JPH0931343A - 反応性有機質無機質複合体粒子 - Google Patents

反応性有機質無機質複合体粒子

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JPH0931343A
JPH0931343A JP11399096A JP11399096A JPH0931343A JP H0931343 A JPH0931343 A JP H0931343A JP 11399096 A JP11399096 A JP 11399096A JP 11399096 A JP11399096 A JP 11399096A JP H0931343 A JPH0931343 A JP H0931343A
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Shigefumi Kuramoto
成史 倉本
Yasuhiro Sakai
保宏 酒井
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い硬度と優れた機械的復元性を有し、しか
も、ラジカル重合性を有する反応性有機質無機質複合体
粒子を提供する。 【解決手段】 この複合体粒子は、(メタ)アクリル樹
脂骨格と(メタ)アクリル樹脂骨格の少なくとも1個の
炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を
分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、ポリシロ
キサン骨格の割合(SiO2 換算量)25〜85wt%
であり、ラジカル重合性基を0.05mmol/g以上の量
で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性有機質無機
質複合体粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機ポリマー骨格とポリシロ
キサン骨格とを含む有機質無機質複合体粒子が知られて
おり、塗料、プラスチック成形材料、ゴム、フィルムな
どの充填剤として使用されている。たとえば、特開平3
−279244号公報、特開平4−236266号公
報、特開平4−258636号公報に記載された有機質
無機質複合体粒子は、有機モノマーの共重合体ラテック
スの粒子にアルコキシシラン化合物を吸収させた後、該
アルコキシシラン化合物を縮合反応させたものである。
これらの複合体粒子では、粒子中のSiO2 含有量が小
さいため硬度が低く、また、粒子中にラジカル重合性基
が存在せず、ポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨格と
の結合もSi−C結合ではない。
【0003】また、特開平3−33165号公報、特開
平3−247669号公報に記載された有機質無機質複
合体粒子は、有機ポリマー粒子表面をビニルトリエトキ
シシランなどのシランカップリング剤で処理して粒子表
面にポリシロキサン被膜を形成した2層構造を有する。
これらの複合体粒子は、粒子表面にラジカル重合性基が
存在するもののその量が少ないためラジカル重合性がほ
とんどなく、粒子中のSiO2 量が小さいため硬度が低
く、また、ポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨格との
結合がSi−C結合ではない。
【0004】他方、特開平3−285944号公報、特
開平4−33933号公報、特開平4−39336号公
報、特開平5−287213号公報に記載された有機質
無機質複合体粒子は、シリカなどの無機酸化物微粒子表
面に有機ポリマーが静電気により物理的に吸着した2層
構造を有する。また、特開平2−115285号公報、
特開平4−180921号公報、特開平5−26936
5号公報に記載された有機質無機質複合体粒子は、シリ
カなどの無機酸化物微粒子表面に有機ポリマーがSi−
C結合により結合した2層構造を有する。これらの複合
体粒子は、粒子中のSiO2 含有量が非常に高く(コア
粒子が無機酸化物であるため)、機械的復元性に劣って
おり、また、粒子中にはラジカル重合性基が存在しな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
硬度と優れた機械的復元性を有し、しかも、ラジカル重
合性の高い有機質無機質複合体粒子を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の態様に
よれば、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを含
み、ラジカル重合性基を0.05mmol/g以上の量で含
有する反応性有機質無機質複合体粒子を提供する。ポリ
シロキサン骨格は、有機ポリマー骨格中の少なくとも1
個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ
素を分子内に有する。ポリシロキサン骨格の割合は、複
合体粒子の重量に対して、SiO2 換算量で25〜85
wt%の範囲である。
【0007】本発明の反応性有機質無機質複合体粒子
は、第2の態様によれば、ラジカル重合性基を0.1〜
20mmol/gの量で含有し、平均粒子径が25μm以下
の範囲にあること以外は第1の態様のものと同じ構成を
有する。本発明の反応性有機質無機質複合体粒子は、第
3の態様によれば、ラジカル重合性基がC=C結合を有
すること以外は第1の態様または第2の態様のものと同
じ構成を有する。
【0008】
【作用】本発明の反応性有機質無機質複合体粒子は、有
機ポリマー骨格と、有機ポリマー骨格中の少なくとも1
個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ
素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、ポリ
シロキサン骨格の割合がSiO2 換算量で25〜85w
t%の範囲であることにより、ポリシロキサン骨格の特
徴である大きな硬度と、有機ポリマー骨格の特徴である
高い機械的復元性とを兼ね備えている。しかも、この複
合体粒子は、ラジカル重合性基を0.05mmol/g以上
の量で含有していることにより、高いラジカル重合性を
有する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の反応性有機質無機質複合
体粒子は、有機ポリマー骨格とポリシロキサン骨格とを
含み、ラジカル重合性基を0.05mmol/g以上の量で
含有する。ポリシロキサン骨格は、有機ポリマー骨格中
の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結
合した有機ケイ素を分子内に有する。ポリシロキサン骨
格の割合は、複合体粒子の重量に対して、SiO2 換算
量で25〜85wt%の範囲である。
【0010】有機ポリマー骨格は、有機ポリマーに由来
する主鎖・側鎖・分岐鎖・架橋鎖のうちの少なくとも主
鎖を含む。有機ポリマーの分子量、組成、構造、官能基
の有無などに特に限定されない。有機ポリマーは、たと
えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィン、およびポリ
エステルからなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る。好ましい有機ポリマー骨格は、機械的復元性に特に
優れた粒子を形成するという理由で、繰り返し単位−C
−C−から構成される主鎖を有するもの(以下では、
「ビニル系ポリマー」と言うことがある)である。
【0011】ビニル系ポリマーは、たとえば、(メタ)
アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢
酸ビニル、およびポリオレフィンからなる群から選ばれ
る少なくとも1つである。好ましいビニル系ポリマー
は、(メタ)アクリル樹脂、および(メタ)アクリル−
スチレン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つ
である。より好ましいビニル系ポリマーは、(メタ)ア
クリル樹脂である。
【0012】ポリシロキサンは、次式1:
【0013】
【化1】
【0014】で表されるシロキサン単位が連続的に化学
結合して、三次元のネットワークを構成した化合物と定
義される。有機ポリマー骨格を構成する炭素原子の少な
くとも1個には、ポリシロキサン中のケイ素原子が直接
化学結合している。ポリシロキサン骨格の割合は、Si
2 換算量で、本発明の複合体粒子の重量に対して、2
5〜85wt%である。前記範囲であると、効果的な、
硬度と機械的復元性とを有する粒子となる。25wt%
を下回ると無機質の特徴である硬度が発現しない。85
wt%を上回ると有機ポリマー骨格の有する機械的復元
性が損なわれたり粒子が割れたりする。より効果的な、
硬度と機械的復元性を有するためには、ポリシロキサン
骨格の割合は、好ましくは30〜80wt%、より好ま
しくは33〜70wt%である。
【0015】ポリシロキサン骨格の割合は、複合体粒子
を空気などの酸化性雰囲気中で1000℃以上の温度で
焼成した前後の重量を測定することにより求めたSiO
2 の重量百分率である。本発明の複合体粒子は、ポリシ
ロキサン以外の無機質成分を含むことができる。ポリシ
ロキサン以外の無機質成分は、たとえば、ホウ素、アル
ミニウム、チタン、ジルコニウム等の酸化物である。ポ
リシロキサン以外の無機質成分の量は、0〜20wt%
が好ましく、0〜10wt%がより好ましい。前記範囲
を外れると、硬度または機械的復元性が効果的に発現し
ないおそれがある。
【0016】本発明の複合体粒子は、ポリシロキサン骨
格(上記式1で表される無機質構成単位)と有機ポリマ
ー骨格との両方を含有する。しかも、無機質構成単位と
有機ポリマー骨格とが化学結合しており、ポリシロキサ
ン骨格の割合がSiO2 換算量で25〜85wt%の範
囲である。従って、本発明の複合体粒子は、無機質の特
徴である大きな硬度と有機ポリマーの特徴である高い機
械的復元性とを兼ね備えている。
【0017】本発明の複合体粒子は、粒子1g当たり、
ラジカル重合性基を0.05mmol以上含有している。
0.05mmol/gを下回ると、粒子のラジカル重合性が
低下する。複合体粒子のラジカル重合性基の反応性を高
くして、かつ、反応を制御しやすくするという点から
は、本発明の複合体粒子はラジカル重合性基を0.1〜
20mmol/g含有することが好ましい。複合体粒子のラ
ジカル重合性基の反応性をより高くして、かつ、反応を
より制御しやすくするという点からは、本発明の複合体
粒子は、ラジカル重合性基を0.2〜15mmol/g含有
することがさらに好ましく、0.4〜12mmol/g含有
することがさらに一層好ましい。ラジカル重合性基の量
は、後述の実施例で説明する方法で求められる。
【0018】本発明で言うラジカル重合性基とは、ラジ
カル重合性の二重結合基を意味する。この二重結合基は
C=C結合を有している。C=C結合の有無は、FT−
IR分析により確認される。好ましいラジカル重合性基
は、ビニル基、アクリル基およびメタクリル基からなる
群から選ばれる少なくとも1種である。本発明の複合体
粒子の平均粒子径は特に限定されないが、本発明の複合
体粒子は、たとえば25μm以下の平均粒子径を有す
る。前記範囲を上回ると、上記用途には使用されにくい
ほど大きな領域となる。凝集をより起こりにくくし、か
つ、各種用途に使用するのに好適な大きさを有するとい
う点からは、本発明の複合体粒子は0.01〜25μm
の平均粒子径を有することが好ましく、0.1〜15μ
mの平均粒子径を有することがより好ましい。前記範囲
を下回ると、複合体粒子が凝集しやすくなり各種用途に
使用するのが困難となる場合が多い。
【0019】本発明の複合体粒子は、たとえば30%以
下、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下
のの粒子径の変動係数を有する。前記上限値を上回る
と、液晶表示板用スペーサーとして使用する場合には液
晶のギャップの均一性が低下して画像ムラを起こしやす
くなる。粒子径の変動係数は、次式:
【0020】
【数1】
【0021】で定義される。本発明では、平均粒子径と
粒子径の標準偏差は、電子顕微鏡撮影像の任意の粒子2
00個の粒子径を実測して次式より求める。
【0022】
【数2】
【0023】硬度を示す尺度は10%圧縮弾性率であ
り、機械的復元性を示す尺度は、10%変形後の残留変
位である。ここで10%圧縮弾性率とは、下記測定方法
により測定した値である。島津微小圧縮試験機(株式会
社島津製作所製MCTM−200)により、室温(25
℃)において、試料台(材質:SKS平板)上に散布し
た試料粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子
(材質:ダイヤモンド)を用いて、粒子の中心方向へ一
定の負荷速度で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%
となるまで粒子を変形させ、10%変形時の荷重と圧縮
変位のミリメートル数を求める。求められた圧縮荷重、
粒子の圧縮変位、粒子の半径を次式:
【0024】
【数3】
【0025】〔ここで、E:圧縮弾性率(kg/mm2 ) F:圧縮荷重(kg) K:粒子のポアソン比(定数、0.38) S:圧縮変位(mm) R:粒子の半径(mm) である。〕に代入して計算された圧縮弾性率が10%圧
縮弾性率である。その後、すぐに、負荷時と同じ速度で
負荷を除き、荷重が0.1gとなるまで除荷を行い、最
終的に荷重が0gとなるように荷重−変位曲線を接線に
沿って外挿し、粒子になお残留する変形の大きさを求め
る。これを粒子径に対する百分率として残留変位を算出
する。この操作を異なる3個の粒子について行い、その
平均値を粒子の10%圧縮弾性率、残留変位とし、それ
ぞれ、粒子の硬度、機械的復元性の尺度とする。
【0026】本発明の複合体粒子は、10%圧縮弾性率
が、好ましくは350〜3000kg/mm2 の範囲、更に
好ましくは400〜2500kg/mm2 の範囲、より一層
好ましくは500〜2000kg/mm2 の範囲で任意の硬
度に調整されうる。10%圧縮弾性率が前記範囲を下回
ると、液晶表示板用スペーサーとして使用する場合に粒
子の散布個数の増加による製造コストの上昇、コントラ
ストの低下、ざらつきの増加のおそれがあり、トナーの
添加剤として使用する場合にはキャリア汚染が生じてト
ナーの転写効率または流動性が低下するおそれがある。
一方、10%圧縮弾性率が前記範囲を上回ると、液晶表
示板用スペーサーとして使用する場合には電極基板上の
接着層またはコート層への物理的損傷や低温発泡のおそ
れがあり、トナーの添加剤として使用する場合には感光
体の傷付けが生じるおそれがある。
【0027】10%変形後の残留変位については、本発
明の複合体粒子は、好ましくは0〜15%の範囲、更に
好ましくは0〜10%、一層好ましくは0〜7%の範囲
の残留変位を有する機械的復元性に優れた複合体粒子で
ある。10%変形後の残留変位が前記範囲を上回ると液
晶表示板用スペーサーとして使用した場合に画像ムラが
起こりやすい。
【0028】上記範囲における10%圧縮弾性率および
残留変位の程度は、粒子中に占めるポリシロキサン骨格
または有機ポリマー骨格の量を調節することにより達成
される。たとえば、ポリシロキサン骨格の量を低くする
と、10%圧縮弾性率と残留変位が小さくなり、ポリシ
ロキサン骨格の量を高めると、10%圧縮弾性率と残留
変位が大きくなる。
【0029】本発明の複合体粒子の好ましい態様は次の
とおりである。 (1) ポリシロキサン骨格の量25〜85wt%、ラジカ
ル重合性基量0.1〜20.0mmol/g、および、平均
粒子径25μm以下であること。 (2) ポリシロキサン骨格の量25〜85wt%、ラジカ
ル重合性基量0.2〜15.0mmol/g、および、平均
粒子径0.1〜15μmであること。
【0030】(3) ポリシロキサン骨格の量30〜80w
t%、ラジカル重合性基量0.4〜12.0mmol/g、
および、平均粒子径0.1〜15μmであること。 (4) ポリシロキサン骨格の量30〜70wt%、ラジカ
ル重合性基量0.4〜12.0mmol/g、および、平均
粒子径0.1〜10μmであること。 本発明の複合体粒子の形状は、球状、針状、板状、鱗片
状、破砕状、俵状、まゆ状、金平糖状等の任意の粒子形
状で良く、特に限定されないが、液晶表示板用スペーサ
ーとして用いる場合には液晶のギャップを均一に一定と
する上で、また、トナーの添加剤として使用する場合に
はトナーの流動性を向上させる上で球状が好ましい。
【0031】本発明の複合体粒子は、たとえば、以下に
述べる製造方法によって作ることができるが、他の製造
方法によって作られてもよい。本発明の反応性有機質無
機質複合体粒子を製造する方法は、縮合工程と重合工程
とを含む。この製造方法は、また、重合工程の後に再縮
合工程を含むことができる。
【0032】縮合工程は、シリコン化合物を加水分解・
縮合する工程である。シリコン化合物は、下記の一般式
2と3と4とからなる群から選ばれる少なくとも1つの
一般式で表される化合物およびその誘導体からなる群か
ら選ばれる少なくとも1つである。
【0033】
【化2】
【0034】(ここで、R1 は水素原子またはメチル基
を示し;R2 は、置換基を有していても良い炭素数1〜
10のアルキレン基を示し;R3 は、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
【0035】
【化3】
【0036】(ここで、R4 は水素原子またはメチル基
を示し;R5 は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル
基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの1価基を示す)
【0037】
【化4】
【0038】(ここで、R6 は水素原子またはメチル基
を示し;R7 は、置換基を有していても良い炭素数1〜
10のアルキレン基またはフェニレン基を示し;R
8 は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル基と、炭素
数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれる少なくと
も1つの1価基を示す)一般式2〜4において、ラジカ
ル重合性基は、CH2 =C(−R1 )−COOR2 −、
CH2 =C(−R4 )−、または、CH2 =C(−
6 )−R7 −である。ラジカル重合性基をラジカル重
合反応させることにより、上述したビニル系ポリマーに
由来する有機ポリマー骨格を生成する。ラジカル重合性
基は、アクリロキシアルキル基(一般式2においてR1
が水素原子である場合)、メタクリロキシアルキル基
(一般式2においてR1 がメチル基である場合)、ビニ
ル基(一般式3においてR4 が水素原子である場合)、
イソプロペニル基(一般式3においてR4 がメチル基で
ある場合)、1−アルケニル基(一般式4においてR6
が水素原子である場合)、または、イソアルケニル基
(一般式4においてR6 がメチル基である場合)であ
る。
【0039】一般式2〜4において、加水分解性基はR
3 O、R5 O、およびR8 Oである。R3 O基、R5
基、およびR8 O基は、水酸基と炭素数1〜5のアルコ
キシ基と炭素数2〜5個のアシロキシ基とからなる群か
ら選ばれる1価基である。一般式2〜4において、3個
のR3 O基、3個のR5 O基およびR8 O基は、それぞ
れ、互いに異なっていても良いし、2個以上が同じであ
っても良い。好ましいR3 O基・R5 O基・R8 O基
は、加水分解・縮合速度が大きい点で、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基およびアセトキシ基からなる群
から選ばれるものであり、メトキシ基およびエトキシ基
がより好ましい。シリコン化合物は、R3O基・R5
基・R8 O基が水により加水分解し、更に縮合すること
により、前記一般式1で示されるポリシロキサン骨格を
形成する。
【0040】一般式2〜4において、R2 基およびR7
基は、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアル
キレン基である。このアルキレン基としては、特に限定
されないが、たとえば、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等が挙げられ
る。容易に入手可能である点で、R2 およびR7 がプロ
ピレン基であるラジカル重合性基を有するものが好まし
い。
【0041】一般式2と3と4とからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの一般式で表される化合物は、1個の
ケイ素原子と、ケイ素原子に結合した3個の加水分解性
基と、ケイ素原子に結合した1個のラジカル重合性基と
を有する。一般式2で表される化合物の具体例は、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリアセトキシシラン等であり、これらのうちのいず
れか1つが単独で使用されたり、2以上が併用されたり
する。
【0042】一般式3で表される化合物の具体例は、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン等であり、これらのうちの
いずれか1つが単独で使用されたり、2以上が併用され
たりする。一般式4で表される化合物の具体例は、1−
ヘキセニルトリメトキシシラン、1−オクテニルトリメ
トキシシラン等であり、これらのうちのいずれか1つが
単独で使用されたり、2以上が併用されたりする。
【0043】一般式2〜4で表される化合物の誘導体
は、たとえば、一般式2〜4で表される化合物の有する
一部のR3 O基がβ−ジカルボニル基および/または他
のキレート化合物を形成し得る基で置換された化合物
と、一般式2〜4で表される化合物および/またはその
キレート化合物を部分的に加水分解・縮合して得られた
低縮合物とからなる群から選ばれる少なくとも1つであ
る。
【0044】シリコン化合物としては、粒子径分布がシ
ャープである反応性有機質無機質複合体粒子を形成しや
すいという点から、一般式2で示される化合物が好まし
く、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリ
ロキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選ば
れる少なくとも1つが特に好ましい。
【0045】本発明の反応性有機質無機質複合体粒子を
得るために、上述したシリコン化合物以外に、下記一般
式5で表されるシラン化合物;その誘導体;ホウ素、ア
ルミニウム、ガリウム、インジウム、リン、チタン、ジ
ルコニウム等の有機金属化合物および無機金属化合物か
らなる群から選ばれる少なくとも1つの加水分解・縮合
可能な金属化合物も併用して良い。
【0046】
【化5】
【0047】(ここで、R9 はR3 と同じであり;R10
は置換基を有していてもよいアルキル基またはフェニル
基であり;pは0又は1である) 一般式5で表されるシラン化合物の有するR9 基として
は、加水分解縮合速度が速い点でメチル基又はエチル基
が好ましい。pは0又は1であるが、得られる反応性有
機質無機質複合体粒子の硬度を高めることができる点で
p=0が好ましい。
【0048】一般式5で表されるシラン化合物の誘導体
は、一般式5で表される化合物の有する一部のR9 O基
がβ−ジカルボニル基および/または他のキレート化合
物を形成し得る基で置換された化合物と、一般式5で表
される化合物および/またはそのキレート化合物を部分
的に加水分解・縮合して得られた低縮合物とからなる群
から選ばれる少なくとも1つである。
【0049】シリコン化合物以外の加水分解・縮合可能
な金属化合物の量は、特に限定されないが、多量に使用
すると得られる反応性有機質無機質複合体粒子中のラジ
カル重合性基量が0.05mmol/gを下回ったり、ある
いは、粒子の形状が球状にならなかったり、粒子径の制
御が困難になったり、粒度分布が広がったりすることが
ある。このため、この加水分解・縮合可能な金属化合物
の量は、シリコン化合物の合計重量に対して、200w
t%以下が好ましく、100wt%以下が更に好まし
く、50wt%以下がより一層好ましい。
【0050】シリコン化合物と、必要に応じて使用され
る加水分解・縮合可能な金属化合物と(以下では、「原
料」と言うことがある)は、水を含む溶媒中で加水分解
され、縮合する。加水分解と縮合は、一括、分割、連続
等、任意の方法を採ることができる。加水分解や縮合さ
せるにあたり、アンモニア、尿素、エタノールアミン、
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカ
リ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の触媒を
用いてもよい。また、溶媒中には、水や触媒以外の有機
溶剤が存在していてもよい。有機溶剤の具体例として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t
−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類;酢酸エチル等のエステル類;イソオクタン、シクロ
ヘキサン等の(シクロ)パラフィン類;ジオキサン、ジ
エチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素類等が単独で、または、混合して用い
られる。
【0051】加水分解と縮合は、たとえば、上記した原
料またはその有機溶剤溶液を水を含む溶媒に添加し、0
〜100℃、好ましくは0〜70℃の範囲で30分〜1
00時間攪拌することによって行われる。縮合工程の前
に原料にラジカル重合開始剤を添加する場合には、縮合
工程は、T1/2 +15℃〔T1/2 :ラジカル重合開始剤
の10時間半減期の温度〔℃〕)以下の温度に保持して
行うか、または、ラジカル重合を抑制する、空気などの
酸素ガス含有雰囲気中で行うのがよい。
【0052】また、上記のような方法により得られた粒
子を、種粒子として予め合成系に仕込んでおき、上記原
料を添加して該種粒子を成長させていっても良い。この
ようにして原料を、水を含む溶媒中で適切な条件の下で
加水分解、縮合させることにより、粒子が析出しスラリ
ーが生成する。しかも、析出した粒子は、粒度分布のシ
ャープな粒子である。ここで、適切な条件とは、たとえ
ば、得られるスラリーに対して、原料濃度については2
0重量%以下、水濃度については50重量%以上、触媒
濃度については10重量%以下が好ましく用いられる。
【0053】加水分解・縮合で生成する粒子の平均粒子
径は、水濃度、触媒濃度、有機溶剤濃度、原料濃度、原
料の添加時間、温度、種粒子の濃度を、たとえば、それ
ぞれ、50〜99.99重量%、0.01〜10重量
%、0〜90重量%、0.1〜30重量%、0.001
〜500時間、0〜100℃、0〜10重量%に設定す
ることにより、本発明の反応性有機質無機質複合体粒子
が有する上述の平均粒子径の範囲内にすることができ
る。生成する粒子の粒子径の変動係数は、水濃度、触媒
濃度、有機溶剤濃度を、それぞれ、上記範囲内に設定す
ることにより、本発明の反応性有機質無機質複合体粒子
は、上述の粒子径の変動係数の範囲内にすることができ
る。
【0054】更に、シリコン化合物と、必要に応じて使
用される加水分解・縮合可能な金属化合物とを加水分解
・縮合する際に、平均粒子径0.4μm以下の無機微粒
子をさらに用いることが好ましい。この理由は、得られ
る反応性有機質無機質複合体粒子が、ポリシロキサン骨
格と化学結合した無機微粒子を含むことにより、より高
い硬度を有するからである。
【0055】無機微粒子の具体例としては、例えば、シ
リカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸
化ジルコニウム等が挙げられるが、原料を加水分解・縮
合して得られる粒子中に導入され易い点でシリカが好ま
しい。これら無機微粒子としては、微粒子の凝集等が少
ない点で水や有機溶媒に分散したゾルが好ましい。
【0056】縮合工程中に、および/または、縮合工程
後に、ラジカル重合反応を行う。すなわち、シリコン化
合物の加水分解・縮合で得られた中間生成物・粒子をラ
ジカル重合する。ラジカル重合性基がラジカル重合反応
して有機ポリマー骨格を形成する。ラジカル重合する方
法としては、加水分解・縮合して得られた粒子の水を含
む溶媒スラリーに水溶性又は油溶性のラジカル重合開始
剤を添加溶解して、そのまま重合しても良いし、また加
水分解・縮合して得られた粒子を、濾過、遠心分離、減
圧濃縮等の従来公知の方法を用いてスラリーから単離し
た後、ラジカル重合開始剤を含有する水又は有機溶媒等
の溶液に分散させて重合しても良く、これらに限定され
るものではない。特に、上記原料を加水分解・縮合しな
がらラジカル重合開始剤を共存させてラジカル重合を同
時に行う方法が好ましい。この理由としては、式4で示
されるポリシロキサンの生成と重合による有機ポリマー
の生成が並行して生じるため、上述した本発明の反応性
有機質無機質複合体粒子が有する、無機質の特徴である
硬度と、有機ポリマーの特徴である機械的復元性とを有
する反応性有機質無機質複合体粒子が得られ易く、また
硬度または機械的復元性を効果的に発現する反応性有機
質無機質複合体粒子となるためである。
【0057】ここで、ラジカル重合開始剤としては従来
公知の物を使用することができ、特に限定されないが、
好ましくはアゾ化合物、過酸化物等から選ばれる少なく
とも1つの化合物である。ラジカル重合させる際の温度
は、ラジカル重合性基量に大きく影響を与える。使用す
るラジカル重合開始剤の10時間半減期の温度
(T1/2 )+15℃以下の温度に保持してラジカル重合
反応を行う。ラジカル重合開始剤の10時間半減期の温
度とは、使用したラジカル重合開始剤が分解し、半減す
るまでの時間が10時間である時の温度を意味する。前
記範囲よりも高い温度に保持すると、ラジカル重合が進
行しすぎるため得られる粒子がラジカル重合性基を0.
05mmol/g以上の量で含有しなかったり、または、ラ
ジカル重合反応を制御しにくかったりする。粒子中にラ
ジカル重合性基が多く含有されうるという利点を考慮す
ると、本発明では、ラジカル重合開始剤の10時間半減
期の温度(T1/2 )+10℃以下の温度に保持してラジ
カル重合反応を行うことが好ましい。
【0058】また、ラジカル重合する際に、ラジカル重
合性基とラジカル重合可能な基を有するモノマーを共存
させても良い。モノマーとしては、例えば、アクリル酸
やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸類;アクリル酸エ
ステル類、メタクリル酸エステル類、クロトン酸エステ
ル類、イタコン酸エステル類、マレイン酸エステル類、
フマール酸エステル類等の不飽和カルボン酸エステル
類;アクリルアミド類;メタクリルアミド類;スチレ
ン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族
ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステル類;塩化
ビニル等のハロゲン化ビニル化合物等のビニル化合物類
等が挙げられ、これらの一種以上を使用しても良い。中
でも、ラジカル重合可能な基を2個以上含有する、ジビ
ニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート等のモノマ
ーが好ましい。
【0059】しかし、モノマーを多量に使用して反応性
有機質無機質複合体粒子中のポリシロキサン骨格の含有
量が25wt%未満になると、硬度が不充分になるので
好ましくない。このため、モノマーの量は、シリコン化
合物の合計重量に対して、たとえば0〜50wt%、好
ましくは0〜30wt%である。ラジカル重合後、さら
に以下に示す再縮合工程を行う方が最終的に得られる反
応性有機質無機質複合体粒子の硬度・機械的復元性が向
上するので好ましい。再縮合工程は、ラジカル重合によ
り生成した重合体粒子を有機溶媒中で更に縮合を進行さ
せる工程である。縮合を進行させるにあたり、前述した
触媒を用いても良いが、縮合をより促進させる点で好ま
しい触媒としては、チタンテトライソプロポキシド、チ
タンテトラブトキシド、ジイソプロポキシ−ビス(アセ
チルアセトネート)チタネート等の有機チタン化合物;
アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ
sec-ブトキシド、アルミニウムトリスアセチルアセトネ
ート、アルミニウムイソプロポキシド−ビスアセチルア
セトネート等の有機アルミニウム化合物;ジルコニウム
テトラブトキシド、テトラキス(アセチルアセトネー
ト)ジルコニウム等の有機ジルコニウム化合物;ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル
錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジマレエート等
の有機錫化合物;(CH3 O)2 P(=O)OH、(C
3 O)P(=O)(OH)2 、(C4 9 O)2
(=O)OH、(C8 17O)P(=O)(OH)2
の酸性リン酸エステル等が挙げられ、いずれか1つが単
独で使用されたり、または、2以上が併用されたりす
る。中でも、有機錫化合物および酸性リン酸エステルか
らなる群から選ばれる少なくとも1つが好ましい。
【0060】再縮合工程では、重合体粒子が水を含有し
ないことが好ましい。この理由は、シラノール基の脱水
縮合がより進行し易いからである。従って、再縮合工程
では、重合工程で得られたスラリーが水を含有しない場
合は、スラリーをそのまま使用することができ、スラリ
ーが水を含有する場合には、重合体粒子を濾過、遠心分
離、減圧濃縮等の従来公知の方法を用いてスラリーから
分離した後、有機溶媒中に分散させて行うのが好まし
い。使用される有機溶媒は、たとえば、前述した、アル
コール類、ケトン類、エステル類、パラフィン類、エー
テル類、芳香族炭化水素類からなる群から選ばれる少な
くとも1つである。また、再縮合工程は、たとえば10
0℃以下、好ましくは70℃以下の温度で30分間〜1
0時間、重合体粒子を含む有機溶媒スラリーを攪拌する
ことによって行われる。また、圧力は、常圧、減圧、加
圧のいずれでも良い。
【0061】ついで、ラジカル重合により生成した重合
体粒子を濾過、遠心分離、減圧濃縮等の従来公知の方法
を用いて上記スラリーより単離し、場合により、100
℃以下、好ましくは70℃以下の温度で乾燥することに
より、適当な、硬さと機械的復元性とを有し、ラジカル
重合性基を有する、本発明の反応性有機質無機質複合体
粒子が得られる。
【0062】上述の製造方法の縮合工程では、上記特定
のシリコン化合物を加水分解・縮合することにより、S
i−C結合を介してC=C結合を有するポリシロキサン
骨格が生成する。そして、縮合工程中および/または縮
合工程後の重合工程では、T 1/2 +15℃(T1/2 :ラ
ジカル重合開始剤の10時間半減期の温度〔℃〕)以
下、好ましくはT1/2 +10℃の温度に保持してラジカ
ル重合反応を行うことにより、一部のC=C結合が付加
重合反応して有機ポリマー骨格が生成し、かつ、残部の
C=C結合が反応せずに残る。このため、この製造方法
によれば、有機ポリマー骨格と、有機ポリマー骨格中の
少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合
した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格と
を含み、ポリシロキサン骨格の割合がSiO2 換算量で
25〜85wt%、好ましくは30〜80wt%、より
好ましくは33〜70wt%の範囲であり、ラジカル重
合性基を0.05mmol/g以上、好ましくは0.1〜2
0mmol/g、より好ましくは0.2〜15mmol/g、よ
り好ましくは0.4〜12mmol/gの量で含有する反応
性有機質無機質複合体粒子を容易に製造できる。
【0063】反応性有機質無機質複合体粒子を作る場
合、上述した原料、無機微粒子、加水分解縮合のための
水・触媒、モノマー、ラジカル重合開始剤の種類および
/または量、ラジカル重合の温度・加熱時間、乾燥温度
・時間を適宜選定することによって、ポリシロキサン骨
格のSiO2 の量を25〜85wt%の範囲で任意に制
御でき(たとえば、30〜80wt%、または33〜7
0wt%の範囲で制御でき)、かつ、ラジカル重合性基
量0.05mmol/g以上で任意に制御できる(たとえ
ば、0.1〜20mmol/g、0.2〜15mmol/g、ま
たは0.4〜12mmol/gに制御できる)反応性有機質
無機質複合体粒子が得られる。また、これらの制御によ
り、本発明の複合体粒子の、上記好ましい態様(1) 、
(2) 、(3) 、または(4) が得られる。
【0064】
【実施例】以下に、本発明の実施例と、本発明の範囲を
外れた比較例とを示すが、本発明は下記実施例に限定さ
れない。実施例および比較例で得られた複合体粒子のラ
ジカル重合性基の量は次の方法に従って測定した。 (ラジカル重合性基の定量方法)500mlフラスコ
に、粒子1gを精秤し(精秤値をxgとする)、水15
0g、テトラヒドロフラン(THF)30gとともに入
れ、30分間混合した。この混合物に0.1N−KBr
3 水溶液25mlおよび15mlの6N−HClを添
加し、すぐにフラスコに栓をし、少し攪拌を行った(こ
れにより、臭素が発生し、二重結合基に臭素が付加し
た)。暗室で25分間放置後、フラスコを氷水で冷却し
ながら15wt%−KI水溶液10mlをフラスコに加
えた(これにより、付加しなかった臭素がヨウ素に置換
した)。発生したヨウ素を0.1N−Na2 2 3
溶液で滴定した。滴定終点は、黒褐色の液が無色ないし
は黄色に変わった点であった。下式に従ってラジカル重
合性基量を定量した。
【0065】
【数4】
【0066】〔ここで、ブランクの滴定量は、上記定量
方法でサンプル(粒子)を使用しない場合の0.1N−
Na2 2 3 水溶液の滴定量(ml)であり;サンプ
ルの滴定量は、上記定量方法でサンプル(粒子)を使用
した場合の0.1N−Na2 2 3 水溶液の滴定量
(ml)であり;fは、0.1N−Na2 2 3 のフ
ァクターであり;xは、サンプル(粒子)の精秤値
(g)である〕 (実施例1)冷却管、温度計、滴下口のついた四つ口フ
ラスコ中に25%アンモニア水溶液2.9g、メタノー
ル10.1g、水141.1gを混合した溶液(A液)
を入れ、25±2℃に保持し、攪拌しながら該溶液中
に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2
6g、メタノール54g、ラジカル重合開始剤として
2,2′−アゾビス−(2.4−ジメチルバレロニトリ
ル)(10時間半減期温度:51℃)0.14gを混合
した溶液(B液)を滴下口から添加して、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解・縮合を
行った。攪拌を継続しながら10分後、N2 雰囲気中で
58℃に加熱し、ラジカル重合を行った。
【0067】3時間加熱を続けた後、室温まで冷却し、
重合体粒子の懸濁体を得た。この懸濁体を濾過により固
液分離し、得られたケーキをメタノールによる洗浄を3
回繰り返して行い、得られた重合体粒子を真空乾燥機中
で50℃で2時間真空乾燥して複合体粒子(1)を得
た。 (実施例2)実施例1において、A液の25%アンモニ
ア水溶液の量を5.8gとし、B液の組成をγ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン4.8g、メタノ
ール51g、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル)0.10g、テトラエトキシシランの
2〜5量体(多摩化学株式会社製「シリケート40」S
iO2 として40wt%)8.4gに変えたことと、ラ
ジカル重合の温度を65℃に変えたこと以外は実施例1
の操作を繰り返して、複合体粒子(2)を得た。
【0068】(実施例3)実施例1において、A液の2
5%アンモニア水溶液の量を5.8gとし、B液のγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの量を0.
7gに変更したことと、ラジカル重合の加熱温度を60
℃に、加熱時間を45分間に変えたこと以外は実施例1
の操作を繰り返して、複合体粒子(3)を得た。
【0069】(実施例4)実施例1において、B液の組
成をγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4
8.6g、メタノール62.0g、2,2′−アゾビス
−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
(10時間半減期温度:30℃)0.20g、ジビニル
ベンゼン5.4gに変え、A液を45℃に保持してN2
雰囲気中で攪拌しながらB液を20分間かけて滴下し、
加水分解・縮合しながらラジカル重合を行ったこと以外
は実施例1の操作を繰り返して、複合体粒子(4)を得
た。
【0070】(実施例5)実施例1において、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン26gの代わり
にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20
gとビニルトリメトキシシラン13gとテトラエトキシ
シラン20gとを用い、ラジカル重合開始剤として2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル(10時間半減期温
度:65℃)0.5gを用い、ラジカル重合の加熱温度
を70℃に変更したこと以外は実施例1の操作を繰り返
して、複合体粒子(5)を得た。
【0071】(実施例6)実施例1において、A液の2
5%アンモニア水溶液の量を3.9gとし、B液のγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの代わりに
ビニルトリメトキシシラン11gを用い、ラジカル重合
開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル
0.5gを用い、ラジカル重合の加熱温度を70℃に変
更したこと以外は実施例1の操作を繰り返して、複合体
粒子(6)を得た。
【0072】実施例1〜6で得られた複合体粒子(1)
〜(6)の、ポリシロキサン骨格の割合(SiO2 換算
量)、ラジカル重合性基量、平均粒子径、変動係数を表
1に示した。
【0073】
【表1】
【0074】複合体粒子(1)〜(6)について、FT
−IR分析により、有機ポリマー骨格の−CH2 −CH
2 −に帰属されるスペクトル(650〜800cm-1)と
−Si−CH2 −に帰属されるスペクトル(1150〜
1300cm-1)とC=Cに帰属されるスペクトル(16
00〜1700cm-1)とポリシロキサン骨格に帰属され
るスペクトル(1000〜1200cm-1)を確認した。
【0075】これらの結果と表1に示す結果から、複合
体粒子(1)〜(6)は、有機ポリマー骨格と、有機ポ
リマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子
が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシ
ロキサン骨格とを含み、ポリシロキサン骨格の割合がS
iO2 換算量で25〜85wt%の範囲であり、ラジカ
ル重合性基を0.05mmol/g以上含有する反応性有機
質無機質複合体粒子であることがわかる。
【0076】(比較例1)懸濁重合によって合成された
球状のポリメチルメタクリレート粒子10gを水30g
とメタノール100gの混合液中に分散させた後、テト
ラメトキシシラン5gを入れて1時間攪拌し、ポリメチ
ルメタクリレート粒子にテトラメトキシシランを吸収さ
せた。該粒子を濾別し、真空乾燥機中で200℃で乾燥
し、比較用複合体粒子(11)を得た。
【0077】(比較例2)球状のジビニルベンゼン架橋
体粒子10gを水30gとイソプロピルアルコール70
gの混合液中に分散させ、ビニルトリエトキシシラン5
gを添加して1時間攪拌し、ビニルトリエトキシシラン
を加水分解・縮合させながら前記架橋体粒子表面をポリ
シロキサンでコーティングした。次いで、濾過により反
応液から粒子を取り出し、真空乾燥機中で75℃で2時
間乾燥して比較用複合体粒子(12)を得た。
【0078】(比較例3)γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン50g、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル1g、イソプロピルアルコール50gを混
合し、N2 雰囲気下で80℃で4時間加熱してγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランの溶液重合を行
った。得られた溶液2gを採取し、エチルセロソルブ1
00gおよび水20gと混合し、該混合液に球状のシリ
カ微粒子10gを分散させ、1時間攪拌し、球状のシリ
カ微粒子表面をγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランの重合体で処理した。次いで、濾過により反応
液から粒子を取り出し、真空乾燥機中で100℃で2時
間乾燥して比較用複合体粒子(13)を得た。
【0079】比較例1〜3で得られた比較用複合体粒子
(11)〜(13)の、ポリシロキサン骨格の割合(S
iO2 換算量)、ラジカル重合性基量、平均粒子径、変
動係数を表2に示した。
【0080】
【表2】
【0081】比較用複合体粒子(11)〜(13)につ
いて、実施例1と同様にして、−CH2 −CH2 −に帰
属されるスペクトル(650〜800cm-1)とポリシロ
キサン骨格に帰属されるスペクトル(1000〜120
0cm-1)を確認した。実施例と比較例で得られた複合体
粒子について、硬度と機械的復元性を調べた。硬度は、
上述の方法で調べた10%圧縮弾性率で示した。機械的
復元性は、上述の方法で調べた、10%変形後の残留変
位で示した。
【0082】結果を表3に示した。
【0083】
【表3】
【0084】表3にみるとおり、実施例で得られた複合
体粒子(1)〜(6)は、ポリシロキサン骨格を構成す
るSiO2 の量が25〜85wt%、好ましくは30〜
80wt%、より好ましくは33〜70wt%(実施例
4以外)であるため、高い硬度と優れた機械的復元性を
有する。これに対し、比較用複合体粒子(11)〜(1
2)は、ポリシロキサン骨格を構成するSiO2 の量が
25wt%よりも極めて少ないため、実施例の複合体粒
子(1)〜(6)に比べて硬度と機械的復元性に劣って
いた。また、比較用複合体粒子(13)は、ポリシロキ
サン骨格を構成するSiO2 の量が85wt%よりもず
って多いため、実施例の複合体粒子(1)〜(6)に比
べて機械的復元性に極めて劣っていた。しかも、実施例
で得られた複合体粒子(1)〜(6)は、ラジカル重合
性基量が0.05mmol/g以上、好ましくは0.1〜2
0.0mmol/g、より好ましくは0.2〜15.0mmol
/g、より一層好ましくは0.4〜12.0mmol/gで
あるため、ラジカル重合性基量が0.05mmol/gより
も少ない比較用複合体粒子(11)〜(13)よりも高
いラジカル重合性を有する。
【0085】
【発明の効果】本発明の反応性有機質無機質複合体粒子
は、有機ポリマー骨格と有機ポリマー骨格中の少なくと
も1個の炭素原子にケイ素原子が直接化学結合した有機
ケイ素を分子内に有するポリシロキサン骨格とを含み、
ポリシロキサン骨格の割合がSiO2 換算量で25〜8
5wt%の範囲であり、ラジカル重合性基を0.05mm
ol/g以上の量で含有する。従って、本発明の反応性有機
質無機質複合体粒子は、SiO2 含有量換算で25〜8
5wt%にあるポリシロキサン骨格に起因する高い硬度
と、有機ポリマー骨格に起因する優れた機械的復元性と
を有し、しかも、ラジカル重合性基を0.05mmol/g以
上の量で含有するため、複合体粒子をそのまま用いた
り、あるいは、複合体粒子中のラジカル重合性基を他の
官能基に変えて(化学修飾して)使用したりすることに
より、各種用途に所望の機能付与を行うことが期待でき
る。たとえば、塗料、プラスチック成形材料、ゴム用コ
ンパウンドの充填剤として使用する場合には、高い硬度
と機械的復元性とを生かして、塗膜、プラスチック成形
品、ゴム製品の耐擦傷性や靱性を向上させるとともに、
ラジカル重合性基が有機マトリックスと反応して有機マ
トリックスとの親和性の向上や有機マトリックス中への
分散性の向上が期待できる。熱、紫外線(UV)、電子
線(EB)硬化型塗料組成物の充填剤として使用する場
合には、熱、UV、EBにより硬化可能なモノマーやオ
リゴマーおよび重合開始剤と併用すると、複合体粒子が
モノマーやオリゴマーとラジカル重合反応し、耐擦傷性
および靱性に優れた被膜を得ることが期待できる。液晶
表示板用スペーサーとして使用する場合には、高い硬度
と機械的復元性とを生かして散布個数の低減や液晶ギャ
ップの均一性向上が期待できるとともにラジカル重合性
基を化学修飾して液晶の異常配向を抑制することにより
液晶表示板の画質の向上が期待できる。トナーの添加剤
として使用する場合には、高い硬度と機械的復元性とを
生かしてキャリア汚染の防止と感光体のクリーニング性
を改良するとともに、ラジカル重合性基を化学修飾して
トナーの帯電制御をコントロールすることにより、トナ
ーの流動性および転写効率の向上が期待できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機ポリマー骨格と、前記有機ポリマー骨
    格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素原子が直接化
    学結合した有機ケイ素を分子内に有するポリシロキサン
    骨格とを含み、前記ポリシロキサン骨格の割合がSiO
    2 換算量で25〜85wt%の範囲であり、ラジカル重
    合性基を0.05mmol/g以上の量で含有する反応性有
    機質無機質複合体粒子。
  2. 【請求項2】前記ラジカル重合性基を0.1〜20mmol
    /gの量で含有し、平均粒子径が25μm以下の範囲に
    ある、請求項1に記載の反応性有機質無機質複合体粒
    子。
  3. 【請求項3】前記ラジカル重合性基がC=C結合を有す
    る、請求項1または2に記載の反応性有機質無機質複合
    体粒子。
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