JPH09310196A - 空洞孔内面めっき装置及び空洞孔内面めっき方法 - Google Patents

空洞孔内面めっき装置及び空洞孔内面めっき方法

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JPH09310196A
JPH09310196A JP12318396A JP12318396A JPH09310196A JP H09310196 A JPH09310196 A JP H09310196A JP 12318396 A JP12318396 A JP 12318396A JP 12318396 A JP12318396 A JP 12318396A JP H09310196 A JPH09310196 A JP H09310196A
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plated
plating
stirring blade
blade member
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JP12318396A
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Satoshi Okochi
智 大河内
Hiroshi Makino
浩 牧野
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】陽極体3に対する攪拌効果が向上し、めっき効
率の向上に貢献できる空洞孔内面めっき装置及び空洞孔
内面めっき方法を提供すること。 【解決手段】被めっき物7の空洞孔70内に配置された
陽極体3と、被めっき物7の空洞孔70の内面72と陽
極体3との間に回転可能に配置された攪拌羽根部材4と
を用いる。攪拌羽根部材4は、陽極体3に対して別個に
回転する。攪拌羽根部材4と陽極体3との間に相対的な
回転速度差をつけて、攪拌羽根部材4を回転させること
によりめっき液Wを攪拌しつつ、被めっき物7の空洞孔
70の内面72をめっき処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空洞孔内面めっき装
置及び空洞孔内面めっき方法に関する。本発明は、空洞
孔をもつ被めっき物の空洞孔を区画する内面にめっき処
理する際に利用できる。
【0002】
【従来の技術】実開平3−120562号公報には、め
っき液が供給される空洞孔をもつ被めっき物を用い、被
めっき物の空洞孔にめっき液を供給しながら、陰極とし
た被めっき物と陽極体との間に電圧を印加し、これによ
り被めっき物の空洞孔を区画する内面にめっき処理する
技術が開示されている。この技術によれば、攪拌羽根を
備えた陽極体を被めっき物の空洞孔に略同軸的に配置し
た状態で、陽極体を回転させるので、空洞孔内に供給さ
れためっき液が攪拌される。
【0003】更に特公昭59−33680号公報にも、
円柱状の陽極体の外周面に攪拌羽根を一体的に設け、そ
の陽極体をめっき処理槽内で回転させながら、めっき処
理を行う技術が開示されている。この公報によれば、攪
拌効果が確保され、めっき液に共析粒子が含まれている
場合において、共析量の確保に有利であると記載されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した技術によれ
ば、攪拌羽根による攪拌効果により、めっき液の濃度の
ばらつきが低減され易くなり、めっき処理の品質が向上
する。殊に、陰極である被めっき物に対して、めっき液
の攪拌効果を期待できる。しかしながら、攪拌羽根が陽
極体に設けられている関係で、陽極体と攪拌羽根との回
転速度差は実質的にない。そのため陽極体の表面近傍の
めっき液が陽極体に対して移動する相対移動量は、小さ
いものである。故に、陽極体に対する攪拌効果は、必ず
しも充分ではない。従ってめっき効率の向上には限界が
ある。殊に、攪拌効果が充分でないため、陽極体が可溶
性である場合には、陽極体から溶解した金属イオンの分
散が不充分となり、陽極体の表面近傍で金属イオンが局
部的に高濃度化し易くなり、その結果、陽極体を構成す
る金属成分がめっき液に溶解する溶解効率は、必ずしも
充分ではなく、従ってめっき効率の向上には限界があ
る。
【0005】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、その課題は、陽極体の表面近傍での攪拌効率を
向上させることにより、陽極体に対する攪拌効果が向上
し、これによりめっき効率の向上に貢献できる空洞孔内
面めっき装置及び空洞孔内面めっき方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る空洞孔内面
めっき装置は、めっき液が供給される空洞孔をもつとと
もに陰極となる被めっき物の空洞孔を区画する内面にめ
っき処理する装置であって、被めっき物の空洞孔内に配
置され、空洞孔を区画する内面で包囲される陽極体と、
被めっき物の空洞孔を区画する内面と陽極体との間に回
転可能に配置され、陽極体に対して別個に回転する攪拌
羽根部材とを具備することを特徴とするものである。
【0007】本発明に係る空洞孔内面めっき方法は、空
洞孔をもつと共に陰極となる被めっき物の空洞孔を区画
する内面にめっきする方法であって、被めっき物の空洞
孔内に陽極体を配置すると共に、被めっき物の空洞孔内
に回転可能な攪拌羽根部材を配置し、かつ、被めっき物
の空洞孔にめっき液を供給した状態で、攪拌羽根部材と
陽極体との間に相対的な回転速度差をつけて、攪拌羽根
部材を回転させることによりめっき液を攪拌しつつ、被
めっき物の空洞孔の内面をめっき処理することを特徴と
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いる被めっき物は、め
っき液が供給される空洞孔をもつものである。代表的な
被めっき物としては筒状部材がある。筒状部材は有底状
でも無底状でも良い。筒状部材としては、例えば、内燃
機関に使用されるシリンダブロックがある。この場合、
筒状部材の内面はボア内周面となる。
【0009】本発明に係る陽極体は、陰極となる被めっ
き物の空洞孔内に配置され、空洞孔の内面で包囲され
る。陽極体としては可溶性でも不溶性でも良い。可溶性
の場合には、陽極体が溶解した成分に基づいてめっき膜
が形成される。不溶性の場合には、めっき膜を形成する
金属イオンまたは金属イオン源がめっき液に供給され
る。
【0010】陽極体は、めっき液を攪拌するために回転
する方式が好ましいが、場合によっては固定されている
方式でも良い。本発明に係る攪拌羽根部材は、陽極体と
は別個に回転するものである。めっき処理の際には、攪
拌羽根部材と陽極体との間に相対的な回転速度差をつけ
て、攪拌羽根部材を回転させる。これによりめっき液は
陽極体に対しても効果的に攪拌される。攪拌羽根部材の
数は適宜選択でき、1個でも複数個でも良い。
【0011】攪拌羽根部材は、その向きが変更可能な方
式であることが好ましい。この場合には、めっき処理の
形態に応じて、攪拌羽根部材の向きを適宜変更して、陽
極体に対する攪拌効果を特に高めたり、陰極である被め
っき物に対する攪拌効果を特に高めたりできる。攪拌羽
根部材の材質は樹脂やセラミックス等を採用できる。本
発明で用いるめっき液は、共析粒子等の微粒子を含むも
のでも、含まないものでも良い。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本実施例に係る空洞孔内面めっき装置の模
式構成図を示す。図2は図1のII−II線矢視図を示
す。図1に示すように、空洞孔内面めっき装置は、被め
っき物が保持される保持部1と、めっき液Wが供給され
る通路2と、実質的に円柱状をなす回転可能な陽極体3
と、回転可能な攪拌羽根部材4とを備えている。
【0013】被めっき物7は、円筒形状の空洞孔70を
もつ筒形状であり、その軸芯が実質的に垂直方向にのび
るように縦型に保持されている。空洞孔70の下部と通
路2とは連通している。被めっき物7と保持部1との間
には第1シール部材11及び第2シール部材12が設け
られており、これにより被めっき物7の境界は液密状態
にシールされている。
【0014】被めっき物7の材質は適宜選択できるもの
の、一般的にはアルミ合金や鉄合金や銅合金を採用でき
る。この被めっき物7としては、例えば内燃機関に使用
するシリンダブロックを採用できる。この場合、空洞孔
70はシリンダボアであり、内面72はボア内周面であ
る。陽極体3は、被めっき物7の空洞孔70内の略中央
位置に配置されており、被めっき物7の空洞孔70を区
画する内面72で包囲されている。陽極体3は、その軸
芯P1が実質的に垂直方向にのびるように縦型に配置さ
れている。
【0015】陽極体3の下部は第1駆動源81に接続さ
れている。第1駆動源81が駆動すると、陽極体3がそ
の軸芯P1を中心として正方向または逆方向に回転す
る。陽極体3は可溶性であり、その材質は鉄系やニッケ
ル系を採用できる。本実施例では図1から理解できるよ
うに、半径方向の中心から外側に向かうにつれて、陽極
体3、攪拌羽根部材4、被めっき物7の順で、かつ実質
的に同軸的に配置されている。
【0016】被めっき物7は、制御装置9の陰極側に第
1ケーブル91を介して接続されている。陽極体3は、
制御装置9の陽極側に第2ケーブル92を介して接続さ
れている。これにより被めっき物7と陽極体3との間に
は所定の電圧が印加される。図1から理解できるよう
に、攪拌羽根部材4は、被めっき物7の半径方向におい
て、被めっき物7の空洞孔70を区画する内面72と陽
極体3との間の空間に配置されている。攪拌羽根部材4
は、陽極体3に対して別個に回転可能とされている。従
って攪拌羽根部材4は、陽極体3の回転速度に対して異
なる回転速度で回転可能である。
【0017】攪拌羽根部材4の下部は第2駆動源82に
接続されており、第2駆動源82が駆動すると、攪拌羽
根部材4が前記軸芯P1を中心として正方向または逆方
向に回転する。第2駆動源82、第1駆動源81は、ベ
ルトやチェーンで回転する回転体で構成できる。図2に
攪拌羽根部材4の回転軌跡をRとして示す。更に図2に
示すように、攪拌羽根部材4は、被めっき物7の周方向
において所定の間隔で複数個設けられている。図2から
理解できるように、攪拌羽根部材4は、その横断面では
互いに交差する向きに配設された第1羽根部41と第2
羽根部42とを備えており、『断面略V』の字形状をな
している。第1羽根部41と第2羽根部42との交差角
θ(図3参照)はめっき処理の形態に応じて適宜設定で
きるものの、例えば90°にできる。
【0018】図2から理解できるように、攪拌羽根部材
4の第1羽根部41は、被めっき物7の空洞孔70の内
面72に対面している。即ち、横断面において、第1羽
根部41の前面中央に対して垂直な法線X1が攪拌羽根
部材4の回転軌跡Rよりも外側に位置している。そのた
め、攪拌羽根部材4の第1羽根部41が回転したときに
生じる旋回流は、回転軌跡Rの外側つまり被めっき物7
の空洞孔70の内面72に向けて流れ易い。そのため、
陰極である被めっき物7の空洞孔70の内面72近傍に
おける攪拌効果が一層向上する。従って内面72近傍へ
の金属イオンの補給性が増加し、内面72近傍における
金属イオンの欠乏層の回避に有利であり、故に陰極にお
けるめっき金属の析出効率を向上できる。よってめっき
効率が向上する。
【0019】また図2から理解できるように、攪拌羽根
部材4の第2羽根部42は陽極体3の外周面の側に寄せ
られている。即ち図2から理解できるように、第2羽根
部42の前面中央に対して垂直な法線X2が攪拌羽根部
材4の回転軌跡Rよりも内側に位置している。そのた
め、攪拌羽根部材4の第2羽根部42が回転したときに
生じる旋回流は、陽極体3の外周面に向けて流れ易い。
そのため、陽極体3の外周面近傍における攪拌効果が一
層向上する。よって、陽極体3から溶解した金属イオン
が陽極体3の外周面近傍で高濃度のまま偏在することを
抑え得る。即ち、陽極体3の外周面近傍での金属イオン
の高濃度化を回避するのに有利である。
【0020】上記した陽極体3の回転速度や攪拌羽根部
材4の回転速度は、被めっき物7の種類やめっき処理の
種類等に応じて、適宜選択できる。例えば、陽極体3の
回転速度は例えば数十rpm〜数百rpm程度にできる
が、これに限定されるものではない。なおrpmは一分
間あたりの回転数を意味する。攪拌羽根部材4の回転方
向と陽極体3の回転方向とは互いに同方向でも良いし、
互いに逆方向でも良い。
【0021】攪拌羽根部材4の回転速度(一分間あたり
の回転数)をVM とし、陽極体3の回転速度(一分間あ
たりの回転数)をVA としたとき、(VM /VA )は例
えば−10〜10程度、特に−2〜2程度にできる。た
だし、これに限定されるものではない。めっき処理する
場合には、被めっき物7が保持部1に保持されて固定さ
れている状態で、めっき液供給源W2からめっき液Wが
所定の流速で連続的に通路2に供給され、めっき液Wが
通路2の先端開口2cから被めっき物7の空洞孔70内
に供給される。めっき液Wは、めっきする金属イオンを
含む溶液を用いる。めっき液Wには、セラミックス粒子
(例えばアルミナ、ジルコニア、炭化珪素等)等の微小
粒子が含まれていても良い。
【0022】通路2の先端開口2cから供給されためっ
き液Wは、上向きに流れ、被めっき物7の内面72に沿
って上昇し、保持部1の上端開口1hから流出される。
一般的には、上向きの流れの方向と、攪拌羽根部材4や
陽極体3により旋回流れの方向とが合成された方向に沿
って、つまり略螺旋方向に沿ってめっき液Wは流れる。
【0023】上記のようなめっき処理においては、第1
駆動源81及び第2駆動源82が駆動して陽極体3と攪
拌羽根部材4とがそれぞれ回転する。これによりめっき
液Wを攪拌させる。なお本実施例によれば、被めっき物
7は固定されており、非回転状態である。上記のような
めっき処理では、陰極とされた被めっき物7と、陽極と
された陽極体3との間に電圧が印加され、従って陽極体
3を構成する成分が金属イオンとしてめっき液W中に溶
解する。溶解した金属イオンは、陰極である被めっき物
7の内面72の側に泳動し、めっき金属として析出し、
これにより被めっき物7の内面72にめっき膜が積層さ
れる。なお、必要に応じて高周波電流を流すパルスめっ
きを行うこともできる。
【0024】陰極側に泳動した金属イオンは、次々と金
属として析出て陰極でめっき金属となるため、陰極側で
は金属イオンの欠乏層が生じ易い。めっき処理の効率を
高めるには、陰極側では、金属イオンの欠乏層を防止し
てめっき金属の析出効率を向上させることが好ましい。
更に陽極側では、陽極体3の表面近傍での金属イオンの
高濃度化を防止して金属イオンの溶解効率を向上させる
ことが好ましい。仮に、陽極体3の外周面近傍での攪拌
効果が小さいと、陽極体3から溶解した金属イオンが陽
極体3の外周面近傍に過剰に溜まり、陽極体3の外周面
での金属イオンが高濃度となり、結果として、陽極体3
から金属イオンが溶解する溶解効率が低下する傾向があ
る。
【0025】しかし、陽極体3がめっき液W内で回転す
るだけでは、陰極である被めっき物7の内面72に対す
る攪拌効果は得られるものの、陽極体3の外周面に対す
る攪拌効果は必ずしも充分ではない。その理由は、陽極
体3の外周面近傍のめっき液Wは、陽極体3の外周面に
対する相対移動量が小さいからである。この点本実施例
によれば、攪拌羽根部材4は陽極体3とは別個に回転す
るものである。そのため本実施例によれば、陽極体3を
回転させるため、陰極である被めっき物7の内面72近
傍のめっき液Wを攪拌できるばかりか、攪拌羽根部材4
と陽極体3との間に相対的な回転速度差をつけて、攪拌
羽根部材4を回転させることができる。
【0026】このように攪拌羽根部材4と陽極体3との
間に相対的な回転速度差をつけて、攪拌羽根部材4を回
転させれば、陽極体3の外周面近傍のめっき液Wは、陽
極体3に対する相対移動量が大きくなる。従って、陽極
体3の外周面近傍のめっき液Wの攪拌効果を一層向上さ
せることができる。故に陽極体3の外周面近傍での金属
イオンの高濃度化が抑制される。故に、陽極体3の外周
面近傍におけるめっき効率が向上し、高速めっきに有利
である。
【0027】陽極体3が鉄系であり、鉄めっき膜を積層
する場合を例にとって、更に説明を加える。この場合に
は、陽極側、陰極側においては、次のような反応が起こ
ると考えられている。 陽極側の反応 Fe→Fe2++2e- 2H2 O→O2 +4H+ +4e- Fe2+→Fe3++e- 陰極側の反応 Fe2++2e- →Fe Fe3++e- →Fe2+ 2H+ +2e- →H2 ↑(↑印はガスを意味する。) ここでめっき処理において目的とする反応は、であ
り、の反応を促進させれば、めっき効率が向上す
る。なお、以外の他の反応は、めっき効率、めっき
品質の確保には、好ましくないと考えられている。
【0028】陽極側での上記したの反応を促進するに
は、前述したように陽極表面近傍における金属イオンで
あるFe2+の高濃度化を防止することが好ましい。また
陰極側での上記したの反応を促進するには、陰極表面
近傍に金属イオンであるFe 2+を供給して、前述したよ
うに陰極表面でのFe2+の欠乏層を防止することが好ま
しい。
【0029】この点上記した実施例によれば、前述した
ように、攪拌羽根部材4と陽極体3との間に相対的な回
転速度差をつけて、攪拌羽根部材4を回転させるので、
陽極体3の外周面における攪拌効果を一層向上させるこ
とができ、従って陽極体3の外周面の近傍におけるFe
2+の高濃度化を防止するのに有利である。よって上記し
たの反応が促進され、結果として、上記電気めっき処
理において好ましくないと考えられている上記した
の反応が起こりにくくなり、この意味においても、めっ
き効率の確保やめっき品質の向上に有利となる。
【0030】勿論、本実施例によれば前述したように、
陽極体3及び攪拌羽根部材4の双方が回転するため、陰
極である被めっき物7の内面72における攪拌効果も確
保される。故に、陰極である被めっき物7の内面72近
傍で発生しがちのFe2+の欠乏層を解消するのに貢献で
き、被めっき物7の内面72近傍でFe2+の欠乏を防止
するのに有利である。従って上記したの反応が促進さ
れ、結果として、好ましくないと考えられているの
反応が起こりにくくなり、この意味においても、めっき
効率の確保やめっき品質の向上に有利となる。
【0031】更には攪拌効果が向上するため、陰極であ
るである被めっき物7の内面72近傍で発生するH2
スを内面72から離脱させるのにも有利である。 (他の例)図4は他の例を示す。この例では攪拌羽根部
材4は、その横断面において平板状である。そしてこの
攪拌羽根部材4はその向きが変更可能とされており、攪
拌羽根部材4の前面は被めっき物7の空洞孔70の内面
72に対面したり、陽極体3の外周面に対面したりでき
る。
【0032】図4に示すように、攪拌羽根部材4の前面
を被めっき物7の空洞孔70の内面72に対面させたと
きには、つまり攪拌羽根部材4の前面中央に対して垂直
な法線X3が攪拌羽根部材4の回転軌跡Rよりも外側に
位置するときには、攪拌羽根部材4が回転したときに生
じる旋回流は、被めっき物7の空洞孔70の内面72に
向けて流れ易いため、陰極である被めっき物7の空洞孔
70の内面72近傍における攪拌効果が一層向上でき
る。故に、陰極における金属イオンの欠乏層を防止する
のに有利であり、陰極におけるめっき金属の析出効率を
向上できる。
【0033】また図5に示すように、攪拌羽根部材4の
前面が陽極体3の外周面に寄せられているときには、つ
まり攪拌羽根部材4の前面中央に対して垂直な法線X4
が攪拌羽根部材4の回転軌跡Rよりも内側に位置すると
きには、攪拌羽根部材4が回転したときに生じる旋回流
は、陽極体3の外周面に向けて流れ易い。そのため、陽
極体3の外周面近傍における攪拌効果が向上するので、
陽極体3の外周面近傍における金属イオンの高濃度化を
抑えるのに有利である。陽極体3の溶解効率を向上でき
る。
【0034】なお攪拌羽根部材4を回転可能とするにあ
たっては、公知の回転構造を採用できる。例えば図6に
示すように攪拌羽根部材4を支持するための支持軸45
を設け、支持軸45にピニオン46を設け、このピニオ
ン46をラック47の直動で正方向または逆方向に適宜
回転させる構造を採用できる。 (試験例)図1及び図2に示す装置を用いて、次の条件
で試験を行った。この試験例では、被めっき物7の空洞
孔70の内面72の内径D1は87.5mm、攪拌羽根
部材4の回転軌跡の直径D2は86.8mm、溶解前の
陽極体3の直径D3は85.8mmである。この試験で
用いた材質としては、めっき液Wが鉄イオンを含む硫酸
酸性水溶液、陽極体3が鉄系、被めっき物7がアルミ合
金、攪拌羽根部材4が樹脂である。めっき液Wの目標温
度は40〜80°Cであり、めっき液Wの目標流速は5
0〜100cm/秒、陰極における電流密度は80〜1
00A/dm 2 である。めっき膜の目標厚みは200μ
m程度である。
【0035】この試験例では、第1羽根部41は、断面
で、前面辺の長さL1(図3参照)が5mm、背向辺の
長さL2が3mmであり、第2羽根部42は、断面で、
前面辺の長さL3が5mm、背向辺の長さL4が3mm
であり、第1羽根部41と第2羽根部42との交差角θ
は90°である。この試験例によれば、めっき効率が向
上し、被めっき物7の内面72に高速にめっき処理でき
た。
【0036】また図1及び図2に示す例において、攪拌
羽根部材4の回転速度をVM とし、陽極体3の回転速度
をVA とし、(VM /VA )を変化させたときにおける
陰極における析出効率と溶解効率との関係を測定した。
試験結果を図7図に示す。図7では、縦軸の左方は析出
効率を示し、縦軸の右方は陽極体3の溶解効率を示し、
横軸は、(VM /VA )、つまり陽極体3の回転速度よ
りも攪拌羽根部材4の回転速度が増加する割合を示す。
従って横軸において右方に向かうにつれて、陽極体3の
回転速度よりも攪拌羽根部材4の回転速度が増加するこ
とを意味する。
【0037】図7の特性線Aは析出効率を示し、特性線
Bは陽極溶解効率を示す。ここで、めっきに関するファ
ラデーの法則は、陽極と陰極との間に流れた電気量(電
流の強さ×時間)にめっき析出量や陽極溶解量が比例す
るという法則である。この法則に基づき、流した電気量
で換算した理論上のめっき膜厚を100%と規定し、実
際のめっき膜の厚みに基づいて析出効率を求めた。また
流した電気量で換算した理論上の陽極体3の重量減少量
(溶解量に相当)を100%と規定し、陽極体3の実際
の重量減少量に基づいて溶解効率を求めた。
【0038】図7の特性線A、特性線Bから理解できる
ように、(VM /VA )が増加すれば、つまり陽極体3
の回転速度よりも攪拌羽根部材4の回転速度が増加すれ
ば、析出効率が向上するばかりか、陽極溶解効率も向上
する。更に図4に示す形態でめっき処理を行い、析出効
率及び陽極溶解効率を測定し、その結果を図8に示し
た。図8の特性線Aは析出効率を示し、特性線Bは陽極
溶解効率を示し、横軸のマイナス記号は、陽極体3の回
転方向と攪拌羽根部材4の回転方向とが逆であることを
意味する。図8の特性線A、特性線Bから理解できるよ
うに、(VM /VA )が『1』の手前の領域で、析出効
率及び陽極溶解効率の向上度がやや停滞するものの、
(VM /VA )が『1』よりも増加すれば、つまり陽極
体3の回転速度よりも攪拌羽根部材4の回転速度が増加
すれば、析出効率が向上するばかりか、陽極溶解効率も
向上する。
【0039】更に、図5に示す形態でめっき処理を行
い、析出効率及び陽極溶解効率を測定し、その結果を図
9に示した。図9の特性線Aは析出効率を示し、特性線
Bは陽極溶解効率を示す。図9の特性線Bから理解でき
るように、(VM /VA )が『1』よりも増加すれば、
つまり陽極体3の回転速度よりも攪拌羽根部材4の回転
速度が増加すれば、陽極溶解効率も向上する。図9にお
いて特性線Bの上昇勾配は大きいが、特性線Aの上昇勾
配は、特性線Bの上昇勾配よりも小さい。
【0040】(付記)上記した実施例から次の技術的思
想も把握できる。 ○攪拌羽根部材は、被めっき物の空洞孔の内面及び陽極
体の側に向けてそれぞれ方向変換可能であることを特徴
とする請求項1または請求項2。
【0041】
【発明の効果】本発明装置によれば、攪拌羽根部材は、
陽極体とは別個に回転するものである。そのため陽極体
と羽根部材との間に相対的な回転速度差をつけて、攪拌
羽根部材を回転させることができる。従って、陽極体の
外周面近傍のめっき液の陽極体に対する相対移動量を大
きくできる。よって、陽極体の外周面近傍のめっき液の
攪拌効果を一層向上させることができる。故にめっき効
率が向上し、高速めっきに有利である。
【0042】本発明方法によれば、陽極体と羽根部材と
の間に相対的な回転速度差をつけて、攪拌羽根部材を回
転させるため、前述同様に、陽極体の外周面近傍のめっ
き液の陽極体に対する相対移動量が大きくなる。よっ
て、陽極体の外周面近傍のめっき液の攪拌効果を一層向
上させることができる。故にめっき効率が向上し、高速
めっきに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る装置でめっき処理している形態を
模式的に示す構成図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】攪拌羽根部材の横断面図である。
【図4】他の例に係る装置でめっき処理している形態を
模式的に示す構成図である。
【図5】他の例に係る装置でめっき処理している形態を
模式的に示す構成図である。
【図6】攪拌羽根部材の向き変更構造の一例を模式的に
示す構成図である。
【図7】攪拌羽根部材の回転速度と陽極体の回転速度と
の比と、析出効率及び陽極溶解効率との関係を示すグラ
フである。
【図8】攪拌羽根部材の回転速度と陽極体の回転速度と
の比と、析出効率及び陽極溶解効率との関係を示すグラ
フである。
【図9】攪拌羽根部材の回転速度と陽極体の回転速度と
の比と、析出効率及び陽極溶解効率との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
図中、1は保持部、2は通路、3は陽極体、4は攪拌羽
根部材、Wはめっき液、7は被めっき物、70は空洞
孔、72は内面を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき液が供給される空洞孔をもつととも
    に陰極となる被めっき物の前記空洞孔を区画する内面に
    めっき処理する装置であって、 前記被めっき物の空洞孔内に配置され、前記空洞孔を区
    画する内面で包囲される陽極体と、 前記被めっき物の空洞孔を区画する内面と前記陽極体と
    の間に回転可能に配置され、前記陽極体に対して別個に
    回転する攪拌羽根部材とを具備することを特徴とする空
    洞孔内面めっき装置。
  2. 【請求項2】空洞孔をもつと共に陰極となる被めっき物
    の空洞孔を区画する内面にめっきする方法であって、 前記被めっき物の空洞孔内に陽極体を配置すると共に、
    前記被めっき物の空洞孔内に回転可能な攪拌羽根部材を
    配置し、かつ、前記被めっき物の空洞孔にめっき液を供
    給した状態で、 前記攪拌羽根部材と前記陽極体との間に相対的な回転速
    度差をつけて、前記攪拌羽根部材を回転させることによ
    りめっき液を攪拌しつつ、前記被めっき物の空洞孔の内
    面をめっき処理することを特徴とする空洞孔内面めっき
    方法。
JP12318396A 1996-05-17 1996-05-17 空洞孔内面めっき装置及び空洞孔内面めっき方法 Pending JPH09310196A (ja)

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