JPH09309762A - 真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物 - Google Patents
真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物Info
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- JPH09309762A JPH09309762A JP8153327A JP15332796A JPH09309762A JP H09309762 A JPH09309762 A JP H09309762A JP 8153327 A JP8153327 A JP 8153327A JP 15332796 A JP15332796 A JP 15332796A JP H09309762 A JPH09309762 A JP H09309762A
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Abstract
ング性を損なうことなく酸化損傷を抑制する作用効果が
生じ、しかも耐摩耗性に優れ、かつ同時に耐スラグ浸食
性に優れ、更には溶鋼へのカーボンピックアップを極力
防止することのできる、特に真空脱ガス精錬炉用材質と
して適用する低カーボン質MgO−C耐火物を提供する
こと。 【解決手段】 マグネシア原料及び1〜5重量%未満のカ
ーボン原料からなる耐火性原料100重量%に対して、金
属などの易酸化性添加物の含有量が外割で1.5重量%以
下であり、かつ硼化物の含有量が外割で0.5重量%以下
である真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火
物。
Description
O−C耐火物に関し、特に真空脱ガス精錬炉用低カーボ
ン質MgO−C耐火物に関する。
げている。それに伴って真空脱ガス精錬炉であるRHの
役割も多様化し、かつ使用条件も過酷化しつつある。
に、高温での耐食性に優れているマグネシア・クロム質
煉瓦が多用されている。しかしながら、この種のマグネ
シア・クロム質煉瓦では、低融点スラグの浸潤による構
造スポーリングが発生し、脱落損傷あるいは剥離損傷が
大きな問題として残されている。この脱落,剥離損傷に
ついては、間歇操業が著しいRHにおいて特に重大な問
題となっている。なお、RHとは、溶鋼の真空脱ガス処
理装置であって、溶鋼に対する真空脱炭,脱酸を含め広
範囲な処理に適し、特に、溶鋼を未脱酸の状態で大量に
真空処理するのに適している装置である。
マグネシア・クロム質煉瓦の特性が十分に発揮されるこ
とが難しく、材質改善による耐用向上にも一定の限界を
生じているのが現状である。
剥離損傷を防止する目的で、MgO−C煉瓦の適用が検
討され、当初一部で好成績が得られたことが報告されて
いる[“耐火物”37,[7],p383-388,(1985)参照]。
いては、該煉瓦に使用されている黒鉛粒子の先行消失が
激しく、特に気相酸化が煉瓦の耐用を低下させていた。
その後、この気相酸化を抑制する手段として、Alなど
の金属粉末を酸化防止剤として添加する方法[“耐火
物”38,[9],p603-607,(1986),“耐火物”39,[2],p99-1
00,(1987)参照]や、不純物含有量の少ない高純度黒鉛
を使用する方法[“耐火物”39,[5],p273-281,(1987)参
照]が開発され、現在に至っている。
当初の真空脱ガス機能に加えて、石灰等の吹き込みによ
る清浄化,酸素の吹き込みによる脱炭,Alなどの投入
による脱酸素や温度低下抑制、及び、酸素上吹きによる
処理能力の向上などが実施されるようになってきてい
る。これら使用条件の変化の中でも、特に酸素の吹き込
みや上吹きによる使用条件下では、MgO−C煉瓦に与
える影響が大きく、黒鉛の先行消失による酸化損耗が再
度問題としてクローズアップされてきている。
の低炭素化に対する要求もますます厳しくなり、RHな
どの二次精錬炉に使用される耐火物としては、カーボン
含有量が少なく、かつ同時に耐用性に優れる(即ち溶鋼
中へのカーボン溶出の少ない)材質がより一層要求され
るようになっている。
607,(1986),同39,[2],p99-100,(1987)]にも開示され
ているように、酸化損傷を抑制する目的で金属粉末など
の酸化防止剤の添加が検討され、実使用においても一定
の効果が認められたことから、現在一般的にこの手法が
適用されている。しかし、この種の酸化防止剤の使用
は、煉瓦の高弾性率化を招き、耐熱スポーリング性を低
下させるという欠点を有し[“耐火物” 44,[2],p75-8
2,(1992)参照]、また、酸化抑制効果の大きい酸化防止
添加剤ほど耐熱スポーリング性を低下させるという問題
が生じる。
C煉瓦は、耐スポーリング性を維持するために相対的に
カーボン量を多くする必要が生じ、酸化損傷抑制及び溶
鋼へのカーボンピックアップ抑制に対して、逆の方策を
施す結果となっている[前掲の“耐火物”38,[9],p603-
607,(1986)参照]。
を損なうことなく、より一層耐用性の向上を図るため、
膨張黒鉛を利用することにより黒鉛の含有量を減少させ
た低カーボン質のMgO−C系耐火物が提案されている
[“耐火物”44,[11],p640,(1992)及び特開平5-24911号
公報参照]。しかしながら、膨張黒鉛を多用すると、組
織の充填性が低下するため、耐酸化性,耐摩耗性,耐食
性などが低下するので好ましくなく、広く行われる技術
とはなっていない。
ガス装置用浸漬管において、その外周部のスラグライン
にMgO−C煉瓦を適用する方法が開示されているが、
実施例としてはカーボン含有量の多い材質の適用しか示
されていない。その上、該公報には、前述した問題を解
決する手法については何ら開示されておらず、RH用の
MgO−C耐火物として最適なものとは言えない。
MgO−C煉瓦は、カーボン量が10〜15wt%程度の範囲
にあり、耐用の不安定性あるいは溶鋼へのカーボンピッ
クアップの懸念などから、RH用耐火物として全面的に
使用されるには至っていない。
ーボン化する技術として、金属の添加量を低減させ、か
つマグネシアを粗粒化した「カーボン量:8wt%あるい
は6wt%の転炉出鋼口スリーブ用MgO−C煉瓦」が提
案されている[品川技報,Vol.38,p23〜32,(1995)参
照]。この転炉出鋼口スリーブ用の低カーボン質MgO
−C煉瓦は、転炉出鋼口スリーブに使用した際に高耐用
を示し、有効であることが示されている。しかし、該転
炉出鋼口スリーブ用の低カーボン質MgO−C煉瓦は、
最も少ないものでも「6wt%のカーボン」を含有してお
り、溶鋼へのカーボンピックアップ防止の観点から極力
カーボンの少ないことが望まれる真空脱ガス炉用の耐火
物としては、最適な材料ではない。
つ低カーボン化する技術として、マグネシアを粗粒化
し、高軟化点ピッチを添加し、かつ黒鉛を細粒化した
「カーボン量:7wt%の取鍋スラグライン用低黒鉛質M
gO−C煉瓦」も提案されている[“材料とプロセス”
CAMP-ISIJ,Vol.4,P1225(1991)参照]。この取鍋スラグ
ライン用低黒鉛質MgO−C煉瓦は、取鍋スラグライン
部に使用した際に高耐用を示し、有効であることが示さ
れている。しかしながら、該取鍋スラグライン用の低黒
鉛質MgO−C煉瓦は、低黒鉛質といっても「7wt%の
黒鉛」を含有しており、溶鋼へのカーボンピックアップ
防止の観点から極力カーボンの少ないことが望まれる真
空脱ガス炉用の耐火物としては、最適な材料ではない。
例えば特開昭56-26766号公報,特開平7-17758号公報な
どに記載されているように、炭素あるいは黒鉛原料の構
成範囲(配合量)を5wt%以上としているものが知られて
いる。しかし、これらは、カーボンを少なくとも5wt%
以上含有することから、溶鋼へのカーボンピックアップ
防止の観点から極力カーボンの少ないことが望まれる真
空脱ガス炉用の耐火物としては、最適な材料とは言えな
い。
は、例えば特開平4-228469号公報,特開平5-330904号公
報,特開平6-293557号公報などに記載されているよう
に、炭素あるいは黒鉛原料の構成範囲(配合量)を3wt%
以上としているものや、例えば特開平7-118057号公報,
特開平7-126060号公報などに記載されているように、2w
t%以上としているものが知られている。しかし、これ
らについても、次の理由で、本発明の意図する技術を提
供できるものとは言えない。
されている技術においては、黒鉛の構成範囲(配合量)を
3〜10wt%としているものの、実施例としては「黒鉛
量:6wt%」のみが示されており、炭素原料の含有量の
特に少ない領域(5wt%未満)に関する具体例が示されて
いない。また、金属添加物についても常法により使用可
能としていることなどから、低カーボンのMgO−Cに
おいて特に重要となる耐スポーリング性に関する技術開
示が十分に成されているとは言えず、本発明が意図する
「特に炭素含有量の少ない真空脱ガス炉用のMg0−C
耐火物」として好適な材料を提供できる技術を示唆して
いるとは言えない。
いる技術においては、黒鉛の構成範囲(配合量)を3〜40w
t%としているものの、実施例としては「黒鉛量:13wt
%」のみが示されており、炭素原料の含有量の特に少な
い領域(5wt%未満)に関する具体例が示されていない。
また、金属添加物についても常法により使用可能として
いることなどから、低カーボンのMgO−Cにおいて特
に重要となる耐スポーリング性に関する技術開示が十分
に成されているとは言えず、本発明が意図する「特に炭
素含有量の少ない真空脱ガス炉用のMgO−C耐火物」
として好適な材料を提供できる技術を示唆しているとは
言えない。
いる技術においては、カーボン量の好ましい構成範囲
(配合量)を3〜40wt%としているものの、実施例として
は「黒鉛量:5wt%,15wt%,20wt%」の例が示されて
おり、炭素原料の含有量の特に少ない領域(5wt%未満)
に関する具体例は示されていない。また、低カーボンの
MgO−Cにおいて特に重要となる耐スポーリング性に
関する言及および技術開示も無く、本発明が意図する
「特に炭素含有量の少ない真空脱ガス炉用のMgO−C
耐火物」として好適な材料を提供できる技術を示唆して
いるとは言えない。
いる技術においては、カーボン量の好ましい構成範囲
(配合量)を2〜40wt%としているものの、実施例として
は「黒鉛量:5wt%,15wt%,20wt%,35wt%」の例が示
されており、炭素原料の含有量の特に少ない領域(5wt%
未満)に関する具体例は示されていない。また、低カー
ボンのMg0−Cにおいて特に両立が困難となる耐スポ
ーリング性と耐食性の関係については言及および技術開
示がなされておらず、本発明が意図する「特に炭素含有
量の少ない真空脱ガス炉用のMgO−C耐火物」として
好適な材料を提供できる技術を示唆しているとは言えな
い。
いる技術においては、カーボン量の好ましい構成範囲
(配合量)を2〜40wt%としているものの、実施例として
は「黒鉛量:5wt%,15wt%,20wt%,35wt%」の例が
示されており、炭素原料の含有量の特に少ない領域(5wt
%未満)に関する具体例は示されていない。また、低カ
ーボンのMgO−Cにおいて特に両立が困難となる耐ス
ポーリング性と耐食性の関係については言及および技術
開示がなされておらず、本発明が意図する「特に炭素含
有量の少ない真空脱ガス炉用のMgO−C耐火物」とし
て好適な材料を提供できる技術を示唆しているとは言え
ない。
O−C煉瓦の低カーボン化が若干図られつつあり、一定
の効果も得られているが、極力カーボン量の少ないこと
が望ましく、かつ耐酸化性,耐スポーリング性,耐摩耗
性及び耐食性に優れていることが望ましい真空脱ガス精
錬炉用MgO−C耐火物として最適の材質は未だ得られ
ておらず、問題が解決されていない現状にある。
必然的に酸化損耗される特性を有しており、従って、カ
ーボンを多く含むMgO−C煉瓦は、本質的に酸化損耗
に対する抵抗性に劣っている。前記したように、このカ
ーボンの酸化防止を目的として金属などの易酸化性添加
物が使用されているが、高温下での強い酸化雰囲気にお
いては、効果に自ずと限界がある。
溶鋼流や吹き込みガスによる摩耗を強く受けることから
耐摩耗性も要求されるが、カーボンを多く含有するMg
O−C煉瓦は、この点においても不利である。さらに、
極低炭素鋼など炭素含有量の極めて低い鋼種を精錬する
際に、MgO−C煉瓦から溶鋼流へのカーボンの溶出
(カーボンピックアップ)による溶鋼の汚染が問題とな
り、極力カーボン含有量の少ない耐火物が要求されてい
る。更にまた、RHの下部槽においては、浮遊スラグに
よるアタックを高温下で受けることから耐食性も要求さ
れる。
決する手段として、耐酸化性,耐スポーリング性及び耐
摩耗性に同時に優れている低カーボンのMgO−C煉瓦
の開発を意図し、酸化防止剤の添加量を少なくするか、
又は添加しなくても酸化損傷抑制及び耐摩耗性向上を達
成でき、同時に耐食性に優れ、かつカーボンピックアッ
プを防止できる真空脱ガス炉用低カーボン質MgO−C
耐火物について鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成し
た。
るところは、MgO−C耐火物の有する優れた耐スポー
リング性を損なうことなく酸化損傷を抑制する作用効果
が生じ、しかも耐摩耗性に優れ、かつ同時に耐スラグ浸
食性に優れ、更には溶鋼へのカーボンピックアップを極
力防止することのできる、特に真空脱ガス精錬炉用材質
として適用する低カーボン質MgO−C耐火物を提供す
ることにある。
目的を達成する手段として、 ・カーボン含有量が少なく(1〜5wt%未満)、金属などの
易酸化性添加物及び硼化物を含有しないかあるいは該含
有量が少ない低カーボン質MgO−C耐火物、 ・又は、さらにピッチ及び/又はピッチを含むバインダ
ー(0.1〜5wt%:外割)を添加してなる低カーボン質Mg
O−C耐火物、 からなる真空脱ガス精錬炉用耐火物であり、特に耐酸化
性,耐スポーリング性,耐摩耗性,耐食性に同時に優
れ、カーボンピックアップを極力防止することのでき
る、高耐用で清浄性に優れた真空脱ガス精錬炉用の耐火
物を提供するものである。
〜5重量%未満のカーボン原料からなる耐火性原料100重
量%に対して、金属などの易酸化性添加物の含有量が外
割で1.5重量%以下であり、かつ硼化物の含有量が外割
で0.5重量%以下であることを特徴とする真空脱ガス精
錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物。」(請求項1)を
要旨とする。
〜5重量%未満のカーボン原料からなる耐火性原料100重
量%に対して、外割でピッチ及び/又はピッチを含むバ
インダー:0.1〜5重量%を含み、金属などの易酸化性添
加物の含有量が外割で 1.5重量%以下であり、かつ硼化
物の含有量が外割で0.5重量%以下であることを特徴と
する真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火
物。」(請求項2)を要旨とする。
は、 ・前記ピッチ及び/又はピッチを含むバインダーにおい
て、該ピッチの軟化温度が250℃以下であること(請求項
3)、 ・前記マグネシア原料として、1mmよりも大きい粒度
の含有量が20〜70重量%で、かつ5mmよりも大きい粒
度の含有量が30重量%以下である原料を使用すること
(請求項4)、 を特徴とする。
本発明の背景技術を参酌して説明すると、MgO−C煉
瓦の酸化抑制を目的として金属粉末などの酸化防止剤を
使用する場合、耐熱スポーリング性の低下をカバーする
ために逆にカーボン含有量を多くする必要があるという
矛盾を発生させ、問題の根本的な解決策とはなっていな
い。
対する考え方について発想の転換を図り、酸化防止剤の
含有量が少なく、ないしは、使用することなく、酸化防
止及び耐摩耗性向上を達成できる方法について検討を行
った。検討項目としては、(1)カーボンボンドを強化す
る方法、(2)カーボン含有量を低減する方法の2項目で
ある。
及び検討項目“(2) 低カーボン化による耐用性改善”の
考え方を次の(a)〜(c)の3点にまとめて示す。 (a) カーボンボンドを強化することにより、ボンド部の
優先的な酸化消失が抑制され、稼働面での組織脆化が低
減される。それによって酸化反応の面積も減少し、酸化
速度が抑制される。 (b) 低カーボン化することによって酸化後の組織が緻密
化する。その結果、稼働面にMgOに富む反応層(保護層)
が形成され、気相酸化,液相酸化が抑制される。 (c) 上記(a)及び(b)の2点の相乗効果によって稼働面組
織が強固となり、溶鋼流による摩耗が抑制される。
速度低減によって耐用性を改善するものではなく、酸化
反応面積の縮小及び酸化後の組織の改善によって煉瓦の
損傷を低減しようとするものである。
げ、MgO−C煉瓦の耐スポーリング性を確保しつつ酸
化損傷を抑制し、かつ耐摩耗性を向上させるための
「(1) 該煉瓦におけるカーボンボンドの強化」及び
「(2) 黒鉛含有量の削減」について詳細に説明する。
ド強化について検討するため、 “ピッチ無添加”のもの、 “軟化温度280℃のピッチ粉末”を添加したもの(添
加量:1wt%)、 “軟化温度150℃のピッチ粉末”を添加したもの(添
加量:1wt%)、 “軟化温度150℃のピッチ粉末”と“軟化温度220℃
のピッチ粉末”とを併用したもの(各添加量:1wt%,0.
5wt%)、 の各実験を行った。
お、図1は、MgO−C煉瓦の熱間強度に対するピッチ
粉末添加の影響を示すグラフであって、図中、○印は上
記(ピッチ無添加)の場合を、△印は上記(軟化温
度:280℃のピッチ粉末添加)の場合を、▲印は上記
(軟化温度:150℃のピッチ粉末添加)の場合を、●印は
上記(軟化温度:150℃と220℃の2種類のピッチ粉末
添加)の場合を示す。また、図2は、MgO−C煉瓦の
熱間での耐摩耗性に対するピッチ粉末添加の影響(1400
℃におけるサンドブラスト法による)を示すグラフであ
る。
のピッチ粉末1種の添加(の場合),あるいは2種の併
用添加(複合添加:の場合)により、煉瓦熱間強度が増
大し、かつ熱間での耐摩耗性が向上している。これは、
添加したピッチ粉末が溶融し、炭化する過程で煉瓦組織
中の微細な間隙に侵入してカーボンボンドを形成するた
めと考えられる。
以上の場合(の場合)には、強度の増大が少なく、高温
域では逆に強度低下の傾向が認められ(図1中の△印参
照)、熱間での耐摩耗性も低下しており(図2の参
照)、カーボンボンド強化を目的とした添加使用には適
していないことが明らかである。
る間隙充填の様子を単純系にて確認した顕微鏡写真であ
って、(A)は鱗状黒鉛と樹脂粉末(ヘキサミン10wt%含
有ノボラック型フェノール樹脂)とを乾式混合して成形
した後、また、(B)は鱗状黒鉛と粉末ピッチ(軟化温
度:150℃のコールタールピッチ)とを乾式混合して成形
した後、いずれも800℃に加熱した後の状況を示してい
る。
ピッチ系」では、黒鉛粒子間の非常に微細な間隙にピッ
チが侵入し、充填して炭化しているが、図3(A)に示す
「黒鉛+樹脂系」では、間隙への充填は認められない。
“加熱後MgO−C煉瓦組織中における様子を比較した
顕微鏡写真”であって、(A)は軟化温度140℃のピッチ
粉末を、(B)は軟化温度320℃のピッチ粉末を各々添加
したMgO−C煉瓦を800℃に加熱した後の状況を示し
ている。
の比較的低いピッチは、溶融軟化後に周辺組織中に拡散
することによって、元来存在していた箇所が完全に空洞
となっている状況が認められる。これに対して、図4
(B)中の矢印で示すように、軟化温度の高いピッチは、
溶融軟化後の拡散力に乏しいため、元来存在していた箇
所に残存し、周辺組織に付着するのみに留まっている。
侵入,充填は、ピッチに特有な挙動であり、しかも、軟
化温度が比較的低いピッチに特有の現象であることが理
解できる。即ち、比較的軟化温度の低いピッチを添加し
た場合、微細な間隙が耐酸化性に優れているピッチで充
填されることにより[前掲の図3(B)参照]、黒鉛粒子
間のカーボンボンド部分の耐酸化性も向上すると判断さ
れる。
−C煉瓦に比較的軟化温度の低いピッチあるいはピッチ
を含有するバインダーを添加することによって、カーボ
ンボンドの強化を図ることができると理解できた。
ボン量を低減させた場合、耐熱スポーリング性の低下が
問題となる。この耐熱スポーリング性は、真空脱ガス炉
用耐火物に要求される基本特性であるため、本実験2で
は、その維持手法について検討した。
度と耐熱スポーリング性との関係を試験した結果を示
す。この試験方法では、溶銑浸漬法を用い、煉瓦サンプ
ルを1650℃の溶銑に浸漬した後水冷を行って煉瓦に熱衝
撃を与え、発生した内部亀裂を切断面上で数値化し、そ
の材質の耐熱スポーリング性を評価した[前掲の“耐火
物”44,[2],p75-82,(1992)参照]。
くなるほど発生亀裂は少なくなっており、耐熱スポーリ
ング性が向上していることが認められる。この結果か
ら、低カーボン化に際しては、MgOの粗粒度構成を採
用することが好ましいことが理解できる。
における金属Alの添加量と耐熱スポーリング性との関
係について試験した。その試験結果を図6に示す。図6
から明らかなように、金属Al添加量の増加と共に該煉
瓦の耐熱スポーリング性が低下する傾向が認められ、カ
ーボンの特に少ない領域ではより一層顕著となる。この
結果から、低カーボン化に際しては、金属Al量を低減
させる必要があることが理解できる。
における硼化物(B4C)の添加量と耐熱スポーリング性
との関係について試験した。その結果を図7に示す。図
7から明らかなように、硼化物添加量の増加と共に煉瓦
の耐熱スポーリング性が低下する傾向が認められ、カー
ボンの特に少ない領域ではより一層顕著となる。この結
果から、低カーボン化に際しては、硼化物を低減させる
必要があることが理解できる。
されたものであって、カーボンボンドを強化し、かつ耐
熱スポーリング性の低下を抑制した真空脱ガス炉用低カ
ーボン質MgO−C耐火物を開発したものであり、前記
したとおり、(1) マグネシア原料と1〜5wt%未満のカー
ボン原料からなる耐火性原料100wt%に対して、金属な
どの易酸化性添加物の含有量が外割で1.5wt%以下であ
り、かつ硼化物の含有量が外割で0.5wt%以下であるこ
と、(2) マグネシア原料と1〜5wt%未満のカーボン原料
からなる耐火性原料100wt%に対して、外割でピッチ及
び/又はピッチを含むバインダー:0.1〜5wt%を含み、
金属などの易酸化性添加物の含有量が外割で1.5wt%以
下であり、かつ硼化物の含有量が外割で0.5wt%以下で
あること、(3) 上記(1),(2)において、前記ピッチある
いはピッチを含むバインダー中に含まれるピッチの軟化
温度が250℃以下であること、(4) 上記(1),(2),(3)に
おいて、前記マグネシア原料として、1mmよりも大き
い粒度の含有量が20〜70wt%で、かつ5mmよりも大き
い粒度の含有量が30wt%以下である原料を使用するこ
と、を特徴とする。
と、本発明に係る低カーボン質MgO−C耐火物におい
て、カーボン原料は1〜5wt%未満が好ましい。カーボン
原料が5wt%以上では、酸化損傷が著しくなり、更にカ
ーボンピックアップによる溶鋼汚染が問題となる。逆に
カーボン原料が1wt%未満となると、耐熱スポーリング
性が低下し、また、スラグの浸潤が防止できなくなるの
で好ましくない。
クアップのより一層の防止及び耐熱スポーリング性をよ
り一層確保する観点から、カーボン原料は1.5〜4wt%で
あることが更に好ましい。該カーボン原料については、
本発明で特に限定するものではないが、高濃度に煉瓦組
織中に炭素を供給できる原料が好ましく、具体的には、
天然鱗状黒鉛,土状黒鉛,人造黒鉛,処理黒鉛,コーク
ス,電極屑,炭素繊維,熱分解炭素などの炭素質原料、
及び、固定炭素を75wt%以上含有し軟化温度が300℃以
上であるような固形ピッチなどの高残炭質原料を使用す
ることができる。
しては、1mmより大きい粒度の含有量が20〜70wt%
で、かつ5mmよりも大きい粒度の含有量が30wt%以下
である原料を使用するのが好ましい。1mmより大きい
粒度の含有量が20wt%未満では、亀裂の発生が多くなり
(前記実験2及び前掲の図5参照)、逆に70wt%を超える
と、適度な充填性が得られず、耐食性が低下するので好
ましくない。また、5mmよりも大きい粒度の含有量が3
0wt%を超えると、特にカーボン量が少ない領域におい
ては、充填性が低下して緻密な組織が得られず、耐食性
が低下するため好ましくない。
は、本発明で特に限定するものではないが、天然マグネ
サイト,海水マグネシア,甘水マグネシアなどの焼成ク
リンカー及び電融クリンカーなどを使用することができ
る。
C耐火物は、上記マグネシア原料及びカーボン原料の合
計量に対して外割でピッチ及び/又はピッチを含むバイ
ンダー:0.1〜5wt%を添加することを特徴とする。ピッ
チ及び/又はピッチを含むバインダーの添加量が0.1wt
%未満では、本発明で意図するカーボンボンドの強化を
十分に図ることができず、逆に5wt%を超えると、耐火
物全体の揮発分量が多くなり、製造時に亀裂が発生する
ので好ましくない。また、使用時における揮発分による
亀裂発生を考慮すると、3wt%以下がより好ましい。該
ピッチについては、本発明で特に限定するものではない
が、例えばコールタールピッチ,石油ピッチ,木炭ピッ
チ,合成ピッチなどを使用することができる。
して使用するピッチとしては、軟化温度の比較的低いも
のが好ましい。軟化温度の境界点は特に厳密に限定する
ものではないが、本発明で意図するカーボンボンドの強
化を十分に得るためには、通常250℃以下の軟化温度を
有するピッチが好ましい。250℃よりも高い場合、ピッ
チが軟化溶融した際の周辺組織への拡散が十分に行われ
ず、カーボンボンド強化の効果が得られない。
れも特に限定するものではないが、通常、軟化温度が80
℃以上のピッチが好適である。80℃よりも低いと、粉末
状で使用する場合、夏期等の高気温時に粉体同士が融着
して使用不可となることがある。また一般に、軟化温度
が高いほど固定炭素が高くなる傾向にある。強固なカー
ボンボンドを形成させるためには、固定炭素は相対的に
高い方が良く、軟化温度が110℃以上であることが更に
好ましい。
物において、必要に応じ金属Alなどの易酸化性添加物
又はB4Cなどの硼化物を加えることができるが、金属
の添加量については、1.5wt%以下(外割)とする必要が
あり、硼化物の添加量については、0.5wt%以下(外割)
とする必要がある。その理由は、金属などの易酸化性添
加物の添加量が1.5wt%を超えると、本発明で対象とす
る低カーボン質MgO−C耐火物の耐熱スポーリング性
が低下するからである(前記実験3及び前掲の図6参
照)。また、硼化物の添加量が0.5wt%を超えると、同じ
く耐熱スポーリング性が低下するからである(前記実験
4及び前掲の図7参照)。
る耐熱スポーリング性の低下は、低カーボン質の材料ほ
ど顕著となるため、より低カーボンの材料に対しては厳
密にその使用量を制限する必要がある。また更に、カー
ボン含有量が5wt%未満と少ないMgO−Cにおいて
は、金属などの易酸化性添加物及び硼化物は、マグネシ
ア骨材同士の結合を増大させる焼結剤としての作用が顕
著となることから、微量添加によって耐摩耗性を大幅に
改善することもできる。従って、より一層耐摩耗性が要
求される部位への適用を考慮すると、金属などの易酸化
性添加物及び硼化物の添加量は0.1wt%以上であること
が更に好ましい。添加量が0.1wt%未満では、上に述べ
たような焼結剤としての効果が十分得られず、耐摩耗性
の向上も十分ではない。
発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に
より限定されるものではない。
較例1において、マグネシア原料としては、海水焼結マ
グネシア(純度:99%,気孔率:2.5%,かさ比重:3.4
3)と電融マグネシア(純度:99%,気孔率:2.0%,かさ
比重:3.52)を混合して使用した。(混合比→上記焼成
クリンカー:電融クリンカー=20:80)
ュ以下でカーボン純度:97%の天然鱗状黒鉛及び2mm
以下でカーボン純度:99%のピッチコークスを使用し
た。
割合で各原料を配合してMgO−C煉瓦を作成した。な
お、表中のマグネシアA〜D及びピッチ粉E,Fは、次
のとおりのものである。 ・マグネシアA:≦1mm→90wt%,1〜5mm→10wt
%,>5mm→ 0wt% ・マグネシアB:≦1mm→70wt%,1〜5mm→30wt
%,>5mm→ 0wt% ・マグネシアC:≦1mm→45wt%,1〜5mm→45wt
%,>5mm→10wt% ・マグネシアD:≦1mm→45wt%,1〜5mm→20wt
%,>5mm→35wt% ・マグネシアE:≦1mm→20wt%,1〜5mm→45wt
%,>5mm→35wt% ・ピッチ粉E:軟化点→135℃,FC→56wt% ・ピッチ粉F:軟化点→220℃,FC→70wt%
ング後の見掛け気孔率(%)」「1000℃焼成後の曲げ強さ
(MPa)」「熱スポーリングテスト後の発生亀裂量」「ス
ラグテスト後の浸食量」を測定し、その結果を表1及び
表2に示す。
裂量」は、サンプルを1650℃の溶銑中に浸漬して熱衝撃
を与えた際に発生する内部亀裂を一定の規則に基づいて
数値化したものであり[前掲の“耐火物”44,[2],p75〜
82,(1992)参照]、この値が大きいほど発生亀裂が多数
であり、かつ大きいことを示す。また、「スラグテスト
後の浸食量」は、回転ドラム浸食法によってスラグテス
トを行った際のサンプル切断面上で測定される損耗量を
面積比率で数値化したものであり、値が大きいほど耐食
性に劣ることを示す。ここで使用したスラグは、C/S
=3.0,Al203=8wt%,T.Fe=20wt%であり、試験温度
を1650℃とした。
煉瓦における「熱スポーリングテスト後の発生亀裂量」
及び「スラグテスト後の浸食量」をプロットした。な
お、試料番号に付記の*印は比較例を示す。また、図8
中の点線枠内は、本発明の特に好ましい範囲を示す。
かなように、低カーボン量(5wt%未満)の各実施例で
は、焼成後の曲げ強さが高いばかりでなく、耐スラグ性
に優れ、しかも熱スポーリングテスト後の発生亀裂量が
小さいものが得られた。これに対して、従来のMgO−
C煉瓦に相当する試料番号18“MgO=94wt%,C=6wt%
→比較例”,試料番号19“MgO=92wt%,C=8wt%→比
較例”,試料番号20“MgO=90wt%,C=10wt%→比較
例”では、亀裂の発生が多いか或いは耐スラグ性に劣る
結果となった。
O=98wt%,C=2wt%→比較例”や試料番号14,15“MgO
=96wt%,C=4wt%→比較例”では、亀裂の発生が多い
か或いは耐スラグ性に劣り、本発明で意図するMgO−
C耐火物が得られなかった。さらに、マグネシアに関し
て最も好ましい粒度範囲外のものを使用した試料番号
6,7,10,11,13では、亀裂の発生が比較的多いかある
いは耐スラグ性に若干劣る結果となった。
記マグネシアBの粒度を有する電融マグネシア=96wt%
よりなり、更に外掛けでピッチ粉E=1wt%,ピッチ粉
F=0.5wt%を添加した煉瓦)を作成し、RH環流管に使
用した。
シアAの粒度を有する電融マグネシア=85wt%よりな
り、更に外掛けで金属Al=3wt%,B4C=1wt%添加
した煉瓦) (C) 通常使用されるマグネシアークロム質煉瓦(Cr2O3
=20wt%の高温焼成ダイレクトボンド煉瓦)を作成し、
各々RH環流管に使用した。
は、従来のMgO−C煉瓦Bに対して約30%の耐用向上
が認められ、また、通常使用されるマグネシアクロム質
煉瓦Cに対しても約80%の耐用向上が認められ、本発明
品の耐用性が非常に優れていることが確認できた。
記したとおり、 ・カーボン含有量が少なく(1〜5wt%未満)、金属などの
易酸化性添加物を含有しないか、あるいは含有量が少な
く(1.5wt%以下:外割)、かつ硼化物を含有しないか、
あるいは含有量が少ない(0.5wt%以下:外割)ことを特
徴とし、 ・また、さらに軟化温度250℃以下のピッチ及び/又は
ピッチを含むバインダー(0.1〜5wt%以下:外割)を添加
することを特徴とし、 ・又は、前記マグネシア原料として1mmよりも大きい
粒度の含有量が20〜70wt%以下で、かつ5mmよりも大
きい粒度の含有量が30%以下である原料を使用すること
を特徴とし、 上記特徴点により、MgO−C耐火物の有する優れた耐
スポーリング性を損なうことなく酸化損傷を抑制する効
果が生じ、しかも耐摩耗性に優れ、かつ同時に耐スラグ
浸食性に優れ、更には溶鋼へのカーボンピックアップを
極力防止することのできる、特に真空脱ガス精錬炉用材
質として適用する耐火物を提供することができるという
効果が生じる。
添加の影響を示す図。
ッチ粉末添加の影響(1400℃におけるサンドブラスト法
による)を示す図。
様子を単純系にて確認した顕微鏡写真であって、(A)は
鱗状黒鉛と樹脂粉末とを、(B)は鱗状黒鉛と粉末ピッチ
とを乾式混合して成形した後、800℃に加熱した後の状
況を示す写真。
−C煉瓦組織中における様子を比較した顕微鏡写真であ
って、(A)は軟化温度140℃の粉末ピッチを、(B)は軟
化温度320℃のピッチ粉末を各々添加したMgO−C煉
瓦を800℃に加熱した後の状況を示す写真。
ーリング性との関係を示す図。
熱スポーリング性との関係を示す図。
量と耐熱スポーリング性との関係を示す図。
る「熱スポーリングテスト後の発生亀裂量」及び「スラ
グテスト後の浸食量」をプロットした図。
Claims (5)
- 【請求項1】 マグネシア原料及び1〜5重量%未満のカ
ーボン原料からなる耐火性原料100重量%に対して、金
属などの易酸化性添加物の含有量が外割で1.5重量%以
下であり、かつ硼化物の含有量が外割で0.5重量%以下
であることを特徴とする真空脱ガス精錬炉用低カーボン
質MgO−C耐火物。 - 【請求項2】 マグネシア原料及び1〜5重量%未満のカ
ーボン原料からなる耐火性原料100重量%に対して、外
割でピッチ及び/又はピッチを含むバインダー:0.1〜5
重量%を含み、金属などの易酸化性添加物の含有量が外
割で1.5重量%以下であり、かつ硼化物の含有量が外割
で0.5重量%以下であることを特徴とする真空脱ガス精
錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物。 - 【請求項3】 前記ピッチ及び/又はピッチを含むバイ
ンダーにおいて、該ピッチの軟化温度が250℃以下であ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空脱ガス
精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物。 - 【請求項4】 前記マグネシア原料として、1mmより
も大きい粒度の含有量が20〜70重量%で、かつ5mmよ
りも大きい粒度の含有量が30重量%以下である原料を使
用することを特徴とする請求項1,2又は3に記載の真
空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物。 - 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の低カー
ボン質MgO−C耐火物をRH用として使用することを
特徴とするRH用低カーボン質MgO−C耐火物。
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| JP15332796A JP3766137B2 (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | 真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2016141595A (ja) * | 2015-02-02 | 2016-08-08 | 新日鐵住金株式会社 | マグネシア質耐火物 |
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1996
- 1996-05-24 JP JP15332796A patent/JP3766137B2/ja not_active Expired - Fee Related
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