JPH09314606A - 射出成形用金型の組み付け調整方法 - Google Patents

射出成形用金型の組み付け調整方法

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JPH09314606A
JPH09314606A JP8160878A JP16087896A JPH09314606A JP H09314606 A JPH09314606 A JP H09314606A JP 8160878 A JP8160878 A JP 8160878A JP 16087896 A JP16087896 A JP 16087896A JP H09314606 A JPH09314606 A JP H09314606A
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Kiyoto Shibata
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康知 阿萬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形品にバリが生じたり、金型構成部材
同士の押切面に荷重が集中したりしないように、簡単な
作業により効率良く、しかも確実に金型を組み付け調整
する。 【解決手段】 コアプレート3c、分割コア入子4gお
よび分割コア入子4hそれぞれの合わせ面に、任意厚さ
の高分子フィルム10aとその上面に粘着剤11aとを
挿入し、合わせ面同士(例えば、キャビ入子2f側の合
わせ面と、分割コア入子4g側の合わせ面)の接触状態
を、高分子フィルムの移着によって定量化する。金型を
一旦閉じてから開くと、合わせ面の押し切っている箇所
だけ、粘着剤の粘着力により、高分子フィルムが分割キ
ャビ入子2f側に移着する。挿入された高分子フィルム
の厚さにより、合わせ面のクリアランスを効率良く、且
つ確実に定量化することができるため、金型の調整が容
易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形用金型の
組み付け調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形用金型の組み付け調整方法とし
て、光明丹を用いるものは公知であり、以下の文献に記
述がある。内田清 監修 「射出成形用金型 第三
版」、p133〜p134、(株)プラスチック・エー
ジ(1984)
【0003】従来の一般的な射出成形用金型の構造を図
17に示す。この図は金型の断面図である。1aはキャ
ビティープレート、2aはキャビ入子、3aはコアプレ
ート、4aはコア入子、5aは樹脂が注入されるキャビ
ティー空間(成形品)、6a〜6dは金型構成部材の合
わせ面である。6dはキャビティープレート1aとコア
プレート3aとの合わせ面である。6a〜6cはキャビ
入子2aとコア入子4aとの合わせ面である。特に、キ
ャビ入子2aとコア入子4aとが接する面である6a〜
6cは押切面と呼ばれる。図18は、図17の金型によ
り得られる成形品の斜視図である。
【0004】なお、本明細書において「合わせ面」およ
び「押切面」は、互いに対向する金型構成部材の、当該
対向面の少なくとも一方を意味する。例えば、単に合わ
せ面6aと記載してある場合、これは、キャビ入子2a
側の合わせ面、およびコア入子4a側の合わせ面を意味
する。また、例えば合わせ面6aのうち、特にキャビ入
子2a側のものを説明する場合には、「キャビ入子2a
側の合わせ面6a」と記載することにする。
【0005】図17の金型は、荷重をかけずに閉めた状
態で、合わせ面6dに0.02〜0.2mm程度のクリ
アランスC1 (キャビティープレート1a側の合わせ面
6dと、コアプレート3a側の合わせ面6dとの間隙)
が生じるように調整される。このクリアランスC1 の値
は、成形機の型締め圧力や押切面6a〜6cの面積など
によって左右されるが、この程度のクリアランスであれ
ば、押切面6aまたは6bからバリが出る心配はないと
されている。
【0006】図19に示すように合わせ面6dにクリア
ランスC1 がない(C1 =0)場合には、成形中の樹脂
圧力により押切面6a〜6cが開閉し、押切面6b,6
cから樹脂が流れてしまい、ついには成形品にバリが生
じる。そこで従来は、これら押切面6b,6cにバリが
生じないように押切面(6a,6bおよび6c)部を実
測して仕上げ、わずかな調整代を残し、光明丹をキャビ
入子2a側の押切面6a〜6c、コア入子4a側の押切
面6a〜6cのいずれか一方に塗り、さらに、光明丹を
キャビティープレート1a側の合わせ面6d、コアプレ
ート3a側の合わせ面6dのいずれか一方に塗り、当た
りを確認して調整していた。
【0007】図20および図21に、一般的な射出成形
用金型のスライド構成図を示す。これらは金型の断面図
を示している。図20は金型が閉じた状態を、また、図
21は金型が開いた状態を示す。1bはキャビティープ
レート、3bはコアプレート、4bはコア入子、5bは
樹脂が注入されるキャビティー空間(成形品)、6e,
6fは金型構成部材の合わせ面(押切面)である。7a
はスライドコア、8aはロッキングブロック、9aはア
ンギュラピンである。図22は、図20の金型により得
られる成形品の斜視図である。
【0008】スライドコア7aとコア入子4bとの押切
面6e,6fにおけるクリアランスは0.02mm以下
に調整・設定されている。押切面6e,6fに0.02
mmを超えるクリアランスが生じると、成形中の樹脂圧
力によりこれらの押切面が開閉し、これらの押切面から
樹脂が流れてしまい、ついには成形品にバリが生じる。
これらの押切面にバリが発生しないように押切部の寸法
1 ,D2 を実測して仕上げ、わずかな調整代を残し、
光明丹をスライドコア7a側の押切面6e,6f、コア
入子4b側の押切面6e,6fのどちらか一方に塗り、
当たりを確認して調整していく。
【0009】別の調整方法として、これらの押切面6
e,6fにバリが生じないようにスライドコア7a側の
押切面6e,6f、コア入子4b側の押切面6e,6f
のどちらか一方に光明丹を塗り、当たりを確認しながら
スライドコア7aの角度θ1 、ロッキングブロック8a
の角度θ2 、またはロッキングブロック8aの寸法D3
により調整する。
【0010】このように、一般的には上記文献「射出成
形用金型 第三版」に記載されているように、金型構成
部材の各合わせ面の一方側に光明丹を塗った後、金型を
閉じ、そのときの該光明丹の、相手側合わせ面への移着
(移動・付着)によって接触状態の当たりを見て、金型
の組み付け調整を行う方法がとられている。光明丹の粒
径は数μmオーダーであり、全面に光明丹が移着する状
態に金型を調整することにより、各合わせ面の当たりを
数μmオーダーに調整することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
射出成形用金型の組み付け調整方法は、金型構成部材の
各合わせ面の一方側に塗布されて光明丹が、金型構成部
材の接触により相手側接触面に移着することが前提であ
るため、金型構成部材への光明丹の密着性が低い場合に
は、金型面同士が接触した状態にあっても光明丹が相手
側接触面に移着しないこともあり、接触状態の結果にば
らつきが生じていた。また、光明丹の塗布厚や、相手側
の金型構成部材への光明丹転写の合否判定には個人差が
あり、しかも、これらを定量的に管理するのは大変困難
であった。今までは上記不具合を解決する手段はなく、
同一作業者の目視により光明丹の塗布厚が管理され、同
一作業者により光明丹転写の合否判定がなされていた。
【0012】上記理由から、射出成形用金型の組み付け
調整方法においては通常、光明丹による調整を数回〜数
十回繰り返して行っていたが、光明丹の塗布量および金
型面同士の接触状態検出の度に、光明丹の除去作業が必
要であり、非常に煩雑な作業となっていた。さらに、金
型構成部材の合わせ面への光明丹の移着状態を誰でも同
じように定量化できるようにすることは難しかったた
め、金型の組み付け調整は熟練作業者しかできなかっ
た。また、これも金型コストを高くする原因の一つにな
っていた。
【0013】ここで、従来技術における問題点、特に押
切面の不良パターンについて図面を基に説明する。金型
構成部材同士の合わせ面、特に押切面の不良の態様とし
て、例えば下記(1)〜(3)が考えられる。図23,
24はその一例を、図25,26は別の例を、図27,
28は更に別の例をそれぞれ示す。ただし、図23,2
5,27は金型が開いている状態を、図24,26,2
8は金型が閉じている状態をそれぞれ示している。ま
た、これらの図では、合わせ面の断面を簡略化してあ
る。
【0014】(1)図23,24の金型では、固定側が
キャビティープレート1c、分割キャビ入子2b、およ
び分割キャビ入子2cで構成され、また、可動側がコア
プレート3c、分割コア入子4cおよび分割コア入子4
dで構成されている。金型が閉まる時、分割キャビ入子
2bと分割コア入子4cとの合わせ面6gは押切面とな
るが、分割キャビ入子2cと分割コア入子4dとの合わ
せ面6hは押し切らない例が示されている。図24にお
いて、5cはキャビティー空間(成形品)である。合わ
せ面6hのように金型構成部材同士が合わないと、その
箇所から樹脂が漏れ、ひいては成形品にバリが生じる。
【0015】(2)図25,26の金型は、キャビ入子
2dおよびコア入子4eで構成されている。この金型
は、上記金型構成部材同士の合わせ面6iにうねりがあ
り、これらの部材同士が部分的に押し切っている例であ
る。金型構成部材同士が部分的に押し切っていると、成
形品にバリが生じたり、押し切っている面に荷重が集中
するため金型の寿命が短くなったりする。図26におい
て、5dはキャビティー空間(成形品)である。
【0016】(3)図27,28の金型は、キャビ入子
2eおよびコア入子4fで構成されている。金型が閉ま
る時、キャビ入子2e側の合わせ面6jに傾きがあり、
コア入子4f側の合わせ面6jに片当たりしている例が
示されている。合わせ面6jのように、金型構成部材同
士が片当たりして押し切っていると、片当たりしている
面に荷重が集中するため、金型の寿命が短くなる。図2
8において、5eはキャビティー空間(成形品)であ
る。
【0017】図24〜28に示した不良をなくすため
に、従来は、上記合わせ面のどちらか、すなわち一方の
金型構成部材に光明丹を塗り、金型を調整していた。こ
のため上述の問題点が生じていた。本発明は、上記問題
点に鑑みなされたもので、その目的は、射出成形品にバ
リが生じたり、金型構成部材同士の押切面に荷重が集中
したりしないように、簡単な作業により効率良く、しか
も確実に金型を組み付け調整することができる方法を提
供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、射出成形用金型の各構成部材同士の合わせ面
の組み付け調整方法において、金型を開けた状態で合わ
せ面の少なくとも一方に、 粘着剤を塗布した、任意厚さの高分子フィルムまたは
金属箔、 加圧により色が転写する材料、 加圧により発色する材料、のいずれかを挿入した後、
金型を閉じ、金型の自重圧力により上記材料を物理的に
移着させるか、転写させるか、または化学的に反応させ
ることによって、上記合わせ面の接触状態を定量化し
て、金型組み付け調整を精度良く行うものである。この
方法によれば、組み付け調整時間が短縮されるうえ、金
型コストが削減される。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、射出成形用金型の構成部材同士の合わせ面の組み付
け調整方法において、金型構成部材の合わせ面の一方
に、任意厚さの高分子フィルムまたは金属箔と粘着剤と
を挿入し、前記合わせ面同士の接触状態を高分子フィル
ムまたは金属箔の移着によって定量化することを特徴と
するものである。
【0020】上記高分子フィルムとしては例えば、ポリ
エチレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリイミド、高弾性率の高密
度ポリエチレン等からなるフィルムが採用できるが、こ
れらに限るものではなく、厚さが均一で数μm〜数十μ
mの高分子フィルムであれば何ら問題はない。また、金
型構成部材は従来一般的にスチール製のものが使用され
ているが、上記金属箔としては、スチールより柔らかい
材料からなるもの、例えばアルミ箔を用いることができ
る。
【0021】請求項2に記載の発明は、請求項1の方法
において、高分子フィルムと粘着剤とを挿入するに際
し、粘着剤を塗布した高分子フィルムとして、セロハン
テープを用いることを特徴とするものである。
【0022】請求項3に記載の発明は、射出成形用金型
の構成部材同士の合わせ面の組み付け調整方法におい
て、金型構成部材の合わせ面の一方に、圧力を加えるこ
とにより色が転写する材料を挿入し、一方の合わせ面か
ら他方の合わせ面への色の転写状態により、合わせ面同
士の接触状態を評価することを特徴とする。
【0023】請求項4に記載の発明は、請求項3の方法
において、圧力を加えることにより色が転写する材料と
してカーボンと、油またはロウと、油またはロウとの親
和性が良い、紙等の材料とを用いることを特徴とするも
のである。
【0024】請求項5に記載の発明は、射出成形用金型
の構成部材同士の合わせ面の組み付け調整方法におい
て、金型構成部材の合わせ面の少なくとも一方に、圧力
を加えることにより発色する材料を挿入し、該材料の発
色状態により合わせ面同士の接触状態を評価することを
特徴とするものである。
【0025】請求項6に記載の発明は、請求項5の方法
において、圧力を加えることにより発色する材料として
感圧色素溶液と、酸性物質を含む顕著剤とを用いること
を特徴とするものである。
【0026】請求項7に記載の発明は、請求項6の方法
において、圧力を加えることにより発色する材料とし
て、感圧色素溶液を含む紙と、酸性固体物質を含む顕著
剤とを独立した任意膜厚の層状にしたものを用いること
を特徴とする。
【0027】請求項8に記載の発明は、請求項6の方法
において、圧力を加えることにより発色する材料とし
て、感圧色素溶液を含むマイクロカプセルを、酸性固体
物質を含む顕著剤層に分散させた層状材料を用いること
を特徴とするものである。
【0028】請求項9に記載の発明は、請求項6の方法
において、圧力を加えることにより発色する材料とし
て、感圧色素溶液を含むマイクロカプセルに酸性固体物
質をコートして任意の粒径にしたものを用いることを特
徴とする。
【0029】請求項10に記載の発明は、請求項5の方
法において、圧力を加えることにより発色する材料とし
て、感圧色素溶液を含むマイクロカプセルと酸性液体物
質とを油中に分散させた材料をスプレー照射などにより
挿入することを特徴とするものである。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。 実施例1 図23,24の不良を請求項1,2の方法により解決し
た例を図1〜3に示す。図1は金型を開いた状態を、図
2は金型を閉じた状態を、図3は金型を再度開けた状態
を、それぞれ示している。なお、これらの図では、合わ
せ面の断面を簡略化してある。図1〜3において、固定
側はキャビティープレート1d、分割キャビ入子2f、
および分割キャビ入子2gで構成され、可動側はコアプ
レート3c、分割コア入子4g、および分割コア入子4
hで構成されている。金型構成部材であるコアプレート
3c、分割コア入子4gおよび分割コア入子4hのそれ
ぞれの合わせ面上には、任意厚さの高分子フィルム10
aとその上面に粘着剤11aとが挿入されている。
【0031】金型を一旦閉じた後(図2)、開くと(図
3)、合わせ面の押し切っている箇所だけ、粘着剤11
aの粘着力により、高分子フィルム10aが分割キャビ
入子2f側に移着する。この挿入された高分子フィルム
10aの厚さにより、合わせ面のクリアランスを効率良
く、且つ確実に定量化することができるため、金型の調
整が容易となった。
【0032】実施例2 実施例1と同様に、図23,24の不良を請求項1,2
の方法で解決した例を図4,5に示す。これらの図に示
す金型は、固定側がキャビティープレート1e、ロッキ
ングブロック8b、およびアンギュラピン9bで構成さ
れ、可動側はコアプレート3d、コア入子4i、および
スライドコア7b,7cで構成されている。コア入子4
iとスライドコア7b,7cとの押切面6k同士の間
隔、および押切面6l同士の間隔は、成形品にバリが生
じないように0.02mm以下に調整される。金型を組
み付けた状態で三次元測定機などにより寸法D4 を測定
し、調整することにより、押切面6l同士の間隔調整が
可能であるが、押切面6kについては、金型を組み付け
た状態で同上のような測定はできない。
【0033】そこで、本発明では図5に示すように、ス
ライドコア7b,7c側の押切面6kに任意厚さのセロ
ハンテープ(再生セルロースからなるテープに粘着剤を
塗布したもの)12aを、その粘着面をコア入子4i側
に向けて挿入し、スライドコア7b,7cの押切量を調
整する。このセロハンテープ12aは安価であり、ま
た、テープ厚を適宜に選択することにより、上記押切量
を簡単に定量化することができる。なお図4において、
5fはキャビティー空間(成形品)である。
【0034】実施例1,2から明らかなように、請求項
1,2の方法は、複数個のキャビ入子、コア入子、スラ
イドコアや、ルーズコアの押切面調整(押切面同士間の
間隔調整)に使用でき、また、適宜の厚さ・弾性率の高
分子フィルムや金属箔を使用することから、確実に定量
化できるという効果がある。
【0035】実施例3 図25,26の不良を請求項3,4の方法により解決し
た例を図6,7に示す。これらの図に示す金型は、キャ
ビ入子2hおよびコア入子4jで構成されている。キャ
ビ入子2h側の合わせ面上には、ロウまたは油中にカー
ボン13aを分散させた分散液がコーティングされてい
る。一方、コア入子4j側の合わせ面上には、任意厚さ
(約0.1mm以下)の紙14aが挿入さている。図6
は金型が開いた状態を示し、図7は金型を一旦閉じた
後、再度開いたときのコア入子4jを示している。図6
の金型を閉めると、キャビ入子2hとコア入子4jが互
いに押し切っている部分において、上記分散液中のカー
ボン13aが紙14aに転写される。すなわち、合わせ
面のうねり部分を確実に定量化することができるため、
金型の調整が容易となる。
【0036】この実施例は、カーボン紙中のカーボンに
代表されるように、ロウまたは油中に分散しているカー
ボンを使用するものである。すなわち、その素材は安価
に入手でき、また、紙14aの厚さを任意に設定するこ
とにより、押切面を確実に定量化することができる。さ
らに、油中に分散させたカーボンを用いる場合は、該分
散液をスプレー照射などにより塗布することができた
め、複雑な形状の押切面にも対応が可能である。
【0037】実施例4 図25,26の不良を請求項5〜7の方法により解決し
た例を図8,9に示す。これらの図に示す金型は、キャ
ビ入子2iおよびコア入子4kで構成されている。キャ
ビ入子2i側の合わせ面上には、酸性固体物質15aが
コーティングされている。一方、コア入子4k側の合わ
せ面上には、感圧色素溶液を含む任意厚さ(約0.1m
m以下)の紙14bが挿入されている。感圧色素溶液と
しては、クリスタルバイオレット・ラクトン(CV
L)、ベンゾイルロイコメチレンブルー(BLMB)等
が使用できる。感圧色素溶液に代えてメチルオレンジ、
チモールブルー等の指示薬を採用することもできる。
【0038】図8は金型が開いた状態を示し、図9は金
型を一旦閉じた後、開いたときのコア入子4kを示して
いる。金型を閉めると、キャビ入子2iとコア入子4k
が互いに押し切っている部分において、紙14b中に染
み込んでいた感圧色素溶液と、酸性固体物質15aとの
反応により感圧色素溶液が呈色する。図9において、1
4cは呈色部分を示す。すなわち、合わせ面のうねり部
分を確実に定量化できるため、金型の調整が容易となっ
た。
【0039】上述のように、図1〜9に示す実施例で
は、層状の物質(高分子フィルム、金属箔、紙など)を
使用することから、平面を有する金型構成部材に挿入し
やすいという共通の長所がある。
【0040】実施例5 図27,28の不良を請求項5,6,8の方法により解
決した例を、図10,11に示す。これらの図に示す金
型は、キャビ入子2jおよびコア入子4lで構成されて
いる。コア入子4l側の合わせ面上には、感圧色素溶液
を含むマイクロカプセル16aを酸性固体物質15bに
分散させてなる材料がコーティングされている。図10
は金型が開いた状態を示し、図11は金型を一旦閉じた
後、開いたときのコア入子4lを示している。
【0041】金型を閉めると、キャビ入子2jとコア入
子4lが互いに押し切っている部分において、金型の自
重により感圧色素溶液を含むマイクロカプセル16aが
破壊し、酸性固体物質15bとの反応により呈色する。
図11において、16cは呈色部分を示す。マイクロカ
プセル16aは膜を壁材とし、これにより微粒化した壁
内物質(ここでは感圧色素溶液)を内包した直径数μm
〜数百μm程度のカプセル構造であるため、その粒径を
任意に選択できること、および感圧色素溶液と酸性固体
物質15bとの化学反応を利用していることが理由で、
上記合わせ面の片当たり部分を確実に定量化することが
でき、金型の調整が容易となった。
【0042】実施例6 図27,28の不良を請求項5,6,9の方法により解
決した例を、図12,13に示す。これらの図に示す金
型は、キャビ入子2kおよびコア入子4mで構成されて
いる。コア入子4m側の合わせ面上には、感圧色素溶液
を含むマイクロカプセル16bに酸性固体物質15cを
コートして任意の粒径にした材料が挿入されている。図
12は金型が開いた状態を示し、図13は金型を一旦閉
じた後、開いたときのコア入子4mを示している。
【0043】金型を閉めると、キャビ入子2kとコア入
子4mが互いに押し切っている部分において、金型の自
重により感圧色素溶液を含むマイクロカプセル16bが
破壊し、酸性固体物質15cとの反応により呈色する。
すなわち、上記合わせ面の片当たり部分を確実に定量化
できるため、金型の調整が容易となった。
【0044】この実施例では、上記微粒子を任意の大き
さにできるばかりでなく、一粒一粒をマトリックス状に
配列することができ、より高精度な定量化が可能であ
る。この配列を実現するためには、例えば図14に示す
ように、粒子の粒径に対応した孔17aが任意の間隔で
マトリックス状に形成されたメッシュマスク18aなど
を用いる方法が効果的であるが、これに限られるもので
はなく、金型構成部材の合わせ面に該粒子を一粒ずつ入
れることができる方法であれば、どのようなものでもよ
い。
【0045】実施例7 図25,26の不良を請求項5,6,10の方法により
解決した例を、図15,16に示す。これらの図に示す
金型は、キャビ入子2lおよびコア入子4nで構成され
ている。キャビ入子2l側の合わせ面上には、感圧色素
溶液を含むマイクロカプセルと液体酸性物質とを油中に
分散させた物質19aがコーティングされている。図1
5は金型が開いた状態を示し、図16は金型を一旦閉じ
た後、開いたときのコア入子4nを示している。
【0046】金型を閉めると、キャビ入子2lとコア入
子4nが互いに押し切っている部分において、金型の自
重により感圧色素溶液を含むマイクロカプセルが破壊
し、酸性液体物質との反応により呈色する。図16にお
いて、19bは呈色部分を示す。すなわち、上記合わせ
面の片当たり部分を確実に定量化できるため、金型の調
整が容易となった。
【0047】この実施例に用いた、感圧色素溶液を含む
マイクロカプセルと酸性液体物質とを油中に分散させた
物質19aは液体であるため、スプレー照射などにより
塗布することができる。したがって、複雑な形状の押切
面にも対応でき、簡単に塗布することが可能である。
【0048】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、以下のような顕著な作用効果が得られる。 (1)請求項1による作用効果 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ面の組み付け調
整において、該合わせ面上に挿入する高分子フィルム
は、層状になっているため金型構成部材の任意箇所に挿
入しやすく、金型が複数個の構成部材からなる場合で
も、簡単に挿入することができる。また高分子フィルム
は、任意厚さ(数μm〜数十μm)のものが選択できる
ことから、該合わせ面のクリアランスが正確に定量化で
きる。さらに、光明丹と異なり、粘着剤により積極的に
合わせ面に移着するため、確実に定量化することができ
る。また、高分子フィルムの弾性変形分の変形も許され
ないような高精度な測定が必要な場合には、例えば、高
弾性率の高密度ポリエチレンフィルムやアルミニウム箔
の使用も可能である。
【0049】(2)請求項2による作用効果 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ面の組み付け調
整において、該合わせに挿入するセロハンテープ(再生
セルロースのフィルムに粘着剤を塗布したもの)は、安
価で且つ入手しやすい。また、任意厚さ(数μm〜数十
μm)のものが選択できることから、合わせ面のクリア
ランスを正確、且つ確実に定量化することができる。上
述のことから請求項1,2の方法は、複数個のキャビ入
子、コア入子、スライドコアやルーズコアの押切面の調
整に使用でき、また、任意厚さ、任意弾性率の高分子フ
ィルムや金属箔を使用することから、確実な定量化が可
能である。
【0050】(3)請求項3,4による作用効果 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ面の組み付け調
整において、該合わせ面の片側上に油やロウに分散さ
れ、既に着色した材料(ここでは、カーボンを使用)を
コーティングし、他方の面上には油やロウとの親和性が
良い、例えば任意厚さ(数μm〜数十μm)の紙を用い
るので、合わせ面のクリアランスを確実に、且つ正確に
定量化することができる。また、油に分散され、既に着
色した材料(ここでは、カーボンを使用)は液状である
ため、スプレー照射などにより複雑な形状の金型構成材
料の合わせ面にもコーティングすることができる。さら
に、合わせ面上に挿入する紙は層状になっているため、
金型構成部材の任意箇所に挿入しやすい。
【0051】(4)請求項5〜7による作用効果 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ面の組み付け調
整において、該合わせ面上に酸性固体物質をコーティン
グし、他方の面上には感圧色素溶液を含む任意厚さ(数
μm〜数十μm)の紙を用いるため(したがって、光明
丹と異なり感圧色素溶液と酸性固体物質との化学反応に
より呈色するので)、合わせ面のクリアランスを確実、
且つ正確に定量化することができる。上述のように請求
項1〜7の方法では、層状の物質(高分子フィルム、金
属箔や紙)を使用するため、平面を有する金型構成部材
の任意箇所に挿入しやすいこと、および上記層状物質の
厚さを任意に選択できため、定量化が容易であること
が、共通の効果として挙げられる。
【0052】(5)請求項5,6,8による作用効果 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ面の組み付け調
整において、該合わせ面の片側面上に、感圧色素溶液を
含むマイクロカプセルを顕著剤層(酸性固体物質)に分
散させた材料を層状に挿入することにより、発色によっ
て該合わせ面の形状を定量化するので、該合わせ面のう
ねりや傾きを確実に定量化することができる。
【0053】(6)請求項5,6,9による作用効果 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ面の組み付け調
整において、該合わせ面の片側面上に、感圧色素溶液を
含むマイクロカプセルに顕著剤層(酸性固体物質)をコ
ートして任意の粒径にした材料を、一粒ずつマトリック
ス状に配列することができるため、該合わせ面の形状
を、より高精度に定量化することができる。また、該合
わせ面のうねりや傾きをも確実に定量化できる。
【0054】(7)請求項5,6,10による作用効果 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ面の組み付け調
整において、該合わせ面の片側面上に、感圧色素溶液を
含むマイクロカプセルと酸性固体物質とを油中に分散さ
せた材料をスプレー照射などにより挿入するので、複雑
な形状の金型構成部材の合わせ面にもコーティングする
ことができる。また、発色により該合わせ面の形状を定
量化するので、該合わせ面のうねりや傾きをも確実に定
量化できる。上述のように、請求項5,6,8〜10の
方法では、フレキブルな物質を利用して金型構成部材の
合わせ面を評価できるので、金型構成部材がうねってい
たり、傾いていたり、複雑な形状であったりしても確
実、且つ・容易に定量化できるという共通の効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る射出成形用金型の断面
図であって、金型が開いているときの状態を示すもので
ある。
【図2】図1の金型が閉じているときの状態を示す断面
図である。
【図3】図1の金型を一旦閉じた後、開いたときの状態
を示す断面図である。
【図4】実施例2に係る射出成形用金型の断面図であっ
て、金型が閉じているときの状態を示すものである。
【図5】図4のスライドコアを示す斜視図である。
【図6】実施例3に係る射出成形用金型の断面図であっ
て、金型が開いているときの状態を示すものである。
【図7】図6の金型を一旦閉じた後、開いたときのコア
入子を示す斜視図である。
【図8】実施例4に係る射出成形用金型の断面図であっ
て、金型が開いているときの状態を示すものである。
【図9】図8の金型を一旦閉じた後、開いたときのコア
入子を示す斜視図である。
【図10】実施例5に係る射出成形用金型の断面図であ
って、金型が開いているときの状態を示すものである。
【図11】図10の金型を一旦閉じた後、開いたときの
コア入子を示す斜視図である。
【図12】実施例6に係る射出成形用金型の断面図であ
って、金型が開いているときの状態を示すものである。
【図13】図12の金型を一旦閉じた後、開いたときの
コア入子を示す斜視図である。
【図14】図12のコア入子の合わせ面にマイクロカプ
セルを配列する方法を説明する斜視図である。
【図15】実施例7に係る射出成形用金型の断面図であ
って、金型が開いているときの状態を示すものである。
【図16】図15の金型を一旦閉じた後、開いたときの
コア入子を示す斜視図である。
【図17】従来の一般的な射出成形用金型の構成例を示
す断面図である。
【図18】図17の金型により得られる成形品の斜視図
である。
【図19】従来の一般的な射出成形用金型の別の構成例
を示す断面図である。
【図20】従来の一般的な射出成形用金型のスライド構
成例の断面図であって、金型が閉じているときの状態を
示すものである。
【図21】図20の金型が開いているときの状態を示す
断面図である。
【図22】図20の金型により得られる成形品の斜視図
である。
【図23】金型構成部材同士の合わせ面の不良例を示す
断面図であって、金型が開いているときのものである。
【図24】図23の金型が閉じているときの状態を示す
断面図である。
【図25】金型構成部材同士の合わせ面の別の不良例を
示す断面図であって、金型が開いているときのものであ
る。
【図26】図25の金型が閉じているときの状態を示す
断面図である。
【図27】金型構成部材同士の合わせ面の更に別の不良
例を示す断面図であって、金型が開いているときのもの
である。
【図28】図27の金型が閉じているときの状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1a〜1e キャビティープレート 2a〜2l キャビ入子 3a〜3d コアプレート 4a〜4n コア入子 5a〜5f キャビティー空間(成形品) 6a〜6l 合わせ面 6a〜6c,6e〜6g、6k、6l 押切面 7a〜7c スライドコア 8a,8b ロッキングブロック 9a,9b アンギュラピン 10a 高分子フィルム 11a 粘着剤 12a セロハンテープ 13a カーボン 14a,14b 紙 14c,16c,19b 呈色部分 15a〜15c 酸性固体物質 16a,16b 感圧色素溶液を含むマイクロカプセル 17a 孔 18a メッシュマスク 19a 感圧色素溶液を含むマイクロカプセルと液体酸
性物質とを油中に分散させた物質 C1 クリアランス D1 ,D2 押切部の寸法 D3 ロッキングブロックの寸法 D4 寸法 θ1 スライドコアの角度 θ2 ロッキングブロックの角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 明 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ
    面の組み付け調整方法において、金型構成部材の合わせ
    面の一方に、任意厚さの高分子フィルムまたは金属箔と
    粘着剤とを挿入し、前記合わせ面同士の接触状態を高分
    子フィルムまたは金属箔の移着によって定量化すること
    を特徴とする射出成形用金型の組み付け調整方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、高分子
    フィルムと粘着剤とを挿入するに際し、粘着剤を塗布し
    た高分子フィルムとして、セロハンテープを用いること
    を特徴とする射出成形用金型の組み付け調整方法。
  3. 【請求項3】 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ
    面の組み付け調整方法において、金型構成部材の合わせ
    面の一方に、圧力を加えることにより色が転写する材料
    を挿入し、一方の合わせ面から他方の合わせ面への色の
    転写状態により、合わせ面同士の接触状態を評価するこ
    とを特徴とする射出成形用金型の組み付け調整方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法において、圧力を
    加えることにより色が転写する材料としてカーボンと、
    油またはロウと、油またはロウとの親和性が良い、紙等
    の材料とを用いることを特徴とする射出成形用金型の組
    み付け調整方法。
  5. 【請求項5】 射出成形用金型の構成部材同士の合わせ
    面の組み付け調整方法において、金型構成部材の合わせ
    面の少なくとも一方に、圧力を加えることにより発色す
    る材料を挿入し、該材料の発色状態により合わせ面同士
    の接触状態を評価することを特徴とする射出成形用金型
    の組み付け調整方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法において、圧力を
    加えることにより発色する材料として感圧色素溶液と、
    酸性物質を含む顕著剤とを用いることを特徴とする射出
    成形用金型の組み付け調整方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法において、圧力を
    加えることにより発色する材料として、感圧色素溶液を
    含む紙と、酸性固体物質を含む顕著剤とを独立した任意
    膜厚の層状にしたものを用いることを特徴とする射出成
    形用金型の組み付け調整方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の方法において、圧力を
    加えることにより発色する材料として、感圧色素溶液を
    含むマイクロカプセルを、酸性固体物質を含む顕著剤層
    に分散させた層状材料を用いることを特徴とする射出成
    形用金型の組み付け調整方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の方法において、圧力を
    加えることにより発色する材料として、感圧色素溶液を
    含むマイクロカプセルに酸性固体物質をコートして任意
    の粒径にしたものを用いることを特徴とする射出成形用
    金型の組み付け調整方法。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載の方法において、圧力
    を加えることにより発色する材料として、感圧色素溶液
    を含むマイクロカプセルと酸性液体物質とを油中に分散
    させた材料をスプレー照射などにより挿入することを特
    徴とする射出成形用金型の組み付け調整方法。
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CN107639792A (zh) * 2016-07-20 2018-01-30 慈溪力典橡胶科技有限公司 一种微孔注塑成型模具
KR20190124551A (ko) * 2018-04-26 2019-11-05 공주대학교 산학협력단 고강도금속표면에 패턴 형성 방법

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