JPH10163541A - 電気機械変換素子,その製造方法,振動アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

電気機械変換素子,その製造方法,振動アクチュエータ及びその製造方法

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JPH10163541A
JPH10163541A JP31787196A JP31787196A JPH10163541A JP H10163541 A JPH10163541 A JP H10163541A JP 31787196 A JP31787196 A JP 31787196A JP 31787196 A JP31787196 A JP 31787196A JP H10163541 A JPH10163541 A JP H10163541A
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electromechanical
vibration
piezoelectric element
electromechanical transducer
electromechanical conversion
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JP31787196A
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Kenichi Muramatsu
研一 村松
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特願平7−239603号により提案した振
動アクチュエータでは、多数の圧電素子を弾性体に装着
する必要があるために装着工数が多いとともに、各圧電
素子の厚さのばらつきに起因して、圧電素子から弾性体
へのエネルギー伝搬効率が低下する。 【解決手段】 圧電素子母材に、圧電素子平面方向への
第1ポーリングを行って第1電気機械変換部分24b,
24dを形成した後、第1電気機械変換部分24b,2
4dの一部を含む部分に圧電素子厚さ方向への第2ポー
リングを行って第2電気機械変換部分24cを形成する
ことにより、厚さ方向及び平面方向に関する電気機械変
換部分24b,24c,24dを有する圧電素子24を
形成し、この圧電素子24の厚さを一定にする加工を行
ってから、特願平7−239603号により提案した振
動アクチュエータ21に装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギを機
械的変位に、又は機械的変位を電気エネルギに変換する
電気機械変換素子、この電気機械変換素子の製造法、こ
の電気機械変換素子を用いる振動アクチュエータ及びこ
の振動アクチュエータの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、縦−捩じり振動型の振動アク
チュエータの従来例の構造を示した斜視図である。
【0003】従来、この種の振動アクチュエータの固定
子(ステータ)101では、2つの円柱型の振動子10
2,103間に捩じり振動用圧電素子104が配置され
る。また、振動子103の上側に縦振動用圧電素子10
5が配置される。捩じり振動用圧電素子104は周方向
に分極される。一方、縦振動用圧電素子105は厚さ方
向に分極される。さらに、移動子(ロータ)106は、
縦振動用圧電素子105の上側に配置される。
【0004】固定子101を構成する振動子102,1
03及び圧電素子104,105は、シャフト107の
ねじ部にネジ止めされて固定される。移動子106は、
中心部に設けられたボールベアリング108を介してシ
ャフト107に回転可能に設けられる。シャフト107
の先端にはばね109を介してナット110がネジ止め
される。これにより、移動子106を固定子101に所
定の大きさの加圧力Fで加圧された状態で接触させる。
【0005】捩じり振動用圧電素子104と縦振動用圧
電素子105とは、発振器111から発振される同一周
波数の電圧を、移相器112により位相制御することに
より、駆動される。
【0006】捩じり振動用圧電素子104は、移動子1
06が回転するための機械的変位を与える。一方、縦振
動用圧電素子105は固定子101と移動子106との
間に働く摩擦力を、圧電素子104による捩じり振動の
周期に同期させて周期的に変動させる。これにより、振
動を一方向への運動に変換するクラッチ的役割を果た
す。
【0007】図13は、この従来の振動アクチュエータ
の固定子101を展開して示す斜視図である。捩じり振
動用圧電素子104は、円周方向に複数に分極する必要
がある。そのため、圧電材料を図13に示すように、6
〜8個程度の扇形の小片に一端分割し、各小片を円周方
向に分極した後に再度環状に組み合わせていた。なお、
図13における符号104aは捩じり振動用圧電素子1
04に駆動電圧を印加するための電極である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の振動アクチュエータでは、捩じり振動用圧電素子10
4を環状に組み合わせる時に、形状精度を出すことが難
しかった。
【0009】一方、縦振動用圧電素子105,及び捩じ
り振動用圧電素子104それぞれの面積は、ともに、移
動子106の断面積と略等しいか、又は、移動子106
の断面積よりも小さかった。また、シャフト107を貫
通させるために縦振動用圧電素子105,及び捩じり振
動用圧電素子104それぞれの中央部に孔を開ける必要
もあった。そのため、縦振動用圧電素子105,及び捩
じり振動用の圧電素子104それぞれの面積はさらに小
さくなり、振動アクチュエータの高トルク化及び高回転
化をともに図ることが難しかった。
【0010】このような問題を解決するために、本出願
人は、既に特開平8−103089号公報により、高ト
ルク及び高回転で駆動することができ、しかも、構造及
び製造がともに容易な異形モード縮退型の振動アクチュ
エータを提案した。この振動アクチュエータは、一次の
縦振動と一次の捩じり振動とを発生する異形モード縮退
型の振動子を用いるものである。
【0011】また、本出願人は、特開平8−14037
7号公報により、振動子を構成する円柱状の弾性体の外
周面に、2つの大径部と1つの小径部とを形成すること
により、振動子に1次の縦振動と2次の捩じり振動とを
同時に発生させて、振動アクチュエータを構成できるこ
とを提案した。
【0012】図14は、これらの提案にかかる振動アク
チュエータにおいて、振動子1に縦振動と捩じり振動と
発生させ、これらの振動の合成により、振動子駆動面D
に楕円運動を発生させることを経時的に示す説明図であ
る。
【0013】振動子1は、2つの半円柱状の弾性部材に
より構成される弾性体2(図14においては図示しな
い。後述する図15を参照しながら詳述する。)と、こ
の弾性体2に保持されて電気エネルギを機械的変位に変
換する電気機械変換素子である圧電素子3(図14にお
いては図示しない。後述する図15を参照しながら詳述
する。)とにより構成される。圧電素子3は、圧電定数
15を用いる捩じり振動用圧電素子3aと圧電定数d31
を用いる縦振動用圧電素子3bとによって構成される。
【0014】これら2種の圧電素子3a,3bに、図示
しない駆動電圧発生装置から位相差が(π/2)である
2相の交流電圧をそれぞれ印加する。すると、2種の圧
電素子3a,3bは励振する。これにより、弾性体2に
は、軸方向に関する捩じり振動と軸方向への縦振動とが
それぞれ発生する。これらの縦振動及び捩じり振動それ
ぞれの共振周波数を略一致させると、弾性体2には縦振
動及び捩じり振動が同時に生じる(以下、このような状
態を「縮退」という。)。この縮退により、振動子1の
端面である駆動面Dには楕円運動が発生し、この楕円運
動が駆動力として取り出される。
【0015】図15及び図16は、いずれも、この弾性
体2に接合される2種の圧電素子3a,3bの配置を示
す説明図であり、図15は振動子1の上面図,図16は
振動子1の側面図である。
【0016】図15及び図16に示すように、図示例の
振動アクチュエータでは、弾性体2は、中空の略円柱体
を略中心軸を含む平面で縦に2分割することにより得ら
れる2つの半弾性部材2a,2bを、再度、略円柱状に
組み合わせて、構成される。
【0017】2つの半弾性部材2a,2bの2つの分割
面には、捩じり振動用圧電素子3a,縦振動用圧電素子
3b及び電極板4が積層された状態で配置される。圧電
素子3a,3bは、2つの分割面それぞれに、2層ずつ
合計4層配置される。
【0018】4層のうちの2層の圧電素子3aは、圧電
定数d15を用いる圧電素子により構成される。一方、残
り2層の圧電素子3bは、圧電定数d31を用いる圧電素
子により構成される。前者の圧電定数d15を用いる圧電
素子3aは、弾性体2の軸方向について剪断変位を発生
する。
【0019】このような圧電定数d15を用いる捩じり振
動用圧電素子3aに駆動電圧を印加すると、弾性体2に
は軸方向に関する捩じり変位が発生する。一方、圧電定
数d31を用いる縦振動用圧電素子3bに駆動電圧を印加
すると、弾性体2には軸方向への縦変位が発生する。
【0020】したがって、捩じり振動用圧電素子3aに
正弦波電圧を入力することにより、弾性体2にはこれに
応じて捩じり運動が発生する。一方、縦振動用圧電素子
3bに正弦波電圧を入力することにより、弾性体2には
これに応じて伸縮運動が発生する。
【0021】ところで、捩じり振動用圧電素子3a,縦
振動用圧電素子3bを弾性体2に装着して振動を発生さ
せる場合には、捩じり振動に関しては弾性体2に発生す
る捩じり振動の節位置に捩じり振動用圧電素子3aを配
置する。一方、縦振動に関しては弾性体2に発生する縦
振動の節位置に縦振動用圧電素子3bを配置する。この
ように各振動の節位置に各振動用圧電素子を配置するこ
とにより、最も効率的に捩じり振動,縦振動をそれぞれ
発生させることが可能となる。
【0022】これに対し、捩じり振動用圧電素子3a,
縦振動用圧電素子3bをそれぞれの振動の腹位置に配置
しても、捩じり振動,縦振動の発生には余り寄与しな
い。そのため、腹位置に配置される圧電素子に入力する
電力量が無駄になって、振動アクチュエータの駆動効率
が低下してしまう。
【0023】すなわち、前述した図14〜図16に示す
構造の振動アクチュエータでは、捩じり振動用圧電素子
3a,縦振動用圧電素子3bは、いずれも、弾性体2の
分割面全体に接合されることにより挟まれた状態で保持
される。そのため、各振動の節位置だけではなくて腹位
置にも跨がって装着されており、駆動効率の低下は避け
られなかった。
【0024】また、特に特開平8−140377号公報
により提案した振動アクチュエータでは、捩じり振動は
2次モードであるため、節位置を2つ有する。一方の節
位置では、捩じり振動用圧電素子3aが振動子1に励起
しようとする振動と同じ方向への捩じり振動変位を発生
する。これに対し、他方の節位置では、これとは反対方
向への捩じり振動変位を発生する。そのため、捩じり振
動用圧電素子3a,縦振動用圧電素子3bを用いて2つ
の異なった振動変位を発生させようとすると、他方の節
位置では、入力エネルギを駆動力として充分に出力する
ことができず、振動振幅をある程度以上には大きくする
ことができなかった。
【0025】そこで、本出願人は、先に特願平7−23
9603号により、n次(n:自然数)の縦振動とm次
(m:自然数)の捩じり振動とを発生する振動子を用い
た振動アクチュエータにおいて、縦振動用圧電素子をそ
の中心位置が縦振動の節位置に一致するようにn群配置
するとともに、捩じり振動用圧電素子をその中心位置が
捩じり振動の節位置に一致するようにm群配置した新型
の振動アクチュエータを提案した。
【0026】すなわち、この振動アクチュエータでは、
縦振動用圧電素子,捩じり振動用圧電素子が、各振動の
節位置及びその近傍に独立して軸方向に関して配設され
る。そのため、各振動の腹位置には各振動用圧電素子が
配置されておらず、振動振幅を減少させることなく入力
エネルギを低減することが可能となる。
【0027】また、この提案にかかる振動アクチュエー
タによれば、利用する振動に節位置が複数存在しても、
それぞれ、捩じり振動用圧電素子により励起しようとす
る捩じり振動変位と実際に励起しようとする弾性体の捩
じり振動変位とを略一致させることができる。そのた
め、振動振幅を大きくすることが可能であり、さらに振
動エネルギの損失をできるだけ少なくすることも可能で
ある。
【0028】図17は、この提案にかかる振動アクチュ
エータにおいて、振動子11を構成する弾性体12への
圧電素子13の装着状況を示す説明図であり、図17
(a)は振動子11の上面図,図17(b)は発生する
縦振動,捩じり振動の一例を併せて示す振動子11の側
面図である。
【0029】中空円柱状の弾性体12は、厚肉の中空円
筒状弾性体を略中心軸を含む平面で縦に2分割すること
により得られる半中空円筒状弾性体12a,12bを、
再度円柱状に組み合わせることにより得られる弾性部材
である。この弾性体12の外周面には、2つの溝部が設
けられることにより形成される2つの小径部14a,1
4bと、小径部14a,14bによって区切られること
により形成される三つの大径部14A,14B及び14
Cとが形成される。半中空円筒状弾性体12a,12b
の2つの分割面それぞれには、2層の圧電素子13a〜
13cと電極15a〜15cとが挟み込まれた状態で装
着される。
【0030】小径部14a,14bの形成位置は、弾性
体12に発生する捩じり振動の2つの節位置である。図
示するように、捩じり振動用圧電素子13a,13c
は、いずれも、捩じり振動の2つの節位置を含む位置に
配置される。また、縦振動用圧電素子13bは、縦振動
の1つの節位置を含む位置に配置される。
【0031】捩じり振動用圧電素子13a,13cは、
周波電圧が印加されると、電圧印加方向に応じた剪断変
形を発生し、これにより捩じり振動が発生する。すなわ
ち、第1捩じり振動用圧電素子13aは、図面上手前側
に位置する2枚の捩じり振動用圧電素子13a−1と図
面上向こう側に位置する2枚の捩じり振動用圧電素子1
3a−2とにより構成される。
【0032】捩じり振動用圧電素子13a−1,13a
−2それぞれの剪断変形は、同じ方向への駆動電圧が印
加されると、それぞれ反対方向に発生する。そのため、
弾性体12には、軸方向に関する捩じり変位が発生す
る。例えば、図17(b)に矢印で示すように、捩じり
振動用圧電素子13a−1,13a−2がそれぞれ剪断
変形すると、駆動面Dは、図17(a)に矢印で示す方
向へ捩じれる。また、この場合とは逆方向へ駆動電圧を
印加すると、逆向きの剪断変形が発生するため、駆動面
Dは図17(a)に矢印で示す方向とは反対方向へ捩じ
れる。
【0033】また、第2捩じり振動用圧電素子13c
は、図面上手前側に位置する2枚の捩じり振動用圧電素
子13c−1と図円上向こう側に位置する2枚の捩じり
振動用圧電素子13c−2とにより構成される。捩じり
振動用圧電素子13c−1,13c−2それぞれの剪断
変形は、同じ方向への電圧が印加されると、それぞれ反
対方向に発生する。そのため、弾性体12には、軸方向
に関する捩じり変位が発生する。
【0034】また、第1捩じり振動用圧電素子13a−
1と第2捩じり振動用圧電素子13c−1とは、同じ方
向への駆動電圧が印加されると、異なった方向へ剪断変
形するように、配置する。さらに、第1捩じり振動用圧
電素子13a−2と第2捩じり振動用圧電素子13c−
2とは、同じ方向への駆動電圧が印加されると、異なっ
た方向へ剪断変形するように配置される。
【0035】例えば、図17(b)に示すように、第2
捩じり振動用圧電素子13c−1,13c−2がともに
剪断変形すると、駆動面Dは、図17(a)に矢印で示
す方向とは反対方向へ捩じれる。
【0036】このように、捩じり振動用圧電素子13
a,13cを配列することにより、第1捩じり振動用圧
電素子13aと第2捩じり振動用圧電素子13cとに同
じ周波電圧を印加すると、発生する捩じり振動の第一節
及び第二節それぞれにおける振動方向が反対方向とな
り、2次の捩じり振動モードが励起され易くなる。
【0037】また、縦振動用圧電素子13bは、周波電
圧が印加されたときに振動子軸方向へ伸縮変形を発生
し、これにより弾性体12には縦振動が発生する。この
縦振動用圧電素子13bは、図面上手前側に位置する2
枚の縦振動用圧電素子13b−1と図面上向こう側に位
置する2枚の縦振動用圧電素子13b−2とにより構成
される。縦振動用圧電素子13bは、同じ方向への駆動
電圧が印加されると、それぞれ同方向へ縦変形するよう
に配置される。縦振動用圧電素子13bをこのように配
置することにより、縦振動用圧電素子13bに同じ周波
電圧を印加すると、1次の縦振動モードは励起され易く
なる。
【0038】このように構成された振動子11を備える
振動アクチュエータにおいて、(1/4)λ(λ:波
長)位相差がある2つの駆動信号を、縦振動用圧電素子
13bと捩じり振動用圧電素子13a,13cとに入力
すると、縦振動と捩じり振動との振動の位相差が90°
ずれ、縦振動及び捩じり振動を合成した楕円運動が駆動
面Dに発生する。
【0039】駆動面Dに発生するこのような楕円運動
は、図示しない加圧機構により駆動面Dに加圧接触され
る移動子(図示しない。)に伝搬される。移動子は図示
しない支持機構により回転自在に支持されるため、一方
向に連続的に駆動される。
【0040】このように、既に提案されている各種の振
動アクチュエータは、弾性体12に発生する縦振動及び
捩じり振動を組み合わせ、駆動面Dに発生する楕円運動
を移動子に伝達するものである。そのため、少なくと
も、縦振動を発生するための圧電素子13bと捩じり振
動を発生するための圧電素子13a,13cとを弾性体
12に装着する必要があった。
【0041】さらに、圧電素子13a〜13cに行う必
要があるポーリング(永久分極処理)の方向は、捩じり
振動用圧電素子13a,13c,縦振動用圧電素子13
bそれぞれで異なる。
【0042】図18は、圧電素子のポーリング方向を示
す斜視図であって、図18(a)は縦振動用圧電素子1
3bのポーリング方向を、図18(b)は捩じり振動用
圧電素子13a,13cのポーリング方向をそれぞれ示
す。
【0043】縦振動用圧電素子13bと捩じり振動用圧
電素子13a,13cとでポーリング方向が異なるた
め、これらの圧電素子13a〜13cはそれぞれ異なっ
た製造工程により生産されていた。そのため、図17に
示す振動子を構成するには、少なくとも、4枚の縦振動
用圧電素子13bと8枚の捩じり振動用圧電素子13
a,13cとを、別個に弾性体12に装着する必要があ
った。
【0044】このように、図17に示す振動アクチュエ
ータを構成するために、少なくとも合計12枚もの多数
の圧電素子13a〜13cを、一枚一枚弾性体12の所
定の位置に正確に装着しなければならない。したがっ
て、弾性体12への圧電素子13a〜13cの装着に多
大の工数を要するとともに、所定の位置に正確に装着す
ることが難しく、振動アクチュエータの性能を設計目標
値に維持することが容易ではないという課題があった。
【0045】さらに、図17に示す振動アクチュエータ
を高効率で駆動するためには、振動子11の構成要素で
ある全ての圧電素子13a〜13cが弾性体12に対し
て有効に、縦変位,捩じり変位を伝達することが必要と
なる。そのためには、全ての圧電素子13a〜13cが
弾性体12及び電極15a〜15cに対して少しの隙間
も有さずに確実に密着されている必要がある。
【0046】しかし、図17に示す振動アクチュエータ
では、装着する圧電素子13a〜13cは、その設置数
が多いとともに全く異なる製造工程で製造されるために
厚さを一定に揃えることが極めて難しい。そのため、全
ての圧電素子13a〜13cを弾性体12及び電極15
a〜15cに対して少しの隙間も有さずに確実に密着さ
せることは極めて難しい。そのため、振動アクチュエー
タの駆動効率及び性能の低下を回避することはできなか
った。
【0047】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、電気
エネルギを機械的変位に、又は機械的変位を電気エネル
ギに変換する電気機械変換素子であって、電気機械変換
素子の本体が、互いに異なる圧電効果(所定の圧電定数
によって起こされる効果)を発生する複数の電気機械変
換部分を有し、これらの複数の電気機械変換部分が、各
々が異なる方向へ同時に変位自在であることを特徴とす
る。
【0048】請求項2の発明は、請求項1に記載された
電気機械変換素子において、本体が、複数の電気機械変
換部分によって、異なる振動モードを同時に発生させる
ことを特徴とする。
【0049】請求項3の発明は、請求項1に記載された
電気機械変換素子において、本体が、複数の電気機械変
換部分によって、本体に同時に発生している異なる振動
モードを同時にかつ独立して電気エネルギに変換可能で
あることを特徴とする。
【0050】請求項4の発明は、請求項1に記載された
電気機械変換素子において、本体が、複数の電気機械変
換部分によって、異なる振動モードを同時に発生させる
とともに、本体に同時に発生している異なる振動モード
を同時にかつ独立して電気エネルギに変換可能であるこ
とを特徴とする。
【0051】請求項5の発明は、請求項1に記載された
電気機械変換素子において、複数の電気機械変換部分
が、圧電すべり効果(圧電定数d15により生じる効果)
を発生する第1の電気機械変換部分と、圧電横効果(圧
電定数d31により生じる効果)を発生する第2の電気機
械変換部分とを備えていることを特徴とする。
【0052】請求項6の発明は、請求項5に記載された
電気機械変換素子において、圧電すべり効果によって捩
じり振動が発生し、圧電横効果によって縦振動が発生す
ることを特徴とする。
【0053】請求項7の発明は、請求項5に記載された
電気機械変換素子において、第1の電気機械変換部分
が、互いに離間して2つ形成され、第2の電気機械変換
部分が、2つの第1の電気機械変換部分の間に1つ形成
されていることを特徴とする。
【0054】請求項8の発明は、請求項5に記載された
電気機械変換素子において、第1の電気機械変換部分と
第2の電気機械変換部分とが、本体に隣接して1つずつ
形成されていることを特徴とする。
【0055】請求項9の発明は、請求項7又は請求項8
に記載された電気機械変換素子において、隣接して配置
された第1の電気機械変換部分と第2の電気機械変換部
分とが、電気エネルギを機械的変位に変換する部分であ
り、これら第1の電気機械変換部分と第2の電気機械変
換部分の配置方向に関して本体の少なくとも一方の端部
側には、さらに、機械的変位を電気エネルギに変換する
部分が形成されていることを特徴とする。
【0056】請求項10の発明において、請求項5から
請求項9までのいずれか1項に記載された電気機械変換
素子において、本体が板状に形成されるとともに、第1
の電気機械変換部分と第2の電気機械変換部分それぞれ
の厚さが略等しい範囲にあることを特徴とする。
【0057】請求項11の発明は、電気エネルギを機械
的変位に、又は機械的変位を電気エネルギに変換する電
気機械変換素子の母材に複数方向へのポーリングを行う
ことにより、母材に、互いに異なる圧電効果(所定の圧
電定数によって起こされる効果)を発生し、異なる方向
へ同時に変位自在な複数の電気機械変換部分を形成する
ことを特徴とする。
【0058】請求項12の発明は、電気エネルギを機械
的変位に変換する電気機械変換素子の母材に対し、第1
のポーリングを行って第1の電気機械変換部分を形成し
た後、第1の電気機械変換部分の一部を含む部分に第2
のポーリングを行うことにより、第1の電気機械変換部
分と異なる圧電効果(所定の圧電定数によって起こされ
る効果)を発生する第2の電気機械変換部分を形成する
ことを特徴とする電気機械変換素子の製造方法である。
【0059】請求項13の発明は、請求項12に記載さ
れた電気機械変換素子の製造方法において、第1の電気
機械変換部分が、圧電すべり効果(圧電定数d15により
生じる効果)を発生し、第2の電気機械変換部分が、圧
電横効果(圧電定数d31により生じる効果)を発生する
ことを特徴とする。
【0060】請求項14の発明は、請求項12に記載さ
れた電気機械変換素子の製造方法において、電気機械変
換素子の母材を板状に形成するとともに、母材の平面方
向に関して所定の間隔をあけて母材の両面に電極対を形
成して複数の電極対を設け、第1のポーリングが、複数
組の電極対のうち、少なくとも1組の隣り合う電極対間
に電界を印加することで行われ、第2のポーリングが、
複数組の電極対のうち、少なくとも一対を構成する各電
極間に電界を印加することで行われることを特徴とす
る。
【0061】請求項15の発明は、請求項14に記載さ
れた電気機械変換素子の製造方法において、第1のポー
リング及び第2のポーリングを行った後に、第1の電気
機械変換部分及び第2の電気機械変換部分それぞれの厚
さを均一化する処理を行うことを特徴とする。
【0062】請求項16の発明は、請求項15に記載さ
れた電気機械変換素子の製造方法において、均一化のた
めの処理は、第1の電気機械変換部分の表面に、第1の
電気機械変換部分の厚さが第2の電気機械変換部分の厚
さと等しくなるように電極を形成すること、第1の電気
機械変換部分の表面に電極を形成してから、第1の電気
機械変換部分及び第2の電気機械変換部分それぞれの厚
さが等しくなるように、第1の電気機械変換部分及び第
2の電気機械変換部分それぞれの表面に形成された電極
の一部を除去すること、又は、第2の電気機械変換部分
に形成された電極と電気機械変換素子の一部とを除去し
て電気機械変換素子の厚さを均一にした後、第1の電気
機械変換部分及び第2の電気機械変換部分それぞれの表
面に電極を形成することにより行われることを特徴とす
る。
【0063】請求項17の発明は、請求項16に記載さ
れた電気機械変換素子の製造方法において、均一化のた
めの処理の過程で電気機械変換素子に電極を形成する際
に、第1の電気機械変換部分及び第2の電気機械変換部
分それぞれの電気機械変換能を喪失させる温度域への加
熱を伴わない形成法を用いることを特徴とする。
【0064】請求項18の発明は、請求項17に記載さ
れた電気機械変換素子の製造方法において、形成法が、
スパッタリング,蒸着等の薄膜形成法又は無電界めっき
法であることを特徴とする。
【0065】請求項19の発明は、電気機械変換素子を
有し、電気機械変換素子により複数の異なる種類の振動
が発生する振動子と、振動子との間で相対運動を行う相
対運動部材とを備える振動アクチュエータであって、電
気機械変換素子の本体が、互いに異なる圧電効果(所定
の圧電定数によって起こされる効果)を発生する複数の
電気機械変換部分を有し、複数の電気機械変換部分が、
各々が異なる方向へ同時に変位自在であることを特徴と
する。
【0066】請求項20の発明は、請求項19に記載さ
れた振動アクチュエータにおいて、複数の電気機械変換
部分が、圧電すべり効果(圧電定数d15により生じる効
果)を発生する第1の電気機械変換部分と、圧電横効果
(圧電定数d31により生じる効果)を発生する第2の電
気機械変換部分とを備えていることを特徴とする。
【0067】請求項21の発明は、請求項20に記載さ
れた振動アクチュエータにおいて、振動子が、複数の弾
性部材を組み合わされることで柱状に形成され、電気機
械変換素子が、少なくとも1つの弾性部材に装着される
とともに、複数の振動が、振動子の軸方向に関する捩じ
り振動と、振動子の軸方向に振動する縦振動であること
を特徴とする。
【0068】請求項22の発明は、請求項21に記載さ
れた振動アクチュエータにおいて、電気機械変換素子の
第1の電気機械変換部分が、振動子に発生する捩じり振
動の少なくとも1つの節となる位置を含む位置に存在す
るとともに、電気機械変換素子の第2の電気機械変換部
分が、振動子に発生する縦振動の少なくとも1つの節と
なる位置を含む位置に存在することを特徴とする。
【0069】請求項23の発明は、複数の弾性部材の間
に、互いに異なる複数の振動を発生させる電気機械変換
素子を配置する振動アクチュエータの製造方法におい
て、電気機械変換素子が、請求項1から請求項7までの
いずれか1項に記載された電気機械変換素子であること
を特徴とする。
【0070】請求項24の発明は、請求項23に記載さ
れた振動アクチュエータの製造方法において、電気機械
変換素子が、第1の電気機械変換部分が振動子に発生す
る捩じり振動の節となる位置を含む位置に存在し、第2
の電気機械変換部分が振動子に発生する縦振動の節とな
る位置を含む位置に存在するように配置されることを特
徴とする。
【0071】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明の実施形態を、添付図面
を参照しながら、詳細に説明する。なお、以降の各実施
形態の説明は、振動アクチュエータとして超音波の振動
域を利用する超音波アクチュエータを例にとって、行
う。また、以降の各実施形態の説明は、電気エネルギを
機械的変位に、又は機械的変位を電気エネルギに変換す
る電気機械変換素子として圧電素子を例にとって、行
う。
【0072】図1は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータ21を構成する振動子22の要素である圧電素子2
4の構成を示す斜視図である。この圧電素子24は、P
ZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる矩形薄板状の本
体を有する。この本体は、機能的に異なる5つの電気機
械変換部分に分かれて構成される。本実施形態では、5
つの電気機械変換部分に分けて構成しているが、これに
限定されるものではなく、複数であればよい。例えば2
つ又は3つであってもよい。
【0073】この5つの電気機械変換部分は、それぞれ
縦振動ピックアップ用電気機械変換部分24aと、本発
明における第2電気機械変換部分をなす捩じり振動励振
用電気機械変換部分24bと、本発明における第1電気
機械変換部分をなす縦振動励振用電気機械変換部分24
cと、本発明における第2電気機械変換部分をなす捩じ
り振動励振用電気機械変換部分24dと、捩じり振動ピ
ックアップ用電気機械変換部分24eとにより構成され
る。この圧電素子24の分極状態は、図1に矢印により
分極方向を示す通りであり、1枚の圧電素子24中に、
厚さ方向,平面方向にそれぞれ2つずつ合計4つの分極
領域が順次形成される。
【0074】本実施形態では、縦振動励振用電気機械変
換部分24cは、圧電素子24の本体の厚さ方向にポー
リングされて形成される。また、捩じり振動励振用電気
機械変換部分24b,24dは、圧電素子24の平面方
向にポーリングされて形成される。
【0075】また、捩じり振動励振用電気機械変換部分
24b,24dは、図示するように、本体の平面方向に
互いに離間して2つ形成されるとともに、縦振動励振用
電気機械変換部分24cは、捩じり振動励振用電気機械
変換部分24b,24dの間に形成される。
【0076】さらに、本実施形態では、捩じり振動励振
用電気機械変換部分24b,24dの本体の平面方向の
両側に、本体の平面方向に関する機械的変位を電気エネ
ルギに変換する捩じり振動ピックアップ用電気機械変換
部分24eと、本体の厚さ方向に関する機械的変位を電
気エネルギに変換する縦振動ピックアップ用電気機械変
換部分24aとが形成される。
【0077】本実施形態では、縦振動ピックアップ用電
気機械変換部分24a、捩じり振動励振用電気機械変換
部分24b、縦振動励振用電気機械変換部分24c、捩
じり振動励振用電気機械変換部分24d、及び、捩じり
振動ピックアップ用電気機械変換部分24eそれぞれの
両面には、各電気機械変換部分に駆動電圧を印加するた
めの電極27a,27b,27c,27d,27eが互
いに離れて形成される。
【0078】さらに、本実施形態の圧電素子24では、
縦振動ピックアップ用電気機械変換部分24a、捩じり
振動励振用電気機械変換部分24b、縦振動励振用電気
機械変換部分24c、捩じり振動励振用電気機械変換部
分24d、及び、捩じり振動ピックアップ用電気機械変
換部分24eそれぞれの厚さは、電極27a〜27eの
厚さ分も含めて、全て等しく設定される。
【0079】本実施形態の圧電素子24は、以上のよう
に構成される。次に、この圧電素子24の製造方法を、
添付図面を参照しながら工程毎に詳細に説明する。
【0080】図2(a)〜図2(d)は、本実施形態で
用いる圧電素子24の製造方法を工程毎に示す説明図で
ある。略述すれば、この圧電素子24には2回のポーリ
ングを行うことにより、4つの分極領域が形成される。
【0081】(第1工程)図2(a)に示すように、ポ
ーリング処理を施す前の矩形平板状の圧電素子母材25
の両面に、第1方向である平面方向について離した状態
で、3つのポーリング用電極26a,26b及び26c
を形成する。
【0082】ポーリング用電極26a〜26cの形成時
点では、圧電素子母材25へはポーリングは行われてい
ないため、加熱を行っても分極が破壊されることがな
い。そこで、ポーリング用電極26a〜26cの形成
は、銀合金やニッケル合金等を含有するペーストを、所
定の温度域に加熱することにより形成してもよい。
【0083】ポーリング用電極26aの形成位置は、こ
の圧電素子24を超音波アクチュエータに装着した際
に、縦振動ピックアップのための領域としたい範囲であ
る。また、ポーリング用電極26bの形成位置は、縦振
動励振のための領域としたい範囲である。さらに、ポー
リング用電極26cの形成位置は、圧電素子24の最端
部であればよく、後続して行うポーリング処理に支障を
来さない範囲であればよい。
【0084】(第2工程)次に、このようにして、ポー
リング用電極26a〜26cを形成した圧電素子母材2
5について、図2(b)に示すように、ポーリング用電
極26a〜26b間、ポーリング用電極26b〜26c
間にそれぞれ強電界を印加することにより、図2(b)
に矢印で示す平面方向(第1方向)へのポーリング処理
を行う。すなわち、圧電素子母材25の面内長手方向へ
のポーリングを行うことにより、図2(b)に示す平面
方向(第1方向)への2つの分極領域を形成する。
【0085】このようにして、捩じり振動励振のための
2つの電気機械変換部分(捩じり振動励振用電気機械変
換部分24b及び、捩じり振動励振用電気機械変換部分
24d)と捩じり振動ピックアップのための電気機械変
換部分(捩じり振動ピックアップ用電気機械変換部分2
4e)とが形成される。なお、捩じり振動励振用電気機
械変換部分24dと捩じり振動ピックアップ用電気機械
変換部分24eとは、一体に形成される。
【0086】(第3工程)次に、対向して配置された一
対のポーリング用電極26a,26bを用いて、図2
(c)に示すように、圧電素子母材25の厚さ方向に強
電界を印加することにより、圧電素子24の厚さ方向へ
の分極処理を行う。このような分極処理により、縦振動
励振のための部分(縦振動励振用電気機械変換部分24
c)と縦振動ピックアップのための部分(縦振動ピック
アップ用電気機械変換部分24a)とが形成される。こ
れにより、図2(c)に示すように、圧電素子母材25
の厚さ方向,平面方向への2つの分極領域がさらに形成
される。
【0087】第2工程によるポーリング処理では、ポー
リング処理に使用する電極の配置がポーリング方向と直
交する方向には配置されていない。そのため、ポーリン
グ用電極26b〜26cの近傍においては正確に平面方
向にポーリングされずに端部近傍が円弧状に曲折する。
しかし、第3工程によるポーリング処理はこの曲折部分
を含んで行うため、第2工程による分極の曲折部分が厚
さ方向に正確にポーリングされ、ポーリング用電極26
b〜26cの近傍における円弧状の曲折(ポーリング方
向の不正確さ)は問題にならない。
【0088】(第4工程)次に、このようにして形成さ
れた4つの分極領域を有する圧電素子24の厚さの均一
化を図る。本実施形態では、圧電素子24の両面に形成
したポーリング用電極26b〜26cを研磨することに
より、圧電素子24を所定の厚さに仕上げる。
【0089】一般に、圧電素子は、ポーリングの際に電
界印加方向について伸張するとともに電界印加方向と直
交する方向について収縮するという性質を有する。その
ため、圧電素子の板厚方向にポーリングが行われると板
厚が増加し、一方、圧電素子の平面方向にポーリングが
行われると板厚が減少する。したがって、本実施形態の
圧電素子24では、ポーリングを行うことにより、板厚
が増加する部分(縦振動ピックアップ用電気機械変換部
分24a,縦振動励振用電気機械変換部分24c)と板
厚が減少する部分(捩じり振動励振用電気機械変換部分
24b,捩じり振動励振用電気機械変換部分24d,捩
じり振動ピックアップ用電気機械変換部分24e)とが
交互に形成されることになる。そのため、圧電素子24
に要求する一定板厚を保つことができないおそれがあ
る。
【0090】そこで、本実施形態では、ポーリング終了
後に、圧電素子24の両面を研磨することにより、圧電
素子24の本体を一定の厚さを一定にする。本実施形態
では、圧電素子24に形成されたポーリング用電極26
b〜26cと圧電素子24の一部とを研磨することによ
り、ポーリング後における圧電素子24の厚さを一定に
するが、本発明にかかる電気機械変換素子の製造法は、
この態様に限定されるものではない。例えば、以下に列
記するようにして、圧電素子24の本体を一定の厚さに
保つようにしてもよい。
【0091】(1)捩じり振動励振用電気機械変換部分
24b,24d(第1電気機械変換部分)の表面に、捩
じり振動励振用電気機械変換部分24b,24dの厚さ
が縦振動励振用電気機械変換部分24c(第2電気機械
変換部分)の厚さと同じになるように、適宜手段により
電極を形成する。
【0092】(2)捩じり振動励振用電気機械変換部分
24b,24d(第1電気機械変換部分)の表面に電極
を形成してから、縦振動励振用電気機械変換部分24c
及び捩じり振動励振用電気機械変換部分24b,24d
それぞれの厚さが同じになるように、縦振動励振用電気
機械変換部分24c及び捩じり振動励振用電気機械変換
部分24b,24dそれぞれの表面に形成された電極の
一部を適宜手段により除去する。
【0093】本実施形態では、図2(d)に示すよう
に、研磨後に、均一な厚さに形成された圧電素子24の
両面の所定の位置に、電気エネルギ入力及び出力用の電
極27a〜27eを、それぞれが電気的に絶縁された状
態で形成する。
【0094】このようにして、縦振動ピックアップ用電
気機械変換部分24a,捩じり振動励振用電気機械変換
部分24b,縦振動励振用電気機械変換部分24c,捩
じり振動励振用電気機械変換部分24d,捩じり振動ピ
ックアップ用電気機械変換部分24eが形成される。
【0095】なお、電気エネルギ入力及び出力用の電極
27a〜27eの形成時には、圧電素子24に形成され
た分極を破壊しないようにするスパッタリングや蒸着等
の成膜法や無電界めっき等の形成法を用いることが望ま
しい。
【0096】このようにして、本実施形態では、弾性体
23を構成する2つの半弾性体23a,23bに挟持さ
れる圧電素子24の厚さを一定にして、弾性体23の全
ての部分において発生する縦変位及び捩じり変位を効率
的に半弾性体23a,23bに伝搬することが可能とな
る。
【0097】換言すれば、弾性体23に圧電素子24を
配置するに際し、従来は別個独立の工程により製造され
るために厚さが不均一である圧電素子を一枚ずつ装着し
ていたが、本発明では一体の圧電素子24として厚さを
揃える加工までを簡単かつ確実に行うことができ、圧電
素子24の全ての部分において簡単に板厚を揃えること
ができる。
【0098】したがって、複数の圧電素子の厚さのばら
つきに起因して発生する圧電素子と半弾性体との隙間に
基づいて生じる半弾性体への装着不良が解消され、弾性
体23へのエネルギ伝搬損失が最小限に抑制される。
【0099】図3は、第1実施形態の超音波アクチュエ
ータ21の構成を示す縦断面図である。振動子22は、
図1に示す構造の本実施形態の圧電素子24(図3にお
いては図示しない。後述する図4を参照しながら説明す
る。)と、圧電素子24が接合されて圧電素子24の励
振によって1次の縦振動及び2次の捩じり振動が発生す
ることにより、駆動面Dに駆動力が発生する弾性体23
とから構成される。
【0100】振動子22を構成する弾性体23は、外周
部に溝部が2つ設けられることにより形成される2つの
小径部28a,28bと、小径部28a,28bにより
区切られることにより形成される3つの大径部28A,
28B及び28Cとを備える中空の厚肉円柱状の弾性体
23を、その略中心軸を含む平面で縦に2つに分割する
ことにより得られる半弾性体23a,23bを、再度円
柱状に組み合わせることにより、構成される。
【0101】弾性体23の2つの分割面には、それぞ
れ、本実施形態で用いる前述した圧電素子24が、二層
装着される。弾性体23の外周面に形成される小径部2
8a,28bは、弾性体23に発生する捩じり振動の二
つの節位置に一致するように形成される。
【0102】一方、圧電素子24の捩じり振動励振用電
気機械変換部分24b,24dは、捩じり振動の節位置
に配置され、圧電素子24の縦振動励振用電気機械変換
部分24cは、縦振動の節位置に配置される。
【0103】半弾性体23a,23bは、高さ方向の略
中心位置に、圧電素子24の積層方向と平行な方向(図
面中の左右方向)に貫通孔29a,29bが形成され
る。半弾性体23a,23bは、貫通孔29a,29b
にボルト30a,30bを挿入し、ボルト30a,30
bを、弾性体23の軸方向中央部に縦に挿入された固定
軸31にネジ止めすることにより、圧電素子24を2つ
の分割面に2層ずつ挟み込んだ状態で保持するとともに
固定軸31に支持される。
【0104】相対運動部材である移動子32は、中空の
厚肉円柱状の移動子母材32aと,移動子母材32aの
振動子22側端面に貼付されて振動子22の駆動面Dに
接触する摺動材32bとから構成される。移動子32
は、その内周部に嵌合された位置決め部材であるベアリ
ング33によって固定軸31に対して回動自在に位置決
めされる。
【0105】移動子母材32aの外周面上端部側には、
出力取出用の歯車34が設けられる。この歯車34は図
示しない被駆動体の歯車と噛合しており、これにより移
動子32の回転が被駆動体へ伝達される。
【0106】また、移動子母材32aは、本実施形態で
は加圧部材である皿バネ35(スプリングバネや板バネ
等でもよい。)により、振動子22の駆動面Dに加圧接
触される。
【0107】固定軸31は、弾性体23の軸方向に形成
された中空部に貫通し、振動子22を固定・保持すると
ともに、移動子32を半径方向について回動自在に位置
決めする。この固定軸31の一端には、ねじ部31aが
形成され、皿バネ35の加圧力調整部材であるナット3
6がネジ止めされる。ナット36の固定軸31に対する
ネジ止め位置を調整することにより、皿バネ35の加圧
力が調整される。固定軸31の他端は、図示しない固定
部に適宜手段により固定される。
【0108】図4は、振動子22への圧電素子24の装
着状況を示す説明図であり、図4(a)は振動子22の
上面図,図4(b)は発生する縦振動及び捩じり振動の
発生状況を併せて示す振動子22の側面図である。な
お、図4(b)の側面図は、図3に示す縦断面図とは9
0°ずれた方向から見た側面図である。
【0109】2つの半弾性体23a,23bの2つの分
割面には、2層の圧電素子24が挟み込まれる。弾性体
23の外周面に形成される小径部28a,28bは、弾
性体23に発生する捩じり振動の節位置に一致するよう
に設けられる。圧電素子24の捩じり振動励振用電気機
械変換部分24b,24dは、弾性体23に発生する捩
じり振動の節位置を含む位置に配置される。一方、縦振
動励振用電気機械変換部分24cは、弾性体23に発生
する縦振動の節位置を含む位置に配置される。
【0110】捩じり振動励振用電気機械変換部分24
b,24dは、周波電圧が印加されることにより駆動電
圧の方向に応じた剪断変形を発生し、これにより弾性体
23には2次の捩じり振動が発生する。
【0111】捩じり振動励振用電気機械変換部分24
b,24d群は、図面上手前側に位置する捩じり振動励
振用電気機械変換部分24b−1,24d−1と、図面
上向こう側に位置する捩じり振動励振用電気機械変換部
分24b−2,24d−2とにより構成される。圧電素
子24に同じ方向への駆動電圧が印加された場合、捩じ
り振動励振用電気機械変換部分24b−1,24d−1
による剪断変形と、捩じり振動励振用電気機械変換部分
24b−2,24d−2による剪断変形とが、それぞれ
反対方向に発生するように配置すると、振動子22には
中心軸に関する捩じり振動が発生する。
【0112】例えば、図4(b)に示すように、捩じり
振動励振用電気機械変換部分24b−1,24d−1と
捩じり振動励振用電気機械変換部分24b−2,24d
−2とが剪断変形すると、駆動面Dは図4(a)に矢印
で示す方向へ捩じれる。また、圧電素子24にこれとは
反対方向への電圧を印加すると、逆方向への剪断変形が
発生するため、駆動面Dは図4(a)に矢印で示す方向
とは反対方向へ捩じれる。
【0113】このように、圧電素子24を弾性体23に
装着して、捩じり振動励振用電気機械変換部分24b−
1,24d−1と捩じり振動励振用電気機械変換部分2
4b−2,24d−2とに同じ周波電圧を印加すると、
図4(b)における弾性体23に発生する捩じり振動の
第一節E及び第二節Fそれぞれにおける振動方向が反対
方向となり、2次の捩じれ振動モードは励起され易くな
る。
【0114】また、圧電素子24の縦振動励振用電気機
械変換部分24cは、周波電圧が印加されると弾性体軸
方向に伸縮変形を生じ、この伸縮変形により弾性体23
には縦振動が発生する。
【0115】縦振動励振用電気機械変換部分24cは、
手前側に位置する2枚の縦振動励振用電気機械変換部分
24c−1と、向こう側に位置する2枚の縦振動励振用
電気機械変換部分24c−2とから構成される。縦振動
励振用電気機械変換部分24c−1,24c−2は、同
じ方向の電圧が印加されると、それぞれ同じ方向へ縦変
形するように配置される。
【0116】このように、圧電素子24を弾性体23に
装着して、縦振動励振用電気機械変換部分24c−1,
24c−2に同じ周波電圧を印加すると、1次の縦振動
モードは励起され易くなる。
【0117】本実施形態の超音波アクチュエータ21
は、以上のように構成される。この超音波アクチュエー
タ21に用いる圧電素子24に形成される捩じり振動励
振用電気機械変換部分24b,24dと縦振動励振用電
気機械変換部分24cとに、2つの(1/4)λ位相差
を有する駆動信号をそれぞれ入力すると、弾性体23に
発生する縦振動及び捩じり振動それぞれの位相が90°
ずれ、これらの振動が合成されることにより駆動面Dに
は楕円運動が発生する。
【0118】図5は、この振動子22に発生する縦振動
と捩じり振動とを組み合わせて、駆動面Dに楕円運動が
発生することを経時的に示す説明図である。なお、図5
では、説明の便宜上、振動子22の駆動面Dに加圧接触
する移動子32と、移動子32を振動子22に向けて加
圧接触させる加圧機構とは、ともに図示しない。
【0119】すなわち、弾性体23に発生する捩じり運
動及び縦運動それぞれの周期の位相差を(1/4)λ
(λは波長を示す。)ずらして設定すると、振動子22
の駆動面D上の定点には楕円運動が生じる。
【0120】すなわち、駆動周波数をfとし、このとき
の角周波数をω(=2πf)とすると、図5において、
t=(6/4)・(π/ω)の時点では、捩じり振動の
変位は左側に最大であり、一方、縦振動の変位は零であ
る。この状態では、移動子32は、加圧機構によって振
動子22の駆動面Dに接触する。
【0121】この状態から、t=(7/4)・(π/
ω)〜0〜(2/4)・(π/ω)までは、捩じり振動
は、左側の最大から右側の最大まで変位する。一方、縦
振動は、零から上側の最大に変位し、再び零に戻る。し
たがって、振動子22の駆動面Dの定点は、移動子32
を押しながら右方向に向けて回転し、移動子32は駆動
される。
【0122】次に、t=(2/4)・(π/ω)〜(6
/4)・(π/ω)までは、捩じり振動は、右側の最大
から左側の最大まで変位する。一方、縦振動は、零から
下側の最大に変位し再び零に戻る。したがって、振動子
22の駆動面Dは、移動子32から離れながら左方向に
向けて回転するため、移動子32は駆動されない。この
ときに、移動子32は、加圧部材により加圧されている
が、加圧部材の固有振動数が超音波振動域より著しく低
いため、振動子22の縮みに追従しない。
【0123】本実施形態では、2次の捩じり振動に対し
て2群の捩じり振動励振用電気機械変換部分24b−
1,24d−1及び24b−2,24d−2を配置する
とともに、1次の縦振動に対して1群の縦振動励振用電
気機械変換部分24c−1,24c−1を配置すること
により、捩じり振動の腹位置に捩じり振動励振用電気機
械変換部分24b−1,24d−1及び24b−2,2
4d−2が配置されることが防止されるとともに、縦振
動の腹位置に縦振動励振用電気機械変換部分24c−1
及び24c−1が配置されることが防止される。これに
より、圧電素子24の静電容量が低減される。
【0124】ここで、このような超音波アクチュエータ
21に入力される電流は、下記式により近似される。 入力電流I=V/((R2 +(ωL)2 1/2 /ωC)・・・・・・・
【0125】ただし、 C:超音波アクチュエータ21のコンデンサ成分(主に
圧電素子の静電容量) V:印加電圧 R:超音波アクチュエータ21の抵抗成分 ω:周波電圧の角速度 L:超音波アクチュエータ21のインダクタンス成分
【0126】式に示すように、振動に余り寄与しない
振動の腹位置の部分の励振部を無くすことにより、圧電
素子24の静電容量Cを低減することにより、超音波ア
クチュエータ21への入力電流を低減することが可能と
なる。したがって、振動アクチュエータ21の駆動効率
が向上する。
【0127】また、本実施形態では、2次の捩じり振動
に対して2群の捩じり振動励振用電気機械変換部分24
b−1,24d−1及び24b−2,24d−2を配置
するとともに、1次の縦振動に対して1群の縦振動励振
用電気機械変換部分24c−1及び24c−1を配置す
ることにより、それぞれ、圧電素子24により励起しよ
うとする捩じり振動変位と実際に励起しようとした弾性
体23の捩じり振動変位とを略一致させることができ
る。したがって、捩じり振動と縦振動とがそれぞれ励起
され易くなり、それぞれの振動振幅を大きく確保するこ
とができ、超音波アクチュエータ21の駆動力や駆動効
率を向上させることができる。
【0128】また、本実施形態では、圧電素子24の捩
じり振動励振用電気機械変換部分24b−1,24d−
2は、それぞれの中央部が弾性体23に発生する捩じり
振動の第1節部に一致するように、配置する。また、圧
電素子24の捩じり振動励振用電気機械変換部分24b
−2,24d−2は、その中央部が弾性体23に発生す
る捩じり振動の第2節部に一致するように、配置する。
【0129】このように、捩じり振動励振用電気機械変
換部分24b−1,24d−1及び24b−2,24d
−2を配置することにより、弾性体23には自然な捩じ
り振動が励起され易くなり、捩じり振動振幅をさらに大
きく確保することが可能となる。
【0130】また、縦振動励振用電気機械変換部分24
c−1及び24c−2は、その中央部が弾性体23に発
生する縦振動の節部に一致するように、配置する。この
ように、縦振動励振用電気機械変換部分24c−1及び
24c−2を配置することにより、弾性体23には自然
な捩じり振動が励起され易くなり、縦振動の振幅をさら
に大きく確保することが可能となる。
【0131】以上のように、捩じり振動励振用電気機械
変換部分24b−1,24d−1及び24b−2,24
d−2,縦振動励振用電気機械変換部分24c−1及び
24c−2それぞれの中央部と弾性体23に発生するそ
れぞれの振動の節部とが一致するように、圧電素子24
を構成・配置することにより、縦振動振幅及び捩じり振
動振幅を大きく確保することができ、超音波アクチュエ
ータ21の駆動効率や駆動力を向上させることができ
る。
【0132】このように、本実施形態の超音波アクチュ
エータ21は、略述すれば、弾性体23に挟持させる捩
じり振動用及び縦振動用の圧電素子を、別部品として一
列に配列するのではなく、一枚の圧電素子24で置換す
る。
【0133】したがって、本実施形態の超音波アクチュ
エータ21によれば、圧電素子24の部品点数を大幅に
低減することが可能となる。したがって、超音波アクチ
ュエータ21の生産性が著しく向上する。
【0134】また、圧電素子24の厚さを極めて簡単に
一定にすることができるため、別部品である多数の圧電
素子24間の厚さの変動を完全に解消することができ、
弾性体23へのエネルギ伝搬損失を最小限に抑制するこ
とができる。
【0135】また、弾性体23に発生する振動の節位置
が複数存在しても、それぞれ、圧電素子により励起しよ
うとする捩じれ振動変位と実際に励起しようとする弾性
体の捩じれ振動変位とを略一致させることができる。こ
れにより、振動が励起され易くなり、超音波アクチュエ
ータ21の駆動力や駆動効率を向上させることができ
る。
【0136】また、縦振動励振用電気機械変換部分24
cの中心部と縦振動の節位置とを略一致させるととも
に、捩じり振動励振用電気機械変換部分24b,24d
の中心部と捩じり振動の節位置とを略一致させるため、
極めて効率的に振動を発生させることができる。
【0137】さらに、弾性体23に発生する振動の節位
置が複数存在しても、振動の腹位置にその振動の励振部
を配置することが解消され、入力エネルギを低減するこ
とができる。これにより、超音波アクチュエータ21の
駆動効率が向上する。
【0138】(第2実施形態)第1実施形態の説明にお
いても詳述したように、本発明では、超音波アクチュエ
ータに一列に配列される多数の圧電素子を一体化して、
一枚の圧電素子板に置換することを最大の特徴とする。
【0139】図6は、第2実施形態の超音波アクチュエ
ータ40に用いる圧電素子41の構成を示す斜視図であ
る。この圧電素子41は、機能的に4つの部分に分かれ
て構成される。それぞれが、縦振動ピックアップ用圧電
素子41a,縦振動励振用圧電素子41b,捩じり振動
励振用圧電素子41c,捩じり振動ピックアップ用圧電
素子41dに対応する。この圧電素子41の分極状態
は、図6中に矢印で示す分極方向を呈しており、1枚の
圧電素子41中に大別すると2つの分極領域(41a,
41b)及び分極領域(41c,41d)を有する。
【0140】次に、この圧電素子41の製造方法につい
て説明する。図7は、この製造方法を工程毎に示す説明
図である。まず、図7(a)に示すように、ポーリング
処理を施す前の圧電素子板42の一方の端面とこれと対
向する端面近傍の平面に、ポーリング用電極43a,4
3bを設ける。ポーリング用電極43a,43bの形成
手段は特定の手段には限定されない。この時点では圧電
素子板42にはポーリングは行われていないためにポー
リング処理が壊れる心配がないからである。そのため、
ポーリング用電極43a,43bの形成は加熱工程を伴
う銀,ニッケル等のペーストを盛り付けることにより行
ってもよい。
【0141】次に、図7(b)に示すように、ポーリン
グ用電極43a,43bに強電界を印加することによ
り、圧電素子板42の面内長手方向へのポーリング処理
を行う。これにより、捩じり振動励振部41cと、捩じ
り振動ピックアップ部41dとが形成される。このポー
リング処理により、図7(b)に示すような分極が形成
される。
【0142】次に、図7(c)に示すように、ポーリン
グ用電極43b,43bを利用して、圧電素子板42の
板厚方向に強電界を印加することにより、圧電素子板4
2の厚さ方向へのポーリング処理を行う。これにより、
縦振動励振部41bと縦振動ピックアップ部41aとの
形成を行う。このポーリング処理により、図7(c)に
示すような分極が形成される。
【0143】次に、図7(d)に示すように、このよう
にして形成された2つの分極領域(41a,41b)及
び分極領域(41c,41d)を有する圧電素子板42
を両面研磨することにより、圧電素子板42を所定の厚
さに一定に仕上げる。
【0144】最後に、図7(e)に示すように、各分極
領域41a〜41dそれぞれの両面に、電気エネルギの
入出力用の電極44a〜44dを形成する。本実施形態
の圧電素子板42では、電極44a〜44dを含めた分
極領域41a〜41dが、それぞれ縦振動ピックアップ
部,縦振動励振部,捩じり振動励振部,捩じり振動ピッ
クアップ部の4つの機能を備える。
【0145】なお、図7(e)においては、電極44a
〜44dの形成は、分極領域41a〜41dについて行
われた分極の破壊を回避するため、圧電素子板42に対
する加熱をできるだけ行わないようにすることが好まし
い。そのために、電極44a〜44dは、スパッタリン
グ,蒸着等の成膜法又は無電界めっき等の方法により、
形成することが望ましい。
【0146】また、前述したように、一般に圧電素子は
ポーリング処理により電界印加方向に伸張するとともに
電界印加方向と直交する方向では収縮する。そのため、
本実施形態においても、圧電素子板42の厚さは、分極
領域41a,41bでは厚くなるのに対し、分極領域4
1c,41dでは薄くなり、圧電素子板42の厚さが一
定にならない可能性があるからである。
【0147】図7(d)における研磨工程を行って、分
極領域41a,41b及び分極領域41c,41dそれ
ぞれの厚さを一定とすることにより、後述する弾性体へ
の振動伝搬を全域において効果的に行うことができる。
【0148】換言すれば、従来は独立の工程により製造
していた多数の圧電素子を所定の位置に並列・配置させ
ていたが、本実施形態によれば、一体の圧電素子板42
として加工までの処理を行うことができる。そのため、
圧電素子板42の長さ方向及び幅方向の全てにおいて、
極めて容易に厚さを一定にすることができる。
【0149】そのため、後述する図11に示すように、
対向する2つの弾性体の間に挟んだ状態で圧電素子板4
2を配置した場合、圧電素子板42と2つの弾性体との
間に隙間の発生が抑制され、圧電素子から弾性体へのエ
ネルギ伝搬の損失が最小限に抑制される。
【0150】なお、図7では2回のポーリング処理を行
って分極領域41a〜41dを形成したが、1回のポー
リング処理で形成することも可能である。この場合の圧
電素子41の製造方法を図19を用いて説明する。
【0151】まず、図7(a)と同様にして、ポーリン
グ処理を施す前の板状の圧電素子本体42の一方の端面
にポーリング用電極43aを形成する。また、この端面
と対向する端面近傍の平面の一方側にポーリング用電極
43bを、他方側にポーリング用電極43b’を設ける
(図19(a)参照)。
【0152】次に、図19(b)に示すように、ポーリ
ング用電極43bとポーリング用電極43aの間、及び
ポーリング用電極43bとポーリング用電極43b’と
の間に同時に強電界を印加する。ポーリング用電極43
bとポーリング用電極43aに強電界を印加することに
より、捩じり振動励振部41cと、捩じり振動ピックア
ップ部41dとが形成される。また、ポーリング用電極
43bとポーリング用電極43b’とを用いて圧電素子
42の板厚方向に強電界を印加することにより、縦振動
励振部41bと縦振動ピックアップ部41aとが形成さ
れる。こうして、1回のポーリング処理により、図19
(b)に示すような分極が形成される。
【0153】次に、図19(c)に示すように、形成さ
れた2つの分極領域(41a,41b)及び(41c,
41d)を有する圧電素子42を両面研摩する。こうす
ることで、圧電素子42を所定の厚さで一定に仕上げ
る。
【0154】最後に、図19(d)に示すように、各分
極領域41a〜41dそれぞれの両面に、電気エネルギ
の入出力用の電極44a〜44dを形成する。図19に
示す方法では、圧電素子42の製造工程で1回のポーリ
ング処理を行うだけで済み、工程が減ってより生産性が
向上する。このような製造方法は、圧電素子42の板厚
が薄いときに有効である。なお、圧電素子42の板厚方
向の分極と長手方向の分極との境界部分では、図7に示
す方法を用いた場合よりもポーリング方向の正確さが劣
ることがある。そのため、この境界部分を避けて電極を
設けてもよい。
【0155】なお、図6及び図7に示す例では、縦振動
励振部41bを一つ形成した態様を示したが、本発明は
このような態様に限定されるものではない。図8は、図
6に示す圧電素子41を変形した圧電素子51を示す斜
視図である。
【0156】図8に示す圧電素子51では、機能的に5
つの部分に分かれて構成される。それぞれが、縦振動ピ
ックアップ用圧電素子51a,縦振動励振用圧電素子5
1b−1,縦振動励振用圧電素子51b−2,捩じり振
動励振用圧電素子51c,捩じり振動ピックアップ用圧
電素子51dが形成されている。
【0157】図8に示す圧電素子51のように、縦振動
励振用圧電素子が二つ形成されると、発生させたい縦変
位量に応じて、入力面積を大幅に変更することが可能と
なる。これにより、超音波アクチュエータの制御の自由
度が大きくなる。
【0158】すなわち、捩じり振動に対して1群の捩じ
り振動励振部を配置することにより、2群の捩じり振動
励振部を配置する場合に比較すると、変位量的には若干
減少するものの、振動励振部への入力エネルギを半減す
ることができるため、駆動効率を向上させることが可能
となる。
【0159】図9は、図8に示す圧電素子51の製造方
法を工程毎に示す説明図である。なお、図9に示す製造
方法は図8に示す製造方法と基本的に同一であるので、
相違する部分のみを説明し、図8に示す製造方法と共通
する部分については50番台に変えた符号を付すことに
より、重複する説明を省略する。
【0160】図9(e)において、圧電素子板52に形
成された各分極領域51a,51b−1,51b−2,
51c及び51dそれぞれの両面に、電気エネルギの入
出力用の電極54a,54b−1,54b−2,54c
及び54dを形成する。このようにして、図8に示す圧
電素子51が形成される。
【0161】図10は、本実施形態の超音波アクチュエ
ータ60を示す断面図である。振動子61は、駆動信号
により励振される電気機械変換素子である本実施形態の
圧電素子41と,圧電素子41が接合されており、圧電
素子41の励振によって1次の縦振動と2次の捩じり振
動とが生じることによって、駆動面62cに駆動力が発
生する弾性体62とから構成される。
【0162】弾性体62は、側面に溝状に形成される3
つの小径部62a,62b,62cと、小径部62a〜
62cに区切られることにより形成される4つの大径部
62A,62B,62C,62Dとを有した中空厚肉の
弾性体を縦に2つに分割することにより得られる半弾性
体61a,61bを、再度円柱状に組み合わせることに
より得られる。
【0163】半弾性体61a,61bの分割面には、圧
電素子41が挟まれた状態で装着される。小径部62
a,62cは、振動子61に発生する2次の捩じり振動
の二つの節部に位置する。一方、小径部62bは,振動
子61に発生する1次の縦振動の節部に位置する。
【0164】圧電素子41に形成された捩じり振動励振
部41cは、2次の捩じり振動の一方の節部を含む位置
に配置され、縦振動励振部41bは、縦振動の節部と捩
じり振動の他方の節部とを含む位置に配置される。
【0165】弾性体62は、各大径部62A〜62Dそ
れぞれの高さ方向の略中心に、圧電素子41の厚さ方向
と平行な方向に向けて貫通孔63a〜63dが形成され
る。半弾性体61a及び61bは、これらの貫通孔63
a〜63dにボルト64a〜64dを挿入してナット6
5a〜65dをネジ止めすることにより、締結・固定さ
れる。このようにして、弾性体62は、圧電素子41を
挟み込んだ状態で保持する。
【0166】また、弾性体長手方向の略中心部には、固
定ピン66の貫通孔が形成されており、固定ピン66が
弾性体62と弾性体62の軸方向に貫通する固定軸67
とを貫通することにより、弾性体62は固定軸67に固
定・保持される。
【0167】移動子68は、厚肉環状の移動子母材68
aと,振動子61側の端面に環状に突設された摺動部に
貼付された摺動材68bとにより構成される。移動子母
材68aの反振動子側の端面内周部には、位置決め部材
であるベアリング69が嵌合されており、このベアリン
グ69により固定軸67に対しての位置決めが行われ
る。
【0168】移動子母材68aの外周面には、駆動力取
出用の歯車が設けられており(図示しない。)、この歯
車に被駆動体の歯車(図示しない。)が噛み合うことに
より、駆動力が外部に出力される。
【0169】また、移動子68は、加圧部材である皿バ
ネ70(スプリングバネや板バネ等であってもよい。)
により、加圧力伝達部材71を介して、振動子61の駆
動面62cに加圧接触される。
【0170】固定軸67は、弾性体62の軸方向に形成
された中空部を貫通して配置されており、振動子61を
固定するとともに、移動子68をその半径方向について
位置決めする。固定軸67の一方の先端部にはネジ部6
7aが形成されており、皿バネ70の加圧力を調整する
加圧力調整部材であるナット72がネジ止めされる。ナ
ット72のネジ止め位置を変更することにより、皿バネ
70のバネ力が変更され、移動子68の振動子61への
加圧力が調整される。
【0171】図11は、本実施形態において、振動子に
おける圧電素子の配置を示す説明図である。なお、図1
1の説明においては、圧電素子の配置を中心に説明し、
図10と共通する部分については同一の図中符号を付す
ことにより、重複する説明を省略する。
【0172】圧電素子41における捩じり振動励振部4
1cは、周波電圧が印加したときに電圧の方向に応じた
剪断変形を発生し、これにより、振動子61には捩じり
振動が発生する。
【0173】捩じり振動励振部群は、図面における手前
側2枚の捩じり振動励振部41cと向こう側2枚の捩じ
り振動励振部41cとから構成される。手前側,向こう
側それぞれの捩じり振動励振部41cにより発生する剪
断変形は、同じ方向の電圧が印加した場合に、それぞれ
反対方向になるようにすると、振動子61にはある方向
への捩じり変位が発生する。
【0174】例えば、図11に示すように捩じり振動励
振部41cを配置すると、手前側2枚及び向こう側2枚
の捩じり振動励振部41cが剪断変形することにより、
振動子61の駆動面62cは、白抜き矢印で示す方向に
捩じれる。また、反対方向の電圧を印加すると、逆の剪
断変形が発生するため、駆動面62cは図11に示す方
向とは反対方向へ捩じれる。
【0175】また、圧電素子41における縦振動励振部
41bは、周波電圧が印加したときに伸縮変形し、これ
により、振動子61には縦振動が発生する。縦振動励振
部群は、図面における手前側2枚の縦振動励振部41b
と向こう側2枚の縦振動励振部41bとから構成され
る。それぞれの縦振動励振部41bに同じ方向の電圧が
印加した場合に、それぞれ同方向に縦変形するようにす
る。以上のような圧電素子の縦振動励振部41bの配列
にすることにより、全ての縦振動励振部41b群に同じ
周波電圧を印加すると、縦1次振動モードは励起され易
くなる。
【0176】このように構成された超音波アクチュエー
タ60に、2つの(1/4)λ位相差を有する駆動信号
をそれぞれ縦振動励振部41bと捩じり振動励振部41
cとに入力すると、縦振動と捩じり振動との振動の位相
が90°ずれ、その振動を合成した楕円運動が駆動面6
2cに発生する。
【0177】振動の発生原理は、第1実施形態の超音波
アクチュエータ21と全く同じであるため(図5参
照)、これ以上の説明は省略する。このように、本実施
形態によれば、多数の圧電素子を一枚の圧電素子板に一
体化することにより、圧電素子部品点数を大幅に低減す
ることが可能になる。これにより、圧電素子の超音波ア
クチュエータへの装着工数が大幅に低減されるために生
産性が著しく向上するとともに、多数の圧電素子に不可
避的に存在する厚さのばらつきが解消されるために圧電
素子から弾性体へのエネルギ伝搬の損失が最小限に抑制
される。
【0178】(変形形態)以上説明した実施形態では、
振動アクチュエータとして超音波の振動域を用いる超音
波アクチュエータを例にとった。しかし、本発明にかか
る振動アクチュエータは、このような態様に限定される
ものではなく、他の振動域を利用する振動アクチュエー
タについても等しく適用される。
【0179】また、第1実施形態では、2つの半弾性部
材により弾性体を構成したが、本発明はこのような態様
のみに限定されるものではない。3つ以上の複数の弾性
部材により弾性体を柱状に構成するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、電気機械変換素子である圧電
素子を弾性部材の分割面に挟持させるように配置してい
るが、本発明はこのような態様のみに限定されるもので
はない。例えば、弾性体の外周面に例えば接着等の適宜
手段により装着するようにしてもよい。
【0180】また、各実施形態では、1次の縦振動と2
次の捩じり振動とを発生する振動子を備える振動アクチ
ュエータを用いたが、本発明にかかる振動アクチュエー
タはこのような態様に限定されるものではない。すなわ
ち、n次(n:自然数)の縦振動とm次(m:自然数)
の捩じり振動とを発生する振動子を備える振動アクチュ
エータに対しては、n群の縦振動励振部を各節部に配置
するとともに、m群の捩じり振動励振部を各節部に配置
することにより、実施形態と同様の効果を得られる。
【0181】また、各実施形態では、電気機械変換素子
として圧電素子を用いたが、本発明にかかる振動アクチ
ュエータはこのような態様のみに限定されるものではな
い。例えば、圧電素子以外に、電歪素子を用いることも
可能である。
【0182】また、第1実施形態では、圧電素子本体の
厚さ方向に関する第2電気機械変換部分を2つ形成する
とともに、圧電素子本体の平面方向に関する第1電気機
械変換部分を1つ形成するが、本発明にかかる振動アク
チュエータはこのような態様のみに限定されるものでは
ない。例えば、第2実施形態に示すように、第1電気機
械変換部分と第2電気機械変換部分とが、圧電素子本体
の平面方向に隣接して1つずつ形成される態様を例示す
ることができる。
【0183】また、第1実施形態では、形成された第1
電気機械変換部分24bに隣接させて、平面方向に関す
る機械的変位を電気エネルギに変換する機械電気変換部
分である縦振動ピックアップ用電気機械変換部分24a
を配置するとともに、形成された第1電気機械変換部分
24dに隣接させて、厚さ方向に関する機械的変位を電
気エネルギに変換する機械電気変換部分である捩じり振
動ピックアップ用電気機械変換部分24eを形成してい
る。
【0184】しかし、本発明にかかる振動アクチュエー
タはこのような態様に限定されるものではない。すなわ
ち、縦振動ピックアップ用電気機械変換部分24a,捩
じり振動ピックアップ用電気機械変換部分24eの一方
だけを設置してもよく、又は双方ともに設置しなくても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の超音波アクチュエータを構成す
る振動子の要素である圧電素子を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態で用いる圧電素子の製造方法を工
程毎に示す説明図である。
【図3】第1実施形態の超音波アクチュエータの構成を
示す縦断面図である。
【図4】第1実施形態の振動子への圧電素子の装着状況
を示す説明図であり、図4(a)は振動子の上面図,図
4(b)は発生する縦振動及び捩じり振動の発生状況を
併せて示す振動子の側面図である。
【図5】第1実施形態の振動子に発生する縦振動と捩じ
り振動とを組み合わせて、駆動面に楕円運動が発生する
ことを経時的に示す説明図である。
【図6】第2実施形態の超音波アクチュエータに用いる
圧電素子の構成を示す斜視図である。
【図7】第2実施形態の圧電素子の製造方法を工程毎に
示す説明図である。
【図8】第2実施形態の圧電素子の変形例を示す斜視図
である。
【図9】第2実施形態の圧電素子の変形例の製造方法を
工程毎に示す説明図である。
【図10】第2実施形態の超音波アクチュエータを示す
断面図である。
【図11】第2実施形態において、振動子における圧電
素子の配置を示す説明図である。
【図12】縦−捩じり振動型の振動アクチュエータの従
来例の構造を示した斜視図である。
【図13】従来の振動アクチュエータの固定子を展開し
て示した斜視図である。
【図14】振動子に縦振動と捩じり振動と発生させ、こ
れらの振動の合成により、振動子駆動面に楕円運動を発
生させる振動アクチュエータを経時的に示す説明図であ
る。
【図15】弾性体に接合される圧電素子の配置を示す振
動子の上面図である。
【図16】弾性体に接合される圧電素子の配置を示す振
動子の側面図である。
【図17】先に提案した振動アクチュエータにおいて、
振動子を構成する弾性体への圧電素子の装着状況を示す
説明図であり、図17(a)は振動子の上面図,図17
(b)は発生する縦振動モード,捩じり振動モードをと
もに示す振動子の側面図である。
【図18】圧電素子のポーリング方向を示す斜視図であ
って、図18(a)は縦振動用圧電素子のポーリング方
向を、図18(b)は捩じり振動用圧電素子のポーリン
グ方向をそれぞれ示す。
【図19】第2実施形態の圧電素子の製造方法の変形例
を工程毎に示す説明図である。
【符号の説明】
21 振動アクチュエータ(超音波アクチュエータ) 22 振動子 23 弾性体 24 圧電素子(電気機械変換素子) 24a 縦振動ピックアップ用電気機械変換部分 24b 捩じり振動励振用電気機械変換部分 24c 縦振動励振用電気機械変換部分 24d 捩じり振動励振用電気機械変換部分 24e 捩じり振動ピックアップ用電気機械変換部分 25 圧電素子本体 26a〜26e ポーリング用電極 27a〜27e 電極 28A〜28C 大径部 28a〜28b 小径部 29a,29b 貫通孔 30a,30b ボルト 31 固定軸 31a ねじ部 32 移動子(相対運動部材) 33 ベアリング 34 ネジ部 35 皿バネ(加圧部材) 36 ナット(加圧力調整部材)

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気エネルギを機械的変位に、又は機械
    的変位を電気エネルギに変換する電気機械変換素子であ
    って、 前記電気機械変換素子の本体は、互いに異なる圧電効果
    を発生する複数の電気機械変換部分を有し、該複数の電
    気機械変換部分は、各々が異なる方向へ同時に変位自在
    であることを特徴とする電気機械変換素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された電気機械変換素子
    において、 前記本体は、前記複数の電気機械変換部分によって、異
    なる振動モードを同時に発生させることを特徴とする電
    気機械変換素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された電気機械変換素子
    において、 前記本体は、前記複数の電気機械変換部分によって、該
    本体に同時に発生している異なる振動モードを同時にか
    つ独立して電気エネルギに変換可能であることを特徴と
    する電気機械変換素子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された電気機械変換素子
    において、 前記本体は、前記複数の電気機械変換部分によって、異
    なる振動モードを同時に発生させるとともに、該本体に
    同時に発生している異なる振動モードを同時にかつ独立
    して電気エネルギに変換可能であることを特徴とする電
    気機械変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された電気機械変換素子
    において、 前記複数の電気機械変換部分は、圧電すべり効果を発生
    する第1の電気機械変換部分と、圧電横効果を発生する
    第2の電気機械変換部分とを備えていることを特徴とす
    る電気機械変換素子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された電気機械変換素子
    において、 前記圧電すべり効果によって捩じり振動が発生し、前記
    圧電横効果によって縦振動が発生することを特徴とする
    電気機械変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載された電気機械変換素子
    において、 前記第1の電気機械変換部分は、互いに離間して2つ形
    成され、前記第2の電気機械変換部分は、前記2つの第
    1の電気機械変換部分の間に1つ形成されていることを
    特徴とする電気機械変換素子。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載された電気機械変換素子
    において、 前記第1の電気機械変換部分と前記第2の電気機械変換
    部分とは、前記本体に隣接して1つずつ形成されている
    ことを特徴とする電気機械変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8に記載された電気
    機械変換素子において、 隣接して配置された前記第1の電気機械変換部分と前記
    第2の電気機械変換部分は、電気エネルギを機械的変位
    に変換する部分であり、これら第1の電気機械変換部分
    と第2の電気機械変換部分の配置方向に関して前記本体
    の少なくとも一方の端部側には、さらに、機械的変位を
    電気エネルギに変換する部分が形成されていることを特
    徴とする電気機械変換素子。
  10. 【請求項10】 請求項5から請求項9までのいずれか
    1項に記載された電気機械変換素子において、 前記本体は板状に形成されるとともに、前記第1の電気
    機械変換部分と前記第2の電気機械変換部分それぞれの
    厚さが略等しい範囲にあることを特徴とする電気機械変
    換素子。
  11. 【請求項11】 電気エネルギを機械的変位に、又は機
    械的変位を電気エネルギに変換する電気機械変換素子の
    母材に複数方向へのポーリングを行うことにより、前記
    母材に、互いに異なる圧電効果を発生し、異なる方向へ
    同時に変位自在な複数の電気機械変換部分を形成するこ
    とを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 電気エネルギを機械的変位に変換する
    電気機械変換素子の母材に対し、第1のポーリングを行
    って第1の電気機械変換部分を形成した後、前記第1の
    電気機械変換部分の一部を含む部分に第2のポーリング
    を行うことにより、前記第1の電気機械変換部分と異な
    る圧電効果を発生する第2の電気機械変換部分を形成す
    ることを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載された電気機械変換
    素子の製造方法において、 前記第1の電気機械変換部分は、圧電すべり効果を発生
    し、前記第2の電気機械変換部分は、圧電横効果を発生
    することを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載された電気機械変換
    素子の製造方法において、 前記電気機械変換素子の母材を板状に形成するととも
    に、前記母材の平面方向に関して所定の間隔をあけて前
    記母材の両面に電極対を形成して複数の電極対を設け、 前記第1のポーリングは、前記複数組の電極対のうち、
    少なくとも1組の隣り合う電極対間に電界を印加するこ
    とで行われ、 前記第2のポーリングは、前記複数組の電極対のうち、
    少なくとも1対を構成する各電極間に電界を印加するこ
    とで行われることを特徴とする電気機械変換素子の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載された電気機械変換
    素子の製造方法において、 前記第1のポーリング及び前記第2のポーリングを行っ
    た後に、前記第1の電気機械変換部分及び前記第2の電
    気機械変換部分それぞれの厚さを均一化する処理を行う
    ことを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載された電気機械変換
    素子の製造方法において、 前記均一化のための処理は、 前記第1の電気機械変換部分の表面に、前記第1の電気
    機械変換部分の厚さが前記第2の電気機械変換部分の厚
    さと等しくなるように電極を形成すること、 前記第1の電気機械変換部分の表面に電極を形成してか
    ら、前記第1の電気機械変換部分及び前記第2の電気機
    械変換部分それぞれの厚さが等しくなるように、前記第
    1の電気機械変換部分及び前記第2の電気機械変換部分
    それぞれの表面に形成された電極の一部を除去するこ
    と、又は、 前記第2の電気機械変換部分に形成された電極と前記電
    気機械変換素子の一部とを除去して前記電気機械変換素
    子の厚さを均一にした後、前記第1の電気機械変換部分
    及び前記第2の電気機械変換部分それぞれの表面に電極
    を形成することにより行われることを特徴とする電気機
    械変換素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載された電気機械変換
    素子の製造方法において、 前記均一化のための処理の過程で前記電気機械変換素子
    に前記電極を形成する際に、前記第1の電気機械変換部
    分及び前記第2の電気機械変換部分それぞれの電気機械
    変換能を喪失させる温度域への加熱を伴わない形成法を
    用いることを特徴とする電気機械変換素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載された電気機械変換
    素子の製造方法において、 前記形成法は、スパッタリング,蒸着等の薄膜形成法又
    は無電界めっき法であることを特徴とする電気機械変換
    素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 電気機械変換素子を有し、該電気機械
    変換素子により複数の異なる種類の振動が発生する振動
    子と、該振動子との間で相対運動を行う相対運動部材と
    を備える振動アクチュエータであって、 前記電気機械変換素子の本体は、互いに異なる圧電効果
    を発生する複数の電気機械変換部分を有し、該複数の電
    気機械変換部分は、各々が異なる方向へ同時に変位自在
    であることを特徴とする振動アクチュエータ。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載された振動アクチュ
    エータにおいて、 前記複数の電気機械変換部分は、圧電すべり効果を発生
    する第1の電気機械変換部分と、圧電横効果を発生する
    第2の電気機械変換部分とを備えていることを特徴とす
    る振動アクチュエータ。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載された振動アクチュ
    エータにおいて、 前記振動子は、複数の弾性部材を組み合わされることで
    柱状に形成され、 前記電気機械変換素子は、少なくとも1つの前記弾性部
    材に装着されるとともに、 前記複数の振動は、前記振動子の軸方向に関する捩じり
    振動と、前記振動子の軸方向に振動する縦振動であるこ
    とを特徴とする振動アクチュエータ。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載された振動アクチュ
    エータにおいて、 前記電気機械変換素子の前記第1の電気機械変換部分
    は、前記振動子に発生する捩じり振動の少なくとも1つ
    の節となる位置を含む位置に存在するとともに、 前記電気機械変換素子の前記第2の電気機械変換部分
    は、前記振動子に発生する縦振動の少なくとも1つの節
    となる位置を含む位置に存在することを特徴とする振動
    アクチュエータ。
  23. 【請求項23】 複数の弾性部材の間に、互いに異なる
    複数の振動を発生させる電気機械変換素子を配置する振
    動アクチュエータの製造方法において、 前記電気機械変換素子は、請求項1から請求項7までの
    いずれか1項に記載された電気機械変換素子であること
    を特徴とする振動アクチュエータの製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載された振動アクチュ
    エータの製造方法において、 前記電気機械変換素子は、前記第1の電気機械変換部分
    が前記振動子に発生する前記捩じり振動の節となる位置
    を含む位置に存在し、 前記第2の電気機械変換部分が前記振動子に発生する前
    記縦振動の節となる位置を含む位置に存在するように配
    置されることを特徴とする振動アクチュエータの製造方
    法。
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