JPH09312981A - 振動アクチュエータ - Google Patents

振動アクチュエータ

Info

Publication number
JPH09312981A
JPH09312981A JP8128313A JP12831396A JPH09312981A JP H09312981 A JPH09312981 A JP H09312981A JP 8128313 A JP8128313 A JP 8128313A JP 12831396 A JP12831396 A JP 12831396A JP H09312981 A JPH09312981 A JP H09312981A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
vibrator
fixed shaft
diameter portion
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8128313A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Sugaya
功 菅谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP8128313A priority Critical patent/JPH09312981A/ja
Publication of JPH09312981A publication Critical patent/JPH09312981A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の振動アクチュエータでは、振動子を支
持する固定軸による振動減衰及び、周囲部品への振動伝
搬による悪影響を解消できなかった。 【解決手段】 固定軸15と、固定軸15により固定さ
れる振動子11と、固定軸15により回動自在に支持さ
れて振動子11の端面に加圧接触される移動子12とを
備える超音波アクチュエータ10であって、固定軸15
は大径部15aを介して振動子11に接触するととも
に、固定軸15の大径部15aの近傍には、振動子11
に発生する少なくとも一つの振動の変位方向と同一方向
に関する捩じり剛性低下部である極小径部15f,15
gが溝状に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定部材と、この
固定部材により固定される振動子と、固定部材により回
動自在に支持されて振動子に加圧接触される相対運動部
材とを備える振動アクチュエータに関し、特に、振動ア
クチュエータの支持損失の低減と、搭載機器内における
他の部品への振動絶縁とをともに図るものである。
【0002】
【従来の技術】小型,軽量,低速性さらには高トルク等
を特徴とする振動アクチュエータは、カメラを始めとす
る様々な製品において実用化が次々に図られており、近
年では、その開発がよりいっそう活発化してきている。
【0003】図16は、縦−捩じり振動型の振動アクチ
ュエータの従来例の構造を示した斜視図である。従来、
この種の振動アクチュエータでは、固定子(ステータ)
101は、2つの円柱型の振動子102,103間に捩
じり振動用の圧電素子104が配置されるとともに、振
動子103の上側に縦振動用の圧電素子105が配置さ
れる。捩じり振動用の圧電素子104は周方向に分極さ
れ、一方、縦振動用の圧電素子105は厚み方向に分極
される。さらに、移動子(ロータ)106は、縦振動用
の圧電素子105の上側に配置される。
【0004】固定子101を構成する振動子102,1
03及び圧電素子104,105は、シャフト107の
ねじ部に螺合されて固定され、移動子106は、ボール
ベアリング108を介してシャフト107に回転可能に
設けられる。シャフト107の先端にはばね109を介
してナット110が螺合し、移動子106を固定子10
1に加圧力Fで加圧接触させる。
【0005】捩じり振動用圧電素子104と縦振動用圧
電素子105とは、発振器111から発振される同一周
波数の電圧を、移相器112により位相制御して駆動さ
れる。
【0006】捩じり振動用圧電素子104は、移動子1
06が回転するための機械的変位を与え、一方、縦振動
用圧電素子105は固定子101と移動子106との間
に働く摩擦力を、圧電素子104による捩じり振動の周
期に同期させて周期的に変動させることにより、振動を
一方向への運動に変換するクラッチ的役割を果たしてい
る。
【0007】図17は、この従来の振動アクチュエータ
の固定子101を展開して示した斜視図である。捩じり
振動用圧電素子104は、周方向に分極する必要がある
ため、圧電材料を図17に示すように、6〜8個程度の
扇形の小片に一端分割し、各小片を分極した後に再度環
状に組み合わせていた。なお、符号104aは電極であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の振動アクチュエータでは、捩じり振動用圧電素子10
4を環状に組み合わせる時に、形状精度を出すことが難
しかった。
【0009】一方、縦振動用圧電素子105,及び捩じ
り振動用圧電素子104それぞれの面積は、ともに、固
定子106の断面積と略等しいか、又は、固定子106
の断面積よりも小さかった。また、シャフト107を貫
通させるために縦振動用圧電素子105,及び捩じり振
動用圧電素子104それぞれの中央部に貫通穴を開ける
必要もあり、そのために、縦振動用圧電素子105,及
び捩じり振動用圧電素子104それぞれの面積はさらに
小さくなり、振動アクチュエータの高トルク化及び高回
転化をともに図ることが難しかった。
【0010】このような問題を解決するために、本出願
人は、既に特願平6−275022号により、高トルク
及び高回転で駆動することができ、しかも、構造及び製
造がともに容易な異形モード縮退型の振動アクチュエー
タを提案した。
【0011】図18は、この異形モード縮退型の振動ア
クチュエータの一例の構造を示す断面図であり、図19
は、この振動アクチュエータを構成する振動子2を抽出
して示す斜視図である。
【0012】図18において、円柱状の固定軸1の外周
面には、中空円筒状の弾性体である振動子2が、固定軸
1の略中心部1aに螺合する取付ボルト3a,3bによ
り貫着される。
【0013】振動子2は、図18に示すように、二つの
厚肉の半円管状弾性体2a,2bを組み合わせて構成さ
れており、その接合面には、圧電定数d15を用いる捩じ
り振動用の圧電素子4,4と圧電定数d31を用いる縦振
動用の圧電素子5,5とがそれぞれ2枚ずつ計4枚挟持
される。
【0014】図18において、振動子2の上端面である
駆動面Dには、中央部に配置されたベアリング6により
固定軸1に回動自在に配置された相対運動部材である移
動子7が接触する。
【0015】移動子7は、厚肉円環状の移動子母材7a
と、振動子2の駆動面Dに接触する摺動材7bとから構
成され、移動子母材7aの内周部に嵌合されたベアリン
グ6によって固定軸1に対して位置決めされる。
【0016】また、移動子7は、加圧部材である皿バネ
8(スプリングバネ又は板バネ等であってもよい。)に
より、弾性体2の駆動面Dに適当な接触圧力で加圧接触
される。
【0017】このように、固定軸1は、振動子2を固定
・保持するとともに移動子7を半径方向に回動自在に位
置決めし、振動アクチュエータとして駆動する際の軸振
れの発生を防止する。この固定軸1の先端にはネジ部1
bが形成され、このネジ部1bに、皿バネ8の加圧力を
調整するための加圧力調整部材であるナット9が螺合す
る。
【0018】このように構成された振動アクチュエータ
は、圧電素子4,5それぞれに図示しない駆動電圧発生
装置から駆動電圧を印加されることにより励振し、振動
子2には捩じり振動及び縦振動が調和的に発生する。捩
じり振動及び縦振動それぞれの共振周波数が略一致する
と、捩じり振動及び縦振動が同時に生じ(縮退)、駆動
面Dに楕円運動が発生し、この楕円運動が駆動力となっ
て、加圧接触する移動子7が固定軸1周りに回転駆動さ
れる。
【0019】振動アクチュエータは、弾性体2a,2b
と電気機械変換素子4,5の組み合わせにより振動子2
を構成する。そして、振動アクチュエータは電気機械変
換素子4,5の逆圧電効果を用いることによって、主に
振動子2の寸法,形状や材料定数等により決定される共
振モードを励振し、そのときに振動子2に発生する大振
幅を利用することにより移動子7を駆動させる。
【0020】このように振動アクチュエータは、振動子
2に複数の振動を励起し、励起した複数の振動を駆動力
として取り出す。したがって、高効率の振動アクチュエ
ータを得るためには、振動子2に発生する振動振幅を移
動子7にできるだけ効率的に伝達することが必要にな
る。一方、振動子2は、移動子7との位置決めや、搭載
対象機器等への搭載のために、固定部材である固定軸1
に取り付ける必要がある。この固定軸1は、振動子2の
位置決めを正確に行うためにある程度の位置合わせを行
うことや、振動子2の保持のために必要な固定面積を確
保することが必要であった。そのため、従来は、振動子
2をボルト3a,3b等により固定軸1へ強固に固定し
ていた。
【0021】しかし、振動子2をボルト3a,3b等に
より固定軸1へ固定すると、たとえ、その固定位置が振
動子2に励起される複数の振動の節付近であっても、大
きな固定面積を用いるとともに高剛性な固定法であるた
め、振動子2に発生する各振動のエネルギー散逸(エネ
ルギー減衰)、つまり振動子2の支持損失を免れること
ができなかった。
【0022】このような支持損失を少しでも低減するた
め、従来より、固定面積を小さくしたり支持部材の剛性
を低下させることを目的に、振動子2と固定軸1とを、
ボルト3a,3bではなく、ピンにより連結・固定する
こと等も検討されてきた。
【0023】図20は、振動子2と固定軸1とを、ピン
3cを支持部材として用いることにより、固定した形態
を示す拡大断面図である。ピン3cを用いることによ
り、振動子2の固定面積を低減するとともに、支持部材
の剛性を低下させて振動子2における支持損失の低減を
図るものである。
【0024】図20に示すように、ピン3cを支持部材
として用いることにより、支持損失を低減することは確
かに可能である。しかし、この場合、振動子2と固定軸
1との間の固定面積が減少するため、振動アクチュエー
タの駆動に伴って固定軸1に対して振動子2が振れてし
まう。そのため、振動子2を固定軸1に対して正確に位
置決めするために、振動子2と固定軸1との間の隙間
に、環状のカラーA1,A2等の別部材を装着する必要
があった。
【0025】しかし、図20に示すように、振動子2と
固定軸1との間の隙間にカラーA1,A2を用いても、
カラーA1,A2と振動子内周面,固定軸外周面との間
には、嵌め合いを行うだけの隙間が必要となる。そのた
め、振動子2と固定軸1との正確な位置決めは極めて難
しいという課題があった。
【0026】さらに、従来は、振動アクチュエータを搭
載対象機器の一部に組み込んだ場合、振動子2に発生す
る振動が固定軸1を介して伝搬し、この振動アクチュエ
ータの周囲近傍に搭載されている他の部品(例えばセン
サ等)に悪影響を与えてしまうという課題があった。
【0027】このような場合、振動アクチュエータの駆
動周波数を、前述した他の部品にとって好ましくない周
波数帯域から外すように、設計することになる。しか
し、これでは、振動アクチュエータの設計の自由度が著
しく阻害されることになる。
【0028】また、別の対策として、振動アクチュエー
タと他の部品との間の距離をできるだけ大きくすること
や、振動絶縁のために防振材等を振動アクチュエータ近
傍に設けることも考えられる。しかし、これでは、振動
アクチュエータや搭載対象機器の設計上、様々な拘束要
件を発生させ、同様に、搭載対象機器に対する設計の自
由度を著しく損なうことになってしまう。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した異
形モード縮退型の振動アクチュエータにおいて、振動子
を固定するための固定軸の一部の剛性を、利用する少な
くとも一方の振動モードの変位方向に対して低くなるよ
うに加工することにより、振動子の振動減衰をできるだ
け抑制して、上述した課題の解決を図るものである。
【0030】請求項1の発明は、棒状の固定部材と、こ
の固定部材が軸方向に向けた貫通部を貫通した状態で固
定部材により固定されるとともに、複数の振動を発生す
ることにより端面に駆動力を発生する中空円柱状の振動
子と、前述した固定部材により回動自在に支持されると
ともに、振動子の端面に加圧接触される厚肉円環状の相
対運動部材とを備える振動アクチュエータであって、固
定部材は、軸方向の一部に形成された大径部を介して振
動子に接触するとともに、固定部材の大径部を除く他の
部分には、振動子に発生する少なくとも一つの振動の変
位方向と同一方向又は略同一方向に関する剛性低下部が
形成されることを特徴とする。
【0031】請求項2の発明は、請求項1に記載された
振動アクチュエータにおいて、剛性低下部が、捩じり剛
性低下部及び曲げ剛性低下部の一方又は双方であること
を特徴とする。
【0032】請求項3の発明は、請求項2に記載された
振動アクチュエータにおいて、捩じり剛性低下部が極小
径部であるとともに、曲げ剛性低下部が断面積減少部で
あることを特徴とする。
【0033】請求項4の発明は、請求項3に記載された
振動アクチュエータにおいて、極小径部が、固定部材に
設けられた溝部又は凹部により形成されるとともに、断
面積減少部が、固定部材に設けられた穴部により形成さ
れることを特徴とする。
【0034】請求項5の発明は、請求項1から請求項4
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、剛性低下部が、大径部の近傍の位置に形成され
ることを特徴とする。
【0035】請求項6の発明は、請求項1から請求項5
までのいずれか1項に記載された振動アクチュエータに
おいて、大径部の振動子との接触部は、大径部の外周面
の一部であることを特徴とする。
【0036】請求項7の発明は、請求項6に記載された
振動アクチュエータにおいて、接触部が、振動子に発生
する振動の節部に接触する位置に設けられることを特徴
とする。
【0037】請求項8の発明は、請求項6又は請求項7
に記載された振動アクチュエータにおいて、接触部の一
部には、さらに、振動子に接触しない非接触部分が形成
されることを特徴とする。
【0038】請求項9の発明は、請求項8に記載された
振動アクチュエータにおいて、非接触部分が、前記接触
部に設けられたざぐり穴により、形成されることを特徴
とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、添付図面を参照しながら、本発
明の実施形態を詳細に説明する。なお、以降の各実施形
態の説明は、振動アクチュエータとして超音波の振動域
を利用する超音波アクチュエータを例にとって、行う。
【0040】図1は、本発明の第1実施形態の超音波ア
クチュエータ10を説明する縦断面図である。図2は、
図1における振動子11と固定軸15との固定部を拡大
して示す縦断面図である。また、図3は、図1における
A−A断面図である。さらに、図4は、この超音波アク
チュエータ10に用いる振動子11の構造を示す説明図
であり、図4(A)は上面図、図4(B)は正面図であ
る。
【0041】第1実施形態の超音波アクチュエータ10
は、円柱状の弾性体である振動子11と,振動子11の
端面である駆動面Dに加圧接触する円柱状の相対運動部
材である移動子12とを備える。
【0042】振動子11は、二つの半円管型弾性体11
a,11bと、これらに挟持される2枚ずつ合計4枚の
圧電定数d15を用い振動子11の長手方向に剪断変位を
発生する捩じり振動発生用の圧電素子13aと、2枚ず
つ合計4枚の圧電定数d31を用い振動子11の長手方向
に伸縮変位を発生する縦振動発生用の圧電素子13b
と、各圧電素子13a,13bそれぞれに接続される電
極14とを備える
【0043】半円管型弾性体11a,11bは、本実施
形態ではステンレス鋼(鉄系合金又は銅合金等の他の金
属材料ないしはプラスチック等の弾性材料でもよい。)
により構成されており、このステンレス鋼からなる厚肉
の円管体をその回転軸を含む平面で縦に2分割すること
により製造される。
【0044】圧電素子13a,13bは、いずれも電気
エネルギーを機械的変位(機械エネルギー)に変換する
電気機械変換素子であり、PZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)等により矩形の薄板状に形成される。また、電極1
4は、圧電素子13a,13bと同一形状の薄板状を呈
し、本実施形態では銅製電極が使用される。
【0045】振動子11は、圧電素子13a,13b及
び電極14を、図3及び図4に示すように交互に積層す
るとともに、これらを半円管型弾性体11a,11bに
より挟持し、それぞれを接着することによって、略円筒
状に組み立てられる。
【0046】移動子12は、本実施形態ではアルミニウ
ム合金(他の軽合金又はステンレス鋼等であってもよ
い。)からなる移動子母材12aを主体とする。移動子
母材12aの2つの平面のうちの振動子11と接触する
側の端面には、振動子11との摺動抵抗を低減するため
の円環状の摺動材12bが貼付される。
【0047】振動子11の中心部に設けられた中空部
に、棒状の固定部材である固定軸15が挿設される。こ
の固定軸15は本実施形態ではステンレス鋼(銅合金,
アルミニウム合金ないしは樹脂材等であってもよい。)
により製造される。
【0048】固定軸15の略中央部には、図3に示す横
断面形状の大径部15aが設けられており、この大径部
15aの二つの円弧状側面15b,15cのうちの図面
上左側に位置する円弧状側面15bが、半円管型弾性体
11aの内周面に設けられた同一の曲率半径の円周状の
取付基準部11cに押し付けられて接触する。すなわ
ち、この円弧状側面15bは、取付基準部11cに当接
する接触部である。
【0049】そして、互いに押し付けられた円弧状側面
15b及び取付基準部11cを介して、半円管型弾性体
11a,11bに螺着される締結部材であるボルト16
a,16bにより、弾性体11は固定軸15に締結・固
定される。
【0050】このボルト16a,16bは、固定軸15
の円弧状側面15bを弾性体11の取付基準部11cへ
向けて当接させる当接部材としても機能する。本実施形
態では、もう一つの円弧状側面15cは半円管型弾性体
11bの内周面11dには接触しておらず、固定軸15
は、取付基準部11cにだけ接触して、振動子11の中
空部に対して偏心した状態で配置される。
【0051】振動子11の上端面である駆動面Dには、
中央部に配置されたベアリング17により固定軸15に
回動自在に配置された相対運動部材である移動子12が
接触する。
【0052】移動子12は、本実施形態では加圧部材で
ある皿バネ18(スプリングバネ又は板バネ等であって
もよい。)により、振動子11の駆動面Dに適当な接触
圧力で加圧接触される。
【0053】このように、固定軸15は、振動子11を
固定するとともに移動子12を半径方向に回動自在に位
置決めし、振動アクチュエータとして駆動する際の軸振
れの発生を防止する。この固定軸15は、先端にねじ部
15dが形成され、皿バネ18の加圧力を調整するため
の加圧力調整部材であるナット19が螺合する。ナット
19のねじ部15dに対する螺着位置を調整することに
より、皿バネ18の加圧力が調整される。
【0054】固定軸15の他端にはねじ部15eが刻設
されており、固定体20のねじ部20aに螺合する。こ
のように、振動子11の取付基準部11cだけが固定軸
15に接触しており、振動子11の他の部分は固定軸1
5には接触しておらず、振動子11と固定軸15との間
の接触面積(固定面積)が大幅に低減される。そのた
め、振動子11の振動損失が従来よりも著しく低減さ
れ、移動子12の駆動効率や駆動力が向上する。
【0055】また、振動子11と固定軸15との間の接
触面積が大幅に低減されるために、接触部の接触圧力が
均一化される。そのため、超音波アクチュエータ駆動時
のビビリ音等の異音の発生が抑制される。
【0056】また、大径部15aの円弧状側面15bの
曲率半径を、振動子11の内面の曲率半径に一致させる
とともに、固定軸15を振動子11に偏心させて固定す
るため、偏心させない場合に比較すると、接触面積をよ
りいっそう低減でき、さらに大きな効果を得ることがで
きる。
【0057】さらに、前述した図18に示す構造では、
振動子2と圧電素子4,5とを接合した後に、弾性体2
の内径と固定軸1の外径とが一致するように、固定軸1
の外面に機械加工(研削等)を行う必要があった。しか
し、本実施形態では固定軸15を振動子2の中空部に偏
心させて固定するため、換言すれば、振動子2の中空部
の内径よりも小さな外径の固定軸15を用いるため、固
定軸15に対するこのような機械加工を行う必要がなく
なる。
【0058】さらに、本実施形態では、大径部の近傍の
位置に、振動子11に発生する捩じり振動の変位方向と
同一方向に関する捩じり剛性低下部が形成される。この
捩じり剛性低下部は、本実施形態では、固定軸15の外
周面に溝状に形成された極小径部15f,15gによ
り、形成される。
【0059】すなわち、本実施形態では、固定軸15に
対して振動子11を、捩じり振動の腹位置近傍で固定し
たことになるため、捩じり振動の振動減衰が大きくなる
可能性がある。そこで、捩じり振動の振動減衰をできる
だけ小さくするため、大径部15aの軸方向両端側近傍
には、極小径部15f,15gを形成して、振動子11
に発生する捩じり振動の変位方向に関する捩じり剛性の
低下を図ってある。
【0060】なお、極小径部15f,15gの形成位置
は、大径部15aの軸方向両端側近傍である必要はない
が、この位置とすることにより、振動減衰が小さくなる
ため、望ましい。
【0061】本実施形態によれば、縦振動に対しては大
径部15aをその振動の節位置に接触させることによ
り、一方、捩じり振動に対しては固定軸15に極小径部
15f,15gを形成することにより、いずれの振動に
対しても支持損失を極めて低減しながら、固定軸15に
対して正確な位置に振動子11を配置することができ
る。
【0062】特に、振動子11の駆動周波数に対して、
「振動子11全体を一つの慣性体とするとともにその時
の捩じり剛性を極小径部15f,15gの捩じり剛性と
するときの振動系」によって決定される振動モードの周
波数が非常に低くなることが、支持損失の低減と外部へ
の振動絶縁との観点からは、望ましい。つまり、前記の
条件の場合、振動子11に発生する振動の振動数は、
「振動子11全体を一つの慣性体とし、その際の捩じり
剛性を極小径部15f,15gの捩じり剛性とする時の
振動系」によって決定される振動モード群の周波数に対
し、極めて高域であるため、後者の振動系はその振動速
度に追従することができない。したがって、いわゆる
「振動絶縁」が発生し、振動子11の振動は極小径部1
5f,15gにより遮断され、固定軸15の大径部15
a以外の部分へは伝搬していき難くなる。
【0063】図5は、本実施形態の超音波アクチュエー
タ10の駆動回路を示すブロック図である。すなわち、
駆動回路は、駆動信号を発振する発振部31と,この駆
動信号を(1/4)λ(λ:波長)位相差のある信号に
分ける移相部32と,捩じり振動用圧電素子13aに入
力する駆動信号を増幅するT増幅部33と,縦振動用圧
電素子13bに入力する駆動信号を増幅するL増幅部3
4とから構成される。
【0064】制御回路は、捩じり振動を検出する検出部
35と,検出部35の検出量に応じて発振部の周波数や
電圧等を制御する制御部36とから構成される。検出部
35は、振動子11の駆動面Dとは反対の底面に貼られ
た機械電気変換素子(図示しない)を備え、発生する捩
じりに伴ってこの機械電気変換素子に発生する電圧を検
出することにより間接的に捩じり変位を検出できる。こ
のように、検出部35は、振動子11の捩じり振動を電
圧によって検出する。移動子12の駆動速度や駆動トル
クは、この電圧の値に基づいて推定される。
【0065】制御部36は、検出部35の検出結果によ
り振動子11の駆動周波数や電圧を制御する。例えば、
検出量が所定の値よりも大きい場合には駆動周波数を高
くしたり、電圧を小さくしたりする。一方、検出量が所
定の値よりも小さい場合には駆動周波数を低くしたり、
電圧を高くしたりする。
【0066】次に、図6を参照しながら、本実施形態の
超音波アクチュエータ10において、振動子11に発生
する縦1次振動と捩じり1次振動とを組み合わせて、駆
動面Dに楕円運動を生じることを経時的に説明する。
【0067】図6に示すように、捩じり振動の周期と、
縦振動の周期との位相差を(1/4)λ(λ:波長)ず
らすと、駆動面D上の定点には楕円運動が生じる。t=
(6/4)πの時点では、捩じり振動Tの変位は左側に
最大であり、一方、縦振動Tの変位は零である。この状
態では、移動子12は、加圧部材18によって振動子1
1の駆動面Dに加圧接触する。
【0068】この状態から、t=(7/4)π〜0〜
(2/4)πまでは、捩じり振動Tは、左側の最大から
右側の最大まで変位し、一方、縦振動Tは、零から上側
の最大に変位し再び零に戻る。したがって、振動子11
の駆動面Dの定点は、移動子12を押しながら右方向に
回転し、移動子12は右方向に駆動される。
【0069】次に、t=(2/4)π〜(6/4)πま
では、捩じり振動Tは、右側の最大から左側の最大まで
変位し、一方、縦振動Tは、零から下側の最大に変位し
再び零に戻る。したがって、振動子11の駆動面Dの定
点は、移動子12から離れながら左方向に回転するた
め、移動子12は左方向へは駆動されない。このとき
に、移動子12は、加圧部材18により加圧されていて
も固有振動数が異なるため、振動子11の縮みに追従し
ない。
【0070】なお、捩じり振動Tの振動数T1 を捩じり
振動Tの共振周波数ω0Tに略一致させるとともに、縦振
動Lの振動数L1 を縦振動Lの共振周波数ω0Lに略一致
させると、共振して楕円運動が拡大する。
【0071】捩じり振動Tの共振周波数ω0T,及び縦振
動Lの共振周波数ω0Lの近似式を下記及びにより示
す。 共振周波数ω0T=Ls×(G/ρ)2 /2 ・・・・・・・ 共振周波数ω0L=Ls×(E/ρ)2 /2 ・・・・・・・ ただし、Ls:振動子の長手方向の長さ,E:縦弾性
率,G:横弾性率,ρ:密度である。
【0072】このように、式及び式によれば、振動
子11の長手方向の長さを調整することにより、捩じり
振動Tの共振周波数ω0Tと,縦振動Lの共振周波数ω0L
とを近接ないしは一致させるように調整することができ
る。
【0073】(第2実施形態)図7は、本発明の第2実
施形態の超音波アクチュエータの構造を示す断面図であ
る。
【0074】なお、以降の各実施形態の説明では、前述
した第1実施形態と相違する部分のみを説明し、共通す
る部分については同一の図中符号を付すことにより重複
する説明を省略する。
【0075】本実施形態の超音波アクチュエータ10−
1では、振動子11の外周面下端部近傍に溝状に小径部
21が形成されており、この小径部21によって区切ら
れることにより第1大径部22,第2大径部23が配置
される。
【0076】小径部21は2分割される前の弾性体母材
に、例えば切削加工等の適宜手段により形成される。図
8は、本実施形態の超音波アクチュエータの弾性体11
に、1次の縦振動と2次の捩じり振動とが生じることを
示す説明図である。
【0077】本実施形態の超音波アクチュエータ10−
1では、図8(A)に示すように、第1大径部22と第
2大径部23との間に捩じり剛性の低い小径部21が設
けられており、かつ第1大径部22の長さが第2大径部
23よりも長い。したがって、図8(B)に示すよう
に、捩じり振動は、小径部21と第1大径部22の軸方
向略中央部とに振動の節が2つ生じる2次モードとな
る。
【0078】一方、縦振動は、小径部21を設けたこと
による弾性体11の形状変化を受け難いため、小径部2
1,第1大径部22及び第2大径部23を含んだ全長の
真中に振動の節が一つ生じる1次モードなる。なお、こ
の場合、駆動面Dは、捩じり振動,縦振動とも振幅が大
きい振動の腹になる。
【0079】捩じり振動の固有振動数は、小径部21,
第1大径部22及び第2大径部23の合計長さによって
決定されるが、その中でも第2大径部23の長さの影響
は受け難いといった特性がある。一方、縦振動の固有振
動数も、小径部21,第1大径部22及び第2大径部2
3の合計長さによって決定されるが、第2大径部23の
長さを変えていくと、固有振動数を変化させていくこと
ができる。したがって、第2大径部23の長さを変えて
いくこと(小径部21の設置位置を変更すること)によ
り、捩じり振動及び縦振動それぞれの固有振動数を調整
して、これらを接近又は一致させることができる。
【0080】なお、本実施形態では、捩じり振動の節位
置で振動子11を支持するようにしたが、これは前述し
たように、捩じり振動が超音波アクチュエータの駆動力
に大きく影響するため、その振動をできるだけ減衰させ
ないためである。これは、第1実施形態でも同様に適用
できる。
【0081】(第3実施形態)図9は、本発明の第3実
施形態の超音波アクチュエータ40の構成を示す縦断面
図である。
【0082】本実施形態は、略述すると、第1実施形態
及び第2実施形態をさらに発展させたものであり、振動
子と固定軸との位置合わせを正確に行いながら、振動子
のエネルギー散逸をより低減するものである。
【0083】振動子41は、駆動信号により励振される
電気機械変換素子である複数の圧電素子(図9では図示
しない。圧電素子の配置等は、図9とは90°異なる断
面を示す図10を参照しながら説明する。)と、これら
の圧電素子を接合して、圧電素子の励振により1次の縦
振動と2次の捩じり振動とが生じることにより、駆動面
42cに駆動力が発生する弾性体42a,42bとから
構成される。
【0084】弾性体42a,42bは、図9に示すよう
に、その外周面に溝状に形成された3つの小径部43
a,43b,43cと,これらの小径部43a〜43c
により区切られて形成される4つの大径部43A,43
B,43C,43Dとを有する。
【0085】弾性体42a,42bは、中空円柱状の弾
性部材を中心軸を含む縦面で2分割することにより得ら
れ、二つの分割面の間に前述した圧電素子を挟持する。
図10は、本実施形態で用いる振動子41の構成の説明
図であり、図10(a)は中心線より半分を断面で示す
側面図,図10(b)は図10(a)におけるA−A断
面,B−B断面及びC−C断面を、駆動電圧の印加状況
とともに示す説明図である。
【0086】図10(a)及び図10(b)に示すよう
に、圧電体44a,44bは振動子軸方向に関する3群
からなっており、圧電体44a,44bの各群はそれぞ
れ2層からなる。3群のうちの1群の圧電体は、1次の
縦振動の節付近に圧電定数d31を用いる圧電体44b
を、残りの2群の圧電体は、それぞれ2次の捩じり振動
の節付近の2か所に圧電定数d15を用いる圧電体44a
を配置している。
【0087】圧電定数d15を用いる圧電体44aは、弾
性体42a,42bの長手方向に対して剪断変位を発生
する。図10(b)におけるA−A断面,C−C断面そ
れぞれの捩じれる方向が逆になるように圧電体44aを
配置する。圧電体44aがこのように配置されてそれぞ
れが剪断変形すると、振動子41に2次の捩じり変位が
発生する。
【0088】後者の圧電定数d31を用いる圧電体44b
は、弾性体42a,42bの長手方向に対して伸縮変位
を発生する。図10(b)におけるB−B断面の2組の
縦振動用圧電体44bは、全てある電位が発生された場
合に、同じ方向に変位が生じるように配置する。
【0089】以上のように、圧電定数d15を用いる捩じ
り振動用圧電体44aと、圧電定数d31を用いる縦振動
用圧電体44bとを配置すると、捩じり振動用圧電体4
4aに正弦波電圧を入力することにより振動子41には
それに応じて捩じり運動が発生し、一方、縦振動用圧電
体44bに正弦波電圧を入力することにより振動子41
にはそれに応じて伸縮運動が発生する。
【0090】弾性体42a,42bには、4つの大径部
43A〜43Dの弾性体長さ方向略中心部に、圧電体積
層方向と平行に貫通穴45a,45b,45c,45d
が設けられる。また、後述する固定軸47にも貫通穴4
5a〜45dと同一ピッチで、貫通穴47a〜47dが
形成される。
【0091】そして、前述した図10に示す状態となる
ように、弾性体42a,42bの分割面に圧電体44
a,44bを挟み込み、弾性体42a,42bの中空部
に固定軸47を貫通させ、貫通穴45a〜45d,47
a〜47dにボルト46a〜46dを挿入して、両端部
にナット48a〜48を螺着することにより、弾性体4
2a,42bは圧電体44a,44bを挟み込んだ状態
で、締結される。
【0092】本実施形態では、弾性体42a,42b
は、図9に示すように、1次の縦振動の節付近を含む小
径部43bの内周面を介して、固定軸47に固定され
る。この部分の構造は、後述する図11を参照しなが
ら、詳細に説明する。
【0093】図9において、移動子49は、中空厚肉円
環状の移動子母材49aと、移動子母材49aの振動子
側端面に貼付されて振動子41の駆動面42cに接触す
る摺動材49bとから構成される。移動子母材49aの
反振動子側端面の内周部には、位置決め手段であるベア
リング50が嵌合される。このベアリング50は固定軸
47に固定されており、移動子49は固定軸47に対し
て回動自在に位置決めされる。
【0094】固定軸47の上端部にはねじ部が設けられ
ており、このねじ部に加圧力調整部材であるナット51
が螺着される。また、ベアリング50とナット51との
間には、加圧手段である皿バネ52(スプリングバネや
板バネ等であってもよい。)と、皿バネ52の加圧力を
ベアリング50に伝達する外向きフランジ付きの筒状体
である加圧力伝達部材53とが、固定軸47により保持
される。これにより、ナット51の固定軸47に対する
螺着位置を変更することにより、皿バネ52のバネ力が
変更され、移動子49と振動子41との間の加圧力が調
整される。
【0095】このように、固定軸47は、振動子41の
中空部を貫通して振動子41を固定するとともに、移動
子49を半径方向について回動自在に位置決めする。図
11は、図9における弾性体42a,42bと固定軸4
7との固定状況を示す拡大断面図である。
【0096】図9に示すように、本実施形態において
も、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、弾性体4
2a,42bに発生する縦振動の節位置近傍(捩り振動
の腹位置近傍)の内周面の一部が、取付基準面42cと
してある。
【0097】一方、固定軸軸方向に関して取付基準面4
2cと同一範囲となる固定軸47の一部には、その一部
に取付基準面42cの曲率半径と同一の曲率半径の曲面
を有する大径部54が形成される。大径部54は、この
曲面を介して、取付基準面42cに接触する。固定軸4
7の大径部54以外の小径部55は、弾性体42a,4
2bの内周面には接触しない。すなわち、本実施形態に
おいても、大径部54は弾性体42a,42bとの接触
部として作用し、小径部55は非接触部として作用す
る。
【0098】さらに、大径部54の取付基準面42cと
の接触面には、ざぐり穴54aが形成されており、取付
基準面42cとの非接触部分が形成されている。すなわ
ち、本実施形態では、取付基準面42cに接触する大径
部54の局面のうちのざぐり穴54a形成範囲を除く環
状の局面により、大径部54は弾性体42a,42bに
接触する。
【0099】固定軸47に形成された大径部54の接触
面を、弾性体42aの取付基準面42cに密着させた状
態で、固定ボルト56a,56bを大径部54に形成さ
れたねじ穴に螺着させることにより、弾性体42a,4
2bは固定軸47に固定・保持される。なお、固定ボル
ト56aは、ざぐり穴54aを貫通した状態で大径部5
4に螺着される。
【0100】このように、本実施形態では、弾性体42
a,42bと固定軸47との接触面積を最小限とするた
めに、大径部54にざぐり穴54aを設けてある。この
ようにすることにより、振動子内周面に形成された取付
基準面42cに接触する大径部54の接触面積を少なく
することができるため、位置決め精度を低下させること
なく、振動子41に接触する面積を最小限にすることが
できる。
【0101】換言すれば、2つの剛体同士の位置合わせ
は基本的に3点接触により決められるため、位置合わせ
のための接触面積部はその全てが位置合わせに寄与する
ものではなく、部分によっては単に振動を拘束している
に過ぎない部分もあると考えられる。本実施形態は、こ
のような部分にざぐり穴54aを形成するものである。
【0102】さらに、本実施形態では、固定軸47に対
して振動子41を、捩じり振動の腹位置近傍で固定した
ことになるため、捩じり振動の振動減衰が増加する可能
性がある。そこで、捩じり振動の振動減衰をできるだけ
小さくするため、大径部54の軸方向両端側には、極小
径部57a,57bを形成して、振動子41に発生する
捩じり振動の変位方向に関する捩じり剛性の低下を図っ
てある。
【0103】本実施形態によれば、縦振動に対してはざ
ぐり穴54a付きの大径部54をその振動の節位置に接
触させることにより、捩じり振動に対しては固定軸47
に極小径部57a,57bを形成することにより、いず
れの振動に対しても支持損失を極めて低減しながら、固
定軸47に対して、正確な位置に弾性体42a,42b
を配置することができる。
【0104】特に、振動子の駆動周波数に対して、「振
動子41全体を一つの慣性体とするとともにその時の捩
じり剛性を極小径部57a,57bの捩じり剛性とする
ときの振動系」によって決定される振動モードの周波数
が非常に低くなることが、支持損失の低減と外部への振
動絶縁との観点からは、望ましい。つまり、前記の条件
の場合、振動子41に発生する振動の振動数は、「振動
子41全体を一つの慣性体とし、その際の捩じり剛性を
極小径部57a,57bの捩じり剛性とする時の振動
系」によって決定される振動モード群の周波数に対し、
極めて高域であるため、後者の振動系はその振動速度に
追従することができない。したがって、いわゆる「振動
絶縁」が発生し、振動子41の振動は極小径部57a,
57bにより遮断され、大径部55へは伝搬していき難
くなる。
【0105】図10(b)において、駆動回路60は、
図示しない駆動信号を発振する発振部61と、駆動信号
を(1/4)λ(λ:波長)位相差のある信号に分ける
移相部62と、捩じり振動用圧電体44aに入力する駆
動信号を増幅するT増幅部63と、縦振動用圧電体44
bに入力する駆動信号を増幅するL増幅部64とから構
成される。
【0106】以上のような構成によると、発振部61は
駆動信号を発振し、その駆動信号は移相部62により2
つの(1/4)λ位相差のある信号に分割され、それぞ
れT増幅部63及びL増幅部64により増幅される。T
増幅部63により増幅された駆動信号は、捩じり振動用
圧電体44aに入力され、L増幅部64により増幅され
た駆動信号は縦振動用圧電体44bに入力される。
【0107】駆動信号を入力された振動子41には、圧
電体44a,44bの励振により、図12に示すような
腹及び節を有する1次の縦振動と2次の捩じり振動とが
発生する。ここで、捩じり振動用圧電体44aと縦振動
用圧電体44bとに印加する周期電圧の位相差を、(1
/4)λずらして設定することにより、図13に示すよ
うに、楕円運動が駆動面42cに発生する。なお、図1
3に示す駆動面42cにおける楕円運動の変化は、図6
に示す変化と同様であるため、図13に関する説明は省
略する。
【0108】このとき、捩じり振動は、捩じり剛性の弱
い小径部43a,43cの2ヵ所に節が生じ、駆動面が
腹となる。一方、縦振動は、小径部42b付近に節が生
じ、駆動面が腹となる。この駆動面に加圧された移動子
49は、摩擦的に振動子41より駆動力を受け、駆動さ
れる。
【0109】ここで、図13に示すように、捩じり運動
の周期と伸縮運動の周期との位相差を(1/4)λずら
すと、駆動面上の点は楕円運動が発生する。この捩じり
振動の駆動周波数を捩じり振動の共振周波数に略一致さ
せるとともに、縦振動の駆動周波数を縦振動数の共振周
波数に略一致させると、共振して楕円運動が拡大する。
【0110】なお、本実施形態では、振動子41のみで
捩じり共振振動数と縦共振周波数とをともに決定するこ
とができるため、移動子49の形状を比較的自由に設定
することができる。このためには、振動子41から移動
子49への振動伝搬を小さくすることが必要であるが、
例えば、振動減衰の大きな摺動材49b(例えばポリフ
ロン等)を用いたり、移動子母材49aに減衰性の大き
な材料(例えばアルミニウム合金等)を用い移動子49
自体の振動減衰を大きく確保すればよい。
【0111】(第4実施形態)図14は、第4実施形態
の弾性体42a,42bと固定軸47との固定状況を示
す拡大断面図である。
【0112】本実施形態は、図9〜図13に示す第3実
施形態に対して、弾性体42a,42bと固定軸47と
の固定位置を変更して、捩じり振動の腹位置近傍(縦振
動の腹位置近傍)により固定したものである。よって、
本実施形態の説明は、第3実施形態に対して相違する部
分のみについて行い、同一の部分については同一の図中
符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
【0113】本実施形態では、振動子41に発生する縦
振動の振動変位方向と略垂直方向に関する曲げ剛性を低
下させるために、大径部54の固定軸軸方向の両端側に
複数の剛性低下穴58a,58b,58c,58dが形
成されている。各剛性低下穴58a〜58dは、図面に
直交する方向に互いに平行に形成される。
【0114】これらの剛性低下穴58a〜58dを固定
軸47に形成することにより、縦振動は、固定軸47に
設けた剛性低下穴58a及び58b,剛性低下穴58c
及び58d同士に挟まれる曲げ剛性が低下した曲げ剛性
低下部分59a,59bの働きによって縦振動変位を拘
束することなく、自然に近い状態で共振することが可能
となる。これにより、振動子41の支持損失を著しく低
減することが可能となる。
【0115】特に、振動子41の駆動周波数に対して、
「振動子41全体を一つの慣性体、その時の曲げ剛性を
曲げ剛性低下部分59a,59bの捩じり剛性としたと
きの振動系」で定まる振動モードの周波数が非常に低く
なり、支持損失の低減と外部への振動絶縁との観点から
は望ましい。
【0116】(第5実施形態)図15は、第5実施形態
の弾性体42a,42bと固定軸47との固定状況を示
す拡大断面図である。
【0117】本実施形態は、略述すれば、図11に示す
第3実施形態の固定軸と、図14に示す第4実施形態の
固定軸とを組み合わせたものである。
【0118】すなわち、本実施形態は、図9〜図13に
示す第3実施形態,図14に示す第4実施形態に対し
て、弾性体42a,42bと固定軸47との固定位置を
変更して、縦振動の腹位置近傍かつ捩じり振動の腹位置
近傍(大径部43C)により固定したものである。
【0119】本実施形態の固定位置は、縦振動の節位
置,捩じり振動の節位置の双方を外れており、振動減衰
の解消の観点からは好ましくない。そこで、固定軸47
の大径部54の近傍に、剛性低下穴58a〜58dを形
成して縦振動の減衰を抑制するとともに、極小径部57
a,57bを形成して捩じり振動の減衰を抑制するよう
にしてある。固定軸47の支持をこの位置で行う必要が
ある場合に有効である。
【0120】(変形形態)各実施形態では、捩じり1次
−縦1次又は、捩じり2次−縦1次の振動モードを生じ
る振動子を用いたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、捩じりm次−縦n次(m,n:自然数)の振動
モードを生じる振動子について等しく適用できるもので
ある。
【0121】また、電気機械変換素子として圧電素子を
用いたが、本発明はかかる態様のみに限定されるもので
はなく、電気エネルギーを機械的変位(機械エネルギ
ー)に変換できるものであれば等しく適用できる。例え
ば、磁歪素子や電歪素子等を替わりに用いることができ
る。また、振動子を構成する弾性体の形状は、円筒型に
限定されるものではなく、例えば四角柱状にしてもよ
い。
【0122】また、各実施形態では、振動子を固定軸に
固定するのに、ボルトを用いたが、本発明にかかる振動
アクチュエータはかかる態様に限定されるものではな
く、支持損失の低減の観点からは、図20に示すような
ピンを用いることもできる。
【0123】さらに、各実施形態の説明では、振動アク
チュエータとして超音波の振動域を利用する超音波アク
チュエータを例にとったが、本発明にかかる振動アクチ
ュエータはこのような態様に限定されるものではなく、
他の振動域を利用する振動アクチュエータについても等
しく適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の超音波アクチュエータ
を説明する縦断面図である。
【図2】図1における振動子と固定軸との固定部を拡大
して示す縦断面図である。
【図3】図1におけるA−A断面図である。
【図4】第1実施形態の超音波アクチュエータに用いる
振動子の構造を示す説明図であり、図4(A)は上面
図、図4(B)は正面図である。
【図5】第1実施形態の超音波アクチュエータの駆動回
路を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態の超音波アクチュエータにおい
て、振動子に発生する縦1次振動と捩じり1次振動とを
組み合わせて、駆動面Dに楕円運動を生じることを経時
的に示す説明図である。
【図7】第2実施形態の超音波アクチュエータの構造を
示す断面図である。
【図8】第2実施形態の超音波アクチュエータの弾性体
に、1次の縦振動と2次の捩じり振動とが生じることを
示す説明図である。
【図9】本発明の第3実施形態の超音波アクチュエータ
の構成を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態で用いる振動子の構成
の説明図であり、図10(a)は中心線より半分を断面
で示す側面図,図10(b)は図10(a)におけるA
−A断面,B−B断面及びC−C断面を、駆動電圧の印
加状況とともに示す説明図である。
【図11】図9における弾性体と固定軸との固定状況を
示す拡大断面図である。
【図12】駆動信号を入力された振動子に発生する、腹
及び節を有する1次の縦振動と2次の捩じり振動とを示
す説明図である。
【図13】第3実施形態の超音波アクチュエータにおい
て、振動子に発生する縦1次振動と捩じり2次振動とを
組み合わせて、駆動面Dに楕円運動を生じることを経時
的に示す説明図である。
【図14】第4実施形態の弾性体と固定軸との固定状況
を示す拡大断面図である。
【図15】第5実施形態の弾性体と固定軸との固定状況
を示す拡大断面図である。
【図16】縦−捩じり振動型の振動アクチュエータの従
来例を示した斜視図である。
【図17】縦−捩じり振動型の振動アクチュエータのス
テータを展開して示した斜視図である。
【図18】異形モード縮退型の振動アクチュエータの構
造を示す断面図である。
【図19】異形モード縮退型の振動アクチュエータを構
成する弾性体を抽出して示す斜視図である。
【図20】従来の固定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
10,10−1 振動アクチュエータ 11 振動子(弾性体) 11a,11b 半円管状弾性体 11c 取付基準部 11d 内周面 12 移動子(相対運動部材) 12a 移動子母材 12b 摺動材 13a,13b 圧電素子 14 電極 15 固定軸(支持部材) 15a 大径部 15b,15c 円弧状側面 15d ねじ部 15f,15g 極小径部 16a,16b ボルト(固定部材,当接部材) 17 ベアリング 18 加圧部材 19 加圧力調整部材 21 小径部 22 第1大径部 23 第2大径部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状の固定部材と、 前記固定部材が軸方向に向けた貫通部を貫通した状態で
    前記固定部材により固定されるとともに、複数の振動を
    発生することにより端面に駆動力を発生する中空円柱状
    の振動子と、 前記固定部材により回動自在に支持されるとともに、前
    記振動子の前記端面に加圧接触される厚肉円環状の相対
    運動部材とを備える振動アクチュエータであって、 前記固定部材は、軸方向の一部に形成された大径部を介
    して前記振動子に接触するとともに、 前記固定部材の前記大径部を除く他の部分には、前記振
    動子に発生する少なくとも一つの前記振動の変位方向と
    同一方向又は略同一方向に関する剛性低下部が形成され
    ることを特徴とする振動アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記剛性低下部は、捩じり剛性低下部及び/又は曲げ剛
    性低下部であることを特徴とする振動アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記捩じり剛性低下部は極小径部であるとともに、前記
    曲げ剛性低下部は断面積減少部であることを特徴とする
    振動アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記極小径部は、前記固定部材に設けられた溝部又は凹
    部により形成されるとともに、 前記断面積減少部は、前記固定部材に設けられた穴部に
    より形成されることを特徴とする振動アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記剛性低下部は、前記大径部の近傍の位置に形成され
    ることを特徴とする振動アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか1
    項に記載された振動アクチュエータにおいて、 前記大径部の前記振動子との接触部は、前記大径部の外
    周面の一部であることを特徴とする振動アクチュエー
    タ。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記接触部は、前記振動子に発生する前記振動の節部に
    接触する位置に設けられることを特徴とする振動アクチ
    ュエータ。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載された振動
    アクチュエータにおいて、 前記接触部の一部には、さらに、前記振動子に接触しな
    い非接触部分が形成されることを特徴とする振動アクチ
    ュエータ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載された振動アクチュエー
    タにおいて、 前記非接触部分は、前記接触部に設けられたざぐり穴に
    より、形成されることを特徴とする振動アクチュエー
    タ。
JP8128313A 1996-05-23 1996-05-23 振動アクチュエータ Pending JPH09312981A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8128313A JPH09312981A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 振動アクチュエータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8128313A JPH09312981A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 振動アクチュエータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09312981A true JPH09312981A (ja) 1997-12-02

Family

ID=14981693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8128313A Pending JPH09312981A (ja) 1996-05-23 1996-05-23 振動アクチュエータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09312981A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6252332B1 (en) Ultrasonic motor
JP3171887B2 (ja) 振動波駆動装置
JPH09121570A (ja) 振動アクチュエータ
KR100485882B1 (ko) 진동소자 및 진동파구동장치
JPH08140377A (ja) 超音波アクチュエータ
US5763981A (en) Vibration actuator
US7034438B2 (en) Vibration type driving apparatus
JPH0937574A (ja) 振動アクチュエータ及びその制御方法
JPH09312981A (ja) 振動アクチュエータ
JPH09322572A (ja) 振動アクチュエータ
JPH09215349A (ja) 振動アクチュエータ及びその調整方法
JPH08336287A (ja) 超音波アクチュエータ
JP3550579B2 (ja) 振動アクチュエータ
JPH08242593A (ja) 振動アクチュエータ
JPH10146070A (ja) 振動アクチュエータ及びそのチューニング法
JPH1080159A (ja) 振動アクチュエータ
JPH09322570A (ja) 振動アクチュエータ
JPH09322571A (ja) 振動アクチュエータ
JP3550578B2 (ja) 振動アクチュエータ
JP4032161B2 (ja) アクチュエータ
JPH10163541A (ja) 電気機械変換素子,その製造方法,振動アクチュエータ及びその製造方法
JPH10323063A (ja) 振動アクチュエータ
JPH10225147A (ja) 振動アクチュエータ
JPH10225148A (ja) 振動アクチュエータ
JPH0965672A (ja) 振動アクチュエータ