JPH09314358A - チタン合金接合用介挿部材およびチタン合金の接合方法 - Google Patents

チタン合金接合用介挿部材およびチタン合金の接合方法

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JPH09314358A
JPH09314358A JP12870196A JP12870196A JPH09314358A JP H09314358 A JPH09314358 A JP H09314358A JP 12870196 A JP12870196 A JP 12870196A JP 12870196 A JP12870196 A JP 12870196A JP H09314358 A JPH09314358 A JP H09314358A
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titanium alloy
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titanium
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JP12870196A
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English (en)
Inventor
Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Koji Horio
浩次 堀尾
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汎用性が高く且つ高い信頼性でチタン合金を接
合するための介挿部材およびチタン合金の接合方法を提
供する。 【解決手段】厚さが200(μm)以下で円柱状部材10等の
被接合材の端面14に対向させられる一対の対向面3
0,30を有するチタンから成る基材24と、円柱状部
材10を構成するチタン合金のα→β相変態温度よりも
低い融点を有するチタン合金から成り、その基材24の
それら一対の対向面30に0.1 〜5(μm)程度の厚さでそ
れぞれ設けられた被覆層26とから介挿部材12が構成
される。そのため、この介挿部材12を用いて円柱状部
材10を接合するに際して、加熱すると共に一対の円柱
状部材10を相互に押圧すると、円柱状部材10と基材
24との間に介在させられた被覆層26が融解させられ
て、その円柱状部材10の端面14に生じている凹凸を
埋めることとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン合金から成
る部材を相互に接合する接合方法、およびチタン合金を
接合するに際して接合界面に介挿させられる介挿部材に
関する。
【0002】
【従来の技術】チタン合金は、高い耐蝕性と高い機械的
強度とを備えているため、腐食雰囲気且つ高い応力が発
生し得る環境下で用いられる部品や装置等を構成する材
料として鋼材等に代えて用いられている。
【0003】ところで、一体形成が困難な複雑な形状の
部品を作製する場合や、工業的に一体成形が困難な長い
円筒状或いは円柱状部品等を作製する場合等には、一般
に、各別に作製した部材を相互に接合して所定形状の部
品や所定長さの円筒状或いは円柱状部品を構成すること
が行われている。このような接合作業は、例えば鋼材に
おいては一般的なアーク溶接等によって為されることが
多いが、チタン合金は大気中で高温に加熱されると
2 ,N2 ,H2 等と反応するという問題がある。その
ため、チタン合金を接合するに際しては、加熱によって
高温になる部分を大気から遮断した状態で溶接するTI
G溶接(Tungsten Inert Gas welding)やMIG溶接
(Metal Inert Gas welding )等が一般的に行われてい
た。しかしながら、これらの溶接方法では、作業時間が
長くなると共に、溶接部の高い機械的強度を安定して得
ることが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
先に、チタン合金から成る一対の被接合材の接合界面に
チタン(以下、本願において単に『チタン』というとき
は例えば純度99[mass%]以上の純チタンをいうものとす
る)から成るシート状の介挿部材を介在させ、或いはそ
の接合界面の少なくとも一方にチタンから成る接合層を
形成し、チタン合金と反応し得る前記各元素が存在しな
い非酸化性雰囲気下で接合界面が相互に押圧されるよう
に所定圧力で加圧すると共に、被接合部材のα→β相変
態温度よりも低い所定温度(例えば数十乃至百 (℃) 程
度低い所定温度)に加熱することにより、固相拡散反応
によって接合する接合方法を提案した。例えば、特願平
7−222333号(未公開)等に記載されているチタ
ン合金の接合方法がそれである。
【0005】また、本発明者等は、チタン合金から成る
一対の被接合材の接合界面の少なくとも一方に、その被
接合部材よりも融点が低いチタン合金から成る接合層を
形成し、上記のように非酸化性雰囲気下で加圧しつつ、
被接合部材のα→β相変態温度よりも低く且つ接合層の
融点よりも高い温度に加熱することにより、液相拡散反
応によって接合する接合方法を提案した。例えば、特願
平7−44828号(未公開)に記載されているチタン
材またはチタン合金の接合方法がそれである。
【0006】これらの技術によれば、TIG溶接等によ
る場合よりも短時間で接合作業を行うことが可能になる
と共に、介挿部材,接合層や被接合材を構成するチタン
合金やチタンが相互拡散させられることにより一対の被
接合材間に連続的に形成される拡散層によって、それら
一対の被接合材が相互に接合されることから、接合部の
組織が均一になって被接合材本来の値と同様な高い機械
的強度が安定して得られるのである。
【0007】しかしながら、本発明者らが更に研究を進
めたところ、上記のような拡散反応を利用した接合方法
においても、以下のような不具合があることが明らかと
なった。すなわち、先ず、固相拡散反応による接合方法
においては、十分に高い機械的強度を必ずしも安定して
得ることができないという問題があった。一般に、チタ
ン合金から成る被接合材の接合界面やチタンから成る介
挿部材或いは接合層の表面には、素材作製時に生じた細
かな凹凸が存在する。この場合において、介挿部材や接
合層を構成するチタンはチタン合金よりも展性が高いこ
とから、加圧および加熱されることによって被接合材の
接合界面に対応して表面形状が変形させられるが、細か
な凹凸がある場合にも完全にその接合界面に倣わされる
程の展性は有していない。したがって、その変形後にお
いても接合界面に僅かな空隙(内部欠陥)が残存するこ
ととなって、機械的強度の低下を招くのである。
【0008】また、液相拡散反応による接合方法におい
ては、被接合材の接合界面に低融点のチタン合金から成
る接合層を形成する必要があることから、その適用範囲
が限定されるという問題がある。一般に接合部の機械的
強度を十分に高くするためには、そのチタン合金から成
る接合層が可及的に薄くされることが望まれる。そのた
め、固相拡散反応による場合のように接合層に代えて同
様な組成のシート状の介挿部材を作製して用いることが
困難であり、被接合材の接合界面に形成することが必須
となる。十分に薄く且つ均一な組成の接合層を形成する
ためには、蒸着法やイオンプレーティング法等によるこ
とが望ましいが、そのため、それらの膜形成装置が使用
可能な被接合材に適用範囲が限定されるのである。
【0009】すなわち、何れの方法においても、接合部
の高い機械的強度が安定して得られ且つ汎用性の高い接
合方法ではないという問題があった。本発明は、以上の
事情を背景として為されたものであって、その目的とす
るところは、汎用性が高く且つ高い信頼性でチタン合金
を接合するための介挿部材およびチタン合金の接合方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するための第1発明のチタン合金接合用介挿部材の要旨
とするところは、第1のチタン合金から成る一対の被接
合材を互いに押圧すると共に加熱することにより拡散反
応に基づいて相互に接合するに際して、それら一対の被
接合材の接合界面に介在させられるチタン合金接合用介
挿部材であって、(a)厚さが200(μm)以下のチタンから
成り、前記接合界面に対向させられる一対の対向面を有
する基材と、(b) 前記第1のチタン合金のα→β相変態
温度よりも低い融点を有する第2のチタン合金から成
り、その基材の一対の対向面に0.1(μm)以上の厚さでそ
れぞれ設けられた被覆層とから成ることにある。
【0011】
【第1発明の効果】このようにすれば、厚さが200(μm)
以下で被接合材の接合界面に対向させられる一対の対向
面を有するチタンから成る基材と、被接合材を構成する
第1のチタン合金のα→β相変態温度よりも低い融点を
有する第2のチタン合金から成り、その基材のそれら一
対の対向面に0.1(μm)以上の厚さでそれぞれ設けられた
被覆層とからチタン合金接合用介挿部材が構成される。
そのため、この介挿部材を用いて被接合材を接合するに
際して、加熱すると共に一対の被接合材を相互に押圧す
ると、被接合材と基材との間に介在させられた被覆層が
融解させられて、その被接合材の接合界面に生じている
凹凸を埋めることとなる。したがって、拡散反応に基づ
いて接合される場合に、接合界面の凹凸に起因して内部
欠陥が発生することが抑制されて、高い機械的強度を得
ることができる。しかも、被接合材側には、介挿部材に
相当する金属層等を何等設けることを要しない。したが
って、高い汎用性と高い信頼性でチタン合金を接合でき
る介挿部材が得られるのである。
【0012】なお、チタンから成る基材の厚さが200(μ
m)を越えると、拡散接合の後にもチタンから成る層が残
存して接合後の機械的強度が低くなるため、基材の厚さ
は200(μm)以下であることが必要である。また、接合界
面の凹凸に起因する内部欠陥の発生を確実に抑制するた
めには、被覆層の厚さが0.1(μm)以上であることが必要
であるが、融点が低い第2のチタン合金は第1のチタン
合金よりも低強度であることから、その被覆層が拡散接
合の後に残存して機械的強度の低下を招くことを抑制す
るためには、50 (μm)以下とされることが好ましく、特
に、1 〜10 (μm)程度、更には1 〜5(μm)程度の厚さと
されることが一層好ましい。なお、基材をチタンから構
成するのは、接合後の耐蝕性や機械的強度を可及的に高
めるためである。
【0013】
【第1発明の他の態様】ここで、好適には、前記被覆層
は、Ti−Zr−Cu−Ni合金から成るものである。このよう
にすれば、被覆層が被接合材であるチタン合金のα→β
相変態温度よりも低い温度で溶融することから、そのチ
タン合金に対して良好な濡れ性が得られるため、一層高
い接合強度を得ることができる。
【0014】なお、更に好適には、前記被覆層を構成す
るTi−Zr−Cu−Ni合金は、各構成元素がTi≧20(mass%)
、Zr≧20(mass%) 、40(mass%) ≦(Ti+Zr)≦90(mass
%) 、10(mass%) ≦(Cu+Ni)≦60(mass%) を満たすも
のである。
【0015】また、好適には、前記一対の被接合材の接
合界面および前記対向面の表面粗さは、最大高さRmax
で10 (μm)以下である。このようにすれば、接合界面お
よびそれに対向させられる対向面が何れも十分に平滑に
されていることから、接合界面に内部欠陥が発生するこ
とが一層抑制されて、接合後に一層高い機械的強度が得
られる。
【0016】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明のチタン合金の接合方法の要旨
とするところは、前記第1発明のいずれかのチタン合金
接合用介挿部材を用いてチタン合金から成る一対の被接
合材を相互に接合する接合方法であって、(c) 前記一対
の被接合材の接合界面に前記チタン合金接合用介挿部材
を介在させて、それら一対の接合界面を所定圧力で相互
に押圧すると共に、前記第2のチタン合金の融点よりも
高く且つ前記第1のチタン合金のα→β相変態温度より
も低い所定温度に加熱することにより、それら一対の被
接合材を拡散反応によって接合することにある。
【0017】
【第2発明の効果】このようにすれば、一対の被接合材
の接合界面にチタン合金接合用介挿部材を介在させて、
接合界面を相互に押圧すると共に、第2のチタン合金の
融点よりも高く且つ前記第1のチタン合金のα→β相変
態温度よりも低い上記所定温度に加熱することにより、
それら一対の被接合材が拡散反応によって接合される。
そのため、一対の被接合材を接合するに際してそれらの
接合界面に従来のような接合層を形成する処理を必要と
しない。また、接合するために押圧および加熱した際
に、介挿部材に設けられた被覆層が融解させられるた
め、接合界面に生じている凹凸が埋められた状態で、拡
散反応が進んで一対の被接合材が接合させられることか
ら、接合界面の凹凸に起因する内部欠陥が生じない。し
たがって、汎用性が高く且つ高い信頼性でチタン合金を
接合することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
て、各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0019】図1(a) は、本発明の一実施例のチタン合
金の接合方法が適用される接合装置を模式的に示す図で
ある。図において、例えばチタン合金から成る一対の円
柱状部材10a,10b(以下、特に区別しない場合
は、単に円柱状部材10という)は、介挿部材12が端
面14a,14b(以下、特に区別しない場合は、単に
端面14という)間に介在させられた状態で、互いに突
き合わされている。これらの円柱状部材10a,10b
は、固定チャック16aおよび可動チャック16bにそ
れぞれ保持されていると共に、可動チャック16bが固
定チャック16aに向かって図の矢印Aの方向に加圧さ
れることにより、それらの端面14a,14bが介挿部
材12を介して互いに押圧されている。この加圧力は制
御装置18によって制御される。本実施例においては、
上記の円柱状部材10が被接合部材に相当し、端面14
が接合界面に相当する。
【0020】また、円柱状部材10a,10bの端面1
4近傍には、その外周面を覆うように高周波誘導コイル
20が備えられていると共に、その高周波誘導コイル2
0の側方にはその端面14すなわち接合部の温度を高周
波誘導コイル20に設けられた貫通穴を介して測定する
ための放射温度計22が備えられており、何れも上記の
制御装置18に接続されている。上記の高周波誘導コイ
ル20に供給される高周波電力は、その放射温度計22
によって測定された接合部の温度に基づいて制御装置1
8によって制御されており、これにより、接合部の温度
が所望の値に保持される。
【0021】上記の介挿部材12は、図1(b) に示され
るように、例えば純度99.5(mass%)程度のチタンから成
り厚さが50〜200(μm)程度の基材24と、その基材24
の両面すなわち端面14a,14bにそれぞれ対向させ
られる対向面30,30に設けられた、厚さが0.1 〜5
(μm)程度で前記円柱状部材10を構成するチタン合金
のα→β相変態温度よりも低い融点を有するTi−Zr−Cu
−Ni合金から成る被覆層26,26とから構成されてい
る。この被覆層26は、例えば、スパッタリングや蒸着
法等によって基材24上に形成されたものであり、各構
成元素が、Ti≧20(mass%) 、Zr≧20(mass%) 、40(mass
%) ≦(Ti+Zr)≦90(mass%) 、10(mass%)≦(Cu+Ni)
≦60(mass%) を満たした組成になっている。なお、介挿
部材12は、一対の円柱状部材10a,10bの端面1
4a,14bの形状に対応して、図における上面および
下面がそれら一対の端面14a,14bに突き合わされ
るように同様な形状に形成されている。したがって、本
実施例においては、円柱状部材10を構成するチタン合
金が第1のチタン合金に、被覆層26をこうせいするチ
タン合金(Ti−Zr−Cu−Ni合金)が第2のチタン合金に
それぞれ相当する。
【0022】以上のように構成された接合装置を用いて
円柱状部材10a,10bを接合するに際しては、先
ず、円柱状部材10の表面粗さを例えば最大高さRmax
で10 (μm)以下程度に研磨加工する。そして、図1(a)
に示されるように、固定チャック16aおよび可動チャ
ック16bによって、円柱状部材10a,10bをそれ
ぞれ保持し、端面14a,14bに介挿部材12が介在
させられた状態で可動チャック16bを図の矢印Aの方
向に所定の加圧力で加圧する。このとき、端面における
加圧力は5 〜8(MPa)程度である。更に、高周波誘導コイ
ル20をその端面14近傍に配置し、且つ放射温度計2
2を所定の位置に設けた状態で、図示しないガス供給装
置を用いて高周波誘導コイル20内部に非酸化性ガスを
導入することによって端面14近傍を例えばアルゴン
(Ar)、ヘリウム(He)等の非酸化性雰囲気とする。ま
たは、高周波誘導コイル20と被接合材である円柱状部
材10との間をシーリングし、例えば10-4(Torr)程度の
真空雰囲気とする。
【0023】そして、例えば制御装置18に設けられた
図示しない起動スイッチを操作することにより、その制
御装置18内に設けられた図示しない高周波電源から高
周波誘導コイル20に例えば周波数が200(kHz)以下の所
定の高周波電力が印加されて、端面14近傍が加熱され
る。このとき、その端面14近傍の温度は、放射温度計
22で測定されており、その測定温度に基づいて制御装
置18が高周波電源を制御することにより、その端面1
4近傍の温度が例えば900 〜950(℃) 程度の所定の接合
温度に保持される。これにより、円柱状部材10と介挿
部材12との間で相互に拡散反応が生じて、例えば1000
〜1500秒程度の所定時間、上記温度に保持することによ
って、その突き合わせ部近傍にチタン合金の組成が僅か
に変化させられた拡散領域28が形成され、一体に接合
された円柱状部材10が得られるのである。なお、上記
所定の接合温度は、円柱状部材10を構成するチタン合
金のα→β相変態温度よりも低く、且つ被覆層26を構
成するチタン合金の融点によりも高くなるように、例え
ば、前者の温度よりも数十乃至百 (℃) 程度低い温度に
設定される。
【0024】ここで、以下の表1乃至表3は、上記の接
合方法によって種々の材料から成る円柱状部材10(す
なわち被接合材)を接合した結果を接合条件と合わせて
示すものである。なお、下記の表において、総合評価欄
が「○」のものは本実施例であり、「×」のものは比較
例である。また、被接合材欄で「Grade 5 」、「Grade
6 」および「Grade 9 」はASTM B265 に規定されている
チタン合金である。これらのチタン合金のα→β相変態
温度は、それぞれ993(℃) 、1038 (℃) 、935(℃) であ
る。また、円柱状部材10および基材24の表面粗さ
は、何れも最大高さRmax (μm)で表した値である。ま
た、引張強度比および衝撃強度比は、それぞれの測定値
を接合処理を経ていない円柱状部材10すなわちチタン
合金母材における測定値を1とした場合の比で表したも
のである。また、破断位置の欄において「母材」は、接
合界面以外の部分で破断したことを示す。
【0025】
【表1】
【0026】上記の表1において、No.1は介挿部材12
を用いず、端面14a,14bを直接突き合わせて接合
したものである。そのため、拡散反応が十分に進まず、
また、接合部に端面14の凹凸に起因する内部欠陥が生
じることから、その接合部が低強度である。また、No.2
は、基材24として銅(Cu)を用いたものであるが、銅
はチタンに比較して低強度であることから、この場合に
も接合部が低強度となる。また、No.3は、基材24がチ
タンから成る介挿部材12を用いて接合したものである
が、被覆層26の厚さが0.05 (μm)程度と薄いことか
ら、チタン合金から成る円柱状部材10の端面14の凹
凸が十分に埋められず、接合部に内部欠陥が生じて同様
に低強度となったものである。
【0027】これに対して、本実施例のNo.4,5,6は、基
材24がチタンから成ると共に被覆層26の厚さが0.1
(μm)或いは5(μm)程度と十分に厚い介挿部材12が用
いられていることから、基材24の強度が十分に高く、
且つ円柱状部材10の端面14に形成されている凹凸が
溶融した被覆層26によって十分に埋められた状態で接
合されて内部欠陥が生じ難いため、引張強度および衝撃
強度が何れも接合していないチタン合金母材と同様な高
い値を示した。したがって、基材24としてはチタンを
用いることが必要であると共に、被覆層の厚さは0.1(μ
m)以上であることが必要である。なお、加熱方法は、図
1(a) に示されるように誘導加熱による他、上記表1に
示されるように真空炉中で加熱する方法によることもで
きる。また、被覆層26はスパッタリングに代えて蒸着
によって形成されても良い。
【0028】
【表2】
【0029】また、表2は、円柱状部材10の材質およ
び表面粗さ、基材24の厚さや表面粗さ、被覆層26の
組成等を種々変更したものであるが、本発明の一実施例
であるNo.7,8においては、何れも接合していないチタン
合金母材と同様な強度が得られている。すなわち、本実
施例は、各種の組成のチタン合金に適用することが可能
であり、円柱状部材10および基材24の表面荒さはR
max =10 (μm)程度とされてもよい。なお、表面粗さが
粗くされる場合には、No.8に示されるように加圧力を高
めに設定すると共に、加熱時間を長くすることが好まし
い。なお、このとき、加圧力を高くし過ぎると円柱状部
材10が変形し得ることから、加圧力は十分な接合強度
が得られる範囲で可及的に低くすることが望ましい。
【0030】また、被覆層26の組成は、前記表1およ
び上記表2のNo.4〜No.8に示されるように、Tiが35〜45
(mass%) 、Zrが20〜45(mass%) 、Ti+Zrが65〜75(mass
%) 、Cu+Niが25〜35(mass%) 程度の範囲で適宜変更さ
れても同様な効果が得られる。
【0031】また、加熱時の雰囲気は、No.7,8に示され
るようにAr或いはHe雰囲気とすることができる。また、
加熱方法としては、No.8に示されるように円柱状部材1
0aと10bとの間に電流を流すことによって接合部を
加熱する通電加熱によってもよい。
【0032】これに対して、比較例であるNo.9において
は、接合温度が円柱状部材10を構成するチタン合金の
α→β相変態温度を越えていることから、その円柱状部
材10を構成するチタン合金が相変態させられて低強度
となっている。また、No.10は、介挿部材12の基材2
4の厚さが300(μm)程度と厚くされたものである。この
ため、基材24が厚過ぎることから、接合後に拡散領域
28中にチタン層が残存することとなって低強度となっ
ている。
【0033】すなわち、図3に示されるように、接合後
の円柱状部材10の引張強度は、基材24の厚さdが所
定の臨界厚さdc 以下の範囲では母材強度(すなわち接
合前の強度)に維持されるが、その臨界厚さdc を越え
ると次第に低下する傾向にある。前述のように、拡散接
合においては、基材24の近傍の所定範囲にチタン合金
の組成が変化させられた拡散領域28が形成される。こ
の場合において、基材24の厚みが比較的薄い場合に
は、基材24全体に拡散領域28が形成されることか
ら、接合部の引張強度は母材強度と殆ど同様となるが、
厚過ぎると拡散領域28中に基材24を構成するチタン
層が残存することとなる。そのため、引張強度や衝撃強
度等の機械的強度が低下させられるのである。上記臨界
厚さdc は、円柱状部材10を構成するチタン合金の組
成(すなわち組成によって決定される機械的強度)に応
じて異なるものであるが、本実施例に示されるチタン合
金においては200(μm)程度であることから、上記のよう
に厚さが300(μm)程度となると強度が低下させられるの
である。
【0034】また、No.11,12は円柱状部材10の端面1
4或いは基材24の対向面30の表面粗さがRmax =15
(μm)程度とされたものであるが、何れも接合部に内部
欠陥が生じて低強度となった。これらは接合処理時の加
圧力を8(MPa)程度と高くして処理しているが、それにも
拘わらず、十分な強度は得られなかった。すなわち、内
部欠陥を発生させないためには、これらの表面粗さは、
何れもRmax ≦10 (μm)とされることが望ましい。
【0035】要するに、本実施例においては、厚さが20
0(μm)以下で円柱状部材10等の被接合材の端面14に
対向させられる一対の対向面30,30を有するチタン
から成る基材24と、円柱状部材10を構成するチタン
合金のα→β相変態温度よりも低い融点を有するチタン
合金から成り、その基材24のそれら一対の対向面30
に0.1 〜5(μm)程度の厚さでそれぞれ設けられた被覆層
26とから介挿部材12が構成される。そのため、この
介挿部材12を用いて円柱状部材10を接合するに際し
て、加熱すると共に一対の円柱状部材10を相互に押圧
すると、円柱状部材10と基材24との間に介在させら
れた被覆層26が融解させられて、その円柱状部材10
の端面14に生じている凹凸を埋めることとなる。した
がって、拡散反応に基づいて接合される場合に、端面1
4の凹凸に起因して内部欠陥が発生することが抑制され
て、高い機械的強度を得ることができる。しかも、円柱
状部材10の端面14に被覆層26やチタン層を設ける
必要がない。したがって、高い汎用性と高い信頼性でチ
タン合金を接合できる介挿部材12が得られる。
【0036】しかも、被覆層26を構成するチタン合金
は、円柱状部材10を構成するチタン合金よりも低強度
であることから、接合後に拡散領域28内に残存すると
機械的強度の低下を招くこととなるが、本実施例におい
てはその被覆層26は5(μm)以下とされていることか
ら、一層機械的強度の低下を抑制して高い強度を保つこ
とができる。
【0037】また、本実施例においては、被覆層26は
Ti−Zr−Cu−Ni合金から成るものであり、特に、各構成
元素がTiが35〜45(mass%) 、Zrが20〜45(mass%) 、Ti+
Zrが65〜75(mass%) 、Cu+Niが25〜35(mass%) 程度の範
囲にあるものである。そのため、被覆層26が円柱状部
材10を構成するチタン合金のα→β相変態温度よりも
低い温度で溶融することから、そのチタン合金に対して
良好な濡れ性が得られるため、一層高い接合強度を得る
ことができる。
【0038】また、本実施例においては、円柱状部材1
0の端面14およびその端面14に対向させられる介挿
部材12の対向面30の表面粗さは、最大高さRmax
10 (μm)以下である。そのため、端面14およびそれに
対向させられる対向面30が何れも十分に平滑にされて
いることから、接合界面に内部欠陥が発生することが一
層抑制されて、接合後に一層高い機械的強度が得られ
る。
【0039】また、本実施例においては、一対の円柱状
部材10a,10bの端面14a,14bに介挿部材1
2を介在させて、端面14a,14bを相互に押圧する
と共に、被覆層26を構成するチタン合金の融点よりも
高く且つ円柱状部材10を構成するチタン合金のα→β
相変態温度よりも低い所定温度に加熱することにより、
それら一対の円柱状部材10a,10bが拡散反応によ
って接合される。そのため、一対の円柱状部材10a,
10bを接合するに際してそれらの端面14に接合層す
なわち介挿部材12に相当する層を形成する処理を必要
としない。また、接合するために押圧および加熱した際
に、介挿部材12に設けられた被覆層26が融解させら
れるため、端面14に生じている凹凸が埋められた状態
で、拡散反応が進んで一対の円柱状部材10a,10b
が接合させられることから、端面14の凹凸に起因する
内部欠陥が生じない。したがって、汎用性が高く且つ高
い信頼性でチタン合金から成る円柱状部材10を接合で
きる。
【0040】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0041】例えば、実施例においては、介挿部材12
の基材24の厚さが100 〜200(μm)程度とされていた
が、更に薄くされても差し支えない。但し、薄くなる程
取扱いが困難となるため、100(μm)程度以上とされるこ
とが好ましい。
【0042】また、実施例においては、基材24の表面
粗さがRmax =2 〜10 (μm)程度とされていたが、更に
平滑にされていてもよい。
【0043】また、実施例においては、被覆層26がス
パッタリング或いは蒸着法によって形成されていたが、
イオンプレーティング法等の他の膜形成技術によって設
けられてもよい。
【0044】また、実施例においては、被覆層26を構
成するTi−Zr−Cu−Ni合金は、各構成元素がTiが35〜45
(mass%) 、Zrが20〜45(mass%) 、Ti+Zrが65〜75(mass
%) 、Cu+Niが25〜35(mass%) 程度の範囲とされていた
が、これらの組成はTi≧20(mass%) 、Zr≧20(mass%) 、
40(mass%) ≦(Ti+Zr)≦90(mass%) 、10(mass%) ≦
(Cu+Ni)≦60(mass%) を満たす範囲で更に異なるもの
とされても良い。
【0045】また、実施例においては、円柱状部材10
の接合に本発明が適用された場合について説明したが、
本発明は、他の種々の形状のチタン合金の接合にも同様
に適用される。例えば、円筒状部材の接合や板状部材の
接合等にも同様に適用される。なお、それらの場合に
は、端面の形状に応じて、介挿部材12の端面形状すな
わち対向面30の形状が適宜変更される。
【0046】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の一実施例の接合方法が適用され
る接合装置の構成を示す模式図であり、(b) はその接合
方法に適用される介挿部材を拡大して示す図である。
【図2】図1の接合装置によって接合された後の円柱状
部材を示す図である。
【図3】介挿部材の基材の厚さと接合後の円柱状部材の
引張強度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10:円柱状部材 12:介挿部材 14:端面(接合界面) 24:基材 26:被覆層 30:対向面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のチタン合金から成る一対の被接合
    材を互いに押圧すると共に加熱することにより拡散反応
    に基づいて相互に接合するに際して、該一対の被接合材
    の接合界面に介在させられるチタン合金接合用介挿部材
    であって、 厚さが200(μm)以下のチタンから成り、前記接合界面に
    対向させられる一対の対向面を有する基材と、 前記第1のチタン合金のα→β相変態温度よりも低い融
    点を有する第2のチタン合金から成り、該基材の該一対
    の対向面に0.1(μm)以上の厚さでそれぞれ設けられた被
    覆層とから成ることを特徴とするチタン合金接合用介挿
    部材。
  2. 【請求項2】 前記被覆層は、Ti−Zr−Cu−Ni合金から
    成るものである請求項1のチタン合金接合用介挿部材。
  3. 【請求項3】 前記被覆層を構成するTi−Zr−Cu−Ni合
    金は、各構成元素がTi≧20(mass%) 、Zr≧20(mass%) 、
    40(mass%) ≦(Ti+Zr)≦90(mass%) 、10(mass%) ≦
    (Cu+Ni)≦60(mass%) を満たすものである請求項2の
    チタン合金接合用介挿部材。
  4. 【請求項4】 前記一対の被接合材の接合界面および前
    記対向面の表面粗さは、最大高さRmax で10 (μm)以下
    である請求項1乃至3のいずれかのチタン合金接合用介
    挿部材。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかのチタン合金
    接合用介挿部材を用いてチタン合金から成る一対の被接
    合材を相互に接合する接合方法であって、 前記一対の被接合材の接合界面に前記チタン合金接合用
    介挿部材を介在させて、該一対の接合界面を所定圧力で
    相互に押圧すると共に、前記第2のチタン合金の融点よ
    りも高く且つ前記第1のチタン合金のα→β相変態温度
    よりも低い所定温度に加熱することにより、該一対の被
    接合材を拡散反応によって接合することを特徴とするチ
    タン合金の接合方法。
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