JPH09312043A - 光磁気記録媒体及びその再生方法 - Google Patents

光磁気記録媒体及びその再生方法

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JPH09312043A
JPH09312043A JP12695996A JP12695996A JPH09312043A JP H09312043 A JPH09312043 A JP H09312043A JP 12695996 A JP12695996 A JP 12695996A JP 12695996 A JP12695996 A JP 12695996A JP H09312043 A JPH09312043 A JP H09312043A
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JP12695996A
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Koyata Takahashi
小弥太 高橋
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Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生信号の立ち上がりと立ち下がりをバラン
スよく急峻にすることでジッタを低減して、より高い記
録密度での再生が可能な磁気超解像光磁気記録媒体を提
供する。 【解決手段】 少なくとも再生層、非磁性中間層、再生
補助層、切断層、記録層をこの順に積層した積層構造と
し、再生層及び再生補助層のキュリー温度を記録層のキ
ュリー温度より高く、切断層のキュリー温度を記録層の
キュリー温度より低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光を用いて情報の記
録、再生及び消去を行う光磁気記録媒体に関し、より詳
しくは、再生光の光学的回折限界以下の大きさで記録さ
れた情報を読み取ることができる超解像再生を行う光磁
気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録媒体のさらなる高密度化を目
的として、再生用の光の光学的回折限界以下の大きさに
記録された情報を再生することが可能な磁気超解像が提
案されている。この方法は少なくとも再生層と記録層と
を用いており、再生光の照射されているビームスポット
のうちの一定の領域をマスクとして用いることによっ
て、実質的にビームスポットが小さくなったのと同様の
効果を持つようにしたものであり、ビームスポット中で
は光の強度分布があり、またビームの進行方向に対して
後方が温度上昇が大きいことを利用している。
【0003】この方法には大きく分けて2通りの方法が
ある。一つは温度が一定以上となっている領域で再生層
が特定の状態になるようにしてマスクとする消滅型の方
法(例えば、特開平1−143041号公報、特開平1
−143042号公報など)、他方は再生層が再生前に
は特定の状態であり、温度が一定以上となった領域で記
録層に記録された情報が再生層に転写される浮き出し型
の方法(例えば、特開平3ー93058号公報など)が
ある。後者の方法では隣接トラックにおいても再生層が
特定の状態にあるために、隣接トラックとのクロストー
クは小さい。また、浮きだし型と消滅型をあわせたダブ
ルマスク型の磁気超解像(例えば、特開平 4−271
039号公報など)も提案されている。
【0004】磁気超解像はおもに再生層と記録層の間の
交換結合力を制御することで動作するが、そのほかに磁
性層が再生層、非磁性中間層、記録層の3層構造で、再
生時に再生磁界により室温において再生層の磁化が一様
に再生磁界と反対向きに初期化され、再生ビームにより
ある温度以上に温度が上昇すると記録層から再生層に静
磁結合により磁区が転写することによる磁気超解像も報
告されている(例えば、Japanese Journal of Applied
Physics Vol. 35 (1996) pp.410-414 など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光磁気記録媒体の記録
密度をあげる手法として4倍密度媒体以降採用された方
法としてマークエッジ記録がある。磁気超解像は磁区の
転写や消滅により生じるが、従来、再生信号の立ち上が
りあるいは立ち下がりのいずれか一方が他方より急峻と
なっていた。磁気超解像とマークエッジ記録を組み合わ
せる場合は緩やかなほうのエッジのジッタ(揺らぎ)が
記録密度の向上を妨げていた。ダブルマスク型の磁気超
解像とすることである程度は立ち上がりと立ち下がりの
バランスは良くなるとされているが、さらなる改良が望
まれている。本発明が解決しようとする課題は従来の磁
気超解像媒体より再生信号の立ち上がりと立ち下がりを
バランスよく急峻とすることでさらに高い記録密度を可
能とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を重
ねた結果、静磁結合による転写と交換結合が切れること
による磁区の消滅を組み合わせることで立ち上がりと立
ち下がりの何れをも限界まで急峻とすることが可能なこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち本発明は透明な基板上に少なくと
も再生層、非磁性中間層、再生補助層、切断層、記録層
がこの順に積層された積層構造を有し、前記再生層、再
生補助層、切断層、記録層のキュリー温度を各々Tc1
c2、Tc3、Tc4としたとき、Tc3<Tc4、Tc2
c4、Tc1>Tc4であることを特徴とする光磁気記録媒
体であり、さらに、切断層のキュリー温度付近の所定の
温度Ts2未満では、記録層に記録された記録磁区が記録
層から再生補助層に転写されており、再生時に再生磁界
を加えることにより、再生補助層においては前記温度T
s2以上の温度の部分で再生補助層の磁区が消滅し、再生
層においては室温で磁化が再生磁界の方向に揃うために
磁区が存在しない状態であり、室温より高く前記温度T
s2未満の温度Ts1で、静磁的な結合により再生補助層か
ら再生層に記録磁区が転写し、前記温度Ts2で再生補助
層の磁区が消滅すると同時に再生層の磁区も消滅するこ
とを特徴とする光磁気記録媒体である。また、本発明の
再生方法は、前記のようにして、記録層に記録された情
報を再生する前記光磁気記録媒体の再生方法である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の光磁気媒体の構造の基本例を図1
に示す。本例では、透明な基板11上に第1誘電体層1
2、再生層13、非磁性中間層14、再生補助層15、
切断層16、記録層17、第2誘電体層18の順に薄膜
が積層されている。通常、第2誘電体層18の上には紫
外線硬化樹脂などからなる保護コート19が施されてい
る。
【0010】本発明の光磁気記録媒体の記録再生原理に
ついて、図2で説明する。本発明の光磁気記録媒体への
記録は例えば記録方向に記録磁界26をかけながらパル
スレーザービーム27で記録層25をそのキュリー温度
c4以上に昇温させることで行う。記録後、温度が下が
る過程で記録された記録磁区が記録層25から再生補助
層23に転写する。再生時には、再生補助層23に再生
磁界30を加えることにより、切断層24のそのキュリ
ー温度Tc3付近の所定の温度Ts2以上の部分32に接す
る再生補助層23の磁区が消滅する。一方、再生層21
においては室温では磁化が再生磁界30の方向に揃うた
めに磁区が存在しない状態、つまり第1のマスク33と
なり、また、室温より高くTs2以下の温度Ts1で静磁的
な結合により再生補助層23から再生層21に磁区が転
写する。磁区の転写に伴い再生信号では非常に急峻な立
ち上がりが生じる。さらに温度Ts2以上では再生補助層
23の磁区が消滅すると同時に再生層21の磁区も消滅
し第2のマスク35となる。この磁区の消滅に伴い再生
信号では非常に急峻な立ち下がりが生じる。
【0011】なお、記録層に記録された記録磁区を保持
するためには、再生時の記録媒体の最高到達温度を記録
層のキュリー温度tTc4未満とする必要があることはい
うまでもないが、再生層と再生補助層の静磁的結合が、
再生状態でのいかなる温度でも保たれるためには、再生
層のキュリー温度Tc1及び再生補助層のキュリー温度T
c2はともに記録層のキュリー温度Tc4よりも高いことが
必要である(Tc1>Tc4、Tc2>Tc4)。また、切断層
が上述のように所定の温度で、記録層に記録された記録
磁区の再生補助層への転写を阻害して、再生補助層の磁
区を消滅させるよう機能するためには、切断層のキュリ
ー温度Tc3は記録層のキュリー温度Tc4より低いことが
必要である(Tc3<Tc4)。
【0012】ここで、図3により1つの記録磁区が再生
層側で時間的にどのような変化をするかをさらに詳しく
説明する。図3(a)の状態では第1のマスク42によ
り記録磁区が再生層に現れていない。ここで、再生磁界
をHr 、再生層の磁化をMs1、再生層の保磁力をHc1
再生層の磁壁エネルギーをσw1、記録磁区の平均的な大
きさをr、再生補助層から再生層におよぼす静磁界をH
s としたとき、以下の式(I )を満たせば第1のマスク
42が生じる。
【0013】 Hc1<Hr +σw1/(2Ms1・r)−Hs ……(I ) 式(I )を満たすためにはMs1、Hs が室温で小さけれ
ばよい。
【0014】次に図3(b)のように室温より高くTs2
以下の温度Ts1で静磁的な結合により再生補助層から再
生層に磁区が転写する。そのためには温度がTs1より高
くTs2より低い領域43付近で以下の式(II)を満たせ
ばよい。
【0015】 Hc1<Hs −Hr −σw1/(2Ms1・r) ……(II) この式を満たすためにはMs1、Hs が領域43で十分大
きく、Hc1が小さければよい。
【0016】さらに温度Ts2以上の領域44で再生補助
層の磁区が消滅するためには再生補助層の磁化をMs2
再生補助層の膜厚をh2 、再生補助層の保磁力をHc2
再生補助層の磁壁エネルギーをσw2、切断層を介した再
生層と記録層の交換結合による界面磁壁エネルギーをσ
i とすると以下の式(III )を満たせばよい。
【0017】 Hc2<Hr +σw2/(2Ms2・r)−σi /(2Ms2・h2 ) ……(III ) 式(III )を満たすことで再生補助層の磁区が消滅し、
これに伴い以下の式(IV)を満たせば図3の(c)から
(d)への変化である再生層の磁区の消滅が起こる。
【0018】 Hc1<Hs +Hr +σw1/(2Ms1・r) ……(IV) 磁区がビームスポットより十分小さい場合、図3の
(a)から(b)への変化は領域43で転写が始まると
同時に領域43より広い範囲で瞬時に磁区全体が浮き出
してくるために再生信号の立ち上がりは急激なものとな
る。また磁区がビームスポットより十分小さい場合、図
3の(c)から(d)への変化は領域44での磁区の消
滅は(III )、(IV)式が同時に満たされるまで起こら
ないが、満たされると同時に磁区全体が瞬時に消滅する
ために再生信号の立ち下がりは急激なものとなる。以上
のような原理で本発明により再生信号の立ち上がり、立
ち下がりが急峻となる。
【0019】再生磁界Hr を適当に選び、後で説明する
ように各層の組成、膜厚などを調整することで式(I )
〜(IV)は容易に満たされる。ここで再生磁界Hr は通
常50〜400 Oeである。
【0020】本発明の光磁気記録媒体はマスクが2つ生
じるのでダブルマスク型の超解像媒体である。ただし、
従来のダブルマスク型の超解像媒体は図4に示すよう
に、(a)から(b)への変化は領域53で転写が始ま
ると同時に領域53より広い範囲で瞬時に磁区全体が浮
き出してくるために再生信号の立ち上がりは急激なもの
となるが、(c)から(d)への変化は、領域54の第
2のマスクの磁化が記録磁区と同じ向きとなっているの
で、(b)で浮き出した記録磁区はディスク移動に従い
徐々に第2のマスクの磁区に吸収されて行くことで起
り、再生信号の立ち下がりは立ち上がりに比べて緩やか
なものとなっていた。従来のダブルマスク型の超解像に
おいても第1、第2両方のマスクを記録磁区と反対向き
にすることが特開平4−255946などで提案されて
いるが、本発明者らの実験によると転写と消滅がバラン
スよく起こるように調整することが難しくノイズが高く
なるために本発明と同等の効果は得られなかった。
【0021】本発明の光磁気記録媒体では従来のダブル
マスク型の超解像媒体と同様に第1のマスクが隣接トラ
ックをマスクしているので隣接トラックからの信号の漏
れ込み(クロストーク)が小さい。
【0022】再生層、再生補助層は保磁力の小さな垂直
磁化膜からなり、記録層は保磁力の大きな垂直磁化膜か
らなる。切断層は垂直磁化膜あるいは室温からキュリー
温度に至るいずれかの温度で垂直磁化膜であればよい。
再生層、再生補助層、切断層、記録層の磁性層は希土類
遷移金属合金からなることが好ましい。再生層と再生補
助層の静磁結合を室温で小さく高温で大きくして式(I
)、(II)を満たすためには、再生層および再生補助
層の室温での磁化が50emu/cc以下であることが好まし
い。
【0023】再生層、再生補助層はGdFeCoを主体
とした希土類遷移金属合金が好ましい。また、切断層、
記録層はTbFeCoやDyFeCoを主体とした希土
類遷移金属合金が好ましい。再生層、再生補助層のキュ
リー温度は再生中でも高いカー回転角を保持するため3
00℃以上が好ましい。記録層のキュリー温度は記録感
度と再生安定性から200℃以上300℃以下が好まし
い。切断層のキュリー温度は100℃以上200℃以下
が好ましく、特に記録層のキュリー温度より50℃以上
低くなることが好ましい。
【0024】再生層の膜厚はマスクとなるために10nm
以上必要であり、再生補助層からの漏れ磁界により再生
層が反転し、逆に再生補助層には過度の影響を与えない
ためには50nm以下が好ましい。
【0025】再生補助層から再生層へ容易に転写がおこ
るためには再生補助層の膜厚は10nm以上が好ましく、
記録層から再生補助層への転写が容易に起こるためには
60nm以下が好ましい。再生補助層からの漏れ磁界によ
り再生層が反転し、逆に再生補助層には過度の影響を与
えないためには再生補助層の膜厚が再生層の膜厚以上で
あることが好ましい。
【0026】切断層の膜厚は5nm以上50nm以下が好ま
しい。5nmより薄いとキュリー温度Tc3での交換結合の
切断が難しくなり、50nmより厚いと記録層から再生補
助層への室温付近での転写が不安定になる可能性があ
り、記録感度も悪くなるので好ましくない。記録層の膜
厚は厚いほど再生安定性が増すが、記録感度とのかねあ
いから15nm以上60nm以下が好ましい。
【0027】非磁性中間層については室温付近以上の温
度で非磁性の物質であれば基本的には動作する。非磁性
中間層の膜厚は交換結合を切るために1nm以上必要で再
生補助層と再生層が静磁的に結合するためには30nm以
下である必要がある。
【0028】非磁性中間層は薄膜の安定性、緻密さなど
から特に、Si、Al、Ti、Taの窒化物から選択さ
れた1種又は2種以上の窒化物で構成されていることが
好ましい。
【0029】また、非磁性中間層をAl、Au、Ag、
Pt、Pdからなる群から選択された1種又は2種以上
の金属元素を主体として構成することで非磁性中間層か
らの光の反射を高めて再生層の膜厚を薄くすることが可
能であり、再生層から再生補助層への影響を減らし、再
生磁界のマージンを高めることが期待される。
【0030】また、非磁性中間層を希土類元素から選択
された1種又は2種以上の元素で構成することで記録感
度に影響を与えることなく非磁性中間層からの光の反射
を高めて再生層の膜厚を薄くすることが可能である。
【0031】基板の材料としては、ポリカーボネート、
アモルファスポリオレフィン等の樹脂またはガラス等が
好ましい。
【0032】再生層よりもレーザー光の入射側にカー回
転角を増大させることを目的としてSiN、ZnS、A
lN等からなる厚さ70nm程度の第1誘電体層を設け
ることも有効である。この厚さは媒体の反射率や再生信
号強度を調整するために適宜厚さを変えることもでき
る。更に記録レーザーパワー等の調整のためにレーザー
光の入射側と反対側に、例えば厚さ20nm程度のAl
合金膜等の熱拡散層を設けたり、薄膜の保護のために第
2誘電体層、さらにアクリル系の紫外線硬化樹脂などか
らなる保護コートなどの保護膜を設けることもすでに説
明したように可能である。
【0033】また、耐蝕性向上等のために磁性層にC
r、Ti、Ta等の元素を添加することも考えられるが
特に限定されない。
【0034】
【実施例】以下に実施例を用いて更に詳述する。
【0035】(実施例1、比較例1及び比較例2)図1
に示すような光磁気記録媒体を作製した。マグネトロン
スパッタ法によりトラックピッチ1.1ミクロンのポリ
カーボネート(PC)基板11上にSiNからなる第1
誘電体層12を70nm成膜し、その上に室温での磁化
が0emu/cc(補償組成)でキュリー温度が350℃以上
のGd0.26(Fe0.70Co0.300.74の再生層13を2
0nmあるいは26nm、SiNからなる非磁性中間層
14を5nm、Gd0.25(Fe0.70Co0.300.75の再
生補助層15を30nm、キュリー温度が160℃のT
0.21(Fe0.97Co0.030.79の切断層16を10n
m、キュリー温度が270℃のTb0.22(Fe0.85Co
0.150.78の記録層17を40nm、SiNからなる第
2誘電体層18を30nmの順に薄膜を積層した。第2
誘電体層18の上には紫外線硬化樹脂からなる保護コー
ト19を施した。
【0036】比較例1として再生層13および非磁性中
間層14を省いたほかは実施例1と同様の光磁気記録媒
体を作製した。また、比較例2として再生補助層15お
よび切断層16を省いたほかは実施例1と同様の光磁気
記録媒体を作製した。
【0037】製造した光磁気記録媒体に記録マーク長が
0.25ミクロン(マークピッチの半分とみなす)とな
るように線速7.5m/sとして記録周波数15MH
z、duty33%で680nmのレーザー光(対物レ
ンズのNA=0.55)を用いて記録を行った。同じ光
を用いて再生レーザーパワーを2.5mW、再生磁界を
150 Oeとしてキャリア対ノイズ比(C/N)をス
ペクトラムアナライザで測定した。また、再生波形の前
エッジ、後ろエッジのジッタ(時間軸の揺らぎ)をジッ
タアナライザで測定した。ジッタの測定結果は0.25
ミクロンのマークに対応する時間の33nsecを2T
として、ウインドウ幅(1T)に対する割合として示
す。これらの測定結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示すようにC/Nについては消滅型
の超解像媒体である比較例1や従来型の静磁結合のみを
使った超解像媒体の比較例2に比べて、実施例1の再生
層が26nmの試料では3dB程度、再生層が20nm
の試料では2dB程度高い。これは表1のジッタの値か
らわかるように前後エッジで同様に急峻な立ち上がりが
得られたことが主な原因である。前後どちらのエッジジ
ッタも小さいことから実施例1では比較例1、比較例2
に比べて高い記録密度が可能である。
【0040】また、記録周波数7MHzで記録した後ク
ロストークを測定したところ実施例1、比較例3では−
45dB以下であるのに対して比較例2では−30dB
であり、本発明は従来型の静磁結合のみを使った超解像
媒体と同程度にクロストークが良好であることが示され
た。
【0041】(実施例2)Gd0.26(Fe0.70
0.300.74の再生層13を20nm、非磁性中間層1
4をAl0.98Cr0.02合金として10nmの厚みとした
ほかは実施例1と同じ構造の光磁気記録媒体を作製し、
実施例1と同様の測定を行った。測定結果を表1に示
す。
【0042】(実施例3)Gd0.26(Fe0.70
0.300.74の再生層13を20nm、非磁性中間層1
4をDyとして10nmの厚みとしたほかは実施例1と
同様の光磁気記録媒体を作製し、実施例1と同様の測定
を行った。測定結果を表1に示す。
【0043】表1に示すように実施例2、実施例3では
再生層の膜厚が20nmであっても実施例1で再生層が
26nmの試料と同等の高いC/N、小さなジッタが得
られた。これは非磁性中間層の反射率が高いために再生
層のカー回転角が増加することが主な原因である。ま
た、実施例2は実施例3よりわずかに再生特性は良好で
あるが、記録パワーが20%ほど高い。実施例3のよう
に熱伝導率が低い非磁性中間層を用いることでかなり高
い線速まで対応可能となり高いC/Nと転送速度を得る
ことができる。また、再生磁界については実施例1の再
生層の膜厚が26nmの試料については110〜220
Oeの範囲で、実施例1〜3までの再生層の膜厚が2
0nmの試料については100〜250 Oeの範囲で
良好なC/Nが得られ、再生層の膜厚を薄くすることで
再生磁界の余裕が広がることがわかった。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、再生光の光学的回折限界をはるかに越えた大
きさで記録された情報を高いCNRで読み取ることがで
きる。また、本発明の光磁気記録媒体及びその再生方法
は、再生信号の立ち上がりと立ち下がりのどちらのエッ
ジのジッタも小さいのでエッジ記録に好適である。さら
にクロストークが小さいため従来のダブルマスク型の超
解像媒体を越える記録密度が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光磁気記録媒体の積層構造の一例を示
す部分断面図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の超解像再生の原理を
示す概念図である。
【図3】本発明の光磁気記録媒体の再生時の再生層上の
記録磁区の転写と消滅の時間的推移を示す概念図であ
る。
【図4】従来のダブルマスク型の超解像光磁気記録媒体
の再生時の再生層上の記録磁区の転写と第2のマスクへ
の吸収の時間的推移を示す概念図である。
【符号の説明】
11 透明な基板 12 第1誘電体層 13、21 再生層 14、22 非磁性中間層 15、23 再生補助層 16、24 切断層 17、25 記録層 18 第2誘電体層 19 保護コート 26 記録磁界 27 記録パルスレーザービーム 28 媒体移動方向 29 記録層がキュリー温度Tc4以上になった領域 30 再生磁界 31、41、51 再生レーザービームおよびビームス
ポット 32 切断層のキュリー温度Tc3付近の所定の温度Ts2
以上の部分 33、42、52 第1のマスク 34、43、53 再生層に磁区が転写する領域 35、44、54 第2のマスク 45、55 記録磁区

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板上に少なくとも再生層、非磁
    性中間層、再生補助層、切断層、記録層がこの順に積層
    された積層構造を有し、前記再生層、再生補助層、切断
    層、記録層のキュリー温度を各々Tc1、Tc2、Tc3、T
    c4としたとき、Tc3<Tc4、Tc2>Tc4、Tc1>Tc4
    あることを特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 切断層のキュリー温度付近の所定の温度
    s2未満では、記録層に記録された記録磁区が記録層か
    ら再生補助層に転写されており、再生時に再生磁界を加
    えることにより、再生補助層においては前記温度Ts2
    上の温度の部分で再生補助層の磁区が消滅し、再生層に
    おいては室温で磁化が再生磁界の方向に揃うために磁区
    が存在しない状態であり、室温より高く前記温度Ts2
    満の温度Ts1で、静磁的な結合により再生補助層から再
    生層に記録磁区が転写し、前記温度Ts2で再生補助層の
    磁区が消滅すると同時に再生層の磁区も消滅することを
    特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 再生層、再生補助層、切断層、記録層が
    希土類遷移金属合金からなり、再生層および再生補助層
    の室温での磁化が50emu/cc以下であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 再生層、再生補助層がGdFeCoを主
    体とした希土類遷移金属合金からなることを特徴とする
    請求項3記載の光磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非磁性中間層がSi、Al、Ti、Ta
    の窒化物から選択された1種又は2種以上の窒化物で構
    成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載の光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 非磁性中間層がAl、Au、Ag、P
    t、Pdからなる群から選択された1種又は2種以上の
    金属元素を主体として構成されていることを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の光磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 非磁性中間層が希土類元素から選択され
    た1種又は2種以上の元素で構成されていることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の光磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 切断層のキュリー温度付近の所定の温度
    s2未満で、記録層に記録された記録磁区を記録層から
    再生補助層に転写させ、再生時に再生磁界を加えること
    により、再生補助層においては前記温度Ts2以上の温度
    の部分の再生補助層の磁区を消滅させ、再生層において
    は室温では磁化を再生磁界の方向に揃えて磁区が存在し
    ない状態とし、室温より高く前記温度Ts2未満の温度T
    s1で、静磁的な結合により再生補助層から再生層に磁区
    を転写させ、前記温度Ts2で再生補助層の磁区が消滅す
    ると同時に再生層の磁区も消滅させることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の光磁気記録媒体の
    再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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