JPH0931356A - 耐湿性窒化アルミニウム粉末および前記粉末を含む樹脂組成物 - Google Patents

耐湿性窒化アルミニウム粉末および前記粉末を含む樹脂組成物

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JPH0931356A
JPH0931356A JP16356295A JP16356295A JPH0931356A JP H0931356 A JPH0931356 A JP H0931356A JP 16356295 A JP16356295 A JP 16356295A JP 16356295 A JP16356295 A JP 16356295A JP H0931356 A JPH0931356 A JP H0931356A
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aluminum nitride
nitride powder
powder
resin composition
moisture
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Takashio Rai
高潮 頼
Yuji Nagai
裕二 永井
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Toyo Aluminum KK
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Toyo Aluminum KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 窒化アルミニウム粉末の表面が燐酸アルミニ
ウム質皮膜で被覆されており、皮膜中の燐の含有量が、
粉末の単位表面積m2 あたり1.0〜100.0mgであ
ることを特徴とする耐湿性窒化アルミニウム粉末、およ
び前記窒化アルミニウム粉末を含む高熱伝導性有機高分
子樹脂組成物を開示する。 【効果】 本発明の窒化アルミニウム粉末は耐湿性が非
常に優れているため、焼結原料として、また高熱伝導性
有機高分子樹脂に対する充填材などとして使用すること
ができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に焼結原料および有
機高分子樹脂に対する充填材などとして使用される、耐
湿性に優れた窒化アルミニウム粉末に関する。また、本
発明は前記窒化アルミニウム粉末を含む耐湿性高熱伝導
性有機高分子樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】窒化
アルミニウム粉末は高熱伝導性の絶縁材料であり、その
焼結体は高熱伝導性セラミックス基板として現在広く利
用されている。しかしながら、窒化アルミニウムは熱力
学的に不安定であるため、大気中の水分と容易に反応
し、アンモニアを発生させながら水和物に分解される性
質を有しており、窒化アルミニウム粉末を焼結原料とし
て用いた場合酸素量が増大し、焼結体の性能に影響を与
える恐れがある。
【0003】窒化アルミニウム粉末の大気中での安定性
を長期間維持するために、窒化アルミニウム粉末の表面
を有機物皮膜で被覆することにより、耐水安定性を向上
させる方法が提案されている(特開平3−5311
号)。また、窒化アルミニウム粉末を、低酸素濃度の雰
囲気下で高温熱処理して表面を酸化皮膜で被覆すること
により、該粉末を安定化させる方法も提案されている
(特開平2−102110号、特開平3−174310
号など)。前記した従来方法でも大気中での窒化アルミ
ニウム粉末の安定性を長期間維持することができない。
すなわち、窒化アルミニウム粉末の表面を有機物皮膜で
被覆する方法では、プロセス上粉末の表面を完全に有機
物皮膜で被覆することが難しいことに加えて、有機物皮
膜が窒化アルミニウム粉末の表面に弱い結合力でしか付
着し得ないため剥離しやすく、窒化アルミニウム粉末の
耐湿性を向上させる効果が小さい。また、窒化アルミニ
ウム粉末の表面を酸化皮膜で被覆する方法では、酸化皮
膜が窒化アルミニウム粉末粒子に化学的に強く結合して
はいるが、大気中に長期間放置すると、酸化皮膜が劣化
しやすく、酸化皮膜による耐湿効果が低下してしまう。
したがって、本発明の第一の目的は、大気中で長期間に
わたって安定性を保ち、特に耐湿性に優れた窒化アルミ
ニウム粉末を提供することにある。
【0004】窒化アルミニウム粉末を有機高分子樹脂に
対する充填材料として使用することも期待されている。
【0005】半導体素子の高集積化が進むにつれて半導
体素子を使用した電気・電子回路からの発熱量も増大し
ており、これに伴い電気・電子回路から発生する熱を如
何に効率よく外部へ放散乃至除去させるかが重要な技術
課題となっている。
【0006】半導体素子はパッケージにより外部から保
護されている。パッケージ材料としては放熱性に優れる
セラミックスが従来使用されてきたが、セラミックスは
高価であり大量生産に適さないという欠点があった。こ
うした欠点を有するセラミックスに代わる材料として、
安価であり樹脂モールド方式により短時間に大量に生産
できる有機高分子樹脂が広く使用されるようになってき
た。有機高分子樹脂は半導体素子などの半導体部品の封
止のみならず、コイル、抵抗体、その他の電子・電気部
品の封止にも使用されうる。また、半導体素子の実装形
態の拡大にともなって、有機高分子樹脂の応用範囲は拡
大し、有機高分子樹脂は基板あるいはフィルムへの半導
体素子のダイレクトボンドにおける素子や回路のコーテ
ィングにも使用されている。
【0007】しかしながら、有機高分子樹脂それ自体は
熱伝導率が極めて低く放熱性に劣るので、有機高分子樹
脂を封止材料あるいはコーティング材料として実用に供
するため、有機高分子樹脂に放熱性を付与するための充
填材料として高熱伝導性の無機物質が通常添加されてい
る。例えば、現在最も広く使用されている封止材料は高
分子樹脂(例えば、エポキシ樹脂,シリコーン樹脂な
ど)をベースとして、これに高熱伝導性の無機物質(例
えば、シリカ,アルミナなど)、その他少量の硬化剤、
硬化促進剤、着色剤などが添加されている。また、コー
ティング材料も主としてエポキシ樹脂をベースとして、
これに高熱伝導性の無機物質,硬化剤,硬化促進剤など
が添加されている。
【0008】これら封止材料およびコーティング材料の
放熱性は樹脂組成物の熱伝導率に依存し、そして樹脂組
成物の熱伝導率は添加される無機物質の種類およびその
添加量に依存する。特に無機物質の種類が樹脂組成物の
熱伝導率に大きく影響を及ぼす。
【0009】添加する無機物質は高熱伝導性を有してい
る限り、あらゆる種類のものが使用可能であるが、封止
される電子部品や電子機器に与える影響を考慮してシリ
カが汎用されている。なかでも熱伝導率の高い結晶性シ
リカは広く使用されている。その他の無機物質として、
アルミナ、窒化硼素の使用も提案されている。
【0010】一方、上述した通り、窒化アルミニウムが
高熱伝導性の無機物質であることから窒化アルミニウム
粉末を高熱伝導性有機高分子樹脂組成物に対する充填材
料として使用することも期待されている。窒化アルミニ
ウム粉末を添加した有機高分子樹脂組成物が高い熱伝導
率を示すことから、前記有機高分子樹脂組成物の電子部
品、電子機器への適用が最も期待されている。しかしな
がら、窒化アルミニウムは大気中で不安定であるため、
窒化アルミニウム粉末を有機高分子樹脂に添加した場
合、窒化アルミニウム粉末が徐々に大気中の水分と反応
し、樹脂中にひび割れ等が発生したり、半導体素子ある
いは周りの回路が腐食する恐れがある。しいては樹脂組
成物の特性、たとえば熱伝導率を低下させたり、電子部
品や電子機器本来の特性を損なうことになる。長期にわ
たる信頼性の維持が要求される電子部品や電子機器に窒
化アルミニウム粉末を添加した有機高分子樹脂組成物を
適用するには、該組成物の耐湿性を向上させなければな
らず、このことが当面の重大な課題である。有機高分子
樹脂の吸水による変化は添加した窒化アルミニウムの変
化に比べて小さく、有機高分子樹脂組成物の性能の変化
は添加した窒化アルミニウムによって支配され、樹脂組
成物の熱伝導率は窒化アルミニウムの添加量に基本的に
影響されることから、有機高分子樹脂に添加する窒化ア
ルミニウム粉末の耐湿性を向上させることが有機高分子
樹脂組成物の耐湿性を向上させるために必要である。
【0011】前記した課題を解決すべく、有機高分子樹
脂組成物中に添加される窒化アルミニウム粉末として表
面酸化した窒化アルミニウム粉末を使用することが提案
されているが(特開平2ー133450号)、前記粉末
が窒化アルミニウム粉末を焼結させた後、焼結体を粉砕
して製造されることから、ここに提案されている有機高
分子樹脂組成物は技術的にも経済的にも大量生産に適し
ていない。
【0012】また、上記した表面に有機物皮膜もしくは
酸化皮膜を形成した窒化アルミニウム粉末を有機高分子
樹脂に対する充填材として使用しても、樹脂組成物の品
質が経時的に変化するという問題は未だ解決されていな
い。
【0013】したがって、本発明の第二の目的は、耐湿
性に優れた高熱伝導性有機高分子樹脂組成物を提供する
ことにある。本発明の更なる目的は耐湿性に優れた高熱
伝導性有機高分子樹脂組成物に対する充填材料として適
した窒化アルミニウム粉末を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するべく種々研究した結果、窒化アルミニウム
粉末の耐湿安定性を長期間維持するためには、窒化アル
ミニウム粉末粒子と強い化学結合で結ばれ、構造的に緻
密で良好な耐水皮膜を粉末の表面に形成しなければなら
ないこと、有機高分子樹脂に窒化アルミニウム粉末を添
加するときの窒化アルミニウムの表面状態が樹脂組成物
の耐湿性に大きく影響することを知見した。
【0015】上記した知見に基づいて、本発明者らは、
窒化アルミニウム粉末の表面に難水溶性の燐酸塩皮膜を
形成することにより、窒化アルミニウム粉末の耐水性が
飛躍的に向上することを見いだし、表面に難水溶性の燐
酸塩皮膜を有する窒化アルミニウム粉末を有機高分子樹
脂に添加することにより、耐湿性に優れた高熱伝導性有
機高分子樹脂組成物が得られることを見出だした。
【0016】本発明により提供される耐水性に優れた窒
化アルミニウム粉末は、その表面が燐酸塩皮膜で被覆さ
れており、且つ皮膜中の燐の含有量が粉末の単位表面積
2あたり1.0〜100.0mgのものである。燐酸塩
皮膜としては燐酸アルミニウム質皮膜が好ましい。
【0017】良好な耐湿効果を得るためには、一定の厚
み以上の燐酸塩皮膜が必要である。すなわち、皮膜中の
燐の濃度は窒化アルミニウム粉末の単位表面積m2 あた
り1.0mg以上でなければならない。それより少ない場
合には、所期の耐湿効果が得られない。また、皮膜中の
燐の濃度が100.0mg/m2 を超えると、皮膜が厚く
なりすぎ、充填材料として用いた場合には窒化アルミニ
ウム粉末の熱伝導性が下がることになるし、焼結原料と
して用いる場合には酸素量が増大し、焼結体の性能に影
響を与えることになる。また、皮膜にクラックが発生し
たり、剥離が起こったりして、耐湿性が落ちる。
【0018】以下、更に詳しく本発明を説明する。
【0019】半導体製品をはじめとする電子部品の信頼
性を保証する耐湿試験法として、121℃、2気圧の水
蒸気中に部品を放置する、いわゆるプレッシャークッカ
ーテスト(PCT)による促進試験が公知であり、慣用
されている。PCT下で一定の時間安定なものは、普通
の大気中においては更に長時間安定であることが経験上
判明している。一方、窒化アルミニウムと水との反応
は、次式で表される。
【0020】 AlN + 3H2 O →Al(OH)3 + NH3 (1) 式(1)の反応により、窒化アルミニウムが水と反応し
て水酸化アルミニウムに変化すると、それに伴って酸素
量が増大する。試験前後の試料中の酸素量を分析するこ
とによって、試料の大気中安定性を定量的に評価するこ
とができる。PCT下で72時間放置した後の酸素含有
量が放置前の酸素含有量の1.20倍を超える窒化アル
ミニウム粉末の場合、その粉末を大気中に長期間放置す
ると、物性の劣化が激しく、特に有機高分子樹脂に対す
る充填材として使用したときには良好な製品が得られな
くなる。有機高分子樹脂に対する充填材として使用する
ためには、PCT下で72時間放置した後の酸素含有量
が放置前の酸素含有量の1.20倍以下のものでなけれ
ばならない。
【0021】また、有機高分子樹脂に窒化アルミニウム
粉末を添加した樹脂組成物を電子部品の封止材料として
使用して上記PCTによる促進試験を行うと、有機高分
子樹脂本来の吸水性能によって外部より水が内部に侵入
し、その水が窒化アルミニウムと接触すると、窒化アル
ミニウムは水酸化アルミニウムとアンモニア水に変化
し、その結果樹脂組成物の熱伝導率は低下する。試験前
後の熱伝導率を測定することによって、窒化アルミニウ
ム添加有機高分子樹脂組成物の耐湿安定性を定量的に評
価することができる。
【0022】本発明により提供される窒化アルミニウム
粉末は上記した要件を満足するものである。
【0023】本発明により処理される窒化アルミニウム
粉末は、いずれの製造方法で製造されたものでもよく、
粉末アルミニウムを窒素中で加熱する直接窒化法、アル
ミナとカーボンの混合物を窒素中で加熱するアルミナ還
元窒化法等の方法により製造された窒化アルミニウム粉
末であり得る。通常、平均粒径約0.5μm 〜約500
μm 、好ましくは2μm 〜200μm 、より好ましくは
4μm 〜100μm の窒化アルミニウム粉末を使用す
る。
【0024】燐酸塩皮膜の形成に用いる含燐酸化合物に
は、燐酸アンモニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸ア
ルミニウム、オルト燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐酸,亜燐
酸、次亜燐酸、メタ燐酸等の無機燐酸化合物も、(RO)2
P(O)OH又はROP(O)(OH)2 [式中、Rは炭素数 1〜18のア
ルキル,アルケニル若しくはアリール基である]で表わ
される酸性燐酸エステル類、例えばメチルアシッドホス
フェート,エチルアシッドホスフェート,ブチルアシッ
ドホスフェート,2-エチルヘキシルアシッドホスフェー
ト,ラウリルアシッドホスフェート,パルミチルアシッ
ドホスフェート,ステアリルアシッドホスフェート,オ
レイルアシッドホスフェート,フェニルアシッドホスフ
ェート,ノニルフェニルアシッドホスフェート等;ピロ
燐酸又はポリ燐酸のモノ−若しくはジアルキル,アルケ
ニル又はアリールエステル類、例えばジ‐2-エチルヘキ
シルピロホスフェート等;ホスホン酸類及びそのエステ
ル類、例えばメチレンホスホン酸,アミノメチレンホス
ホン酸,t-ブチルニトリロビスメチレンホスホン酸,n-
ブチルニトリロビスメチレンホスホン酸,ニトリロトリ
スメチレンホスホン酸,エチレンジアミンテトラメチレ
ンホスホン酸,1-ヒドロキシエチリデン‐1,1-ジホスホ
ン酸,ブチルハイドロジエンホスファイト,2-エチルヘ
キシルハイドロジエンホスファイト,ラウリルハイドロ
ジエンホスファイト,ジブチルヒドロキシメチルホスホ
ネート等;燐酸トリメチル、燐酸トリエチル、燐酸トリ
ブチル、燐酸トリオクチル、燐酸トリクレジル、燐酸ト
リフェニル等の有機燐酸化合物も使用できる。これらの
混合物を用いても良い。
【0025】窒化アルミニウム粉末の表面への燐酸塩皮
膜の形成方法は特に限定されないが、まず窒化アルミニ
ウム粉末を含燐酸化合物と通常は室温でよく混合して含
燐酸化合物を窒化アルミニウム粉末の表面に付着させ
る。混合には溶媒の要らない乾式混合法も、溶媒を用い
る湿式混合法も使用できる。溶媒を使用する場合、処理
中の窒化アルミニウム粉末と水分との反応を防ぐため、
水分を含まない有機溶媒を使用することが望ましい。こ
こで得られた燐酸塩皮膜に、原料からの未分解の燐酸化
合物や結晶水などが存在すると、たちまち燐酸塩皮膜の
膜質を低下させ、耐湿効果を下げるからである。必要に
応じて、次の熱処理工程の前に乾燥を行っても良い。
【0026】次に、得られた燐酸塩皮膜に対して大気中
で高温熱処理を行うと、式:AlHa (POb c ・d
2 O(式中、a=0〜3、b=2〜4、c=2〜4、
d=0〜10)で示される緻密な燐酸アルミニウム質皮
膜、例えばAl(PO3 3 、AlPO4 、Al4 (P
2 7 3 、Al5 (P3 103 などを得ることがで
き、これにより、窒化アルミニウム粉末の耐湿性を更に
向上させることができる。熱処理温度は普通200℃〜
1200℃、好ましくは400℃〜900℃である。熱
処理温度が低すぎると、含燐酸化合物の熱分解が不十分
であるか、あるいは形成された燐酸アルミニウム質皮膜
に水分が結晶水として残留する等により、良質な皮膜が
形成できない。一方、熱処理温度が高すぎると、燐酸ア
ルミニウムの分解が起こり得る。
【0027】表面に燐酸塩皮膜を形成した窒化アルミニ
ウム粉末を高分子樹脂に添加、充填することにより耐湿
性に優れた有機高分子樹脂組成物が得られる。用い得る
有機高分子樹脂としては、エポキシ、シリコーン、イミ
ドなどの熱硬化性樹脂、あるいはポリエチレンテレフタ
レート、ABS、スチレンなどの熱可塑性樹脂が例示さ
れる。
【0028】窒化アルミニウム粉末を添加、充填した有
機高分子樹脂組成物の熱伝導率は、窒化アルミニウム粉
末の添加量が多い程高い。窒化アルミニウム粉末単体で
充填する場合は40%以上の添加量で熱伝導率の向上が
認められる。所要により、アルミナ、結晶性シリカ、窒
化珪素、窒化ボロンなどの他の無機物質と組み合わせて
有機高分子樹脂の熱伝導性を向上させることもできる。
【0029】
【実施例】以下、実施例と比較例を挙げて更に具体的に
本発明を説明する。
【0030】実施例1〜5 容積1000mlのボールミルに、窒化アルミニウム粉末
200g、直径10mmのアルミナボール200g、およ
び所定量の燐酸アンモニウム((NH4 3 PO4 )の
飽和水溶液を入れて、室温下で 2時間混合を行った。処
理後粉末をボールから分離し、110℃の乾燥機内で乾
燥を行った後、更に大気中800℃で2時間熱処理を行
い、処理後粉末をボールから分離し、燐酸塩被覆の窒化
アルミニウム粉末を得た。
【0031】得られた窒化アルミニウム粉末の表面に燐
酸アルミニウム質皮膜が形成されていることが、X線光
電子分光(ESCA)法により確認された。
【0032】窒化アルミニウム粉末の粉体特性(平均粒
径、比表面積、酸素量)、および粉末中の燐の含有量を
分析し、その結果を第1表に示す。また、得られた窒化
アルミニウム粉末をPCT下72時間放置し、その前後
の酸素含有量を試験し、その結果も合せて第1表に示
す。
【0033】比較例1〜3 容積1000mlのボールミルに、窒化アルミニウム粉末
200g、直径10mmのアルミナボール200g、およ
び所定量の燐酸アンモニウム((NH4 3 PO4 )の
飽和水溶液を入れて、実施例と同様に混合処理、分離、
乾燥、熱処理を行い、燐酸塩被覆の窒化アルミニウム粉
末を得た。
【0034】得られた窒化アルミニウム粉末について、
実施例1と同様な方法で粉末特性、粉末中の燐の含有量
および粉末の耐高温高湿性を試験した。その結果を第1
表に示す。
【0035】比較例4 窒化アルミニウム粉末を、大気中800℃で2時間熱処
理を行い、酸化皮膜被覆の窒化アルミニウム粉末を得
た。
【0036】得られた窒化アルミニウム粉末について、
実施例1と同様な方法で粉末特性、粉末中の燐の含有量
および粉末の耐湿性を試験した。その結果を第1表に示
す。
【0037】比較例5 実施例1に用いた窒化アルミニウム粉末について、無処
理のまま実施例1と同様な方法で粉末特性、粉末中の燐
の含有量および粉末の耐湿性を試験した。その結果を第
1表に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例6〜10 容積1000mlのボールミルに、イソプロピルアルコ
ール120g、窒化アルミニウム粉末200g、所定量
の燐酸(H3 PO4 )を入れ室温で1時間混合した。こ
の混合液を乾燥機内で80℃の温度で溶媒を除去した
後、更に大気中で2時間加熱し、燐酸塩被覆の窒化アル
ミニウム粉末を得た。
【0040】得られた窒化アルミニウム粉末の表面に燐
酸アルミニウム質皮膜が形成されていることが、X線分
光(ESCA)法により確認された。
【0041】窒化アルミニウム粉末の粉体特性および粉
末中の燐の含有量を実施例1と同様な方法で分析し、そ
の結果を第2表に示す。
【0042】比較例6 容積1000mlのボールミルに、イソプロピルアルコ
ール120g、窒化アルミニウム粉末200gおよび所
定量の燐酸をいれて実施例6と同様に混合、脱溶媒、熱
処理を行い、燐酸塩被覆の窒化アルミニウム粉末を得
た。
【0043】得られた窒化アルミニウム粉末の粉体特性
および粉末中の燐の含有量を実施例1と同様な方法で分
析し、その結果を第2表に示す。
【0044】得られた窒化アルミニウム粉末について、
実施例1と同様な方法で粉末特性および粉末の耐湿性を
試験した。その結果を第2表に示す。
【0045】
【表2】
【0046】また、上記実施例6〜10および比較例4
〜6で得られた窒化アルミニウム粉末とイミド変性エポ
キシ樹脂粉末とをボールミルで十分に混合し、樹脂組成
物を作成した。得られた樹脂組成物の耐湿性を下記のよ
うにして試験した。試料約0.3gを取り、加熱したプ
レス機により180℃で25分間加熱して、直径10m
m×高さ2mmの成形体を得、この成形体を更に200
℃で2時間加熱処理して硬化させた。得られた硬化成形
体をテフロン製の皿に設置し、純水30gを入れたテフ
ロン製容器の上部に設置した。この容器を高圧分解容器
に入れて密閉、この容器を121℃に設定した恒温槽内
に72時間放置してプレッシャークッカーテスト(PC
T)試験を行った。試験後の硬化成形体の熱伝導率を測
定し、試験前後の熱伝導率を比較した。その結果を第3
表に示す。
【0047】なお、上記の物性測定は以下のようにして
行った。
【0048】(1)平均粒径:レーザー回折法により測
定した。
【0049】(2)比表面積:BET1点法により測定
した。
【0050】(3)酸素含有量:不活性ガス溶解法によ
り測定した。
【0051】(4)燐含有量:化学分析法により測定し
た。
【0052】(5)熱伝導率:レーザーフラシュ法によ
り測定した。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】本発明の窒化アルミニウム粉末は耐湿性
が飛躍的に改善されているため、焼結原料として、高伝
導性有機高分子樹脂に対する充填材などとして使用する
ことができる。
【0055】上記した窒化アルミニウム粉末を有機高分
子樹脂に添加すると、有機高分子樹脂の熱伝導率を飛躍
的に向上させることができ、得られた有機高分子樹脂組
成物は放熱性が要求される電子部品や電気機器の封止材
料およびコーティング材料として使用するのに適してい
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が燐酸塩皮膜で被覆されてなる耐湿
    性窒化アルミニウム粉末であって、皮膜中の燐の含有量
    が、粉末の単位表面積m2 あたり1.0〜100.0mg
    であることを特徴とする耐湿性窒化アルミニウム粉末。
  2. 【請求項2】 表面が燐酸アルミニウム質皮膜で被覆さ
    れてなる耐湿性窒化アルミニウム粉末であって、皮膜中
    の燐の含有量が、粉末の単位表面積m2 あたり1.0〜
    100.0mgであることを特徴とする耐湿性窒化アルミ
    ニウム粉末。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の耐湿性窒化アルミニウ
    ム粉末および有機高分子樹脂からなる樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の耐湿性窒化アルミニウ
    ム粉末および有機高分子樹脂からなる樹脂組成物。
JP16356295A 1995-05-18 1995-06-29 耐湿性窒化アルミニウム粉末および前記粉末を含む樹脂組成物 Pending JPH0931356A (ja)

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