JPH09308186A - 動圧軸受を使用したモータ - Google Patents

動圧軸受を使用したモータ

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JPH09308186A
JPH09308186A JP14820796A JP14820796A JPH09308186A JP H09308186 A JPH09308186 A JP H09308186A JP 14820796 A JP14820796 A JP 14820796A JP 14820796 A JP14820796 A JP 14820796A JP H09308186 A JPH09308186 A JP H09308186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動圧軸受における軸受剛性の温度依存性を大
幅に低減し、使用温度範囲内において適正な軸受剛性を
安定して得る。 【解決手段】 軸部材6と回転スリーブ体14のうち固
定側に、ヘリングボーン状溝からなる動圧発生溝42、
44の中央部と両端部とのそれぞれの中間部と動圧の低
い領域とを連通する連通路46を設け、この連通路46
に高温時に開口面積が小になり低温時に開口面積が大に
なる開口を有する制御弁58を配置する。高温時に潤滑
流体の循環を抑制して本来のベアリング幅を確保し、低
温時に潤滑流体の循環により動圧発生溝の両端部側の圧
力を逃がしてベアリング幅を小さくし、これによって、
使用温度範囲内における発生動圧の一定化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光・磁気デ
ィスク等の記録ディスクを回転駆動するために用いられ
る潤滑流体による動圧軸受を使用したモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、軸部材とスリーブ部材とを相
対的に回転自在に支持するために、両者間に介在させた
潤滑流体の流体圧力を利用した動圧軸受が用いられてい
る。この種の流体動圧軸受は、軸部材とスリーブ部材と
の間に、ラジアル荷重を支持するためのラジアル動圧軸
受部及びスラスト荷重を支持するスラスト動圧軸受部が
配設されている。そして、このような動圧軸受をモータ
に用いる場合には、軸部材又はスリーブ部材の一方が固
定される。即ち、軸部材を固定したときには、軸固定型
のモータとなり、スリーブ部材を固定したときには、軸
回転型のモータとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の動圧軸受で
は、次の通りの解決すべき問題が存在する。即ち、動圧
軸受で使用する潤滑流体つまり潤滑オイルは、通常、そ
の粘度が高温時に低下し、低温時に上昇し、従って、動
圧軸受の発生動圧は高温時には大きく、低温時には小さ
くなる。このため、使用温度範囲の上限での軸受剛性を
確保すべく軸受仕様を設定すれば、低温での軸受剛性が
過大になり、また、常温での軸受剛性を適正にすべく設
定すれば、使用温度上限近くでは剛性不足となり、軸受
剛性の温度依存性が非常に大きいと言った問題がある。
【0004】ここで、軸部材の熱膨張係数をスリーブ部
材のそれより大きくして、軸部材とスリーブ部材との間
のクリアランスを温度に応じて制御し、軸受剛性の温度
依存性を補償することも考えられるが、この場合、軸部
材の円筒状外周面及びスリーブ部材の円筒状内周面に高
い加工精度が要求され、製造が困難になる問題を有して
いる。しかも、高温時には、クリアランスが極端に小さ
くなり、軸部材に対してスリーブ部材がロックされる危
険性がある。
【0005】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に留意してなされたものであり、その目的とする
ところは、比較的簡単な構成で動圧軸受における軸受剛
性の温度依存性を大幅に低減し、使用温度範囲内におい
て適正な軸受剛性を安定して得ることができる動圧軸受
を使用したモータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の動圧軸受を使用したモータにおいては、円
筒状外周面を有する軸部材と、この円筒状外周面に対向
する円筒状内周面を有し軸部材に対し相対的に回転自在
であるスリーブ部材と、前記円筒状外周面と前記円筒状
内周面との一方もしくは両方に形成され軸方向に間隔を
介して配置されたヘリングボーン状溝からなる一対のラ
ジアル動圧発生溝と、前記円筒状外周面と前記円筒状内
周面との間に介在された潤滑流体とを備え、軸部材とス
リーブ部材のうち固定側に、前記動圧発生溝の中央部と
両端部とのそれぞれの中間部を動圧の低い領域に連通す
る連通路を設け、この連通路に、高温時に開口面積が小
になり低温時に開口面積が大になる開口を有する制御弁
を配置したことを特徴とするものである。
【0007】この場合、前記動圧の低い領域を、前記円
筒状外周面と前記円筒状内周面との間における、前記一
対の動圧発生溝間とするのが望ましく、また、前記制御
弁を、断面扇状の開口を有し前記固定側の材質より熱膨
張係数の大なる材質により形成された円柱体より構成す
るのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
面を参照しつつ詳述する。図1は、例えば磁気ディスク
を回転駆動する軸固定型のスピンドルモータを示す断面
図である。この例では、記録媒体駆動装置の基盤もしく
はこれに固定されるモータブラケット2の円形嵌合孔4
に、上下方向の軸心線を有する固定の軸部材6の下端部
が嵌合固定されている。軸部材6は、上部にスラスト板
8が、上端にカバープレート10がそれぞれ外嵌固定さ
れ、スラスト板8より下側の外周面に円筒状外周面12
が形成されている。
【0009】軸部材6には、回転スリーブ体14が回転
自在に外嵌されている。回転スリーブ体14の下部の小
径のスリーブ部16は内周面に円筒状内周面18を有
し、軸部材6におけるスラスト板8の下側の部分に外嵌
され、その円筒状内周面18が軸部材6の円筒状外周面
12に対向している。回転スリーブ体14の上部の拡径
部20は、上端部に内嵌固定されたスラストカバー22
と共にスラスト板8の上下及び外周部を囲んでいる。
【0010】回転スリーブ体14の外周部には略円筒状
のハブ24が外嵌固定され、ハブ24の下部内周側にロ
ータマグネット26が内嵌固定されている。ステータコ
アにステータコイルが巻回されてなるステータ28が、
ブラケット2に円形嵌合孔4と同軸に突設された支持筒
30に外嵌固定され、ロータマグネット26と径方向に
相対して回転駆動部を構成している。
【0011】スラストカバー22の内周下部には、内上
方に傾斜するテーパ部32が形成され、軸部材6の外周
部のうちスリーブ部16の下端部に相対する部分には、
内下方に傾斜するテーパ部34が形成されている。軸部
材6と回転スリーブ体14との間隙に、潤滑流体(液
体)の一例としての潤滑オイル36が充填されている。
その一端すなわちスラスト板8の上側の間隙における潤
滑オイル36の内周端部は、スラストカバー22のテー
パ部32の基部とスラスト板8の上面の間に臨んで外気
に通じ、他端は軸部材6のテーパ部34の基部とスリー
ブ部16の内周面の間に臨んで外気に通じた状態で毛細
管現象によってその潤滑オイル36が保持されている。
【0012】スラスト板8の上下面、並びにスリーブ部
16の内周面(円筒状内周面18)には、それぞれヘリ
ングボーン状溝からなるスラスト動圧発生溝38、40
並びにラジアル動圧発生溝42、44(破線で示す)が
設けられ、回転スリーブ体14及びスラストカバー22
の順方向回転により、それぞれの位置の潤滑オイル36
に、スラスト荷重支持圧並びにラジアル荷重支持圧が発
生する。これにより、スラスト板8の上下にスラスト動
圧軸受手段が構成され、スリーブ部16の外周部にラジ
アル動圧軸受手段が構成される。なお、これらの溝は、
それぞれ相対する部材の側に設けることもできる。
【0013】軸部材6には、ラジアル動圧軸受手段にお
ける両動圧発生溝42、44のそれぞれの対応位置を動
圧の低い領域つまり一対の動圧発生溝42、44間に連
通する連通路46が設けられている。すなわち、図2に
示すように、まず、軸部材6の軸心位置に、その下端面
からスラスト板8よりやや下側の位置にかけて軸方向の
縦穴48が形成され、次に、上側のラジアル動圧発生溝
42に対応する円筒状外周面12において、動圧発生溝
42の中央部(山部)と両端部とのそれぞれの間におけ
る中途から前記縦穴48にかけてそれぞれ縦穴48に対
し軸方向に直交する高圧側横穴50、51が形成される
と共に、下側のラジアル動圧発生溝44に対応する円筒
状外周面12において、動圧発生溝44の中央部と両端
部とのそれぞれの間における中途から前記縦穴48にか
けてそれぞれ縦穴48に対し軸方向に直交する高圧側横
穴52、53が形成される。
【0014】さらに、両ラジアル動圧発生溝42、44
間の中間に対応する円筒状外周面12から縦穴48にか
けて縦穴48に対し軸方向に直交する低圧側横穴54が
形成され、最下段の横穴53より下側の縦穴48を封止
部材56により閉塞することにより、円筒状外周面12
と円筒状内周面18との間の間隙における、両ラジアル
動圧発生溝42、44による動圧発生部分と両ラジアル
動圧発生溝42、44間とを軸部材6内部でバイパスす
る連通路46が形成される。なお、図2では、軸部材6
の各横穴50〜54の位置関係の理解のために便宜上ス
リーブ部16の動圧発生溝42、44が示されている。
【0015】連通路46の低圧側横穴54には、高温時
に開口面積が小になり低温時に開口面積が大になる開口
を有する制御弁58が配置されている。具体的には、制
御弁58は、図3に示すように、断面扇状の開口60を
有し、軸部材6より熱膨張係数の大なる材質により形成
された円柱体62よりなっている。この制御弁58を低
圧側横穴54に取り付けるには、円柱体62をその開口
60の両側面が内方に寄るように縮ませて低圧側横穴5
4に挿入することにより行われる。
【0016】このような構成において、スピンドルモー
タが回転すると、両ラジアル動圧発生溝42、44を有
するそれぞれのラジアル動圧軸受手段では、それらに存
在する潤滑オイル36の圧力が高められ、かかるオイル
層を介して回転スリーブ体14に作用するラジアル荷重
を支持する。また、両スラスト動圧発生溝38、40を
有するそれぞれのスラスト動圧軸受手段では、それらに
存在する潤滑オイル36の圧力が高められ、このオイル
層を介して回転スリーブ体14に作用するスラスト荷重
を支持する。
【0017】この動作時、軸部材6の円筒状外周面12
とスリーブ部16の円筒状内周面18との間に充填され
た潤滑オイル36は、その一部が連通路46をバイパス
し、循環される。すなわち、両ラジアル軸受手段では、
ヘリングボーン溝である動圧発生溝42、44でのそれ
ぞれの中央部が最も圧力大となり溝の両端部に向かうに
従って圧力が徐々に小さくなる圧力勾配を呈するが、動
圧発生溝42、44の溝領域全体が圧力発生部であり、
この部分は高圧域である。他方、両ラジアル軸受手段間
では、この部分の潤滑オイル36が両ラジアル軸受手段
側に吸引されるため圧力小になり、低圧域となる。連通
路46の高圧側横穴50、51、52、53はそれぞれ
両ラジアル軸受手段の圧力発生部分に開口され、低圧側
横穴54は両ラジアル軸受手段間の低圧域に開口されて
いるため、上記した圧力差により前記圧力発生域それぞ
れの潤滑オイル36が連通路46内の各高圧側横穴5
0、51、52、53及び縦穴48を経て低圧側横穴5
4から前記低圧域に流れ、潤滑オイル36が循環され
る。
【0018】潤滑オイル36は、低温時には粘性大、高
温時には粘性小となり、何らの対策も施さなければ、動
圧軸受部の発生動圧が低温時に高く、高温時に低くな
る。上記制御弁58の円柱体62は、軸部材6より熱膨
張係数の大なる材質により形成されているので、低温時
に図4の実線の状態であった円柱体62が、高温時には
同図1点鎖線に示すようにその開口60の両側面が開口
内方に寄り、開口断面積が小さくなる。
【0019】従って、高温時には潤滑オイル36の粘性
が小さくなって発生動圧が低くなるが、連通路46の制
御弁58における開口60の開口面積が小さくなって潤
滑オイル36の循環量が大幅に制限されるため、ラジア
ル動圧軸受手段における発生動圧の圧力抜けを抑制し、
動圧発生溝42、44全域で動圧を発生してラジアル荷
重を支持する。
【0020】他方、低温時には、制御弁58における開
口60の開口面積が図2の実線のように大きくなり、潤
滑オイル36の前記した循環により、動圧発生溝42、
44の両端部から溝中途近くまでの部分で加圧された潤
滑オイル36が連通路46を通して低圧側に逃げる。従
って、ラジアル荷重を支持する動圧発生部は、動圧発生
溝42、44のそれぞれの中央部分つまり動圧発生溝4
2においては高圧側横穴50、51間、動圧発生溝44
においては高圧側横穴52、53間となり、ラジアル荷
重を支持する動圧溝幅が小さくなる。この結果、低温時
には潤滑オイル36の粘性が大きくなって発生動圧が高
くなるが、動圧溝幅が小さくなることにより高温時とほ
ぼ等しいラジアル荷重支持圧が得られることになる。
【0021】このように、温度に応じて制御弁58にお
ける開口60の開口面積を変化させて動圧溝幅つまりベ
アリング幅を変化させることにより、温度に応じて潤滑
オイル36の粘性が変化し発生動圧が変化してもラジア
ル動圧軸受手段における発生動圧の一定化を図ることが
でき、使用温度範囲内において軸受剛性をほぼ同レベル
に保持することが可能になる。この結果、軸受剛性の温
度依存性を減少することができるので、上限温度で必要
な軸受剛性を確保した場合でも全使用温度範囲で軸損を
ほぼ同レベルに保持することができ、従来に比べ低温領
域での軸損低減を実現でき、定格電流の低減に寄与する
ことができる。
【0022】なお、前記図3及び図4における円柱体6
2の材質(熱膨張係数)や長さ、開口60の開角等は、
全使用温度範囲において軸受剛性をほぼ同レベルに保持
することができるよう、スピンドルモータにおけるラジ
アル軸受手段の発生動圧や潤滑オイル36の特性(粘
性)等に応じて適宜選定されるものである。
【0023】以上、本発明に従う動圧軸受を使用したモ
ータの実施の形態について詳述したが、本発明はこれら
実施例に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しな
い範囲で種々の変更乃至修正が可能である。
【0024】例えば、上述した実施の形態においては、
軸固定型のスピンドルモータに適用した場合について説
明したが、軸回転型のモータにおいても本発明を同様に
実施することができる。この場合、回転する軸部材が挿
入される固定のスリーブ部材に動圧発生領域と動圧の低
い領域とを連通する連通路を設け、この連通路に制御弁
を配置するようにすればよい。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次に記載する効果を奏する。軸部材とスリ
ーブ部材のうち固定側に、ヘリングボーン溝からなる動
圧発生溝の中央部と両端部とのそれぞれの中間部と動圧
の低い領域とを連通する連通路を設け、この連通路に、
高温時に開口面積が小になり低温時に開口面積が大にな
る開口を有する制御弁を配置したので、高温時には潤滑
流体の循環を抑制して動圧発生溝全域でのベアリング幅
を確保し、粘性小の潤滑流体によっても所定の動圧を発
生させることができると共に、低温時には潤滑流体の循
環によって軸受荷重を支持するためのベアリング幅を実
質上小さくし、粘性大の潤滑流体による高い発生動圧を
高温時とほぼ等しい所定の動圧に押さえることができ
る。従って、使用温度範囲内における発生動圧の一定化
を図り、軸受剛性をほぼ同レベルに保持でき、軸受剛性
の温度依存性を減少することができる。この結果、上限
温度で必要な軸受剛性を確保した場合でも全使用温度範
囲で軸損をほぼ同レベルに保持することができ、従来に
比べ低温領域での軸損低減を実現でき、定格電流の低減
に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動圧軸受を使用したモータをスピンド
ルモータに適用した場合の実施の形態を示す切断正面図
である。
【図2】図1の軸部材の斜視図である。
【図3】図1の制御弁の斜視図である。
【図4】図3の制御弁の正面図である。
【符号の説明】
6 軸部材 12 円筒状外周面 14 回転スリーブ体 16 スリーブ部 18 円筒状内周面 36 潤滑オイル 42、44 ラジアル動圧発生溝 46 連通路 58 制御弁 60 開口 62 円柱体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状外周面を有する軸部材と、該円筒
    状外周面に対向する円筒状内周面を有し前記軸部材に対
    し相対的に回転自在であるスリーブ部材と、前記円筒状
    外周面と前記円筒状内周面との一方もしくは両方に形成
    され軸方向に間隔を介して配置されたヘリングボーン状
    溝からなる一対のラジアル動圧発生溝と、前記円筒状外
    周面と前記円筒状内周面との間に介在された潤滑流体と
    を備えたモータであって、 前記軸部材と前記スリーブ部材のうち固定側には、前記
    動圧発生溝の中央部と両端部とのそれぞれの中間部を動
    圧の低い領域に連通する連通路が設けられており、該連
    通路に、高温時には開口面積が小になり低温時には開口
    面積が大になる開口を有する制御弁を配置した、ことを
    特徴とする動圧軸受を使用したモータ。
  2. 【請求項2】 前記動圧の低い領域は、前記円筒状外周
    面と前記円筒状内周面との間における、前記一対の動圧
    発生溝間である請求項1記載の動圧軸受を使用したモー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記制御弁は、断面扇状の開口を有し前
    記固定側の材質より熱膨張係数の大なる材質により形成
    された円柱体よりなる、請求項1または2記載の動圧軸
    受を使用したモータ。
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