JPH0931485A - 冷間圧延油 - Google Patents
冷間圧延油Info
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- JPH0931485A JPH0931485A JP18174595A JP18174595A JPH0931485A JP H0931485 A JPH0931485 A JP H0931485A JP 18174595 A JP18174595 A JP 18174595A JP 18174595 A JP18174595 A JP 18174595A JP H0931485 A JPH0931485 A JP H0931485A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】[I]炭素数6以下の多価アルコールの中の少
なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記の一
般式で表されるジチオりん酸化合物の中の少なくとも1
種の含有量が1重量%以上、及び水からなり、かつ
[I]と[II]の含有量の和が60重量%以下であるよ
うに[I]と[II]が水に溶解されてなる冷間圧延油。 【化3】 但し、Rは炭素数 4〜18のアルキル基、アルケニル基、
アリール基、またはアルキルアリール基、nは 1〜10の
整数、Mは金属元素。 【効果】高速圧延を行っても焼付きを生じず、板破断時
の火災の危険性もなく、表面光沢が良好な鋼板を製造す
ることができる。
なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記の一
般式で表されるジチオりん酸化合物の中の少なくとも1
種の含有量が1重量%以上、及び水からなり、かつ
[I]と[II]の含有量の和が60重量%以下であるよ
うに[I]と[II]が水に溶解されてなる冷間圧延油。 【化3】 但し、Rは炭素数 4〜18のアルキル基、アルケニル基、
アリール基、またはアルキルアリール基、nは 1〜10の
整数、Mは金属元素。 【効果】高速圧延を行っても焼付きを生じず、板破断時
の火災の危険性もなく、表面光沢が良好な鋼板を製造す
ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間圧延油、特に
ステンレス鋼の冷間圧延において、高速圧延時にも被圧
延材の表面が高光沢を維持し、かつ潤滑性、ロール冷却
性に優れる冷間圧延油に関する。
ステンレス鋼の冷間圧延において、高速圧延時にも被圧
延材の表面が高光沢を維持し、かつ潤滑性、ロール冷却
性に優れる冷間圧延油に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の冷間圧延油に要求される最も重要
な性能は潤滑性であるが、実機での使用に際しては、そ
れ以外にも製品品質やメンテナンスの観点から様々な性
能が要求される。例えばステンレス鋼板の冷間圧延で
は、製品表面の光沢が最も重要視される。これは、ステ
ンレス鋼が耐食性に優れるため、表面処理を施すことな
く装飾用など直接目に触れる部分に使用されるからであ
る。
な性能は潤滑性であるが、実機での使用に際しては、そ
れ以外にも製品品質やメンテナンスの観点から様々な性
能が要求される。例えばステンレス鋼板の冷間圧延で
は、製品表面の光沢が最も重要視される。これは、ステ
ンレス鋼が耐食性に優れるため、表面処理を施すことな
く装飾用など直接目に触れる部分に使用されるからであ
る。
【0003】そして、この光沢は圧延時の潤滑状態に大
きく影響される。圧延時にロールと鋼板の間(一般に、
「ロールバイト内」と呼ばれる)に生じた油膜の油圧に
よって、圧延後の鋼板の表面にオイルピットと呼ばれる
くぼみが生じるが、油膜厚が厚い場合、あるいは圧延油
の高圧力下での粘度、すなわち高圧粘度が高い場合に、
このオイルピットの発生量が多く、鋼板表面の光沢は低
下する。
きく影響される。圧延時にロールと鋼板の間(一般に、
「ロールバイト内」と呼ばれる)に生じた油膜の油圧に
よって、圧延後の鋼板の表面にオイルピットと呼ばれる
くぼみが生じるが、油膜厚が厚い場合、あるいは圧延油
の高圧力下での粘度、すなわち高圧粘度が高い場合に、
このオイルピットの発生量が多く、鋼板表面の光沢は低
下する。
【0004】この状況を詳しく説明すると、まず、圧延
中は、金属が塑性変形を起こすわけであるからロールと
鋼板の界面では被圧延材の変形抵抗以上の高圧状態にな
っており、その中に存在する圧延油も当然高圧状態とな
っていると考えられる。今、高圧粘度が高い圧延油を用
いた場合、この圧延油は高圧状態での流動性が低いの
で、ロールバイト内でロールと鋼板の粗さにより生じた
空間に容易に封じ込められてしまい、オイルピットが形
成されるが、高圧粘度が低い圧延油の場合は、高圧状態
でも流動性が高いため、封じ込められる前にロールと鋼
板の粗さの隙間から圧力の低い方へと流出し、オイルピ
ットが形成されにくい。但し、高圧粘度があまりにも低
すぎる場合には、圧延油は流動性が高すぎるためロール
と鋼板の粗さの隙間からロールバイト外へ流出してしま
い、ロールバイト内に油膜が形成されず、潤滑不足とな
ってしまう。
中は、金属が塑性変形を起こすわけであるからロールと
鋼板の界面では被圧延材の変形抵抗以上の高圧状態にな
っており、その中に存在する圧延油も当然高圧状態とな
っていると考えられる。今、高圧粘度が高い圧延油を用
いた場合、この圧延油は高圧状態での流動性が低いの
で、ロールバイト内でロールと鋼板の粗さにより生じた
空間に容易に封じ込められてしまい、オイルピットが形
成されるが、高圧粘度が低い圧延油の場合は、高圧状態
でも流動性が高いため、封じ込められる前にロールと鋼
板の粗さの隙間から圧力の低い方へと流出し、オイルピ
ットが形成されにくい。但し、高圧粘度があまりにも低
すぎる場合には、圧延油は流動性が高すぎるためロール
と鋼板の粗さの隙間からロールバイト外へ流出してしま
い、ロールバイト内に油膜が形成されず、潤滑不足とな
ってしまう。
【0005】従って、ステンレス鋼板の冷間圧延では、
高圧粘度が低く、かつロールバイト内へ引き込まれる量
が少ない圧延油が潤滑油として使用される。
高圧粘度が低く、かつロールバイト内へ引き込まれる量
が少ない圧延油が潤滑油として使用される。
【0006】この条件を満たすものとして低粘度の鉱油
があり、これは高圧粘度も低い。しかし、低粘度の鉱油
は潤滑性が乏しいので、耐焼付性を向上させるため合成
エステルや脂肪族アルコールなどを油性剤として添加し
たものが用いられる。ところが、油は比熱が小さく、ロ
ール及び鋼板の冷却性能が悪いので、高速圧延時にロー
ル及び鋼板表面の温度が上昇してしまう。ロールや鋼板
表面温度が上昇すると、油性剤が熱分解し、あるいはロ
ール及び鋼板表面から脱離し、潤滑性が低下して焼付き
を生じる。冷却性能は冷間圧延油の粘度を更に低下させ
て流動性を上げることにより向上させることができる
が、鉱油は粘度の低下に伴って引火点が下がるため、圧
延中に板破断が生じた場合の火花で火災が発生する危険
性があり、極端には低粘度化できない。
があり、これは高圧粘度も低い。しかし、低粘度の鉱油
は潤滑性が乏しいので、耐焼付性を向上させるため合成
エステルや脂肪族アルコールなどを油性剤として添加し
たものが用いられる。ところが、油は比熱が小さく、ロ
ール及び鋼板の冷却性能が悪いので、高速圧延時にロー
ル及び鋼板表面の温度が上昇してしまう。ロールや鋼板
表面温度が上昇すると、油性剤が熱分解し、あるいはロ
ール及び鋼板表面から脱離し、潤滑性が低下して焼付き
を生じる。冷却性能は冷間圧延油の粘度を更に低下させ
て流動性を上げることにより向上させることができる
が、鉱油は粘度の低下に伴って引火点が下がるため、圧
延中に板破断が生じた場合の火花で火災が発生する危険
性があり、極端には低粘度化できない。
【0007】これに対し、難燃性で冷却性に優れる冷間
圧延油として、従来から普通鋼の圧延に用いられている
水中油滴分散(O/W)型エマルションの冷間圧延油が
ある。しかし、O/W型エマルション冷間圧延油は成分
の大半が水であるため冷却性には優れる一方、ロール及
び鋼板表面に付着する油分量が均一になり難く、光沢む
らを生じ易い欠点がある。また、特公平3−80199
号公報では、脂肪酸、石油スルホン酸及びナフテン酸の
中の一種以上を含む基油中に水を1〜50重量%分散さ
せた油中水滴分散(W/O)型エマルションの冷間圧延
油が提案されている。この圧延油は主成分が油であるた
めO/W型エマルション冷間圧延油のように極端には冷
却性は向上せず、またW/O型エマルションを安定に維
持するには多量の乳化剤すなわち界面活性剤を必要とす
るため、排水処理上の問題があった。
圧延油として、従来から普通鋼の圧延に用いられている
水中油滴分散(O/W)型エマルションの冷間圧延油が
ある。しかし、O/W型エマルション冷間圧延油は成分
の大半が水であるため冷却性には優れる一方、ロール及
び鋼板表面に付着する油分量が均一になり難く、光沢む
らを生じ易い欠点がある。また、特公平3−80199
号公報では、脂肪酸、石油スルホン酸及びナフテン酸の
中の一種以上を含む基油中に水を1〜50重量%分散さ
せた油中水滴分散(W/O)型エマルションの冷間圧延
油が提案されている。この圧延油は主成分が油であるた
めO/W型エマルション冷間圧延油のように極端には冷
却性は向上せず、またW/O型エマルションを安定に維
持するには多量の乳化剤すなわち界面活性剤を必要とす
るため、排水処理上の問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高速圧延を
行っても焼付きを生じず、火災の危険性がなく、また、
表面光沢の高い鋼板を製造し得る冷間圧延油を提供する
ことを目的とする。
行っても焼付きを生じず、火災の危険性がなく、また、
表面光沢の高い鋼板を製造し得る冷間圧延油を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために検討を重ねた結果、水に特定の水溶性
の増粘剤と特定の水溶性の潤滑性向上剤の両者を特定量
添加した冷間圧延油が、水と同等の高い冷却性能を有
し、更に潤滑性も良好であることを見出し、本発明をな
すに至った。
を達成するために検討を重ねた結果、水に特定の水溶性
の増粘剤と特定の水溶性の潤滑性向上剤の両者を特定量
添加した冷間圧延油が、水と同等の高い冷却性能を有
し、更に潤滑性も良好であることを見出し、本発明をな
すに至った。
【0010】本発明の要旨は、下記の冷間圧延油にあ
る。
る。
【0011】[I]炭素数6以下の多価アルコールの中
の少なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記
の一般式で表されるジチオりん酸化合物の中の少なくと
も1種の含有量が1重量%以上、および水からなり、か
つ、前記[I]と[II]の含有量の和が60重量%以下
であるように[I]と[II]が水に溶解されてなる冷間
圧延油。
の少なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記
の一般式で表されるジチオりん酸化合物の中の少なくと
も1種の含有量が1重量%以上、および水からなり、か
つ、前記[I]と[II]の含有量の和が60重量%以下
であるように[I]と[II]が水に溶解されてなる冷間
圧延油。
【0012】
【化2】
【0013】但し、Rは炭素数 4〜18のアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基、
nは1 〜10の整数、Mは金属元素を示す。
ルケニル基、アリール基、またはアルキルアリール基、
nは1 〜10の整数、Mは金属元素を示す。
【0014】ここで、「水に溶解されてなる冷間圧延
油」とは、水に完全に溶解して単一相をなす冷間圧延油
であることを意味し、界面活性剤などを用いて水に分散
させたエマルション状態の冷間圧延油や、微粒子を水に
懸濁させたサスペンジョンの状態の冷間圧延油とは異な
る。
油」とは、水に完全に溶解して単一相をなす冷間圧延油
であることを意味し、界面活性剤などを用いて水に分散
させたエマルション状態の冷間圧延油や、微粒子を水に
懸濁させたサスペンジョンの状態の冷間圧延油とは異な
る。
【0015】上記本発明の冷間圧延油によって前記の課
題がどのように解決されるか、以下に説明する。
題がどのように解決されるか、以下に説明する。
【0016】本発明の冷間圧延油は、水、増粘剤(前記
[I]の成分)および潤滑性向上剤(前記[II]の成
分)より構成される。本発明の冷間圧延油は、水をベー
スにしているため難燃性であり、また比熱が水並みに高
く、油をベースにした従来の冷間圧延油に比べて冷却性
能がかなり良好であり、エマルションタイプの冷間圧延
油と比較しても同等以上の冷却性能を有する。これは、
エマルションタイプの冷間圧延油ではロール、鋼板に付
着した油膜が伝熱抵抗となって冷却性能を低下させてし
まうが、本発明の冷間圧延油では、完全に水溶性の物質
のみを水に溶解させているため、成分の一部がロールや
鋼板に付着して伝熱抵抗になるといった問題が生じない
ためである。また、本発明の冷間圧延油は均一な一相流
体であり、油膜厚さが不均一になるという問題も生じる
ことがなく、従って光沢むらなども生じない。
[I]の成分)および潤滑性向上剤(前記[II]の成
分)より構成される。本発明の冷間圧延油は、水をベー
スにしているため難燃性であり、また比熱が水並みに高
く、油をベースにした従来の冷間圧延油に比べて冷却性
能がかなり良好であり、エマルションタイプの冷間圧延
油と比較しても同等以上の冷却性能を有する。これは、
エマルションタイプの冷間圧延油ではロール、鋼板に付
着した油膜が伝熱抵抗となって冷却性能を低下させてし
まうが、本発明の冷間圧延油では、完全に水溶性の物質
のみを水に溶解させているため、成分の一部がロールや
鋼板に付着して伝熱抵抗になるといった問題が生じない
ためである。また、本発明の冷間圧延油は均一な一相流
体であり、油膜厚さが不均一になるという問題も生じる
ことがなく、従って光沢むらなども生じない。
【0017】本発明の冷間圧延油においては、潤滑性向
上剤と増粘剤の両者を組み合わせて使用することに特徴
がある。
上剤と増粘剤の両者を組み合わせて使用することに特徴
がある。
【0018】本発明の冷間圧延油成分中に含まれる潤滑
性向上剤のみを水に溶解した冷間圧延油の場合、成分の
大半が水であり、冷間圧延油全体としての高圧粘度が極
端に低いため、圧延時に非常に高圧となったロールバイ
ト内では、冷間圧延油がロールと鋼板の粗さの隙間から
流出してしまい、ロールバイト内に潤滑性向上剤を十分
に保持できない。しかし、本発明の冷間圧延油は潤滑性
向上剤のみならず増粘剤を5〜60重量%(潤滑性向上
剤が少なくとも1重量%含まれるので、正確には上限は
59重量%である)含有しており、これによって全体の
高圧粘度が低粘度鉱油並みになり、圧延時のロールバイ
ト内においてもロールと鋼板の粗さの隙間から冷間圧延
油が流出してしまうことなくロールバイト内に保持され
る。従って、圧延によって生じた新生面に対しても保持
されている冷間圧延油中の潤滑性向上剤が吸着して焼付
きを防止する。また、本発明の冷間圧延油は増粘剤の含
有量の上限がおよそ60重量%であるため、オイルピッ
トが発生し過ぎて鋼板の光沢が低下するという問題も生
じない。
性向上剤のみを水に溶解した冷間圧延油の場合、成分の
大半が水であり、冷間圧延油全体としての高圧粘度が極
端に低いため、圧延時に非常に高圧となったロールバイ
ト内では、冷間圧延油がロールと鋼板の粗さの隙間から
流出してしまい、ロールバイト内に潤滑性向上剤を十分
に保持できない。しかし、本発明の冷間圧延油は潤滑性
向上剤のみならず増粘剤を5〜60重量%(潤滑性向上
剤が少なくとも1重量%含まれるので、正確には上限は
59重量%である)含有しており、これによって全体の
高圧粘度が低粘度鉱油並みになり、圧延時のロールバイ
ト内においてもロールと鋼板の粗さの隙間から冷間圧延
油が流出してしまうことなくロールバイト内に保持され
る。従って、圧延によって生じた新生面に対しても保持
されている冷間圧延油中の潤滑性向上剤が吸着して焼付
きを防止する。また、本発明の冷間圧延油は増粘剤の含
有量の上限がおよそ60重量%であるため、オイルピッ
トが発生し過ぎて鋼板の光沢が低下するという問題も生
じない。
【0019】一方、本発明の冷間圧延油成分中に含まれ
る増粘剤のみを水に溶解した冷間圧延油の場合、高圧粘
度は鉱油並みであるが、新生面に吸着する潤滑性向上剤
を含有してないため焼付きを生じ易い。
る増粘剤のみを水に溶解した冷間圧延油の場合、高圧粘
度は鉱油並みであるが、新生面に吸着する潤滑性向上剤
を含有してないため焼付きを生じ易い。
【0020】以上述べたように、潤滑性向上剤と増粘剤
の両者を組み合わせて使用する必要がある。
の両者を組み合わせて使用する必要がある。
【0021】本発明で使用する増粘剤は、炭素数6以下
の多価アルコールである。炭素数が7以上の多価アルコ
ールは、水に対する溶解度が低く使用できない。このよ
うな増粘剤としては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエ
チエレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストリール
等が挙げられる。中でも、エチレングリコールおよびグ
リセリンがより好ましい。これらの物質には、分子中の
アルコール性水酸基が水中で水素結合し粘度を高める作
用がある。また、潤滑性向上剤として添加しているりん
酸化合物の加水分解により生じるりん酸が増加すると、
圧延機や鋼板を腐食するが、これらの多価アルコールは
このりん酸をエステル化し中和する作用を有しており、
りん酸化合物の添加による弊害を排除して潤滑作用を維
持させる上でも有用である。
の多価アルコールである。炭素数が7以上の多価アルコ
ールは、水に対する溶解度が低く使用できない。このよ
うな増粘剤としては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエ
チエレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリストリール
等が挙げられる。中でも、エチレングリコールおよびグ
リセリンがより好ましい。これらの物質には、分子中の
アルコール性水酸基が水中で水素結合し粘度を高める作
用がある。また、潤滑性向上剤として添加しているりん
酸化合物の加水分解により生じるりん酸が増加すると、
圧延機や鋼板を腐食するが、これらの多価アルコールは
このりん酸をエステル化し中和する作用を有しており、
りん酸化合物の添加による弊害を排除して潤滑作用を維
持させる上でも有用である。
【0022】本発明にかかる増粘剤の含有量は5重量%
以上である。5重量%未満では高圧粘度が低過ぎ、ロー
ルバイト内への冷間圧延油の保持が不十分である。
以上である。5重量%未満では高圧粘度が低過ぎ、ロー
ルバイト内への冷間圧延油の保持が不十分である。
【0023】本発明で使用する潤滑性向上剤は、前記の
一般式で表されるジチオりん酸化合物である。ここで、
ジチオりん酸化合物の炭素数Rを4〜18としたのは、
4未満では吸着分子膜の厚みが薄く耐焼付き性が十分で
はなく、19以上ではたとえエチレンオキサイドの付加
モル数nを大きくしても水に溶解し難くなるからであ
る。また、この4〜18の炭素数の範囲で水に均一に溶
解できるnの範囲は1〜10である。0すなわちエチレ
ンオキサイドを付加しない場合は、このりん酸化合物が
水に溶解せず、11以上ではジチオりん酸化合物がミセ
ルを形成し、金属面への吸着性が極端に低下する。さら
には、発泡し易いなどの問題も生じる。
一般式で表されるジチオりん酸化合物である。ここで、
ジチオりん酸化合物の炭素数Rを4〜18としたのは、
4未満では吸着分子膜の厚みが薄く耐焼付き性が十分で
はなく、19以上ではたとえエチレンオキサイドの付加
モル数nを大きくしても水に溶解し難くなるからであ
る。また、この4〜18の炭素数の範囲で水に均一に溶
解できるnの範囲は1〜10である。0すなわちエチレ
ンオキサイドを付加しない場合は、このりん酸化合物が
水に溶解せず、11以上ではジチオりん酸化合物がミセ
ルを形成し、金属面への吸着性が極端に低下する。さら
には、発泡し易いなどの問題も生じる。
【0024】ジチオりん酸化合物中の金属としては2価
の金属が用いられるが、特に亜鉛(Zn)、鉛(P
b)、モリブデン(Mo)が好ましい。
の金属が用いられるが、特に亜鉛(Zn)、鉛(P
b)、モリブデン(Mo)が好ましい。
【0025】本発明で使用するジチオりん酸化合物とし
ては、以下のものが適当である。すなわち、ジポリオキ
シエチレンオレイルジチオりん酸亜鉛(エチレンオキサ
イドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンオレイ
ルジチオりん酸鉛(エチレンオキサイドのモル数:1 〜
10)、ジポリオキシエチレンオレイルジチオりん酸モリ
ブデン(エチレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポ
リオキシエチレンラウリルジチオりん酸亜鉛(エチレン
オキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレン
ラウリルジチオりん酸鉛(エチレンオキサイドのモル
数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンラウリルジチオり
ん酸モリブデン(エチレンオキサイドのモル数:1 〜1
0)、ジポリオキシエチレンステアリルジチオりん酸亜
鉛(エチレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオ
キシエチレンステアリルジチオりん酸鉛(エチレンオキ
サイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンステ
アリルジチオりん酸モリブデン(エチレンオキサイドの
モル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンフェニルジチ
オりん酸亜鉛(エチレンオキサイドのモル数:1 〜1
0)、ジポリオキシエチレンフェニルジチオりん酸鉛
(エチレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキ
シエチレンフェニルジチオりん酸モリブデン(エチレン
オキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレン
ベンジルジチオりん酸亜鉛(エチレンオキサイドのモル
数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンベンジルジチオり
ん酸鉛(エチレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポ
リオキシエチレンベンジルジチオりん酸モリブデン(エ
チレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエ
チレンノニルフェニルジチオりん酸亜鉛(エチレンオキ
サイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンノニ
ルフェニルジチオりん酸鉛(エチレンオキサイドのモル
数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンノニルフェニルジ
チオりん酸モリブデン(エチレンオキサイドのモル数:
1 〜10)等である。
ては、以下のものが適当である。すなわち、ジポリオキ
シエチレンオレイルジチオりん酸亜鉛(エチレンオキサ
イドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンオレイ
ルジチオりん酸鉛(エチレンオキサイドのモル数:1 〜
10)、ジポリオキシエチレンオレイルジチオりん酸モリ
ブデン(エチレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポ
リオキシエチレンラウリルジチオりん酸亜鉛(エチレン
オキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレン
ラウリルジチオりん酸鉛(エチレンオキサイドのモル
数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンラウリルジチオり
ん酸モリブデン(エチレンオキサイドのモル数:1 〜1
0)、ジポリオキシエチレンステアリルジチオりん酸亜
鉛(エチレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオ
キシエチレンステアリルジチオりん酸鉛(エチレンオキ
サイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンステ
アリルジチオりん酸モリブデン(エチレンオキサイドの
モル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンフェニルジチ
オりん酸亜鉛(エチレンオキサイドのモル数:1 〜1
0)、ジポリオキシエチレンフェニルジチオりん酸鉛
(エチレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキ
シエチレンフェニルジチオりん酸モリブデン(エチレン
オキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレン
ベンジルジチオりん酸亜鉛(エチレンオキサイドのモル
数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンベンジルジチオり
ん酸鉛(エチレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポ
リオキシエチレンベンジルジチオりん酸モリブデン(エ
チレンオキサイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエ
チレンノニルフェニルジチオりん酸亜鉛(エチレンオキ
サイドのモル数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンノニ
ルフェニルジチオりん酸鉛(エチレンオキサイドのモル
数:1 〜10)、ジポリオキシエチレンノニルフェニルジ
チオりん酸モリブデン(エチレンオキサイドのモル数:
1 〜10)等である。
【0026】これらの潤滑性向上剤は、例えば「潤滑の
物理化学」(桜井著、幸書房)などに記載されている有
機金属系極圧剤の作用機構と同様の機構で作用し、Pお
よびSが鋼板表面と反応することにより潤滑性を向上さ
せる。
物理化学」(桜井著、幸書房)などに記載されている有
機金属系極圧剤の作用機構と同様の機構で作用し、Pお
よびSが鋼板表面と反応することにより潤滑性を向上さ
せる。
【0027】本発明にかかる潤滑性向上剤の含有量は1
重量%以上である。1重量%未満では、たとえ増粘剤を
含有しロールバイト内に冷間圧延油が保持されても、圧
延により発生した全ての新生面に吸着して覆うことはで
きず、焼付きを生じ易い。
重量%以上である。1重量%未満では、たとえ増粘剤を
含有しロールバイト内に冷間圧延油が保持されても、圧
延により発生した全ての新生面に吸着して覆うことはで
きず、焼付きを生じ易い。
【0028】また、本発明にかかる増粘剤と潤滑性向上
剤の総量は60重量%以下である。
剤の総量は60重量%以下である。
【0029】増粘剤と潤滑性向上剤の総量が60重量%
を超えると水の含有量が少な過ぎるため、冷却性能が急
激に低下する。
を超えると水の含有量が少な過ぎるため、冷却性能が急
激に低下する。
【0030】
【実施例】以下、実施例に基づいて具体的に説明する。
【0031】まず、表1〜表3に示す本発明例1〜33
と表4及び表5に示す比較例1〜11の44種類の冷間
圧延油を準備した。ここで、比較例10はO/W型エマ
ルションタイプの冷間圧延油であり、ホモミキサーで油
滴の平均粒径を約4μmに調整した。
と表4及び表5に示す比較例1〜11の44種類の冷間
圧延油を準備した。ここで、比較例10はO/W型エマ
ルションタイプの冷間圧延油であり、ホモミキサーで油
滴の平均粒径を約4μmに調整した。
【0032】これらの冷間圧延油を用いて、表6に示す
4段式圧延機により表7に示す条件でコイル圧延を行
い、潤滑性(耐焼付き性)及び光沢性を評価した。圧延
ロールとしてはSKD11 、セミハイス(0.4 %C、5 %C
r、1 %Mo、0.3 %V 、1 %W )及びSKD11 にCrメッキ
を施したロールを、いずれも表面粗さ(Ra)を0.01μm
にして用い、被圧延材としてはSUS430、SUS304及び炭素
鋼(SPCC-SB )を使用した。また、各冷間圧延油は圧延
機の入側でロ−ルおよび鋼板に直接、圧力5kgf /c
m2 、流量6リットル/分で供給した。
4段式圧延機により表7に示す条件でコイル圧延を行
い、潤滑性(耐焼付き性)及び光沢性を評価した。圧延
ロールとしてはSKD11 、セミハイス(0.4 %C、5 %C
r、1 %Mo、0.3 %V 、1 %W )及びSKD11 にCrメッキ
を施したロールを、いずれも表面粗さ(Ra)を0.01μm
にして用い、被圧延材としてはSUS430、SUS304及び炭素
鋼(SPCC-SB )を使用した。また、各冷間圧延油は圧延
機の入側でロ−ルおよび鋼板に直接、圧力5kgf /c
m2 、流量6リットル/分で供給した。
【0033】耐焼付き性の評価は焼付き疵の有無を肉眼
により判定することにより行い、1コイル(800m)を圧
延して全く焼付きが生じなかったときのみ良好とした。
また、光沢性の評価は表面光沢度(Gs45゜)を測定する
ことにより行い、SUS430と炭素鋼については光沢度が 7
00を上回ったときのみ良好とし、SUS304については光沢
度が 600を上回ったときのみ良好とした。
により判定することにより行い、1コイル(800m)を圧
延して全く焼付きが生じなかったときのみ良好とした。
また、光沢性の評価は表面光沢度(Gs45゜)を測定する
ことにより行い、SUS430と炭素鋼については光沢度が 7
00を上回ったときのみ良好とし、SUS304については光沢
度が 600を上回ったときのみ良好とした。
【0034】表8にSUS430を圧延した場合の結果を、表
9にSUS304を圧延した場合の結果を、また表10に炭素
鋼を圧延した場合の結果を示す。なお、SUS430の光沢度
の評価は圧下率が30%のときの表面光沢度を測定するこ
とにより行った。また、耐焼付き性に関しては、SUS43
0、SUS304および炭素鋼のいずれについても、1コイル
を圧延し、全く焼付きが生じなかったときのみ良好と評
価して○印で、焼付きが生じた場合は×印で表した。な
お、表8に SKD11ロールでSUS430を圧延した場合の圧延
直後のコイル表面温度を示した。
9にSUS304を圧延した場合の結果を、また表10に炭素
鋼を圧延した場合の結果を示す。なお、SUS430の光沢度
の評価は圧下率が30%のときの表面光沢度を測定するこ
とにより行った。また、耐焼付き性に関しては、SUS43
0、SUS304および炭素鋼のいずれについても、1コイル
を圧延し、全く焼付きが生じなかったときのみ良好と評
価して○印で、焼付きが生じた場合は×印で表した。な
お、表8に SKD11ロールでSUS430を圧延した場合の圧延
直後のコイル表面温度を示した。
【0035】これらの結果から、本発明の冷間圧延油を
用いることによって、SUS430、SUS304、および炭素鋼の
いずれを圧延しても、ロールおよび鋼板の温度上昇を抑
制でき、焼付きの発生も完全に防止できることが明かと
なった。また、本発明の冷間圧延油では、オイルピット
の発生量が少なく、光沢も良好であることが確認でき
た。さらには、本発明の冷間圧延油では、エマルション
タイプの冷間圧延油に見られるような光沢むらも全く発
生しなかった。なお、比較例8ではIIの成分が水に溶解
せず均質にならなかったため試験できなかった。
用いることによって、SUS430、SUS304、および炭素鋼の
いずれを圧延しても、ロールおよび鋼板の温度上昇を抑
制でき、焼付きの発生も完全に防止できることが明かと
なった。また、本発明の冷間圧延油では、オイルピット
の発生量が少なく、光沢も良好であることが確認でき
た。さらには、本発明の冷間圧延油では、エマルション
タイプの冷間圧延油に見られるような光沢むらも全く発
生しなかった。なお、比較例8ではIIの成分が水に溶解
せず均質にならなかったため試験できなかった。
【0036】また、SKD11 、セミハイス及びCrメッキロ
ールのいずれの圧延ロールを用いた場合でも同じ効果が
得られた。
ールのいずれの圧延ロールを用いた場合でも同じ効果が
得られた。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】
【発明の効果】本発明の冷間圧延油を用いることによっ
て、高速圧延を行っても焼付きを生じず、板破断時の火
災の危険性もなく、表面光沢が良好な鋼板を製造するこ
とができる。
て、高速圧延を行っても焼付きを生じず、板破断時の火
災の危険性もなく、表面光沢が良好な鋼板を製造するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 10:04 10:08 10:12 30:06 40:24
Claims (1)
- 【請求項1】[I]炭素数6以下の多価アルコールの中
の少なくとも1種の含有量が5重量%以上、[II]下記
の一般式で表されるジチオりん酸化合物の中の少なくと
も1種の含有量が1重量%以上、および水からなり、か
つ、前記[I]と[II]の含有量の和が60重量%以下
であるように[I]と[II]が水に溶解されてなる冷間
圧延油。 【化1】 但し、Rは炭素数 4〜18のアルキル基、アルケニル基、
アリール基、 またはアルキルアリール基、 nは1 〜10の整数、 Mは金属元素 を示す。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18174595A JPH0931485A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 冷間圧延油 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18174595A JPH0931485A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 冷間圧延油 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0931485A true JPH0931485A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16106149
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18174595A Pending JPH0931485A (ja) | 1995-07-18 | 1995-07-18 | 冷間圧延油 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0931485A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006274109A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Okayamaken Sangyo Shinko Zaidan | 潤滑剤及びそれを用いた機械又は装置 |
-
1995
- 1995-07-18 JP JP18174595A patent/JPH0931485A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006274109A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Okayamaken Sangyo Shinko Zaidan | 潤滑剤及びそれを用いた機械又は装置 |
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