JPH09312018A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH09312018A
JPH09312018A JP14976296A JP14976296A JPH09312018A JP H09312018 A JPH09312018 A JP H09312018A JP 14976296 A JP14976296 A JP 14976296A JP 14976296 A JP14976296 A JP 14976296A JP H09312018 A JPH09312018 A JP H09312018A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力の一層向上した磁気記録媒体を製造し得
る方法を提供すること。 【解決手段】 磁気記録媒体の製造方法において、カレ
ンダー装置を構成する弾性ロールの23℃でのショア硬さ
(Dスケール)を94以上とし、カレンダー操作温度を90
℃以上、 130℃以下とし、カレンダー操作温度T℃での
弾性ロールの粘弾性特性の損失正接Δを Δ<0.0030385 ×T−0.24769 としてカレンダー操作するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体の製
造方法に関するものであり、更に詳しくは、出力の向上
した磁気記録媒体を得ることのできる磁気記録媒体の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の高出力化を目指して、こ
れをその製造プロセス面から達成する試みが数多くなさ
れている。例えば、磁気記録媒体の製造プロセスにおけ
るカレンダー操作工程の諸条件(例えば、温度、線圧及
びロール材質等)は、磁性層の表面性、即ち、磁気記録
媒体の出力に大きく影響することから、これらの条件の
最適化等が検討されている。また、カレンダー操作工程
におけるこれら以外の条件に着目し、磁気記録媒体の出
力を向上させる試みも知られている。
【0003】例えば、特開平1-94532 号公報には、非磁
性支持体上に磁性塗液を塗布して磁性層を設けた後、カ
レンダー処理を行うことからなる磁気記録媒体の製造方
法において、上記磁性塗液のバインダーとしてガラス転
移点が30℃以上のポリウレタン樹脂を用い、且つ上記磁
性層の残留溶剤量が 0.1〜 3重量%になったときに上記
カレンダー処理を施すことが記載されている。
【0004】また、特開平4-149821号公報には、磁気記
録媒体の製造方法において、磁性粉を混練機に装入した
時点から磁性塗料の塗布後のカレンダー操作工程終了時
点までの所要時間を 2〜48時間とすることが記載されて
いる。
【0005】また、特開昭58-194142 号公報には、非磁
性支持体上に磁性塗液を塗布して磁性層を設けた後、カ
レンダー処理を行うことからなる磁気記録媒体の製造方
法において、上記カレンダー処理雰囲気の湿度を60%R
H以上とすることが記載されている。
【0006】また、特開昭51-92606号公報には、磁気記
録媒体の艶出し方法において、ショア硬さ70以上のポリ
アミド樹脂を弾性ロールとして用いることが記載されて
いる。更に、同公報は、該弾性ロール中の水分含有量に
ついても言及している。しかしながら、同公報において
は、上記水分含有量は、ロールの摩擦帯電圧との関係に
おいて言及されているのみであり、該水分含有量が上記
ショア硬さとの関連において弾性ロールの機械的変形に
及ぼす影響については何ら記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によれば、磁
気記録媒体の高出力化をある程度は達成し得るが、近年
の磁気記録媒体の高密度化の要請に応えるためには、更
に出力の向上した磁気記録媒体が必要である。
【0008】本発明の課題は、出力の一層向上した磁気
記録媒体を製造し得る方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、支持体上に磁性塗料を塗布して磁性層を形成した
後、カレンダー操作工程で金属ロールと弾性ロールのニ
ップにより支持体の磁性層表面を平滑化する磁気記録媒
体の製造方法において、弾性ロールの23℃でのショア硬
さ(Dスケール)を94以上とし、カレンダー操作温度を
90℃以上、 130℃以下とし、カレンダー操作温度T℃で
の弾性ロールの粘弾性特性の損失正接Δを Δ<0.0030385 ×T−0.24769 としてカレンダー操作するようにしたものである。
【0010】請求項2の本発明は、請求項1に記載の本
発明において更に、カレンダー時の残存溶剤量を 800〜
4000ppm とするようにしたものである。
【0011】カレンダー操作工程で用いられる弾性ロー
ルは、支持体の磁性層表面を金属ロールとのニップによ
り平滑化するものであるため、良好な弾性状態にあるこ
とが必要である。一方、弾性ロールでは、ロール材質の
劣化等により弾性状態の低下がみられる。この弾性状態
は、弾性ロールの粘弾性特性の損失正接(損失弾性率/
貯蔵弾性率)を測定することで知ることができる。本発
明では、弾性ロールの弾性体としての能力を、損失正接
を測定することで予想できることを見い出し、ひいては
品質良好な磁気記録媒体の製造に寄与できることを確認
した。即ち、カレンダー操作工程での弾性ロールの損失
正接を粘弾性スペクトルメータ等により測定し、この測
定結果が上述の損失正接の計算値の範囲にあれば、この
弾性ロールを用いて良好なカレンダー効果を得ることが
できることを認めた。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、支持体上に磁性塗料を
塗布して磁性層を形成した後、カレンダー操作工程に付
すことからなる磁気記録媒体、即ち、塗布型磁気記録媒
体の製造方法において、該カレンダー操作工程に特徴を
有するものである。
【0013】即ち、(a) 弾性ロールの23℃でのショア硬
さ(Dスケール)を94以上とし、(b) カレンダー操作温
度を90℃以上、 130℃以下とし、(c) カレンダー操作温
度T℃での弾性ロールの粘弾性特性の損失正接Δを、Δ
<0.0030385 ×T−0.24769としてカレンダー操作する
ことである。
【0014】以下、これらの特徴部分について説明す
る。 (a) 弾性ロールのフィラー含有率等 カレンダー操作工程に用いられるカレンダー装置として
は、例えば、特公昭61-2485 号公報、特開昭56-117335
号公報及び特公昭57-4970 号公報等に記載されているよ
うな、従来公知のカレンダー装置を用いることができ
る。尚、カレンダー操作工程においては、一般に磁気記
録媒体の磁性層側に金属ロールを配置し、該金属ロール
に対向した支持体側に弾性ロールを配置する。
【0015】そして、弾性ロールは、一般にメタルロー
ルのコアの表面に弾性部材が被覆されてなるものであ
る。この場合、弾性部材の厚みは、 1〜20mmであること
が好ましく、 5〜15mmであることが更に好ましい。該厚
みが 1mmに満たないと、上記メタルロールのコアの影響
が表われ、20mmを超えると弾性部材が破損しやすくなる
ので、上記範囲内とすることが好ましい。そのような弾
性ロールとしては、例えば、コットンロール、プラスチ
ックロール、ゴムロール等が挙げられる。これらのう
ち、プラスチックロールを用いることが特に好ましく、
就中、弾性部材としてポリエステル樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリエーテル樹脂を用いたものが弾性率の点から好
ましい。
【0016】また、弾性ロールのロール径は特に制限さ
れるものではないが、15〜35cmであることが好ましく、
20〜30cmであることが更に好ましい。ロール径を上記範
囲内とすることによって、均質な弾性ロールを得ること
ができる。
【0017】(b) カレンダー操作温度等 カレンダー操作温度(主として金属ロールの温度)は、
支持体の種類及び厚み並びに磁性塗料の種類等に応じて
適宜設定されるが、本発明では、90〜 130℃とすること
が好ましく、 100〜 120℃とすることが更に好ましい。
【0018】また、カレンダー操作の線圧は、支持体の
種類及び厚み並びに磁性塗料の種類等に応じて適宜設定
されるが、一般に、 100〜400kg/cmであることが好まし
く、200〜350kg/cmであることが更に好ましい。
【0019】(c) 弾性ロールの粘弾性特性 カレンダー操作工程に用いられる弾性ロールは、弾性体
としての能力が高いこと(劣化していないこと)が高い
カレンダー効果を得ること(カレンダーの効きが良くな
ること)のために必要とされる。高いカレンダー効果を
得るには、カレンダー操作温度T℃での弾性ロールの粘
弾性特性の損失正接Δを、Δ<0.0030385 ×T−0.2476
9 とするのが良い。そして、弾性ロールの損失正接は粘
弾性スペクトルメータにより測定できる。カレンダー操
作温度での弾性ロールの損失正接を粘弾性スペクトルメ
ータにより測定し、この測定結果が上述の損失正接の計
算値の範囲にあれば、この弾性ロールを用いて良好なカ
レンダー効果を得ることができる。
【0020】尚、カレンダー操作工程によって磁性層の
表面粗さは低下するが、該カレンダー操作工程に付され
る前における上記磁性層の表面粗さは好ましくは40nm以
下程度である。該表面粗さは 4〜15nmであることが更に
好ましく、 4〜12nmであることが一層好ましい。尚、上
記表面粗さは、JIS B-0601で定義されるカットオフ値0.
25mmの中心線平均粗さで測定した値である。
【0021】本発明の方法において用いられる支持体と
しては、公知の磁性又は非磁性の支持体を特に制限なく
用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミド、芳
香族ポリアミド等の公知の樹脂;アルミニウムや銅等の
金属;紙等からなる支持体を使用することができる。上
記支持体には、上記磁性層を形成する前に、その表面に
予めコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処
理及び除塵処理等を行うこともできる。上記支持体の好
ましい厚さは、一般に 1〜 300μm である。
【0022】上記支持体上に塗布される磁性塗料は、一
般に磁性粉体、バインダー及び溶剤を含み、更に必要に
応じて、分散剤、脂肪酸又はそのエステルのような潤滑
剤、アルミナのような研磨剤、カーボンブラックのよう
な帯電防止剤及びポリイソシアネートのような硬化剤等
の添加剤を含むものである。
【0023】上記磁性粉体としては、強磁性酸化鉄系の
もの、例えばFeOx(1.33≦x≦1.5)にCr、Mn、
Co、Ni等の金属を添加したもの;強磁性二酸化クロ
ム系のもの、例えばCrO2 やCrO2 にNa、K、F
e、Mn等の金属もしくはこれらの金属の酸化物又はP
等の非金属元素を添加したもの;及び強磁性金属粉末系
のもの、例えば、金属分が70重量%以上であり、金属分
の80重量%以上が少なくとも一種の強磁性金属(例え
ば、Fe、Co、Ni等)である強磁性金属粉末等が挙
げられる。
【0024】また、上記バインダーとしては、セルロー
ス系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン系共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−ビニルアルコール系共重合体、エポキシ樹脂及び
ポリウレタン等を用いることができるが、これらに限定
されない。また、上記バインダーとして、市販品を使用
することもできる。そのような市販品の例としては、日
本ゼオン(株)製のMR110(エポキシ基含有塩化ビ
ニル系共重合体)、長瀬産業(株)製のVAGH、東洋
紡製のUR8200(ポリウレタン)等が挙げられる。
【0025】また、上記溶剤としては、上記バインダー
を溶解するのに適したものであれば特に制限なく用いる
ことができる。かかる溶剤としては、例えば、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサ
ノンのようなケトン系の溶剤、酢酸エチルのようなエス
テル系の溶剤、テトラヒドロフラン及びジオキサンのよ
うなエーテル系の溶剤、ベンゼン、トルエン及びキシレ
ンのような芳香族炭化水素系の溶剤、並びに塩素化炭化
水素系の溶剤等が挙げられる。
【0026】上記の成分を混合・分散して得られる磁性
塗料は、公知の塗布方法、例えば、グラビアコーティン
グ、スプレーコーティング、ロールコーティング等の塗
布方法によって上記支持体上に塗布することができる。
このようにして形成される磁性層の乾燥厚さは、一般に
0.1〜 5μm であることが好ましく、 0.2〜 3μm であ
ることが更に好ましい。
【0027】本発明の方法は、支持体上への磁性塗料の
塗布からカレンダー工程までを連続的に行う、いわゆる
インラインカレンダー方式、又は磁性層の形成後に支持
体を一旦ロールに巻き取ってから別途カレンダー工程に
付する、いわゆるオフラインカレンダー方式の何れにも
適用することができる。
【0028】また、本発明の方法においては、上述した
各工程の他に、磁気記録媒体の製造方法において一般に
用いられている各種工程を特に制限なく用いることがで
きる。例えば、上記磁性塗料を塗布して塗膜を形成した
後、該塗膜を乾燥させるに先立ち、該塗膜中の磁性粉体
の磁場配向処理を行ってもよい。また、磁性層表面の研
磨やクリーニング工程等の仕上げ工程を行ってもよい。
また、上記磁性塗料の塗布は、公知の逐次重層塗布方法
により行うこともできる。また、磁気記録媒体として磁
気テープを製造する場合には、上記カレンダー工程後
に、所定の温度及び時間でエージング処理し、所望の幅
にスリットすればよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例に限定されないことはい
うまでもない。尚、以下の説明において、特に断らない
限り、「部」は重量部を表わす。
【0030】(実施例1)(表1) 下記の操作により磁気テープを製造した。まず、下記の
配合組成物を混練・分散し、希釈して磁性塗料を調製し
た。得られた磁性塗料を、PET支持体の表面上に乾燥
厚さが 2.3μm になるように塗布した。塗膜が湿潤状態
のうちに8000Oeのソレノイド中を通過させて磁性粉体の
磁場配向処理を行い、引き続き80℃の熱風にて塗膜の乾
燥処理を行った後、支持体を巻き取った。次いで、金属
ロール及びポリエステル系樹脂からなる弾性ロール(ロ
ール径25cm)からなるカレンダー装置を用い、線圧250k
g/cm、カレンダー操作温度(金属ロールの温度)130 ℃
の条件でカレンダー処理を行った(操作速度(支持体の
走行速度)150m/分)。この場合、磁気テープの磁性層
側に金属ロールを配置し、該金属ロールに対向した支持
体側に上記弾性ロールを配置した。エージングの後、所
定幅にスリットし、磁気テープを得た。
【0031】 ・鉄を主体とする針状金属磁性粉体 (保磁力1500Oe、飽和磁化130emu/g、平均長軸長0.18μm ) 100部 ・アルミナ(平均粒径 0.1μm ) 12部 ・カーボンブラック(平均一次粒径20nm) 1部 ・MR110[日本ゼオン(株)製の塩化ビニル系共重合体] 12部 ・UR8200(東洋紡製のポリウレタン) 8部 ・2−エチルヘキシルステアレート(潤滑剤) 1部 ・パルミチン酸(潤滑剤) 2部 ・コロネートL[日本ポリウレタン工業(株)製の硬化剤] 3部 ・メチルエチルケトン(溶剤) 120部 ・トルエン(溶剤) 80部 ・シクロヘキサノン(溶剤) 40部
【0032】このとき、カレンダー装置の弾性ロールと
して、表1のA〜Fの如くに弾性状態を変更したものを
用い、各弾性ロールを用いて上述のカレンダー処理を行
なった。この弾性ロールの弾性状態の変更は組成条件の
組み合せによった。各弾性ロールの弾性状態を表わす損
失正接を、粘弾性スペクトルメータにより測定し、この
測定結果を表1に示した。測定に使った粘弾性スペクト
ルメータはレオメタリックス社のRDA700である。
尚、各弾性ロールの損失正接の測定結果は、カレンダー
操作温度( 130℃)での測定値を示した。
【0033】また、カレンダー性に影響を与える残存溶
剤量は一定となる様に注意した。
【0034】
【表1】
【0035】このようにして製造された磁気テープの表
面粗さ(Ra)、出力(dB)を測定し、各弾性ロール
によるカレンダー効果を調査し、表1を得た。
【0036】表1によれば、弾性ロールA、B、Cは、
カレンダー操作温度での損失正接が小さく、カレンダー
効果も良好であった。弾性ロールD、Eは、カレンダー
操作温度での損失正接が大きく、カレンダー効果も不良
であった。弾性ロールFは、長時間使用による劣化の激
しい弾性ロールであり、カレンダー操作温度での損失正
接が大きく、ロール表面状態も悪く、カレンダー効果も
極めて不良であった。
【0037】(実施例2)(表2) 実施例1で用いた弾性ロールG〜Lを用い、カレンダー
操作条件を線圧250kg/cm、カレンダー操作温度90℃、操
作速度150m/分とするカレンダー処理を行なう他は、実
施例1と同一製造条件で磁気テープを製造し、評価し、
表2を得た。
【0038】
【表2】
【0039】表2によれば、弾性ロールG、Hは、カレ
ンダー操作温度での損失正接が小さく、カレンダー効果
も良好であった。弾性ロールI〜Kは、カレンダー操作
温度での損失正接が大きく、カレンダー効果も不良であ
った。弾性ロールLは、長時間使用による劣化の激しい
弾性ロールであり、カレンダー操作温度での損失正接が
大きく、ロール表面状態も悪く、カレンダー効果も極め
て不良であった。
【0040】(実施例3)(表3) 実施例1で用いた弾性ロールM〜Rを用い、カレンダー
操作条件を線圧250kg/cm、カレンダー操作温度 120℃、
操作速度150m/分とするカレンダー処理を行う他は、実
施例1と同一製造条件で磁気テープを製造し、評価し、
表3を得た。
【0041】
【表3】
【0042】表3によれば、弾性ロールM、Nは、カレ
ンダー操作温度での損失正接が小さく、カレンダー効果
も良好であった。弾性ロールO〜Qは、カレンダー操作
温度での損失正接が大きく、カレンダー効果も不良であ
った。弾性ロールRは、長時間使用による劣化の激しい
弾性ロールであり、カレンダー操作温度での損失正接が
大きく、ロール表面状態も悪く、カレンダー効果も極め
て不良であった。
【0043】(実施例4)(表4) 実施例1で用いた弾性ロールとショア硬さだけを異なら
せた弾性ロールS〜Uを用い、カレンダー操作条件を線
圧250kg/cm、カレンダー操作温度 120℃、操作速度150m
/分とするカレンダー処理を行う他は、実施例1と同一
製造条件で磁気テープを製造し、評価し、表4を得た。
【0044】
【表4】
【0045】表4によれば、弾性ロールS、Tは、カレ
ンダー操作温度での損失正接が小さく、カレンダー効果
も良好であった。弾性ロールUは、長時間使用による劣
化の激しい弾性ロールであり、カレンダー操作温度での
損失正接が大きく、ロール表面状態も悪く、カレンダー
効果も極めて不良であった。また、実施例1〜3の弾性
ロールは23℃でのショア硬さ(Dスケール)が94であっ
たのに対し、実施例4の弾性ロールの23℃でのショア硬
さ(Dスケール)は95.5であった。これにより、弾性ロ
ールの23℃でのショア硬さ(Dスケール)が変わって
も、損失正接が本発明の範囲にあれば、有効な磁気記録
媒体を製造できることが認められた。
【0046】また、表4によれば、弾性ロールV、W
は、カレンダー操作温度での損失正接が小さいにもかか
わらず、カレンダー効果は良くなかった。この原因は弾
性ロールの硬さ不足によるカレンダーの効きに原因があ
ったことが認められた。
【0047】(実施例5)(表5) 実施例1で用いた弾性ロールVを用い、塗膜の残存溶剤
量とカレンダー操作温度を 120度と90度に変えた他は実
施例1と同一条件で磁気テープを製造し、評価し、表5
を得た。
【0048】
【表5】
【0049】その結果、損失正接Δが、Δ<0.0030385
×T−0.24769 の範囲にあっても、残存溶剤量が低すぎ
る(300ppm)とカレンダーの効きが悪く、また高すぎて
も(4800ppm )カレンダー後の残存溶剤が多く、塗面が
弱くなってしまった。本実験及び実施例1〜4の結果か
ら、損失正接Δは、Δ<0.0030385 ×T−0.24769 の範
囲であり且つ適切な溶剤量は 800〜4000ppm である事が
確認できた。
【0050】(結論)実施例1、2で高いカレンダー効
果を得ることができた弾性ロールA、B、G、Hのカレ
ンダー操作温度Tと損失正接Δの 2つの組み合せを用
い、高いカレンダー効果を得ることのできるカレンダー
操作温度T℃と弾性ロールの粘弾性特性の損失正接Δの
関係を求めると、図1に示す如く、 Δ<0.0030385 ×T−0.24769 であった。実施例3の弾性ロールM、N、実施例4の弾
性ロールS、Tのカレンダー操作温度Tを上記式の右辺
に挿入して計算すると、該弾性ロールAの損失正接Δの
測定値はその計算値の範囲にあることを認めた。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高いカレ
ンダー効果を得ることができ、ひいては出力の一層向上
した磁気記録媒体を製造することが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はカレンダー操作温度と損失正接の関係を
示す線図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に磁性塗料を塗布して磁性層を
    形成した後、カレンダー操作工程で金属ロールと弾性ロ
    ールのニップにより支持体の磁性層表面を平滑化する磁
    気記録媒体の製造方法において、 弾性ロールの23℃でのショア硬さ(Dスケール)を94以
    上とし、 カレンダー操作温度を90℃以上、 130℃以下とし、 カレンダー操作温度T℃での弾性ロールの粘弾性特性の
    損失正接Δを Δ<0.0030385 ×T−0.24769 としてカレンダー操作することを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 カレンダー時の残存溶剤量を 800〜4000
    ppm とする、請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
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