JPH09313893A - 排気ガス浄化用触媒およびその製造方法 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒およびその製造方法

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JPH09313893A
JPH09313893A JP9057485A JP5748597A JPH09313893A JP H09313893 A JPH09313893 A JP H09313893A JP 9057485 A JP9057485 A JP 9057485A JP 5748597 A JP5748597 A JP 5748597A JP H09313893 A JPH09313893 A JP H09313893A
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catalyst
exhaust gas
catalyst layer
gas purifying
rhodium
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JP9057485A
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Hiroshi Murakami
浩 村上
Takashi Takemoto
崇 竹本
Kazuo Misonoo
和夫 御園生
Masahiko Shigetsu
雅彦 重津
Yuki Koda
由紀 國府田
Taeko Shimizu
多恵子 清水
Kenji Okamoto
謙治 岡本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時および高温時の触媒活性がともに高い
排気ガス浄化用触媒を得る。 【解決手段】 排気ガス浄化用触媒3の下側触媒層5に
は、触媒成分としてパラジウムが含まれるとともに、助
触媒として酸化セリウムおよび(Ce,Pr)複合酸化
物が含まれている。また、上側触媒層6には触媒成分と
して白金およびロジウムが含まれているが、(Ce,P
r)は含まれていない。ここで、下側触媒層5において
は触媒成分として低温活性の高いパラジウムが用いられ
ているので、低温時における排気ガス浄化性能が高めら
れる。そして、(Ce,Pr)複合酸化物が、高温時に
おけるパラジウムの触媒活性を高めるので、高温時にお
ける排気ガス浄化性能、とくにNOx浄化性能が高めら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス浄化用触
媒およびその製造方法に関するものであって、とくに自
動車用エンジンから排出される排気ガス中のHC、CO
およびNOxを同時に除去することができる、低温時お
よび高温時における浄化性能に優れた排気ガス浄化用触
媒およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンから排出され
る排気ガスにはHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、N
Ox(窒素酸化物)等の大気汚染物質が含まれているの
で、近年、該排気ガスの規制が世界的に強化されつつあ
る。とくに、大気汚染が大きな社会問題となっている米
国カリフォルニア州では、企業平均NMOG規制が導入
され、該排気ガスの規制レベルが段階的に強化されてゆ
く状況にあるが、このような規制に対処するには、LE
VあるいはULEVといった低公害車両を市場に導入
(1997年〜2000年より段階的に導入)してゆく
必要がある。
【0003】かくして、自動車用エンジンの排気系に
は、普通、排気ガスを浄化するために、排気ガス浄化用
触媒を用いた排気ガス浄化装置(触媒コンバータ)が設
けられる。そして、かかる排気ガス浄化用触媒として
は、従来より、白金、ロジウム等の貴金属触媒がアルミ
ナ等の多孔性の触媒基材に担持されてなるものが広く用
いられている。
【0004】ところで、このように白金、ロジウム等の
貴金属触媒を用いた排気ガス浄化用触媒は、低温時にお
ける触媒活性が低いといった難点がある。このため、排
気ガス温度が低いとき、例えばエンジンの始動開始直後
等においては、排気ガス浄化用触媒の温度が十分には高
まらず、エンジンのエミッション性能が悪くなるといっ
た問題がある。そこで、近年、低温時における触媒活性
が高いパラジウムを触媒成分として用いた排気ガス浄化
用触媒が提案されている(例えば、特公平4−7257
7号公報、特開平5−184876号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、触媒成
分としてパラジウムを用いた従来の排気ガス浄化用触媒
では、低温時のHCの触媒活性は高いものの低温時のC
OやNOxの触媒活性が低く、また高温時におけるNO
x浄化性能が低いといった問題がある。とくに、近年、
自動車用エンジンにおいては、エンジン始動開始後に排
気ガス浄化用触媒の温度を迅速に高めるために、排気ガ
ス浄化装置が排気通路の上流部分に配置される傾向があ
る。そして、このように排気ガス浄化装置が排気通路の
上流部分に配置されると、通常時には排気ガス浄化用触
媒の温度が高くなるので、NOx浄化性能が一層低くな
るといった問題が生じる。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、エンジン始動開始直後等の
低温時における排気ガス浄化性能をHCだけでなくCO
やNOxについても高めつつ、高温時におけるNOx浄
化性能を高めることができる排気ガス浄化用触媒および
その製造方法を得ることを解決すべき課題ないしは目的
とする。また、本発明は、上記の問題を排気ガス浄化用
触媒の耐熱性を低下させることなく解消することをもく
ろんでいる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、排気ガス浄化
用触媒の性能を飛躍的に向上させることができる技術で
あり、前記したような米国の厳しいエミッション規制に
も対処することができるものである。とくに、車両の排
ガスモード測定時において、排気ガス浄化用触媒が活性
化していないため排気ガスが未浄化のまま大気中に排出
されていた低温度域、例えばガス温度が低いエンジン始
動開始直後における触媒性能を、HCだけでなくCOや
NOxについても大幅に向上させることができるととも
に、高温度域におけるNOxについての触媒性能をも大
幅に向上させることができ、LEV、ULEV車両の実
現を果たすことができる技術である。
【0008】本発明にかかる技術は、主として前記のよ
うな米国の状況に対処するために開発されたものであ
り、LEV、ULEV対象車両に適用されることを前提
としているが、この技術はLEV、ULEV対象車両へ
の適用にとどまるものではない。すなわち、この技術に
かかる排気ガス浄化用触媒は、このように低温活性が飛
躍的に高められ、かつ高温度域における触媒性能も大幅
に高められているので、従来のEM規制に対処すべき車
両への採用も十分に可能である。この場合、排気ガス浄
化用触媒の低コスト化といったメリットをも得ることも
可能である。
【0009】さらに、本発明にかかる技術は、自動車の
エンジン形式によらず利用することが可能である(例え
ば、ディーゼルエンジンを搭載した車両への適用も可能
である)。また、自動車にとどまらず、ボイラー等の高
温燃焼装置等の排ガス浄化装置への適用も可能である。
この場合、とくに浄化対象ガスの高温域におけるNOx
浄化に大きな効果を発揮する。
【0010】なお、一般に、排気ガス浄化用触媒の低温
活性の向上を図る上においては、種々のアプローチが存
在する。例えば、燃焼装置後のアフタートリートメント
としては、電気加熱触媒の採用、低温時のHC等の排気
ガス成分に対する吸着浄化触媒の導入、パラジウム系の
低温活性触媒の開発等が挙げられる。とくに、現在、低
温活性触媒の主流であるパラジウム系低温活性触媒は、
低温度域からの触媒反応開始が早く、HC、COおよび
NOxを同時に浄化することができる三元浄化性能を有
している。しかしながら、従来のパラジウム系低温活性
触媒は、低温からのHC酸化能力は優れているものの、
低温時のCOやNOxの浄化性能が低く、高温度域(4
00℃以上)でのNOx浄化性能(NOx還元性能)が
低いといった問題があり、これに伴ってリーン側の排気
ガス浄化ウインドウが極端に狭まるといった問題もあ
る。この問題点に関しては、ロジウム活性種を使用して
その担持量や比率を最適化するなどといった技術でこれ
に対応することが検討されているものの、ロジウムは高
価であり、またその効果はあまり高くはないものと考え
られる。しかしながら、本発明にかかる技術によれば、
かかる問題点はすべて解決されている。
【0011】かくして、具体的には、上記の課題を解決
するためになされた本発明の第1の態様は、パラジウム
以外の貴金属(例えば、白金(Pt)、ロジウム(Rh)
等)を触媒成分として含んでいる排気ガス浄化用触媒に
おいて、セリウム(Ce)およびプラセオジム(Pr)の
複合酸化物(以下、これを「(Ce,Pr)複合酸化物」
または「(Ce,Pr)O2」という)を含んでいて、該複
合酸化物が、上記パラジウム以外の貴金属成分とは近接
しないように配置されていることを特徴とするものであ
る。この排気ガス浄化用触媒においては、上記触媒成分
がロジウム単独、または白金およびロジウムであって、
上記複合酸化物が、白金およびロジウムのうちの少なく
とも一方とは近接しないように配置されているのが好ま
しい。つまり、これらの排気ガス浄化用触媒において
は、ロジウムが必須の触媒成分であり、このロジウムに
加えて白金を含んでいるのが好ましいということにな
る。
【0012】この排気ガス浄化用触媒においては、基本
的には、(Ce,Pr)複合酸化物が、触媒成分の触媒
活性を高めるので、低温時における排気ガス浄化性能が
高められ、かつ高温時における排気ガス浄化性能とくに
NOx浄化性能が高められる。また、一般に、白金およ
びロジウムが(Ce,Pr)複合酸化物と近接して配置
されていると(共存すると)、白金およびロジウムの触
媒活性が低下する。しかしながら、この排気ガス浄化用
触媒では、(Ce,Pr)複合酸化物が、白金およびロ
ジウムを含んでいる場合でも、白金とロジウムのうちの
少なくとも一方とは近接しないように配置されているの
でかかる触媒活性の低下が防止される。なお、本明細書
において、単に「排気ガス浄化性能」という場合は、H
C、COおよびNOxについての総合的な浄化性能をあ
らわすものとする。
【0013】この排気ガス浄化用触媒においては、それ
ぞれ触媒成分を含んでいる複数の触媒層が設けられ、
(Ce,Pr)複合酸化物が上記触媒層中の第1の触媒
層に含まれる一方、白金およびロジウムのうちの少なく
とも一方が上記触媒層中の第2の触媒層に含まれている
のが好ましい。この場合、(Ce,Pr)複合酸化物
が、白金およびロジウムのうちの少なくとも一方とは確
実に離間して配置されるので、白金および/またはロジ
ウムの触媒活性の低下が確実に防止され、該排気ガス浄
化用触媒の低温時および高温時における排気ガス浄化性
能が一層高められる。
【0014】また、第1および第2の触媒層を含む上記
排気ガス浄化用触媒においては、第1の触媒層に触媒成
分としてパラジウムが含まれているのが好ましい。この
場合、第1の触媒層においては触媒成分として低温活性
の高いパラジウムが用いられているので、エンジン始動
開始直後等の低温時における排気ガス浄化性能が高めら
れる。そして、(Ce,Pr)複合酸化物が、高温時に
おけるパラジウムの触媒活性を高めるので、高温時にお
ける排気ガス浄化性能、とくにNOx浄化性能が高めら
れる。なお、(Ce,Pr)複合酸化物とパラジウムと
が共存していても、該パラジウムの触媒活性は低下しな
い。
【0015】第1および第2の触媒層を含む上記各排気
ガス浄化用触媒においては、第1および第2の触媒層に
それぞれ基材としてアルミナが含まれていて、第2の触
媒層のアルミナ含有率が、第1の触媒層のアルミナ含有
率よりも小さくなっているのが好ましい。この場合、と
くに低温時における排気ガス浄化性能および高温時にお
けるNOx浄化性能が一層高められる。また、第1およ
び第2の触媒層を含む上記排気ガス浄化用触媒において
は、第1および第2の触媒層にそれぞれ基材としてアル
ミナが含まれていて、第2の触媒層のアルミナ含有率が
25〜50重量パーセントであるのが好ましい。この場
合、排気ガス浄化用触媒の耐久性ないしは耐熱性が高め
られ、触媒層の剥離が防止される。
【0016】第1および第2の触媒層を含む上記各排気
ガス浄化用触媒においては、第1の触媒層が下層側に配
置され、第2の触媒層が上層側に配置されているのが好
ましい。一般に、パラジウムは、排気ガス中の硫黄成分
等の触媒毒により被毒される傾向がある。しかしなが
ら、この場合、上層触媒層によって排気ガス中の触媒毒
が下層触媒層に侵入するのが防止されるので、下層触媒
層中のパラジウムが被毒されない。
【0017】各触媒層にアルミナが含まれている上記各
排気ガス浄化用触媒においては、各触媒層で、それぞ
れ、触媒成分が該アルミナによって担持されているのが
好ましい。この場合、触媒成分と排気ガスの接触が促進
され、該排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性能が一層
高められる。
【0018】本発明の第2の態様によれば、触媒成分と
して活性金属を含む第1の触媒層と、触媒成分として白
金およびロジウムのうちの少なくとも一方を含む第2の
触媒層とを含んでいて、第1の触媒層にのみ、セリウム
化合物とプラセオジム化合物の混合物が含まれているこ
とを特徴とする排気ガス浄化用触媒が提供される。
【0019】この第2の態様にかかる排気ガス浄化用触
媒においては、基本的には、セリウム化合物とプラセオ
ジム化合物の混合物によって、第1の触媒層中の活性金
属の触媒活性が高められるので、該排気ガス浄化用触媒
の低温時における排気ガス浄化性能が高められ、かつ高
温時における排気ガス浄化性能とくにNOx浄化性能が
高められる。また、セリウム化合物およびプラセオジム
化合物と、白金および/またはロジウムとが同一触媒層
中に存在しないので、白金および/またはロジウムの触
媒活性の低下が防止され、該排気ガス浄化用触媒の排気
ガス浄化性能が一層高められると考えられる。
【0020】ここで、上記排気ガス浄化用触媒において
は、不純物の含有量は1重量%未満であるのが好まし
い。この場合、該排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性
能が一層高められる。
【0021】本発明の第3の態様によれば、担体の表面
上に、触媒成分としてパラジウムを含み、かつセリウム
およびプラセオジムの複合酸化物を含んでいる下側触媒
層を形成する工程と、上記下側触媒層の表面上に、触媒
成分として白金およびロジウムのうちの少なくとも一方
を含み、かつ酸化セリウムを含んでいる上側触媒層を形
成する工程とを含んでいることを特徴とする排気ガス浄
化用触媒の製造方法が提供される。この排気ガス浄化用
触媒の製造方法においては、上記の上側触媒層を形成す
る工程では、白金およびロジウムのうちの少なくとも一
方を担持している酸化セリウムを固形成分として含んで
いるスラリを上記下側触媒層の表面上にコーティングす
ることにより、上記上側触媒層を形成するのが好まし
い。
【0022】かかる製造方法によれば、触媒成分である
パラジウムと助触媒である(Ce,Pr)複合酸化物と
を含んでいる下側触媒層と、触媒成分である白金および
/またはロジウムと助触媒である酸化セリウムとを含ん
でいる上側触媒層とを備えた排気ガス浄化用触媒が容易
に得られる。このようにして得られた排気ガス浄化用触
媒においては、下側触媒層には低温活性の高いパラジウ
ムが用いられているので、エンジン始動開始直後等の低
温時における排気ガス浄化性能が高められる。そして、
(Ce,Pr)複合酸化物が、高温時におけるパラジウ
ムの触媒活性を高めるので、高温時における排気ガス浄
化性能、とくにNOx浄化性能が高められる。さらに、
上側触媒層には(Ce,Pr)複合酸化物が含まれてい
ないので、白金および/またはロジウムの触媒活性が低
下せず、該排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性能が一
層高められると考えられる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図2に示すように、自動車用エンジン
(図示せず)の排気ガスを大気に排出するための排気系1
には排気ガス浄化装置2が介設され、この排気ガス浄化
装置2内には、排気ガス中のHC、CO、NOx等の大
気汚染物質をH2O、CO2、N2等に分解して浄化する
ための排気ガス浄化用触媒3が充填されている。
【0024】ここで、排気ガス浄化装置2は、排気系1
の上流部分すなわち排気マニホールドに介設されてい
る。すなわち、この排気ガス浄化装置2は、いわゆる直
結タイプの排気ガス浄化装置である。したがって、排気
ガス浄化装置2に導入される排気ガス温度は比較的高く
なり、エンジン始動開始直後等において排気ガス浄化用
触媒3の昇温が促進され、その排気ガス浄化性能が高め
られる。また、エンジンは、エンジン始動直後から所定
期間だけ空燃比を理論空燃比(A/F=14.7)より
もリッチ(A/F=13〜14)に設定し、所定期間経
過後は空燃比を理論空燃比に設定するように、O2フィ
ードバック制御を実行する。
【0025】図1に示すように、排気ガス浄化用触媒3
においては、耐熱性に優れた担体材料であるコージェラ
イトでつくられたハニカム状の担体4上に、下側触媒層
5(第1の触媒層)が形成(固定)されている。そして、
この下側触媒層5の上にさらに上側触媒層6が形成され
ている。なお、ここでは担体材料としてコージェライト
を用いているが、担体材料がコージェライトに限定され
るものではないのはもちろんである。
【0026】下側触媒層5は、基本的には、触媒成分
(活性種)であるパラジウムが、基材である多孔性のγ
−アルミナ(γ−Al23)に担持されてなる構造とさ
れている。さらに、この下側触媒層5には、助触媒(O
SC:酸素貯蔵剤)として酸化セリウム(セリア)と
(Ce,Pr)複合酸化物とが含まれている。この(C
e,Pr)複合酸化物中においては、セリウムとプラセ
オジムとが化学的な結合関係を有し、結晶化している。
なお、酸化セリウムと(Ce,Pr)複合酸化物とは物
理的に混合されているだけであり、両者間に化学的な結
合関係は存在しない。
【0027】この下側触媒層5において、(Ce,P
r)複合酸化物中におけるセリウムとプラセオジムの比
率は任意に設定することができるが、この実施の形態で
はセリウムとプラセオジムのモル比が9/1に設定され
ている。なお、セリウムの原子量は140.12であ
り、他方プラセオジムの原子量は140.91であり、
したがって両者の原子量がほぼ等しいので、上記のセリ
ウムとプラセオジムの重量比は、これらのモル比とほぼ
等しくなる。また、この下側触媒層5におけるγ−アル
ミナと酸化セリウムと(Ce,Pr)複合酸化物の相互
の比率は、重量比で20:19:1に設定されている。
【0028】他方、上側触媒層6は、触媒成分(活性
種)である白金(Pt)およびロジウム(Rh)が、基材
であるとともに助触媒としても機能する酸化セリウムに
担持されてなる構造とされている。ここで、この上側触
媒層6には(Ce,Pr)複合酸化物は含まれていな
い。けだし、(Ce,Pr)複合酸化物は、白金および
ロジウムの触媒活性を低下させるからである。なお、上
側触媒層6には、基材としてγ−アルミナが含まれても
よいが、この場合は上側触媒層6中におけるアルミナ含
有率を、下側触媒層5中のγ−アルミナ含有率よりも低
くすることが必要である。
【0029】また、この排気ガス浄化用触媒3におい
て、触媒成分である白金とパラジウムとロジウムの含有
量(担持量)は、それぞれ、1g/L−catと14g/
L−catと2〜5.7g/L−catに設定されている。な
お、この排気ガス浄化用触媒3において、下側触媒層5
および上側触媒層6の不純物含有率は、いずれも1重量
%未満であることが好ましい。
【0030】以下、かかる排気ガス浄化用触媒3の製造
方法を説明する。すなわち、この排気ガス浄化用触媒3
は、次の各工程を経て製造される。 (1)γ−アルミナの熱処理 純粋なγ−アルミナの粉末を900℃の空気中に50時
間さらして該γ−アルミナに対して熱処理を行う。これ
により、HCの低温活性が向上する。
【0031】(2)パラジウムの担持 熱処理されたγ−アルミナと酸化セリウム粉末とを物理
的に混合した後、この混合物に活性種としてパラジウム
化合物(例えば、ジニトロジアミンパラジウム)の水溶
液を滴下して含浸させ、この後該混合物を乾燥させる。
かくして、触媒成分(活性種)であるパラジウムがγ−
アルミナおよび酸化セリウムによって担持されてなるパ
ラジウム担持粉末が得られる。
【0032】(3)(Ce,Pr)複合酸化物の合成 セリウムの硝酸塩水溶液とプラセオジムの硝酸塩水溶液
とを混合した後、この混合物にアンモニアを加えて共沈
を起こさせる。そして、この沈殿物を洗浄し、さらに乾
燥させた後、600℃程度の温度で焼成する。これによ
り、(Ce,Pr)複合酸化物粉末が得られる。この
(Ce,Pr)複合酸化物中におけるセリウムとプラセ
オジムのモル比率は、9:1に設定される。なお、溶液
については、硝酸塩水溶液に限定されるものではない。
【0033】(4)下側触媒層用ウォッシュコートスラ
リの調製 上記パラジウム担持粉末と上記(Ce,Pr)複合酸化
物粉末と水とバインダとを混合して、下側触媒層用ウォ
ッシュコートスラリを調製する。この下側触媒層用ウォ
ッシュコートスラリにおいて、γ−アルミナと酸化セリ
ウムと(Ce,Pr)複合酸化物の相互間の重量比は、
20:19:1に設定される。
【0034】(5)下側触媒層を形成するためのウォッ
シュコート コージェライトからなるハニカム状の担体4を下側触媒
層用ウォッシュコートスラリに浸漬し、この後余分なス
ラリを吹き飛ばす。かくして、担体4が下側触媒層用ウ
ォッシュコートスラリによってコーティングされる。そ
して、このようにコーティングされた担体4を150℃
程度の温度で乾燥させ、さらにこの後500℃の温度で
2時間程度焼成する。かくして、担体4の上に下側触媒
層5が形成(固定)される。
【0035】(6)白金およびロジウムの担持 純粋な酸化セリウム粉末に、活性種として白金の硝酸塩
とロジウムの硝酸塩とを含む水溶液を滴下して含浸さ
せ、この後該酸化セリウム粉末を乾燥させた後、さらに
焼成する。かくして、触媒成分(活性種)である白金と
ロジウムとが酸化セリウムに担持されてなる白金・ロジ
ウム担持粉末が得られる。なお、白金又はロジウムの化
合物は硝酸塩に限定されない。
【0036】(7)上側触媒層用ウォッシュコートスラ
リの調製 上記白金・ロジウム担持粉末と水とバインダとを混合し
て、上側触媒層用ウォッシュコートスラリを調製する。
【0037】(8)上側触媒層を形成するためのウォッ
シュコート 担体4の表面上に形成された下側触媒層5の表面上に、
上側触媒層用ウォッシュコートスラリをコーティングす
る。そして、このようにコーティングされた担体4を1
50℃程度の温度で乾燥させ、さらにこの後500℃の
温度で2時間程度焼成する。かくして、担体4の上に下
側触媒層5が形成(固定)され、さらにこの下側触媒層
5の上に上側触媒層6が形成(固定)された排気ガス浄
化用触媒3が完成する。
【0038】以下、このようにして製造された本発明に
かかる排気ガス浄化用触媒の浄化性能を測定した結果
を、本発明によらない方法で製造された排気ガス浄化用
触媒と対比しつつ説明する。なお、これらの測定に用い
られた排気ガス浄化用触媒は次の3種(サンプルA〜
C)である。 (1)サンプルA(比較例) 従来の排気ガス浄化用触媒であり、下側触媒層において
は、助触媒として酸化セリウムのみが用いられ、(C
e,Pr)複合酸化物は用いられていない。なお、その
他の点については前記の製造方法で製造された本発明に
かかる排気ガス浄化用触媒と同様である。 (2)サンプルB 前記の製造方法で製造された本発明にかかる排気ガス浄
化用触媒であり、下側触媒層においては、助触媒として
酸化セリウムと(Ce,Pr)複合酸化物(CeとPrの
モル比は9:1)とが用いられ、酸化セリウムと(C
e,Pr)複合酸化物の重量比が19:1である。換言
すれば、下側触媒層における、γ−アルミナと酸化セリ
ウムと(Ce,Pr)複合酸化物の重量比が、50:4
7.5:2.5である。なお、上側触媒層には(Ce,P
r)複合酸化物が含まれていないのはもちろんである。 (3)サンプルC(比較例) 比較のために特別につくられた排気ガス浄化用触媒であ
り(従来の排気ガス浄化用触媒ではない)、下側触媒層
においては、助触媒として酸化セリウムと(Ce,P
r)複合酸化物(CeとPrのモル比は9:1)とが用い
られ、酸化セリウムと(Ce,Pr)複合酸化物の重量
比が9:1である。換言すれば、下側触媒層における、
γ−アルミナと酸化セリウムと(Ce,Pr)複合酸化
物の重量比が、50:45:5である。そして、さらに
上側触媒層にも10重量%の(Ce,Pr)複合酸化物
(CeとPrのモル比は9:1)が含まれている。
【0039】図3は、サンプルA〜Cについてのリグ評
価テストの結果であり、排気ガスが空燃比A/F=1
4.7±0.9に相当する場合における、サンプルA〜C
に対するNOxおよびHCについてのT50温度を示し
ている。なお、ここでT50温度とは、大気汚染物質
(例えば、HC、CO、NOx)の浄化率が50%とな
るときの排気ガス入口温度[℃]である。つまり、T50
温度は該排気ガス浄化用触媒の低温時における排気ガス
浄化性能ないしは低温活性を評価するための指標であ
り、T50温度が低いものほど低温時における排気ガス
浄化性能ないしは低温活性が高いことになる。なお、各
サンプルA〜Cの熱処理は、高温耐熱性を確認するため
に、これらを1000℃の大気中に24時間さらすこと
により行った。
【0040】このリグ評価テスト、あるいは以下で説明
するリグ評価テストにおける空燃比の設定条件(リグテ
スト条件)はおよそ次のとおりである。すなわち、空燃
比A/Fを、例えば14.7±0.2に設定する場合は、
A/F=14.7に相当する所定の組成のメインストリ
ームガス(合成ガス)を定常的に流しつつ、1Hzで所
定量の組成の打ち込みガスをパルス状に打ち込み、空燃
比A/Fを±0.2の振幅で強制的に振動させる。ここ
で、A/F=14.7に相当するメインストリームガス
の組成は、次のように設定される。 CO2:13.9% O2 :0.6% CO :0.6% H2 :0.2% HC :0.056% NO:0.1% N2 :残部 そして、A/F=±0.2の振幅の振動を生じさせる打
ち込みガスとしては、空燃比A/Fをリッチ側へ振らせ
る場合(A/F=14.5)はCOおよびH2を用い、
リーン側へ振らせる場合(A/F=14.9)はO2
用いる。なお、空燃比A/FをA/F=14.7±0.9
に設定する場合は、打ち込みガスの量が、振幅が±0.
9となるように変更される。また、空燃比A/Fを、例
えば14.8±0.2に設定する場合は、A/F=14.
8に相当する所定の組成のメインストリームガス(合成
ガス)を定常的に流しつつ、1Hzで所定量の組成の打
ち込みガスをパルス状に打ち込み、空燃比A/Fを0.
2の振幅で強制的に振動させる。ここで、A/F=1
4.8に相当するメインストリームガスの組成は、次の
ように設定される。 CO2:13.9% O2 :0.8% CO :0.5% H2 :0.16% HC :0.056% NO:0.1% N2 :残部 そして、A/F=±0.2の振幅の振動を生じさせる打
ち込みガスは、空燃比A/Fを14.7±0.2に設定す
る場合と同様である。なお、空燃比A/FをA/F=1
4.8±0.9に設定する場合は、打ち込みガスの量が、
振幅が±0.9となるように変更される。
【0041】図3に示すように、本発明にかかる排気ガ
ス浄化用触媒であるサンプルBでは、従来の排気ガス浄
化用触媒であるサンプルAあるいは比較のためにつくら
れた本発明にはよらない排気ガス浄化用触媒であるサン
プルCに比べて、NOxおよびHCについてのT50温
度が明らかに低くなっている。したがって、本発明にか
かる排気ガス浄化用触媒は、高温で熱処理がなされた後
の低温時における排気ガス浄化性能ないしは低温活性が
優れていることがわかる。
【0042】図4は、前記のサンプルA〜Cと、次に示
すような2種のサンプルD〜Eとについてのもう1つの
リグ評価テストの結果であり、排気ガスが空燃比A/F
=14.8±0.9に相当する場合における、サンプルA
〜Eに対するHC、COおよびNOxについてのT50
温度を示している。なお、各サンプルA〜Eの熱処理
は、高温耐熱性を確認するために、これらを1000℃
の大気中に24時間さらすことにより行った。 (1)サンプルD(比較例) 上側触媒層には、白金と酸化セリウムとが含まれ(ロジ
ウムが含まれていない)、下側触媒層には、γ−アルミ
ナと酸化セリウムとパラジウムと(Ce,Pr)複合酸
化物とが含まれている。下側触媒層中におけるγ−アル
ミナと酸化セリウムと(Ce,Pr)複合酸化物の重量
比は20:19:1である。したがって、サンプルDの
下側触媒層の組成は、サンプルBの場合と同様である。 (2)サンプルE(比較例) 上側触媒層には、白金とロジウムとアルミナとが含まれ
(酸化セリウムが含まれていない)、下側触媒層には、
γ−アルミナと酸化セリウムとパラジウムと(Ce,P
r)複合酸化物とが含まれている。下側触媒層中におけ
るγ−アルミナと酸化セリウムと(Ce,Pr)複合酸
化物の重量比は20:19:1である。したがって、サ
ンプルEの下側触媒層の組成は、サンプルBおよびサン
プルDの場合と同様である。
【0043】図4に示すように、本発明にかかる排気ガ
ス浄化用触媒であるサンプルBでは、本発明にはよらな
いサンプルAあるいはサンプルCに比べて、HC、CO
およびNOxのいずれについてのT50温度も明らかに
低くなっている。したがって、本発明にかかる排気ガス
浄化用触媒は、低温時における排気ガス浄化性能ないし
は低温活性が非常に優れていることがわかる。また、上
側触媒層にロジウムが含まれていないサンプルDでは、
そのHCおよびCOについてのT50温度は低いもの
の、NOxについてのT50温度は極めて高くなってお
り、NOx浄化のためにはロジウムが必須であると判断
される。また、上側触媒層に酸化セリウムが含まれてい
ない、すなわち上側触媒層中の酸化セリウムをアルミナ
に置換したサンプルEは、NOxについての低温活性が
不良である。
【0044】図5は、サンプルA〜Eについてのさらに
もう1つのリグ評価テストの結果であり、排気ガスが空
燃比A/F=14.7±0.9に相当する場合における、
サンプルA〜Eに対するNOxについてのC400浄化
率およびC500浄化率を示している。ここで、C40
0浄化率とは排気ガスの入口温度が400℃である場合
の大気汚染物質(例えば、HC、CO、NOx)の浄化
率[%]であり、C500浄化率とは排気ガスの入口温度
が500℃の場合の浄化率である。つまり、C400浄
化率は400℃程度の高温時における排気ガス浄化性能
を評価するための指標であり、C500浄化率は500
℃程度の高温時における排気ガス浄化性能を評価するた
めの指標である。なお、各サンプルA〜Eの熱処理は、
高温耐熱性を確認するために、これらを1000℃の大
気中に24時間さらすことにより行った。
【0045】図5に示すように、本発明にかかる排気ガ
ス浄化用触媒であるサンプルBでは、本発明によらない
サンプルAあるいはサンプルCに比べて、NOxのC4
00浄化率はいずれも明らかに高くなっており、C50
0浄化率はほぼ同等である。また、サンプルBでは、サ
ンプルD〜Eに比べて、C400浄化率はほぼ同等であ
り、C500浄化率は良好(サンプルD)または同等
(サンプルE)である。したがって、本発明にかかる排
気ガス浄化用触媒は、高温時におけるNOx浄化性能が
優れていることがわかる。
【0046】図6は、サンプルA〜Eについての別のリ
グ評価テストの結果であり、排気ガスが空燃比A/F=
14.8±0.9に相当する場合における、サンプルA〜
Eに対するCOについてのC400浄化率およびC50
0浄化率を示している。なお、各サンプルA〜Eの熱処
理はこれらを1000℃の大気中に24時間さらすこと
により行った。
【0047】図6に示すように、本発明にかかる排気ガ
ス浄化用触媒であるサンプルBでは、本発明によらない
サンプルAあるいはサンプルCに比べて、COのC40
0浄化率およびC500浄化率がいずれも明らかに高く
なっている。また、サンプルBでは、サンプルD〜Eに
比べて、C500浄化率はほぼ同等であり、C400浄
化率は良好(サンプルE)または同等(サンプルD)で
ある。したがって、本発明にかかる排気ガス浄化用触媒
は、高温時におけるCO浄化性能が優れていることがわ
かる。
【0048】つまり、本発明にかかる排気ガス浄化用触
媒であるサンプルBは、高温耐熱処理後において、低温
時における排気ガス浄化性能と高温時における浄化性能
(HC、CO、NOx)とを両立させることができるも
のである。また、NOxの低温浄化を確保するために
は、上側触媒層にロジウムが含まれていることが必須で
ある。なお、本発明にかかる排気ガス浄化用触媒におい
ては、不純物の含有量は1重量%未満であるのが好まし
い。この場合、該排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性
能が一層高められる。
【0049】図7は、サンプルA〜Cについてのさらに
別のリグ評価テストの結果であり、排気ガスの空燃比振
幅を±0.2に固定し、空燃比A/Fを種々変化させた
場合における、サンプルA〜Cに対するNOxについて
の460℃における浄化率を示している。なお、排気ガ
スの空間速度は100000h-1に設定されている。
【0050】図7に示すように、本発明にかかる排気ガ
ス浄化用触媒であるサンプルBでは、本発明によらない
サンプルAあるいはサンプルCに比べて、すべての空燃
比領域で460℃におけるNOx浄化率が同等またはそ
れ以上となっている。とくに、空気過剰率λが1を超え
る(A/Fが14.7を超える)ややリーン領域では、
サンプルBのNOx浄化率が、サンプルAおよびサンプ
ルCに比べて大幅に高くなっている。したがって、本発
明にかかる排気ガス浄化用触媒は、高温時におけるNO
x浄化性能、とくにA/F=15付近のややリーン領域
におけるNOx浄化性能が優れていることがわかる。
【0051】
【表1】
【0052】表1は、サンプルA〜Cを実車に搭載して
その排気浄化性能をテストした結果であり、該排気ガス
浄化用触媒を搭載した各車両のHCおよびNOxの実際
の浄化率を示している。なお、この実車テストにおける
各種テスト条件はおよそ次のとおりである。 <テスト条件> (1)エンジン形式:1.5リットル、直列4気筒エン
ジン (2)触媒搭載位置:エンジンの直下流マニホールド
(直結位置) (3)触媒熱処理条件:1000°×24hr(空気
中) (4)触媒容量:1.25リットル (5)評価モード:米国のFTPモード
【0053】表1に示すように、本発明にかかる排気ガ
ス浄化用触媒であるサンプルBを搭載した車両では、本
発明によらないサンプルAあるいはサンプルCを搭載し
た車両に比べて、HC浄化率が明らかに良くなってい
る。また、サンプルBを搭載した車両では、NOx浄化
率が、従来の排気ガス浄化用触媒であるサンプルAを搭
載した車両に比べれば良くなっている。したがって、本
発明にかかる排気ガス浄化用触媒は、従来の排気ガス浄
化用触媒に比べて、実際にHCおよびNOxの浄化性能
が優れていることがわかる。
【0054】ところで、上側触媒層に白金とロジウムと
酸化セリウムとが含まれる一方(触媒成分である白金お
よびロジウムが酸化セリウムに担持されている)、下側
触媒層にパラジウムとアルミナ(熱処理後)と酸化セリ
ウムと(Ce,Pr)複合酸化物とが含まれているとい
った基本構成の本発明にかかる排気ガス浄化用触媒にお
いては、従来のこの種の排気ガス浄化用触媒に比べてそ
の耐久性(耐熱性)が改善され、触媒劣化(熱劣化)が
起こりにくくなっている。なお、排気ガス浄化用触媒
に、上記熱劣化以外に被毒劣化や構造劣化の触媒劣化が
生じると、触媒層が担体から剥離しやすくなるといった
問題が生じる。
【0055】しかしながら、本願発明者は、かかる排気
ガス浄化用触媒の上側触媒層に熱処理後のアルミナ(γ
−Al23)を適量導入すると、触媒劣化をさらに有効
に防止することができ、該排気ガス浄化用触媒の耐久性
(耐剥離性)をさらに高めることができるということを
見いだした。図8に、かかる排気ガス浄化用触媒におい
て、上側触媒層にアルミナを導入したものと導入しない
ものとについて、超音波剥離試験を行って得られた結果
を示す。なお、各種試験条件は図8中に記載されてい
る。また、図8中において、グラフG1は、本発明にか
かる排気ガス浄化用触媒における、剥離率と、上側触媒
層におけるアルミナ(熱処理後)含有率(重量%)との
関係を示し、グラフG2は、従来のこの種の排気ガス浄
化用触媒の剥離率を示している。
【0056】図8から明らかなとおり、上側触媒層のア
ルミナ含有率がおよそ25〜50重量%の範囲では剥離
率が比較的低くなっている。したがって、該排気ガス浄
化用触媒においては、上側触媒層のアルミナ含有率を2
5〜50重量%に設定すれば、その耐久性(耐熱性)を
有効に高めることができる。なお、上側触媒層へのアル
ミナの具体的な導入手法としては、白金およびロジウム
を酸化セリウムに担持させる一方、アルミナ(熱処理
後)を単純に添加するといった一括担持手法、あるいは
白金を酸化セリウムに担持させる一方、ロジウムをアル
ミナ(熱処理後)に担持させるといった分離担持手法な
どを用いることができる。
【0057】表2に、かかる排気ガス浄化用触媒におい
て、上側触媒層にアルミナを導入したものと導入しない
ものとについて、排気ガス浄化性能を測定して得られた
結果を示す。なお、各種評価条件は表2中に記載されて
いる。表2から明らかなとおり、上側触媒層にアルミナ
が導入された排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性能
は、アルミナが導入されていない排気ガス浄化用触媒の
場合とほぼ同等である。
【0058】
【表2】
【0059】また、本願発明者は、本発明にかかる排気
ガス浄化用触媒において、上側触媒層および下側触媒層
について、それぞれ、酸化セリウムの一部を微粉化され
た酸化セリウム(以下、これを「微粉セリア」という)
に置き換えれば、すなわち酸化セリウムの一部を微粉化
すれば、該排気ガス浄化用触媒の初期性能および耐久性
(耐熱性)をさらに高めることができるということを見
いだした。
【0060】図9に、かかる排気ガス浄化用触媒におい
て、排気ガス浄化性能の酸化セリウム微粉化率に対する
変化特性を実測して得られた結果を示す。なお、各種評
価条件は図9中に記載されている。図9においては、排
気ガス浄化性能は、車両走行時における1マイルあたり
の大気汚染物の排出量であらわされている。図9によれ
ば、酸化セリウムの微粉化率を40%以下に設定するの
が適切であると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる排気ガス浄化用触媒の縦断面
説明図である。
【図2】 図1に示す排気ガス浄化用触媒を用いた排気
ガス浄化装置の縦断面説明図である。
【図3】 本発明にかかる排気ガス浄化用触媒(サンプ
ルB)の、NOxおよびHCについてのT50温度を、
比較例(サンプルA、C)と対比して示した図である。
【図4】 本発明にかかる排気ガス浄化用触媒(サンプ
ルB)の、HC、COおよびNOxについてのT50温
度を、比較例(サンプルA、C、D、E)と対比して示
した図である。
【図5】 本発明にかかる排気ガス浄化用触媒(サンプ
ルB)のNOxについてのC400浄化率およびC50
0浄化率を、比較例(サンプルA、C、D、E)と対比
して示した図である。
【図6】 本発明にかかる排気ガス浄化用触媒(サンプ
ルB)のCOについてのC400浄化率およびC500
浄化率を、比較例(サンプルA、C、D、E)と対比し
て示した図である。
【図7】 本発明にかかる排気ガス浄化用触媒(サンプ
ルB)のNOx浄化率を、比較例(サンプルA、C)と
対比して示した図である。
【図8】 排気ガス浄化用触媒における触媒層の剥離率
の、上側触媒層のアルミナ含有率に対する変化特性を示
すグラフである。
【図9】 排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化性能の、
酸化セリウム微粉化率に対する変化特性を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1…排気系 2…排気ガス浄化装置 3…排気ガス浄化用触媒 4…担体 5…下側触媒層 6…上側触媒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/56 301A (72)発明者 重津 雅彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 國府田 由紀 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 清水 多恵子 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 岡本 謙治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム以外の貴金属を触媒成分とし
    て含んでいる排気ガス浄化用触媒において、 セリウムおよびプラセオジムの複合酸化物を含んでい
    て、該複合酸化物が、上記パラジウム以外の貴金属とは
    近接しないように配置されていることを特徴とする排気
    ガス浄化用触媒。
  2. 【請求項2】 上記パラジウム以外の貴金属がロジウム
    であることを特徴とする、請求項1に記載された排気ガ
    ス浄化用触媒。
  3. 【請求項3】 上記触媒成分が白金およびロジウムであ
    って、上記複合酸化物が、白金およびロジウムのうちの
    少なくとも一方とは近接しないように配置されているこ
    とを特徴とする、請求項1に記載された排気ガス浄化用
    触媒。
  4. 【請求項4】 それぞれ触媒成分を含んでいる複数の触
    媒層が設けられ、上記複合酸化物が上記触媒層中の第1
    の触媒層に含まれる一方、上記白金および上記ロジウム
    のうちの少なくとも一方が上記触媒層中の第2の触媒層
    に含まれていることを特徴とする、請求項3に記載され
    た排気ガス浄化用触媒。
  5. 【請求項5】 上記第1の触媒層に触媒成分としてパラ
    ジウムが含まれていることを特徴とする、請求項4に記
    載された排気ガス浄化用触媒。
  6. 【請求項6】 上記第1および第2の触媒層にそれぞれ
    基材としてアルミナが含まれていて、上記第2の触媒層
    のアルミナ含有率が、上記第1の触媒層のアルミナ含有
    率よりも小さくなっていることを特徴とする、請求項4
    または請求項5に記載された排気ガス浄化用触媒。
  7. 【請求項7】 上記第1および第2の触媒層にそれぞれ
    基材としてアルミナが含まれていて、上記第2の触媒層
    のアルミナ含有率が25〜50重量パーセントであるこ
    とを特徴とする、請求項4または請求項5に記載された
    排気ガス浄化用触媒。
  8. 【請求項8】 上記第1の触媒層が下層側に配置され、
    上記第2の触媒層が上層側に配置されていることを特徴
    とする、請求項4〜請求項7のいずれか1つに記載され
    た排気ガス浄化用触媒。
  9. 【請求項9】 上記各触媒層において、それぞれ、上記
    触媒成分が上記アルミナによって担持されていることを
    特徴とする、請求項6〜請求項8のいずれか1つに記載
    された排気ガス浄化用触媒。
  10. 【請求項10】 触媒成分として活性金属を含む第1の
    触媒層と、触媒成分として白金およびロジウムのうちの
    少なくとも一方を含む第2の触媒層とを含んでいて、上
    記第1の触媒層にのみ、セリウム化合物とプラセオジム
    化合物の混合物が含まれていることを特徴とする排気ガ
    ス浄化用触媒。
  11. 【請求項11】 担体の表面上に、触媒成分としてパラ
    ジウムを含み、かつセリウムおよびプラセオジムの複合
    酸化物を含んでいる下側触媒層を形成する工程と、 上記下側触媒層の表面上に、触媒成分として白金および
    ロジウムのうちの少なくとも一方を含み、かつ酸化セリ
    ウムを含んでいる上側触媒層を形成する工程とを含んで
    いることを特徴とする排気ガス浄化用触媒の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記の上側触媒層を形成する工程で
    は、白金およびロジウムのうちの少なくとも一方を担持
    している酸化セリウムを固形成分として含むスラリを上
    記下側触媒層の表面上にコーティングすることにより、
    上記上側触媒層を形成するようにしたことを特徴とす
    る、請求項11に記載された排気ガス浄化用触媒の製造
    方法。
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