JPH09302468A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JPH09302468A
JPH09302468A JP14229996A JP14229996A JPH09302468A JP H09302468 A JPH09302468 A JP H09302468A JP 14229996 A JP14229996 A JP 14229996A JP 14229996 A JP14229996 A JP 14229996A JP H09302468 A JPH09302468 A JP H09302468A
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JP
Japan
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film substrate
thin film
evaporation source
forming apparatus
film
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JP14229996A
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Tatsuya Sato
達哉 佐藤
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、巻き取りフィルム基板上に薄膜を
形成する際、フィルム基板に対して極めて強い密着性を
もつと共に、良質でかつ均−な薄膜を形成することがで
きる薄膜形成装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 真空槽14内には、下方から上方に向け
て、抵抗加熱式の蒸発源18、熱電子発生用のフィラメ
ント20、蒸発物質を通過させる網目状のグリッド22
が順に配置されている。グリッド22上方には、フィル
ム基板走行手段として所定の凹面形状をなす一対のガイ
ド38が設置され、一対のガイド38上に走行するフィ
ルム基板32の両端を摺動させるようになっている。従
って、ガイド38によって保持されている部分のフィル
ム基板32は、蒸発源18に対して所定の凹面形状をな
し、このフィルム基板32のなす凹面は、蒸発源18か
らの蒸発物質の粒子数が等しくなる凹面である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜形成装置に係り、特
に巻き取りフィルム基板上に薄膜を形成するフィルム巻
き取り式薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、巻き取りフィルム基板上に薄膜を
形成する方法は、スパッタ法を中心に発展してきた。し
かし、従来のフィルム巻き取り式薄膜形成装置にあって
は、均一な薄膜の形成が困難であったり、形成された薄
膜の被薄膜形成基板に対する密着性が弱かったり、良質
な薄膜コーティングを生産性よく得ることが困難であっ
たりする等の問題があった。従って、こうした問題を解
決するためのフィルム巻き取り式薄膜形成装置が要請さ
れてきた。
【0003】ところで、薄膜形成方法には、一般にCV
D(Chemical Vapor Deposition )法やPVD(Physic
al Vapor Deposition )法などがある。CVD法には、
強い反応性を有するという長所があり、PVD法には、
高真空中で成膜するために緻密で強い膜を形成すること
ができるという長所がある。従って、プラスチックス等
の耐熱性のない基板を被蒸着基板として使用することが
可能で、かつ被蒸着基板に対しても極めて強い密着力を
もった薄膜を形成するためには、CVD法の長所とPV
D法の長所とを併せ持つ新方式の薄膜形成装置を開発す
ることが必要である。そして、こうした必要に応えるも
のとして、次の薄膜蒸着装置が提案された(特公平1−
53351号参照)。
【0004】即ち、この薄膜蒸着装置は、蒸発物質を蒸
発させるための蒸発源に対向させて薄膜を形成する基板
を保持する対電極を配備し、対電極と蒸発源との間に蒸
発物質を通過させうるグリッドを配備し、グリッドと蒸
発源との間に熱電子発生用のフィラメントを配備し、対
電極及び蒸発源に対してグリッドを正電位にして、蒸発
源から蒸発した蒸発物質を基板上に蒸着して薄膜を形成
する装置である。この薄膜蒸着装置においては、蒸発源
から蒸発した蒸発物質は、まずフィラメントから放出さ
れた熱電子によりイオン化される。このイオン化された
蒸発物質がグリッドを通過すると、グリッドから対電極
に向かう電界の作用により加速されて基板に衝突し、密
着性の良い薄膜が形成される。
【0005】しかし、この薄膜蒸着装置は、枚葉式また
はバッチ式であるため、そのまま巻き取りフィルム基板
上に薄膜を形成する装置として使用することはできな
い。そのため、この薄膜蒸着装置と同様の効果を狙った
フィルム巻き取り式の薄膜形成装置が提案されている
(特開平4−228570号参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のフィルム巻き取り式の薄膜形成装置においては、薄
膜の組成物質を蒸発させる蒸発源に対して湾曲凸面形状
をなす冷却キャン上にフィルム基板を走行させるため、
活性ガス中での反応性成膜によりフィルム基板上に薄膜
を形成する揚合、蒸発物質がフィルム基板に到達するま
での反応空間内における蒸発物質と活性ガスの比を均一
にすることができず、湾曲凸面をなすフィルム基板上の
各位置における膜厚や膜特性が必ずしも均一にならない
という問題があった。
【0007】この問題を解決するために、通常、薄膜形
成する領域を所望の膜厚や膜特性が得られる範囲に限定
し、その範囲以外には成膜されないように遮蔽する方法
が採用される。しかし、この方法によって膜厚や膜特性
を所望の範囲に維持しようとすると、フィルム基板の蒸
発源に対する露出面積を広くすることができなくなり、
薄膜形成の高速化を制約するという問題があった。
【0008】そこで本発明は、上記問題点を鑑みてなさ
れたもので、巻き取りフィルム基板上に薄膜を形成する
際、フィルム基板に対して極めて強い密着性をもつと共
に、良質でかつ均−な薄膜を形成することができる薄膜
形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明に係る薄膜形成装置により達成される。即ち、請求項
1に係る薄膜形成装置は、活性ガス、不活性ガス、又は
活性ガス及び不活性ガスの混合ガスが導入される真空槽
と、この真空槽内に設置され、所定の蒸発物質を蒸発さ
せる蒸発源と、真空槽内において、フィルム基板を走行
させるフィルム基板走行手段と、真空槽内において、走
行するフィルム基板表面を蒸発源に対して所定の凹面形
状に対向させ、フィルム基板表面の凹面が蒸発源から蒸
発される蒸発物質の粒子量の等しい面を少なくとも一部
に含むようにするフィルム基板保持手段と、蒸発源に対
して所定の凹面形状に対向するフィルム基板と蒸発源と
の間に配備され、熱電子を発生させるフィラメントと、
蒸発源に対して所定の凹面形状に対向するフィルム基板
とフィラメントとの間に配備され、蒸発源から蒸発した
所定の蒸発物質が通過可能なグリッドと、蒸発源、フィ
ラメント、及びグリッドに所定の電圧を印加する電源手
段と、を有し、フィラメントに対してグリッドを正の電
位とした状態において、蒸発源から蒸発した蒸発物質
が、フィラメントから放出された熱電子と衝突してイオ
ン化され、グリッドを通過し、蒸発源に対して凹面形状
に対向しているフィルム基板表面に衝突し付着する、こ
とを特徴とする。
【0010】このように請求項1に係る薄膜形成装置に
おいては、蒸発源から蒸発した蒸発物質がフィラメント
から放出された熱電子によりイオン化され、高いエネル
ギーを電気的に有することにより、反応性の薄膜形成又
は結晶化による薄膜形成において、反応温度又は結晶化
温度という熱エネルギーを与える必要がないため、低温
薄膜形成が可能となる。また、真空槽内の活性ガスはフ
ィラメントからの熱電子によりイオン化されることによ
り、高真空下においても蒸発物質のイオン化が可能であ
るため、フィルム基板表面に形成される薄膜の構造も極
めて緻密にすることができ、バルクの密度に極めて近い
密度を得ることも可能である。更に、高真空下で薄膜形
成を行うことにより、薄膜中へのガス分子の取り込みを
極めて少なくすることができるため、高純度の薄膜を得
ることができる。また、フィルム基板保持手段によって
保持されている部分のフィルム基板表面の凹面が蒸発源
から蒸発される蒸発物質の粒子量の等しい面を少なくと
も一部に含むことにより、通常の巻取り式成膜のような
湾曲凸面や平面上をフィルム基板を走行させた場合に比
べ、フィルム基板に到達するまでの反応空間内における
蒸発物質と活性ガスの比を均一にすることができるた
め、フィルム基板上に形成する薄膜の膜厚及び膜特性も
均−にすることができる。また、薄膜の膜厚及び膜特性
を所望の範囲に維持することが可能なフィルム基板の蒸
発源に対する露出面積を広くすることができるため、薄
膜形成の大幅な高速化が可能となる。
【0011】また、請求項2に係る薄膜形成装置は、上
記請求項1記載の薄膜形成装置において、蒸発源に対し
て所定の凹面形状に対向しているフィルム基板の上方
に、対向電極が配備され、この対向電極が、グリッドに
対して負の電位を有する、ことを特徴とする。
【0012】このように請求項2に係る薄膜形成装置に
おいては、グリッドに対して負の電位を有する対向電極
が、凹面形状部分のフィルム基板の上方から覆っている
ことにより、グリッド側から対向電極側ヘ向かう電界が
生じるため、グリッドを通過したイオン化された蒸発物
質は、この電界の作用によりフィルム基板側に向かって
加速され、フィルム基板に高エネルギーをもって衝突し
付着する。また、フィラメントから放出された熱電子の
一部がグリッドを通過しても、この電界の作用により減
速され、フィルム基板を加熱するには到らない。従っ
て、上記請求項1記載の薄膜形成装置の場合よりも、更
に密着性のよい薄膜を高速で形成することができる。
【0013】また、請求項3に係る薄膜形成装置は、上
記請求項1記載の薄膜形成装置において、フィルム基板
保持手段が、グリッド上方に配備され、蒸発源に対して
所定の凹面形状をなす一対のガイドであり、フィルム基
板の両端が一対のガイド上に保持され、フィルム基板が
一対のガイド上を摺動しつつ走行すると共に、一対のガ
イド上に保持されている部分のフィルム基板表面が蒸発
源に対して所定の凹面形状に対向している、ことを特徴
とする。
【0014】このように請求項3に係る薄膜形成装置に
おいては、一対のガイドが保持されている部分のフィル
ム基板表面の凹面が、蒸発源から蒸発される蒸発物質の
粒子量の等しい面を少なくとも一部に含むことにより、
通常の巻取り式成膜のような湾曲凸面や平面上をフィル
ム基板を走行させた場合に比べ、フィルム基板に到達す
るまでの反応空間内における蒸発物質と活性ガスの比を
均一にすることができるため、フィルム基板上に形成す
る薄膜の膜厚及び膜特性も均−にすることができる。
【0015】また、請求項4に係る薄膜形成装置は、上
記請求項3記載の薄膜形成装置において、一対のガイド
が、グリッドに対して負の電位を有している、ことを特
徴とする。
【0016】このように請求項4に係る薄膜形成装置に
おいては、フィルム基板を保持している一対のガイドが
グリッドに対して負の電位を有していることにより、グ
リッド側から一対のガイド側ヘ向かう電界が生じるた
め、グリッドを通過したイオン化された蒸発物質は、こ
の電界の作用によりフィルム基板側に向かって加速さ
れ、フィルム基板に高エネルギーをもって衝突し付着す
る。また、フィラメントから放出された熱電子の一部が
グリッドを通過しても、この電界の作用により減速さ
れ、フィルム基板を加熱するには到らない。従って、上
記請求項3記載の薄膜形成装置の場合よりも、更に密着
性のよい薄膜を高速で形成することができる。
【0017】また、請求項5に係る薄膜形成装置は、上
記請求項1記載の薄膜形成装置において、フィルム基板
保持手段が、回転可能な−対の円盤であり、フィルム基
板の両端が一対の円盤上に保持され、一対の円盤の回転
に伴ってフィルム基板が走行すると共に、一対の円盤上
に保持されている部分のフィルム基板表面が蒸発源に対
して所定の凹面形状に対向している、ことを特徴とす
る。
【0018】このように請求項5に係る薄膜形成装置に
おいては、一対の円盤の回転によりフィルム基板を走行
させるため、フィルム基板と円盤との摩擦による擦り傷
や静電気の発生を防止することができる。また、フィル
ム基板の走行速度を円盤の回転数により制御することが
可能であるため、フィルム基板の定速走行を安定して行
うことができる。従って、上記請求項1記載の薄膜形成
装置の場合よりも、フィルム基板の走行方向の膜厚及び
膜特性の均一性を更に向上させることができる。
【0019】また、請求項6に係る薄膜形成装置は、上
記請求項1記載の薄膜形成装置において、フィルム基板
保持手段が、複数の駆動ローラに取り付けられた−対の
ベルトであり、フィルム基板の両端が一対のベルト上に
保持され、複数の駆動ローラの回転による一対のベルト
の回転に伴ってフィルム基板が走行すると共に、一対の
ベルト上に保持されている部分のフィルム基板表面が蒸
発源に対して所定の凹面形状に対向している、ことを特
徴とする。
【0020】このように請求項6に係る薄膜形成装置に
おいては、一対の無端べルトの回転によりフィルム基板
を走行させるため、フィルム基板と無端べルトとの摩擦
による擦り傷や静電気の発生を防止することができる。
また、フィルム基板の走行速度を駆動ローラの回転速度
により制御することが可能であるため、フィルム基板の
定速走行を安定して行うことができる。また、蒸発粒子
量の等しい面がいかなる形であっても駆動ローラの配置
を変更してベルト形状をその形に合わせ込むことにより
膜組成、膜厚を均一化できる。従って、フィルム基板の
走行方向の膜厚及び膜特性の均一性を更に向上させるこ
とができる。
【0021】また、請求項7に係る薄膜形成装置は、上
記請求項1記載の薄膜形成装置において、フィルム基板
保持手段が、グリッド上方に配備された複数のローラで
あり、フィルム基板が複数のローラ上に保持され、複数
のローラの回転に伴ってフィルム基板が走行すると共
に、複数のローラ上に保持されている部分のフィルム基
板表面が蒸発源に対して所定の凹面形状に対向してい
る、ことを特徴とする。
【0022】このように請求項7に係る薄膜形成装置に
おいては、複数のローラの回転によりフィルム基板を走
行させるため、フィルム基板と複数のローラとの摩擦に
よる擦り傷や静電気の発生を防止することができる。ま
た、フィルム基板の走行速度を複数のローラの回転速度
により制御することが可能であるため、フィルム基板の
定速走行を安定して行うことができる。また、蒸発粒子
量の等しい面がいかなる形であっても駆動ローラの配置
を変更してベルト形状をその形に合わせ込むことにより
膜組成、膜厚を均一化できる。従って、フィルム基板の
走行方向の膜厚及び膜特性の均一性を更に向上させるこ
とができる。また、複数のローラによりフィルム基板全
体を保持していることにより、広幅なためにその端部の
みを保持するだけでは不安定なフィルム基板であって
も、安定的に保持することができる。
【0023】また、請求項8に係る薄膜形成装置は、上
記請求項7記載の薄膜形成装置において、複数のローラ
の各々の蒸発源側に、蒸発源からの蒸発物質が複数のロ
ーラ表面に付着することを防止するための複数の防着板
が配備されている、ことを特徴とする。
【0024】このように請求項8に係る薄膜形成装置に
おいては、複数のローラの各々の蒸発源側に複数の防着
板が配備され、蒸発源からの蒸発物質が複数のローラ表
面に付着することを防止しているため、複数のローラ表
面に付着した蒸発物質がフィルム基板表面に移ってフィ
ルム基板表面に形成される薄膜の膜厚の均−性が破壊さ
れることを防止することができる。
【0025】また、請求項9に係る薄膜形成装置は、上
記請求項1記載の薄膜形成装置において、フィルム基板
保持手段が、グリッド上方に配備された複数のローラ及
び複数のローラ上方に位置をずらして配備された複数の
張力設定用ローラであり、フィルム基板が複数のローラ
及び複数の張力設定用ローラを1つずつ交互に通り抜
け、複数の張力設定用ローラによりフィルム基板の張力
を調整しつつ複数のローラの回転に伴ってフィルム基板
が走行すると共に、複数のローラ上に保持されている部
分のフィルム基板表面が蒸発源に対して所定の凹面形状
に対向している、ことを特徴とする。
【0026】このように請求項9に係る薄膜形成装置に
おいては、複数のローラ及び複数の張力設定用ローラの
回転により一定の張力を保ちつつフィルム基板を走行さ
せるため、フィルム基板と複数のローラ及び複数の張力
設定用ローラとの摩擦による擦り傷や静電気の発生を防
止することができる。また、フィルム基板の走行速度を
複数のローラの回転速度により制御することが可能であ
るため、フィルム基板の定速走行を安定して行うことが
できる。また、蒸発粒子量の等しい面がいかなる形であ
っても駆動ローラの配置を変更してベルト形状をその形
に合わせ込むことにより膜組成、膜厚を均一化できる。
従って、フィルム基板の走行方向の膜厚及び膜特性の均
一性を更に向上させることができる。また、複数のロー
ラによりフィルム基板全体を保持していることにより、
広幅なためにその端部のみを保持するだけでは不安定な
フィルム基板であっても、安定的に保持することができ
る。
【0027】また、請求項10に係る薄膜形成装置は、
上記請求項9記載の薄膜形成装置において、複数の張力
設定用ローラの各々の蒸発源側に、蒸発源からの蒸発物
質が複数の張力設定用ローラ表面に付着することを防止
するための複数の防着板が配備されている、ことを特徴
とする。
【0028】このように請求項10に係る薄膜形成装置
においては、複数の張力設定用ローラの各々の蒸発源側
に複数の防着板が配備され、蒸発源からの蒸発物質が複
数の張力設定用ローラ表面に付着することを防止してい
るため、複数の張力設定用ローラ表面に付着した蒸発物
質がフィルム基板表面に移ってフィルム基板表面に形成
される薄膜の膜厚の均−性が破壊されることを防止する
ことができる。
【0029】また、請求項11に係る薄膜形成装置は、
上記請求項7乃至10のいずれかに記載の薄膜形成装置
において、複数のローラが、ローラ内に冷媒が導入され
ているフィルム基板冷却用ローラである、ことを特徴と
する。
【0030】このように請求項11に係る薄膜形成装置
においては、フィルム基板を保持している複数のローラ
が、フィルム基板冷却用ローラであることにより、フィ
ルム基板を冷却することができるため、薄膜形成の際に
フィルム基板の冷却が必要な場合にも対応することがで
きる。
【0031】また、請求項12に係る薄膜形成装置は、
上記請求項1乃至11のいずれかに記載の薄膜形成装置
において、蒸発源に対して所定の凹面形状に対向してい
るフィルム基板とグリッドとの間に、放電安定化用シー
ルドが配備されている、ことを特徴とする。
【0032】このように請求項12に係る薄膜形成装置
においては、所定の凹面形状をなすフィルム基板の前面
に放電安定化用シールドが配備されていることにより、
シールドが放電電極となり、放電はシールドよりも蒸発
源側で発生させることができ、フィルムの電位に依存し
なくなる。かつシールドの電位は常に一定であるため、
放電条件は安定化できる。また、放電がフィルム基板の
電位の影響を受けないため、上記請求項1乃至11に記
載の薄膜形成装置の場合よりも、更に膜厚及び膜特性の
均一性を向上すさせることができる。
【0033】また、請求項13に係る薄膜形成装置は、
上記請求項1乃至12のいずれかに記載の薄膜形成装置
において、グリッドが、蒸発源に対して所定の凹面形状
をなしており、グリッド面の法線の延長が、蒸発源に対
して所定の凹面形状に対向しているフィルム基板面の法
線に重なる、ことを特徴とする。
【0034】このように請求項13に係る薄膜形成装置
においては、蒸発源と凹面形状をなすフィルム基板との
間に配置されたグリッドが、蒸発源に対して所定の凹面
形状をなし、その凹面形状のグリッド面の法線の延長が
凹面形状のフィルム基板面の法線に重なっていることに
より、グリッドからその上方のフィルム基板へ向かう電
界の向きがフィルム基板面に垂直となり、この電界によ
って加速された一部イオン化した蒸発物質がフィルム基
板面に垂直に衝突するため、上記請求項1乃至12に記
載の薄膜形成装置の場合よりも、更に薄膜の配向や結晶
性について均ー性を向上させ、従って膜特性の均一性を
向上させることができる。
【0035】また、請求項14に係る薄膜形成装置は、
上記請求項1乃至13のいずれかに記載の薄膜形成装置
において、蒸発源上に、コリメータが配備され、このコ
リメータにより、蒸発源からの蒸発物質のフィルム基板
の幅方向への飛行範囲が限定される、ことを特徴とす
る。
【0036】このように請求項14に係る薄膜形成装置
においては、コリメータが蒸発源上に配置され、蒸発源
からの蒸発物質のフィルム基板の幅方向への飛行範囲が
限定されることにより、蒸発物質が蒸発源からフィルム
基板に到達する距離がほぼ一定となり、活性ガスとの反
応の進行度合いも一定となるため、フィルム基板上に形
成する薄膜の組成を所望の範囲に収めることが可能とな
るため、上記請求項1乃至13に記載の薄膜形成装置の
場合よりも、更に膜厚及び膜特性の均一性を向上すさせ
ることができ、特に薄膜形成の高速化とフィルム基板の
幅方向の均一化を同時に実現することができる。
【0037】また、請求項15に係る薄膜形成装置は、
請求項1乃至14のいずれかに記載の薄膜形成装置にお
いて、蒸発源を挟んで、一対の防着壁が配備され、この
一対の防着壁により、蒸発源に対して所定の凹面形状に
対向しているフィルム基板以外の部分のフィルム基板表
面への蒸発源からの蒸発物質の付着が防止される、こと
を特徴とする。
【0038】このように請求項15に係る薄膜形成装置
においては、蒸発源を挟んで配備されている一対の防着
壁により、蒸発源から横方向に飛行する蒸発物質が遮断
され、蒸発源に対して所定の凹面形状に対向しているフ
ィルム基板以外の部分のフィルム基板表面に蒸発物質が
付着することが阻止されるため、フィルム基板表面に形
成される薄膜の膜厚の均−性が破壊されることを防止す
ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施の形態を説明する。 (第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態に係る
フィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図1を用いて説明
する。ここで、図1(a)は第1の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置を示す概略断面図であ
り、図1(b)はその真空槽内部を示す側面図である。
図1において、ベースプレート10とベルジャー12と
は、図示しないパツキングを介して一体化され、真空槽
14を形成している。また、ベースプレート10の中央
部には孔16が貫通され、図示しない真空排気系に連結
されて、真空槽14内の気密性を維持している。
【0040】また、真空槽14内には、下方から上方に
向けて、蒸発源18、フィラメント20、グリッド22
が順に適宜間隔を明けて配置されている。そして蒸発源
18は、支持体と電極を兼ねる一対の支持体兼用電極2
4a、24bにより、フィラメント20は、一対の支持
体兼用電極26a、26bにより、グリッド22は、支
持体兼用電極28により、それぞれ水平状態に保持され
ている。また、これら蒸発源18等を挟んで、一対の防
着壁30が相対して設置されている。ここで、蒸発源1
8は、蒸発物質を蒸発させるためのものであり、例えば
タングステンやモリブデンなどの金属をボート状に形成
してなる抵抗加熱式として構成されている。
【0041】また、フィラメント20は、例えばタング
ステンなどからなり、熱電子を発生させるためのもので
ある。そしてこのフィラメント20の形状は、複数本の
フィラメントを平行に配列したり、又は網目状にしたり
するなどして、蒸発源18から蒸発した蒸発物質の粒子
の広がりをカバーするようになっている。また、グリッ
ド22は、蒸発源18から蒸発した蒸発物質を通過させ
るような形状、例えば網目状にその形状が定められてい
る。また、真空槽14内において、薄膜を形成すべきフ
ィルム基板32を走行させるフィルム基板走行手段とし
て、フィルム基板32を繰り出すアンワインダーロール
34及びそのフィルム基板32を巻き取るワインダーロ
ール36が、真空槽14内のベースプレート10上に蒸
発源18等を間に挟んで相対して設置されている。
【0042】また、グリッド22上方には、フィルム基
板走行手段として、蒸発源18に対して所定の凹面形状
をなす一対のガイド38が設置され、この一対のガイド
38上に走行するフィルム基板32の両端を摺動させる
ようになっている。そしてガイド38のフィルム基板3
2と接触する箇所には、図示はしないが、例えばフッ素
系樹脂等の摩擦係数の小さい材料が使用され、フィルム
基板32の摺動をより滑らかに行うことができるように
なっている。このガイド38は、蒸発源18の側からみ
ればフィルム基板32の手前に配備される。従って、ア
ンワインダーロール34から一対のガイド38を介して
ワインダーロール36へ走行するフィルム基板32は、
その両端を所定の凹面形状をなす一対のガイド38によ
って保持されている部分においては、蒸発源18に対し
て所定の凹面形状をなすことになる。
【0043】このフィルム基板32が蒸発源18に対し
てなす所定の凹面形状について説明する。例えば点蒸発
源や微小平面蒸発源を使用する場合、蒸発物質の粒子量
が等しい面の蒸発点からの距離Rは、 R=RO ・cosn/2 θ 但し、 n:正の整数 RO :定数 θ:蒸発点の鉛直上方からの角度 で近似できることが一般に知られている(ジークフリー
ト・シラー、ウルリッヒ・ハイジッヒ著、「真空蒸
着」、アグネ(1983)p.36参照)。従って、フ
ィルム基板32の蒸発源18に対する凹面形状がこうし
た条件を満足するようにガイド38の凹面形状を定め
る。実際のガイド38の凹面形状は、上述の計算式に基
づいて算出するか、或いはフィルム基板32上に形成さ
れた薄膜の膜厚分布の実測値を基にして決定する。
【0044】また、支持体兼用電極24a、24b、2
6a、26b、28は、いずれもベースプレート10と
電気的な絶縁性を保つ状態でベースプレート10を貫通
し、真空槽14外部に引き出されている。当然、これら
のベースプレート10の貫通部においては気密性が確保
されている。
【0045】そして蒸発源18を保持する一対の支持体
兼用電極24a、24bは、蒸発用の交流電源40に接
続され、フィラメント20を保持する一対の支持体兼用
電極26a、26bは、直流電源42の正極及び負極に
それぞれ接続され、グリッド22を保持する支持体兼用
電極28は、直流電源42より高電圧の直流電源44の
正極に接続されている。更に、蒸発源18の支持体兼用
電極24aは、直流電源42の負極及び直流電源44の
負極に接続され、フィラメント20の支持体兼用電極2
6aは、直流電源44の負極に接続され、直流電源42
及び直流電源44の負極は共に接地されている。従っ
て、グリッド22の電位は、蒸発源18及びフィラメン
ト20の電位に対して正電位となり、グリッド22と蒸
発源18との間の電界は、グリッド22側から蒸発源1
8側ヘ向かうものとなる。
【0046】なお、直流電源42及び直流電源44の負
極の接地は必ずしも必要ない。また実際には、これらの
電気的接続には種々のスイッチ類が含まれ、これらの操
作によって薄膜形成プロセスが実現されるのであるが、
図面が煩雑になることを避けるため、これらのスイッチ
類の図示は省略する。
【0047】次に、図1に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。蒸発物質を
構成する母材、導入ガス種の組合わせは、勿論、どのよ
うな薄膜を形成するかに応じて定める。例えば、Al
(アルミニウム)やAu(金)などの金属薄膜を形成す
る場合には、蒸発物質としてAlやAuを使用し、不活
性ガスとしてAr(アルゴン)を使用する。また、本実
施の形態においては、蒸発物質のイオン化率が極めて高
いため、真空槽14内に活性ガスを単独で、又は不活性
ガスと共に導入して薄膜形成を行うことにより、蒸発物
質と活性ガスを化合させ、この化合により化合物薄膜を
形成することも容易にできる。従って、例えばA12
3 薄膜を形成する場合には、蒸発物質としてAlを、不
活性ガスとしてArを、活性ガスとしてO2 (酸素)を
それぞれ選択する。また、例えばIn2 3 薄膜、Sn
2 薄膜、ZnO薄膜等を形成する揚合には、蒸発物質
としてIn(インジウム)、Sn(スズ)、Zn(亜
鉛)等を、導入ガスとしてO2 をそれぞれ選択する。以
下の説明は、より複雑な蒸発物質と活性ガスとの化合物
薄膜を形成する場合について行う。
【0048】真空槽14内は、予め10-5〜10-6To
rrの圧力にした後、必要に応じて所定の活性ガスと不
活性ガスの混合ガスを導入し、10-4〜10-2Torr
の圧力に調整する。このような状熊において、図1に示
すフィルム巻き取り式薄膜形成装置を作動させる。薄膜
を形成すべきフィルム基板32は走行を開始する。即
ち、フィルム基板32はアンワインダーロール34から
繰り出され、蒸発源18に対して所定の凹面形状をなし
ている一対のガイド38上を移動した後、ワインダーロ
ール36に巻き取られ始める。
【0049】一方、交流電源40、直流電源42、直流
電源44のスイッチもオン状態となる。従って、蒸発源
18に電流が流され、抵抗加熱により加熱されて、所定
の蒸発物質を蒸発させる。また、フィラメント20にも
電流が流され、抵抗加熱により加熱されて、熱電子を放
射する。また、グリッド22には、蒸発源18及びフィ
ラメント20に対して正の電位が印加される。蒸発源1
8から蒸発した蒸発物質は全方向に飛行するが、横方向
に飛行する蒸発物質は、蒸発源18を挟んで設置された
一対の防着壁30により遮断され、蒸発源18に対して
所定の凹面形状に対向しているフィルム基板32以外の
部分のフィルム基板32表面に蒸発物質が付着すること
が防止される。また、蒸発源18から上方に扇状の広が
りをもって飛行する蒸発物質は、一対のガイド38によ
って両端を保持され、蒸発源18に対して所定の凹面形
状をなすフィルム基板32へ向かう。
【0050】この凹面形状をなすフィルム基板32へ向
かって飛行する蒸発物質の一部は、その途中においてフ
ィラメント20から放出された熱電子と衝突してイオン
化される。同時に、真空槽14内に導入した活性ガス
も、フィラメント20から放出された熱電子との衝突に
よってイオン化される。従って、イオン化された蒸発物
質及びイオン化された活性ガスはプラズマ状態となる。
こうして、一部イオン化された蒸発物質は、プラズマ空
間内で活性ガスと反応しつつフィルム基板32に向かつ
て飛行する。そして更にグリッド22を通過した後、フ
ィルム基板32に衝突し付着する。なお、このとき、フ
ィラメント20から放出された熱電子は、その大部分が
グリッド22に吸収されるため、フィルム基板32には
殆ど到達せず、フィルム基板32を加熱することにはな
らない。このようにして、走行しているフィルム基板3
2上に薄膜が形成される。
【0051】以上のように、第1の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、蒸発源18か
ら蒸発した蒸発物質がフィラメント20から放出された
熱電子によりイオン化され、高いエネルギーを電気的に
有する(電子・イオン温度)ことにより、反応性の薄膜
形成又は結晶化による薄膜形成において、反応温度又は
結晶化温度という熱エネルギーを与える必要がないた
め、低温薄膜形成が可能となる。従って、薄膜を形成す
るフィルム基板32として、耐熱性のないプラスチック
フィルム基板などをに使用することができる。
【0052】また、真空槽14内の活性ガスのイオン化
にはフィラメント20による熱電子が有効に寄与し、高
真空下においても蒸発物質のイオン化が可能であるた
め、フィルム基板32表面に形成される薄膜の構造も極
めて緻密なものとすることができる。通常、薄膜の密度
はバルクのそれより小さいとされているが、本実施の形
態によれば、バルクの密度に極めて近い密度を得ること
も可能である。更に、高真空下で薄膜形成を行うことに
より、薄膜中へのガス分子の取り込みを極めて少なくす
ることができるため、高純度の薄膜を得ることができ
る。
【0053】また、ガイド38によって保持されている
部分のフィルム基板32が蒸発源18に対して凹面形状
をなし、このフィルム基板32のなす凹面が蒸発源18
からの蒸発物質の粒子数が等しくなる凹面であることに
より、フィルム基板32に到達するまでの反応空間内に
おける蒸発物質と活性ガスの比を均一にすることができ
るため、フィルム基板32上に形成する薄膜の膜厚及び
膜組成を均−にすることができ、従って膜組成に起因す
る膜特性も均−にすることができる。
【0054】また、従来のようにフィルム基板が蒸発源
に対して凸面形状や平面形状をなしている場合と比較す
ると、薄膜の膜厚及び膜特性を所望の範囲に維持するこ
とが可能なフィルム基板32の蒸発源18に対する露出
面積を広くすることができるため、薄膜形成の大幅な高
速化が可能となる。このように、膜特性を均一にした薄
膜を高速に形成することが可能であるため、大面積基板
や大量の基板に例えばIn2 3 薄膜、SnO2 薄膜、
ZnO薄膜等の透明導電膜を作製することが必要な場合
に特に有効である。
【0055】なお、上記第1の実施の形態に係るフィル
ム巻き取り式薄膜形成装置においては、蒸発源18とし
て、例えばタングステンやモリブデンなどからなるボー
ト状の抵抗加熱式の蒸発源18を用いているが、ボート
状に代えて、コイル状の抵抗加熱式の蒸発源を用いても
よい。また、抵抗加熱式の蒸発源18に代えて、電子ビ
ーム蒸発源など、従来の真空蒸着方式で用いられている
蒸発源を適宜使用することも可能である。
【0056】また、一対のガイド38によって保持され
ているフィルム基板32の蒸発源18に対する所定の凹
面形状は、蒸発源18からの蒸発物質の粒子量が等しい
面となっているが、必ずしも凹面形状のフィルム基板3
2全体が蒸発物質の粒子量の等しい面でなくとも、蒸発
物質の粒子量の等しい面を少なくとも一部に含む凹面形
状であってもよい。この場合においても、湾曲凸面上に
フィルム基板を走行させる通常のフィルム巻き取り式薄
膜形成の場合や平面上にフィルム基板を走行させる揚合
と比較すると、走行方向の膜厚や膜組成分布を格段に向
上させることができる。
【0057】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図2
を用いて説明する。ここで、図2は第2の実施の形態に
係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を示す概略断面図
である。本実施の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形
成装置の全体構成は、上記図1に示した第1の実施の形
態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の構成とほぼ
同様であり、真空槽内に対向電極を設けている点に本実
施の形態の特徴がある。従って、上記図1に示したフィ
ルム巻き取り式薄膜形成装置と同一の構成要素には同一
の符号を付してその説明を省略し、本実施の形態の特徴
点である対向電極について主要に説明する。
【0058】図2において、ベースプレート10とベル
ジャー12とにより形成されている気密性の真空槽14
内には、下方から上方に向けて、抵抗加熱式の蒸発源1
8、熱電子発生用のフィラメント20、蒸発物質を通過
させる網目状のグリッド22が順に配置されている。ま
た、これら蒸発源18等を挟んで、一対の防着壁30が
相対して設置されている。また、真空槽14内のベース
プレート10上には、フィルム基板32を繰り出すアン
ワインダーロール34とそのフィルム基板32を巻き取
るワインダーロール36とが蒸発源18等を間に挟んで
相対して設置されている。
【0059】また、グリッド22上方には、蒸発源18
に対して所定の凹面形状をなす一対のガイド38が設置
され、この一対のガイド38上にフィルム基板32の両
端を摺動させるようになっている。従って、フィルム基
板32は、その両端を一対のガイド38によって保持さ
れている部分では、蒸発源18に対して所定の凹面形状
をなしている。
【0060】また、蒸発源18を保持する一対の支持体
兼用電極24a、24bは、蒸発用の交流電源40に接
続され、フィラメント20を保持する一対の支持体兼用
電極26a、26bは、直流電源42の正極及び負極に
それぞれ接続され、グリッド22を保持する支持体兼用
電極28は、直流電源42より高電圧の直流電源44の
正極に接続されている。更に、蒸発源18の支持体兼用
電極24aは、直流電源42の負極及び直流電源44の
負極に接続され、フィラメント20の支持体兼用電極2
6aは、直流電源44の負極に接続されている。
【0061】そして一対のガイド38によって保持され
ている凹面形状部分のフィルム基板32の上方に、この
フィルム基板32の凹面形状と同様に、蒸発源18に対
して所定の凹面形状をなす対向電極46が設置されてい
る点に本実施の形態の特徴がある。即ち、この対向電極
46は、凹面形状部分のフィルム基板32全体を一定の
間隔をおいて覆っている。
【0062】また、この対向電極46は、支持体兼用電
極48により保持されており、この支持体兼用電極48
は、ベースプレート10と電気的な絶縁性を保つ状態で
ベースプレート10を貫通し、真空槽14外部に引き出
されている。当然、このベースプレート10の貫通部に
おいては気密性が確保されている。そして支持体兼用電
極48は、高電圧の直流電源44の負極に接続されてい
る。このため、グリッド22の電位は、蒸発源18及び
フィラメント20の電位に対して正電位となり、グリッ
ド22側から蒸発源18側ヘ向かう電界が生じているの
に加えて、グリッド22の電位は、対向電極46の電位
に対しても正電位となり、グリッド22側から対向電極
46側ヘ向かう電界が生じている。
【0063】次に、図2に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。上記図1に
示すフィルム巻き取り式薄膜形成装置の場合と同様に、
真空槽14内に、所望のガスを導入し、その圧力を調整
した後、フィルム基板32の走行を開始する。即ち、フ
ィルム基板32はアンワインダーロール34から繰り出
され、所定の凹面形状をなす一対のガイド38に沿って
移動した後、ワインダーロール36に巻き取られる。
【0064】また、蒸発源18から蒸発した蒸発物質
が、上方に扇状の広がりをもって所定の凹面形状をなす
フィルム基板32へ向かう際、その途中において蒸発物
質の一部はフィラメント20から放出された熱電子と衝
突してイオン化されると同時に、真空槽14内に導入し
た活性ガスもフィラメント20からの熱電子との衝突に
よってイオン化され、プラズマ状態となる。こうして、
一部イオン化された蒸発物質は、プラズマ空間内で活性
ガスと反応しつつフィルム基板32に向かつて飛行す
る。このとき、グリッド22と対向電極46との間には
グリッド22側から対向電極46側ヘ向かう、即ちフィ
ルム基板32側ヘ向かう電界があるため、この電界の作
用により、グリッド22を通過した一部イオン化された
蒸発物質はフィルム基板32に向かって加速され、フィ
ルム基板32に高エネルギーをもって衝突し付着する。
また、このとき、フィラメント20から放出された熱電
子は、その大部分がグリッド22に吸収されるが、グリ
ッド22を通過した一部の熱電子も、グリッド22側か
ら対向電極46側ヘ向かう電界の作用により減速される
ため、殆どフィルム基板32には到達できないか、たと
え一部の熱電子がフィルム基板32に到達しても、フィ
ルム基板32を加熱するには到らない。
【0065】以上のように、第2の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、ガイド38に
よって保持されている部分のフィルム基板32が蒸発源
18に対して凹面形状をなし、このフィルム基板32の
なす凹面が蒸発源18からの蒸発物質の粒子数が等しく
なる凹面となることにより、又は蒸発源18からの蒸発
物質の粒子数が等しくなる面を少なくとも一部に含む凹
面となることにより、上記第1の実施の形態の場合と同
様の効果を奏し、緻密かつ高純度で、膜厚及び膜特性も
均−な薄膜を高速に得ることができる。
【0066】また、ガイド38によって保持されている
凹面形状部分のフィルム基板32の上方に、このフィル
ム基板32を覆うように同様の凹面形状の対向電極46
が設置され、支持体兼用電極48を介して直流電源44
の負極に接続されていることにより、対向電極46の電
位がグリッド22の電位に対して負電位となり、グリッ
ド22側から対向電極46側ヘ向かう電界が生じる。こ
のため、グリッド22を通過した一部イオン化された蒸
発物質は、この電界の作用によりフィルム基板32側に
向かって加速され、フィルム基板32に高エネルギーを
もって衝突し付着する。また、フィラメント20から放
出された熱電子の一部がグリッド22を通過しても、こ
の電界の作用により減速され、フィルム基板32を加熱
するには到らない。従って、上記第1の実施の形態の場
合よりも、更に密着性のよい薄膜を高速で形成すること
ができる。
【0067】なお、上記第2の実施の形態に係るフィル
ム巻き取り式薄膜形成装置においては、一対のガイド3
8によって保持されている凹面形状部分のフィルム基板
32の上方に同様の凹面形状の対向電極46を設置し、
この対向電極46の電位がグリッド22の電位に対して
負電位となるようにしたが、この対向電極46の形状は
必ずしも凹面形状である必要はない。但し、対向電極4
6の形状により対向電極46とグリッド22との距離も
変動し、その間の電界の強度分布も変動するため、グリ
ッド22側からフィルム基板32ヘ向かう電界強度がほ
ぼ均一になうような形状であることが望ましい。
【0068】また、対向電極46を設置し、この対向電
極46の電位がグリッド22の電位に対して負電位とな
るようにする代りに、フィルム基板32を保持する凹面
形状の一対のガイド38を直流電源44の負極に接続
し、この一対のガイド38の電位がグリッド22の電位
に対して負電位となるようにしてもよい。この場合も、
グリッド22側からガイド38側ヘ向かう、即ちフィル
ム基板32ヘ向かう電界が生じ、グリッド22を通過し
た一部イオン化された蒸発物質がこの電界の作用により
加速されて、フィルム基板32に高エネルギーをもって
衝突し付着するため、密着性のよい薄膜を高速で形成す
ることが可能となる。但し、グリッド22側からフィル
ム基板32ヘ向かう電界の強度分布を考慮すると、凹面
形状部分のフィルム基板32全体を覆うように設置され
ている対向電極46の方が、その電界強度の均一性にお
いて優れている。
【0069】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図3
を用いて説明する。ここで、図3(a)は第3の実施の
形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内
部を示す概略断面図であり、図3(b)はその側面図で
ある。本実施の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成
装置の全体構成は、上記図1に示した第1の実施の形態
に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の構成とほぼ同
様であり、フィルム基板保持手段としての一対のガイド
38の代りに、一対の円盤を設けた点に本実施の形態の
特徴がある。従って、上記図1に示したフィルム巻き取
り式薄膜形成装置と同一の構成要素には同一の符号を付
してその説明を省略し、本実施の形態の特徴点である円
盤について主要に説明する。
【0070】図3において、気密性の真空槽内には、図
面の奥行き方向に延びる抵抗加熱式の長手蒸発源18a
が設置されている。この長手蒸発源18aは、フィルム
基板32の幅が広い場合に、その幅方向の膜厚分布の均
一化を図るために使用される。なお、この長手蒸発源1
8aの代りに、例えば微小平面蒸発源や点蒸発源を並列
配置したものを用いても、広幅のフィルム基板における
幅方向の膜厚分布の均一化を図ることができる。
【0071】また、この長手蒸発源18a上方には、熱
電子発生用のフィラメント20、蒸発物質を通過させる
網目状のグリッド22が順に配置されている。また、こ
れら長手蒸発源18a等を挟んで、一対の防着壁30が
設置されている。また、真空槽内には、フィルム基板3
2を繰り出すアンワインダーロール34とそのフィルム
基板32を巻き取るワインダーロール36とが長手蒸発
源18a等を間に挟んで相対して設置されている。
【0072】また、フィルム基板保持手段としての一対
の円盤50が、互いに対向して配置されており、この一
対の円盤50上にフィルム基板32の両端を保持して、
円盤50の回転に伴ってフィルム基板32を走行させる
ようになっている点に本実施の形態の特徴がある。ここ
で、長手蒸発源18aの位置は、一対の円盤50のそれ
ぞれの最下端を結ぶ線上になるようにする。従って、こ
の円盤50によって保持されている部分のフィルム基板
32は、長手蒸発源18aに対して円筒の内側面に近い
凹面形状となる。
【0073】次に、図3に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。真空槽14
内に、所望のガスを導入し、その圧力を調整した後、フ
ィルム基板32の走行を開始する。即ち、フィルム基板
32はアンワインダーロール34から繰り出され、一対
の円盤50上をその回転に伴って走行した後、ワインダ
ーロール36に巻き取られる。また、長手蒸発源18a
から蒸発した蒸発物質は、円盤50によって保持されて
いる凹面形状をなすフィルム基板32へ向かう際、その
途中において蒸発物質の一部がフィラメント20から放
出された熱電子と衝突してイオン化され、同様にイオン
化された活性ガスと共にプラズマ状態となり、このプラ
ズマ空間内で活性ガスと反応しつつ、フィルム基板32
に向かつて飛行する。
【0074】以上のように、第3の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、上記第1の実
施の形態における凹形状をなす一対のガイド38の代り
に、一対の円盤50を設けるが、この場合も、円盤50
によって保持されている部分のフィルム基板32が長手
蒸発源18aに対して円筒の内側面に近い凹面形状をな
し、このフィルム基板32のなす凹面が長手蒸発源18
aからの蒸発物質の粒子数が等しくなる面を少なくとも
一部に含む凹面となるため、上記第1の実施の形態の場
合と同様の効果を奏し、緻密かつ高純度で、膜厚及び膜
特性も均−な薄膜を高速に得ることができる。また、長
手蒸発源18aを使用することにより、フィルム基板3
2の幅方向の膜厚及び膜特性の均一性を更に向上させる
ことができる。
【0075】また、一対の円盤50の回転によりフィル
ム基板32を走行させ、フィルム基板32を円盤50上
に摺動させることはないため、フィルム基板32と円盤
50との摩擦による擦り傷や静電気の発生を防止するこ
とができる。また、フィルム基板32の走行速度を円盤
50の回転数により制御することが能であるため、フィ
ルム基板32の定速走行を安定して行うことができる。
従って、フィルム基板32の走行方向の膜厚及び膜特性
の均一性を更に向上させることができる。
【0076】なお、上記第3の実施の形態に係るフィル
ム巻き取り式薄膜形成装置においても、上記第2の実施
の形態の場合と同様に、対向電極46を設置し、この対
向電極46の電位がグリッド22の電位に対して負電位
となるようにしてもよい。この場合も、グリッド22側
からフィルム基板32ヘ向かう電界の作用により一部イ
オン化された蒸発物質が加速されて、フィルム基板32
に高エネルギーをもって衝突し付着するため、更に密着
性のよい薄膜を高速で形成することが可能となる。
【0077】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図4
を用いて説明する。ここで、図4(a)は第4の実施の
形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内
部を示す概略断面図であり、図4(b)はその側面図で
ある。本実施の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成
装置の全体構成は、上記図3に示した第3の実施の形態
に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の構成とほぼ同
様であり、フィルム基板保持手段としての一対の円盤5
0の代りに、複数の駆動ローラにより回転する一対の無
端べルトを設けた点に本実施の形態の特徴がある。従っ
て、上記図3に示したフィルム巻き取り式薄膜形成装置
と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省
略し、本実施の形態の特徴点である複数の駆動ローラに
より回転する一対の無端べルトについて主要に説明す
る。
【0078】図4において、気密性の真空槽内には、下
方から上方に向けて、抵抗加熱式の長手蒸発源18a、
熱電子発生用のフィラメント20、蒸発物質を通過させ
る網目状のグリッド22が順に配置されている。また、
これら長手蒸発源18a等を挟んで、一対の防着壁30
が設置されている。また、真空槽内には、フィルム基板
32を繰り出すアンワインダーロール34とそのフィル
ム基板32を巻き取るワインダーロール36とが長手蒸
発源18a等を間に挟んで相対して設置されている。
【0079】また、グリッド22上方には、それぞれ対
をなす駆動ローラ52a、52b、…、52iが複数
個、所定の位置に配置され、真空槽14内のベースプレ
ート10近傍には、同様にそれぞれ対をなす駆動ローラ
54a、54bが2個配置されている。また、これら対
をなす駆動ローラ52a、52b、…、54bには、可
撓性の一対の無端べルト56が掛けられている。そして
この一対の無端べルト56上にフィルム基板32の両端
を保持して、無端べルト56の回転に伴ってフィルム基
板32を走行させるようになっている点に本実施の形態
の特徴がある。
【0080】また、グリッド22上方の対をなす駆動ロ
ーラ52a、52b、…、52iの配置位置は自由に変
更することが可能である。このため、これら対をなす駆
動ローラ52a、52b、…、52iの配置位置を調整
して、一対の無端べルト56によって保持されている部
分のフィルム基板32が、上記第1の実施の形態の場合
と同様に、長手蒸発源18aに対して所定の凹面形状を
なすようにする。
【0081】次に、図4に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。真空槽内
に、所望のガスを導入し、その圧力を調整した後、フィ
ルム基板32の走行を開始する。即ち、フィルム基板3
2はアンワインダーロール34から繰り出される。対を
なす駆動ローラ52a、52b、…、54bの回転によ
り、一対の無端べルト56も回転するため、アンワイン
ダーロール34から繰り出されたフィルム基板32は、
無端べルト56の回転に伴って走行する。その後、ワイ
ンダーロール36に巻き取られる。
【0082】また、長手蒸発源18aから蒸発した蒸発
物質は、円盤50によって保持されている凹面形状をな
すフィルム基板32へ向かう際、その途中において蒸発
物質の一部がフィラメント20から放出された熱電子と
衝突してイオン化され、同様にイオン化された活性ガス
と共にプラズマ状態となり、このプラズマ空間内で活性
ガスと反応しつつ、フィルム基板32に向かつて飛行す
る。
【0083】以上のように、第4の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、上記第3の実
施の形態における一対の円盤50の代りに、対をなす駆
動ローラ52a、52b、…、54bによって回転する
一対の無端べルト56が設けられているが、この場合
も、グリッド22上方の対をなす駆動ローラ52a、5
2b、…、52iの配置位置を調整して一対の無端べル
ト56によって保持されている部分のフィルム基板32
が、長手蒸発源18aに対して凹面形状をなし、このフ
ィルム基板32のなす凹面が長手蒸発源18aからの蒸
発物質の粒子数が等しくなる面を少なくとも一部に含む
凹面となるため、上記第3の実施の形態の場合と同様の
効果を奏し、緻密かつ高純度で、膜厚及び膜特性も均−
な薄膜を、しかもフィルム基板32の幅方向におけるそ
均一性を更に向上させた薄膜を高速に得ることができ
る。
【0084】また、この一対の無端べルト56の回転に
よりフィルム基板32を走行させ、フィルム基板32を
摺動させることはないため、フィルム基板32と無端べ
ルト56との摩擦による擦り傷や静電気の発生を防止す
ることができる。また、フィルム基板32の走行速度を
駆動ローラ52a、52b、…、54bの回転速度によ
り制御することが能であるため、フィルム基板32の定
速走行を安定して行うことができる。従って、フィルム
基板32の走行方向の膜厚及び膜特性の均一性を更に向
上させることができる。
【0085】なお、上記第4の実施の形態に係るフィル
ム巻き取り式薄膜形成装置においても、上記第2の実施
の形態の場合と同様に、対向電極46を設置し、この対
向電極46の電位がグリッド22の電位に対して負電位
となるようにしてもよし、或いはまた、グリッド22上
方の対をなす駆動ローラ52a、52b、…、52iの
電位がグリッド22の電位に対して負電位となるように
してもよい。この場合においても、グリッド22側から
フィルム基板32ヘ向かう電界の作用により、一部イオ
ン化された蒸発物質が加速されて、フィルム基板32に
高エネルギーをもって衝突し付着するため、更に密着性
のよい薄膜を高速で形成することが可能となる。
【0086】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図5
を用いて説明する。ここで、図5(a)は第5の実施の
形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内
部を示す概略断面図であり、図5(b)はその側面図で
ある。本実施の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成
装置の全体構成は、上記図3に示した第3の実施の形態
に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の構成とほぼ同
様であり、フィルム基保持行手段としての一対の円盤5
0の代りに、複数のローラを設けた点に本実施の形態の
特徴がある。従って、上記図3に示したフィルム巻き取
り式薄膜形成装置と同一の構成要素には同一の符号を付
してその説明を省略し、本実施の形態の特徴点である複
数のローラについて主要に説明する。
【0087】図5において、気密性の真空槽内には、下
方から上方に向けて、抵抗加熱式の長手蒸発源18a、
熱電子発生用のフィラメント20、蒸発物質を通過させ
る網目状のグリッド22が順に配置されている。また、
これら長手蒸発源18a等を挟んで、一対の防着壁30
が設置されている。また、真空槽内には、フィルム基板
32を繰り出すアンワインダーロール34とそのフィル
ム基板32を巻き取るワインダーロール36とが長手蒸
発源18a等を間に挟んで相対して設置されている。
【0088】また、グリッド22上方には、フィルム基
板32の幅より長いローラ58a、58b、…、58g
が複数個、所定の位置に配置されている。そしてこれら
のローラ58a、58b、…、58g上にフィルム基板
32を保持して、ローラ58a、58b、…、58gの
回転に伴ってフィルム基板32を走行させるようになっ
ている点に本実施の形態の特徴がある。また、これらの
ローラ58a、58b、…、58gの長手蒸発源18a
側には、それぞれ防着板60が設置され、長手蒸発源1
8aからの蒸発物質がこれらのローラ58a、58b、
…、58g表面に直接堆積しないようになっている。
【0089】また、グリッド22上方のローラ58a、
58b、…、58gの配置位置は自由に変更することが
可能である。このため、その配置位置を調整して、ロー
ラ58a、58b、…、58gによって保持されている
部分のフィルム基板32が、上記第3の実施の形態の場
合と同様に、長手蒸発源18aに対して所定の凹面形状
をなすようにする。
【0090】次に、図5に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。真空槽内
に、所望のガスを導入し、その圧力を調整した後、フィ
ルム基板32の走行を開始する。即ち、フィルム基板3
2はアンワインダーロール34から繰り出され、ローラ
58a、58b、…、58g上をその回転に伴って走行
した後、ワインダーロール36に巻き取られる。
【0091】また、長手蒸発源18aから蒸発した蒸発
物質は、ローラ58a、58b、…、58gによって保
持されている凹面形状をなすフィルム基板32へ向かう
際、その途中において蒸発物質の一部がフィラメント2
0から放出された熱電子と衝突してイオン化され、同様
にイオン化された活性ガスと共にプラズマ状態となり、
このプラズマ空間内で活性ガスと反応しつつ、フィルム
基板32に向かつて飛行する。
【0092】以上のように、第5の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、上記第3の実
施の形態における一対の円盤50の代りに、ローラ58
a、58b、…、58gが設けられているが、この場合
も、グリッド22上方のローラ58a、58b、…、5
8gの配置位置を調整してローラ58a、58b、…、
58gによって保持されている部分のフィルム基板32
が、長手蒸発源18aに対して凹面形状をなし、このフ
ィルム基板32のなす凹面が長手蒸発源18aからの蒸
発物質の粒子数が等しくなる面を少なくとも一部に含む
凹面となるため、上記第3の実施の形態の場合と同様の
効果を奏し、緻密かつ高純度で、膜厚及び膜特性も均−
な薄膜を、しかもフィルム基板32の幅方向におけるそ
均一性を更に向上させた薄膜を高速に得ることができ
る。
【0093】また、ローラ58a、58b、…、58g
の回転によりフィルム基板32を走行させ、フィルム基
板32を摺動させることはないため、フィルム基板32
とローラ58a、58b、…、58gとの摩擦による擦
り傷や静電気の発生を防止することができる。また、フ
ィルム基板32の走行速度をローラ58a、58b、
…、58gの回転速度により制御することが能であるた
め、フィルム基板32の定速走行を安定して行うことが
できる。従って、フィルム基板32の走行方向の膜厚及
び膜特性の均一性を更に向上させることができる。ま
た、ローラ58a、58b、…、58gの長さは、フィ
ルム基板32の幅よりも長いため、フィルム基板32が
広幅で、その端部のみを保持するだけではフィルム基板
32全体を安定的に保持することができない場合にも、
対応することができる。
【0094】なお、上記第5の実施の形態に係るフィル
ム巻き取り式薄膜形成装置においても、上記第2の実施
の形態の場合と同様に、対向電極46を設置し、この対
向電極46の電位がグリッド22の電位に対して負電位
となるようにしてもよし、或いはまた、グリッド22上
方のローラ58a、58b、…、58gの電位がグリッ
ド22の電位に対して負電位となるようにしてもよい。
後者のローラ58a、58b、…、58gに負電位を印
加した場合においても、グリッド22側からフィルム基
板32ヘ向かう電界の強度分布は、凹面形状部分のフィ
ルム基板32全体に対してほぼ均一性となるため、前者
の対向電極46を設置して負電位を印加した場合とほぼ
同程度に密着性のよい薄膜を均一かつ高速に形成するこ
とが可能となる。
【0095】また、ローラ58a、58b、…、58g
は、それぞれそのローラ内に例えば水等の冷媒が導入さ
れているフィルム基板冷却用ローラであってもよい。こ
の場合、フィルム基板冷却用ローラとしてのローラ58
a、58b、…、58gが、それに保持されているフィ
ルム基板32を冷却するため、薄膜形成の際にフィルム
基板32の冷却が必要な場合にも対応することができ
る。
【0096】(第6の実施の形態)本発明の第6の実施
の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図6
を用いて説明する。ここで、図6は第6の実施の形態に
係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内部を示
す概略断面図である。本実施の形態に係るフィルム巻き
取り式薄膜形成装置の全体構成は、上記図3に示した第
3の実施の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置
の構成とほぼ同様であり、フィルム基保持行手段として
の一対の円盤50の代りに、複数のフィルム基板冷却用
ロ−ラと複数の張力設定用ローラとを組み合わせたもの
を設けた点に本実施の形態の特徴がある。従って、上記
図3に示したフィルム巻き取り式薄膜形成装置と同一の
構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、本
実施の形態の特徴点である複数のフィルム基板冷却用ロ
−ラと複数の張力設定用ローラとの組み合わせについて
主要に説明する。
【0097】図6において、気密性の真空槽内には、下
方から上方に向けて、抵抗加熱式の長手蒸発源18a、
熱電子発生用のフィラメント20、蒸発物質を通過させ
る網目状のグリッド22が順に適宜間隔を明けて配置さ
れている。また、これら長手蒸発源18a等を挟んで、
一対の防着壁30が設置されている。また、真空槽内に
は、フィルム基板32を繰り出すアンワインダーロール
34とそのフィルム基板32を巻き取るワインダーロー
ル36とが長手蒸発源18a等を間に挟んで相対して設
置されている。
【0098】また、グリッド22上方には、フィルム基
板32の幅より長いフィルム基板冷却用ローラ62a、
62b、…、62gが複数個、所定の位置に配置され、
それらの少し上方に僅かに位置をずらして張力設定用ロ
ーラ64a、64b、…、64hが複数個配置されてい
る。そしてフィルム基板32がこれらの張力設定用ロー
ラ64a、64b、…、64hとフィルム基板冷却用ロ
ーラ62a、62b、…、62gとを1個ずつ交互に通
ることにより保持され、張力設定用ローラ64a、64
b、…、64hによってフィルム基板32の張力を調整
しつつ、フィルム基板冷却用ローラ62a、62b、
…、62gの回転によってフィルム基板32を走行させ
るようになっている点に本実施の形態の特徴がある。ま
た、張力設定用ローラ64a、64b、…、64hの長
手蒸発源18a側には、それぞれ防着板66が設置さ
れ、長手蒸発源18aからの蒸発物質がこれらの張力設
定用ローラ64a、64b、…、64h表面に直接堆積
しないようになっている。なお、フィルム基板冷却用ロ
ーラ62a、62b、…、62gの冷却方法としては、
公知の水冷方式等、ローラ内に冷媒を導入する方式を採
用する。
【0099】また、フィルム基板冷却用ローラ62a、
62b、…、62g及び張力設定用ローラ64a、64
b、…、64hの配置位置は自由に変更することが可能
である。このため、その配置位置を調整して、フィルム
基板冷却用ローラ62a、62b、…、62gによって
保持されている部分のフィルム基板32が、長手蒸発源
18aに対して断続的に所定の凹面形状をなすようにす
る。
【0100】次に、図6に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。真空槽内
に、所望のガスを導入し、その圧力を調整した後、フィ
ルム基板32の走行を開始する。即ち、フィルム基板3
2はアンワインダーロール34から繰り出される。この
アンワインダーロール34から繰り出されたフィルム基
板32は、張力設定用ローラ64a、フィルム基板冷却
用ローラ62a、張力設定用ローラ64b、…、フィル
ム基板冷却用ローラ62g、張力設定用ローラ64h
と、1個ずつ交互に通り、フィルム基板冷却用ローラ6
2a、62b、…、62gの回転に伴ってフィルム基板
32が走行する。このとき、張力設定用ローラ64a、
64b、…、64hによりフィルム基板32の張力が調
整される。その後、ワインダーロール36に巻き取られ
る。
【0101】また、長手蒸発源18aから蒸発した蒸発
物質は、フィルム基板冷却用ローラ62a、62b、
…、62gによって保持され、断続的に凹面形状をなす
フィルム基板32へ向かう際、その途中において蒸発物
質の一部がフィラメント20から放出された熱電子と衝
突してイオン化され、同様にイオン化された活性ガスと
共にプラズマ状態となり、このプラズマ空間内で活性ガ
スと反応しつつ、走行しているフィルム基板32に向か
つて飛行する。
【0102】以上のように、第6の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、上記第3の実
施の形態における一対の円盤50の代りに、フィルム基
板冷却用ローラ62a、62b、…、62gと張力設定
用ローラ64a、64b、…、64hとを組み合わせた
ものが設けられているが、この場合も、グリッド22上
方のフィルム基板冷却用ローラ62a、62b、…、6
2gの配置位置を調整してフィルム基板冷却用ローラ6
2a、62b、…、62gによって保持されている部分
のフィルム基板32が、長手蒸発源18aに対して断続
的に凹面形状をなし、このフィルム基板32のなす断続
的な凹面が長手蒸発源18aからの蒸発物質の粒子数が
等しくなる面を少なくとも一部に含む凹面となるため、
上記第3の実施の形態の場合と同様の効果を奏し、緻密
かつ高純度で、膜厚及び膜特性も均−な薄膜を、しかも
フィルム基板32の幅方向におけるそ均一性を更に向上
させた薄膜を高速に得ることができる。
【0103】また、フィルム基板冷却用ローラ62a、
62b、…、62g及び張力設定用ローラ64a、64
b、…、64hの回転により一定の張力を保ちつつフィ
ルム基板32を走行させ、フィルム基板32を摺動させ
ることはないため、フィルム基板32とフィルム基板冷
却用ローラ62a、62b、…、62g及び張力設定用
ローラ64a、64b、…、64hとの摩擦による擦り
傷や静電気の発生を防止することができる。また、フィ
ルム基板32の走行速度をフィルム基板冷却用ローラ6
2a、62b、…、62gの回転速度により制御するこ
とが可能であるため、フィルム基板32の定速走行を安
定して行うことができる。従って、フィルム基板32の
走行方向の膜厚及び膜特性の均一性を更に向上させるこ
とができる。
【0104】また、フィルム基板冷却用ローラ62a、
62b、…、62gの長さは、フィルム基板32の幅よ
りも長いため、フィルム基板32が広幅で、その端部の
みを支持するだけでは安定的に保持することができない
場合にも対応することができる。また、フィルム基板冷
却用ローラ62a、62b、…、62gにより、これら
のローラに保持されるフィルム基板32を冷却すること
ができるため、薄膜形成の際にフィルム基板32の冷却
が必要な場合にも対応することができる。
【0105】なお、上記第6の実施の形態に係るフィル
ム巻き取り式薄膜形成装置においても、上記第2の実施
の形態の場合と同様に、対向電極46を設置し、この対
向電極46の電位がグリッド22の電位に対して負電位
となるようにしてもよし、或いはまた、グリッド22上
方のフィルム基板冷却用ローラ62a、62b、…、6
2g又は張力設定用ローラ64a、64b、…、64h
の電位がグリッド22の電位に対して負電位となるよう
にしてもよい。後者のフィルム基板冷却用ローラ62
a、62b、…、62g又は張力設定用ローラ64a、
64b、…、64hに負電位を印加した場合において
も、グリッド22側からフィルム基板32ヘ向かう電界
の強度分布は、凹面形状部分のフィルム基板32全体に
対してほぼ均一性となるため、前者の対向電極46を設
置して負電位を印加した場合とほぼ同程度に密着性のよ
い薄膜を均一かつ高速に形成することが可能となる。
【0106】(第7の実施の形態)本発明の第7の実施
の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図7
を用いて説明する。ここで、図7(a)は第7の実施の
形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内
部を示す概略断面図であり、図7(b)はその側面図で
ある。本実施の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成
装置の全体構成は、上記図2に示した第2の実施の形態
に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の構成とほぼ同
様であり、グリッド22とその上方のフィルム基板32
との間に放電安定化用シールドを配備した点に本実施の
形態の特徴がある。従って、上記図2に示したフィルム
巻き取り式薄膜形成装置と同一の構成要素には同一の符
号を付してその説明を省略し、本実施の形態の特徴点で
ある放電安定化用シールドについて主要に説明する。但
し、蒸発源としては、上記第3の実施の形態において示
した長手蒸発源18aを用いる。
【0107】図7において、気密性の真空槽内には、下
方から上方に向けて、抵抗加熱式の長手蒸発源18a、
熱電子発生用のフィラメント20、蒸発物質を通過させ
る網目状のグリッド22が順に適宜間隔を明けて配置さ
れている。また、これら長手蒸発源18a等を挟んで、
一対の防着壁30が設置されている。また、真空槽内に
は、フィルム基板32を繰り出すアンワインダーロール
34とそのフィルム基板32を巻き取るワインダーロー
ル36とが長手蒸発源18a等を間に挟んで相対して設
置されている。
【0108】また、グリッド22上方には、長手蒸発源
18aに対して所定の凹面形状をなす一対のガイド38
が設置され、この一対のガイド38上に走行するフィル
ム基板32の両端を摺動させるようになっている。従っ
て、フィルム基板32は、その両端を一対のガイド38
によって保持されている部分では、長手蒸発源18aに
対して所定の凹面形状をなしている。
【0109】また、一対のガイド38によって保持され
ている凹面形状部分のフィルム基板32の上方には、フ
ィルム基板32の凹面形状と同様に、蒸発源18に対し
て所定の凹面形状をなす対向電極46が設置され、凹面
形状部分のフィルム基板32全体を一定の間隔をおいて
覆っている。また、この対向電極46の電位は、グリッ
ド22の電位に対しても負電位となり、グリッド22側
から対向電極46側ヘ向かう電界が生じている。そして
グリッド22とその上方の一対のガイド38によって保
持されているフィルム基板32との間には、放電がフィ
ルム基板32の電位の影響を受けないように、長手蒸発
源18aに対して所定の凹面形状をなす放電安定化用シ
ールド68が配備されている点に本実施の形態の特徴が
ある。そしてこのシールド68は、蒸発源18から蒸発
した蒸発物質を通過させるような形状、例えば網目状に
その形状が定められている。
【0110】次に、図7に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。真空槽内
に、所望のガスを導入し、その圧力を調整した後、フィ
ルム基板32の走行を開始する。即ち、フィルム基板3
2はアンワインダーロール34から繰り出され、所定の
凹面形状をなす一対のガイド38に沿って移動した後、
ワインダーロール36に巻き取られる。また、長手蒸発
源18aから蒸発した蒸発物質は、ガイド38によって
保持されている凹面形状をなすフィルム基板32へ向か
う際、その途中において蒸発物質の一部がフィラメント
20から放出された熱電子と衝突してイオン化され、同
様にイオン化された活性ガスと共にプラズマ状態とな
り、このプラズマ空間内で活性ガスと反応しつつ、走行
しているフィルム基板32に向かつて飛行する。
【0111】このとき、グリッド22側から対向電極4
6側ヘ向かう、即ちフィルム基板32側ヘ向かう電界の
作用により、グリッド22を通過した一部イオン化され
た蒸発物質はフィルム基板32に向かって加速され、フ
ィルム基板32に高エネルギーをもって衝突し付着す
る。また、このとき、フィルム基板32の前面には、網
目状の放電安定化用シールド68が配備されているた
め、フィルム基板32に向かう蒸発物質が通過する一方
で、放電がフィルム基板32の電位の影響を受けること
はない。
【0112】以上のように、第7の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、所定の凹面形
状をなすフィルム基板32の前面に沿って網目状の放電
安定化用シールド68が配備されていることにより、シ
ールドが放電電極となり、放電はシールドよりも蒸発源
側で発生させることができ、フィルムの電位に依存しな
くなる。かつ、シールドの電位は常に一定であるため、
放電条件は安定化できる。また放電がフィルム基板32
の電位の影響を受けないため、上記第2の実施の形態に
係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の場合と同様の効
果を奏すると共に、その場合よりも更に膜厚及び膜特性
の均一性を向上すさせることができる。
【0113】なお、上記第7の実施の形態に係るフィル
ム巻き取り式薄膜形成装置においても、対向電極46を
設置し、この対向電極46の電位がグリッド22の電位
に対して負電位となるようにする代りに、一対のガイド
38の電位がグリッド22の電位に対して負電位となる
ようにしてもよい。
【0114】(第8の実施の形態)本発明の第8の実施
の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図8
を用いて説明する。ここで、図8は第8の実施の形態に
係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を示す概略断面図
である。本実施の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形
成装置の全体構成は、上記図2に示した第2の実施の形
態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の構成とほぼ
同様であり、グリッドの形状を改良した点に本実施の形
態の特徴がある。従って、上記図2に示したフィルム巻
き取り式薄膜形成装置と同一の構成要素には同一の符号
を付してその説明を省略し、本実施の形態の特徴点であ
るグリッドについて主要に説明する。但し、蒸発源とし
ては、上記第3の実施の形態において示した長手蒸発源
18aを用いる。
【0115】図8において、気密性の真空槽14内に
は、下方から上方に向けて、抵抗加熱式の長手蒸発源1
8a、熱電子発生用のフィラメント20、蒸発物質を通
過させる網目状のグリッド22aが順に適宜間隔を明け
て配置されている。そしてこのグリッド22aの形状
が、長手蒸発源18aに対して所定の凹面形状をなして
いる点に本実施の形態の特徴がある。また、これら長手
蒸発源18a等を挟んで、一対の防着壁30が設置され
ている。また、真空槽14内には、フィルム基板32を
繰り出すアンワインダーロール34とそのフィルム基板
32を巻き取るワインダーロール36とが長手蒸発源1
8a等を間に挟んで相対して設置されている。
【0116】また、グリッド22a上方には、長手蒸発
源18aに対して所定の凹面形状をなす一対のガイド3
8が設置され、この一対のガイド38上にフィルム基板
32の両端を摺動させるようになっている。従って、フ
ィルム基板32は、その両端を一対のガイド38によっ
て保持されている部分では、長手蒸発源18aに対して
所定の凹面形状をなしている。従って、共に長手蒸発源
18aに対して所定の凹面形状をなすグリッド22aと
その上方のガイド38によって保持されているフィルム
基板32との間には、凹面形状のグリッド面の法線の延
長がグリッド22a上のどの位置においても凹面形状の
フィルム基板面の法線に重なる関係となる。
【0117】また、一対のガイド38によって保持され
ている凹面形状部分のフィルム基板32の上方には、フ
ィルム基板32の凹面形状と同様に、蒸発源18に対し
て所定の凹面形状をなす対向電極46が設置され、凹面
形状部分のフィルム基板32全体を一定の間隔をおいて
覆っている。
【0118】また、蒸発源18を保持する一対の支持体
兼用電極24a、24bは、蒸発用の交流電源40に接
続され、フィラメント20を保持する一対の支持体兼用
電極26a、26bは、直流電源42の正極及び負極に
それぞれ接続され、グリッド22を保持する支持体兼用
電極28は、直流電源42より高電圧の直流電源44の
正極に接続されている。更に、蒸発源18の支持体兼用
電極24aは、直流電源42の負極及び直流電源44の
負極に接続され、フィラメント20の支持体兼用電極2
6aは、直流電源44の負極に接続されている。また、
この対向電極46を保持する支持体兼用電極48は、直
流電源44の負極に接続されている。このため、グリッ
ド22の電位は、蒸発源18及びフィラメント20の電
位に対して正電位となり、グリッド22側から蒸発源1
8側ヘ向かう電界が生じていると共に、グリッド22の
電位は、対向電極46の電位に対しても正電位となり、
グリッド22側から対向電極46側ヘ向かう電界が生じ
ている。
【0119】次に、図8に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。真空槽14
内に、所望のガスを導入し、その圧力を調整した後、フ
ィルム基板32の走行を開始する。即ち、フィルム基板
32はアンワインダーロール34から繰り出され、所定
の凹面形状をなす一対のガイド38に沿って移動した
後、ワインダーロール36に巻き取られる。また、長手
蒸発源18aから蒸発した蒸発物質は、ガイド38によ
って保持されている凹面形状をなすフィルム基板32へ
向かう際、その途中において蒸発物質の一部がフィラメ
ント20から放出された熱電子と衝突してイオン化さ
れ、同様にイオン化された活性ガスと共にプラズマ状態
となり、このプラズマ空間内で活性ガスと反応しつつ、
走行しているフィルム基板32に向かつて飛行する。
【0120】このとき、グリッド22a側から対向電極
46側ヘ向かう、即ちフィルム基板32側へ向かう電界
の作用により、グリッド22aを通過した一部イオン化
した蒸発物質はフィルム基板32に向かって加速され、
フィルム基板32に高エネルギーをもって衝突し付着す
るが、凹面形状のグリッド面の法線の延長が凹面形状の
フィルム基板面の法線に重なっているため、グリッド2
2aからその上方のフィルム基板32へ向かう電界Eの
向きは、図中に矢印で示されるように、フィルム基板面
に垂直となる。従って、フィルム基板面に衝突する一部
イオン化した蒸発物質の飛行の向きをフィルム基板32
上のどの位置においてもフィルム基板面に垂直にするこ
とが可能となる。
【0121】以上のように、第8の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、長手蒸発源1
8aとガイド38によって保持されている凹面形状をな
すフィルム基板32との間に配置された網目状のグリッ
ド22aが、長手蒸発源18aに対して所定の凹面形状
をなし、その凹面形状のグリッド面の法線の延長が凹面
形状のフィルム基板面の法線に重なっていることによ
り、グリッド22aからその上方のフィルム基板32へ
向かう電界Eの向きはフィルム基板面に垂直となり、こ
の電界によって加速された一部イオン化した蒸発物質は
フィルム基板32上のどの位置においてもフィルム基板
面に垂直に衝突するため、上記第2の実施の形態に係る
フィルム巻き取り式薄膜形成装置の場合と同様の効果を
奏すると共に、更に薄膜の配向や結晶性についても均ー
化することができ、従って膜特性をよりいっそう均一化
することができる。
【0122】(第9の実施の形態)本発明の第9の実施
の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置を、図9
を用いて説明する。ここで、図9は第9の実施の形態に
係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内部を示
す概略断面図である。本実施の形態に係るフィルム巻き
取り式薄膜形成装置の全体構成は、上記図2に示した第
2の実施の形態に係るフィルム巻き取り式薄膜形成装置
の構成とほぼ同様であり、蒸発源上に蒸発物質の飛行範
囲を限定するためのコリメータを配備した点に本実施の
形態の特徴がある。従って、上記図2に示したフィルム
巻き取り式薄膜形成装置と同一の構成要素には同一の符
号を付してその説明を省略し、本実施の形態の特徴点で
あるコリメータについて主要に説明する。但し、蒸発源
としては、上記第3の実施の形態において示した長手蒸
発源18aを用いる。
【0123】図9において、気密性の真空槽内には、下
方から上方に向けて、抵抗加熱式の長手蒸発源18a、
熱電子発生用のフィラメント20、蒸発物質を通過させ
る網目状のグリッド22が順に適宜間隔を明けて配置さ
れている。また、これら長手蒸発源18a等を挟んで、
一対の防着壁30が設置されている。また、グリッド2
2上方には、長手蒸発源18aに対して所定の凹面形状
をなす一対のガイドが設置され、この一対のガイド上に
フィルム基板32の両端を摺動させるようになってい
る。従って、フィルム基板32は、その両端を一対のガ
イドによって保持されている部分では、長手蒸発源18
aに対して所定の凹面形状をなしている。但し、図9は
フィルム基板32の幅方向に切断した断面図であるた
め、この図面にはフィルム基板32の凹面形状は表れな
い。
【0124】また、一対のガイドによって保持されてい
る凹面形状部分のフィルム基板32の上方には、フィル
ム基板32の凹面形状と同様に、蒸発源18に対して所
定の凹面形状をなす対向電極46が設置され、凹面形状
部分のフィルム基板32全体を一定の間隔をおいて覆っ
ている。また、この対向電極46の電位は、グリッド2
2の電位に対しても負電位となり、グリッド22側から
対向電極46側ヘ向かう電界が生じている。そして長手
蒸発源18a上には、フィルム基板32の幅方向にコリ
メータ70が配置され、長手蒸発源18aから蒸発した
蒸発物質の飛行範囲を限定するようになっている点にに
本実施の形態の特徴がある。
【0125】次に、図9に示すフィルム巻き取り式薄膜
形成装置による薄膜形成について説明する。真空槽内
に、所望のガスを導入し、その圧力を調整した後、フィ
ルム基板32の走行を開始する。即ち、フィルム基板3
2はアンワインダーロール34から繰り出され、所定の
凹面形状をなす一対のガイド38に沿って移動した後、
ワインダーロール36に巻き取られる。
【0126】また、長手蒸発源18aから蒸発した蒸発
物質は、ガイド38によって保持されている凹面形状を
なすフィルム基板32へ向かう際、その途中において蒸
発物質の一部がフィラメント20から放出された熱電子
と衝突してイオン化され、この一部イオン化された蒸発
物質は、同様にイオン化された活性ガスと共にプラズマ
状態となり、このプラズマ空間内で活性ガスと反応しつ
つ、走行しているフィルム基板32に向かつて飛行す
る。このとき、グリッド22側から対向電極46側ヘ向
かう、即ちフィルム基板32側ヘ向かう電界の作用によ
り、グリッド22を通過した一部イオン化された蒸発物
質はフィルム基板32に向かって加速され、フィルム基
板32に高エネルギーをもって衝突し付着する。
【0127】また、このとき、長手蒸発源18a上に
は、コリメータ70がフィルム基板32の幅方向に配置
され、長手蒸発源18aから蒸発した蒸発物質の飛行範
囲を限定するようになっているため、長手蒸発源18a
からフィルム基板32に向かう蒸発物質は、図中に直線
の矢印で示すように、フィルム基板32にほぼ垂直に衝
突するものに限られ、図中に破線の矢印で示すように、
それ以外のフィルム基板32に斜めに衝突するものに除
外される。
【0128】以上のように、第9の実施の形態に係るフ
ィルム巻き取り式薄膜形成装置によれば、コリメータ7
0が長手蒸発源18a上に配置され、フィルム基板32
にほぼ垂直に衝突するように蒸発物質の飛行範囲を限定
することにより、蒸発源が長手蒸発源の場合であって
も、蒸発物質が長手蒸発源18aからフィルム基板32
に到達する距離がほぼ一定となり、活性ガスとの反応の
進行度合いも一定となるため、フィルム基板32上に形
成する薄膜の組成を所望の範囲に収めることが可能とな
る。従って、上記第2の実施の形態に係るフィルム巻き
取り式薄膜形成装置の場合と同様の効果を奏すると共
に、その場合よりも更に膜厚及び膜特性の均一性を向上
すさせることができ、特に薄膜形成の高速化とフィルム
基板32の幅方向の均一化を同時に実現することができ
る。これにより、従来、広幅のフィルム基板における幅
方向の膜厚分布の均一化を図るために長手蒸発源を使用
した場合、図9中に直線及び破線の矢印で示すように、
蒸発物質が蒸発源からフィルム基板に到達するまでの距
離の差が大きいことため、蒸発物質と導入ガスとの反応
の進行度合いが異なり、膜組成については所望の範囲に
収めることが困難となるという問題を解決することがで
きる。
【0129】なお、上記第9の実施の形態に係るフィル
ム巻き取り式薄膜形成装置においては、長手蒸発源18
a上にコリメータ70を配置しているが、この代わり
に、グリッド22の形状をコリメータ形状とすることに
よっても、同様の効果を奏することができる。
【0130】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明に係
る薄膜形成装置によれば、蒸発源から蒸発した蒸発物質
がフィラメントから放出された熱電子によりイオン化さ
れ、高いエネルギーを電気的に有することにより、反応
性の薄膜形成又は結晶化による薄膜形成において、反応
温度又は結晶化温度という熱エネルギーを与える必要が
ないため、低温薄膜形成が可能となる。
【0131】また、真空槽内の活性ガスはフィラメント
からの熱電子によりイオン化されることにより、高真空
下においても蒸発物質のイオン化が可能であるため、フ
ィルム基板表面に形成される薄膜の構造も極めて緻密に
することができると共に、高真空下で薄膜形成を行うこ
とにより、薄膜中へのガス分子の取り込みを極めて少な
くすることができるため、高純度の薄膜を得ることがで
きる。
【0132】また、フィルム基板保持手段によって保持
されている部分のフィルム基板表面の凹面が蒸発源から
蒸発される蒸発物質の粒子量の等しい面を少なくとも一
部に含むことにより、フィルム基板に到達するまでの反
応空間内における蒸発物質と活性ガスの比を均一にする
ことができるため、フィルム基板上に形成する薄膜の膜
厚及び膜特性も均−にすることができる。
【0133】また、薄膜の膜厚及び膜特性を所望の範囲
に維持することが可能なフィルム基板の蒸発源に対する
露出面積を広くすることができるため、薄膜形成の大幅
な高速化が可能となる。
【0134】また、グリッドに対して負の電位を有する
対向電極を凹面形状部分のフィルム基板の上方に配備す
ることにより、或いはまた、フィルム基板保持手段とし
ての一対のガイドがグリッドに対して負の電位を有して
いることにより、グリッド側からフィルム基板側ヘ向か
う電界の作用によってグリッドを通過したイオン化され
た蒸発物質が加速され、フィルム基板に高エネルギーを
もって衝突し付着するため、密着性のよい薄膜を高速で
形成することができる。
【0135】また、フィルム基板保持手段として一対の
円盤の回転、複数の駆動ローラに取り付けられた−対の
ベルト、複数のローラ、又は複数のローラ及び複数の張
力設定用ローラを組み合わせたものを使用することによ
り、走行するフィルム基板との摩擦による擦り傷や静電
気の発生を防止することができると共に、フィルム基板
の走行速度を制御して定速走行を安定して行うことがで
きるため、フィルム基板の走行方向の膜厚及び膜特性の
均一性を更に向上させることができる。
【0136】また、複数のローラとしてフィルム基板冷
却用ローラを使用することにより、フィルム基板を冷却
することができるため、薄膜形成の際にフィルム基板の
冷却が必要な場合にも対応することができる。
【0137】また、放電安定化用シールドを所定の凹面
形状をなすフィルム基板とグリッドとの間に配備するこ
とにより、放電がフィルム基板の電位の影響を受けない
ため、膜厚及び膜特性の均一性を向上すさせることがで
きる。
【0138】また、グリッドの形状を、蒸発源に対して
所定の凹面形状をなし、グリッド面の法線の延長が、蒸
発源に対して所定の凹面形状に対向しているフィルム基
板面の法線に重なるようにすることにより、グリッドか
らフィルム基板へ向かう電界の向きがフィルム基板面に
垂直となり、この電界によって加速された一部イオン化
した蒸発物質がフィルム基板面に垂直に衝突するため、
薄膜の配向や結晶性について均ー性を向上させ、従って
膜特性の均一性を向上させることができる。
【0139】また、コリメータが蒸発源上に配備され、
蒸発源からの蒸発物質のフィルム基板の幅方向への飛行
範囲が限定されることにより、蒸発物質が蒸発源からフ
ィルム基板に到達する距離がほぼ一定となり、活性ガス
との反応の進行度合いも一定となるため、フィルム基板
上に形成する薄膜の組成を所望の範囲に収めることが可
能となり、膜厚及び膜特性の均一性を向上すさせること
ができ、特に薄膜形成の高速化とフィルム基板の幅方向
の均一化を同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は第1の実施の形態に係るフィルム
巻き取り式薄膜形成装置を示す概略断面図であり、図1
(b)はその真空槽内部を示す側面図である。
【図2】図2は第2の実施の形態に係るフィルム巻き取
り式薄膜形成装置を示す概略断面図である。
【図3】図3(a)は第3の実施の形態に係るフィルム
巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内部を示す概略断面図
であり、図3(b)はその側面図である。
【図4】図4(a)は第4の実施の形態に係るフィルム
巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内部を示す概略断面図
であり、図4(b)はその側面図である。
【図5】図5(a)は第5の実施の形態に係るフィルム
巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内部を示す概略断面図
であり、図5(b)はその側面図である。
【図6】図6は第6の実施の形態に係るフィルム巻き取
り式薄膜形成装置の真空槽内部を示す概略断面図であ
る。
【図7】図7(a)は第7の実施の形態に係るフィルム
巻き取り式薄膜形成装置の真空槽内部を示す概略断面図
であり、図7(b)はその側面図である。
【図8】図8は第8の実施の形態に係るフィルム巻き取
り式薄膜形成装置を示す概略断面図である。
【図9】図9は第9の実施の形態に係るフィルム巻き取
り式薄膜形成装置の真空槽内部を示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
10 ベースプレート 12 ベルジャー 14 真空槽 16 孔 18、18a 蒸発源フィラメント20、グリッド22 20 フィラメント 22、22a グリッド 24a、24b、26a、26b、28 支持体兼用電
極 30 防着壁 32 フィルム基板 34 アンワインダーロール 36 ワインダーロール 38 ガイド 40 交流電源 42、44 直流電源 46 対向電極 48 支持体兼用電極 50 円盤 52a、52b、…、52i、54a、54b 駆動ロ
ーラ 56 無端べルト 58a、58b、…、58g ローラ 60 防着板 62a、62b、…、62g フィルム基板冷却用ロー
ラ 64a、64b、…、64h 張力設定用ローラ 66 防着板 68 放電安定化用シールド 70 コリメータ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性ガス、不活性ガス、又は活性ガス及
    び不活性ガスの混合ガスが導入される真空槽と、 前記真空槽内に設置され、所定の蒸発物質を蒸発させる
    蒸発源と、 前記真空槽内において、フィルム基板を走行させるフィ
    ルム基板走行手段と、 前記真空槽内において、走行する前記フィルム基板表面
    を前記蒸発源に対して所定の凹面形状に対向させ、前記
    フィルム基板表面の凹面が前記蒸発源から蒸発される蒸
    発物質の粒子量の等しい面を少なくとも一部に含むよう
    にするフィルム基板保持手段と、 前記蒸発源に対して所定の凹面形状に対向する前記フィ
    ルム基板と前記蒸発源との間に配備され、熱電子を発生
    させるフィラメントと、 前記蒸発源に対して所定の凹面形状に対向する前記フィ
    ルム基板と前記フィラメントとの間に配備され、前記蒸
    発源から蒸発した所定の蒸発物質が通過可能なグリッド
    と、 前記蒸発源、前記フィラメント、及び前記グリッドに所
    定の電圧を印加する電源手段と、を有し、 前記フィラメントに対して前記グリッドを正の電位とし
    た状態において、前記蒸発源から蒸発した蒸発物質が、
    前記フィラメントから放出された熱電子と衝突してイオ
    ン化され、前記グリッドを通過し、前記蒸発源に対して
    凹面形状に対向している前記フィルム基板表面に衝突し
    付着することを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜形成装置において、 前記蒸発源に対して所定の凹面形状に対向している前記
    フィルム基板の上方に、対向電極が配備され、前記対向
    電極が、前記グリッドに対して負の電位を有することを
    特徴とする薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の薄膜形成装置において、 前記フィルム基板保持手段が、前記グリッド上方に配備
    され、前記蒸発源に対して所定の凹面形状をなす一対の
    ガイドであり、 前記フィルム基板の両端が前記一対のガイド上に保持さ
    れ、前記フィルム基板が前記一対のガイド上を摺動しつ
    つ走行すると共に、前記一対のガイド上に保持されてい
    る部分の前記フィルム基板表面が前記蒸発源に対して所
    定の凹面形状に対向していることを特徴とする薄膜形成
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の薄膜形成装置において、 前記一対のガイドが、前記グリッドに対して負の電位を
    有していることを特徴とする薄膜形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の薄膜形成装置において、 前記フィルム基板保持手段が、回転可能な−対の円盤で
    あり、 前記フィルム基板の両端が前記一対の円盤上に保持さ
    れ、前記一対の円盤の回転に伴って前記フィルム基板が
    走行すると共に、前記一対の円盤上に保持されている部
    分の前記フィルム基板表面が前記蒸発源に対して所定の
    凹面形状に対向していることを特徴とする薄膜形成装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の薄膜形成装置において、 前記フィルム基板保持手段が、複数の駆動ローラに取り
    付けられた−対のベルトであり、 前記フィルム基板の両端が前記一対のベルト上に保持さ
    れ、前記複数の駆動ローラの回転による前記一対のベル
    トの回転に伴って前記フィルム基板が走行すると共に、
    前記一対のベルト上に保持されている部分の前記フィル
    ム基板表面が前記蒸発源に対して所定の凹面形状に対向
    していることを特徴とする薄膜形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の薄膜形成装置において、 前記フィルム基板保持手段が、前記グリッド上方に配備
    された複数のローラであり、 前記フィルム基板が前記複数のローラ上に保持され、前
    記複数のローラの回転に伴って前記フィルム基板が走行
    すると共に、前記複数のローラ上に保持されている部分
    の前記フィルム基板表面が前記蒸発源に対して所定の凹
    面形状に対向していることを特徴とする薄膜形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の薄膜形成装置において、 前記複数のローラの各々の前記蒸発源側に、前記蒸発源
    からの蒸発物質が前記複数のローラ表面に付着すること
    を防止するための複数の防着板が配備されていることを
    特徴とする薄膜形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の薄膜形成装置において、 前記フィルム基板保持手段が、前記グリッド上方に配備
    された複数のローラ及び前記複数のローラ上方に位置を
    ずらして配備された複数の張力設定用ローラであり、 前記フィルム基板が前記複数のローラ及び前記複数の張
    力設定用ローラを1つずつ交互に通り抜け、前記複数の
    張力設定用ローラにより前記フィルム基板の張力を調整
    しつつ前記複数のローラの回転に伴って前記フィルム基
    板が走行すると共に、前記複数のローラ上に保持されて
    いる部分の前記フィルム基板表面が前記蒸発源に対して
    所定の凹面形状に対向していることを特徴とする薄膜形
    成装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の薄膜形成装置におい
    て、 前記複数の張力設定用ローラの各々の前記蒸発源側に、
    前記蒸発源からの蒸発物質が前記複数の張力設定用ロー
    ラ表面に付着することを防止するための複数の防着板が
    配備されていることを特徴とする薄膜形成装置。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至10のいずれかに記載の
    薄膜形成装置において、 前記複数のローラが、ローラ内に冷媒が導入されている
    フィルム基板冷却用ローラであることを特徴とする薄膜
    形成装置。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかに記載の
    薄膜形成装置において、 前記蒸発源に対して所定の凹面形状に対向している前記
    フィルム基板と前記グリッドとの間に、放電安定化用シ
    ールドが配備されていることを特徴とする薄膜形成装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    薄膜形成装置において、 前記グリッドが、前記蒸発源に対して所定の凹面形状を
    なしており、前記グリッド面の法線の延長が、前記蒸発
    源に対して所定の凹面形状に対向している前記フィルム
    基板面の法線に重なることを特徴とする薄膜形成装置。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれかに記載の
    薄膜形成装置において、 前記蒸発源上に、コリメータが配備され、前記コリメー
    タにより、前記蒸発源からの蒸発物質の前記フィルム基
    板の幅方向への飛行範囲が限定されることを特徴とする
    薄膜形成装置。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至14のいずれかに記載の
    薄膜形成装置において、 前記蒸発源を挟んで、一対の防着壁が配備され、前記一
    対の防着壁により、前記蒸発源に対して所定の凹面形状
    に対向している前記フィルム基板以外の部分の前記フィ
    ルム基板表面への前記蒸発源からの蒸発物質の付着が防
    止されることを特徴とする薄膜形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007265874A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極の製造方法及びリチウム二次電池
KR101114832B1 (ko) * 2011-05-31 2012-03-06 에스엔유 프리시젼 주식회사 진공증착장치

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