JPH09309762A - 真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物 - Google Patents

真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物

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JPH09309762A
JPH09309762A JP8153327A JP15332796A JPH09309762A JP H09309762 A JPH09309762 A JP H09309762A JP 8153327 A JP8153327 A JP 8153327A JP 15332796 A JP15332796 A JP 15332796A JP H09309762 A JPH09309762 A JP H09309762A
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清吾 桑野
Hiroyuki Sugimoto
弘之 杉本
Yukinobu Kurashina
幸信 倉科
Yasuhiro Hoshiyama
泰宏 星山
Shinichi Yamamoto
慎一 山本
Hiroshi Mitani
博志 三谷
Isamu Eguchi
勇 江口
Kazuhiko Araki
和彦 荒木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MgO−C耐火物の有する優れた耐スポーリ
ング性を損なうことなく酸化損傷を抑制する作用効果が
生じ、しかも耐摩耗性に優れ、かつ同時に耐スラグ浸食
性に優れ、更には溶鋼へのカーボンピックアップを極力
防止することのできる、特に真空脱ガス精錬炉用材質と
して適用する低カーボン質MgO−C耐火物を提供する
こと。 【解決手段】 マグネシア原料及び1〜5重量%未満のカ
ーボン原料からなる耐火性原料100重量%に対して、金
属などの易酸化性添加物の含有量が外割で1.5重量%以
下であり、かつ硼化物の含有量が外割で0.5重量%以下
である真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低カーボンのMg
O−C耐火物に関し、特に真空脱ガス精錬炉用低カーボ
ン質MgO−C耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼の清浄化技術は急速な発展を遂
げている。それに伴って真空脱ガス精錬炉であるRHの
役割も多様化し、かつ使用条件も過酷化しつつある。
【0003】ところで、RH用耐火物としては、一般
に、高温での耐食性に優れているマグネシア・クロム質
煉瓦が多用されている。しかしながら、この種のマグネ
シア・クロム質煉瓦では、低融点スラグの浸潤による構
造スポーリングが発生し、脱落損傷あるいは剥離損傷が
大きな問題として残されている。この脱落,剥離損傷に
ついては、間歇操業が著しいRHにおいて特に重大な問
題となっている。なお、RHとは、溶鋼の真空脱ガス処
理装置であって、溶鋼に対する真空脱炭,脱酸を含め広
範囲な処理に適し、特に、溶鋼を未脱酸の状態で大量に
真空処理するのに適している装置である。
【0004】このような背景から、高い耐食性を有する
マグネシア・クロム質煉瓦の特性が十分に発揮されるこ
とが難しく、材質改善による耐用向上にも一定の限界を
生じているのが現状である。
【0005】これに対して、スポーリングによる脱落,
剥離損傷を防止する目的で、MgO−C煉瓦の適用が検
討され、当初一部で好成績が得られたことが報告されて
いる[“耐火物”37,[7],p383-388,(1985)参照]。
【0006】しかし、初期のMgO−C煉瓦の適用にお
いては、該煉瓦に使用されている黒鉛粒子の先行消失が
激しく、特に気相酸化が煉瓦の耐用を低下させていた。
その後、この気相酸化を抑制する手段として、Alなど
の金属粉末を酸化防止剤として添加する方法[“耐火
物”38,[9],p603-607,(1986),“耐火物”39,[2],p99-1
00,(1987)参照]や、不純物含有量の少ない高純度黒鉛
を使用する方法[“耐火物”39,[5],p273-281,(1987)参
照]が開発され、現在に至っている。
【0007】この間においてRHの操業方法も変化し、
当初の真空脱ガス機能に加えて、石灰等の吹き込みによ
る清浄化,酸素の吹き込みによる脱炭,Alなどの投入
による脱酸素や温度低下抑制、及び、酸素上吹きによる
処理能力の向上などが実施されるようになってきてい
る。これら使用条件の変化の中でも、特に酸素の吹き込
みや上吹きによる使用条件下では、MgO−C煉瓦に与
える影響が大きく、黒鉛の先行消失による酸化損耗が再
度問題としてクローズアップされてきている。
【0008】また、より一層の鋼品質向上を背景に、鋼
の低炭素化に対する要求もますます厳しくなり、RHな
どの二次精錬炉に使用される耐火物としては、カーボン
含有量が少なく、かつ同時に耐用性に優れる(即ち溶鋼
中へのカーボン溶出の少ない)材質がより一層要求され
るようになっている。
【0009】前掲の参考文献[“耐火物”38,[9],p603-
607,(1986),同39,[2],p99-100,(1987)]にも開示され
ているように、酸化損傷を抑制する目的で金属粉末など
の酸化防止剤の添加が検討され、実使用においても一定
の効果が認められたことから、現在一般的にこの手法が
適用されている。しかし、この種の酸化防止剤の使用
は、煉瓦の高弾性率化を招き、耐熱スポーリング性を低
下させるという欠点を有し[“耐火物” 44,[2],p75-8
2,(1992)参照]、また、酸化抑制効果の大きい酸化防止
添加剤ほど耐熱スポーリング性を低下させるという問題
が生じる。
【0010】その結果、酸化防止剤を添加したMgO−
C煉瓦は、耐スポーリング性を維持するために相対的に
カーボン量を多くする必要が生じ、酸化損傷抑制及び溶
鋼へのカーボンピックアップ抑制に対して、逆の方策を
施す結果となっている[前掲の“耐火物”38,[9],p603-
607,(1986)参照]。
【0011】また、MgO−C煉瓦の耐スポーリング性
を損なうことなく、より一層耐用性の向上を図るため、
膨張黒鉛を利用することにより黒鉛の含有量を減少させ
た低カーボン質のMgO−C系耐火物が提案されている
[“耐火物”44,[11],p640,(1992)及び特開平5-24911号
公報参照]。しかしながら、膨張黒鉛を多用すると、組
織の充填性が低下するため、耐酸化性,耐摩耗性,耐食
性などが低下するので好ましくなく、広く行われる技術
とはなっていない。
【0012】また、特開平7-51821号公報には、真空脱
ガス装置用浸漬管において、その外周部のスラグライン
にMgO−C煉瓦を適用する方法が開示されているが、
実施例としてはカーボン含有量の多い材質の適用しか示
されていない。その上、該公報には、前述した問題を解
決する手法については何ら開示されておらず、RH用の
MgO−C耐火物として最適なものとは言えない。
【0013】以上の結果、現在RH用に使用されている
MgO−C煉瓦は、カーボン量が10〜15wt%程度の範囲
にあり、耐用の不安定性あるいは溶鋼へのカーボンピッ
クアップの懸念などから、RH用耐火物として全面的に
使用されるには至っていない。
【0014】一方、耐スポーリング性を維持しつつ低カ
ーボン化する技術として、金属の添加量を低減させ、か
つマグネシアを粗粒化した「カーボン量:8wt%あるい
は6wt%の転炉出鋼口スリーブ用MgO−C煉瓦」が提
案されている[品川技報,Vol.38,p23〜32,(1995)参
照]。この転炉出鋼口スリーブ用の低カーボン質MgO
−C煉瓦は、転炉出鋼口スリーブに使用した際に高耐用
を示し、有効であることが示されている。しかし、該転
炉出鋼口スリーブ用の低カーボン質MgO−C煉瓦は、
最も少ないものでも「6wt%のカーボン」を含有してお
り、溶鋼へのカーボンピックアップ防止の観点から極力
カーボンの少ないことが望まれる真空脱ガス炉用の耐火
物としては、最適な材料ではない。
【0015】また、同じく耐スポーリング性を維持しつ
つ低カーボン化する技術として、マグネシアを粗粒化
し、高軟化点ピッチを添加し、かつ黒鉛を細粒化した
「カーボン量:7wt%の取鍋スラグライン用低黒鉛質M
gO−C煉瓦」も提案されている[“材料とプロセス”
CAMP-ISIJ,Vol.4,P1225(1991)参照]。この取鍋スラグ
ライン用低黒鉛質MgO−C煉瓦は、取鍋スラグライン
部に使用した際に高耐用を示し、有効であることが示さ
れている。しかしながら、該取鍋スラグライン用の低黒
鉛質MgO−C煉瓦は、低黒鉛質といっても「7wt%の
黒鉛」を含有しており、溶鋼へのカーボンピックアップ
防止の観点から極力カーボンの少ないことが望まれる真
空脱ガス炉用の耐火物としては、最適な材料ではない。
【0016】一方、既に開示されている技術の中には、
例えば特開昭56-26766号公報,特開平7-17758号公報な
どに記載されているように、炭素あるいは黒鉛原料の構
成範囲(配合量)を5wt%以上としているものが知られて
いる。しかし、これらは、カーボンを少なくとも5wt%
以上含有することから、溶鋼へのカーボンピックアップ
防止の観点から極力カーボンの少ないことが望まれる真
空脱ガス炉用の耐火物としては、最適な材料とは言えな
い。
【0017】さらに、既に開示されている技術の中に
は、例えば特開平4-228469号公報,特開平5-330904号公
報,特開平6-293557号公報などに記載されているよう
に、炭素あるいは黒鉛原料の構成範囲(配合量)を3wt%
以上としているものや、例えば特開平7-118057号公報,
特開平7-126060号公報などに記載されているように、2w
t%以上としているものが知られている。しかし、これ
らについても、次の理由で、本発明の意図する技術を提
供できるものとは言えない。
【0018】即ち、前掲の特開平4-228469号公報に開示
されている技術においては、黒鉛の構成範囲(配合量)を
3〜10wt%としているものの、実施例としては「黒鉛
量:6wt%」のみが示されており、炭素原料の含有量の
特に少ない領域(5wt%未満)に関する具体例が示されて
いない。また、金属添加物についても常法により使用可
能としていることなどから、低カーボンのMgO−Cに
おいて特に重要となる耐スポーリング性に関する技術開
示が十分に成されているとは言えず、本発明が意図する
「特に炭素含有量の少ない真空脱ガス炉用のMg0−C
耐火物」として好適な材料を提供できる技術を示唆して
いるとは言えない。
【0019】前掲の特開平5-330904号公報に開示されて
いる技術においては、黒鉛の構成範囲(配合量)を3〜40w
t%としているものの、実施例としては「黒鉛量:13wt
%」のみが示されており、炭素原料の含有量の特に少な
い領域(5wt%未満)に関する具体例が示されていない。
また、金属添加物についても常法により使用可能として
いることなどから、低カーボンのMgO−Cにおいて特
に重要となる耐スポーリング性に関する技術開示が十分
に成されているとは言えず、本発明が意図する「特に炭
素含有量の少ない真空脱ガス炉用のMgO−C耐火物」
として好適な材料を提供できる技術を示唆しているとは
言えない。
【0020】前掲の特開平6-293557号公報に開示されて
いる技術においては、カーボン量の好ましい構成範囲
(配合量)を3〜40wt%としているものの、実施例として
は「黒鉛量:5wt%,15wt%,20wt%」の例が示されて
おり、炭素原料の含有量の特に少ない領域(5wt%未満)
に関する具体例は示されていない。また、低カーボンの
MgO−Cにおいて特に重要となる耐スポーリング性に
関する言及および技術開示も無く、本発明が意図する
「特に炭素含有量の少ない真空脱ガス炉用のMgO−C
耐火物」として好適な材料を提供できる技術を示唆して
いるとは言えない。
【0021】前掲の特開平7-118057号公報に開示されて
いる技術においては、カーボン量の好ましい構成範囲
(配合量)を2〜40wt%としているものの、実施例として
は「黒鉛量:5wt%,15wt%,20wt%,35wt%」の例が示
されており、炭素原料の含有量の特に少ない領域(5wt%
未満)に関する具体例は示されていない。また、低カー
ボンのMg0−Cにおいて特に両立が困難となる耐スポ
ーリング性と耐食性の関係については言及および技術開
示がなされておらず、本発明が意図する「特に炭素含有
量の少ない真空脱ガス炉用のMgO−C耐火物」として
好適な材料を提供できる技術を示唆しているとは言えな
い。
【0022】前掲の特開平7-126060号公報に開示されて
いる技術においては、カーボン量の好ましい構成範囲
(配合量)を2〜40wt%としているものの、実施例として
は「黒鉛量:5wt%,15wt%,20wt%,35wt%」の例が
示されており、炭素原料の含有量の特に少ない領域(5wt
%未満)に関する具体例は示されていない。また、低カ
ーボンのMgO−Cにおいて特に両立が困難となる耐ス
ポーリング性と耐食性の関係については言及および技術
開示がなされておらず、本発明が意図する「特に炭素含
有量の少ない真空脱ガス炉用のMgO−C耐火物」とし
て好適な材料を提供できる技術を示唆しているとは言え
ない。
【0023】これらの結果、他の用途に関しては、Mg
O−C煉瓦の低カーボン化が若干図られつつあり、一定
の効果も得られているが、極力カーボン量の少ないこと
が望ましく、かつ耐酸化性,耐スポーリング性,耐摩耗
性及び耐食性に優れていることが望ましい真空脱ガス精
錬炉用MgO−C耐火物として最適の材質は未だ得られ
ておらず、問題が解決されていない現状にある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カーボンは
必然的に酸化損耗される特性を有しており、従って、カ
ーボンを多く含むMgO−C煉瓦は、本質的に酸化損耗
に対する抵抗性に劣っている。前記したように、このカ
ーボンの酸化防止を目的として金属などの易酸化性添加
物が使用されているが、高温下での強い酸化雰囲気にお
いては、効果に自ずと限界がある。
【0025】また、RHの浸漬管や環流管においては、
溶鋼流や吹き込みガスによる摩耗を強く受けることから
耐摩耗性も要求されるが、カーボンを多く含有するMg
O−C煉瓦は、この点においても不利である。さらに、
極低炭素鋼など炭素含有量の極めて低い鋼種を精錬する
際に、MgO−C煉瓦から溶鋼流へのカーボンの溶出
(カーボンピックアップ)による溶鋼の汚染が問題とな
り、極力カーボン含有量の少ない耐火物が要求されてい
る。更にまた、RHの下部槽においては、浮遊スラグに
よるアタックを高温下で受けることから耐食性も要求さ
れる。
【0026】本発明者等は、これらの問題点を一挙に解
決する手段として、耐酸化性,耐スポーリング性及び耐
摩耗性に同時に優れている低カーボンのMgO−C煉瓦
の開発を意図し、酸化防止剤の添加量を少なくするか、
又は添加しなくても酸化損傷抑制及び耐摩耗性向上を達
成でき、同時に耐食性に優れ、かつカーボンピックアッ
プを防止できる真空脱ガス炉用低カーボン質MgO−C
耐火物について鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成し
た。
【0027】即ち、本発明は、その目的(技術課題)とす
るところは、MgO−C耐火物の有する優れた耐スポー
リング性を損なうことなく酸化損傷を抑制する作用効果
が生じ、しかも耐摩耗性に優れ、かつ同時に耐スラグ浸
食性に優れ、更には溶鋼へのカーボンピックアップを極
力防止することのできる、特に真空脱ガス精錬炉用材質
として適用する低カーボン質MgO−C耐火物を提供す
ることにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】そして、本発明は、上記
目的を達成する手段として、 ・カーボン含有量が少なく(1〜5wt%未満)、金属などの
易酸化性添加物及び硼化物を含有しないかあるいは該含
有量が少ない低カーボン質MgO−C耐火物、 ・又は、さらにピッチ及び/又はピッチを含むバインダ
ー(0.1〜5wt%:外割)を添加してなる低カーボン質Mg
O−C耐火物、 からなる真空脱ガス精錬炉用耐火物であり、特に耐酸化
性,耐スポーリング性,耐摩耗性,耐食性に同時に優
れ、カーボンピックアップを極力防止することのでき
る、高耐用で清浄性に優れた真空脱ガス精錬炉用の耐火
物を提供するものである。
【0029】即ち、本発明は、「マグネシア原料及び1
〜5重量%未満のカーボン原料からなる耐火性原料100重
量%に対して、金属などの易酸化性添加物の含有量が外
割で1.5重量%以下であり、かつ硼化物の含有量が外割
で0.5重量%以下であることを特徴とする真空脱ガス精
錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物。」(請求項1)を
要旨とする。
【0030】また、本発明は、「マグネシア原料及び1
〜5重量%未満のカーボン原料からなる耐火性原料100重
量%に対して、外割でピッチ及び/又はピッチを含むバ
インダー:0.1〜5重量%を含み、金属などの易酸化性添
加物の含有量が外割で 1.5重量%以下であり、かつ硼化
物の含有量が外割で0.5重量%以下であることを特徴と
する真空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火
物。」(請求項2)を要旨とする。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施態様として
は、 ・前記ピッチ及び/又はピッチを含むバインダーにおい
て、該ピッチの軟化温度が250℃以下であること(請求項
3)、 ・前記マグネシア原料として、1mmよりも大きい粒度
の含有量が20〜70重量%で、かつ5mmよりも大きい粒
度の含有量が30重量%以下である原料を使用すること
(請求項4)、 を特徴とする。
【0032】以下、本発明を詳細に説明するが、まず、
本発明の背景技術を参酌して説明すると、MgO−C煉
瓦の酸化抑制を目的として金属粉末などの酸化防止剤を
使用する場合、耐熱スポーリング性の低下をカバーする
ために逆にカーボン含有量を多くする必要があるという
矛盾を発生させ、問題の根本的な解決策とはなっていな
い。
【0033】そこで、本発明者等は、従来の酸化抑制に
対する考え方について発想の転換を図り、酸化防止剤の
含有量が少なく、ないしは、使用することなく、酸化防
止及び耐摩耗性向上を達成できる方法について検討を行
った。検討項目としては、(1)カーボンボンドを強化す
る方法、(2)カーボン含有量を低減する方法の2項目で
ある。
【0034】上記検討項目“(1) カーボンボンド強化”
及び検討項目“(2) 低カーボン化による耐用性改善”の
考え方を次の(a)〜(c)の3点にまとめて示す。 (a) カーボンボンドを強化することにより、ボンド部の
優先的な酸化消失が抑制され、稼働面での組織脆化が低
減される。それによって酸化反応の面積も減少し、酸化
速度が抑制される。 (b) 低カーボン化することによって酸化後の組織が緻密
化する。その結果、稼働面にMgOに富む反応層(保護層)
が形成され、気相酸化,液相酸化が抑制される。 (c) 上記(a)及び(b)の2点の相乗効果によって稼働面組
織が強固となり、溶鋼流による摩耗が抑制される。
【0035】以上の考え方は、炭素原料そのものの酸化
速度低減によって耐用性を改善するものではなく、酸化
反応面積の縮小及び酸化後の組織の改善によって煉瓦の
損傷を低減しようとするものである。
【0036】ここで、本発明者等が行った実験例を挙
げ、MgO−C煉瓦の耐スポーリング性を確保しつつ酸
化損傷を抑制し、かつ耐摩耗性を向上させるための
「(1) 該煉瓦におけるカーボンボンドの強化」及び
「(2) 黒鉛含有量の削減」について詳細に説明する。
【0037】(実験1)MgO−C煉瓦のカーボンボン
ド強化について検討するため、 “ピッチ無添加”のもの、 “軟化温度280℃のピッチ粉末”を添加したもの(添
加量:1wt%)、 “軟化温度150℃のピッチ粉末”を添加したもの(添
加量:1wt%)、 “軟化温度150℃のピッチ粉末”と“軟化温度220℃
のピッチ粉末”とを併用したもの(各添加量:1wt%,0.
5wt%)、 の各実験を行った。
【0038】上記の実験結果を図1及び図2に示す。な
お、図1は、MgO−C煉瓦の熱間強度に対するピッチ
粉末添加の影響を示すグラフであって、図中、○印は上
記(ピッチ無添加)の場合を、△印は上記(軟化温
度:280℃のピッチ粉末添加)の場合を、▲印は上記
(軟化温度:150℃のピッチ粉末添加)の場合を、●印は
上記(軟化温度:150℃と220℃の2種類のピッチ粉末
添加)の場合を示す。また、図2は、MgO−C煉瓦の
熱間での耐摩耗性に対するピッチ粉末添加の影響(1400
℃におけるサンドブラスト法による)を示すグラフであ
る。
【0039】図1及び図2から、軟化温度が250℃以下
のピッチ粉末1種の添加(の場合),あるいは2種の併
用添加(複合添加:の場合)により、煉瓦熱間強度が増
大し、かつ熱間での耐摩耗性が向上している。これは、
添加したピッチ粉末が溶融し、炭化する過程で煉瓦組織
中の微細な間隙に侵入してカーボンボンドを形成するた
めと考えられる。
【0040】また、添加するピッチの軟化温度が250℃
以上の場合(の場合)には、強度の増大が少なく、高温
域では逆に強度低下の傾向が認められ(図1中の△印参
照)、熱間での耐摩耗性も低下しており(図2の参
照)、カーボンボンド強化を目的とした添加使用には適
していないことが明らかである。
【0041】図3は、軟化温度の比較的低いピッチによ
る間隙充填の様子を単純系にて確認した顕微鏡写真であ
って、(A)は鱗状黒鉛と樹脂粉末(ヘキサミン10wt%含
有ノボラック型フェノール樹脂)とを乾式混合して成形
した後、また、(B)は鱗状黒鉛と粉末ピッチ(軟化温
度:150℃のコールタールピッチ)とを乾式混合して成形
した後、いずれも800℃に加熱した後の状況を示してい
る。
【0042】図3(B)中の矢印で示すように、「黒鉛+
ピッチ系」では、黒鉛粒子間の非常に微細な間隙にピッ
チが侵入し、充填して炭化しているが、図3(A)に示す
「黒鉛+樹脂系」では、間隙への充填は認められない。
【0043】図4は、軟化温度の異なるピッチ粉末の
“加熱後MgO−C煉瓦組織中における様子を比較した
顕微鏡写真”であって、(A)は軟化温度140℃のピッチ
粉末を、(B)は軟化温度320℃のピッチ粉末を各々添加
したMgO−C煉瓦を800℃に加熱した後の状況を示し
ている。
【0044】図4(A)中の矢印で示すように、軟化温度
の比較的低いピッチは、溶融軟化後に周辺組織中に拡散
することによって、元来存在していた箇所が完全に空洞
となっている状況が認められる。これに対して、図4
(B)中の矢印で示すように、軟化温度の高いピッチは、
溶融軟化後の拡散力に乏しいため、元来存在していた箇
所に残存し、周辺組織に付着するのみに留まっている。
【0045】これらのことから、微細な間隙へのピッチ
侵入,充填は、ピッチに特有な挙動であり、しかも、軟
化温度が比較的低いピッチに特有の現象であることが理
解できる。即ち、比較的軟化温度の低いピッチを添加し
た場合、微細な間隙が耐酸化性に優れているピッチで充
填されることにより[前掲の図3(B)参照]、黒鉛粒子
間のカーボンボンド部分の耐酸化性も向上すると判断さ
れる。
【0046】これらの結果から、真空脱ガス炉用MgO
−C煉瓦に比較的軟化温度の低いピッチあるいはピッチ
を含有するバインダーを添加することによって、カーボ
ンボンドの強化を図ることができると理解できた。
【0047】(実験2)MgO−C煉瓦において、カー
ボン量を低減させた場合、耐熱スポーリング性の低下が
問題となる。この耐熱スポーリング性は、真空脱ガス炉
用耐火物に要求される基本特性であるため、本実験2で
は、その維持手法について検討した。
【0048】図5に、MgO−C煉瓦におけるMgO粒
度と耐熱スポーリング性との関係を試験した結果を示
す。この試験方法では、溶銑浸漬法を用い、煉瓦サンプ
ルを1650℃の溶銑に浸漬した後水冷を行って煉瓦に熱衝
撃を与え、発生した内部亀裂を切断面上で数値化し、そ
の材質の耐熱スポーリング性を評価した[前掲の“耐火
物”44,[2],p75-82,(1992)参照]。
【0049】図5から明らかなように、MgO粒度が粗
くなるほど発生亀裂は少なくなっており、耐熱スポーリ
ング性が向上していることが認められる。この結果か
ら、低カーボン化に際しては、MgOの粗粒度構成を採
用することが好ましいことが理解できる。
【0050】(実験3)本実験3では、MgO−C煉瓦
における金属Alの添加量と耐熱スポーリング性との関
係について試験した。その試験結果を図6に示す。図6
から明らかなように、金属Al添加量の増加と共に該煉
瓦の耐熱スポーリング性が低下する傾向が認められ、カ
ーボンの特に少ない領域ではより一層顕著となる。この
結果から、低カーボン化に際しては、金属Al量を低減
させる必要があることが理解できる。
【0051】(実験4)本実験4では、MgO−C煉瓦
における硼化物(B4C)の添加量と耐熱スポーリング性
との関係について試験した。その結果を図7に示す。図
7から明らかなように、硼化物添加量の増加と共に煉瓦
の耐熱スポーリング性が低下する傾向が認められ、カー
ボンの特に少ない領域ではより一層顕著となる。この結
果から、低カーボン化に際しては、硼化物を低減させる
必要があることが理解できる。
【0052】本発明は、特に上記実験1〜4に基づき成
されたものであって、カーボンボンドを強化し、かつ耐
熱スポーリング性の低下を抑制した真空脱ガス炉用低カ
ーボン質MgO−C耐火物を開発したものであり、前記
したとおり、(1) マグネシア原料と1〜5wt%未満のカー
ボン原料からなる耐火性原料100wt%に対して、金属な
どの易酸化性添加物の含有量が外割で1.5wt%以下であ
り、かつ硼化物の含有量が外割で0.5wt%以下であるこ
と、(2) マグネシア原料と1〜5wt%未満のカーボン原料
からなる耐火性原料100wt%に対して、外割でピッチ及
び/又はピッチを含むバインダー:0.1〜5wt%を含み、
金属などの易酸化性添加物の含有量が外割で1.5wt%以
下であり、かつ硼化物の含有量が外割で0.5wt%以下で
あること、(3) 上記(1),(2)において、前記ピッチある
いはピッチを含むバインダー中に含まれるピッチの軟化
温度が250℃以下であること、(4) 上記(1),(2),(3)に
おいて、前記マグネシア原料として、1mmよりも大き
い粒度の含有量が20〜70wt%で、かつ5mmよりも大き
い粒度の含有量が30wt%以下である原料を使用するこ
と、を特徴とする。
【0053】以下、本発明について更に詳細に説明する
と、本発明に係る低カーボン質MgO−C耐火物におい
て、カーボン原料は1〜5wt%未満が好ましい。カーボン
原料が5wt%以上では、酸化損傷が著しくなり、更にカ
ーボンピックアップによる溶鋼汚染が問題となる。逆に
カーボン原料が1wt%未満となると、耐熱スポーリング
性が低下し、また、スラグの浸潤が防止できなくなるの
で好ましくない。
【0054】本発明において、酸化損傷とカーボンピッ
クアップのより一層の防止及び耐熱スポーリング性をよ
り一層確保する観点から、カーボン原料は1.5〜4wt%で
あることが更に好ましい。該カーボン原料については、
本発明で特に限定するものではないが、高濃度に煉瓦組
織中に炭素を供給できる原料が好ましく、具体的には、
天然鱗状黒鉛,土状黒鉛,人造黒鉛,処理黒鉛,コーク
ス,電極屑,炭素繊維,熱分解炭素などの炭素質原料、
及び、固定炭素を75wt%以上含有し軟化温度が300℃以
上であるような固形ピッチなどの高残炭質原料を使用す
ることができる。
【0055】また、本発明において、マグネシア原料と
しては、1mmより大きい粒度の含有量が20〜70wt%
で、かつ5mmよりも大きい粒度の含有量が30wt%以下
である原料を使用するのが好ましい。1mmより大きい
粒度の含有量が20wt%未満では、亀裂の発生が多くなり
(前記実験2及び前掲の図5参照)、逆に70wt%を超える
と、適度な充填性が得られず、耐食性が低下するので好
ましくない。また、5mmよりも大きい粒度の含有量が3
0wt%を超えると、特にカーボン量が少ない領域におい
ては、充填性が低下して緻密な組織が得られず、耐食性
が低下するため好ましくない。
【0056】上記粒度を有するマグネシア原料について
は、本発明で特に限定するものではないが、天然マグネ
サイト,海水マグネシア,甘水マグネシアなどの焼成ク
リンカー及び電融クリンカーなどを使用することができ
る。
【0057】また、本発明に係る低カーボン質MgO−
C耐火物は、上記マグネシア原料及びカーボン原料の合
計量に対して外割でピッチ及び/又はピッチを含むバイ
ンダー:0.1〜5wt%を添加することを特徴とする。ピッ
チ及び/又はピッチを含むバインダーの添加量が0.1wt
%未満では、本発明で意図するカーボンボンドの強化を
十分に図ることができず、逆に5wt%を超えると、耐火
物全体の揮発分量が多くなり、製造時に亀裂が発生する
ので好ましくない。また、使用時における揮発分による
亀裂発生を考慮すると、3wt%以下がより好ましい。該
ピッチについては、本発明で特に限定するものではない
が、例えばコールタールピッチ,石油ピッチ,木炭ピッ
チ,合成ピッチなどを使用することができる。
【0058】上記した「カーボンボンド強化」を目的と
して使用するピッチとしては、軟化温度の比較的低いも
のが好ましい。軟化温度の境界点は特に厳密に限定する
ものではないが、本発明で意図するカーボンボンドの強
化を十分に得るためには、通常250℃以下の軟化温度を
有するピッチが好ましい。250℃よりも高い場合、ピッ
チが軟化溶融した際の周辺組織への拡散が十分に行われ
ず、カーボンボンド強化の効果が得られない。
【0059】該ピッチの軟化温度の下限については、こ
れも特に限定するものではないが、通常、軟化温度が80
℃以上のピッチが好適である。80℃よりも低いと、粉末
状で使用する場合、夏期等の高気温時に粉体同士が融着
して使用不可となることがある。また一般に、軟化温度
が高いほど固定炭素が高くなる傾向にある。強固なカー
ボンボンドを形成させるためには、固定炭素は相対的に
高い方が良く、軟化温度が110℃以上であることが更に
好ましい。
【0060】本発明に係る低カーボン質MgO−C耐火
物において、必要に応じ金属Alなどの易酸化性添加物
又はB4Cなどの硼化物を加えることができるが、金属
の添加量については、1.5wt%以下(外割)とする必要が
あり、硼化物の添加量については、0.5wt%以下(外割)
とする必要がある。その理由は、金属などの易酸化性添
加物の添加量が1.5wt%を超えると、本発明で対象とす
る低カーボン質MgO−C耐火物の耐熱スポーリング性
が低下するからである(前記実験3及び前掲の図6参
照)。また、硼化物の添加量が0.5wt%を超えると、同じ
く耐熱スポーリング性が低下するからである(前記実験
4及び前掲の図7参照)。
【0061】これら易酸化性添加物や硼化物の使用によ
る耐熱スポーリング性の低下は、低カーボン質の材料ほ
ど顕著となるため、より低カーボンの材料に対しては厳
密にその使用量を制限する必要がある。また更に、カー
ボン含有量が5wt%未満と少ないMgO−Cにおいて
は、金属などの易酸化性添加物及び硼化物は、マグネシ
ア骨材同士の結合を増大させる焼結剤としての作用が顕
著となることから、微量添加によって耐摩耗性を大幅に
改善することもできる。従って、より一層耐摩耗性が要
求される部位への適用を考慮すると、金属などの易酸化
性添加物及び硼化物の添加量は0.1wt%以上であること
が更に好ましい。添加量が0.1wt%未満では、上に述べ
たような焼結剤としての効果が十分得られず、耐摩耗性
の向上も十分ではない。
【0062】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を挙げ、本
発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に
より限定されるものではない。
【0063】(実施例1,比較例1)本実施例1及び比
較例1において、マグネシア原料としては、海水焼結マ
グネシア(純度:99%,気孔率:2.5%,かさ比重:3.4
3)と電融マグネシア(純度:99%,気孔率:2.0%,かさ
比重:3.52)を混合して使用した。(混合比→上記焼成
クリンカー:電融クリンカー=20:80)
【0064】また、カーボン原料としては、100メッシ
ュ以下でカーボン純度:97%の天然鱗状黒鉛及び2mm
以下でカーボン純度:99%のピッチコークスを使用し
た。
【0065】次の表1及び該表1に続く表2に示す配合
割合で各原料を配合してMgO−C煉瓦を作成した。な
お、表中のマグネシアA〜D及びピッチ粉E,Fは、次
のとおりのものである。 ・マグネシアA:≦1mm→90wt%,1〜5mm→10wt
%,>5mm→ 0wt% ・マグネシアB:≦1mm→70wt%,1〜5mm→30wt
%,>5mm→ 0wt% ・マグネシアC:≦1mm→45wt%,1〜5mm→45wt
%,>5mm→10wt% ・マグネシアD:≦1mm→45wt%,1〜5mm→20wt
%,>5mm→35wt% ・マグネシアE:≦1mm→20wt%,1〜5mm→45wt
%,>5mm→35wt% ・ピッチ粉E:軟化点→135℃,FC→56wt% ・ピッチ粉F:軟化点→220℃,FC→70wt%
【0066】得られたMgO−C煉瓦について「ベ−キ
ング後の見掛け気孔率(%)」「1000℃焼成後の曲げ強さ
(MPa)」「熱スポーリングテスト後の発生亀裂量」「ス
ラグテスト後の浸食量」を測定し、その結果を表1及び
表2に示す。
【0067】なお、「熱スポーリングテスト後の発生亀
裂量」は、サンプルを1650℃の溶銑中に浸漬して熱衝撃
を与えた際に発生する内部亀裂を一定の規則に基づいて
数値化したものであり[前掲の“耐火物”44,[2],p75〜
82,(1992)参照]、この値が大きいほど発生亀裂が多数
であり、かつ大きいことを示す。また、「スラグテスト
後の浸食量」は、回転ドラム浸食法によってスラグテス
トを行った際のサンプル切断面上で測定される損耗量を
面積比率で数値化したものであり、値が大きいほど耐食
性に劣ることを示す。ここで使用したスラグは、C/S
=3.0,Al203=8wt%,T.Fe=20wt%であり、試験温度
を1650℃とした。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】図8に、上記表1及び表2の各MgO−C
煉瓦における「熱スポーリングテスト後の発生亀裂量」
及び「スラグテスト後の浸食量」をプロットした。な
お、試料番号に付記の*印は比較例を示す。また、図8
中の点線枠内は、本発明の特に好ましい範囲を示す。
【0071】上記表1及び表2並びに上記図8から明ら
かなように、低カーボン量(5wt%未満)の各実施例で
は、焼成後の曲げ強さが高いばかりでなく、耐スラグ性
に優れ、しかも熱スポーリングテスト後の発生亀裂量が
小さいものが得られた。これに対して、従来のMgO−
C煉瓦に相当する試料番号18“MgO=94wt%,C=6wt%
→比較例”,試料番号19“MgO=92wt%,C=8wt%→比
較例”,試料番号20“MgO=90wt%,C=10wt%→比較
例”では、亀裂の発生が多いか或いは耐スラグ性に劣る
結果となった。
【0072】また、本発明の範囲外の試料番号2,4“Mg
O=98wt%,C=2wt%→比較例”や試料番号14,15“MgO
=96wt%,C=4wt%→比較例”では、亀裂の発生が多い
か或いは耐スラグ性に劣り、本発明で意図するMgO−
C耐火物が得られなかった。さらに、マグネシアに関し
て最も好ましい粒度範囲外のものを使用した試料番号
6,7,10,11,13では、亀裂の発生が比較的多いかある
いは耐スラグ性に若干劣る結果となった。
【0073】(実施例2,比較例2)実施例2として、 (A) 低カーボンのMgO−C煉瓦B(C=4wt%及び前
記マグネシアBの粒度を有する電融マグネシア=96wt%
よりなり、更に外掛けでピッチ粉E=1wt%,ピッチ粉
F=0.5wt%を添加した煉瓦)を作成し、RH環流管に使
用した。
【0074】また、比較のため、比較例2として、 (B) 従来のMgO−C煉瓦(C=15wt%及び前記マグネ
シアAの粒度を有する電融マグネシア=85wt%よりな
り、更に外掛けで金属Al=3wt%,B4C=1wt%添加
した煉瓦) (C) 通常使用されるマグネシアークロム質煉瓦(Cr2O3
=20wt%の高温焼成ダイレクトボンド煉瓦)を作成し、
各々RH環流管に使用した。
【0075】その結果、低カーボン質MgO−C煉瓦A
は、従来のMgO−C煉瓦Bに対して約30%の耐用向上
が認められ、また、通常使用されるマグネシアクロム質
煉瓦Cに対しても約80%の耐用向上が認められ、本発明
品の耐用性が非常に優れていることが確認できた。
【0076】
【発明の効果】本発明に係るMgO−C煉瓦は、以上詳
記したとおり、 ・カーボン含有量が少なく(1〜5wt%未満)、金属などの
易酸化性添加物を含有しないか、あるいは含有量が少な
く(1.5wt%以下:外割)、かつ硼化物を含有しないか、
あるいは含有量が少ない(0.5wt%以下:外割)ことを特
徴とし、 ・また、さらに軟化温度250℃以下のピッチ及び/又は
ピッチを含むバインダー(0.1〜5wt%以下:外割)を添加
することを特徴とし、 ・又は、前記マグネシア原料として1mmよりも大きい
粒度の含有量が20〜70wt%以下で、かつ5mmよりも大
きい粒度の含有量が30%以下である原料を使用すること
を特徴とし、 上記特徴点により、MgO−C耐火物の有する優れた耐
スポーリング性を損なうことなく酸化損傷を抑制する効
果が生じ、しかも耐摩耗性に優れ、かつ同時に耐スラグ
浸食性に優れ、更には溶鋼へのカーボンピックアップを
極力防止することのできる、特に真空脱ガス精錬炉用材
質として適用する耐火物を提供することができるという
効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MgO−C煉瓦の熱間強度に対するピッチ粉末
添加の影響を示す図。
【図2】MgO−C煉瓦の熱間での耐摩耗性に対するピ
ッチ粉末添加の影響(1400℃におけるサンドブラスト法
による)を示す図。
【図3】軟化温度の比較的低いピッチによる間隙充填の
様子を単純系にて確認した顕微鏡写真であって、(A)は
鱗状黒鉛と樹脂粉末とを、(B)は鱗状黒鉛と粉末ピッチ
とを乾式混合して成形した後、800℃に加熱した後の状
況を示す写真。
【図4】軟化温度の異なるピッチ粉末の、加熱後MgO
−C煉瓦組織中における様子を比較した顕微鏡写真であ
って、(A)は軟化温度140℃の粉末ピッチを、(B)は軟
化温度320℃のピッチ粉末を各々添加したMgO−C煉
瓦を800℃に加熱した後の状況を示す写真。
【図5】MgO−C煉瓦におけるMgO粒度と耐熱スポ
ーリング性との関係を示す図。
【図6】MgO−C煉瓦における金属Alの添加量と耐
熱スポーリング性との関係を示す図。
【図7】MgO−C煉瓦における硼化物(B4C)の添加
量と耐熱スポーリング性との関係を示す図。
【図8】実施例1,比較例1の各MgO−C煉瓦におけ
る「熱スポーリングテスト後の発生亀裂量」及び「スラ
グテスト後の浸食量」をプロットした図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星山 泰宏 岡山県岡山市東平島1055−10 (72)発明者 山本 慎一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 三谷 博志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 江口 勇 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 荒木 和彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシア原料及び1〜5重量%未満のカ
    ーボン原料からなる耐火性原料100重量%に対して、金
    属などの易酸化性添加物の含有量が外割で1.5重量%以
    下であり、かつ硼化物の含有量が外割で0.5重量%以下
    であることを特徴とする真空脱ガス精錬炉用低カーボン
    質MgO−C耐火物。
  2. 【請求項2】 マグネシア原料及び1〜5重量%未満のカ
    ーボン原料からなる耐火性原料100重量%に対して、外
    割でピッチ及び/又はピッチを含むバインダー:0.1〜5
    重量%を含み、金属などの易酸化性添加物の含有量が外
    割で1.5重量%以下であり、かつ硼化物の含有量が外割
    で0.5重量%以下であることを特徴とする真空脱ガス精
    錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物。
  3. 【請求項3】 前記ピッチ及び/又はピッチを含むバイ
    ンダーにおいて、該ピッチの軟化温度が250℃以下であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空脱ガス
    精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物。
  4. 【請求項4】 前記マグネシア原料として、1mmより
    も大きい粒度の含有量が20〜70重量%で、かつ5mmよ
    りも大きい粒度の含有量が30重量%以下である原料を使
    用することを特徴とする請求項1,2又は3に記載の真
    空脱ガス精錬炉用低カーボン質MgO−C耐火物。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4に記載の低カー
    ボン質MgO−C耐火物をRH用として使用することを
    特徴とするRH用低カーボン質MgO−C耐火物。
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