JPH09314420A - 放電加工機用電源装置およびその制御方法 - Google Patents

放電加工機用電源装置およびその制御方法

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JPH09314420A
JPH09314420A JP13640096A JP13640096A JPH09314420A JP H09314420 A JPH09314420 A JP H09314420A JP 13640096 A JP13640096 A JP 13640096A JP 13640096 A JP13640096 A JP 13640096A JP H09314420 A JPH09314420 A JP H09314420A
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宗雅 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工中の被加工物への電解や電蝕等の発生を
防止するとともに、極間が狭くなったとき電極や被加工
物への電流集中による損傷を低減し、かつ、高速加工を
可能にし、加工処理効率を向上させること。 【解決手段】 出力電圧値を可変することができる、少
なくとも1つの直流電源3と、該電源3の極間に対する
電圧印加を開閉制御する、少なくとも1つのスイッチン
グ素子6と、該素子6のオフタイムに直流電源3に対し
逆極性電圧を印加する直流電源5と、極間の平均加工電
圧を検出する放電検出回路22と、放電検出回路22の
出力により平均加工電圧が零となるようにスイッチング
素子6のオフタイムを制御し、逆極性電圧の印加時間の
下限値を設定し、正極性側の、少なくとも1つの電圧印
加時間に応じて下限値を制御する発振回路11を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電加工機用電源
装置およびその制御方法に関し、特に、放電加工処理中
において極間が急激に狭くなったとき、極間に流れる電
流値を制御する放電加工機用電源装置およびその制御方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7および図8は、従来における放電加
工機用電源装置の回路構成を示すものであり、特に、加
工処理中における被加工物への電解や電蝕等の発生を防
止するために、加工用電極と被加工物との間に両極性の
電圧を印加するようにした放電加工機用電源装置の一例
である。
【0003】図7において、1は加工用電極、2は加工
用電極1に対向配置される被加工物、3は電圧値を可変
することができる第1の直流電源、4は第2の直流電
源、5は電極1と被加工物2との間、すなわち、極間に
逆電圧を印加する第3の直流電源、6は直流電源3の極
間への電圧印加を開閉制御する第1のスイッチング素
子、7は直流電源4の極間への電圧印加を開閉制御する
第2のスイッチング素子、8は直流電源5の極間への電
圧印加を開閉制御する第3のスイッチング素子である。
【0004】また、9、10はそれぞれ第1、第3の直
流電源3、5より供給される電流を制限する電流制限抵
抗器、11はスイッチング素子6を開閉制御する発振回
路、12はスイッチング素子7を開閉制御するワンショ
ットマルチバイブレータ、13はスイッチング素子8を
開閉制御する論理積ゲート、14はワンショットマルチ
バイブレータ12へのトリガ入力を制御する論理積ゲー
ト、15、16、17、18はそれぞれ分圧抵抗器、1
9は電圧平滑用のコンデンサ、20、21は分圧抵抗器
16、18の両端に生ずる電圧を増幅する差動増幅器、
22は放電検出回路、23はコンパレータ、24、25
は各直流電源3、4に対する逆流防止用のダイオードで
ある。
【0005】図8は、図7に示した第1のスイッチング
素子6を開閉制御する発振回路11内部を示す回路図で
ある。図において、26は加工開始パルス発生器であ
り、加工オンのとき“1”、オフのとき“0”を出力す
る。27は初期設定値記憶部、28はアップダウンカウ
ンタ、29はクロックパルス発生器、30は発振回路1
1の出力11T1が“0”になる時間であるオフタイム
を設定するオフタイム設定器、31はインバータ、3
2、33はそれぞれ論理積ゲートである。
【0006】つぎに、上記従来における放電加工機用電
源装置の動作について説明する。放電検出回路22は、
極間での放電の発生の有無を極間の電圧変化によって判
別し、その判別結果を出力するように構成されている。
一般に、極間に電圧を印加した場合、極間に放電が発生
していないときには極間の電圧は印加電圧を維持する
が、放電が発生すると極間の電圧は20V前後に低下す
る。
【0007】放電検出回路22は、その入力電圧Eiを
比較するための基準電圧Etを有し、Ei<Etのとき
に出力22Tは“1”となり、反対に、Et<Eiのと
きに出力22Tは“0”となる。すなわち、放電検出回
路22は、極間に放電が発生していないときには出力は
“0”となり、極間に放電が発生すると出力が“1”と
なるように構成されている。
【0008】コンパレータ23は、差動増幅器21の出
力により極間の平均加工電圧がOV以上か、あるいは以
下かについて判別し、極間の平均加工電圧が0V以上で
あれば“1”、0V以下であれば“0”をそれぞれ出力
する。また、極間の平均加工電圧はコンデンサ19によ
り平滑された後、判別装置としての差動増幅器21に入
力される。
【0009】また、発振回路11は11T1,11T2
の2出力を有する。11T1は状態が“1”になった
後、11T2と放電検出回路22の出力22Tの両方が
“1”になったとき、一定の遅れ時間Toff2の後
“0”状態となり、設定されたオフタイムの間“0”状
態を持続するパルス信号で、第1のスイッチング素子6
を駆動する。一方、11T2は11T1が“1”になる
のをトリガーとして、一定時間Toff1の間“0”と
なるワンショット信号である。
【0010】また、ワンショットマルチバイブレータ1
2は論理積ゲート14の出力14Tが“1”になること
によりトリガ入力され、一定時間Ton2の間出力が
“1”となり、第2のスイッチング素子7をON状態に
する。さらに、論理積ゲート13は発振回路11の出力
11T1が“0”のときで、かつ、ワンショットマルチ
バイブレータ12の出力12Tが“0”のときのみ第3
のスイッチング素子8をON状態に設定する。
【0011】つぎに、図7、図8示した回路の動作を、
図9に示すタイミングチャートを参照しながら説明す
る。図9中で、極間の電流波形、電圧波形はそれぞれI
g、Egで示されており、電圧波形Eg中の電圧値E4
は、放電検出回路22の基準電圧Etに対応する極間電
圧値である。
【0012】まず、発振回路11の出力11T1が
“1”になり、スイッチング素子6をオンして上記極間
に直流電源3より電圧値E1 の電圧が印加される。出力
11T1が“1”になってから一定の遅延時間Toff
1経過後、放電検出回路22の出力22Tによって、上
記第2のスイッチング素子7がオンまたはオフの何れか
の状態に設定される。
【0013】すなわち、発振回路11の出力11T1が
“1”になってから遅延時間Toff1経過後、放電検
出回路22の出力22Tが“1”になると、すなわち、
直流電源3の極間への印加により放電が誘発され極間電
圧EgがEg<E4 となるか、出力11T1が“1”に
なってから遅延時間Toff1経過後、すでに放電検出
回路22の出力22Tが“1”になっていれば、換言す
ると、すでに極間で放電が発生し極間電圧EgがEg<
E4 になっていれば、ワンショットマルチバイブレータ
12の出力12Tが“1”となり、スイッチング素子7
がオンし、第2の高電圧を有する直流電源4がほとんど
制限抵抗器を介さずに極間に印加されるので、直流電源
3の極間への印加により誘発された放電が大きなエネル
ギーを有する直流電源4による放電に引き継がれ、その
放電がワンショットマルチバイブレータ12の出力12
Tの出力持続時間Ton2間だけ受け継いで持続され
る。
【0014】また、この直流電源4による放電がワイヤ
放電加工機の加工エネルギーの大部分を占めているの
で、直流電源4を加工エネルギーを供給する電源、ある
いは、直流電源3の放電を誘発する電源と表現すること
もできる。
【0015】つぎに、出力12Tが“0”になると、す
でに出力11T1は“0”になっているので、論理積ゲ
ート13の出力13Tは“1”になりスイッチング素子
8をONし、極間に第3の直流電源5によって決まる逆
極性電圧が印加される。さらに、出力11T1が設定さ
れたオフタイムのTOFFの間“0”状態となった後、
再び“1”になると13Tは“0”となりスイッチング
素子8がオフし、同時にスイッチング素子6がオンし
て、極間に直流電源3から電圧が再印加される。
【0016】さらに、出力11T1が“0”となるオフ
タイムTOFFの制御方法を説明する。コンパレータ2
3の出力23Tは、極間の平均加工電圧が0V以上であ
れば“1”、0V以下であれば“0”である。つぎに、
出力23Tとクロックパルス発生器29からの出力29
Tの論理積ゲート32の出力はアップダウンカウンタ2
8のアップクロックUに入力される。また、出力23T
のインバータ31を介した後の出力と出力29Tとの論
理積ゲート33の出力はアップダウンカウンタ28のダ
ウンクロックDに入力される。
【0017】アップダウンカウンタ28では、加工開始
パルス発生器26の出力26Tが“0”のとき、初期設
定値記憶部27の出力値M1、M2、M3・・・Mnが
カウンタにロードされ、加工指令器の出力が“1”とな
った後はアップクロックの入力信号によりカウンタ値を
カウントアップし、また、ダウンクロックの入力信号に
よりカウントダウンされる。すなわち、極間の平均加工
電圧が0V以上であれば出力23Tは“1”であるの
で、出力29Tのアップエッジに同期してアップダウン
カウンタ28のカウンタ値はカウントアップされ、逆に
極間の平均加工電圧が0V以下であれば、出力23Tは
“0”であるので出力29Tのアップエッジに同期して
アップダウンカウンタ28のカウンタ値はカウントダウ
ンされる。
【0018】そして、アップダウンカウンタ28の出力
値Q1、Q2、Q3・・・Qnがオフタイム設定器30
に送られ、発振回路11のオフタイムTOFFが設定さ
れる。以上の動作によって、平均加工電圧が0V以上の
ときはオフタイムを増加させ、0V以下のときはオフタ
イムを減少させるように制御される。
【0019】このように、第1、第2のスイッチング素
子6、7による放電パルスが終了したオフタイム中に第
3のスイッチング素子8がONし、加工間隙に逆電圧が
印加され、さらに平均加工電圧を零とするように、第1
のスイッチング素子6のオフタイムを制御することによ
り逆電圧の印加時間を制御している。
【0020】従来における放電加工機用電源装置は以上
のように構成されているので、極間距離が急激に狭くな
ったときなどは、極間に多量の電流が流れ、ワイヤ放電
加工機にあっては電極であるワイヤの断線を引き起こし
たり、被加工物の加工面にスジを発生させたりするなど
の問題点があった。
【0021】なぜなら、図7において、極間への逆電圧
の印加時間、換言すると、発振回路11の出力11T1
のオフタイムは、極間の平均電圧を用いて自動制御され
ている。ここで、極間の平均電圧を検出する差動増幅器
21への入力は、コンデンサ19により積分処理されて
いるため、時定数を有して平滑されたものとなる。さら
に、発振回路11の出力11T1のオフタイムには、下
限値を有しておらず、スイッチング素子7のONする時
間を加工処理中に制御する手段がないからである。
【0022】例えば、図10は極間が急激に狭くなった
ときの、極間及び、図7に示した放電加工機各部の信号
を示すものである。図10において、図9と同一の符号
については同一または相当部分を示している。
【0023】図に示されるように、極間の平均電圧が0
V以下で、極間が急激に狭くなり短絡したときなどは、
差動増幅回路21の出力21Tは、極間短絡後もしばら
く0V以下の値であるため、極間への逆電圧の印加時間
は短くなり続け、高電圧を有する直流電源4により多量
の電流が極間に供給されることになる。
【0024】このような問題点を低減するために、上記
発振回路11のオフタイムに下限値を設けたり、スイッ
チング素子7のオン時間に制限を加えたりする技術が特
開平7−9256号公報に開示されている。
【0025】図11〜図15のそれぞれは、特開平7−
9256号公報に示される従来の放電加工機を示すもの
である。
【0026】まず、従来例として、逆極性の電圧の印加
時間に下限値を持たせ、極間に流れる電流に制限を加え
る従来技術について図11と図12を用いて説明する。
図11は、図7に示した発振回路11の内部において、
スイッチング素子6のオフする時間を制御する部分を示
したものである。図11、図12において、図8、図9
と同一の符号については同一または相当部分を示してい
る。
【0027】図11は、加工開始パルス発生器26から
論理積ゲート33までは図8と同一でスイッチングタイ
ムのオフタイムを設定する手段である。34は図1にお
ける直流電源3の電圧値を記憶し、電圧値に対応したデ
ジタルデータを出力するE1電圧値記憶部、35はE1
電圧値記憶部34からのデジタルデータをもとにプログ
ラムされたデジタルデータを出力するオフタイム下限値
設定器、36はオフタイム下限値設定器35から入力さ
れるデジタルデータと、アップダウンカウンタ28から
入力されるデジタルデータとを比較し、データが一致し
たとき出力値36Tが“0”となる一致比較回路であ
り、その出力“0”を論理積ゲート33に入力すること
によりオフタイムの下限値を制御する。
【0028】つぎに動作について説明する。電圧値E3
の直流電源4の極間への印加を制御するスイッチング素
子7の動作、および、逆極性の電圧値E2 を有する直流
電源4の極間への印加を制御するスイッチング素子8
は、発振回路11の出力11T1とワンショットマルチ
バイブレータ12の出力12Tの論理積ゲート13の論
理積出力13Tによって制御されることは前述の技術と
同様なので、発振回路11の出力11T1のオフタイム
の制御方法を中心に説明する。
【0029】図11において、上記技術同様、判別装置
としてのコンパレータ23の出力23Tとクロックパル
ス発生器29からの出力29Tの論理積ゲート32を介
しての論理積出力はアップダウンカウンタ28のアップ
クロックUに入力される。また、コンパレータ23の出
力23Tのインバータ31の出力と、クロックパルス発
生器29からの出力29Tと、一致比較回路36からの
出力36Tとが論理積ゲート33に入力され、その論理
積出力はアップダウンカウンタ28のダウンクロックD
に入力される。
【0030】アップダウンカウンタ28では、加工開始
パルス発生器26の出力26Tが“0”のとき、“0”
は非加工中を、“1”は加工中を意味するが、初期設定
値記憶部27の出力値M1、M2、M3・・・Mnがア
ップダウンカウンタ28にロードされ、加工開始パルス
発生器26の出力が“1”となった時点でアップクロッ
ク入力信号によりカウンタ値をカウントアップし、ま
た、ダウンクロック入力信号によりカウントダウンされ
る。
【0031】そして、カウンタ出力値Q1、Q2、Q3
・・・Qnがオフタイム設定器30に送られ、発振回路
11のオフタイムTOFFが設定される。一方、すでに
述べたが、E1 電圧値記憶部34は図7における直流電
源3の電圧値に対応したデジタルデータを、加工開始パ
ルス発生器26の出力が“1”となった時点でオフタイ
ム下限値設定器35に出力する。同時に、オフタイム下
限値設定器35はE1電圧値記憶部34からのデジタル
データをもとにプロブラムされたデジタルデータを一致
比較回路36に出力する。
【0032】ここで、電圧値E1 の値が大きくなるほ
ど、オフタイムの下限値は大きくなり、電圧値E1 の値
に比例して大きくなる2進数(M1,M2,M3・・・
Mn)に対し、その値に一定の係数をかけた値、あるい
は、その値に一定の定数を足した値を2進数としてオフ
タイム下限値設定器35から出力される。また、オフタ
イム下限値設定器35として、プログラマブルIC等が
利用されている。一致比較回路36はオフタイム下限値
設定器35から入力されるデジタルデータと、アップダ
ウンカウンタ28から入力されるデジタルデータとを比
較し、データが一致したとき出力値36Tを“0”にす
る。この36Tが“0”の間は論理積ゲート33の出力
は常に“0”であり、アップダウンカウンタ28がカウ
ントダウンされることはない。
【0033】以上の動作によって、オフタイムは平均加
工電圧が0V以上のときは増加し、0V以下のとき減少
するように制御されるが、オフタイム下限値設定器35
で設定された下限値より小さくなることはない。
【0034】つぎに、極間が急激に狭くなったときの状
態を、図12を用いて説明する。図において、Eg、I
gはそれぞれ極間の電圧波形、電流波形である。他の記
号で示される信号は、図7および図11中の同一記号の
部位と同一の信号である。極間の状態は上記従来の技術
の説明に用いた図10に示したものと同じ状態であると
する。すなわち、図12における極間の電圧波形Egか
らクロックパルス発生器29の出力29Tまでの信号
は、図10におけるそれらと同じになる。また、オフタ
イムの下限値は、図12中にOFFminで示される値
であるとする。
【0035】図12より、極間が短絡してなお極間の平
均電圧21T1が0V以下であっても、発振回路11の
出力11T1のオフする時間はOFFmin以下にはな
らないため、逆電圧を印加する時間、すなわち、論理積
ゲート13の出力13Tのオンする時間はOFFmin
以下にはならない。
【0036】また、逆電圧側の電流制限抵抗器10は、
逆電圧側の放電が電極の消耗を助長するため一般に正電
圧側の電流制限抵抗器9に比較して大きな値のものが使
用されるので、極間に正逆いずれかの電圧が常に印加さ
れる放電加工機にあっては、逆電圧を印加する時間を大
きくするほど極間に流れる電流に制限を加えられる。す
なわち、極間が急激に狭くなった際、逆電圧側の印加時
間に下限値を設けることにより、また、正電圧側の放電
を誘発する側の電源電圧値が大きくなれば、その下限値
を大きくすることにより極間に流れる電流に制限を加え
ている。
【0037】つぎに、正極性の電圧の印加時間に制限を
持たせ、極間に流れる電流に制限を加える方法について
図13〜図15を用いて説明する。
【0038】図13は、図7に示した装置に極間電圧検
出回路37と、論理積ゲート47とを追加したものであ
る。スイッチング素子6をオフ状態にする信号に関連す
る発振回路11の内部は、図7に示したものと同一であ
る。図13において、図7と同一の符号については同一
または相当部分を示している。
【0039】図14は、図13に示した極間電圧検出回
路37の一例を示したものである。図において、38は
分圧抵抗器17、18によって分圧された極間電圧を平
滑するコンデンサ、39〜42はそれぞれコンデンサ3
8によって平滑された極間電圧を全波整流するダイオー
ド、43〜44はそれぞれ抵抗器、46は抵抗器44、
45によって設定された基準電圧E5 と、抵抗器43に
よって決まる極間電圧の全波整流された値とを比較し、
“0”あるいは“1”を出力するコンパレータである。
【0040】つぎに動作について説明する。電圧値E1
の直流電源3の極間への印加を制御するスイッチング素
子6、および、逆極性の電圧値E2 を有する直流電源5
の極間への印加を制御するスイッチング素子8の制御は
上記従来の技術と同様なので、電圧値E3 の直流電源4
の極間への印加を制御するスイッチング素子7を制御す
るワンショットマルチバイブレータ12の出力12Tの
制御方法を中心に説明する。
【0041】図14に示される極間電圧検出回路37
は、加工用電極1と被加工物2との間における加工間隙
の電気的状態の変化を分圧抵抗器器18の両端に現われ
る電圧に基づいて判別し、“0”、“1”のデジタル出
力を出力するように構成されており、極間が正常な放電
状態であれば“1”を、極間が異常に狭くなれば“0”
を出力する。極間電圧平滑用のコンデンサ38は、オフ
タイム制御のために極間電圧を平滑している。例えば、
図4に示したコンデンサ19と比較すると、容量は小さ
く、平滑の時定数も小さく設定されている。
【0042】従って、コンパレータ46では、極間電圧
が小さな時定数で平滑されたのち全波整流されたものE
6 と、正の基準電圧E5 とが比較される。コンパレータ
46は、極間が正常な放電状態でE5<E6が成立すれ
ば“1”を出力し、極間が異常に狭くなり極間電圧が低
くなり、その結果、E5>E6が成立すれば“0”を出
力するよう正の基準電圧E5 が設定されている。
【0043】図13において、ワンショットマルチバイ
ブレータ12の出力12Tは、発振回路11の出力11
T2と、放電検出回路22の出力22Tと、極間電圧検
出回路37の出力37Tとの論理積によって制御され
る。
【0044】したがって、発振回路11の出力11T1
がオン状態になった後、Toff1の時間の経過後、発
振回路11の出力11T2がオン状態を維持し、かつ、
極間が正常な放電状態で極間電圧検出回路37の出力が
“1”のとき、極間電圧EgがEg>E4の状態からE
g<E4の状態に変化することにより、すなわち、放電
検出回路22の出力22Tが“0”から“1”に変化す
ることによってのみ、ワンショットマルチバイブレータ
12にトリガーがかかり、スイッチング素子7がオン状
態になる。したがって、極間が異常に狭くなったときに
はスイッチング素子7がオン状態になることはない。
【0045】つぎに、極間が急激に狭くなったときの状
態を、図15を用いて説明する。図において、Eg、I
gはそれぞれ極間の電圧波形、電流波形である。他の記
号で示される信号は、図12、図15中に示した同一記
号の部位の信号である。極間の状態は上記の従来の技術
の説明に用いた図10に示したものと同一の状態である
とする。
【0046】すなわち、図15における極間の電圧波形
Egから放電検出回路22の出力22Tまでの信号は、
図10に示したものと同じになる。図15より、極間が
短絡してなお極間の平均電圧21T1が0V以下の場
合、発振回路11の出力11T1のオフする時間は減少
を続けるが、極間電圧検出回路37は小さな時定数で極
間の短絡を検出し、スイッチング素子7がオン状態にな
らないようにインターロックをかけている。すなわち、
極間が急激に狭くなったとき、直流電源4の印加を完全
に停止させることにより、極間を流れる電流に制限を加
えている。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】従来における放電加工
用電源装置は、以上のように構成されているので、極間
距離が急激に狭くなり、極間での電流制限が不十分な場
合には、ワイヤ放電加工機にあっては電極であるワイヤ
の断線を引き起こしたり、被加工物の加工面にスジを発
生させたりするなどの問題点があり、極間での電流制限
を過剰に行った場合には、極間での短絡がなかなか解消
せず加工速度が低下するなどの問題点があった。
【0048】これは、極間が急激に狭くなった際、逆電
圧側の印加時間に下限値を設けることにより、また、正
電圧側の放電を誘発する側の直流電源3の電圧値が大き
くなれば、その下限値を大きくすることにより、極間に
流れる電流に制限を加えるような装置にあっては、例え
ば、放電エネルギーの大部分を占める正電圧側の直流電
源4の印加時間が長いにもかかわらず、直流電源3の電
圧値が小さい場合には逆電圧側の印加時間に下限値が小
さくなるので、極間が急激に狭くなった際の極間を流れ
る電流の制限が十分ではなくなり、ワイヤ放電加工機で
はワイヤの断線を引き起こす場合があった。
【0049】同装置においては、逆に、放電エネルギー
の大部分を占める正電圧側の直流電源4の印加時間が短
いにもかかわらず、直流電源3の電圧値が大きい場合に
は逆電圧側の印加時間に下限値が大きくなるので、極間
が急激に狭くなった際の極間を流れる電流の制限が必要
以上であるため、加工速度が低減してしまう。
【0050】また、極間が急激に狭くなったとき、放電
エネルギーの大部分を占める直流電源4の印加を完全に
停止することにより、極間を流れる電流に制限を加える
装置にあっては、ワイヤ放電加工機では、極間に加工屑
等が、つまり短絡状態となった際には、直流電源4の印
加により高エネルギーにより加工屑を吹き飛ばし、極間
の絶縁を回復することがよくあるが、本装置では極間が
急激に狭くなったとき、直流電源4の印加を完全に停止
させてしまうので、極間の絶縁回復に時間がかかり、加
工速度にロスが生じ、加工処理効率が悪いという問題点
があった。
【0051】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、加工中の被加工物への電解や
電蝕等の発生を防止するとともに、極間が狭くなったと
き電極や被加工物への電流集中による損傷を低減し、か
つ、高速加工を可能にし、加工処理効率を向上させた放
電加工機用電源装置およびその制御方法を得ることを目
的とする。
【0052】
【課題を解決するための手段】この発明に係る放電加工
機用電源装置は、電極と被加工物との間に形成される加
工間隙(極間)に間欠的に放電を発生させて被加工物を
加工する放電加工機に対して電源を供給する放電加工機
用電源装置において、出力電圧値を可変することができ
る、少なくとも1つの直流電源と、前記直流電源の前記
極間に対する電圧印加を開閉制御する、少なくとも1つ
のスイッチング手段と、前記スイッチング手段のオフタ
イムに前記直流電源に対し逆極性電圧を印加する逆電圧
供給手段と、前記極間の平均加工電圧を検出する平均加
工電圧検出手段と、前記平均加工電圧検出手段の出力に
より平均加工電圧が零となるように前記スイッチング手
段のオフタイムを制御するオフタイム制御手段と、前記
逆極性電圧の印加時間の下限値を設定する下限値設定手
段と、前記正極性側の、少なくとも1つの電圧印加時間
に応じて前記下限値を制御する下限値制御手段と、を具
備するものである。
【0053】つぎの発明に係る放電加工機等電源装置の
制御方法は、電極と被加工物との間に形成される加工間
隙(極間)に間欠的に放電を発生させて被加工物を加工
する放電加工機に対して電源を供給する放電加工機用電
源装置の制御方法において、正極性側の、少なくとも1
つの電圧印加時間に応じて逆極性電圧の印加時間の下限
値を制御するものである。
【0054】つぎの発明に係る放電加工機用電源装置
は、電極と被加工物との間に形成される加工間隙(極
間)に間欠的に放電を発生させて被加工物を加工する放
電加工機に対して電源を供給する放電加工機用電源装置
において、出力電圧値を可変することができる、少なく
とも1つの直流電源と、前記直流電源の前記極間に対す
る電圧印加を開閉制御する、少なくとも1つのスイッチ
ング手段と、前記スイッチング手段のオフタイムに前記
直流電源に対し逆極性電圧を印加する逆電圧供給手段
と、前記極間の平均加工電圧を検出する平均加工電圧検
出手段と、前記平均加工電圧検出手段の出力により平均
加工電圧が零となるように前記スイッチング手段のオフ
タイムを制御するオフタイム制御手段と、前記極間にお
ける、少なくとも一方の極性の電圧を検出する極間電圧
検出手段と、前記極間電圧検出手段の出力値に応じて前
記逆極性電圧の印加時間の低下にインターロックをかけ
るインターロック手段と、を具備するものである。
【0055】つぎの発明に係る放電加工機用電源装置の
制御方法は、電極と被加工物との間に形成される加工間
隙(極間)に間欠的に放電を発生させて被加工物を加工
する放電加工機に対して電源を供給する放電加工機用電
源装置において、前記極間の、少なくとも一方の極性の
電圧を検出し、前記検出された電圧値に応じて逆極性の
電圧印加時間の低下にインターロックをかけるものであ
る。
【0056】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下、この発明に係る放電加工機用電
源装置およびその制御方法の実施の形態を図面に基づい
て詳細に説明する。まず、この発明の実施の形態とし
て、逆極性電圧の印加時間の下限値を、正極性側の電圧
の印加時間に応じて変化させる方法について説明する。
【0057】図1は、実施の形態1に係る放電加工機用
電源装置の構成を示す回路図であり、図2は、図1に示
した発振回路11の内部において、スイッチング素子6
のオフする時間を制御する部分を示す回路図である。図
1、図2において、従来の技術を示した図7、図11と
同一の符号については同一または相当部分を示してい
る。
【0058】図1は、図7に示したものと、その構造が
ほぼ同一であるが、直流電源4の極間への印加時間To
n2を示すデジタルデータが、バス12BUSによって
ワンショットマルチバイブレータ12より発振回路11
に伝達されるようになっている。図2にあっても、図1
1に示したものと、その構造がほぼとほぼ同一である
が、図において、47は図1における直流電源4の極間
への印加時間対応したデジタルデータを記憶する印加時
間記憶部である。
【0059】つぎに、実施の形態1の動作について説明
する。動作の概要は、基本的には従来の、極間が急激に
狭くなった際逆電圧側の印加時間に下限値を設けること
により、また、正電圧側の放電を誘発する側の直流電源
3の電圧値が大きくなれば、その下限値を大きくするこ
とにより極間に流れる電流に制限を加えるものと同様な
ので、従来の技術と異なるオフタイムの下限値の設定方
法を中心に説明する。
【0060】図2において、図7、図8に示した従来の
装置と同様、判別装置としてのコンパレータ23の出力
23Tとクロックパルス発生器29からの出力29T
の、倫理積ゲート32を介しての論理積出力はアップダ
ウンカウンタ28のアップクロックUに入力される。ま
た、コンパレータ23の出力23Tのインバータ31の
出力と、クロックパルス発生器29からの出力29T
と、一致比較回路36からの出力36Tとが論理積ゲー
ト33に入力され、その論理積出力はアップダウンカウ
ンタ28のダウンクロックDに入力される。
【0061】アップダウンカウンタ28では、加工開始
パルス発生器26の出力26Tが“0”のとき、“0”
は非加工中を、“1”は加工中を意味するが、初期設定
値記憶部27の出力値M1、M2、M3・・・Mnがア
ップダウンカウンタ28にロードされ、加工開始パルス
発生器26の出力が“1”となった後はアップクロック
入力信号によりカウンタ値をカウントアップし、また、
ダウンクロック入力信号によりカウントダウンされる。
そして、カウンタ出力値Q1、Q2、Q3・・・Qnが
オフタイム設定器30に送られ、発振回路11の出力1
1T1のオフタイムTOFFが設定される。
【0062】一方、この実施の形態1にあっては、印加
時間記憶部47は図1に示した直流電源4の極間への印
加時間Ton2に対応したデジタルデータを、オフタイ
ム下限値設定器35に出力する。
【0063】ここで、スイッチング素子7をONし、直
流電源4により極間に電流を供給する時間が長くなるほ
ど、極間が短絡したとき極間に流れる電流値は大きくな
るので、オフタイム下限値設定器35に組み込むプログ
ラムとしては、直流電源4の極間への印加時間が長くな
るほど、オフタイム下限値を大きくするようなプログラ
ムを組んでおけば良い。
【0064】例えば、直流電源4の電圧値が大きくなる
ほど、オフタイムの下限値は大きくなるのだから、直流
電源4の電圧値に比例して大きくなる2進数(M1,M
2,M3・・・Mn)に対し、その値に一定の係数をか
けた値、あるいは、その値に一定の定数を足した値を2
進数としてオフタイム下限値設定器35から出力される
ようにすれば良い。また、オフタイム下限値設定器35
は印加時間記憶部47からのデジタルデータをもとにプ
ロブラムされたデジタルデータを一致比較回路36に出
力する。
【0065】一致比較回路36はオフタイム下限値設定
器35から入力されるデジタルデータと、アップダウン
カウンタ28から入力されるデジタルデータとを比較
し、データが一致したとき出力値36Tを“0”にす
る。一致比較回路36からの出力値36Tが“0”の間
は論理積ゲート33の出力は常に“0”であり、アップ
ダウンカウンタ28がカウントダウンされることはな
い。
【0066】以上の動作によって、発振回路11の出力
11T1の状態が“0”になる時間は平均加工電圧が0
V以上のときは増加し、0V以下のときは減少するよう
に制御されるが、オフタイム下限値設定器35で設定さ
れた下限値より小さくなることはない。
【0067】つぎに、極間が急激に狭くなったときの状
態を、図3を用いて説明する。図において、Eg、Ig
はそれぞれ極間の電圧波形、電流波形である。他の記号
で示される信号は、図1および図2中に示した同一記号
の部位の信号である。
【0068】極間の状態は、逆電圧側の印加時間に下限
値を設け、また、正電圧側の放電を誘発する側の直流電
源3の電圧値が大きくなれば、その下限値を大きくする
従来の技術の説明に用いた図12と比較すると、正電圧
側の放電を誘発する側の直流電源3の電圧値E1 は同じ
であるが、放電エネルギーの大部分を占める正電圧側の
直流電源4の印加時間が長くなっているので、逆電圧の
印加時間の下限値であるOFFminも長くなってい
る。
【0069】図3より、極間が短絡してなお極間の平均
電圧21T1が0V以下であっても、発振回路11の出
力11T1のオフする時間はOFFmin以下にはなら
ないため、逆電圧を印加する時間、すなわち、論理積ゲ
ート13の出力13Tのオンする時間はOFFmin以
下にはならない。
【0070】また、放電エネルギーの大部分を占める正
電圧側の直流電源4の印加時間が長くなっても、逆電圧
の印加時間の下限値であるOFFminも長くなってい
るので、極間が急激に狭くなっても、OFFminが長
い分従来の技術と比較すると極間を流れる電流の制限が
高効率で行われるので、電流の集中によるワイヤの断線
を引き起こすことはない。
【0071】なぜなら、逆電圧側の電流制限抵抗器10
は、逆電圧側の放電が電極の消耗を助長するため一般に
正電圧側の電流制限抵抗器9に比較して大きな値のもの
が使用されるので、極間に正逆いずれかの電圧が常に印
加される放電加工機にあっては、逆電圧を印加する時間
を大きくするほど極間に流れる電流に制限を加えられる
のである。
【0072】さらに、正電圧側の放電を誘発する側の直
流電源3は制限抵抗器9を介して極間に印加されること
もあり、その放電エネルギーを直流電源4による放電エ
ネルギーと比べると割合は非常に小さいので、直流電源
3の電圧値により逆電圧の印加時間の下限値を制御する
従来の技術と比較すると、直流電源4の極間への印加時
間により逆電圧の印加時間の下限値を制御する方がより
精密な制御が可能となる。
【0073】ここで、スイッチング素子7をONし、直
流電源4により極間に電流を供給する時間が長くなるほ
ど、極間が短絡したとき極間に流れる電流値は大きくな
るので、オフタイム下限値設定器35に組み込むプログ
ラムとしては、直流電源4の極間への印加時間が長くな
るほど、オフタイム下限値を大きくするようなプログラ
ムを組んでおけば良い。
【0074】例えば、直流電源4の電圧値が大きくなる
ほど、オフタイムの下限値は大きくなるのだから、直流
電源4の電圧値に比例して大きくなる2進数(M1,M
2,M3・・・Mn)に対し、その値に一定の係数をか
けた値、あるいは、その値に一定の定数を足した値を2
進数としてオフタイム下限値設定器35から出力される
ようにすれば良い。
【0075】(実施の形態2)つぎに、この発明に係る
実施の形態2として、逆極性の電圧印加時間の下限値を
設定する回路と極間の少なくとも一方の極性の電圧を検
出する検出回路とを有し、該検出回路の出力値に応じ
て、下限値を制御する方法について説明する。
【0076】図4は、本発明を実現する放電加工用電源
装置の概要図で、従来の技術を示した図7に極間電圧検
出回路37Iを追加したものである。極間電圧検出回路
37Iよりスイッチング素子6をオフ状態にする信号に
関連する発振回路11へ信号線が一本接続されている。
図4において、従来の技術を示す図7と同一の符号につ
いては同一または相当部分を示している。
【0077】図5は、図4における極間電圧検出回路3
7Iの一例を示したものである。図において、48は分
圧抵抗器17、18によって分圧された極間電圧を平滑
するコンデンサ、49はコンデンサ48によって平滑さ
れた極間電圧を半波整流するダイオード、50〜52は
抵抗器、53は抵抗器51、52によって設定された基
準電圧E6 と、抵抗器50によって決まる極間電圧の半
波整流された値とを比較し、“0”あるいは“1”を出
力するコンパレータである。
【0078】図5において、破線で囲まれた極間電圧検
出回路37I以外の部分は、図7に示した従来における
発振回路11の内部回路を示した図8とほぼ同じで、2
入力論理積ゲート33が3入力論理積ゲート33Iにな
り、入力に極間電圧検出回路37Iからの出力37IT
が追加されたものである。
【0079】つぎに動作について説明する。図7で示さ
れる従来の技術と同様、直流電源3の極間への印加を制
御するスイッチング素子6は、発振回路11の出力11
T1によって、直流電源4の極間への印加を制御するス
イッチング素子7はワンショットマルチバイブレータ1
2の出力12Tによって、逆極性の直流電源5の極間へ
の印加を制御するスイッチング素子8は発振回路11の
出力11T1とワンショットマルチバイブレータ12の
出力12Tの、論理積ゲート13を介しての論理積出力
13Tによって、それぞれ制御される。
【0080】また、ワンショットマルチバイブレータ1
2の出力12T、論理積ゲート13の出力13Tの制御
方法は、図7で示した従来の技術と同様であるので、発
振回路11の出力11T1の制御方法および放電検出回
路37Iの動作を中心に説明する。
【0081】図5に示される極間電圧検出回路37I
は、極間の状態変化を分圧抵抗器器18の両端に現われ
る電圧に基づいて判別し、“0”か“1”のデジタル出
力を出力するように構成されており、極間が正常な放電
状態で適正な間隙が保たれていれば“1”を、極間が異
常に狭く短絡気味になれば“0”をそれぞれ出力する。
電圧平滑用のコンデンサ48は分圧抵抗器器18で分圧
された極間電圧を平滑するもので、より高速に極間の電
圧を検出するため、図4に示したコンデンサ19と比較
すると、容量は小さく平滑の時定数は小さくなってい
る。
【0082】ダイオード49は両極性の極間電圧の正極
性側のみを半波整流し検出するためのものである。なぜ
なら、放電加工機用電源装置は、両極性の、かつ、平均
が0Vとなるような電圧を極間に印加するものであるの
で、極間電圧を整流しないで検出したのでは、極間の状
態を電圧として検出するのは非常に困難である。
【0083】一般に、極間が正常な放電状態で適正な間
隙が保たれていれば、直流電源3の印加時間は数十マイ
クロ秒で、極間電圧が分圧後小さな時定数で平滑された
のち半波整流されたものであるコンパレータ53の+入
力53Iは大きくなり、極間が異常に狭くなり短絡気味
になれば、53Iは小さくなる。従って、コンパレータ
53では、53Iと正の基準電圧E6 とが比較され、極
間が正常な放電状態でE6 <53Iであれば“1”を出
力し、極間が異常に狭くなり極間電圧が低くなりE6 >
53Iとなれば“0”を出力するように正の基準電圧E
6 が設定されている。
【0084】図5において、図7、図8に示した従来の
技術同様、コンパレータ23の出力23Tとクロックパ
ルス発生器29からの出力29Tの論理積ゲート32か
らの出力はアップダウンカウンタ28のアップクロック
Uに入力される。また、コンパレータ23の出力23T
のインバータ出力と、クロックパルス発生器29からの
出力29Tと、本発明では極間電圧検出回路37Iの出
力37ITとの3信号が論理積ゲート33Iに入力され
る。その論理積出力はアップダウンカウンタ28のダウ
ンクロックDに入力される。
【0085】アップダウンカウンタ28では、図7、図
8に示される従来の技術同様、加工開始パルス発生器2
6の出力26Tが“0”のとき、“0”は非加工中を、
“1”は加工中を意味するわけだが、初期設定値記憶部
27の出力値M1、M2、M3・・・Mnがカウンタに
ロードされ、加工開始パルス発生器26の出力が“1”
となった後はアップクロック入力信号によりカウンタ値
をカウントアップし、また、ダウンクロック入力信号に
よりカウントダウンされる。
【0086】そして、カウンタ出力値Q1、Q2、Q3
・・・Qnがオフタイム設定器30に送られ、発振回路
11の出力11T1のオフタイムTOFFが設定され
る。一方、本実施の形態はすでに述べたが、極間電圧検
出回路37Iは、極間が異常に狭く短絡気味になれば
“0”を出力する。極間電圧検出回路37Iの出力37
ITが“0”の間は論理積ゲート33Iの出力は常に
“0”であり、アップダウンカウンタ28がカウントダ
ウンされることはない。
【0087】以上の動作によって、発振回路11の出力
11T1の状態が“0”になる間は、平均加工電圧が0
V以上のときは増加し、0V以下のときは減少するよう
に制御されるが、極間が異常に狭く短絡気味になり極間
電圧検出回路37Iの出力37ITが“0”になれば、
それ以上減少することはない。
【0088】つぎに、極間が急激に狭くなったときの状
態を、図6を用いて説明する。図において、Eg、Ig
はそれぞれ極間の電圧波形、電流波形である。他の記号
で示される信号は、図4、図5中に示した同一記号の部
位の信号である。
【0089】極間の状態は、実施の形態1の説明に用い
た図3と、正電圧側の放電を誘発する側の直流電源3の
電圧値E1 、および、放電エネルギーの大部分を占める
正電圧側の直流電源4の印加時間は同じ状態であるとす
る。
【0090】図6より、極間が短絡してなお極間の平均
電圧21T1が0V以下でも、極間電圧検出回路37I
の出力37ITが“0”になれば、発振回路11の出力
11T1のオフする時間の減少は停止し、逆電圧を印加
する時間、すなわち、論理積ゲート13の出力13Tの
オンする時間はOFFlimit以下にはならないこと
が解る。
【0091】前述したが逆電圧側の電流制限抵抗器10
は、逆電圧側の放電は電極の消耗を助長するため、一般
に正電圧側の電流制限抵抗器9に較べて、大きな値のも
のが使用されるので、極間に正逆の両極性の電圧が常に
印加される放電加工機においては、逆電圧を印加する時
間を大きくするほど極間に流れる電流に制限を加えられ
る。したがって、極間が急激に狭くなった際、極間の正
極性側の平均電圧が低下することを検出し、逆電圧側の
印加時間の減少を停止させることにより極間に流れる電
流に対して制限が加えられる。
【0092】また、本実施の形態は、逆電圧の印加時間
の下限値を設定する回路が不用で装置が簡易である。さ
らにまた、本実施の形態には、図13〜図15で示され
るような、極間が急激に狭くなったとき直流電源4の印
加を全く停止することにより極間を流れる電流に制限を
加える装置の持つ、極間に加工屑等がつまり短絡状態と
なった際に、直流電源4の印加による高エネルギーによ
り加工屑を吹き飛ばし極間の絶縁を回復することができ
ず、極間の絶縁回復に時間が掛かり加工速度にロスが生
じてしまうという問題点も解消する。
【0093】さらに、本実施の形態では、極間電圧検出
回路37として、半波整流回路を用いたが、図14に示
した全波整流回路を用いても同様の効果が得られる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る放
電加工機用電源装置は、正極性側の、少なくとも1つの
電圧印加時間に応じて逆極性電圧の印加時間の下限値を
制御するので、加工中の被加工物への電解や電蝕等の発
生を防止するとともに、極間が狭くなったとき電極や被
加工物への電流集中による損傷を低減し、かつ、高速加
工を可能にし、加工処理効率を向上させることができ
る。
【0095】つぎの発明に係る放電加工機用電源装置の
制御方法は、同様に、正極性側の、少なくとも1つの電
圧印加時間に応じて逆極性電圧の印加時間の下限値を制
御するので、加工中の被加工物への電解や電蝕等の発生
を防止するとともに、極間が狭くなったとき電極や被加
工物への電流集中による損傷を低減し、かつ、高速加工
を可能にし、加工処理効率を向上させることができる。
【0096】つぎの発明に係る放電加工機用電源装置
は、極間の、少なくとも一方の極性の電圧を検出し、該
検出された電圧値に応じて逆極性の電圧印加時間の低下
にインターロックをかけるので、上記と同様に、加工中
の被加工物への電解や電蝕等の発生を防止するととも
に、極間が狭くなったとき電極や被加工物への電流集中
による損傷を低減し、かつ、高速加工を可能にし、加工
処理効率を向上させることができる。
【0097】つぎの発明に係る放電加工機用電源装置の
制御方法は、同様に、極間の、少なくとも一方の極性の
電圧を検出し、該検出された電圧値に応じて逆極性の電
圧印加時間の低下にインターロックをかけるので、上記
と同様に、加工中の被加工物への電解や電蝕等の発生を
防止するとともに、極間が狭くなったとき電極や被加工
物への電流集中による損傷を低減し、かつ、高速加工を
可能にし、加工処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る放電加工機用電源装置の
構成を示す回路図である。
【図2】 図1に示した発振回路の内部構成を示すブロ
ック図である。
【図3】 図1、図2に示した放電加工機の加工処理中
における極間状況及び電源装置の状態を示すタイミング
チャートである。
【図4】 実施の形態2に係る放電加工機用電源装置の
構成を示す回路図である。
【図5】 図4に示した極間電圧検出回路の内部構成を
示す回路図である。
【図6】 図4、図5に示した放電加工機の加工処理中
における極間状況及び電源装置の状態を示すタイミング
チャートである。
【図7】 従来における放電加工機用電源装置の構成を
示す回路図である。
【図8】 図7に示した発振回路の内部構成を示すブロ
ック図である。
【図9】 図7、図8に示した放電加工機の加工処理中
における極間状況及び電源装置の状態を示すタイミング
チャートである。
【図10】 図7、図8に示した放電加工機において、
加工処理中加工間隙が急に狭くなった際の極間状況及び
電源装置の状態を示すタイミングチャートである。
【図11】 従来におけるオフタイム設定手段の構成を
示すブロック図である。
【図12】 図7、図11に示した放電加工機におい
て、加工処理中加工間隙が急に狭くなった際の極間状況
及び電源装置の状態を示すタイミングチャートである。
【図13】 従来における放電加工機用電源装置の構成
を示す回路図である。
【図14】 図13に示した極間電圧検出回路の構成を
示す回路図である。
【図15】 図13、図14に示した放電加工機におい
て、加工処理中加工間隙が急に狭くなった際の極間状況
及び電源装置の状態を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 加工用電極,2 被加工物,3 電圧可変な直流電
源,4 直流電源,5逆極性電圧を印加する直流電源,
11 発振回路,12 ワンショットマルチバイブレー
タ,13 論理積ゲート,22 放電検出回路,23
コンパレータ,28 アップダウンカウンタ,30 オ
フタイム設定器,35 オフタイム下限値設定器,36
一致比較回路,47 印加時間記憶部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極と被加工物との間に形成される加工
    間隙(極間)に間欠的に放電を発生させて被加工物を加
    工する放電加工機に対して電源を供給する放電加工機用
    電源装置において、 出力電圧値を可変することができる、少なくとも1つの
    直流電源と、 前記直流電源の前記極間に対する電圧印加を開閉制御す
    る、少なくとも1つのスイッチング手段と、 前記スイッチング手段のオフタイムに前記直流電源に対
    し逆極性電圧を印加する逆電圧供給手段と、 前記極間の平均加工電圧を検出する平均加工電圧検出手
    段と、 前記平均加工電圧検出手段の出力により平均加工電圧が
    零となるように前記スイッチング手段のオフタイムを制
    御するオフタイム制御手段と、 前記逆極性電圧の印加時間の下限値を設定する下限値設
    定手段と、 前記正極性側の、少なくとも1つの電圧印加時間に応じ
    て前記下限値を制御する下限値制御手段と、 を具備することを特徴とする放電加工機用電源装置。
  2. 【請求項2】 電極と被加工物との間に形成される加工
    間隙(極間)に間欠的に放電を発生させて被加工物を加
    工する放電加工機に対して電源を供給する放電加工機用
    電源装置の制御方法において、 正極性側の、少なくとも1つの電圧印加時間に応じて逆
    極性電圧の印加時間の下限値を制御することを特徴とす
    る放電加工機用電源装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 電極と被加工物との間に形成される加工
    間隙(極間)に間欠的に放電を発生させて被加工物を加
    工する放電加工機に対して電源を供給する放電加工機用
    電源装置において、 出力電圧値を可変することができる、少なくとも1つの
    直流電源と、 前記直流電源の前記極間に対する電圧印加を開閉制御す
    る、少なくとも1つのスイッチング手段と、 前記スイッチング手段のオフタイムに前記直流電源に対
    し逆極性電圧を印加する逆電圧供給手段と、 前記極間の平均加工電圧を検出する平均加工電圧検出手
    段と、 前記平均加工電圧検出手段の出力により平均加工電圧が
    零となるように前記スイッチング手段のオフタイムを制
    御するオフタイム制御手段と、 前記極間における、少なくとも一方の極性の電圧を検出
    する極間電圧検出手段と、 前記極間電圧検出手段の出力値に応じて前記逆極性電圧
    の印加時間の低下にインターロックをかけるインターロ
    ック手段と、 を具備することを特徴とする放電加工機用電源装置。
  4. 【請求項4】 電極と被加工物との間に形成される加工
    間隙(極間)に間欠的に放電を発生させて被加工物を加
    工する放電加工機に対して電源を供給する放電加工機用
    電源装置の制御方法において、 前記極間の、少なくとも一方の極性の電圧を検出し、前
    記検出された電圧値に応じて逆極性の電圧印加時間の低
    下にインターロックをかけることを特徴とする放電加工
    機用電源装置の制御方法。
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