JPH0931263A - ポリエチレン組成物および容器 - Google Patents

ポリエチレン組成物および容器

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JPH0931263A
JPH0931263A JP8065047A JP6504796A JPH0931263A JP H0931263 A JPH0931263 A JP H0931263A JP 8065047 A JP8065047 A JP 8065047A JP 6504796 A JP6504796 A JP 6504796A JP H0931263 A JPH0931263 A JP H0931263A
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高明 服部
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】透明性、耐衝撃性、ヒートシール特性、抗ブロ
ッキング性に優れ、樹脂成分の内容物中への溶出の少な
いシート、容器等の構成材料として適する樹脂組成物と
同容器。 【解決手段】(A)以下の(ア)〜(エ)などを満足す
るエチレン・α−オレフィン共重合体98〜20重量% (ア)密度dが0.86〜0.96g/cm3(イ)メ
ルトフローレート(MFR)が0.01〜200g/1
0min(ウ)分子量分布が1.5〜4.5(エ)25
℃におけるオルソジクロロベンゼン可溶分の量X(wt
%)と密度dおよびMFRが次の関係を満足する a)d−0.008logMFR≧0.93の場合 X<2.0 b)d−0.008logMFR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008
1ogMFR)2 +2.0 および(B)他のエチレン系重合体2〜80重量%から
なるポリエチレン組成物とそれを構成材料とする容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、衝撃強
度、低温ヒートシール性、ヒートシール強度等のヒート
シール特性が良好で、抗ブロッキング性に優れたフィル
ム、および例えばガスバリアー性や強い腰を有する基材
と積層することにより、前記特性を備えた積層体の一部
に用いられるシーラントフィルムを得るに好適なポリエ
チレン組成物およびそれを用いた容器に関する。該組成
物によるフィルムあるいはフィルムをシーラントに用い
た積層体は、例えば漬物、乳製品、レトルト食品あるい
は冷凍食品、菓子などの食品あるいは衣類などの各種包
装材、医療用薬剤や輸液容器、各種液体輸送用包材、ボ
トル、容器などに用いられる。
【0002】
【従来の技術】昨今、食品包装材、食品包装容器、食品
包装袋、衣料品、雑貨等の各種一般容器等においては、
内容物の確認等のための透明性をはじめ、柔軟性、耐衝
撃性、製袋時の高いヒートシール強度や低温ヒートシー
ル性等のヒートシール特性あるいは殺菌、調理等の水蒸
気、煮沸処理等のための耐熱性が要求されている。ま
た、医療用輸液容器においても、異物の混入の有無の確
認や薬剤配合変化を確認するための透明性、水蒸気殺菌
処理等のための耐熱性、空気中の微生物の混入の懸念を
なくすため、輸液投与時に通気針による外気の導入なし
に内容液を完全に排出可能である柔軟性が要求されてい
る。
【0003】このような各種容器には線状低密度ポリエ
チレン、高圧法低密度ポリエチレンなどが用いられてい
る。しかし高圧法低密度ポリエチレンは強度が十分では
なく、線状低密度ポリエチレンは透明性あるいはヒート
シール特性が十分ではなかった。また医療用輸液容器に
はエチレン・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポ
リプロピレン、線状低密度ポリエチレン、高圧法低密度
ポリエチレンなどが用いられている。しかしエチレン・
酢酸ビニル共重合体は耐熱性を付与するために架橋する
ことが必要であることや、薬剤がその極性基分子に吸着
されること、塩化ビニル樹脂は添加されている可塑剤が
薬液へ溶出すること、ポリプロピレンは柔軟性が乏しい
こと、また高圧法低密度ポリエチレンは強度が弱いこと
などの欠点から、線状低密度ポリエチレンが主に使用さ
れている。
【0004】線状低密度ポリエチレンを用いた医療用容
器としては、低密度エチレン・α−オレフィン共重合体
単独(特開昭62−57555号、特開昭62−941
65号、特開平3−94756号など)や高圧ラジカル
重合低密度ポリエチレンとのブレンド物(特開昭59−
203560号や特開平3−168231号、特開平3
−29659号など)からなる容器が提案されている
が、これらの容器はいずれも耐熱性と同時に透明性や柔
軟性を十分に満足するものとはいえない。この線状低密
度ポリエチレンの透明性や柔軟性を満足するためには密
度を低くする必要があるが、過剰なα−オレフィンの導
入は、医療用容器としては好ましくない低結晶成分のブ
リードアウトを増やしたり、高圧蒸気滅菌処理工程にお
ける耐熱性を減少させるなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、柔軟性、耐熱性、耐衝撃性に優れると共に、ヒート
シール特性や抗ブロッキング性にも優れ、さらに樹脂成
分の内容物への溶出が少ないフィルムやシート等に適し
た組成物およびそれを用いた容器を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、分子量分布が狭
く、適度な組成分布を有し透明性、柔軟性に寄与する低
結晶成分および耐熱性に寄与する高結晶成分を適度に含
む特性の結晶性エチレン・α−オレフィン重合体と他の
低密度ポリエチレン等を混合した組成物を用いることに
より上記の欠点を解決し、高衝撃強度、低分子量樹脂成
分の低溶出および優れた低温ヒートシール性を有し、透
明性に優れた組成物が得られることを見いだし本発明に
至った。
【0007】本発明は第1に、典型的なメタロセン系触
媒で重合されるエチレン・α−オレフィン共重合体とは
異なり、狭い分子量分布と適度な広さの組成分布を有す
る新規なエチレン・α−オレフィン共重合体を用いるこ
とによって従来のものに比べ透明性に優れ、強度が更に
強くなり、低温ヒートシール性が優れ、フィルム表面の
べたつきが少ないフィルムが得られる組成物を提供する
ものである。本発明は第2に、前記エチレン・α−オレ
フィン共重合体に、特に、高圧ラジカル重合による低密
度ポリエチレン、エチレン・ビニルエステル共重合体、
エチレンとα・β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導
体との共重合体、または一般の線状低密度ポリエチレン
を添加することによって、さらに柔軟性、加工性に優れ
たフィルムに好適な組成物を提供するものである。本発
明は第3に、前記エチレン・α−オレフィン共重合体
に、特に、高密度ポリエチレンを添加することによっ
て、さらに耐熱性、耐衝撃性に優れ、低分子量成分の溶
出の少ない、容器等に好適な組成物を提供するものであ
り、第4にこれら組成物を用いた容器を提供することが
可能であることを見いだし本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、第1に、(A)以下の
(ア)〜(カ)を満足するエチレン・α−オレフィン共
重合体98〜20重量% (ア)密度が0.86〜0.96g/cm3 (イ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
0g/10min (ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5 (エ)組成分布のパラメーターCbが1.08〜2.0
0 (オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次の
関係を満足する a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
FR≧0.93の場合 X<2.0 b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
FR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008
1ogMFR)2 +2.0 (カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在する および(B)他のエチレン系重合体2〜80重量%から
なることを特徴とするポリエチレン組成物である。
【0009】本発明は第2に、 (A)以下の(ア)〜(カ)を満足するエチレン・α−
オレフィン共重合体98〜20重量% (ア)密度が0.86〜0.96g/cm3 (イ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
0g/10min (ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5 (エ)組成分布のパラメーターCbが1.10〜2.0
0 (オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次の
関係を満足する a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
FR≧0.93の場合 X<2.0 b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
FR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008
1ogMFR)2 +2.0 (カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在する および(B)高圧ラジカル重合によって得られた低密度
ポリエチレン、エチレン・ビニルエステル共重合体、エ
チレンとα,β−不飽和カルボン酸もしくはその誘導体
との共重合体、または以下の(キ)〜(ク)を満足する
エチレン・α−オレフィン共重合体(ただし、(A)と
(B)は異なる)2〜80重量% (キ)密度が0.860〜0.945g/cm3 (ク)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
0g/10min からなることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物であ
る。
【0010】本発明は第3に、 (A)以下の(ア)〜(カ)を満足するエチレン・α−
オレフィン共重合体98〜50重量% (ア)密度が0.86〜0.96g/cm3 (イ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
0g/10min (ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5 (エ)組成分布のパラメーターCbが1.10〜2.0
0 (オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次の
関係を満足する a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
FR≧0.93の場合 X<2.0 b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
FR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008
1ogMFR)2 +2.0 (カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在する および(B)以下の(ケ)〜(コ)を満足する高密度ポ
リエチレン(ただし、(A)と(B)は異なる)2〜5
0重量% (ケ)密度が0.945〜0.980g/cm3 (コ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
0g/10min からなることを特徴とするポリエチレン組成物である。
【0011】本発明は第4に、 (A)以下の(ア)〜(カ)を満足するエチレン・α−
オレフィン共重合体100〜20重量% (ア)密度が0.86〜0.96g/cm3 (イ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
0g/10min (ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5 (エ)組成分布のパラメーターCbが1.10〜2.0
0 (オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次の
関係を満足する a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
FR≧0.93の場合 X<2.0 b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
FR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008
1ogMFR)2 +2.0 (カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
−溶出量曲線のピークが複数個存在する および(B)他のエチレン系重合体0〜80重量%から
なるポリエチレン組成物を必須構成材料とする容器であ
る。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
(A)エチレン・α−オレフィン共重合体はいわゆる典
型的なメタロセン系触媒で重合されたエチレン・α−オ
レフィン共重合体とは異なる新規なエチレン・α−オレ
フィン共重合体であり、エチレンと炭素数3〜20のα
−オレフィンより選ばれた一種以上との共重合体であ
る。この炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、好
ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロ
ピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンな
どが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有
量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル
%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0013】エチレン・α−オレフィン共重合体(A)
の密度(ア)は、0.86〜0.96g/cm3 、好ま
しくは0.88〜0.94g/cm3 の範囲である。密
度が0.86g/cm3 未満では製品の剛性や耐熱性が
劣り、0.96g/cm3 以上では耐衝撃性が十分でな
いおそれがある。
【0014】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
(A)のMFR(イ)は0.01〜200g/10mi
n、好ましくは0.1〜100g/10min、さらに
好ましくは0.2〜50g/10minの範囲にあるこ
とが望ましい。MFRが0.01g/10min未満で
は成形加工性が劣り、200g/10min以上では強
度が低下する。
【0015】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
(A)の分子量分布(Mw/Mn)(ウ)の算出方法
は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GP
C)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)を求め、この比Mw/Mnを求めるものである。こ
れらはMw/Mnは1.5〜4.5、好ましくは1.8
〜3.5であり、さらに好ましくは2.0〜3.0、よ
り好ましくは2.2〜2.8の範囲にあることが望まし
い。Mw/Mnが1.5未満では成形加工性が劣り、
4.5以上では耐衝撃性が劣る。
【0016】前記エチレン・α−オレフィン共重合体の
組成分布パラメーターCb(エ)は1.08〜2.0
0、好ましくは1.10〜2.00であり、さらに好ま
しくは1.12〜1.70、より好ましくは1.15〜
1.50の範囲にあることが望ましい。1.08未満で
は密度の割りには剛性が劣り、2.00を超えると、ブ
ロッキングしやすく、ヒートシール特性も不良となり、
透明性が低下し、低分子量成分あるいは高分岐度成分の
樹脂表面へのにじみだしが多く衛生上の問題が生じる。
【0017】なお、エチレン・α−オレフィン共重合体
の組成分布パラメーターCbの測定法は下記の通りであ
る。すなわち、試料に酸化防止剤を加え、ODCBに試
料濃度が0.2重量%となるように135℃で加熱溶解
する。この加熱された溶液をけい藻土(セライト54
5)を充填したカラムに移送し、0.1℃/minの冷
却速度で25℃まで冷却し、試料をセライト表面に沈着
する。次に、ODCBを一定流量で流しながら、カラム
温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温しなが
ら、試料を溶出させ各温度ごとに試料を分別採取する。
この溶液を試料の沈殿剤であるメタノールを加え再沈
後、ろ過、乾燥し、各溶出温度ごとの試料を得る。各試
料の重量分率および分岐度(炭素質1000個あたりの
分岐数)を13C−NMRにより測定し求める。
【0018】溶出温度が30℃から90℃で採取したフ
ラクションについては次のような、分岐度の補正を行
う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度をプロ
ットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、検量線
を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。この検
量線により求めた値を各フラクションの分岐度とする。
なお、溶出温度95℃以上では溶出温度と分岐度に必ず
しも直線関係が成立しないのでこの補正は行わず実測値
を用いる。
【0019】次にそれぞれのフラクションの重量分率w
i を、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(bi
−bi-1 )で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対し
て相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組
成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラ
メーターCbを算出する。
【数1】 ここで、cj とbj はそれぞれj番目の区分の相対濃度
と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組
成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がる
に従って値が大きくなる。
【0020】なお、エチレン・α−オレフィン共重合体
の組成分布を記述する方法は多くの提案がなされてい
る。例えば特開昭60−88016号では、試料を溶剤
分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分
率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値
処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度
(Cn)の比を求めている。この近似計算は、試料の分
岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が
下がり、市販のLLDPEについて測定を行うと相関係
数R2 はかなり低く、値の精度は充分でない。また、こ
のCw/Cnと本発明のCbとは、定義および測定方法
が異なる。
【0021】本発明のエチレン・α−オレフィン共重合
体(A)は、25℃における(オ)ODCB可溶分の量
X(wt%)と密度dおよびMFRが d−0.008logMFR≧0.93を満たす場合
は、Xは2重量%未満、好ましくは1重量%未満、さら
に好ましくは0.5重量%未満 d−0.008logMFR<0.93の場合は、X<
9.8×103 ×(0.9300−d+0.008lo
gMFR)2 +2.0 好ましくはX<7.4×10
3 ×(0.9300−d+0.008logMFR)2
+1.0 さらに好ましくはX<5.6×103 ×
(0.9300−d+0.008logMFR)2
0.5を満足している必要がある。
【0022】本発明のエチレン・α−オレフィン共重合
体の25℃におけるODCB可溶分(エ)は、下記の方
法により測定した。試料0.5gを20mlのODCB
に加え135℃で2時間加熱し、試料を完全に溶解した
後、25℃まで冷却した。この溶液を25℃で一晩放置
後、テフロン製フィルターでろ過してろ液を採取した。
試料溶液のメチレンの非対称伸縮振動の波数2925c
-1付近の吸収ピーク面積を求め、あらかじめ作成した
検量線によりろ液中の試料濃度を算出した。この値よ
り、25℃におけるODCB可溶分を求めた。
【0023】25℃におけるODCB可溶分は、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体に含まれる高分岐度成分お
よび低分子量成分であり、衛生上の問題や耐熱性の低
下、成形品表面のベタツキの原因となるため該可溶分量
は少ないことが望ましい。ODCB可溶分の量は、共重
合体のコモノマーの含有量および分子量に影響される。
従ってこれらの指標である密度およびMFRとODCB
可溶分の量が上記の関係を満たすことは、α−オレフィ
ンが局所的に高濃度で共重合したものの割合が少ないこ
とを示す。
【0024】本発明の(A)エチレン・α−オレフィン
共重合体は、連続昇温溶出分別法(TREF)により求
めた溶出温度−溶出量曲線において、ピークが複数個あ
る必要があり、さらにその高温側のピークが85℃から
100℃の間に存在することが特に好ましい。このピー
クが存在することにより、成形体の耐熱性が向上する。
図1は本発明の共重合体の溶出温度−溶出量曲線であ
る。図2はいわゆる一般メタロセン触媒による共重合体
の溶出温度−溶出量曲線であり両者は顕著に異なる。
【0025】本発明にかかわる連続昇温溶出分別法(T
REF)の測定方法は下記の通りである。試料に酸化防
止剤を加え、ODCBに試料濃度0.05重量%となる
ように135℃で加熱溶解する。加熱された試料溶液5
mlを、ガラスビーズを充填したカラムに注入し、0.
1℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、試料をガ
ラスビーズ表面に沈着する。次に、このカラムにODC
Bを一定流量で流しながら、カラム温度を50℃/hr
の一定速度で昇温し、試料を順次溶出させる。この際、
溶剤中に溶出している試料濃度を、赤外線検出器を用い
メチレンの非対称伸縮振動の波数2925cm-1により
連続的に検出する。この値から、溶液中に含まれるエチ
レン・α−オレフィン共重合体濃度と、溶出温度との関
係を求める。TREF分析は極少量の試料で、温度変化
に対する溶出速度の変化を連続的に分析できるため、分
別法では検出できない比較的細かいピークの検出が可能
である。
【0026】本発明の特定の(A)エチレン・α−オレ
フィン共重合体の製造は、上記(ア)〜(カ)の性状を
満足すればよく、好ましくは以下のD1〜D5からなる
触媒で重合することが望ましい。すなわち、D1:一般
式Me1 1 p (OR2 q 1 4-p-q で表される化合
物(式中Me1 はZr,Ti,Hfを示し、R1 および
2 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X1 はハロゲ
ン原子を示し、pおよびqは各々0≦p<4,0≦p+
q≦4の範囲を満たす整数である)、D2:一般式Me
2 3 m (OR4n 2 z-m-n で表される化合物(式
中Me2 は周期律表第I〜III族元素、R3 およびR
4 は各々炭素数1〜24の炭化水素基、X2 はハロゲン
原子または水素原子(ただし、X2 が水素原子の場合は
Me2 は周期律表第III族元素の場合に限る)を示
し、zはMe2 の価数を示し、mおよびnは各々0≦m
≦z、0≦n≦zの範囲を満たす整数であり、かつ0≦
m+n≦zである)、D3:共役二重結合を持つ有機環
状化合物、およびD4:Al−O−Al結合を含む変性
有機アルミニウムオキシ化合物、D5:無機担体および
/または粒子状ポリマー担体を相互に接触させて得られ
る触媒である。
【0027】上記触媒成分(D1)の一般式Me1 1
p (OR2 q 1 4-p-qで表される化合物の式中Me1
は前述のようにジルコニウム、チタン、ハフニウムを示
すが、これらの遷移金属の種類は限定されるものではな
く、複数を用いることもできるが、共重合体の耐候性の
優れるジルコニウムが含まれることが特に好ましい。R
1 およびR2 は各々炭素数1〜24の炭化水素基で、好
ましくは炭素数1〜12、さらに好ましくは1〜8であ
り、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基などのアルキル基;ビニル基、ア
リル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キ
シリル基、メシチル基、インデニル基、ナフチル基など
のアリール基;ベンジル基、トリチル基、フェネチル
基、スチリル基、ベンズヒドリル基、フェニルブチル
基、ネオフイル基などのアラルキル基などが挙げられ
る。これらは分岐があってもよい。X1 はフッ素、ヨウ
素、塩素および臭素などのハロゲン原子を示し、pおよ
びqはそれぞれ0≦p<4,0≦q<4,0≦p+q≦
4の範囲を満たし、好ましくは0≦p+q≦4の範囲で
ある。
【0028】上記触媒成分(D1)一般式で示される化
合物の例としては、テトラメチルジルコニウム、テトラ
エチルジルコニウム、テトラベンジルジルコニウム、テ
トラプロポキシジルコニウム、トリプロポキシモノクロ
ロジルコニウム、ジプロポキシジクロロジルコニウム、
テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシモノクロロ
ジルコニウム、ジブトキシジクロロジルコニウム、テト
ラブトキシチタン、テトラブトキシハフニウムなどが挙
げられ、これらを2種以上混合して用いても差し支えな
い。
【0029】上記触媒成分(D2)の一般式Me2 3
m (OR4 n 2 z-m-n で表される化合物の式中Me
2 は周期律表第I〜III族元素を示し、リチウム、ナ
トリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜
鉛、ホウ素、アルミニウムなどである。R3 およびR4
は各々炭素数1〜24の炭化水素基、好ましくは炭素数
1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、具体的には
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基などのア
ルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシ
チル基、インデニル基、ナフチル基などのアリール基;
ベンジル基、トリチル基、フェネチル基、スチリル基、
ベンズヒドリル基、フェニルブチル基、ネオフイル基な
どのアラルキル基などが挙げられる。これらは分岐があ
ってもよい。X2 はフッ素、ヨウ素、塩素および臭素な
どのハロゲン原子または水素原子を示すものである。た
だし、X2 が水素原子の場合はMe2 はホウ素、アルミ
ニウムなどに例示される周期律表第III族元素の場合
に限るものである。また、zはMe2 の価数を示し、m
およびnは各々0≦m≦z、0≦n≦zの範囲を満たす
整数であり、かつ0≦m+n≦zである。
【0030】上記触媒成分(D2)の一般式で示される
化合物の例としては、メチルリチウム、エチルリチウム
などの有機リチウム化合物;ジメチルマグネシウム、ジ
エチルマグネシウム、メチルマグネシウムクロライド、
エチルマグネシウムクロライドなどの有機マグネシウム
化合物;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛などの有機亜鉛化
合物;トリメチルボロン、トリエチルボロンなどの有機
ボロン化合物;トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシ
ルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライ
ド、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルア
ルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムハイド
ライドなどの有機アルミニウム化合物等の誘導体が挙げ
られる。
【0031】上記触媒成分(D3)の共役二重結合を持
つ有機環状化合物とは、環状で共役二重結合を2個以
上、好ましくは2〜4個、さらに好ましくは2〜3個有
する環を1個または2個以上もち、全炭素数が4〜2
4、好ましくは4〜12である環状炭化水素化合物;前
記環状炭化水素化合物が部分的に1〜6個の炭化水素残
基(典型的には、炭素数1〜12のアルキル基またはア
ラルキル基)で置換された環状炭化水素化合物;共役二
重結合を2個以上、好ましくは2〜4個、さらに好まし
くは2〜3個有する環を1個または2個以上もち、全炭
素数が4〜24、好ましくは4〜12である環状炭化水
素基を有する有機ケイ素化合物;前記環状炭化水素基が
部分的に1〜6個の炭化水素残基またはアルカリ金属塩
(ナトリウムまたはリチウム塩)で置換された有機ケイ
素化合物が含まれる。特に好ましくは分子中のいずれか
にシクロペンタジエン構造をもつものが望ましい。
【0032】上記の好適な化合物としては、シクロペン
タジエン、インデン、アズレンまたはこれらのアルキ
ル、アリール、アラルキル、アルコキシまたはアリール
オキシ誘導体などが挙げられる。また、これらの化合物
がアルキレン基(その炭素数は通常2〜8、好ましくは
2〜3)を介して結合(架橋)した化合物も好適に用い
られる。
【0033】環状炭化水素基を有する有機ケイ素化合物
は、下記一般式で表示することができる。 AL SiR4-L ここで、Aはシクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、インデニル基、置換インデニル基で例示
される前記環状水素基を示し、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基などのアル
キル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブト
キシ基などのアルコキシ基;フェニル基などのアリール
基;フェノキシ基などのアリールオキシ基;ベンジル基
などのアラルキル基で示され、炭素数1〜24、好まし
くは1〜12の炭化水素残基または水素を示し、Lは1
≦L≦4、好ましくは1≦L≦3である。
【0034】上記成分(D3)の有機環状炭化水素化合
物の具体例は、シクロペンタジエン、メチルシクロペン
タジエン、エチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチ
ルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−イ
ンデン、4,7−ジメチルインデン、シクロヘプタトリ
エン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテト
ラエン、アズレン、フルオレン、メチルフルオレンのよ
うな炭素数5〜24のシクロポリエンまたは置換シクロ
ポリエン、モノシクロペンタジエニルシラン、ビスシク
ロペンタジエニルシラン、トリスシクロペンタジエニル
シラン、モノインデニルシラン、ビスインデニルシラ
ン、トリスインデニルシラン等が挙げられる。
【0035】触媒成分(D4)Al−O−Al結合を含
む変性有機アルミニウムオキシ化合物とは、アルキルア
ルミニウム化合物と水とを反応させることにより、通常
アルミノキサンと称される変性有機アルミニウムが得ら
れ、分子中に通常1〜100個、好ましくは1〜50個
のAl−O−Al結合を含有する。また、変性有機アル
ミニウムオキシ化合物は線状でも環状でもいずれでもよ
い。
【0036】有機アルミニウムと水との反応は通常不活
性炭化水素中で行われる。該不活性炭化水素としてはペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の脂肪族、脂環族、芳香族炭
化水素が好ましい。水と有機アルミニウム化合物との反
応比(水/Alモル比)は通常0.25/1〜1.2/
1、好ましくは0.5/1〜1/1であることが望まし
い。
【0037】触媒成分(D5)無機物担体および/また
は粒子状ポリマー担体とは、炭素質物、金属、金属酸化
物、金属塩化物、金属炭酸塩またはこれらの混合物ある
いは熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。該無
機物担体に用いることができる好適な金属としては、
鉄、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。具体的
にはSiO2 、Al2 3 、MgO、ZrO2 、TiO
2 、B2 3 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 等ま
たはこれらの混合物が挙げられ、SiO 2 −Al
2 3 、SiO2 −V2 5 、SiO2 −TiO2 、S
iO2 −V2 5 、SiO2 −MgO、SiO2 −Cr
2 3 等が挙げられる。これらの中でもSiO2 および
Al2 3 からなる群から選択された少なくとも1種の
成分を主成分とするものが好ましい。また、有機化合物
としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用
でき、具体的には、粒子状のポリオレフィン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ(メタ)アク
リル酸メチル、ポリスチレン、ポリノルボルネン、各種
天然高分子およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0038】上記無機物担体および/または粒子状ポリ
マー担体は、このままで使用することもできるが、好ま
しくは予備処理としてこれらの担体を有機アルミニウム
化合物やAl−O−Al結合を含む変性有機アルミニウ
ム化合物などに接触処理させた後に成分(D5)として
用いることもできる。
【0039】本発明の(I)エチレン・α−オレフィン
共重合体は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造さ
れ、一段重合法、多段重合法など特に限定されるもので
はない。
【0040】上記(A)エチレン・α−オレフィン共重
合体と(B)他のエチレン系重合体を配合して用いると
上記の特徴を生かすことができる。
【0041】本発明の(B)他のエチレン系重合体は、
チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の遷移金
属化合物を含有する固体触媒成分と有機アルミニウム等
の助触媒とからなるチーグラー系触媒またはフィリップ
ス系触媒を用いるイオン重合法で得られるエチレン・α
−オレフィン共重合体および高圧ラジカル重合によって
得られる低密度ポリエチレン(HPLDPE)を含むも
のである。イオン重合法によるエチレン・α−オレフィ
ン共重合体は密度0.860〜0.945g/cm3
MFRが0.01〜200g/10minのものであっ
て、具体的には線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
が挙げられる。
【0042】上記(B)他のエチレン・α−オレフィン
共重合体のα−オレフィンとしては、炭素数3〜12、
好ましくは3〜10の範囲であって、具体的にはプロピ
レン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を
挙げることができる。
【0043】さらにもう一つの(B)他のエチレン系重
合体は、高圧ラジカル重合によるエチレン重合体あるい
はエチレン共重合体などである。好ましくは、高圧ラジ
カル重合による低密度ポリエチレン(LDPE)、エチ
レン・ビニルエステル共重合体、エチレン・α,β−不
飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体である。
【0044】上記低密度ポリエチレン(LDPE)は、
MFRは0.1〜20g/10min、好ましくは0.
2〜15g/10minである。この範囲内であれば組
成物の溶融張力が適切な範囲となりフィルム成形がし易
い。また密度は0.91〜0.94g/cm3 、好まし
くは0.912〜0.935g/cm3 、さらに好まし
くは0.912〜0.930g/cm3 であり、溶融張
力は1.5〜25g、好ましくは3〜20gである。溶
融張力は樹脂の弾性項目であり、上記の範囲であればフ
ィルム成形がし易い。また、Mw/Mnは3.0〜1
0、好ましくは4.0〜8.0である。
【0045】本発明のエチレン・ビニルエステル共重合
体とは、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主
成分とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン
酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニル
エステル単量体との共重合体である。これらの中でも特
に好ましいものとしては、酢酸ビニル(EVA)を挙げ
ることができる。すなわち、エチレン50〜99.5重
量%、ビニルエステル0.5〜50重量%、他の共重合
可能な不飽和単量体0〜49.5重量%からなる共重合
体が好ましい。特にビニルエステル含有量は3〜20重
量%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。これら
共重合体のMFRは、0.1〜20g/10min、好
ましくは0.3〜10g/10minであり、溶融張力
は2.0〜25g、好ましくは3〜20gである。
【0046】本発明のエチレンとα,β−不飽和カルボ
ン酸もしくはその誘導体との共重合体の代表的な共重合
体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸またはその
アルキルエステル共重合体が挙げられ、これらのコモノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタ
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プ
ロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−n−
ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等を挙
げることができる。この中でも特に好ましいものとして
(メタ)アクリル酸のメチル、エチル(EEA)等のア
ルキルエステルを挙げることができる。特に(メタ)ア
クリル酸エステル含有量は3〜20重量%、好ましくは
5〜15重量%の範囲である。これら共重合体のMFR
は、0.1〜20g/10min、好ましくは0.3〜
10g/10minであり、溶融張力は2.0〜25
g、好ましくは3〜20gである。
【0047】また、本発明の高密度ポリエチレンとは、
いわゆるチーグラー系触媒または遷移金属酸化物触媒あ
るいは類似の触媒のような配位金属触媒または有機金属
触媒の存在下、エチレン単独もしくはエチレンと10モ
ル%以下のα−オレフィンとを中、低圧で重合して得ら
れる重合体あるいはこれらの混合物などである。このα
−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。
該HDPEのdは0.945〜0.980g/cm3
範囲であり、MFRは0.01〜200g/10分、好
ましくは0.950〜0.970g/cm3 、MFRは
0.1〜50g/10分である。
【0048】本発明の組成物によるフィルムの透明性、
低温ヒートシール性、強度、抗ブロッキング性、低溶出
性等を向上させることを目的とする場合には上記(A)
特定のエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とす
る組成物で形成することが好ましい。また、これらの特
性をある程度保有し、且つ加工性、経済性を考慮した場
合には(B)成分を適度に配合することが望ましい。該
組成物の好ましい配合割合は(A)成分98〜20重量
%、(B)成分は80重量%までである。上記(A)成
分の配合量が20重量%未満、(B)成分の配合量が8
0重量%以上であるとこれらの低温ヒートシール性等の
特性が発揮されないおそれがある。
【0049】本発明の組成物によるフィルムやシートは
前記(A)および、または(B)成分を、インフレーシ
ョン成形法やTダイ成形法等によって成形したもので滑
性、抗ブロッキング性、低温ヒートシール性、透明性お
よび機械的強度が強く樹脂成分の包装内容物への低移行
性などが優れ、各種包装材、容器等に用いられ、中でも
ヒートシールして用いられる用途に適している。その厚
みは、目的、用途等により異なるが、通常20〜100
0μm、好ましくは3〜500μmのものである。
【0050】該組成物からなるフィルムまたはシートに
おいてはヒートシールにより袋状に加工して、中空成形
によるものは、そのまま食用油、調味料などの食品容
器、各種薬剤保存容器等として用いるのに適している。
【0051】本発明における容器としては上記成形法に
より単層あるいはガスバリアー層などの機能を有する層
と積層され食用油、調味料、漬物などの食品容器、衣料
用品、文房具その他日用雑貨品用の容器や医療用輸液容
器等がある。
【0052】本発明における医療用輸液容器は、単層あ
るいはガスバリアー層などの機能を有する層と積層され
例えば生理食塩液、糖類、動物用ワクチン等の各種輸液
用容器および各種薬剤の保存容器を含むものである。こ
れらの容器は、中空成形法によるものは栓等を取り付
け、またフィルムまたはシートの場合は端部をヒートシ
ールして袋状の容器とすると柔軟性があり、輸液滴下時
に通気針による外気の導入なしに内容液を完全に排出可
能となる。
【0053】本発明の組成物には、本発明の目的を損な
わない範囲で、必要に応じて帯電防止剤、酸化防止剤、
滑剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、有機あるいは無機系
顔料、紫外線防止剤、分散剤などの公知の添加剤を添加
することができる。
【0054】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお行った試験法を以下に示す。
【0055】(物性試験方法) 密度 :JIS K6760に準拠した。 MFR :JIS K6760に準拠した。 Mw/Mn :GPC(ウォーターズ150型)
ODCB 135℃ カラム:東ソー(株)製GMMH
R−H(S) PS標準試料による検量線法による。 NMR :日本電子(株)製 GX−27
0,ODCB 135℃で測定した。
【0056】(フィルム評価法) ヘイズ :ASTM D1003に準拠し
た。 引張弾性率 :ASTM D882に準拠した。 引張衝撃試験 :ASTM D1822に準拠し
た。ただしMD(押出方向)の強度を測定した。 抗ブロッキング性 :幅20mmの短冊にカットしたフ
ィルムを長さ5cmだけ2枚重ね、10kgの重りをの
せ50℃に保たれたエアーオーブン中に48時間放置
後、室温23℃、湿度50%で24時間状態調節し、引
張試験機で500mm/min.の速度で引っ張り、荷
重を測定した。 低温ヒートシール性:ヒートシール試験器(テスター産
業(株)製) シールバー幅1mm、圧力2kg/cm2 でシール温度
を5℃刻みで1秒間シール後放冷。シール部を15mm
幅に短冊状に切り出し、引張試験機にて300mm/m
in.でシール部を剥離し、その際の荷重が500gと
なる温度を内挿により求める。
【0057】(容器評価法) 柔軟性 :内容液の自然排出性を目視により
観察した。 ○:比較的良 ×:不良 耐熱性 :蒸留水を充填した容器を121
℃、20分間高圧蒸気滅菌し、変形を目視により観察し
た。 ○:変形せず △:やや変形した ×:変形著しい 落下試験 :5℃に調節した蒸留水充填の容器
を10個、高さ1.2mから落下させ、破袋した容器の
数を調べた。 ○:破袋せず △:1〜2個破袋
【0058】(Tダイフィルム成形条件) 装置 :ユニオンプラスチック(株)製 押出機スクリュー径:30mmφ Tダイ :面長300mm スクリュー回転数 :50r.p.m 押し出し量 :4.8kg/hr ダイリップギャップ:1.2mm 引取速度 :6.1〜6.3m/min 成形樹脂温度 :210〜240℃ フィルム厚み :50μm メチロール温度 :40℃ スクリーンメッシュ:80メッシュ/120メッシュ/
80メッシュ コロナ処理 :約45dyn/cm
【0059】(Tダイフィルム評価法) 低温ヒートシール性:テスター産業(株)製 ヒートシ
ーラーを用い、適宜選ばれた数点の温度で、圧力2kg
/cm2 、シール時間1秒間でヒートシールした。この
フィルムを試験片の幅15mmとし、剥離試験速度30
0mm/minで剥離試験を行った。この際の試験片の
剥離強度が500gとなる温度を内挿により求めた値で
表した。この温度が低い方が低温ヒートシール性に優れ
たものである。 ヘイズ :スガ試験器(株)製直読ヘイズコ
ンピューターHGH−2DPにてJIS K7105に
準拠した。
【0060】使用した樹脂の内PE−1〜PE−6につ
いては以下の方法で重合した。 (固体触媒の調製)窒素下で電磁誘導攪拌機付き触媒調
製器(No.1)に精製トルエンを加え、ついでジプロ
ポキシジクロロジルコニウム(Zr(OPr)2
2 )28gおよびメチルシクロペンタジエン48gを
加え、0℃に系を保持しながらトリデシルアルミニウム
45gを滴下し、滴下終了後、反応系を50℃に保持し
て16時間攪拌した。この溶液をA液とした。次に窒素
下で別の攪拌機付き触媒調製器(No.2)に精製トル
エンを加え、前記A溶液と、ついでメチルアルミノキサ
ン6.4molのトルエン溶液を添加し反応させた。こ
れをB液とした。次に窒素下で攪拌機付き調製器(N
o.1)に精製トルエンを加え、ついであらかじめ40
0℃で所定時間焼成処理したシリカ(富士デビソン社
製、グレード#952、表面積300m2 /g)140
0gを加えた後、前記B溶液の全量を添加し、室温で攪
拌した。ついで窒素ブローにて溶媒を除去して流動性の
良い固体触媒粉末を得た。これを触媒Cとした。
【0061】(試料の重合)連続式の流動床気相法重合
装置を用い、重合温度70℃、全圧20kgf/cm2
Gでエチレンと1−ブテンの共重合を行った。前記触媒
Cを連続的に供給して重合を行い、系内のガス組成を一
定に保つため、各ガスを連続的に供給しながら重合を行
った。なお、生成した共重合体の物性は表1に示した。
【0062】(他のエチレン系重合体) HDPE:高密度ポリエチレン(スラリー法チグラー触
媒品、日本ポリオレフィン(株)製) LL :線状低密度ポリエチレン重合体(気相法チグ
ラー触媒品、コモノマー:ブテン−1、日本ポリオレフ
ィン(株)製) VL :線状超低密度ポリエチレン重合体(気相法チ
グラー触媒品、コモノマー ブテン−1、日本ポリオレ
フィン(株)製) HPLD:高圧法低密度ポリエチレン(日本ポリオレフ
ィン(株)製) EVA :高圧法エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸
ビニル濃度5%、日本ポリオレフィン(株)製) EEA :高圧法エチレン−アクリル酸エチル共重合体
(アクリル酸エチル濃度5%、日本ポリオレフィン
(株)製)
【0063】実施例1 樹脂成分(I)PE−1を80重量部および樹脂成分
(II)のLLを20重量部、イルガノックス1076
(チバガイギー(株)製)0.24重量部、イルガフォ
ス168(チバガイギー(株)製)0.12重量部、ス
テアリン酸カルシウム(日本油脂(株)製)0.1重量
部を加え、ヘンシェルミキサーで約30秒間均一に混合
した後ペレット化し、プレスにて厚さ0.5mmのシー
トを作成し引張弾性率、引張衝撃試験、ヘイズの測定を
行い、さらに前記の条件でTダイ成形を行い50μmの
フィルム(原紙)を得てブロッキング強度、低温ヒート
シール性を測定した。
【0064】実施例2〜7 表1および2に示した樹脂を用い実施例1と全く同様の
操作を行った。結果を表3に示した。
【0065】実施例8 PE−1およびHDPEを用い実施例1と同様の条件で
得られたフィルムをヒートシールして内容量500ml
の容器を作成しその評価を行った。結果を表4に示し
た。
【0066】実施例9〜10 表1および2に示した樹脂を用い実施例7と全く同様の
操作を行った。結果を表4に示した。
【0067】比較例1 表2に示したLLのみを用い実施例1と全く同様の操作
を行った。結果を表3に実施例に加えて示した。
【0068】比較例2〜4 表1および2に示した樹脂を用い実施例1と全く同様の
操作を行った。結果を表3に示した。
【0069】比較例5〜7 表1および2に示した樹脂を用い実施例8と全く同様の
操作を行った。結果を実施例に加えて表4に示した。
【0070】
【発明の効果】本発明の組成物は透明性、柔軟性、耐熱
性、耐衝撃性に優れると共に、ヒートシール特性や抗ブ
ロッキング性にも優れ、さらに樹脂成分の内容物への溶
出が少ないフィルムやシート等に適した組成物である。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の容器を構成するエチレン・α−オレ
フィン共重合体のTREFにより求めた溶出温度−溶出
量曲線を示す線図。
【図2】 一般メタロセン触媒によるエチレン・α−オ
レフィン共重合体のTREFにより求めた溶出温度−溶
出量曲線を示す線図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】次にそれぞれのフラクションの重量分率w
i を、溶出温度5℃当たりの分岐度bi の変化量(bi
−bi-1 )で割って相対濃度ci を求め、分岐度に対し
て相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組
成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラ
メーターCbを算出する。
【数1】 ここで、cj とbj はそれぞれj番目の区分の相対濃度
と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組
成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がる
に従って値が大きくなる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)以下の(ア)〜(カ)を満足する
    エチレン・α−オレフィン共重合体98〜20重量% (ア)密度が0.86〜0.96g/cm3 (イ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
    0g/10min (ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4.5 (エ)組成分布のパラメーターCbが1.08〜2.0
    0 (オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次の
    関係を満足する a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
    FR≧0.93の場合 X<2.0 b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
    FR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008
    1ogMFR)2 +2.0 (カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在する および(B)他のエチレン系重合体2〜80重量%から
    なることを特徴とするポリエチレン組成物。
  2. 【請求項2】 (B)他のエチレン系重合体が、高圧ラ
    ジカル重合による低密度ポリエチレン、エチレン・ビニ
    ルエステル共重合体、エチレンとα,β−不飽和カルボ
    ン酸もしくはその誘導体との共重合体、または以下の
    (キ)〜(ク)を満足するエチレン・α−オレフィン共
    重合体である請求項1記載のポリエチレン組成物。 (キ)密度が0.860〜0.945g/cm3 (ク)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
    0g/10min
  3. 【請求項3】 (A)以下の(ア)〜(カ)を満足する
    エチレン・α−オレフィン共重合体98〜50重量% (ア)密度が0.86〜0.96g/cm3 (イ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
    0g/10min (ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5 (エ)組成分布のパラメーターCbが1.10〜2.0
    0 (オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次の
    関係を満足する a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
    FR≧0.93の場合 X<2.0 b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
    FR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008
    1ogMFR)2 +2.0 (カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在する および(B)以下の(ケ)〜(コ)を満足する高密度ポ
    リエチレン2〜50重量%からなることを特徴とするポ
    リエチレン組成物。(ただし、(A)と(B)は異な
    る。) (ケ)密度が0.945〜0.980g/cm3 (コ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
    0g/10min
  4. 【請求項4】 (A)以下の(ア)〜(カ)を満足する
    エチレン・α−オレフィン共重合体100〜20重量% (ア)密度が0.86〜0.96g/cm3 (イ)メルトフローレート(MFR)が0.01〜20
    0g/10min (ウ)分子量分布(Mw/Mn)が1.8〜3.5 (エ)組成分布のパラメーターCbが1.10〜2.0
    0 (オ)25℃におけるオルソジクロロベンゼン(ODC
    B)可溶分の量X(wt%)と密度dおよびMFRが次の
    関係を満足する a)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
    FR≧0.93の場合 X<2.0 b)密度dおよびMFRの値がd−0.008logM
    FR<0.93の場合 X<9.8×103 ×(0.9300−d+0.008
    1ogMFR)2 +2.0 (カ)連続昇温溶出分別法(TREF)による溶出温度
    −溶出量曲線のピークが複数個存在する および(B)他のエチレン系重合体0〜80重量%から
    なるポリエチレン組成物を必須構成材料とする容器。
  5. 【請求項5】 (A)エチレン・α−オレフィン共重合
    体の(ア)密度が0.90〜0.93g/cm3 である
    請求項4記載の容器。
  6. 【請求項6】 ポリエチレン組成物が(A)のエチレン
    ・α−オレフィン共重合体98〜20重量%、(B)他
    のエチレン系重合体2〜80重量%からなる請求項4又
    は5記載の容器。
  7. 【請求項7】 容器が医療用輸液容器である請求項4〜
    5のいずれか1項記載の容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002019060A (ja) * 2000-07-07 2002-01-22 Japan Polyolefins Co Ltd 積層体、その製造方法およびこの積層体を用いた容器
JP2002067245A (ja) * 2000-08-23 2002-03-05 Japan Polyolefins Co Ltd 積層体およびラップフィルムならびにその製造方法
JP2005200464A (ja) * 2004-01-13 2005-07-28 Tosoh Corp 樹脂組成物およびそれよりなる容器
JP2006273404A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Sumitomo Chemical Co Ltd 中空成形容器

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