量比で1〜5%含有してなる
トップ塗膜が形成してなることを特徴とした耐パンチン
グ性及び耐PM性に優れたガードフィルムフリー型のプ
レコート鋼板である。
【0023】さらには、裏面塗膜の表面光沢度が少なく
とも表側トップ塗膜の50〜100%に制御してなるこ
とを特徴とする耐パンチング性及び耐PM性に優れたガ
ードフィルムフリー型のプレコート鋼板である。
【0024】つまり本発明の骨子は次の通りである。 耐パンチング性の安定維持にあたってパンチ孔エッジ
周辺部の塗膜密着性を上げるために下地クロメート皮膜
の素地に対する密着性を向上させる必要があり、そのた
めにはクロメート皮膜の下層に特定の金属皮膜を設ける
ことによるクロメート皮膜の形態改質による難溶性化の
達成。 塗膜の耐PM性の付与にあたっては樹脂のTgと分子
量を特定範囲に設け、これによって塗膜に適宜な硬さと
弾力性を付与した点。 金型摩耗を抑制して耐パンチング性を向上するにあた
り、塗膜骨材として平均粒径を特定した有機樹脂粒子を
適用した点。 裏面塗膜の表面光沢度を少なくとも表側トップ塗膜と
同等以下に制御することによって、トップ塗膜の耐PM
性を安定して得る点。 塗膜構成からのCr系顔料の系外排除による環境に優
しいプリペイント鋼板の達成。
【0025】尚、本発明のトップ塗膜設計にあっては、
必要に応じた塗膜の着色化は特段黒色にこだわることは
なく自由に行われてよく、またメタリック化および外観
光沢等、トップ塗膜としての意匠性の付与についても特
段制限されるものではないことを付言しておく。
【0026】
【作用】以下に本発明鋼板の皮膜構成因子に対する作用
限界について述べる。 (1)クロメート皮膜下層の金属皮膜 本発明でいう金属の作用は、クロメート皮膜の下層にあ
ってクロメート皮膜の素地に対する密着性向上及びクロ
メート皮膜の上層塗膜との密着性向上にある。特に、こ
のクロメート皮膜の素地に対する密着性の向上はプリペ
イント鋼板としての連続パンチング作業時の塗膜剥離を
抑制し、耐パンチング性を飛躍的に向上させる上で必須
の皮膜である。
【0027】この機能を発揮する金属系としては、N
i,Co,Fe,Zr,Sb,V,Mo,Wの少なくと
も一種以上からなり、皮膜の適正付着量として3〜50
mg/m2形成されればよい。なお、本発明にあって該金属
皮膜を得る手段としては公知技術の範疇でよく、化学め
っきや電気めっきといった手法が用いられてよい。
【0028】また、該金属皮膜の作用効果については、
ESCAによるクロメート皮膜の状態分析及び水に対す
るクロメート皮膜の溶出性から以下のように類推され
る。すなわち、該金属皮膜は下地原板と金属同志で結合
すること、また該金属皮膜が存在することによってクロ
メート皮膜は難溶化すること、及びクロメート皮膜中の
Cr6+分が減少してCr3+分が増す事実があり、これは
該金属皮膜とその上層でウエット状態にあるクロメート
皮膜との間で何等かのCr還元反応が生じていることを
裏付けるもので、その還元反応を引き起す源としては該
金属皮膜がカソードとなって素地めっき層のアノード溶
解が起り、その際発する電子の授受によってCr6+が還
元され、Cr3+形態を増す形のクロメート皮膜に形態変
化したものと推定される。
【0029】つまり、クロメート皮膜中のCr3+の比率
が増すことは、それ自身がゲル状の難溶性皮膜となって
金属や有機物との親和性が高まることを意味しており、
これがクロメート皮膜自身の該金属皮膜を介しての素地
との密着性を高めることになったと考えられ、と同時に
上層塗膜との密着性の向上をももたらしたと推定され
る。
【0030】以上の点から、該金属皮膜の適正付着量と
しては3〜50mg/m2 がよく、好ましくは5〜30mg/m
2 がよい。3mg/m2 未満では上記主旨の効果はあまり発
揮できないし、又50mg/m2 超では耐食性の低下があっ
て、プリペイント鋼板としての商品価値及びコストの問
題もあって得策ではない。
【0031】(2)クロメート皮膜 本発明のクロメート組成物は、総Cr量比でCr3+が1
0〜50%、一次平均粒径3〜50mμmの気相シリカ
が総Cr量比で0.5〜2.0でなるクロメート組成物
が総Cr付着量として10〜150mg/m2 形成される。
【0032】組成物として、Cr3+量が総Cr量比で
10%未満では、プリペイント鋼板として十分な塗膜密
着性が得られず、安定した耐パンチング性を得ることは
難しい。また、50%超にあってはクロメート皮膜中の
Cr3+が上がり過ぎて逆に耐食性の低下を招くこと及び
処理浴のゲル化からロール塗布による鋼板への均一塗布
性に支障が生じ、又、付着量の制御が難しくなるなど、
塗膜性能及び生産の安定性からいってもあまり得策では
ない。従って、適正Cr3+量としては総Cr量比で10
〜50%にあって、好ましくは30〜40%がよい。
【0033】気相シリカを用いる目的は、主として塗
膜密着性の向上及び裏面塗膜の掻き傷防止にある。該シ
リカは、クロメート液中で二次凝集して数百mμm〜μ
オーダーに粒成長する特性があり、この粒成長がある一
定範囲に収まるように制御することが必要で、これがク
ロメート皮膜として塗膜のアンカー効果を発揮せしめる
ものである。この機能を十分発揮させるには該シリカの
平均一次粒径は3〜50mμmがよく、好ましくは10
〜30mμmがよい。また、同様の主旨から該シリカの
配合比も重要な制御要素であり、本発明にあっては総C
r量比で0.5〜2.0がよく、中でも0.7〜1.5
が好ましい。
【0034】このようにしてなる該クロメート組成物
の本発明におけるクロメート皮膜としての適正付着量の
範囲は、総Cr付着量として10〜150mg/m2 形成さ
れてよく、好ましくは30〜90mg/m2 がよい。総Cr
付着量が10mg/m2 未満では耐食性や塗膜密着性といっ
た塗装性能が十分満足されず、プリペイント鋼板として
の商品価値が期待できない。また、150mg/m2 超では
加工応力の集中から加工部に塗膜剥離が生じやすくな
り、耐パンチング性の低下があってコスト面からもあま
り得策ではない。
【0035】(3)プライマー塗膜 防錆顔料の適正配合比 本発明鋼板の耐食性維持にあたってはプライマー塗膜中
に防錆顔料として塩基性亜リン酸塩が用いられるが、そ
の塩基が亜鉛カリウム或いはリン酸亜鉛カリウムで特定
される必要がある。重量比で樹脂100部に対する該顔
料の配合比が10部未満にあっては、塗膜下腐食に対す
る防錆性が不足し、十分な耐食性は得られない。又配合
比が100部を超えては塗膜の伸び加工性が低下し、ト
ップ塗膜に亀裂やクラックが生じやすくなる。従って、
該防錆顔料の好ましい配合比としては、樹脂100部に
対し30〜80部がよい。
【0036】なお、該防錆顔料の粒径については本発明
にあって特に制限されるものではないが、好ましくは一
次平均粒径として30mμm〜1μm程度に制御した方
が、塗装製品としての耐食性、加工性及び塗装外観の平
滑性維持の上でより生産性が高いといえる。
【0037】プライマー塗膜厚 本発明にあってプライマーの塗膜厚が0.5μm未満で
は、塗装耐食性はもとより素地に対するトップ塗膜の密
着性及び外観均一性が損なわれ好ましくない。また、1
0μmを超えては製品性能としては飽和状態にあるた
め、経済性からみてあまり得策ではない。従って、該プ
ライマー塗膜厚の好ましい範囲としては1〜7μmがよ
い。
【0038】なお、プライマー塗膜用該防錆顔料のバイ
ンダー樹脂系は、本発明にあって特に限定されるべきも
のではないが、好ましくはポリエステル、ポリオレフィ
ン、ナイロン、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリプロ
ピレン、エポキシ、ポリアミド、フェノール、ポリエチ
レンが用いられてよい。
【0039】(4)トップ塗膜 バインダー用の主樹脂の高分子ポリエステル樹脂の適
正分子量 本発明にあってトップ塗膜に耐PM性を付与するにあた
っては、先ず塗膜を適宜に硬くして加圧力に耐えるよう
にすることが前提で、そのためにはバインダー樹脂の高
分子ポリエステル樹脂の分子量範囲を特定する必要があ
る。
【0040】該樹脂の分子量が15000未満にあって
は、架橋密度が上がり過ぎて塗膜に加工割れが生じ易く
なり、またパンチングのような機械衝撃を受けると塗膜
剥離が発生し易くなる。一方、50000以上にあって
はユズ肌やワキの発生など塗装外観上の欠陥が生じ易く
なり、コストを含めてあまり得策ではない。従って、本
発明にあって該樹脂の分子量範囲としては、15000
〜50000にあって、中でも20000〜30000
の範囲が好ましい。
【0041】高分子ポリエステル樹脂の適正配合比 本発明にあって該バインダー樹脂の配合量は、固形分重
量比として30〜90%がよい。30%未満では塗膜強
度が低下して塗膜の耐疵付性や加工性の低下があり、
又、均一な塗装外観も得られ難くなる。一方、90%を
超えては所望の塗膜外観(着色、光沢度)の制御が難し
くなり、また塗膜の伸び加工性の低下から塗膜が割れ易
くなり、外観を含めた塗膜性能の低下が大きくコストを
含めて余り得策ではない。従って、該樹脂の適正配合量
については30〜90%にあって、好ましくは40〜7
0%がよい。
【0042】塗膜Tg(ガラス転移点) 本発明の塗膜Tgはトップ塗膜の耐PM性をより安定し
て得るために特に制御すべき基本因子である。該Tgが
5℃未満では耐PM性が十分ではなく、又、70℃を超
えては塗膜の耐PM性は飽和状態にあるものの、塗膜が
硬質化しやすく加工割れを起こして優れた耐パンチング
性は得られにくくなるし、またユズ肌やワキ等が生じ易
くなって少なくとも均一な塗装外観が得られにくくな
り、歩留りやコストを含めて得策ではない。従って、塗
膜Tgは本発明にあって5〜70℃がよく、中でも20
〜60℃が好ましい。
【0043】有機樹脂粒子骨材の適正粒径及び適正配
合量 本発明にあって、該有機樹脂骨材は塗膜に適宜な硬さと
弾力性を付与し、塗膜の耐パンチング性及び耐スリ疵性
付与のためにある。該樹脂骨材にあって、塗膜への弾力
性付与の観点からバインダー樹脂に不溶ないし難溶性で
あって、かつ塗膜の外観光沢を十分安定して制御し得る
機能をもった樹脂粒子性状でなければならない。そのた
めに、粒径と配合については十分な設計が必要である。
【0044】まず、該樹脂粒子骨材の平均粒径が2μm
未満にあっては、塗膜への弾力性が過剰に付与されるた
め、耐パンチング性は十分付与されるものの、塗膜は軟
質化し耐PM性や耐傷付性は逆にやや低下して不安定化
し、あまり好ましくない。また、塗膜外観にあっては艶
や光沢の調整機能が低下し、コストを含めてあまり得策
ではない。一方、平均粒径が50μmを超えては突起の
大きい塗膜外観となり、就中塗膜光沢度の安定制御が難
しくなり、又、耐傷付性の低下もあって生産性を含めて
余り得策ではない。従って、該有機樹脂粒子骨材の粒径
範囲としては2〜50μmがよく、中でも3〜30μm
が好ましい。
【0045】次に、該樹脂粒子骨材の配合量について
は、固形分重量比で1%未満では該骨材による塗膜への
弾力性が不足し、良好な耐PM性は維持されるものの、
耐パンチング性の両立までは難しく、耐傷付性の低下や
外観光沢の制御が不安定化することもあって好ましくな
い。また、50%を超えては十分な耐PM性および耐パ
ンチング性の両立はできても塗膜外観の艶制御が難しく
なり、あまり好ましくない。従って、該樹脂粒子骨材の
配合量としては1〜50%がよく、好ましくは3〜20
%がよい。
【0046】尚、本発明にあっては、該樹脂粒子骨材と
してポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリ
アマイド、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、アル
キルシリコーン、メラミン−フォルムアルデヒド、ポリ
ウレタン及びポリ弗化ビニリデンが適用されてよく、そ
の効果に差異はない。
【0047】ポリエチレン滑剤の適正配合量 ポリエチレン滑剤は塗膜の耐スリ疵性やプレス加工にお
ける加工性の向上を主旨とする。該滑剤が固形分重量比
として1%未満では上記塗膜性能の低下は避けられず、
又、剥離塗膜の圧着による押疵発生があって耐パンチン
グ性は十分ではない。また、5%を超えては塗膜焼付時
の水冷模様が目立ち、均一な塗装外観は得られ難い。従
って、該滑剤の適正配合量は1〜5%にあって、好まし
くは1.5〜3%がよい。
【0048】次に、該滑剤の融点が80℃未満では塗膜
表面に形成される潤滑膜の強度が十分ではないため、耐
疵付性の低下や肝心の耐PM性、更には焼き付け後の塗
膜表面に水冷模様が発生して商品価値を低下するなど、
あまり好ましくない。一方、該滑剤の融点が130℃を
超えては塗料中での均一分散性にやや欠けるため、塗膜
表面での均一な潤滑膜形成は難しくなり、外観ムラや耐
疵付性の不安定化を招き好ましくない。従って、本発明
にあって該滑剤の融点は80〜130℃がよく、好まし
くは100〜120℃がよい。
【0049】尚、本発明にあっては、滑剤としてポリエ
チレンの他に、シリコーン系及び弗素系の滑剤が用いら
れてもよく、その効果に差異はない。
【0050】(5)裏面塗膜の表面光沢度 本発明にあって裏面塗膜の表面光沢は、トップ塗膜の耐
PM性をより安定して得るための制御因子である。裏面
塗膜の光沢度がトップ塗膜の光沢度に対して50%未満
では、トップ塗膜の耐PM性が低下し、また、100%
を超えても同様にトップ塗膜の耐PM性は低下する。す
なわち、トップ塗膜の耐PM性を安定して得るには、裏
面光沢度として本発明の範囲を維持することが肝要であ
って、好ましくは60〜90%がよい。
【0051】
【実施例】以下、実施例及び比較例をもとに本発明の効
果について更に詳述する。板厚0.7mm、板巾914mm
の亜鉛系又はアルミニウムめっき鋼板の両面に対し、ラ
イン速度70m/分で先ず置換めっき法による本発明が
表1〜表10に特定するフラッシュめっきを行ったの
ち、従来技術のロール塗布法による下地クロメート処理
を行う。このクロメート皮膜は表1〜表10に特定する
本発明のクロメート組成物を固形皮膜として特定量にな
るよう調整され、乾燥されて直ちに塗装工程に入る。
【0052】該下地処理された鋼板の表側は2C2B塗
装で裏面は1C1B塗装されるが、これらに用いられる
塗装系はいづれも有機溶剤系メラミン硬化型の高分子ポ
リエステル樹脂系塗料であって、所定条件で塗装焼付さ
れる。
【0053】表側の2C2B塗装面において、本発明が
表1〜表10に示す特定顔料からなるプライマー塗膜を
固形皮膜として5μmロール塗装されたのち、その上層
には機能性を付与させたトップ塗膜として表1〜表10
に本発明が成分特定する塗料組成物を固形皮膜として1
9μmになるようカーテン塗装され、標準条件で焼付け
され水冷乾燥される。なお、この時のトップ塗膜の表面
光沢度は80%に制御した。
【0054】一方、鋼板の裏面塗装については塗膜の艶
出しを調整した本発明が表1〜表10に特定する塗料組
成物を公知のロール塗装法により、塗膜厚が固形皮膜と
して1μmになるよう塗装制御され、所定板温で焼付し
水冷乾燥される。
【0055】こうして製造された本発明によるプレコー
ト鋼板の塗膜性能についても、表1〜表10に示すが、
以下にその効果を記載するように、意匠性の高いトップ
塗膜に要求される耐プレッシャーマーク性(耐PM性)
及び耐パンチング性を両立したプレコート鋼板として、
これを安定生産できるようにした、従来技術にない画期
的なプレコート鋼板を安価に市場提供するに至ったもの
である。
【0056】(1)クロメート皮膜下層の金属皮膜の効
果について クロメート皮膜と素地との密着性を上げ、かつクロメー
ト皮膜を難溶化して上層塗膜の密着性をも上げて、プリ
ペイント鋼板としての耐パンチング性を高位に安定させ
るための金属皮膜の効果について、本発明の実施例をN
o.1〜No.7及びNo.10〜No.21に示し、
その比較例をNo.8〜No.9に示す。
【0057】これらの実施例から明らかなように、本発
明の該金属皮膜を特定量にしてクロメート皮膜の下層に
設けることによって、塗膜の他の性能を阻害することな
く切断した鋼板バリ部でも健全な塗膜密着性が維持さ
れ、耐パンチング性と耐PM性(耐プレッシャーマーク
性)を高位に安定して両立することが可能となった。
【0058】(2)クロメート皮膜の効果について 本発明にあって、クロメート皮膜の役割は加工による自
らの凝集破壊を抑制し、また上記金属皮膜との相乗作用
によって発揮されるクロメート皮膜の素地に対する密着
性の向上がパンチング作業時の塗膜剥離を抑制し、プリ
ペイント鋼板に対して安定した耐パンチング性を付与す
るためにある。加えて、該金属皮膜によるクロメート皮
膜の難溶化とそのクロム形態の変化によって塗装耐食性
寿命を向上させるためにある。
【0059】このような本発明の効果について、実施例
のうちCr3+の適正比についてNo.3及びNo.22
〜No.26に示し、その比較例をNo.27〜No.
28に示す。又、気相シリカの平均一次粒径の適正範囲
については本発明の実施例をNo.3及びNo.29〜
No.32に、その比較例をNo.33〜No.34に
示す。
【0060】更に、該気相シリカの配合比について本発
明の実施例をNo.3及びNo.35〜No.38に、
その比較例をNo.39〜No.40に示す。更に本発
明が特定するクロメート付着量の範囲については、実施
例をNo.3及びNo.41〜No.48に、その比較
例をNo.49〜No.50に示す。
【0061】これらの実施例から明らかなように、本発
明が特定するクロメート皮膜を用いることによって、優
れた皮膜密着性ほか、他の性能を阻害することなく耐パ
ンチング性と耐PM性(耐プレッシャーマーク性)を高
位に安定して両立させることが可能となった。
【0062】(3)プライマー塗膜について プライマー塗膜への本発明による防錆顔料の適用効果に
ついて、顔料種及びその配合比について本発明の実施例
をNo.3及びNo.51〜No.58に、またその比
較例をNo.59〜No.62に示す。更に、適正プラ
イマー塗膜厚について本発明の実施例をNo.3及びN
o.63〜No.67に、またその比較例をNo.68
〜No.69に示す。
【0063】これらの実施例で明らかなように、本発明
が特定する防錆顔料を適正配合したプライマー塗膜を適
正膜厚に設けることによって、優れた塗膜密着性ほか、
他の性能を阻害することなく耐パンチング性と耐PM性
(耐プレッシャーマーク性)を高位に安定して両立させ
ることが可能となった。
【0064】(4)主樹脂の作用効果について 塗膜への耐PM性付与に対する主樹脂の作用効果につい
て、適正分子量範囲についての本発明の実施例をNo.
3及びNo.70〜No.75に、その比較例をNo.
76〜No.77に示す。
【0065】また、該主樹脂の適正Tgについては、本
発明の実施例をNo.3及びNo.78〜No.81
に、その比較例をNo.82〜No.83に示す。更
に、該主樹脂の適正配合比について、本発明の実施例を
No.3及びNo.84〜No.87に、比較例をN
o.88〜No.89に示す。
【0066】これらの実施例から明らかなように、塗膜
の他の性能を阻害することなく塗膜に耐PM性を付与す
るためには塗膜のTgを本発明の範囲に設計することが
肝要であること、加えて塗膜の外観均一性や耐パンチン
グ性を安定して得られるようにするためには本発明がい
う樹脂分子量及び配合量との適正設計が必要であること
が分かる。
【0067】(5)塗膜中の樹脂粒子骨材の適正配合に
ついて 該樹脂骨材は塗膜にあってその耐スリ疵性付与のために
あるが、本発明にあってはパンチング等の機械加工にお
ける孔開け性において、金型摩耗を抑制することを主眼
とし、そのためには該骨材の粒径及びその配合量を適正
範囲に制御することが肝要である。
【0068】本発明にあって該樹脂骨材の適正粒径範囲
について実施例をNo.3及びNo.90〜No.96
に、比較例をNo.97〜No.98に示す。またその
適正配合量については実施例をNo.3及びNo.99
〜No.104に、比較例をNo.105〜No.10
6に示す。
【0069】これらの実施例から明らかなように、他の
塗膜性能を低下させることなく耐パンチング性と耐PM
性を塗膜に両立させるには、該樹脂粒子骨材の粒径及び
配合量を本発明がいう適正範囲内に制御することが必要
なことが分かる。
【0070】(6)ポリエチレン滑剤の適正配合につい
て この滑剤は粉末状であってその狙いは塗膜へのスベリ性
付与によって耐スリ疵性を適宜に上げることにあり、そ
の配合の適正化が必要である。本発明による該滑剤の実
施例をNo.3及びNo.107〜No.111に、比
較例をNo.112〜No.113に示す。
【0071】この実施例から明らかなように、塗膜に潤
滑性を付与することによって安定したプレス加工等での
鋼板ハンドリング疵が解消され、特に塗膜への耐PM性
の付与によってガードフィルムフリーを特徴とする本発
明の鋼板にあっては該滑剤の適正配合が肝要である。ま
た、該滑剤の配合にあっては、上限を外れると塗膜外観
に焼付後の水冷模様が発生し易くあまり好ましくないこ
とが分かる。
【0072】更に、該滑剤の融点についてであるが、本
発明による実施例をNo.3及びNo.114〜No.
116に、比較例をNo.117〜No.118に示
す。この実施例から明らかなように、本発明の該滑剤の
融点範囲が適正領域を外れると、下限未満では良好な耐
スリ疵性の他、本発明が主旨とする耐PM性をも安定し
て得ることは難しくなり、また上限を超えては塗膜に水
冷模様が発生し外観上商品価値を大きく損なうことが分
かる。
【0073】(7)裏面塗膜の光沢度について 本発明にあって、トップ側塗膜の耐PM性を安定して得
るためには裏面塗膜の光沢度を適正範囲に制御すること
が好ましい。この場合の裏面光沢度の制御はトップ塗膜
の光沢度対比で行なわれる。この点について、本発明の
実施例をNo.3及びNo.119〜No.123に、
又比較例についてはNo.124〜No.125に示
す。これより明らかなように、本発明がいう裏面光沢度
の制御範囲を逸脱すると、高生産性のライン下において
商品価値の高いトップ塗膜面への耐PM性の安定維持は
難しくなり、コストを含めてあまり得策ではない。
【0074】(8)下地鋼板の各種めっき系の適用事例 本発明が適用できる下地鋼板のめっき系について実施例
をNo.3及びNo.126〜No.136に示す。こ
の実施例から明らかなように、本発明は下地鋼板のめっ
き系が異なってもその塗膜機能は何等支障となるもので
はないことが分かる。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】(注)上記各表における注釈は次の通りで
ある。 *1.めっき系 EZ :電気Znめっき ZN :電気Zn−Ni合金めっき(Ni;11.5
%) EC :電気Zn−Cr−Ni合金めっき(Cr;10
%,Ni;2%) EF :電気Zn−Fe合金めっき(Fe;15%) ZNS:電気Zn−Ni−SiO2 (Ni;12%,S
iO2 ;3%) ZNT:電気Zn−Ni−TiO2 (Ni;12%,T
iO2 ;3%) ZNB:電気Zn−Ni−BaSO4 (Ni;12%,
BaSO4 ;3%) ZFS:電気Zn−Fe−SiO2 (Fe;10%,S
iO2 ;3%) GZ :溶融Znめっき GA :溶融Zn−Alめっき(Al;5%) GF :合金化溶融Znめっき(Fe;8〜11%) AL :溶融Alめっき
【0086】*2.金属皮膜 公知技術での化学めっき方法による。付着量(mg/m2
は化学分析方法により測定。NS:Ni+Sb,NF:
Ni+Fe,NM:Ni+Mo,NV:Ni+V,N
W:Ni+Wの合金系でなることを示す。
【0087】*3.クロメート皮膜 気相シリカの粒径は一次平均粒径を指し、表示単位はm
μm。また比率の表示単位は総Cr量に対する比率とし
てwt%で示す。付着量は総Cr量として表示し、蛍光X
線分析方法による。
【0088】*4.プライマー塗膜 高分子ポリエステル樹脂使用 防錆顔料ZK:塩基性亜リン酸亜鉛カリウム、一次平均
粒径10mμm〜2μmの範囲で適用 防錆顔料PK:塩基性亜リン酸リン酸亜鉛カリウム、一
次平均粒径10mμm〜2μmの範囲で適用
【0089】*5.トップ塗膜性状 メラミン樹脂硬化による高分子ポリエステル樹脂を使
用。 Tgは硬化塗膜のガラス転移点を指し、TMAで実測
したもの。 配合量はすべて塗膜固形分に対する重量比でいう。 有機骨材とは樹脂粒子骨材をいう。粒径は一次平均粒
径を指す。
【0090】*6.裏面塗膜の光沢度 60度鏡面反射によるトップ側塗膜の光沢度対比をい
う。
【0091】*7.耐PM性評価 トップ塗膜面に裏面塗膜を重ね合わせた試験片上に荷重
80kg/cm2 ,RH95%,40℃の湿潤雰囲気に16
8hrs 静置したのち、試験片を取り出し塗装面の圧痕状
態を目視評価。 ◎:初期外観と変化なし ○:透かすと極く僅かな圧痕転写 △:正面から見て僅かな圧痕転写 ×:明瞭な圧痕転写
【0092】*8.耐パンチング性 連続パンチング孔開け装置:電動式クランクプレス機に
よる連続孔開け、秒速4個 金型:表面硬質加工による金型を使用。肉厚1mm×幅
4.5mmの刃が4連セット 耐孔開け性評価:パンチング孔30万個目を対象に、そ
の孔周辺へのバリ発生状態を目視評価。 ◎:バリなし ○:僅かに押疵あるもバリなし △:バリ数個発生 ×:バリ頻発 塗膜粉末の発生性: ◎:なし ○:僅かに発生するも押疵なし △:金型に付着し、押疵が散発 ×:金型にかなり付着し、押疵も頻発
【0093】*9.塗装耐食性 無塗油の角筒プレス(50W ×50L ×50H [mm])
加工部側面の塗膜膨れ発生状況を目視評価。 CCT60サイクル(24hrs/サイクル) SST6hrs →放置1hr→乾燥70℃,RH60%,4
hrs →放置2hrs→湿潤49℃,RH98%,4hrs →
放置2hrs →冷却−20℃,4hrs→放置1hr ◎:膨れなし ○:僅かに膨れ △:細かな部分膨れ ×:全面に膨れ
【0094】*10.塗膜外観(変色、塗膜欠陥の目視
評価) ◎:外観均質 ○:透かして極く僅かに不均一模様 △:部分的に不均一 ×:全面不均一
【0095】
【発明の効果】以上のように、本発明は市場におけるプ
レコート鋼板のガードフィルムフリー化要求に対し、最
大の課題である塗膜の耐プレッシャーマーク性(耐PM
性)及び耐パンチング性の両立について検討を行った結
果、以下の技術思想でなる特定範囲のめっき表面粗さに
制御しためっき原板を基板とし、その上層にクロメート
皮膜の下層皮膜として特定の金属皮膜を設けることによ
るクロメート皮膜の素地密着性及び該金属皮膜によるク
ロメート皮膜の難溶化形態への変化によって塗膜密着性
を飛躍的に向上させ、これが懸案の耐パンチング性を高
位に安定化させ得たこと、さらにはトップ塗膜構成およ
び裏面塗膜の光沢度制御を両立させることにより、他の
塗装性能を低下させることなく、これを工業的レベルで
ノンガードフィルム型の鮮映性黒色プレコート鋼板を市
場提供するに至ったものである。
【0096】すなわち、 (1)クロメート皮膜の下地皮膜として特定の金属皮膜
を形成することにより、上層クロメート皮膜の素地密着
性が大巾に改善されると同時に、該金属皮膜生成によっ
てクロメート皮膜が難溶型に形態変化し、塗膜密着性が
高位に安定したことにより、課題であったプリペイント
鋼板としての耐パンチング性が安定して得られるように
なった(クロメート皮膜及び塗膜の密着性向上によるパ
ンチング時の塗膜剥離防止の達成)。 (2)プライマー塗膜中の防錆顔料を非Cr系顔料とす
ることにより、塗装製品からのCr溶出を殆ど解消し
た。 (3)塗膜中の骨材を樹脂粒子型の骨材に限定し、その
粒径および配合量を特定することによって塗膜に弾力性
を付与し、これによってパンチング等の機械加工におけ
る金型摩耗を抑制および鋼板への耐孔明性が安定して得
られるようになった(金型摩耗抑制による耐パンチング
性の達成)。 (4)トップ塗膜のTg、樹脂の分子量及びその配合の
適正化、滑剤の融点とその配合の適正化および裏面塗膜
の外観光沢の適正制御の各塗膜構成要素技術の両立によ
り、コイル製品および切り板製品の積載のいづれであっ
ても良好な耐プレッシャーマーク性が安定して得られる
ようになった(耐PM性付与による塗膜のノンガードフ
ィルム化の達成)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西岡 良二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板又は溶融アルミニウム
    めっき鋼板の表面に、Ni,Co,Fe,Zr,Sb,
    V,Mo,Wの少なくとも一種以上からなる金属皮膜が
    3〜50mg/m2 形成され、その上層に総Cr量比でCr
    3+が10〜50%、一次平均粒径3〜50mμmの気相
    シリカが総Cr量比で0.5〜2.0でなるクロメート
    組成物が総Cr付着量として10〜150mg/m2 形成し
    てなり、さらにその上層にその塩基を亜鉛カリウム或い
    はリン酸亜鉛カリウムで特定してなる塩基性亜リン酸塩
    系の防錆顔料を樹脂100重量部に対して10〜100
    重量部でなる高分子ポリエステル樹脂系プライマー塗膜
    を固形皮膜として0.5〜10μm形成したのち、その
    最上層にトップ塗膜として、塗膜のガラス転移点(T
    g)が5〜70℃、平均分子量が15000〜5000
    0のメラミン硬化型高分子ポリエステル樹脂が固形分重
    量比で30〜90%、この樹脂に殆ど融合しない一次平
    均粒径2〜50μmの有機樹脂粒子が骨材として固形分
    重量比で1〜50%及び滑剤として融点が80〜130
    ℃のポリエチレンワックスが固形分重量比で1〜5%含
    有してなるトップ塗膜を形成してなることを特徴とし
    た、難クロム溶出型の耐パンチング性及び耐プレッシャ
    ーマーク性に優れたガードフィルムフリー型プレコート
    鋼板。
  2. 【請求項2】 裏面塗膜の表面光沢度が少なくとも表側
    トップ塗膜の50〜100%に制御してなることを特徴
    とする請求項1記載の難クロム溶出型の耐パンチング性
    及び耐プレッシャーマーク性に優れたガードフィルムフ
    リー型プレコート鋼板。
JP18427695A 1995-07-20 1995-07-20 難クロム溶出型の耐パンチング性及び耐プレッシャーマーク性に優れたガードフィルムフリー型プレコート鋼板 Withdrawn JPH0929888A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007168273A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Jfe Steel Kk 塗装鋼板
JP2015199293A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 新日鐵住金ステンレス株式会社 クリヤ塗装ステンレス鋼板

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007168273A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Jfe Steel Kk 塗装鋼板
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