JPH09306761A - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

内燃機関用点火コイル

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JPH09306761A
JPH09306761A JP8141181A JP14118196A JPH09306761A JP H09306761 A JPH09306761 A JP H09306761A JP 8141181 A JP8141181 A JP 8141181A JP 14118196 A JP14118196 A JP 14118196A JP H09306761 A JPH09306761 A JP H09306761A
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JP
Japan
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coil
permanent magnet
magnetic circuit
ignition coil
combustion engine
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Application number
JP8141181A
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English (en)
Inventor
Takashi Yoshinari
孝 吉成
Hiroaki Asano
博昭 浅野
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Hanshin Electric Co Ltd
Original Assignee
Hanshin Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型で高い火花エネルギーが得られる内燃機関
用点火コイルを提供する。 【解決手段】一次コイル3の外周側に二次コイル5を同
心状に配設し、絶縁部材9により一体的にモールドした
コイル本体1と、磁性金属からなる閉磁路鉄心10,1
1とで構成され、コイル本体1を閉磁路鉄心10,11
に挿入して配設し、コイル本体1が配設された場所とは
異なる閉磁路鉄心10,11の位置に永久磁石12を上
記閉磁路と磁気的に直列に配設し、且つ永久磁石12の
磁路と対面する面の面積を上記閉磁路鉄心の断面積の
1.4倍乃至2倍とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のエ
ンジンの点火プラグにおいて火花放電を発生させるため
に高電圧を供給するモールド型の内燃機関用点火コイル
に関し、特に小型化が要求される内燃機関用点火コイル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気回路内に永久磁石を有す
るモールド型の内燃機関用点火コイルは、例えば、図5
に示す断面図のような概略構成をなしていた。
【0003】図において1は点火コイル本体であり、鉄
心としてほぼUの字状をなした珪素鋼板の積層鉄心1
0,11の端部同士を向かい合わせて接合し、閉磁路を
なす磁気回路を構成する。
【0004】尚、点火コイル本体1内の磁気回路には、
磁気逆バイアス用に板状の永久磁石12を鉄心10,1
1の間に挟み込むように配設し、接着剤を用いて後述す
る一次コイルボビン内で接着して該一次コイルボビンに
固定している。
【0005】更に鉄心10,11の一方の接合部11a
を溶接等によって接合している(以下、この位置に永久
磁石を配設したものを内磁石形と記載する)。
【0006】2は例えば合成樹脂等の電気的絶縁材にて
一体的に形成された一次コイルボビンであり、該一次コ
イルボビン2は鉄心の外周に密接して配設されると共に
外周部には一次コイル3が巻回されている。
【0007】また、4は二次コイルボビンであって、一
次コイル3の外周部に同心状に配設されており、例えば
合成樹脂等の電気的絶縁材にて構成され、且つ二次コイ
ル5を分割巻するための仕切りとして機能する複数個の
鍔部を一体的に成型している。そして、二次コイルボビ
ン4には例えば一次コイル3と巻線比にしてほぼ1:1
00となる二次コイル5が、各鍔部を仕切りとして分割
巻にて巻回されている。
【0008】更に、6は二次コイル5の更に外周に配設
され、合成樹脂等の絶縁部材にて成型された絶縁ケース
を示しており、該絶縁ケース6の一端には一次端子7が
配設され、しかも絶縁ケース6の底部に高圧端子8が配
設される。そして、絶縁ケース6の内部には例えばエポ
キシ樹脂等の絶縁部材9を充填した後に、該絶縁部材9
を硬化させ、絶縁ケース6の内部に配設した各部材間を
絶縁した状態で固定している。
【0009】また、一次コイル3と一次端子7及び二次
コイル5と高圧端子8はそれぞれ電気的に接続され、一
次コイル3に所定の電流を通電した後に遮断すると、二
次コイル5に発生した高電圧の電流は高圧端子8から図
示していないハイテンションコードを介して点火プラグ
に供給される。
【0010】以上のように構成した内磁石形の内燃機関
用点火コイル(所謂モールドコイル)は、永久磁石12
を用いて鉄心10,11に磁気逆バイアスをかけること
により、一次コイル電流遮断時の鉄心10,11におけ
る磁束の変化量を大きくして、モールドコイルの小型化
及び高出力化が図られていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような永久磁石は価格が高くなるためにモールドコイ
ル自体の価格も高価になるという問題を生じていた。
【0012】本発明は、このような欠点を解消するもの
であり、永久磁石を使用した内燃機関用点火コイルの小
型化及び高出力化に係わるものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑みて成
されたもので、一次コイルの外周側に二次コイルを同心
状に配設し、絶縁部材により一体的にモールドしたコイ
ル本体と、磁性金属からなる閉磁路鉄心とで構成され、
上記コイル本体を上記閉磁路鉄心に挿入して配設した内
燃機関用点火コイルであって、上記コイル本体が配設さ
れた場所とは異なる上記閉磁路鉄心の位置に永久磁石を
上記閉磁路と磁気的に直列に配設し、且つ上記永久磁石
の磁路と対面する面の面積を上記閉磁路鉄心の断面積の
1.4倍乃至2倍とした内燃機関用点火コイルを提供す
るものである。
【0014】また、本発明は、上記永久磁石の厚みを上
記永久磁石の上記面積に0.007乃至0.01を乗じ
た値の厚みとした内燃機関用点火コイルを提供するもの
である。
【0015】更に、本発明は、上記閉磁路鉄心を構成す
る上記磁性金属が方向性珪素鋼板の積層体とした内燃機
関用点火コイルを提供するものである。
【0016】本発明は、一次コイルの外周側に二次コイ
ルを同心状に配設し、絶縁部材により一体的にモールド
したコイル本体と、磁性金属からなる閉磁路鉄心とで構
成され、上記コイル本体を上記閉磁路鉄心に挿入して配
設した内燃機関用点火コイルであって、上記閉磁路鉄心
の磁路の一部に配設した永久磁石と磁気的に直列に磁気
飽和防止用の空隙か若しくは非磁性体からなるスペーサ
ーを設けた内燃機関用点火コイルを提供するものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を図面に基づいて
説明する。図1は本発明の一実施形態における内燃機関
用点火コイルの概略断面図を示しており、従来例と同一
部材は同一符号で示している。
【0018】本実施形態における最大の特徴は、永久磁
石12を点火コイル本体1内ではなく、点火コイル本体
1が配設された閉磁路鉄心10,11の一辺と対向する
辺に設ける(以下、これを外磁石形と記載する)。
【0019】更に、永久磁石12をサマリウム・コバル
ト系やネオジウム系等の板状の磁石とし、磁路に対して
角度θだけ傾斜して配設し、しかも閉磁路鉄心10,1
1が磁気飽和を起こさないように非磁性体からなるスペ
ーサー13か若しくは空隙を永久磁石12に隣接して設
けている。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を示して従来例と
の対比を行う。先ず、0.3mm厚の方向性硅素鋼板を
積層して、断面が9mm×9mmのほぼUの字状の鉄心
10,11を形成する。そして、この鉄心10,11を
一次コイルボビン2及び絶縁ケース6に設けられた鉄心
固定鞘6a内に挿入する。そして、一次コイルボビン2
内において鉄心10,11は接合部11aにて接合され
る。
【0021】一方、鉄心固定鞘6a内においては、磁路
に対して角度θ=40度の傾きで鉄心10,11の端面
が形成されると共に、該端面に挟持された状態で1mm
厚のサマリウム・コバルト系の永久磁石12及び非磁性
体からなる0.2〜0.4mm厚程度のスペーサー13
か若しくは空隙が配設されて、鉄心10,11が磁気飽
和を起こすことを防止している。尚、永久磁石12の面
積は9mm×14mm=126mm2 である。
【0022】また、一次コイル3は0.45mm径の単
線を140回巻線したものであり、一次遮断電流は6A
でこれによる起磁力は780ATである。更に、二次コ
イル5は一次コイル3と巻線比で1:100となる巻数
を有し、絶縁耐圧を確保するために、二次コイルボビン
4に設けられた鍔部で仕切った状態で分割巻されてい
る。尚、二次コイル5の直流抵抗値は14KΩである。
【0023】以上のような条件の本実施例(外磁石形)
と従来例(内磁石形)とを比較すると図2のようにな
る。尚、何れの場合においても、一次コイル3の起磁力
は780ATとなるように設定されている。これからも
分かるとおり、一次コイル3に鎖交する磁束の変化量の
最大値は、従来例の場合には、1.9×10-4(Wb)
であるのに対して、本実施例では2.4×10-4(W
b)となった。
【0024】これは、外磁石形の場合には一次コイル3
に貫通する部分の鉄心の磁気抵抗が極めて小さい構造と
なるため、同一の起磁力である場合には一次コイル3に
鎖交する磁束の変化量が増大するためである。
【0025】また、図3は同一測定条件での本実施例及
び従来例における一次コイル3に鎖交する磁束の変化量
の分布を示している。尚、図におけるA,B,Cは何れ
も図1及び図5に示す各A,B,Cの位置にそれぞれ対
応している。
【0026】図において従来のような内磁石形の場合に
は、磁束の変化量が最大となる位置はAであり、永久磁
石12を装着したCの位置では、磁束の変化量は、Aの
87%しかない。これは、永久磁石12が磁束の変化を
妨げているためである。そして、A,B,Cの平均値は
Aの位置における94%となる。
【0027】一方、本実施例のような外磁石形の場合に
は、磁束の変化量が最大となる位置はBであり、A,
B,Cの平均値はBの位置における97%となった。こ
れは、永久磁石12を一次コイル3から遠ざけたため、
一次コイル3付近での磁束の変化量がほぼ均一になった
ものであり、それによって中央部であるBの位置での磁
束の変化量が最大となったわけである。
【0028】更に、従来例と本実施例との実効一次イン
ダクタンスは、それぞれ4.2mHと5.4mHであっ
て本実施例の場合の方が29%程増大している。また、
従来例及び本実施例における一次コイル3と二次コイル
5との結合係数は、それぞれ0.92〜0.94及び
0.95〜0.97となり、本実施例の方がかなり改善
されていることが分かる。
【0029】以上のことから、従来例及び本実施例にお
ける二次コイル5の条件を同じにすると、一次コイル電
流を6A遮断とし、二次側の負荷を50PFとすると、
従来例の場合は、二次電圧は31.4KV、火花エネル
ギーは41mJであるのに対し、本実施例の場合は、二
次電圧は36.0KV、火花エネルギーは55mJとな
り、本実施例の方が二次電圧では15%、火花エネルギ
ーでは34%増大する。
【0030】逆に、本実施例の構成で従来の性能を引き
出すためには、例えば永久磁石12の厚みを0.7mm
とすれば、一次コイル3及び二次コイル5の巻数を20
%削減することが可能となり、大幅なコスト低減を図る
ことができる。また、上述した仕様の中間をとって、高
出力とコスト低減を両立させる設計とすることにより、
高出力で安価な点火コイルを提供することも可能であ
る。
【0031】以上の説明では永久磁石12を磁路に対し
て40度の角度としているが、角度θの値を他の値にし
ても良い。そこで、図4に永久磁石12の配設される角
度θを変えた場合の磁束変化量を示している。図からも
分かるとおり、θが30度未満では磁気飽和を起こし、
実用的には30度〜45度で磁束変化量が最大になる。
これを永久磁石12の面積で表せば、30度は鉄心の断
面積の2.0倍、45度では鉄心の断面積の1.4倍と
なる。
【0032】一般に、永久磁石12は面積が広いほど、
鉄心に対する磁気逆バイアス量を大きくすることができ
るが、その反面、永久磁石12は一次コイル3による順
方向の励磁に対しては、空隙と同等の磁気抵抗となるた
め、永久磁石12は面積が大きい程磁気抵抗が小さくな
り、磁気飽和し易くなるといった矛盾を生じ、結果的に
は点火コイルの高出力化が図れない場合がある。
【0033】従って、本実施例のように必要に応じて永
久磁石12と磁気的に直列に磁気飽和防止用の空隙か若
しくはスペーサー13を設けることが有効となる。或い
は、永久磁石12に充分な磁気抵抗が生じるように、そ
の厚みを選択することも可能である。
【0034】即ち、永久磁石12の面積に比例した厚み
を選択することが理想的である。本実施例で使用される
方向性硅素鋼板は、磁束密度が2.0Tesla程度で
磁気飽和するため、実用的には1.6〜1.9Tesl
a程度で使用すると効率が良い。
【0035】そこで上記の条件で永久磁石12の最適な
厚みを求めると、磁束密度が1.9Teslaになる永
久磁石の厚みは0.9mmであり、0.9という数値は
角度θが40度における永久磁石12の面積である12
6mm2 の126という数値に、0.0072を乗じた
値である。また、磁束密度が1.6Teslaになる永
久磁石の厚みは1.2mmであり、1.2という数値は
126という数値に、0.0096を乗じた値である。
即ち、実質的には永久磁石12の厚みは、ほぼ永久磁石
12の面積の数値に0.007〜0.010を乗じた値
が最適となる。
【0036】以上、本発明を実施形態に基づいて説明し
たが、本発明は上記した実施形態に限定されるものでは
なく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限
り、どのようにでも実施できる。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明における内燃
機関用点火コイルは、外磁石形の閉磁路を形成したこと
により、小型で高い火花エネルギーの得られる点火コイ
ルを提供できる等、多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における内燃機関用点火コ
イルの概略断面図である。
【図2】従来の点火コイル及び本発明の点火コイルにお
ける磁束変化量を示す特性図である。
【図3】従来の点火コイル及び本発明の点火コイルのA
〜Cの各位置における磁束変化量の分布を示す特性図で
ある。
【図4】本発明の点火コイルにおける永久磁石配設角度
と磁束変化量を示す特性図である。
【図5】従来の内燃機関用点火コイルの概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 点火コイル本体 2 一次コイルボビン 3 一次コイル 4 二次コイルボビン 5 二次コイル 6 絶縁ケース 6a 鉄心固定鞘 7 一次端子 8 高圧端子 9 絶縁部材 10、11 鉄心 11a 接合部 12 永久磁石 13 スペーサー A、B、C 磁束変化量測定点 α 外磁石形の特性曲線 β 内磁石形の特性曲線 θ 永久磁石配設角度
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 内燃機関用点火コイル
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のエ
ンジンの点火プラグにおいて火花放電を発生させるため
に高電圧を供給するモールド型の内燃機関用点火コイル
に関し、特に小型化が要求される内燃機関用点火コイル
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気回路内に永久磁石を有す
るモールド型の内燃機関用点火コイルは、例えば、図5
に示す断面図のような概略構成をなしていた。
【0003】図において1は点火コイル本体であり、鉄
心としてほぼUの字状をなした珪素鋼板の積層鉄心1
0,11の端部同士を向かい合わせて接合し、閉磁路を
なす磁気回路を構成する。
【0004】尚、点火コイル本体1内の磁気回路には、
磁気逆バイアス用に板状の永久磁石12を鉄心10,1
1の間に挟み込むように配設し、接着剤を用いて後述す
る一次コイルボビン内で接着して該一次コイルボビンに
固定している。
【0005】更に鉄心10,11の一方の接合部11a
を溶接等によって接合している(以下、この位置に永久
磁石を配設したものを内磁石形と記載する)。
【0006】2は例えば合成樹脂等の電気的絶縁材にて
一体的に形成された一次コイルボビンであり、該一次コ
イルボビン2は鉄心の外周に密接して配設されると共に
外周部には一次コイル3が巻回されている。
【0007】また、4は二次コイルボビンであって、一
次コイル3の外周部に同心状に配設されており、例えば
合成樹脂等の電気的絶縁材にて構成され、且つ二次コイ
ル5を分割巻するための仕切りとして機能する複数個の
鍔部を一体的に成型している。そして、二次コイルボビ
ン4には例えば一次コイル3と巻線比にしてほぼ1:1
00となる二次コイル5が、各鍔部を仕切りとして分割
巻にて巻回されている。
【0008】更に、6は二次コイル5の更に外周に配設
され、合成樹脂等の絶縁部材にて成型された絶縁ケース
を示しており、該絶縁ケース6の一端には一次端子7が
配設され、しかも絶縁ケース6の底部に高圧端子8が配
設される。そして、絶縁ケース6の内部には例えばエポ
キシ樹脂等の絶縁部材9を充填した後に、該絶縁部材9
を硬化させ、絶縁ケース6の内部に配設した各部材間を
絶縁した状態で固定している。
【0009】また、一次コイル3と一次端子7及び二次
コイル5と高圧端子8はそれぞれ電気的に接続され、一
次コイル3に所定の電流を通電した後に遮断すると、二
次コイル5に発生した高電圧の電流は高圧端子8から図
示していないハイテンションコードを介して点火プラグ
に供給される。
【0010】以上のように構成した内磁石形の内燃機関
用点火コイル(所謂モールドコイル)は、永久磁石12
を用いて鉄心10,11に磁気逆バイアスをかけること
により、一次コイル電流遮断時の鉄心10,11におけ
る磁束の変化量を大きくして、モールドコイルの小型化
及び高出力化が図られていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような永久磁石は価格が高くなるためにモールドコイ
ル自体の価格も高価になるという問題を生じていた。
【0012】本発明は、このような欠点を解消するもの
であり、永久磁石を使用した内燃機関用点火コイルの小
型化及び高出力化に係わるものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑みて成
されたもので、一次コイルの外周側に二次コイルを同心
状に配設し、絶縁部材により一体的にモールドしたコイ
ル本体と、磁性金属からなる閉磁路鉄心とで構成され、
上記コイル本体を上記閉磁路鉄心に挿入して配設した内
燃機関用点火コイルであって、上記コイル本体が配設さ
れた鉄心と対向する側の鉄心に永久磁石を上記閉磁路と
磁気的に直列に配設し、且つ上記永久磁石の磁路と対面
する面の面積を上記閉磁路鉄心の断面積の1.4倍乃至
2倍とした内燃機関用点火コイルを提供するものであ
る。
【0014】また、本発明は、上記永久磁石の厚みを上
記永久磁石の上記面積に0.007乃至0.01を乗じ
た値の厚みとした内燃機関用点火コイルを提供するもの
である。
【0015】更に、本発明は、上記閉磁路鉄心を構成す
る上記磁性金属が方向性珪素鋼板の積層体とした内燃機
関用点火コイルを提供するものである。
【0016】本発明は、一次コイルの外周側に二次コイ
ルを同心状に配設し、絶縁部材により一体的にモールド
したコイル本体と、磁性金属からなる閉磁路鉄心とで構
成され、上記コイル本体を上記閉磁路鉄心に挿入して配
設した内燃機関用点火コイルであって、上記閉磁路鉄心
の磁路の一部に配設した永久磁石と磁気的に直列に磁気
飽和防止用の空隙か若しくは非磁性体からなるスペーサ
ーを設けた内燃機関用点火コイルを提供するものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を図面に基づいて
説明する。図1は本発明の一実施形態における内燃機関
用点火コイルの概略断面図を示しており、従来例と同一
部材は同一符号で示している。
【0018】本実施形態における最大の特徴は、永久磁
石12を点火コイル本体1内ではなく、点火コイル本体
1が配設された閉磁路鉄心10,11の一辺と対向する
辺に設ける(以下、これを外磁石形と記載する)。
【0019】更に、永久磁石12をサマリウム・コバル
ト系やネオジウム系等の板状の磁石とし、磁路に対して
角度θだけ傾斜して配設し、しかも閉磁路鉄心10,1
1が磁気飽和を起こさないように非磁性体からなるスペ
ーサー13か若しくは空隙を永久磁石12に隣接して設
けている。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を示して従来例と
の対比を行う。先ず、0.3mm厚の方向性硅素鋼板を
積層して、断面が9mm×9mmのほぼUの字状の鉄心
10,11を形成する。そして、この鉄心10,11を
一次コイルボビン2及び絶縁ケース6に設けられた鉄心
固定鞘6a内に挿入する。そして、一次コイルボビン2
内において鉄心10,11は接合部11aにて接合され
る。
【0021】一方、鉄心固定鞘6a内においては、磁路
に対して角度θ=40度の傾きで鉄心10,11の端面
が形成されると共に、該端面に挟持された状態で1mm
厚のサマリウム・コバルト系の永久磁石12及び非磁性
体からなる0.2〜0.4mm厚程度のスペーサー13
か若しくは空隙が配設されて、鉄心10,11が磁気飽
和を起こすことを防止している。尚、永久磁石12の面
積は9mm×14mm=126mm2 である。
【0022】また、一次コイル3は0.45mm径の単
線を140回巻線したものであり、一次遮断電流は6A
でこれによる起磁力は780ATである。更に、二次コ
イル5は一次コイル3と巻線比で1:100となる巻数
を有し、絶縁耐圧を確保するために、二次コイルボビン
4に設けられた鍔部で仕切った状態で分割巻されてい
る。尚、二次コイル5の直流抵抗値は14KΩである。
【0023】以上のような条件の本実施例(外磁石形)
と従来例(内磁石形)とを比較すると図2のようにな
る。尚、何れの場合においても、一次コイル3の起磁力
は780ATとなるように設定されている。これからも
分かるとおり、一次コイル3に鎖交する磁束の変化量の
最大値は、従来例の場合には、1.9×10-4(Wb)
であるのに対して、本実施例では2.4×10-4(W
b)となった。
【0024】これは、外磁石形の場合には一次コイル3
に貫通する部分の鉄心の磁気抵抗が極めて小さい構造と
なるため、同一の起磁力である場合には一次コイル3に
鎖交する磁束の変化量が増大するためである。
【0025】また、図3は同一測定条件での本実施例及
び従来例における一次コイル3に鎖交する磁束の変化量
の分布を示している。尚、図におけるA,B,Cは何れ
も図1及び図5に示す各A,B,Cの位置にそれぞれ対
応している。
【0026】図において従来のような内磁石形の場合に
は、磁束の変化量が最大となる位置はAであり、永久磁
石12を装着したCの位置では、磁束の変化量は、Aの
87%しかない。これは、永久磁石12が磁束の変化を
妨げているためである。そして、A,B,Cの平均値は
Aの位置における94%となる。
【0027】一方、本実施例のような外磁石形の場合に
は、磁束の変化量が最大となる位置はBであり、A,
B,Cの平均値はBの位置における97%となった。こ
れは、永久磁石12を一次コイル3から遠ざけたため、
一次コイル3付近での磁束の変化量がほぼ均一になった
ものであり、それによって中央部であるBの位置での磁
束の変化量が最大となったわけである。
【0028】更に、従来例と本実施例との実効一次イン
ダクタンスは、それぞれ4.2mHと5.4mHであっ
て本実施例の場合の方が29%程増大している。また、
従来例及び本実施例における一次コイル3と二次コイル
5との結合係数は、それぞれ0.92〜0.94及び
0.95〜0.97となり、本実施例の方がかなり改善
されていることが分かる。
【0029】以上のことから、従来例及び本実施例にお
ける二次コイル5の条件を同じにすると、一次コイル電
流を6A遮断とし、二次側の負荷を50PFとすると、
従来例の場合は、二次電圧は31.4KV、火花エネル
ギーは41mJであるのに対し、本実施例の場合は、二
次電圧は36.0KV、火花エネルギーは55mJとな
り、本実施例の方が二次電圧では15%、火花エネルギ
ーでは34%増大する。
【0030】逆に、本実施例の構成で従来の性能を引き
出すためには、例えば永久磁石12の厚みを0.7mm
とすれば、一次コイル3及び二次コイル5の巻数を20
%削減することが可能となり、大幅なコスト低減を図る
ことができる。また、上述した仕様の中間をとって、高
出力とコスト低減を両立させる設計とすることにより、
高出力で安価な点火コイルを提供することも可能であ
る。
【0031】以上の説明では永久磁石12を磁路に対し
て40度の角度としているが、角度θの値を他の値にし
ても良い。そこで、図4に永久磁石12の配設される角
度θを変えた場合の磁束変化量を示している。図からも
分かるとおり、θが30度未満では磁気飽和を起こし、
実用的には30度〜45度で磁束変化量が最大になる。
これを永久磁石12の面積で表せば、30度は鉄心の断
面積の2.0倍、45度では鉄心の断面積の1.4倍と
なる。
【0032】一般に、永久磁石12は面積が広いほど、
鉄心に対する磁気逆バイアス量を大きくすることができ
るが、その反面、永久磁石12は一次コイル3による順
方向の励磁に対しては、空隙と同等の磁気抵抗となるた
め、永久磁石12は面積が大きい程磁気抵抗が小さくな
り、磁気飽和し易くなるといった矛盾を生じ、結果的に
は点火コイルの高出力化が図れない場合がある。
【0033】従って、本実施例のように必要に応じて永
久磁石12と磁気的に直列に磁気飽和防止用の空隙か若
しくはスペーサー13を設けることが有効となる。或い
は、永久磁石12に充分な磁気抵抗が生じるように、そ
の厚みを選択することも可能である。
【0034】即ち、永久磁石12の面積に比例した厚み
を選択することが理想的である。本実施例で使用される
方向性硅素鋼板は、磁束密度が2.0Tesla程度で
磁気飽和するため、実用的には1.6〜1.9Tesl
a程度で使用すると効率が良い。
【0035】そこで上記の条件で永久磁石12の最適な
厚みを求めると、磁束密度が1.9Teslaになる永
久磁石の厚みは0.9mmであり、0.9という数値は
角度θが40度における永久磁石12の面積である12
6mm2 の126という数値に、0.0072を乗じ
た値である。また、磁束密度が1.6Teslaになる
永久磁石の厚みは1.2mmであり、1.2という数値
は126という数値に、0.0096を乗じた値であ
る。即ち、実質的には永久磁石12の厚みは、ほぼ永久
磁石12の面積の数値に0.007〜0.010を乗じ
た値が最適となる。
【0036】以上、本発明を実施形態に基づいて説明し
たが、本発明は上記した実施形態に限定されるものでは
なく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限
り、どのようにでも実施できる。
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明における内燃
機関用点火コイルは、外磁石形の閉磁路を形成したこと
により、小型で高い火花エネルギーの得られる点火コイ
ルを提供できる等、多大な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における内燃機関用点火コ
イルの概略断面図である。
【図2】従来の点火コイル及び本発明の点火コイルにお
ける磁束変化量を示す特性図である。
【図3】従来の点火コイル及び本発明の点火コイルのA
〜Cの各位置における磁束変化量の分布を示す特性図で
ある。
【図4】本発明の点火コイルにおける永久磁石配設角度
と磁束変化量を示す特性図である。
【図5】従来の内燃機関用点火コイルの概略断面図であ
る。
【符号の説明】 1 点火コイル本体 2 一次コイルボビン 3 一次コイル 4 二次コイルボビン 5 二次コイル 6 絶縁ケース 6a 鉄心固定鞘 7 一次端子 8 高圧端子 9 絶縁部材 10、11 鉄心 11a 接合部 12 永久磁石 13 スペーサー A、B、C 磁束変化量測定点 α 外磁石形の特性曲線 β 内磁石形の特性曲線 θ 永久磁石配設角度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次コイルの外周側に二次コイルを同心
    状に配設し、絶縁部材により一体的にモールドしたコイ
    ル本体と、磁性金属からなる閉磁路鉄心とで構成され、
    上記コイル本体を上記閉磁路鉄心に挿入して配設した内
    燃機関用点火コイルであって、 上記コイル本体が配設された場所とは異なる上記閉磁路
    鉄心の位置に永久磁石を上記閉磁路と磁気的に直列に配
    設し、且つ上記永久磁石の磁路と対面する面の面積を上
    記閉磁路鉄心の断面積の1.4倍乃至2倍としたことを
    特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の内燃機関用点火コイル
    において、 上記永久磁石の厚みを上記永久磁石の上記面積に0.0
    07乃至0.01を乗じた値の厚みとしたことを特徴と
    する内燃機関用点火コイル。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の内燃機関用点火コイル
    において、 上記閉磁路鉄心を構成する上記磁性金属は方向性珪素鋼
    板の積層体としたことを特徴とする内燃機関用点火コイ
    ル。
  4. 【請求項4】 一次コイルの外周側に二次コイルを同心
    状に配設し、絶縁部材により一体的にモールドしたコイ
    ル本体と、磁性金属からなる閉磁路鉄心とで構成され、
    上記コイル本体を上記閉磁路鉄心に挿入して配設した内
    燃機関用点火コイルであって、 上記閉磁路鉄心の磁路の一部に配設した永久磁石と磁気
    的に直列に磁気飽和防止用の空隙か若しくは非磁性体か
    らなるスペーサーを設けたことを特徴とする内燃機関用
    点火コイル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003068535A (ja) * 2001-08-29 2003-03-07 Nec Tokin Corp インダクタンス部品
JP2009076734A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Hanshin Electric Co Ltd 内燃機関用点火コイル
CN107408452A (zh) * 2015-04-15 2017-11-28 三菱电机株式会社 内燃机用点火线圈

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