JPH09316017A - エーテル化合物の製造法 - Google Patents

エーテル化合物の製造法

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JPH09316017A
JPH09316017A JP8128141A JP12814196A JPH09316017A JP H09316017 A JPH09316017 A JP H09316017A JP 8128141 A JP8128141 A JP 8128141A JP 12814196 A JP12814196 A JP 12814196A JP H09316017 A JPH09316017 A JP H09316017A
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靖之 藤井
Mitsuru Uno
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Hideko Tamura
英子 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤、化粧料、洗浄剤組成物、潤滑剤、乳化
剤等に広範囲に使用可能なエーテル結合を2個以上有す
るエーテル化合物を簡便かつ安価に供給できる製造法の
提供。 【解決手段】 ヒドロキシ化合物あるいはカルボニル化
合物の少なくとも1種として多価化合物を用い、ヒドロ
キシ化合物とカルボニル化合物を水素雰囲気下、触媒を
用いて反応させてエーテル化合物を製造するに際し、反
応により副生する水を除去しながら反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエーテル化合物の製
造法に関する。さらに詳しくは、溶剤、化粧料、洗浄剤
組成物、潤滑剤、乳化剤等に広範囲に使用可能なエーテ
ル化合物を、高収率で、簡便かつ安価に供給できるエー
テル化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エーテル化合物はジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチル
エーテル等が溶剤として利用されている。しかし、これ
らより分子量の大きいもの、あるいは非対称型のものは
合成が困難なため、ほとんど利用されていないのが現状
である。特に化粧料等に配合できる油剤として、エーテ
ル化合物は、現在汎用されているエステル系の油剤に比
べ、べとつかず、しかも加水分解もしないので、その有
用性が高くなってきている。
【0003】また、エーテル化合物は、洗浄剤組成物と
しての油剤あるいは新しい非イオン活性剤としての利用
も考えられる。さらには、溶剤、潤滑剤、乳化剤等への
利用も可能である。上記のような理由からもエーテル化
合物の利用に対する期待は高まっているが、本当に有用
なエーテル化合物を工業的レベルで、高収率で簡便かつ
安価に製造できないのが現状である。
【0004】従来から知られているエーテル化合物の合
成に用いられる方法としては、例えば、アルコラートと
ハロゲン化アルキルからの合成(ウィリアムソン合成
法)、アルコールとエステル系化合物からの合成、アル
コール間の酸による脱水反応からの合成、アルコールの
オレフィンへの付加による合成等が一般的である。
【0005】しかし、アルコラートとハロゲン化アルキ
ルからの合成では、アルコラートを生じさせるためのア
ルコールと当量の金属(Na、K等)、あるいはアルカ
リが必要であり、さらには反応後、それに伴う多量の塩
が生成し、工業的には好ましくない。また、アルコール
とエステル系化合物からの合成については、エステル化
合物がジメチル硫酸、ジエチル硫酸等に限定され、メチ
ルエーテル、エチルエーテルの合成には好ましいが、こ
れらの化合物より炭素数が多いエーテル化合物を合成す
るのは困難である。
【0006】アルコール間の酸による脱水反応では対称
型エーテル化合物の合成には適するが、非対称型エーテ
ル化合物の合成は困難である。また、アルコールのオレ
フィンへの付加による合成では、オレフィン化合物が限
定されたり、また、使用する触媒とともにかなり高価な
ものが多く、さらには、オレフィン、触媒ともに回収再
利用も困難なものが多く、工業的には適さない。
【0007】また、例えば、特開昭48−33037号
公報には各種モノエーテル類の利用が開示されている
が、その合成法としてウィリアムソン法が有利と明記し
てある。しかし、先にも述べたように、ウィリアムソン
法は工業的レベルでは好ましくない。更に、エーテル化
合物の利用法が、特開昭48−5941号公報、米国特
許第4009254号明細書に開示されているが、これ
らもウィリアムソン法がほとんどである。
【0008】その他、エーテルの合成法として、アルコ
ールとカルボニル化合物から製造する方法がある。例え
ば、J. Chem. Soc., 5598(1963)、Chem. Commun., 422
(1967) にアルコール過剰系において、常圧水素雰囲気
下、酸性触媒を用いた条件下エーテル化合物を合成する
方法が記載されている。しかし、それらはすべてアルコ
ールが大過剰系であり、しかもメタノール、エタノー
ル、プロピルアルコールといった低級アルコールの使用
のみであり、炭素数が6を超える高級アルコールや多価
アルコールについては記載されていない。また、J. Or
g. Chem., 26, 1026(1961) には、各種ケタールの水素
化分解反応によるエーテルの合成法が開示されている
が、これについても炭素数が6以下の低級アルコールが
中心であり、高級アルコールや多価アルコールのエーテ
ル化の記載はなく、一般的でない。また、この反応にお
いては、一旦、ケタールを合成しなければならないとい
う欠点もある。
【0009】また、近年、高級アルコールを用いたエー
テル化合物の合成例として、強酸を触媒としたトリエチ
ルシランによる還元法が開発され、高級アルコールと各
種カルボニル化合物から各種エーテル化合物が合成され
ているが(Chemistry letters, P.743-746, 1985) 、強
酸、トリエチルシラン等が高価なこともあり、工業的に
は好ましい方法とはいえない。
【0010】また、米国特許第5446210号明細書
には、少なくとも1種のポリオールと少なくとも1種の
カルボニル化合物とを、水素化触媒の存在下、高温で反
応させてポリオールエーテルを製造する方法が記載され
ている。しかしこの方法では収率が低く、高収率でポリ
オールエーテルを得ることはできない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べたように、
エーテル化合物、特にエーテル結合を2個以上有するエ
ーテル化合物は、その用途が期待されながら、製造が困
難であるため汎用的に利用できず、高収率で簡便かつ安
価に供給できるエーテル化合物の製造法が望まれてい
た。従って、本発明の目的は、溶剤、化粧料、洗浄剤組
成物、潤滑剤、乳化剤等への利用として有用な、エーテ
ル結合を2個以上有するエーテル化合物を、高収率で簡
便かつ安価に供給できる製造法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、エーテル結合を2個以上有するエーテル
化合物を高収率で簡便かつ安価に製造する方法について
鋭意検討を行った結果、原料として、多価ヒドロキシ化
合物、又は多価カルボニル化合物を用い、反応により副
生する水を除去しながら反応を行うことにより、一段階
で、しかも高収率で、エーテル結合を2個以上有するエ
ーテル化合物が得られることを見出し、本発明を完成す
るに到った。
【0013】すなわち本発明は、ヒドロキシ化合物ある
いはカルボニル化合物の少なくとも1種として多価化合
物を用い、ヒドロキシ化合物とカルボニル化合物を水素
雰囲気下、触媒を用いて反応させてエーテル化合物を製
造するに際し、反応により副生する水を除去しながら反
応を行うことを特徴とするエーテル化合物の製造法を提
供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明においては、ヒドロキシ化合物とカ
ルボニル化合物を水素雰囲気下、触媒を用いて反応させ
てエーテル化合物を製造するに際し、ヒドロキシ化合物
あるいはカルボニル化合物の少なくとも1種として多価
化合物を用いるが、具体的な方法としては、多価アルコ
ールあるいはその誘導体と1価のカルボニル化合物とを
反応させる方法、1価のヒドロキシ化合物と多価カルボ
ニル化合物とを反応させる方法、多価アルコールあるい
はその誘導体と多価カルボニル化合物とを反応させる方
法等がある。
【0015】本発明に用いられる多価アルコールあるい
はその誘導体としては、水酸基を2〜10個有する化合物
が挙げられ、具体的には、炭素数2〜20のジオール、グ
リセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール、糖あるいはこれらのアル
キレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらの中で
は炭素数2〜20、好ましくは2〜10のジオール、グリセ
リンあるいはこれらのエチレンオキサイド付加物が特に
好ましい。
【0016】本発明に用いられる多価カルボニル化合物
としては、カルボニル基を2〜10個有する化合物が挙げ
られ、具体的には、炭素数2〜20の鎖状あるいは環状の
ジカルボニル化合物等が挙げられる。これらの中では炭
素数2〜10の鎖状ジカルボニル化合物、シクロヘキサン
ジオンが特に好ましい。
【0017】本発明において、上記多価アルコール又は
その誘導体と反応させる1価のカルボニル化合物として
は、一般式(1)
【0018】
【化1】
【0019】〔式中、R1, R2は水素原子、炭素数1〜20
の直鎖又は分岐のアルキル基あるいはアルケニル基を示
し、R1, R2は同一であっても異なっていてもよい。ま
た、R1,R2が結合した環状構造であってもよい。〕で表
される化合物が挙げられる。
【0020】一般式(1)で表される化合物の具体例と
しては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−
プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−
n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチ
ル−2−ペンタノン)、ピナコロン、メチル−n−アミ
ルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケト
ン、エチル−n−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケト
ン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、2,
6,6−トリメチルノナノン−4、6−メチル−5−ヘ
プテノン−2等の鎖状ケトン、シクロヘキサノン、2−
メチルシクロヘキサノン、イソホロン、シクロペンタノ
ン、シクロヘプタノン等の環状ケトン、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピ
ルアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒ
ド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチ
ルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、
ウンデシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、ヘキサデ
シルアルデヒド、オクタデシルアルデヒド、エイコシル
アルデヒド等の直鎖アルデヒド、イソブチルアルデヒ
ド、2−エチルヘキシルアルデヒド、2−エチルブチル
アルデヒド、メチルヘプタデシルアルデヒド等の分岐ア
ルデヒドなどが挙げられるが、必ずしもこれらに限定さ
れるものではない。
【0021】これらのカルボニル化合物の中では、炭素
数1〜12の鎖状ケトン、脂肪族アルデヒドあるいは炭素
数5〜8の環状ケトンが好ましく、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2
−ペンタノン)等の炭素数3〜6の鎖状ケトンや、ホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、オクチ
ルアルデヒド、ドデシルアルデヒド等の炭素数1〜12、
更には3〜8の脂肪族アルデヒド、シクロヘキサノン等
の環状ケトンが特に好ましく、更にはアセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチル−
2−ペンタノン)が特に好ましい。これらのカルボニル
化合物は、1種又は2種以上の混合物として用いること
ができる。
【0022】本発明において、上記多価カルボニル化合
物と反応させる1価のヒドロキシ化合物としては、一般
式(2) R3−(OA)n-OH (2) 〔式中、R3は炭素数1〜40の直鎖又は分岐のアルキル基
あるいはアルケニル基、もしくは炭素数3〜12のシクロ
アルキル基を示す。 Aは炭素数2〜3のアルキレン基を
示し、n個のA は同一でも異なっていてもよい。nは0
〜200 、好ましくは0〜30の数を示す。〕で表される化
合物が挙げられる。
【0023】一般式(2)で表される化合物の具体例と
しては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルア
ルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアル
コール、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコー
ル、n−デシルアルコール、n−ウンデシルアルコー
ル、n−ドデシルアルコール、n−トリデシルアルコー
ル、n−テトラデシルアルコール、n−ペンタデシルア
ルコール、n−ヘキサデシルアルコール、n−オクタデ
シルアルコール、n−エイコシルアルコール等の直鎖飽
和アルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルア
ルコール、2−エチルヘキシルアルコール、2−ヘキシ
ルデシルアルコール、2−ヘプチルウンデシルアルコー
ル、2−オクチルドデシルアルコール、2−デシルテト
ラデシルアルコール、2−(1,3,3−トリメチルブ
チル)−5,7,7−トリメチルオクチルアルコール、
次式
【0024】
【化2】
【0025】(式中、a, bは、 a+b=14であり、 a=b
=7を頂点とする分布をもつ)で表されるメチル分岐イ
ソステアリルアルコール、2−テトラデシルオクタデシ
ルアルコール等の飽和分岐アルコール、9−オクタデセ
ニルアルコール、ファルネシルアルコール、アビエチル
アルコール、オレイルアルコール等のアルケニルアルコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチル
セロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル
(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル(イソプロピルセロソルブ)、エチレン
グリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、
エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレン
グリコールモノヘキシルエーテル等のエチレングリコー
ルのモノエーテル類、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル(メチルカルビトール)、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル(エチルカルビトール)、ジエチ
レングリコールモノイソプロピルエーテル(イソプロピ
ルカルビトール)、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル(ブチルカルビトール)等のジエチレングリコー
ルのモノエーテル類、トリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ト
リエチレングリコールモノドデシルエーテル、トリエチ
レングリコールモノテトラデシルエーテル等のトリエチ
レングリコールのモノエーテル類、1,4−ブタンジオ
ールモノヘキシルエーテル、2−メチル−1,3−プロ
パンジオールモノオクチルエーテル、1,6−ペンタン
ジオールモノヘキシルエーテル、2,2'−ジメチルプロ
パンジオールモノオクチルエーテル、3−メチル−1,
5−ペンタンジオールモノヘキシルエーテル等のアルキ
レングリコールのモノエーテル類、上記アルコールのエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイドあるいはブチ
レンオキサイド付加物、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、シクロヘプタノールなどが挙げられるが、
必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0026】これらのヒドロキシ化合物の中では、炭素
数1〜22、特に6〜22の脂肪族アルコール、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビ
トール、イソプロピルカルビトール、ブチルカルビトー
ル、又は炭素数1〜22、特に6〜22の脂肪族アルコール
のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドあるいは
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混合付加
物(平均付加モル数 0.1〜20)、炭素数5〜8のシクロ
アルカノールが好ましい。これらのヒドロキシ化合物は
1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
本発明の製造法において、ヒドロキシ化合物とカルボニ
ル化合物の仕込み比は、特に限定されないが、通常、ヒ
ドロキシ化合物/カルボニル化合物(当量比)=30/1
〜1/30が好ましく、特に20/1〜1/20、更に特に10
/1〜1/10が好ましい。ヒドロキシ化合物が低分子量
で容易に除去できるものであれば、ヒドロキシ化合物を
過剰に用いてカルボニル化合物をすべて反応させるのが
好ましい。また、ヒドロキシ化合物が分子量が大きく、
さらには常温等で固化するものであれば、カルボニル化
合物を過剰に用い、除去しにくいヒドロキシ化合物をす
べて反応させるのが好ましい。ヒドロキシ化合物/カル
ボニル化合物の当量比が上記範囲以外でも収率にはそれ
ほど影響を与えないが、経済的ではない。
【0027】本発明においては、反応により副生する水
を除去しながら反応を行うことが必要であるが、本発明
において、反応により副生する水を除去するということ
は、反応系外に水を除去することはもちろん、反応系内
において、脱水剤等により水を除去する場合も含まれ
る。具体的に水を除去する方法としては、脱水剤の存在
下に反応を行うことにより水を除去する方法、水素等の
気体を流通させながら水を除去する方法、共沸脱水等に
より水を留去する方法等の方法が挙げられる。これらの
方法の中では脱水剤の存在下に反応を行うことにより水
を除去する方法、あるいは水素を流通させながら水を除
去する方法が好ましく、特に脱水管を備えた反応装置を
用い水素を流通させながら反応により副生する水を系外
に除去し、かつ水と共に系外に出た未反応原料を系内に
戻す方法が好ましい。
【0028】脱水剤の存在下に反応を行うことにより水
を除去する方法において、用いられる脱水剤とは、液体
の乾燥等に用いられるいわゆる乾燥剤も含んだ意味のも
のである。一般に脱水剤の脱水能の発現は、水の物理吸
着や化学吸着もしくは化学反応に基づくが、本発明で用
いられる脱水剤はその脱水能の発現機構に特に制限を受
けず、脱水能あるいは吸水能を有し、反応により副生す
る水を実質的に除去し、目的とするエーテル化反応を速
やかに進行させるものであればいずれのものでもよい。
尚、脱水剤の中でも、実質的に脱水能以外の反応、例え
ば触媒を溶解したり、カルボニル化への二量化反応を起
こしたりする、強酸や強アルカリ等をそのまま用いるの
は好ましくないが、強酸や強アルカリについても、反応
系に直接接触しないように工夫すれば使用できることは
言うまでもない。
【0029】本発明で用いられる好ましい脱水剤として
は、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸銅、塩化カルシウム等の無機塩類、好ましくは
これらの無水物、水酸化カルシウム等の水酸化物、酸化
マグネシウム等の酸化物、モレキュラーシーブ等の結晶
性ゼオライト、シリカゲル等が挙げられるが、必ずしも
これらに限定されるものではない。これらの脱水剤の中
では、無機塩類の無水物、結晶性ゼオライトが好まし
く、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、無水
硫酸カルシウム、モレキュラーシーブが、更には無水硫
酸マグネシウムが特に好ましい。
【0030】本発明において脱水剤の使用量は特に限定
されないが、使用するヒドロキシ化合物に対して 0.1〜
50当量%が好ましく、1〜30当量%が更に好ましい。こ
のような脱水剤の存在下に反応を行うことにより水を除
去する方法は、特別な反応装置が不要で、脱水剤の添加
だけで簡便に水を除去することができるので非常に好ま
しい。
【0031】また、本発明においては、水素等の気体を
流通させながら、反応により副生する水を反応系外に除
去することもできる。本発明に用いられる水素の流通量
は、反応のスケールに応じて適宜選べばよいが、例えば
0.5〜1リットルのスケールでは0.01〜30リットル/mi
n が好ましく、0.01〜10リットル/min が更に好まし
い。水素の流通量を0.01リットル/min 以上にすること
で水が系外へ除去されやすく、反応は速くなる。また水
素の流通量が30リットル/min 以下であると水とともに
除去される未反応原料のヒドロキシ化合物あるいはカル
ボニル化合物等も少なくなるので好ましい。但し、この
場合でも、水とともに除去されるヒドロキシ化合物やカ
ルボニル化合物等の未反応原料を、例えば分留や脱水剤
により水を除去後、再び反応系内へ戻すことで、反応は
滞ることなく行うことができる。また、水素の流通は反
応中、連続的に行ってもよいし、断続的に行っても良い
が、反応をスムースに進行させるためには、連続的な流
通が好ましい。
【0032】更に、反応系内に流通させた水素はそのま
ま大気中へ放出しても構わないが、水素を有効に使用す
るためには、系外に出た水素を循環ライン等で再度系内
に戻して流通させ、循環させながら反応に利用するのが
効率的で好ましい。このような水素を流通させながら水
を除去する方法は、更に添加される試薬もなく、水素と
水の分離も容易で、後処理も簡便であるという利点があ
り非常に好ましい。
【0033】また、本発明においては、反応により副生
する水を留去することにより反応系外に除去することも
できる。水を留去する方法としては、特に限定されない
が、例えば、共沸脱水等の方法が挙げられる。また、こ
の際、未反応原料と共に水を留去する方法が好ましい。
尚、留去後、水と未反応原料は分離し、未反応原料は反
応系内に戻すのが好ましい。共沸脱水の方法としては、
例えば、共沸脱水装置を用い、反応と水の留去とを連続
的に行う方法はもちろん、例えば一旦反応を行った後、
共沸脱水を行い、再び反応を行うような、反応と水の留
去を段階的に行う方法でも良い。反応をスムーズに進行
させるためには連続的に行う方が好ましい。また、脱水
を効率良く行うために、水素を流通しながら共沸脱水を
行っても良い。
【0034】本発明の共沸脱水により水を除去して反応
を行う方法において、用いられる共沸溶媒としては、反
応原料のカルボニル化合物又はヒドロキシ化合物はもち
ろん、反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒を用いてもよ
い。反応に全く悪影響を及ぼさない溶媒を用いて共沸脱
水を行う場合、用いられる好ましい溶媒としては、トル
エン、キシレン、ベンゼン等が挙げられるが、必ずしも
これらに限定されるものではない。反応に全く悪影響を
及ぼさない溶媒を用いる場合の溶媒の使用量は特に限定
されないが、反応液に対して1〜2倍容量が好ましい。
【0035】本発明において、ヒドロキシ化合物とカル
ボニル化合物を反応させる際に用いられる触媒として
は、カーボン、シリカアルミナ、ゼオライト、アルミ
ナ、シリカ等の担体に適度に担持されたパラジウム触
媒、あるいは水酸化パラジウム、酸化パラジウム等のパ
ラジウム化合物、カーボン、アルミナ等の担体に適度に
担持されたルテニウム、ロジウムあるいは白金触媒、酸
化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化白金等が挙げられ
る。また、イリジウム、オスミウム、レニウム等の触媒
も用いることができる。これらの触媒の中で、好ましく
はパラジウム系触媒、更に好ましくはカーボン、シリカ
アルミナ、アルミナもしくはシリカに担持されたパラジ
ウム触媒、水酸化パラジウム又は酸化パラジウムであ
り、特にカーボンに担持されたパラジウム触媒が好まし
い。
【0036】本発明において触媒は、通常カーボン、ア
ルミナ等の担体に対して2〜10重量%の割合で担持して
使用するが、担体に担持せずにそのまま使用しても構わ
ない。また、20〜60重量%程度の含水品であっても構わ
ない。触媒は、例えば担体に対して5重量%担持された
ものであれば、使用するヒドロキシ化合物又はカルボニ
ル化合物に対して 0.1〜10重量%使用するのが好まし
い。 0.1重量%より少なくても反応は進行するが、反応
は遅く好ましくない。また、10重量%より多く用いても
反応は速いが、逆に副反応も進行し好ましくない。さら
に好ましくは0.5 〜5重量%である。触媒はすべてのp
H領域で使用できるが、好ましくはpH8以下の触媒が
よい。ここでいう触媒のpHとは、イオン交換水30gに
触媒粉末2gを分散させた時の水溶液のpHをいう。
【0037】本発明においては、ヒドロキシ化合物とカ
ルボニル化合物を水素雰囲気中で反応させるが、水素圧
は特に限定されず、1〜300kg/cm2 が好ましく、1〜20
0kg/cm2 が特に好ましい。また、本発明において、ヒド
ロキシ化合物とカルボニル化合物を反応させる際の反応
温度は特に限定されないが、10〜 200℃が好ましく、50
〜 180℃が特に好ましい。反応時間は、反応温度、水素
圧、触媒量などによって適宜選べばよいが、通常1〜24
時間、好ましくは1〜12時間である。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0039】実施例1 1,6−ヘキサンジオールジイソプロピルエーテルの合
成
【0040】
【化3】
【0041】水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた 500
mlのオートクレーブに1,6−ヘキサンジオール47g
(0.4モル)、アセトン 232g(4モル)、触媒として5
%Pd−C(pH 6.4)0.94g、脱水剤として無水硫酸
マグネシウム28g(0.23モル)を仕込み、水素圧70kg/c
m2下、 150℃で7時間攪拌を行った。反応終了後、濾過
により触媒、硫酸マグネシウムを除去し、減圧にて過剰
のアセトンを除去した。さらに、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、目的の1,6−ヘキサン
ジオールジイソプロピルエーテル79g(0.39モル)を無
色透明な液体として得た。単離収率は98%(1,6−ヘ
キサンジオール基準)であった。
【0042】実施例2〜4 表1に示す多価ヒドロキシ化合物と1価カルボニル化合
物とを、表1に示す触媒及び脱水剤の存在下、表1に示
す反応条件以外は実施例1と同様にして反応させた。得
られた生成物及びその単離収率を表1に示す。尚、単離
収率はヒドロキシ化合物基準の収率である。
【0043】
【表1】
【0044】実施例5〜9 表2に示す1価ヒドロキシ化合物と多価カルボニル化合
物とを、表2に示す触媒及び脱水剤の存在下、表2に示
す反応条件以外は実施例1と同様にして反応させた。得
られた生成物及びその単離収率を表2に示す。尚、単離
収率はカルボニル化合物基準の収率である。
【0045】
【表2】
【0046】注) *1:P はエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
【0047】実施例10 イソプロピルポリオキシエチレン(P=4.3) グリセリンの
合成
【0048】
【化4】
【0049】水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた 500
mlのオートクレーブに、ポリオキシエチレン(P=4.3) グ
リセリン99g(0.15モル)、アセトン 133g(2.3モ
ル)、触媒として5%Pd−C(pH 3.8)2.0g、脱水
剤として無水硫酸マグネシウム16g(0.13モル)を仕込
み、水素圧100kg/cm2 下、 150℃で10時間攪拌を行っ
た。反応終了後、濾過により触媒、硫酸マグネシウムを
除去し、減圧にて過剰のアセトンを除去した。さらにス
チーミングにより低沸分を完全に除去し、目的のイソプ
ロピルポリオキシエチレン(P=4.3) グリセリン 110gを
無色透明な液体として得た。反応前の水酸基価[255(KOH
mg/g)]と反応後の水酸基価[26(KOHmg/g)] から算出した
エーテル化率は76%であった。
【0050】実施例11 表3に示す多価ヒドロキシ化合物と1価カルボニル化合
物とを、表3に示す触媒及び脱水剤の存在下、表3に示
す反応条件以外は実施例10と同様にして反応させた。
得られた生成物及びそのエーテル化率を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】実施例12 1,4−ブタンジオールビス(1,3−ジメチルブチ
ル)エーテルの合成
【0053】
【化5】
【0054】水素ガス導入管、攪拌装置及び冷却脱水管
を備えた 500mlのオートクレーブに1,4−ブタンジオ
ール18g(0.2モル)、メチルイソブチルケトン200 g
(2モル)、触媒として5%Pd−C(pH 7.1)2g
を仕込み、水素圧3kg/cm2下、水素流通量300ml/min 、
105℃で10時間攪拌を行った。なお、この間、反応によ
り副生する水は系外に除去し、水とともに系外に出た未
反応のメチルイソブチルケトンは系内に戻した。反応終
了後、濾過により触媒を除去し、減圧下にて過剰のメチ
ルイソブチルケトンを除去した。さらに、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、目的の1,4−
ブタンジオールビス(1,3−ジメチルブチル)エーテ
ル50.6g(0.196 モル)を無色透明な液体として得た。
単離収率は98%(1,4−ブタンジオール基準)であっ
た。
【0055】実施例13〜15 表4に示す多価ヒドロキシ化合物と1価カルボニル化合
物とを、表4に示す触媒の存在下、表4に示す反応条件
以外は実施例12と同様にして反応させた。得られた生
成物及びその単離収率を表4に示す。尚、単離収率はヒ
ドロキシ化合物基準の収率である。
【0056】
【表4】
【0057】実施例16〜17 表5に示す1価ヒドロキシ化合物と多価カルボニル化合
物とを、表5に示す触媒の存在下、表5に示す反応条件
以外は実施例12と同様にして反応させた。得られた生
成物及びその単離収率を表5に示す。尚、単離収率はカ
ルボニル化合物基準の収率である。
【0058】
【表5】
【0059】実施例18 1,9−ノナンジオールジイソプロピルエーテルの合成
【0060】
【化6】
【0061】水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた 500
mlのオートクレーブに1,9−ノナンジオール48g(0.3
モル)、アセトン174 g(3モル)、触媒として5%P
d−C(pH 7.1)4gを仕込み、水素圧10kg/cm2下、
水素流通量250ml/min 、 100℃で10時間反応を行った。
反応終了後、濾過により触媒を除去し、減圧下にて過剰
のアセトンを除去した。さらに、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、目的の1,9−ノナンジ
オールジイソプロピルエーテル72.5g(0.297 モル)を
無色透明な液体として得た。単離収率は99%(1,9−
ノナンジオール基準)であった。
【0062】実施例19 トリエチレングリコールビス(2−メチル)プロピルエ
ーテルの合成
【0063】
【化7】
【0064】水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた 500
mlのオートクレーブにトリエチレングリコール30g(0.2
モル)、イソブチルアルデヒド144 g(2モル)、触媒
として5%Pd−C(pH 6.4)2.2 gを仕込み、水素
圧10kg/cm2下、水素流通量250ml/min 、 110℃で10時間
反応を行った。反応終了後、濾過により触媒を除去し、
減圧下にて過剰のイソブチルアルデヒドを除去した。さ
らに、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、目的のトリエチレングリコールビス(2−メチル)
プロピルエーテル51.4g(0.196 モル)を無色透明な液
体として得た。単離収率は98%(トリエチレングリコー
ル基準)であった。
【0065】実施例20 水素ガス導入管及び攪拌装置を備えた 500mlのオートク
レーブに3−メチル−1, 5−ペンタンジオール106g
(0.9モル)、1, 4−シクロヘキサンジオン101g(0.9
モル)、触媒として5%Pd−C(pH 7.1)7gを
仕込み、水素圧3kg/cm2下、水素流通量300ml/min 、 1
00℃で10時間反応を行った。反応終了後、濾過により触
媒を除去し、180 gの生成物を得た。この生成物につい
てGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定を行った
ところ、分子量約230〜1500の化合物のピークが観測さ
れた。メインピークは約345 であり、IR及び1H−N
MRの結果から、下記式で表される化合物の混合物であ
ることがわかった。
【0066】
【化8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 喜多 克己 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシ化合物あるいはカルボニル化
    合物の少なくとも1種として多価化合物を用い、ヒドロ
    キシ化合物とカルボニル化合物を水素雰囲気下、触媒を
    用いて反応させてエーテル化合物を製造するに際し、反
    応により副生する水を除去しながら反応を行うことを特
    徴とするエーテル化合物の製造法。
  2. 【請求項2】 多価アルコールあるいはその誘導体が、
    水酸基を2〜10個有する化合物である請求項1記載の製
    造法。
  3. 【請求項3】 多価カルボニル化合物が、カルボニル基
    を2〜10個有する、炭素数2〜20の鎖状あるいは環状の
    化合物である請求項1又は2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 触媒が、カーボン、シリカアルミナ、ア
    ルミナもしくはシリカに担持されたパラジウム触媒、水
    酸化パラジウム又は酸化パラジウムである請求項1〜3
    のいずれか一項に記載の製造法。
  5. 【請求項5】 脱水剤の存在下に反応を行うことにより
    水を除去する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造
    法。
  6. 【請求項6】 水素を流通させながら水を系外に除去す
    る請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造法。
  7. 【請求項7】 水とともに系外に出た未反応原料を系内
    に戻す請求項6記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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