JPH09316028A - 高純度オルソホルミル安息香酸の製造法 - Google Patents
高純度オルソホルミル安息香酸の製造法Info
- Publication number
- JPH09316028A JPH09316028A JP13717996A JP13717996A JPH09316028A JP H09316028 A JPH09316028 A JP H09316028A JP 13717996 A JP13717996 A JP 13717996A JP 13717996 A JP13717996 A JP 13717996A JP H09316028 A JPH09316028 A JP H09316028A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- orthoformylbenzoic
- reaction
- purity
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 大気圧下に1−トリクロロメチル−2−ジク
ロロメチルベンゼンを加水分解し、ジフタリジルエーテ
ル等の不純物の副生を可及的に防止して高純度のオルソ
ホルミル安息香酸を収率良く製造することができ、工業
的に実施するのに好適な高純度オルソホルミル安息香酸
の製造法を提供する。 【解決手段】 1−トリクロロメチル−2−ジクロロメ
チルベンゼンを加水分解してオルソホルミル安息香酸を
製造するに際し、反応溶媒としてHCl濃度5重量%以
上の塩酸を用い、オルソホルミル安息香酸の存在下に大
気圧下で80℃から反応系の沸点までの温度に加熱する
高純度オルソホルミル安息香酸の製造法である。また、
反応混合物からオルソホルミル安息香酸を晶析分離した
後の固液分離母液を反応溶媒として用い、必要により繰
り返し連続的にオルソホルミル安息香酸を製造する高純
度オルソホルミル安息香酸の製造法である。
ロロメチルベンゼンを加水分解し、ジフタリジルエーテ
ル等の不純物の副生を可及的に防止して高純度のオルソ
ホルミル安息香酸を収率良く製造することができ、工業
的に実施するのに好適な高純度オルソホルミル安息香酸
の製造法を提供する。 【解決手段】 1−トリクロロメチル−2−ジクロロメ
チルベンゼンを加水分解してオルソホルミル安息香酸を
製造するに際し、反応溶媒としてHCl濃度5重量%以
上の塩酸を用い、オルソホルミル安息香酸の存在下に大
気圧下で80℃から反応系の沸点までの温度に加熱する
高純度オルソホルミル安息香酸の製造法である。また、
反応混合物からオルソホルミル安息香酸を晶析分離した
後の固液分離母液を反応溶媒として用い、必要により繰
り返し連続的にオルソホルミル安息香酸を製造する高純
度オルソホルミル安息香酸の製造法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−トリクロロメ
チル−2−ジクロロメチルベンゼンからオルソホルミル
安息香酸を製造する方法に関する。このオルソホルミル
安息香酸は、医薬、農薬、高分子材料の中間体等の用途
に極めて有用な工業用原料である。
チル−2−ジクロロメチルベンゼンからオルソホルミル
安息香酸を製造する方法に関する。このオルソホルミル
安息香酸は、医薬、農薬、高分子材料の中間体等の用途
に極めて有用な工業用原料である。
【0002】
【従来の技術】1−トリクロロメチル−2−ジクロロメ
チルベンゼンを出発原料として、オルソホルミル安息香
酸を製造する方法としては、以下に示すような幾つかの
方法が知られている。
チルベンゼンを出発原料として、オルソホルミル安息香
酸を製造する方法としては、以下に示すような幾つかの
方法が知られている。
【0003】第1に、1−トリクロロメチル−2−ジク
ロロメチルベンゼンを触媒の存在下に加水分解する方法
が知られている。例えば、米国特許第2748161号
明細書には、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチ
ルベンゼンを、ベンゼン系とナフタレン系のスルホン化
芳香族炭化水素及びスルホン化され核ハロゲン化された
誘導体から選ばれた芳香族スルホン酸を触媒として、9
0〜120℃で加水分解することにより、オルソホルミ
ル安息香酸を製造する方法が記載されている。また、米
国特許第2748162明細書には、1−トリクロロメ
チル−2−ジクロロメチルベンゼンを、塩化亜鉛、臭化
亜鉛、塩化第二鉄、臭化第二鉄、塩化カドミウム及び臭
化カドミウムより選ばれた少なくとも1種の金属ハロゲ
ン化物を触媒として、ハロゲン化水素酸水溶液中100
〜150℃の温度で加水分解することにより、オルソホ
ルミル安息香酸を製造する方法が記載されている。
ロロメチルベンゼンを触媒の存在下に加水分解する方法
が知られている。例えば、米国特許第2748161号
明細書には、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチ
ルベンゼンを、ベンゼン系とナフタレン系のスルホン化
芳香族炭化水素及びスルホン化され核ハロゲン化された
誘導体から選ばれた芳香族スルホン酸を触媒として、9
0〜120℃で加水分解することにより、オルソホルミ
ル安息香酸を製造する方法が記載されている。また、米
国特許第2748162明細書には、1−トリクロロメ
チル−2−ジクロロメチルベンゼンを、塩化亜鉛、臭化
亜鉛、塩化第二鉄、臭化第二鉄、塩化カドミウム及び臭
化カドミウムより選ばれた少なくとも1種の金属ハロゲ
ン化物を触媒として、ハロゲン化水素酸水溶液中100
〜150℃の温度で加水分解することにより、オルソホ
ルミル安息香酸を製造する方法が記載されている。
【0004】これらのオルソホルミル安息香酸の製造法
は、反応混合物中で多量の触媒を使用するため、特に工
業的規模で製造するためには、使用した触媒の分離に著
しい技術上の困難を伴うほか、分離精製後に製品中に不
可避的に微量の触媒由来の不純物が残存し、このために
この製造法で得られた高純度オルソホルミル安息香酸に
ついては実用上その中間体としての用途が制限されてし
まう。
は、反応混合物中で多量の触媒を使用するため、特に工
業的規模で製造するためには、使用した触媒の分離に著
しい技術上の困難を伴うほか、分離精製後に製品中に不
可避的に微量の触媒由来の不純物が残存し、このために
この製造法で得られた高純度オルソホルミル安息香酸に
ついては実用上その中間体としての用途が制限されてし
まう。
【0005】第2に、1−トリクロロメチル−2−ジク
ロロメチルベンゼンを水中で目的物のオルソホルミル安
息香酸の存在下に加水分解する方法が知られている。例
えば、特開昭51−56425号公報には、その実施例
において、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチル
ベンゼンとオルソホルミル安息香酸の混合物を、大気圧
下に水中で10時間還流加熱し、収率95重量%(純度
の記載は無い)でオルソホルミル安息香酸を製造したこ
とが記載されている。
ロロメチルベンゼンを水中で目的物のオルソホルミル安
息香酸の存在下に加水分解する方法が知られている。例
えば、特開昭51−56425号公報には、その実施例
において、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチル
ベンゼンとオルソホルミル安息香酸の混合物を、大気圧
下に水中で10時間還流加熱し、収率95重量%(純度
の記載は無い)でオルソホルミル安息香酸を製造したこ
とが記載されている。
【0006】このオルソホルミル安息香酸の製造法は、
大気圧下で行うことができ、しかも、第1に示した方法
のように芳香族スルホン酸や金属ハロゲン化物等の触媒
を使用する必要がない点で優れている。しかしながら、
この方法においては、加水分解の副反応により不純物と
してジフタリジルエ−テルが生成し、このためにこの製
造法で製造されたオルソホルミル安息香酸を医薬、農
薬、高分子材料等の製造原料として用いる場合には、事
前に蒸留してこのジフタリジルエ−テルを分離除去する
か、あるいは、事後に製品を精製してこのジフタリジル
エ−テル由来の不純物を除去する必要が生じるという問
題があるほか、反応時間が比較的長時間であるという問
題もある。
大気圧下で行うことができ、しかも、第1に示した方法
のように芳香族スルホン酸や金属ハロゲン化物等の触媒
を使用する必要がない点で優れている。しかしながら、
この方法においては、加水分解の副反応により不純物と
してジフタリジルエ−テルが生成し、このためにこの製
造法で製造されたオルソホルミル安息香酸を医薬、農
薬、高分子材料等の製造原料として用いる場合には、事
前に蒸留してこのジフタリジルエ−テルを分離除去する
か、あるいは、事後に製品を精製してこのジフタリジル
エ−テル由来の不純物を除去する必要が生じるという問
題があるほか、反応時間が比較的長時間であるという問
題もある。
【0007】第3に、1−トリクロロメチル−2−ジク
ロロメチルベンゼンを加圧下に加水分解する方法が知ら
れている。例えば、特開昭52−5728公報や特開昭
63−303947号公報には、圧力容器中に1−トリ
クロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンと水とを仕
込み、無触媒で加熱下に加水分解してオルソホルミル安
息香酸を製造する方法が開示されている。
ロロメチルベンゼンを加圧下に加水分解する方法が知ら
れている。例えば、特開昭52−5728公報や特開昭
63−303947号公報には、圧力容器中に1−トリ
クロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンと水とを仕
込み、無触媒で加熱下に加水分解してオルソホルミル安
息香酸を製造する方法が開示されている。
【0008】そして、特開昭52−5728号公報に
は、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼ
ンと水とをオートクレーブ中で130℃に加熱し、圧力
4〜5バールで6時間加水分解し、収率79.2重量%
及び純度99重量%でオルソホルミル安息香酸を製造し
たことが記載されており、また、特開昭63−3039
47号公報には、1−トリクロロメチル−2−ジクロロ
メチルベンゼンを3〜4kg/cm2 の加圧下に加水分
解し、収率90重量%で融点97.7℃のオルソホルミ
ル安息香酸を製造したことが記載されている。
は、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼ
ンと水とをオートクレーブ中で130℃に加熱し、圧力
4〜5バールで6時間加水分解し、収率79.2重量%
及び純度99重量%でオルソホルミル安息香酸を製造し
たことが記載されており、また、特開昭63−3039
47号公報には、1−トリクロロメチル−2−ジクロロ
メチルベンゼンを3〜4kg/cm2 の加圧下に加水分
解し、収率90重量%で融点97.7℃のオルソホルミ
ル安息香酸を製造したことが記載されている。
【0009】これらオルソホルミル安息香酸の製造法に
おいても、上記第2の方法と同様に、触媒を使用しない
点で優れており、かつ、加水分解反応においてジフタリ
ジルエーテルが不純物として副生しない点で優れてい
る。しかしながら、オートクレーブ等の圧力容器を使用
するため、特に工業的な製造においては設備費が高くな
り、また、製造工程でのその取扱いが複雑になって製造
コストが嵩むという問題がある。
おいても、上記第2の方法と同様に、触媒を使用しない
点で優れており、かつ、加水分解反応においてジフタリ
ジルエーテルが不純物として副生しない点で優れてい
る。しかしながら、オートクレーブ等の圧力容器を使用
するため、特に工業的な製造においては設備費が高くな
り、また、製造工程でのその取扱いが複雑になって製造
コストが嵩むという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼ
ンを大気圧下に比較的速い反応速度で加水分解できると
共に、ジフタリジルエーテル等の不純物の副生を可及的
に抑制することができ、これによって高純度のオルソホ
ルミル安息香酸を収率良く製造できる方法について鋭意
研究を重ねた結果、意外なことには反応溶媒としてHC
l濃度5重量%以上の塩酸を用いることにより、この目
的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
は、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼ
ンを大気圧下に比較的速い反応速度で加水分解できると
共に、ジフタリジルエーテル等の不純物の副生を可及的
に抑制することができ、これによって高純度のオルソホ
ルミル安息香酸を収率良く製造できる方法について鋭意
研究を重ねた結果、意外なことには反応溶媒としてHC
l濃度5重量%以上の塩酸を用いることにより、この目
的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】従って、本発明の目的は、大気圧下に1−
トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンを加水
分解し、ジフタリジルエーテル等の不純物の副生を可及
的に防止して高純度のオルソホルミル安息香酸を収率良
く製造することができ、工業的に実施するのに好適な高
純度オルソホルミル安息香酸の製造法を提供することに
ある。
トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンを加水
分解し、ジフタリジルエーテル等の不純物の副生を可及
的に防止して高純度のオルソホルミル安息香酸を収率良
く製造することができ、工業的に実施するのに好適な高
純度オルソホルミル安息香酸の製造法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、1
−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンを加
水分解してオルソホルミル安息香酸を製造するに際し、
反応溶媒としてHCl濃度5重量%以上の塩酸を用い、
オルソホルミル安息香酸の存在下に大気圧下で80℃か
ら反応系の沸点までの温度に加熱する、高純度オルソホ
ルミル安息香酸の製造法である。
−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンを加
水分解してオルソホルミル安息香酸を製造するに際し、
反応溶媒としてHCl濃度5重量%以上の塩酸を用い、
オルソホルミル安息香酸の存在下に大気圧下で80℃か
ら反応系の沸点までの温度に加熱する、高純度オルソホ
ルミル安息香酸の製造法である。
【0013】また、本発明は、HCl濃度5重量%以上
の塩酸を反応溶媒として用い、オルソホルミル安息香酸
の存在下に大気圧下で80℃から反応系の沸点までの温
度に加熱して1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチ
ルベンゼンを加水分解する加水分解工程と、この加水分
解工程で得られた反応混合物を冷却して晶析する晶析工
程と、晶析工程で得られたスラリーを固液分離して固体
のオルソホルミル安息香酸を得る固液分離工程と、この
固液分離工程で回収された固液分離母液を加水分解工程
の反応溶媒として循環する循環工程とを含む、高純度オ
ルソホルミル安息香酸の製造法である。
の塩酸を反応溶媒として用い、オルソホルミル安息香酸
の存在下に大気圧下で80℃から反応系の沸点までの温
度に加熱して1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチ
ルベンゼンを加水分解する加水分解工程と、この加水分
解工程で得られた反応混合物を冷却して晶析する晶析工
程と、晶析工程で得られたスラリーを固液分離して固体
のオルソホルミル安息香酸を得る固液分離工程と、この
固液分離工程で回収された固液分離母液を加水分解工程
の反応溶媒として循環する循環工程とを含む、高純度オ
ルソホルミル安息香酸の製造法である。
【0014】以下、本発明の製造法をその製造工程に従
って詳細に説明する。本発明において、出発原料として
使用する1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベ
ンゼンは、例えば、オルソキシレンの直接塩素ガスによ
る液相光塩素化反応により容易に製造することができ、
工業的に高純度のものを安価で入手することができる。
って詳細に説明する。本発明において、出発原料として
使用する1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベ
ンゼンは、例えば、オルソキシレンの直接塩素ガスによ
る液相光塩素化反応により容易に製造することができ、
工業的に高純度のものを安価で入手することができる。
【0015】また、本発明においては、反応溶媒として
HCl濃度5重量%以上、好ましくはHCl濃度10重
量%以上、より好ましくは共沸組成の塩酸を使用し、上
記1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン
の加水分解反応を行う。本発明の加水分解反応におい
て、塩酸は、単に反応溶媒として機能するだけでなく、
加水分解反応の水供給源として機能するほか、この加水
分解反応の触媒としても作用すると考えられる。反応溶
媒として用いる塩酸のHCl濃度が5重量%より低い
と、副反応が生じてジフタリジルエーテル等の好ましく
ない不純物が生じるほか、反応速度も遅くなる。
HCl濃度5重量%以上、好ましくはHCl濃度10重
量%以上、より好ましくは共沸組成の塩酸を使用し、上
記1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン
の加水分解反応を行う。本発明の加水分解反応におい
て、塩酸は、単に反応溶媒として機能するだけでなく、
加水分解反応の水供給源として機能するほか、この加水
分解反応の触媒としても作用すると考えられる。反応溶
媒として用いる塩酸のHCl濃度が5重量%より低い
と、副反応が生じてジフタリジルエーテル等の好ましく
ない不純物が生じるほか、反応速度も遅くなる。
【0016】この塩酸の使用量は、1−トリクロロメチ
ル−2−ジクロロメチルベンゼン1重量部に対して1〜
10重量部、好ましくは3〜7重量部であり、1重量部
未満では副反応が起こり易くなってジフタリジルエーテ
ル等の不純物が生成し易くなり、また、10重量部を超
えると反応設備に対する容積効率が悪化し、また、塩酸
中へのオルソホルミル安息香酸の溶解量が増大して生産
効率が低下する。
ル−2−ジクロロメチルベンゼン1重量部に対して1〜
10重量部、好ましくは3〜7重量部であり、1重量部
未満では副反応が起こり易くなってジフタリジルエーテ
ル等の不純物が生成し易くなり、また、10重量部を超
えると反応設備に対する容積効率が悪化し、また、塩酸
中へのオルソホルミル安息香酸の溶解量が増大して生産
効率が低下する。
【0017】また、1−トリクロロメチル−2−ジクロ
ロメチルベンゼンの加水分解反応を行うに際して反応系
に添加するオルソホルミル安息香酸の添加量は、原料の
1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン1
重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.
1〜0.5重量部の範囲である。このオルソホルミル安
息香酸の添加量が0.01重量部より少ないと反応速度
が著しく遅くなり、また、5重量部を超えて添加すると
反応設備に対する容積効率が悪化し、生産効率も低下す
る。
ロメチルベンゼンの加水分解反応を行うに際して反応系
に添加するオルソホルミル安息香酸の添加量は、原料の
1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン1
重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.
1〜0.5重量部の範囲である。このオルソホルミル安
息香酸の添加量が0.01重量部より少ないと反応速度
が著しく遅くなり、また、5重量部を超えて添加すると
反応設備に対する容積効率が悪化し、生産効率も低下す
る。
【0018】本発明の加水分解反応は、大気圧下に反応
系を80℃〜反応混合物の沸点、好ましくは反応混合物
の沸点に加熱して行う。この反応温度が80℃より低い
と反応速度が著しく遅くなり、反対に、反応混合物の沸
点を超えて加熱するためには加圧容器が必要になって反
応設備上好ましくない。また、反応形態は、回分法であ
っても、また、連続法であってもよいが、本発明におい
ては、反応終了後にオルソホルミル安息香酸を固液分離
して得られる固液分離母液を、オルソホルミル安息香酸
を含む反応溶媒としてそのまま使用できるので、連続法
であるのが好ましい。
系を80℃〜反応混合物の沸点、好ましくは反応混合物
の沸点に加熱して行う。この反応温度が80℃より低い
と反応速度が著しく遅くなり、反対に、反応混合物の沸
点を超えて加熱するためには加圧容器が必要になって反
応設備上好ましくない。また、反応形態は、回分法であ
っても、また、連続法であってもよいが、本発明におい
ては、反応終了後にオルソホルミル安息香酸を固液分離
して得られる固液分離母液を、オルソホルミル安息香酸
を含む反応溶媒としてそのまま使用できるので、連続法
であるのが好ましい。
【0019】本発明の加水分解反応は、攪拌無しに反応
温度に加熱して加水分解反応をさせると、1−トリクロ
ロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン主体の油相と、
オルソホルミル安息香酸を溶解した塩酸主体の水相とに
分離し、これを撹拌すると白濁したエマルジョンが生成
するので、液相不均一系のエマルジョン反応に分類され
る。
温度に加熱して加水分解反応をさせると、1−トリクロ
ロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン主体の油相と、
オルソホルミル安息香酸を溶解した塩酸主体の水相とに
分離し、これを撹拌すると白濁したエマルジョンが生成
するので、液相不均一系のエマルジョン反応に分類され
る。
【0020】従って、本発明の加水分解反応に際して
は、反応系が均一になるように撹拌条件下に行うのがよ
く、加水分解反応の進行に伴って気泡状に発生する塩化
水素ガスを反応系外に除去するのがよい。本発明の加水
分解反応は、塩化水素ガスの発生が終了し、反応系が透
明な均一溶液になった時点で終結する。
は、反応系が均一になるように撹拌条件下に行うのがよ
く、加水分解反応の進行に伴って気泡状に発生する塩化
水素ガスを反応系外に除去するのがよい。本発明の加水
分解反応は、塩化水素ガスの発生が終了し、反応系が透
明な均一溶液になった時点で終結する。
【0021】本発明においては、反応終了後に反応混合
物中のオルソホルミル安息香酸を分離する方法として
は、通常、晶析が行われる。反応混合物を撹拌下に、そ
のままの濃度で、あるいは、適量の水で希釈して、オル
ソホルミル安息香酸の5〜30重量%水溶液とし、冷却
して結晶を析出させ、次いでこの結晶を濾過等の手段で
固液分離し、必要により水洗する。
物中のオルソホルミル安息香酸を分離する方法として
は、通常、晶析が行われる。反応混合物を撹拌下に、そ
のままの濃度で、あるいは、適量の水で希釈して、オル
ソホルミル安息香酸の5〜30重量%水溶液とし、冷却
して結晶を析出させ、次いでこの結晶を濾過等の手段で
固液分離し、必要により水洗する。
【0022】このようにして得られた結晶は、純度9
9.9重量%以上であってジフタリジルエーテル等の不
純物をほとんど含まない高純度のオルソホルミル安息香
酸であり、理論収率で95重量%以上が得られる。ここ
で、理論収率とは、下記式で示すように、1−トリクロ
ロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンの仕込量に基づ
くオルソホルミル安息香酸の理論生成量(OFBA理論
生成量)と予め反応系に仕込まれたオルソホルミル安息
香酸の添加量(OFBA仕込量)の合計に対して実際に
固液分離して得られたオルソホルミル安息香酸の収量
(OFBA収量)の割合を実収率としたときのこの実収
率に対する考え方であって、実収率の計算の際の分子の
オルソホルミル安息香酸の収量に固液分離母液中に溶解
しているオルソホルミル安息香酸の溶解量(OFBA溶
解量)を加えて計算した値である。 実収率={(OFBA収量)÷(OFBA理論生成量+
OFBA仕込量)}×100 理論収率={(OFBA収量+OFBA溶解量)÷(O
FBA理論生成量+OFBA仕込量)}×100
9.9重量%以上であってジフタリジルエーテル等の不
純物をほとんど含まない高純度のオルソホルミル安息香
酸であり、理論収率で95重量%以上が得られる。ここ
で、理論収率とは、下記式で示すように、1−トリクロ
ロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンの仕込量に基づ
くオルソホルミル安息香酸の理論生成量(OFBA理論
生成量)と予め反応系に仕込まれたオルソホルミル安息
香酸の添加量(OFBA仕込量)の合計に対して実際に
固液分離して得られたオルソホルミル安息香酸の収量
(OFBA収量)の割合を実収率としたときのこの実収
率に対する考え方であって、実収率の計算の際の分子の
オルソホルミル安息香酸の収量に固液分離母液中に溶解
しているオルソホルミル安息香酸の溶解量(OFBA溶
解量)を加えて計算した値である。 実収率={(OFBA収量)÷(OFBA理論生成量+
OFBA仕込量)}×100 理論収率={(OFBA収量+OFBA溶解量)÷(O
FBA理論生成量+OFBA仕込量)}×100
【0023】一方、晶析分離時に生じる固液分離母液中
には、オルソホルミル安息香酸と塩酸とが飽和状態で溶
解している。従って、この固液分離母液は1−トリクロ
ロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンの加水分解を行
う際の反応溶媒として好適に用いることができる。この
晶析分離時に回収される固液分離母液を加水分解工程に
循環使用することにより、1−トリクロロメチル−2−
ジクロロメチルベンゼンの連続的加水分解が可能にな
り、高純度オルソホルミル安息香酸を連続的に製造する
ことができるほか、理論的には実収率を化学量論量まで
向上させることが可能である。
には、オルソホルミル安息香酸と塩酸とが飽和状態で溶
解している。従って、この固液分離母液は1−トリクロ
ロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンの加水分解を行
う際の反応溶媒として好適に用いることができる。この
晶析分離時に回収される固液分離母液を加水分解工程に
循環使用することにより、1−トリクロロメチル−2−
ジクロロメチルベンゼンの連続的加水分解が可能にな
り、高純度オルソホルミル安息香酸を連続的に製造する
ことができるほか、理論的には実収率を化学量論量まで
向上させることが可能である。
【0024】すなわち、本発明の高純度オルソホルミル
安息香酸の連続的製造法は、HCl濃度5重量%以上、
好ましくは10重量%以上、より好ましくは共沸組成の
塩酸を反応溶媒として用い、オルソホルミル安息香酸の
存在下に大気圧下で80℃から反応系の沸点までの温度
に加熱して1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチル
ベンゼンを加水分解する加水分解工程と、この加水分解
工程で得られた反応混合物を冷却して晶析する晶析工程
と、晶析工程で得られたスラリーを固液分離して固体の
オルソホルミル安息香酸を得る固液分離工程と、この固
液分離工程で回収された固液分離母液を加水分解工程の
反応溶媒として循環する循環工程とを含む製造工程で構
成される。
安息香酸の連続的製造法は、HCl濃度5重量%以上、
好ましくは10重量%以上、より好ましくは共沸組成の
塩酸を反応溶媒として用い、オルソホルミル安息香酸の
存在下に大気圧下で80℃から反応系の沸点までの温度
に加熱して1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチル
ベンゼンを加水分解する加水分解工程と、この加水分解
工程で得られた反応混合物を冷却して晶析する晶析工程
と、晶析工程で得られたスラリーを固液分離して固体の
オルソホルミル安息香酸を得る固液分離工程と、この固
液分離工程で回収された固液分離母液を加水分解工程の
反応溶媒として循環する循環工程とを含む製造工程で構
成される。
【0025】そして、このように晶析分離時に生じる濾
過母液等の固液分離母液を回収して反応溶媒として循環
使用するオルソホルミル安息香酸の連続的製造法では、
純度99.9重量%以上であってジフタリジルエーテル
等の不純物をほとんど含まない高純度オルソホルミル安
息香酸を97.8重量%以上の高収率で得ることができ
る。
過母液等の固液分離母液を回収して反応溶媒として循環
使用するオルソホルミル安息香酸の連続的製造法では、
純度99.9重量%以上であってジフタリジルエーテル
等の不純物をほとんど含まない高純度オルソホルミル安
息香酸を97.8重量%以上の高収率で得ることができ
る。
【0026】また、このように晶析分離時に生じる濾過
母液等の固液分離母液を回収して反応溶媒として再利用
することは、固液分離母液からなる廃液量を大幅に低減
させることになり、これによって廃液処理によりロスす
るオルソホルミル安息香酸の量を低減できる〔HCl濃
度20.5重量%塩酸中のオルソホルミル安息香酸の溶
解度(20℃):26.7g/リットル〕ほか、廃液処
理において塩酸中に溶解したオルソホルミル安息香酸の
分離や分解に要する負荷を大幅に軽減でき、また、水質
保全や環境保護の観点からも好ましく、工業的な製造法
として極めて有利である。
母液等の固液分離母液を回収して反応溶媒として再利用
することは、固液分離母液からなる廃液量を大幅に低減
させることになり、これによって廃液処理によりロスす
るオルソホルミル安息香酸の量を低減できる〔HCl濃
度20.5重量%塩酸中のオルソホルミル安息香酸の溶
解度(20℃):26.7g/リットル〕ほか、廃液処
理において塩酸中に溶解したオルソホルミル安息香酸の
分離や分解に要する負荷を大幅に軽減でき、また、水質
保全や環境保護の観点からも好ましく、工業的な製造法
として極めて有利である。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明においては、反応溶媒とし
てHCl濃度5重量%以上の塩酸を用い、オルソホルミ
ル安息香酸の存在下に大気圧下で80℃から反応系の沸
点までの温度に加熱して1−トリクロロメチル−2−ジ
クロロメチルベンゼンの加水分解を行う。ここで、反応
溶媒として用いる塩酸は、単に反応溶媒として機能する
だけでなく、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチ
ルベンゼンの加水分解反応の反応物としての水を供給
し、また、この加水分解反応の際の触媒としても機能す
るものと考えられる。
てHCl濃度5重量%以上の塩酸を用い、オルソホルミ
ル安息香酸の存在下に大気圧下で80℃から反応系の沸
点までの温度に加熱して1−トリクロロメチル−2−ジ
クロロメチルベンゼンの加水分解を行う。ここで、反応
溶媒として用いる塩酸は、単に反応溶媒として機能する
だけでなく、1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチ
ルベンゼンの加水分解反応の反応物としての水を供給
し、また、この加水分解反応の際の触媒としても機能す
るものと考えられる。
【0028】このようにHCl濃度5重量%以上の塩酸
を反応溶媒として用いることにより、1−トリクロロメ
チル−2−ジクロロメチルベンゼンの加水分解反応の当
初から反応系の反応温度を水に比べて高くすることがで
き、これによって反応速度が促進され、また、1−トリ
クロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンの加水分解
反応において副反応を可及的に抑制することができ、結
果としてジフタリジルエーテル等の不純物の含有量を大
幅に低下させることができると考えられる。
を反応溶媒として用いることにより、1−トリクロロメ
チル−2−ジクロロメチルベンゼンの加水分解反応の当
初から反応系の反応温度を水に比べて高くすることがで
き、これによって反応速度が促進され、また、1−トリ
クロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンの加水分解
反応において副反応を可及的に抑制することができ、結
果としてジフタリジルエーテル等の不純物の含有量を大
幅に低下させることができると考えられる。
【0029】ところで、反応溶媒として硫酸を用いて
も、塩酸の場合と同様に、1−トリクロロメチル−2−
ジクロロメチルベンゼンの加水分解反応が促進される。
従って、硫酸を反応溶媒として使用しても、塩酸と同様
に、加水分解反応の反応温度を高くし、また、触媒とし
て作用しているものと考えられる。しかしながら、硫酸
の使用は、塩酸を使用する場合に比べて、加水分解反応
の副反応を抑制する効果に乏しく、結果としてジフタリ
ジルエーテル等の不純物の生成が多くなり、しかも、硫
酸が不揮発性であることから、晶析分離時の製品付着液
に同伴してこの硫酸それ自体が不純物となり、晶析分離
後の水洗が不可欠になってこの水洗による溶出損失が増
加し、それだけ収率が低下して経済的でない。
も、塩酸の場合と同様に、1−トリクロロメチル−2−
ジクロロメチルベンゼンの加水分解反応が促進される。
従って、硫酸を反応溶媒として使用しても、塩酸と同様
に、加水分解反応の反応温度を高くし、また、触媒とし
て作用しているものと考えられる。しかしながら、硫酸
の使用は、塩酸を使用する場合に比べて、加水分解反応
の副反応を抑制する効果に乏しく、結果としてジフタリ
ジルエーテル等の不純物の生成が多くなり、しかも、硫
酸が不揮発性であることから、晶析分離時の製品付着液
に同伴してこの硫酸それ自体が不純物となり、晶析分離
後の水洗が不可欠になってこの水洗による溶出損失が増
加し、それだけ収率が低下して経済的でない。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。
を具体的に説明する。
【0031】実施例1 反応容器に1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチル
ベンゼン55.7g(0.20mol)、オルソホルミ
ル安息香酸30.0g(0.20mol)、及びHCl
濃度35重量%の塩酸300mlを仕込み、大気圧下に
攪拌しながら加熱して還流状態(沸騰状態)で10時間
反応させた。この時の反応温度は110℃から始まって
108℃になり、反応混合物が透明な均一溶液となった
時点(反応開始後10時間)で反応を終了させた。
ベンゼン55.7g(0.20mol)、オルソホルミ
ル安息香酸30.0g(0.20mol)、及びHCl
濃度35重量%の塩酸300mlを仕込み、大気圧下に
攪拌しながら加熱して還流状態(沸騰状態)で10時間
反応させた。この時の反応温度は110℃から始まって
108℃になり、反応混合物が透明な均一溶液となった
時点(反応開始後10時間)で反応を終了させた。
【0032】反応終了後、攪拌を継続したまま20℃ま
で冷却し、スリラー状に析出した固形物を濾過し、乾燥
してオルソホルミル安息香酸50.6gを得た。収率は
84.2重量%(理論収率97.1重量%)であって純
度は99.9重量%(ガスクロマトグラフィー測定)で
あり、融点は99.5℃であった。また、不純物として
のジフタリジルエーテルや硫酸根は検出されなかった。
で冷却し、スリラー状に析出した固形物を濾過し、乾燥
してオルソホルミル安息香酸50.6gを得た。収率は
84.2重量%(理論収率97.1重量%)であって純
度は99.9重量%(ガスクロマトグラフィー測定)で
あり、融点は99.5℃であった。また、不純物として
のジフタリジルエーテルや硫酸根は検出されなかった。
【0033】実施例2 1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン5
5.7g(0.20mol)、及び実施例1で回収され
た濾過母液150ml〔HCl濃度:20.5重量%、
オルソホルミル安息香酸濃度:26.7重量%(4.0
g相当)〕を反応容器に仕込み、実施例1と同様にして
反応混合物が透明な均一溶液となるまで18時間反応さ
せ、次いで実施例1と同様に後処理してオルソホルミル
安息香酸29.4gを得た。この時の反応温度は108
℃であった。収率は97.8重量%であって、純度は9
9.9重量%(ガスクロマトグラフィーで測定)であ
り、また、融点は99.2℃であった。また、不純物と
してのジフタリジルエーテルや硫酸根は検出されなかっ
た。
5.7g(0.20mol)、及び実施例1で回収され
た濾過母液150ml〔HCl濃度:20.5重量%、
オルソホルミル安息香酸濃度:26.7重量%(4.0
g相当)〕を反応容器に仕込み、実施例1と同様にして
反応混合物が透明な均一溶液となるまで18時間反応さ
せ、次いで実施例1と同様に後処理してオルソホルミル
安息香酸29.4gを得た。この時の反応温度は108
℃であった。収率は97.8重量%であって、純度は9
9.9重量%(ガスクロマトグラフィーで測定)であ
り、また、融点は99.2℃であった。また、不純物と
してのジフタリジルエーテルや硫酸根は検出されなかっ
た。
【0034】実施例3 図1に示すフローに基づいて、実施例2で回収された濾
過母液(HCl濃度:20.5重量%、オルソホルミル
安息香酸濃度:26.7重量%)130mlに1−トリ
クロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン(図中略
称:OXCl5 )55.7g(0.20mol)と反応
当量分及びロス分に相当する水20mlとを添加し、実
施例2と同様にして生成したオルソホルミル安息香酸
(図中略称:OFBA)を得た。この時の反応温度は1
08℃であった。
過母液(HCl濃度:20.5重量%、オルソホルミル
安息香酸濃度:26.7重量%)130mlに1−トリ
クロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン(図中略
称:OXCl5 )55.7g(0.20mol)と反応
当量分及びロス分に相当する水20mlとを添加し、実
施例2と同様にして生成したオルソホルミル安息香酸
(図中略称:OFBA)を得た。この時の反応温度は1
08℃であった。
【0035】この加水分解反応の操作を連続的に6回繰
り返して行い、オルソホルミル安息香酸を連続的に製造
した。6回の各加水分解反応操作において得られたオル
ソホルミル安息香酸の収量は平均値で29.6gであ
り、収率は98.2重量%であって、純度は99.9重
量%(ガスクロマトグラフィーで測定)であり、また、
融点は99.2℃であった。また、不純物としてのジフ
タリジルエーテルや硫酸根は検出されなかった。
り返して行い、オルソホルミル安息香酸を連続的に製造
した。6回の各加水分解反応操作において得られたオル
ソホルミル安息香酸の収量は平均値で29.6gであ
り、収率は98.2重量%であって、純度は99.9重
量%(ガスクロマトグラフィーで測定)であり、また、
融点は99.2℃であった。また、不純物としてのジフ
タリジルエーテルや硫酸根は検出されなかった。
【0036】比較例1 反応容器に1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチル
ベンゼン27.8g(0.10mol)、オルソホルミ
ル安息香酸15.0g(0.10mol)、及び20重
量%硫酸150mlを仕込み、実施例1と同様にして加
水分解反応を行った。この時の反応温度は104℃から
始まって108℃になり、反応混合物が透明な均一溶液
になって反応を終了するまでの時間(反応時間)は10
時間であった。
ベンゼン27.8g(0.10mol)、オルソホルミ
ル安息香酸15.0g(0.10mol)、及び20重
量%硫酸150mlを仕込み、実施例1と同様にして加
水分解反応を行った。この時の反応温度は104℃から
始まって108℃になり、反応混合物が透明な均一溶液
になって反応を終了するまでの時間(反応時間)は10
時間であった。
【0037】反応終了後、攪拌を継続したまま20℃ま
で冷却し、スリラー状に析出した固形物を濾過し、次い
で100mlの水で洗浄して乾燥し、オルソホルミル安
息香酸23.0gを得た。収率は76.2重量%(理論
収率:97.0重量%)であって純度は99.2重量%
(ガスクロマトグラフィー測定)であり、不純物として
ジフタリジルエーテル0.7重量%(ガスクロマトグラ
フィー測定)及び硫酸根740ppmが含まれており、
融点は不定(94.6〜120℃で融解)であった。
で冷却し、スリラー状に析出した固形物を濾過し、次い
で100mlの水で洗浄して乾燥し、オルソホルミル安
息香酸23.0gを得た。収率は76.2重量%(理論
収率:97.0重量%)であって純度は99.2重量%
(ガスクロマトグラフィー測定)であり、不純物として
ジフタリジルエーテル0.7重量%(ガスクロマトグラ
フィー測定)及び硫酸根740ppmが含まれており、
融点は不定(94.6〜120℃で融解)であった。
【0038】比較例2 反応容器に1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチル
ベンゼン27.8g(0.10mol)、オルソホルミ
ル安息香酸15.0g(0.10mol)、及び水15
0mlを仕込み、大気圧下に攪拌しながら加熱して還流
状態で16時間反応させた。この時の反応温度は100
℃から始まって104℃になり、反応混合物が透明な均
一溶液となった時点(反応開始後16時間)で反応を終
了させた。
ベンゼン27.8g(0.10mol)、オルソホルミ
ル安息香酸15.0g(0.10mol)、及び水15
0mlを仕込み、大気圧下に攪拌しながら加熱して還流
状態で16時間反応させた。この時の反応温度は100
℃から始まって104℃になり、反応混合物が透明な均
一溶液となった時点(反応開始後16時間)で反応を終
了させた。
【0039】反応終了後、実施例1と同様にして後処理
し、オルソホルミル安息香酸24.5gを得た。収率は
80.8重量%(理論収率:93.3重量%)であり、
純度は99.0重量%(ガスクロマトグラフィー測定)
であって、ジフタリジルエーテル1.0重量%(ガスク
ロマトグラフィー測定)を含み、融点は98.5℃であ
った。なお、硫酸根は検出されなかった。
し、オルソホルミル安息香酸24.5gを得た。収率は
80.8重量%(理論収率:93.3重量%)であり、
純度は99.0重量%(ガスクロマトグラフィー測定)
であって、ジフタリジルエーテル1.0重量%(ガスク
ロマトグラフィー測定)を含み、融点は98.5℃であ
った。なお、硫酸根は検出されなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、反応溶媒として塩酸を
用いた加水分解反応であるため、触媒由来の有機物系や
金属系の不純物が混入することがなく、また、ジフタリ
ジルエーテル等の不純物の副生を可及的に抑制できるの
で、高純度のオルソホルミル安息香酸を高収率で製造す
ることができる。
用いた加水分解反応であるため、触媒由来の有機物系や
金属系の不純物が混入することがなく、また、ジフタリ
ジルエーテル等の不純物の副生を可及的に抑制できるの
で、高純度のオルソホルミル安息香酸を高収率で製造す
ることができる。
【0041】また、本発明により得られるオルソホルミ
ル安息香酸は、その純度が99.9重量%以上と極めて
高く、微量の不純物でもその混入が問題となるような用
途にも用いることができる。
ル安息香酸は、その純度が99.9重量%以上と極めて
高く、微量の不純物でもその混入が問題となるような用
途にも用いることができる。
【0042】更に、本発明は、オートクレーブ等の圧力
容器を使用する必要がないので、工業的規模での製造に
極めて有利であり、しかも、晶析分離後の固液分離母液
を回収して循環使用することにより、連続的製造が可能
であるほか、収率も向上し、工業的に極めて有利であ
る。
容器を使用する必要がないので、工業的規模での製造に
極めて有利であり、しかも、晶析分離後の固液分離母液
を回収して循環使用することにより、連続的製造が可能
であるほか、収率も向上し、工業的に極めて有利であ
る。
【図1】 図1は本発明の実施例3にかかる連続的製造
法を示すフローチャートである。
法を示すフローチャートである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年5月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】実施例2 1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン5
5.7g(0.20mol)、及び実施例1で回収され
た濾過母液150ml〔HCl濃度:20.5重量%、
オルソホルミル安息香酸濃度:2.67重量%(4.0
g相当)〕を反応容器に仕込み、実施例1と同様にして
反応混合物が透明な均一溶液となるまで18時間反応さ
せ、次いで実施例1と同様に後処理してオルソホルミル
安息香酸29.4gを得た。この時の反応温度は108
℃であった。収率は97.8重量%であって、純度は9
9.9重量%(ガスクロマトグラフィーで測定)であ
り、また、融点は99.2℃であった。また、不純物と
してのジフタリジルエーテルや硫酸根は検出されなかっ
た。
5.7g(0.20mol)、及び実施例1で回収され
た濾過母液150ml〔HCl濃度:20.5重量%、
オルソホルミル安息香酸濃度:2.67重量%(4.0
g相当)〕を反応容器に仕込み、実施例1と同様にして
反応混合物が透明な均一溶液となるまで18時間反応さ
せ、次いで実施例1と同様に後処理してオルソホルミル
安息香酸29.4gを得た。この時の反応温度は108
℃であった。収率は97.8重量%であって、純度は9
9.9重量%(ガスクロマトグラフィーで測定)であ
り、また、融点は99.2℃であった。また、不純物と
してのジフタリジルエーテルや硫酸根は検出されなかっ
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】実施例3 図1に示すフローに基づいて、実施例2で回収された濾
過母液(HCl濃度:20.5重量%、オルソホルミル
安息香酸濃度:2.67重量%)130mlに1−トリ
クロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン(図中略
称:OXCl5 )55.7g(0.20mol)と反応
当量分及びロス分に相当する水20mlとを添加し、実
施例2と同様にして生成したオルソホルミル安息香酸
(図中略称:OFBA)を得た。この時の反応温度は1
08℃であった。
過母液(HCl濃度:20.5重量%、オルソホルミル
安息香酸濃度:2.67重量%)130mlに1−トリ
クロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼン(図中略
称:OXCl5 )55.7g(0.20mol)と反応
当量分及びロス分に相当する水20mlとを添加し、実
施例2と同様にして生成したオルソホルミル安息香酸
(図中略称:OFBA)を得た。この時の反応温度は1
08℃であった。
Claims (7)
- 【請求項1】 1−トリクロロメチル−2−ジクロロメ
チルベンゼンを加水分解してオルソホルミル安息香酸を
製造するに際し、反応溶媒としてHCl濃度5重量%以
上の塩酸を用い、オルソホルミル安息香酸の存在下に大
気圧下で80℃から反応系の沸点までの温度に加熱する
ことを特徴とする高純度オルソホルミル安息香酸の製造
法。 - 【請求項2】 塩酸の使用量が1−トリクロロメチル−
2−ジクロロメチルベンゼン1重量部に対して1〜10
重量部である請求項1に記載の高純度オルソホルミル安
息香酸の製造法。 - 【請求項3】 反応系に添加するオルソホルミル安息香
酸が1−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼ
ン1重量部に対して0.01〜5重量部である請求項1
又は2に記載の高純度オルソホルミル安息香酸の製造
法。 - 【請求項4】 反応溶媒が共沸組成の塩酸である請求項
1〜3の何れかに記載の高純度オルソホルミル安息香酸
の製造法。 - 【請求項5】 反応系をその沸点に加熱する請求項1〜
4の何れかに記載の高純度オルソホルミル安息香酸の製
造法。 - 【請求項6】 反応溶媒として、反応終了後に反応混合
物からオルソホルミル安息香酸を晶析し固液分離して得
られた固液分離母液を用いる請求項1〜5の何れかに記
載の高純度オルソホルミル安息香酸の製造法。 - 【請求項7】 HCl濃度5重量%以上の塩酸を反応溶
媒として用い、オルソホルミル安息香酸の存在下に大気
圧下で80℃から反応系の沸点までの温度に加熱して1
−トリクロロメチル−2−ジクロロメチルベンゼンを加
水分解する加水分解工程と、この加水分解工程で得られ
た反応混合物を冷却して晶析する晶析工程と、晶析工程
で得られたスラリーを固液分離して固体のオルソホルミ
ル安息香酸を得る固液分離工程と、この固液分離工程で
回収された固液分離母液を加水分解工程の反応溶媒とし
て循環する循環工程とを含むことを特徴とする高純度オ
ルソホルミル安息香酸の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13717996A JP3248561B2 (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 高純度オルソホルミル安息香酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13717996A JP3248561B2 (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 高純度オルソホルミル安息香酸の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09316028A true JPH09316028A (ja) | 1997-12-09 |
| JP3248561B2 JP3248561B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=15192665
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13717996A Expired - Fee Related JP3248561B2 (ja) | 1996-05-30 | 1996-05-30 | 高純度オルソホルミル安息香酸の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3248561B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016112893A (ja) * | 2016-01-20 | 2016-06-23 | 興人フィルム&ケミカルズ株式会社 | ガスバリア性フィルム及び製造方法 |
-
1996
- 1996-05-30 JP JP13717996A patent/JP3248561B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016112893A (ja) * | 2016-01-20 | 2016-06-23 | 興人フィルム&ケミカルズ株式会社 | ガスバリア性フィルム及び製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3248561B2 (ja) | 2002-01-21 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPS6247864B2 (ja) | ||
| CN112390748A (zh) | 一种2-氰基-3-氟-5-三氟甲基吡啶的制备方法 | |
| JP2008500389A (ja) | 1,3−ジブロモアセトン、1,3−ジクロロアセトン及びエピクロロヒドリンの製造方法 | |
| JP3572619B2 (ja) | ジフルオロメタンの製造方法 | |
| JP3203067B2 (ja) | 2,4−ジクロロフルオロベンゼンの製造方法 | |
| CN111362807B (zh) | 一种3-硝基-2-甲基苯甲酸的制备方法 | |
| JP3248561B2 (ja) | 高純度オルソホルミル安息香酸の製造法 | |
| US4898996A (en) | Process for producing 3-chloro-4-fluoronitrobenzene | |
| EP0849253B1 (en) | Process for producing benzoyl chlorides | |
| JP3126834B2 (ja) | 2,6ージクロロベンゾイルクロリドの製造法 | |
| JP3159614B2 (ja) | クロロアルキルアミン塩酸塩の製造法 | |
| JPS63316753A (ja) | 7個より多い炭素原子を有するカルボン酸ハロゲニドの製法 | |
| JP7482125B2 (ja) | 2,6-ジクロロベンゾニトリルの調製のためのプロセス | |
| GB2103214A (en) | Process for the purification of nitro-phenoxybenzoic acid derivatives | |
| JPH08231462A (ja) | パーフルオロアルキルカルボン酸フルオライド及びその誘導体の製造方法 | |
| US5523472A (en) | Process for the preparation of 5-fluoroanthranilic acid | |
| JPH06263715A (ja) | 高純度メタンスルホニルフロライドの製造法 | |
| JP2738152B2 (ja) | 核置換塩素化トルエンの製造方法 | |
| JP3637924B2 (ja) | N−クロル芳香族カルボン酸アミドの製造法 | |
| US4399311A (en) | Process for producing aromatic aldehydes | |
| JPH0532586A (ja) | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法 | |
| JP3001626B2 (ja) | 2―クロロプロピオンアルデヒド三量体およびその製造方法 | |
| JPH0583533B2 (ja) | ||
| JPS6312467B2 (ja) | ||
| CN120025244A (zh) | 一种2-(4'-氯苯基)苯甲酸的合成方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091109 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091109 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101109 Year of fee payment: 9 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |