JPH0931095A - 複合糖質の製法 - Google Patents
複合糖質の製法Info
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- JPH0931095A JPH0931095A JP7203945A JP20394595A JPH0931095A JP H0931095 A JPH0931095 A JP H0931095A JP 7203945 A JP7203945 A JP 7203945A JP 20394595 A JP20394595 A JP 20394595A JP H0931095 A JPH0931095 A JP H0931095A
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Abstract
簡便な製造方法を提供する。 【構成】 エンドグリコシダーゼの存在下、複合糖質
(糖鎖供与体)の糖鎖を下記式(化1) 【化1】 (式中、R1 はH、アミノ保護基、アミノ酸、ペプチド
あるいはN末端アミノ酸のαアミノ基を保護したペプチ
ドを示す。R2 はOH、カルボキシル保護基、アミノ
酸、ペプチドあるいはC末端アミノ酸のカルボキシル基
を保護したペプチドを示す。nは1あるいは2であ
る。)で示されるN−アセチルグルコサミン(GlcN
Ac)残基を有する合成基質(糖鎖受容体)に転移させ
ることにより複合糖ペプチドを製造する方法。 【効果】 望み通りの天然にはない複合糖質を合成で
き、生理活性複合糖ペプチドの製造に有効である。
Description
応と酵素による糖鎖転移反応を組み合わせた生理活性複
合糖ペプチドの製造方法に関する。本発明は医薬分野に
応用される。
等に存在し、細胞の基質認識や細胞−細胞間の認識等に
深く関わっている。また糖質は生体内物質の吸収分解等
の代謝の速度に関係している。タンパク質には糖鎖を持
つものが知られ、例えばエリスロポエチンやティシュー
プラスミノーゲンアクチベーターがあり、動物細胞を用
い遺伝子工学的に作られたこれら糖タンパク質が医薬と
して利用されている。またペプチドホルモンの中にも糖
鎖を持つものが知られ、例えばヒト絨毛性性腺刺激ホル
モン(hCG)等がある。これら糖タンパク質あるいは
糖ペプチドでは糖鎖がN結合型糖鎖として、ペプチド鎖
のAsnにGlcNAcを介して結合している。
糖鎖を付けたり、あるいは今ある糖鎖を別の糖鎖に換え
ることにより、生理機能の強化や生理活性の改変に役立
つことが期待される。糖鎖を酵素的に改変する方法とし
ては、1)転移酵素あるいはエキソグリコシダーゼによ
る方法と、2)エンドグリコシダーゼによる方法が考え
られる。
ジアッセ(D. H. Joziasse)ら[ヨーロピアン ジャー
ナル オブ バイオケミストリー(Eur. J. Bioche
m.)、 第191巻、第75〜83頁(1990)]の報
告があるが、これは糖鎖の非還元末端からの逐次反応で
ある。また、最近、M.シャスター(M. Schuster)ら
[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエテ
イ(J. Amer. Chem. Soc.)、第116巻、第1135
〜1136頁(1994)]は数種のグリコシルトラン
スフェラーゼを組み合わせた糖鎖の固相合成法を報告し
ている。
た糖転移反応としては、R.B.トリムブル(R. B. Tr
imble)ら[ジャーナル オブ バイオロジカル ケミ
ストリー(J. Biol. Chem.)、第261巻、第1200
0〜12005頁(1986)]のフラボバクテリウム
メニンゴセプチカム(Flavobacterium meningoseptic
um)由来のエンド−β−N−アセチルグルコサミニダー
ゼ(エンド−F)に関するもの、R.M.バーデールス
(R. M. Bardales)ら[ジャーナル オブ バイオロジ
カル ケミストリー(J. Biol. Chem.)、第264巻、
第19893〜19897頁(1989)]のディプロ
コッカス ニューモニエ(Diprococcuspneumoniae)由
来のエンド−α−N−アセチルガラクトサミニダーゼに
関するものがあり、前者はグリセロールが受容体に、ま
た後者はグリセロール、p−ニトロフェノール、セリ
ン、スレオニン等が受容体になるという報告である。そ
の後、竹川ら[特開平5−64594号(1993)]
およびK.タケガワ(K. Takegawa)ら[ジャーナル
オブ バイオロジカル ケミストリー(J. Biol. Che
m.)、第270巻、第3094〜3099頁(199
5)]がアルスロバクタープロトホルミエ(Arthrobact
er protophormiae)由来のエンド−β−N−アセチルグ
ルコサミニダーゼ(エンド−A)による糖質への糖鎖転
移反応を、また、K.ヤマモト(K. Yamamoto)ら[バ
イオケミカル バイオフィジカル リサーチ コミュニ
ケーション(Biochem. Biophys. Res. Commun.)、第2
03巻、第244〜252頁(1994)]はムコール
ヒエマリス(Mucor hiemalis)由来のエンド−Mによ
る糖質への糖鎖転移反応を報告した。
糖鎖が付加する側のタンパク質、ペプチドあるいはセラ
ミド部分等から構成されている。糖質に糖鎖を新たに付
与したりあるいは他の糖鎖と入れ換えたりする、いわゆ
る糖鎖の改変(リモデリング)により複合糖質の生体内
での安定性や生物活性が天然の複合糖質に比べて増強さ
れたり天然にない生物機能が付加されれば医薬品に応用
した場合に有用である。また、複合糖質における糖鎖の
もつ生理的機能は今まで糖鎖改変の有効な手段がなかっ
たために、十分には解明されていないが、その役割の解
析のための重要な手段を提供する。
あるいは改変する方法としては、エキソグリコシダーゼ
またはグリコシルトランスフェラーゼを用いた糖残基を
一つ一つ逐次的に付加する酵素法が考えられる。また、
エンド−Aやエンド−M等のエンドグリコシダーゼによ
る方法は複合糖鎖をブロックとして糖質や複合糖質に転
移させる、より効率的な方法を提供する。
糖鎖は、通常N結合型糖鎖として、Asn−X−Ser
(Thr)[Xは任意のアミノ酸、Ser(Thr)は
セリンまたはスレオニンを示す]のアミノ酸配列のペプ
チド鎖のAsnのアミド基に結合したGlcNAcを介
して結合している。即ちこのアミノ酸配列のAsnに、
末端にGlcNAc残基を有する糖鎖が付加され更に修
飾を受けてN結合型複合糖鎖は生合成される。従って、
天然にはこのアミノ酸配列のAsnに結合した糖鎖以外
のN結合型糖鎖は見出されていない。
には糖鎖受容体であるタンパク質あるいはペプチドにG
lcNAc残基があることが必要であり、糖鎖の付加あ
るいは改変は、従来、天然の糖タンパク質あるいは糖ペ
プチドの糖鎖をエンドグリコシダーゼあるいはエキソグ
リコシダーゼによりGlcNAc残基を残して切り取っ
た後に別の糖タンパク質から調製した糖鎖を付け換える
ものに限られていた。
−Ser(Thr)の配列があっても糖鎖の付かないも
のも多く、例えばカルシトニンなどはその一例である。
またAsnがあってもこの配列が無ければ生合成段階で
の糖鎖の付加はできない。
プチド(GlcNAc−Asn−ペプチド)を化学的に
合成できれば、上述の酵素法によりAsnに結合したG
lcNAc残基に糖鎖を付加した新しい複合糖ペプチド
を合成できる。この場合、ペプチド側にはAsn−X−
Ser(Thr)の配列は必ずしも必要とせずAsnの
みあればよい。また、Asnに類縁のアミノ酸であるグ
ルタミン(Gln)にGlcNAc残基を付けた糖ペプ
チドを合成すれば、同様の複合糖ペプチドの合成が期待
できる。
が数十個のものまでの合成が工業的に実用化されてい
る。
とも1個含むペプチド即ち合成基質を化学的に合成し、
この足がかりの糖残基へ糖あるいは糖鎖を酵素的に転移
させれば新しい複合糖ペプチドが合成できるとの考えに
基づき開発されたものである。
発明は1)糖鎖受容体となるGlcNAc残基を有する
合成基質の合成と、2)GlcNAc残基を有する合成
基質(糖鎖受容体)への酵素による糖鎖の転移反応の2
つの構成からなる。
成基質とは、下記式(化1)
ペプチドあるいはN末端アミノ酸のαアミノ基を保護し
たペプチドを示す。R2 はOH、カルボキシル保護基、
アミノ酸、ペプチドあるいはC末端アミノ酸のカルボキ
シル基を保護したペプチドを示す。nは1あるいは2で
ある。)で示される化合物である。
される物質をいい、天然に存在する糖タンパク質あるい
は糖ペプチドのグリコシダーゼおよびプロテアーゼ等の
酵素分解処理により調製されるGlcNAc残基を有す
る遊離のペプチドは(化1)の物質からは除外される。
合成基質の合成は如何なる方法によってもよいが、例え
ばT.イナヅ(T. Inazu)ら[ペプチド ケミストリー
1993(Peptide Chemistry 1993 )、第101〜
104頁(1994)]の報告した方法に準じて合成さ
れる。
毛性性腺刺激ホルモン(hCG)のβサブユニットの部
分ペプチドhCG(β12−16)[H−Ile−As
n−Ala−Thr−Leu−OH](Ileはイソロ
イシン、Alaはアラニン、Thrはスレオニン、Le
uはロイシンを示す。)の合成を例にとると、予め、N
末端を保護(9−フルオレニルメチルオキシカルボニ
ル、Fmoc)したアスパラギンのアミド基にGlcN
Acが結合したFmoc−Asn−GlcNAc誘導体
を合成しておき、ペプチドの固相合成の段階でAsnの
代わりに用いてペプチド合成を行うと、AsnにGlc
NAc残基が結合したhCG(β12−16)ペプチド
[Fmoc−Ile−Asn(GlcNAc)−Ala
−Thr−Leu−OH]が合成される。
(Thr)のアミノ酸配列がなくても、アミノ酸配列の
中にAsnがあればAsnの代わりにGlcNAcがア
ミド基に結合したAsn(GlcNAc−Asn)を用
いてペプチド合成することにより、任意のGlcNAc
−Asn−ペプチドが合成できる。このAsnに結合し
たGlcNAcに糖鎖を転移させて天然にはない複合糖
ペプチドを合成することが可能となる。
ミン(GlcNAc−Gln)をGlnに代えて用いる
ことによりGlcNAcがGlnに結合したペプチド
(GlcNAc−Gln−ペプチド)が合成される。
(化1)のnが2の化合物がこれに当たる。
ミノ基の保護基としては、例えば、9−フルオレニルメ
チルオキシカルボニル(Fmoc)基、第3ブチルオキ
シカルボニル(Boc)基、3−ニトロ−2−ピリジン
スルフェニル(Npys)基、ベンジルオキシカルボニ
ル(Z)基あるいはダンシル(DNS)基等が用いられ
る。
に常法により外すか、あるいは予め保護基を外した後に
糖鎖転移反応に供してもよい。
護基としては、第3ブチル(But)基、ベンジル(B
zl)基あるいはメチル(Me)基等であるが、水への
溶解性を上げるために保護基を外し、遊離型で用いるこ
とが多い。
合成基質への糖鎖供与体からの糖鎖の転移反応による付
加である。
(式1):X−GlcNAc−Y + Z → X−G
lcNAc−Z + Y (式1)[式中、Xは複合
糖鎖、Yは糖質あるいは複合糖質、Zは(化1)に示し
た合成基質]で表される転移反応を行うことを特徴とす
る。
ては、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ
(EC3.2.1.96)であり、例えば、エンド−A
やエンド−M等が用いられる。該酵素は下記式(式
2):R−GlcNAc−GlcNAc−Asn−(ペ
プチドまたはタンパク質)(式2)(式中Rは複合糖鎖
を示す)のアスパラギン(Asn)結合型糖鎖のキトビ
オース部分(GlcNAc−GlcNAc)の間を加水
分解するが、この時に適当な糖鎖受容体があると、受容
体に糖鎖(R−GlcNAc)部分が転移する。(式
1)の反応はそれを利用したものである。
の糖鎖受容体となるのは、通常、Asn−X−Ser
(Thr)配列を含むペプチドのAsnに結合したGl
cNAc残基である。
くても、Asnに結合したGlcNAc残基を有するペ
プチド(GlcNAc−Asn−ペプチド)であればエ
ンドグリコシダーゼによる糖鎖転移反応の糖鎖受容体に
なり得ることが分かった。また、ペプチドのN末端αア
ミノ基及びC末端カルボキシル基は遊離型でなく、いず
れかあるいは両末端とも保護されていても反応が進行し
た。
グルタミン(Gln)に結合したGlcNAc残基を含
むペプチド(GlcNAc−Gln−ペプチド)のGl
cNAc残基にもAsnの場合と同様に糖鎖の転移反応
が起きることが分かった。
合成基質はかかる知見に基づき調製されたものであり、
この合成基質への酵素による糖鎖の転移反応を行う本発
明を完成させた。
は、エンド−Aは高マンノース型糖鎖のみに作用する
が、エンド−Mは高マンノース型のみならず複合型糖鎖
や混成型糖鎖にも作用する。
り、(式1)のZの代わりに水が入り加水分解反応が転
移反応とともに副反応として進行する。また、(式1)
で生成した転移反応生成物(X−GlcNAc−Z)は
加水分解反応の基質となり再分解を受ける。
分解反応を抑えて(式1)の反応を優先的に行わせるこ
とが必要である。与酵素量を減らし、基質である糖鎖供
与体(X−GlcNAc−Y)と糖鎖受容体(Z)の仕
込濃度を、そのモル比を1近くにしつつ高濃度にするこ
とにより反応の場(酵素の活性中心)における水の影響
を排して転移反応を効率よく進行させることができる。
下で行うことである。即ち糖鎖供与体から受容体への糖
鎖転移反応の速度が与酵素量に依存し、その速度を最大
にするに必要な最少量の酵素量になるように酵素の添加
量を制限して反応する。例えばエンド−Mの場合、糖鎖
供与体に対して500ユニット(U)/モル(供与体)
以下、望ましくは80〜400U/モル(供与体)程度
の酵素量を加える。なおここで、酵素の1ユニット
(U)は、ヒトトランスフェリン由来のアシアロ複合型
糖鎖のダンシル化(DNS)誘導体を加水分解して、3
7℃、1分間に1マイクロモル(μmol)のN−アセ
チルグルコサミニル−アスパラギンのDNS誘導体(G
lcNAc−Asn−DNS)を生成させるに必要な酵
素量である。
めることも重要である。与酵素量を制限しつつ両基質を
高濃度に仕込むことにより、糖鎖転移反応が促進され副
反応が抑えられて反応収率は飛躍的に向上する。その濃
度は、糖鎖供与体が10mM以上、望ましくは15〜7
5mMがよい。また糖鎖受容体は2.5mM以上、望ま
しくは7.5〜35mM程度がよい。糖鎖受容体の濃度
は高い方が望ましいが、合成基質の溶解度が低い場合に
は2.5mM程度の濃度でも用いられる。
ンノース型、複合型、混成型いずれの糖鎖も用いられ
る。高マンノース型糖鎖は例えば卵白アルブミン等か
ら、またシアル酸を含有する複合型糖鎖は例えばヒトト
ランスフェリンや牛フェツイン等から調製され、シアリ
ダーゼ処理等によりシアル酸を外せばアシアロ複合型糖
鎖が調製される。酵素的あるいは化学的に修飾された糖
鎖、あるいは化学合成された糖鎖も用いることができ
る。
受容体および酵素のエンドグリコシダーゼを緩衝溶液中
で混合することにより行われる。先述のごとく、糖鎖供
与体の濃度を10mM以上、望ましくは15〜75m
M、糖鎖受容体の濃度を2.5mM以上、望ましくは
7.5〜35mMになるように加える。酵素量は500
U/モル(供与体)以下、望ましくは80〜400U/
モル(供与体)程度に制限し、例えば、エンド−Mの場
合、2〜10mU/ml程度の量で用いる。緩衝液とし
ては、pH5〜8程度、濃度25〜200mM、望まし
くは50〜100mMの適当な緩衝液が用いられる。エ
ンド−Mの場合、通常pH5.5〜6.5、濃度50〜
100mMの酢酸あるいはリン酸緩衝液中で反応が行わ
れる。基本的な反応液組成の一例は、糖鎖供与体25m
M、糖鎖受容体10mM、エンド−M4mU/mlおよ
び60mMリン酸緩衝液(pH6.25)である。
しくは30〜40℃で行われ、反応時間は1〜24時間
である。例えば、エンド−M酵素の場合、通常、37℃
で3〜18時間程度反応が行われる。
応終了液から容易に分離精製することが出来る。例え
ば、ゲルろ過カラムクロマトグラフィー、イオン交換樹
脂カラムクロマトグラフィー、レクチンカラムクロマト
グラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
等により反応終了液から反応生成物の複合糖質を分離
し、更に濃縮、脱塩、凍結乾燥等を行えばよい。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
への糖鎖転移反応:糖鎖供与体として、卵白アルブミン
をプロナーゼ処理、セファデックスG−25ゲルろ過更
にDowex50イオン交換クロマトにより分離精製し
て得た高マンノース型糖鎖(Man)6−(GlcNA
c)2−Asn(分子量1651)を1μmol(終濃
度25mM)、糖鎖受容体としてGlcNAc−Asn
−Fmoc(分子量558)を400nmol(同10
mM)、エンド−Mを160μU(同4mU/ml)加
え、60mMリン酸緩衝液(pH6.25)40μl中
で37℃、18時間反応させた。加熱処理により反応停
止後、反応液を蒸留水で1mlに希釈し反応生成物をH
PLCで分析した。4.0%の反応収率(対糖鎖受容
体、モル比)でGlcNAc−Asn−Fmocへの転
移反応生成物が得られた。反応生成物をHPLC分取
し、質量分析の結果、m/z[M−H]1732にシグ
ナルが観察され、(Man)6−(GlcNAc)2−A
snからGlcNAc−Asn−Fmocへの転移反応
生成物、即ち(Man)6 −(GlcNAc)2 −As
n−Fmoc(分子量1734)であることが確認され
た。
Asn−Fmocへの転移反応: 糖鎖供与体として、
ヒトトランスフェリン(生化学工業)をプロナーゼ処
理、セファデックスG−25ゲルろ過を繰り返して得た
Asn残基のみを有するシアロ糖ペプチド(TF−SG
P、分子量2338)を1μmol(終濃度25mM)
とGlcNAc−Asn−Fmoc 400nmol
(同10mM)を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.2
5)24μlに溶解し、エンド−M 160μUを含む
酵素溶液16μlを加え、37℃で6時間反応した。反
応停止後反応液を蒸留水で1mlに希釈して、反応生成
物をHPLCで分析した。転移反応生成物が反応6時間
で4.5%の収率で得られた。反応生成物をHPLC分
取により単離し、質量分析の結果、m/z[M−H]2
561にシグナルが観測され、ジシアロ2本鎖複合型糖
鎖がGlcNAc−Asn−Fmocに転移した化合物
(分子量2560)であることが確認された。
−Asn−Fmocへの転移反応: 糖鎖供与体とし
て、ヒトトランスフェリン由来のシアロ糖ペプチド(T
F−SGP)をシアリダーゼ処理してシアル酸を外した
アシアロ糖ペプチド(TF−ASGP、分子量175
6)を1μmol(終濃度25mM)とGlcNAc−
Asn−Fmoc 400nmol(同10mM)を
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.25)24μlに溶解
し、エンド−M 160μUを含む酵素溶液16μlを
加え、37℃で6時間反応した。反応停止後反応液を蒸
留水で1mlに希釈して、反応生成物をHPLCで分析
した。転移反応生成物が反応6時間で8.0%の収率で
得られた。反応生成物をHPLC分取により単離し、質
量分析の結果、m/z[M−H]1983にシグナルが
観測され、アシアロ2本鎖複合型糖鎖がGlcNAc−
Asn−Fmocに転移した化合物(分子量1978)
であることが確認された。
−Asn−Npysへの糖鎖転移反応:糖鎖受容体とし
てのGlcNAc−Asnの3−ニトロ−2−ピリジン
スルフェニル(Npys)誘導体(GlcNAc−As
n−Npys)(分子量489)はAsnのαアミノ保
護基をNpys基にした化合物として合成した。糖鎖供
与体として実施例3と同様に調製したアシアロ糖ペプチ
ド(TF−ASGP)を用いた。アシアロ糖ペプチド
(TF−ASGP)を1μmol(終濃度25mM)と
GlcNAc−Asn−Npys 500nmol(同
12.5mM)を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.2
5)24μlに溶解し、エンド−M 160μUを含む
酵素溶液16μlを加え、37℃で3時間反応させた。
反応停止後反応液を蒸留水で1mlに希釈して、反応生
成物をHPLCで分析したところ、転移反応生成物が
7.0%の収率で得られた。反応生成物をHPLC分取
し、質量分析したところ、分子量1910に相当するイ
オンピーク(m/z)観察され、トランスフェリン由来
のアシアロ2本鎖複合型糖鎖がGlcNAc−Asn−
Npysに転移した化合物であることが確認された。
の転移反応: 糖鎖受容体として、ヒト絨毛性性腺刺激
ホルモン(hCG)のβ鎖の部分ペプチドhCG(β1
2−16)のAsn残基にGlcNAcを付けたペプチ
ド[Fmoc−Ile−Asn(GlcNAc)−Al
a−Thr−Leu−OH]、[GlcNAc−hCG
(β12−16)−Fmoc](分子量956)(Il
eはイソロイシン、Alaはアラニン、Thrはスレオ
ニン、Leuはロイシンを示す)を先のT.イナヅらの
方法に準じて合成して用いた。糖鎖供与体のシアロ糖ペ
プチド(TF−SGP)を1μmol(終濃度25m
M)、受容体としてGlcNAc−hCG(β12−1
6)−Fmocを400nmol(同10mM)を0.
1Mリン酸緩衝液(pH6.25)24μlに溶解し、
エンド−M 160μUを含む酵素溶液16μlを加
え、37℃で3時間反応させた。反応停止後反応液を蒸
留水で1mlに希釈して、反応生成物をHPLCで分析
したところ、ジシアロ糖鎖がGlcNAc−hCG(β
12−16)−Fmocに転移した化合物(分子量29
59)の生成が認められた。糖鎖供与体としてアシアロ
糖ペプチド(TF−ASGP)を用いると、アシアロ糖
鎖がGlcNAc−hCG(β12−16)−Fmoc
に転移した化合物(分子量2376)が得られた。
鎖供与体として、卵白アルブミン由来の高マンノース型
糖鎖(Man)6−(GlcNAc)2−Asn(分子量
1651)を、糖鎖受容体としてGlcNAc残基を有
するヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)のβ鎖の部
分ペプチドhCG(β12−16)[GlcNAc−h
CG(β12−16)−Fmoc]を用い、実施例5と
同様の反応条件下で3時間反応させたところ、高マンノ
ース型糖鎖がGlcNAc−hCG(β12−16)−
Fmocに転移した化合物(分子量2132)の生成が
認められた。
への糖鎖転移反応:糖鎖受容体のGlcNAc−Gln
−Fmoc(分子量572)はAsnの代わりにGln
(グルタミン)が入った化合物としてGlcNAc−A
sn−Fmocの合成法に準じて合成した。酵素反応に
はナトリウム塩にして用いた。糖鎖供与体として高マン
ノース型糖鎖(Man)6−(GlcNAc)2−Asn
(分子量1651)を1μmol(終濃度25mM)、
糖鎖受容体としてGlcNAc−Gln−Fmoc(分
子量572)を200nmol(同5mM)、エンド−
Mを160μU(同4mU/ml)加え、60mMリン
酸緩衝液(pH6.25)40μl中で37℃、3時間
反応させた。反応停止後、反応液を蒸留水で1mlに希
釈し反応生成物をHPLCで分析した。転移反応生成物
が7.5%の収率で得られた。転移反応生成物をHPL
C分取し、質量分析したところ、分子量1748に相当
するイオンピーク(m/z)が認められ、(Man)6
−(GlcNAc)2−AsnからGlcNAc−Gl
n−Fmocへの転移反応生成物、即ち(Man)6−
(GlcNAc)2−Gln−Fmocであることが確
認された。
Gln−Fmocへの転移反応: 糖鎖供与体として、
ヒトトランスフェリンから調製したシアロおよびアシア
ロ糖ペプチド(TF−SGPおよびTF−ASGP)を
1μmol(終濃度25mM)とGlcNAc−Gln
−Fmocを200nmol(同5mM)を0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH6.25)24μlに溶解し、エンド
−M 160μUを含む酵素溶液16μlを加え、37
℃で3時間反応した。反応停止後反応液を蒸留水で1m
lに希釈して、反応生成物をHPLCで分析した。転移
反応生成物がTF−SGPの場合5.0%、TF−AS
GPの場合13.7%の収率で得られた。転移反応生成
物をHPLC分取により単離し、質量分析の結果、TF
−SGPの転移反応生成物には分子量2574に相当す
るイオンピークが、またTF−ASGPの転移反応生成
物には分子量1992に相当するイオンピーク(m/z
[M−H] 1992)が観測され、各々ジシアロ2本
鎖複合型糖鎖がGlcNAc−Gln−Fmocに転移
した化合物およびアシアロ2本鎖複合型糖鎖がGlcN
Ac−Gln−Fmocに転移した化合物であることが
確認された。
−Gln−DNSへの糖鎖転移反応:糖鎖受容体として
GlcNAc−Glnのダンシル化(DNS)誘導体
(GlcNAc−Gln−DNS)(分子量585)は
Glnのαアミノ基をDNS基で保護した化合物として
合成した。糖鎖供与体としてアシアロ糖ペプチド(TF
−ASGP)を用い、実施例4と同様の反応条件で3時
間反応させた。反応生成物をHPLC分取し、質量分析
したところ、分子量2004に相当するイオンピーク
(m/z)観察され、アシアロ2本鎖複合型糖鎖がGl
cNAc−Gln−DNSに転移した化合物であること
が確認された。
る合成基質に酵素的に糖鎖を付加して新規複合糖ペプチ
ドを容易に合成することが可能となった。糖鎖受容体の
ペプチドはペプチド鎖のアミノ酸配列の中にアスパラギ
ン(Asn)あるいはグルタミン(Gln)があればG
lcNAc残基を介してN結合型糖鎖を付加することが
でき、天然には無い全く新しい複合糖ペプチドを合成で
きる。付加する糖鎖は高マンノース型、シアル酸を含む
複合型糖鎖いずれでもよく、望み通りの複合糖ペプチド
を合成できる。非天然のみならず天然のものも無論合成
可能である。本発明は、医薬への応用とともに複合糖質
の糖鎖の果たしている生理的役割を解明するための研究
手法を提供する。
Claims (9)
- 【請求項1】エンドグリコシダーゼの存在下、複合糖質
(糖鎖供与体)の糖鎖をN−アセチルグルコサミン(G
lcNAc)残基を有する合成基質(糖鎖受容体)に転
移させることにより複合糖ペプチドを製造する方法。 - 【請求項2】GlcNAc残基を有する合成基質が、下
記式(化1)で示される化合物である請求項1に記載の
方法。 【化1】 (式中、R1 はH、アミノ保護基、アミノ酸、ペプチド
あるいはN末端アミノ酸のαアミノ基を保護したペプチ
ドを示す。R2 はOH、カルボキシル保護基、アミノ
酸、ペプチドあるいはC末端アミノ酸のカルボキシル基
を保護したペプチドを示す。nは1あるいは2であ
る。)。ただし、天然に存在する複合糖質の酵素分解に
より調製される物質を除く。 - 【請求項3】GlcNAcの結合するアミノ酸がアスパ
ラギン(Asn)である請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】GlcNAcの結合するアミノ酸がグルタ
ミン(Gln)である請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】N末端アミノ酸のαアミノ基の保護基が9
−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)
基、第3ブチルオキシカルボニル(Boc)基、3−ニ
トロ−2−ピリジンスルフェニル(Npys)基、ベン
ジルオキシカルボニル(Z)基あるいはダンシル(DN
S)基である請求項2に記載の方法。 - 【請求項6】C末端アミノ酸のカルボキシル基の保護基
が第3ブチル(But )、ベンジル(Bzl)あるいは
メチル(Me)基である請求項2に記載の方法。 - 【請求項7】エンドグリコシダーゼがエンド−β−N−
アセチルグルコサミニダーゼ(EC3.2.1.96)
である請求項1に記載の方法。 - 【請求項8】酵素律速条件下で反応を行う請求項1に記
載の方法。 - 【請求項9】エンドグリコシダーゼの存在下、複合糖質
(糖鎖供与体)の糖鎖をN−アセチルグルコサミン(G
lcNAc)残基を有する合成基質(糖鎖受容体)に転
移させることにより製造される複合糖ペプチド。
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| JP20394595A JP3776952B2 (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 複合糖質の製法 |
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- 1995-07-18 JP JP20394595A patent/JP3776952B2/ja not_active Expired - Fee Related
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