JPH09316351A - 成膜能力を有する水溶性高分子組成物およびこの組成物を用いた汚れ除去方法 - Google Patents

成膜能力を有する水溶性高分子組成物およびこの組成物を用いた汚れ除去方法

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JPH09316351A
JPH09316351A JP15482296A JP15482296A JPH09316351A JP H09316351 A JPH09316351 A JP H09316351A JP 15482296 A JP15482296 A JP 15482296A JP 15482296 A JP15482296 A JP 15482296A JP H09316351 A JPH09316351 A JP H09316351A
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water
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Yasushi Jo
靖 城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】固体表面の汚れを除去する。 【解決手段】水溶性高分子を含有し、その粘度が100
センチポイズ〜400ポイズであって固体表面の汚れを
包含し得る成膜能力を有する水溶性高分子組成物。この
水溶性高分子組成物には、水溶性高分子を可塑化する可
塑剤、洗剤または界面活性剤が適宜含有される。この水
溶性高分子組成物を汚れのある固体表面の上に流延し、
所定時間放置して汚れを包含したゲル膜を形成させて、
このフイルムを剥離して汚れも除去する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体表面に存在す
る汚れを成膜能力を有する水溶性高分子を含む溶液に接
触させ、経時的に該固体表面に接して膜を形成させ、汚
れを膜内に包含してゲル化させて該膜を剥離することに
よって、汚れを除去するための水溶性高分子組成物およ
びこの組成物を用いた汚れ除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来固体表面に付着した汚れは、界面活
性剤や石鹸のような乳化作用を有する洗剤を用いて、エ
マルジョンにして水に溶かし除去するのが主流であり、
それでも除去し得ない頑固な汚れには研磨剤を含有する
洗剤で摩擦力を作用させて強引に落とすという方法がと
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は、合理
的な化学的、物理的手法で構成されていて確かに有効な
汚れの洗浄方法であるが、新しい界面活性剤の出現が多
少の新しい効果をもたらすことがあっても、本質的には
全く同じメカニズムであり、長い期間新しい汚れの除去
方法の革命は見られていない。
【0004】これら従来の方法は、大量の水を使用する
ため、その回収に労力と時間が必要である。此の大量の
水の使用は、ビルディング保守における清掃でも大きい
問題となっており、水に起因するビルの老朽化も大きい
問題になりつつある。また水を用いる洗浄には多大の労
力が必要であり、ビルディング保守上の難問である。
【0005】従って、本質的に水の使用を減らす方法お
よび本質的に異なった汚れの除去方法の出現が待ち望ま
れているのが現状であるが、そのような方法の提案は皆
無である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、全く新しい
着想で汚れを簡単に除去する方法につき、鋭意検討を進
め、高分子の持つ特徴を利用して、簡単に汚れを取り除
く方法を見いだした。
【0007】本発明の要旨とするところは、高分子物質
として、フイルム形成能のある水溶性の高分子を用い、
これを水に溶解し、生成した粘性のある水溶性高分子を
汚れのある固体表面の上に流延し、所定時間放置してゲ
ル化、もしくは、フイルム化した後、このフイルムを剥
がすことにより、一気に固体表面の汚れを取り去る固体
表面の汚れ除去方法およびこの方法に用いる新規な水溶
性高分子組成物に関するものである。
【0008】この方法は、剥がしたフイルムを廃棄すれ
ば清掃が終了するので極めて操作簡便であり、さらに驚
くべきことに、固体表面の汚れの除去性能がきわめてす
ぐれていることである。さらに詳しく説明すれば、少な
くとも重合度が300以上、好ましくは800以上、さ
らに好ましくは1000以上、さらに好ましくは110
0以上の水溶性高分子物質を用い、これを水に溶解した
粘性のある水溶性高分子を汚れのある固体表面の上に流
延し、所定時間放置してゲル化、もしくは、フイルム化
した後、このフイルムを剥がすことにより、一気に固体
表面の汚れを取り去る固体表面汚れ除去方法である。
【0009】本発明に用いる高分子物の重合度が300
より小さいとフイルム形成能が不足し本発明を有効に実
施することが出来ない。重合度が5000を越えると、
高分子を溶解するのに手間がかかるので、実用上あまり
好ましくないが、溶解できれば、本発明の実施には差し
支えない。高分子の分子量が高ければ溶解量を減らせば
よく、本発明の規制は溶液の粘度で行うのが最も合理的
である。
【0010】本発明に用いられる溶液の粘度は100セ
ンチポイズ〜400ポイズ、好ましくは200センチポ
イズ〜300ポイズ、さらに好ましくは300センチポ
イズ〜200ポイズである。粘度が100センチポイズ
より小さいと、溶液が流れ易く、塗布が薄くなり過ぎて
フイルムの機械的強度が弱く本発明の効果を充分に発揮
できない。また粘度が400ポイズを越えると、溶液が
粘り過ぎて汚れの内部に浸透しにくく、この場合も本発
明の効果を発揮出来なくなる。
【0011】本発明者はさらに、ポリビニールアルコ−
ルの水溶液は、ことに頑固に固着した汚れの除去に特異
的かつ驚異的に有効であり、洗剤を含有しなくても、固
体表面の汚れに深く浸透し、これを包みこんでゲル化を
経てフイルムを形成し、しかもそのフイルムが強靱であ
るためにきわめて容易に且つ完璧に剥がす事ができるこ
とを発見した。このポリビニールアルコールの頑固な汚
れに対する特異な親和力、生成ゲル膜の機械的な強靱
さ、取扱の作業性から本発明の実施に極めて適している
ことを本発明者は見い出した。同じような効果がアルギ
ン酸(ソーダ)、アクリル酸(ソーダ)、メタクリル酸
(ソーダ)にも見られた。
【0012】本発明を実施するに当たって用いる高分子
は水溶液の状態で用いられ、その濃度は任意で良いが、
通常3〜30%の範囲で用いられる。この濃度が3%よ
り少ないと、充分に汚れを含有してゲル化するに充分な
容量を汚れ部分に保ちにくく洗い流されて効果を減じて
しまうことがあり、生成した膜がいきおい薄くなり、剥
離する時の強度が不足して、剥離時に膜が破れて本発明
の目的を達成出来ないことがあり、好ましくない。一方
この濃度が40%をこえると、逆に溶液の付着量が多す
ぎ、あまりの高粘度のために該溶液が汚れの内部に浸透
しにくくなり、効果を減じるため好ましくない。
【0013】本発明を実施するに際し、ことに立面の汚
れの除去や複雑な構造物の清掃に特に有効である。殊に
立体的に複雑なものの汚れを除去するのに抜群の効果を
発揮する。何故ならば、本質的に本発明は粘性のある溶
液の利用にあり、溶液の特質であるどのような複雑な所
にも侵入可能であり、隅々まで汚れを除去出来るのであ
る。さらに特筆すべきことは、その除去性能の完璧性で
ある。溶液の特性から、本発明の溶液は完全に隅々まで
どんなに複雑な細かい所の汚れも、高分子粘性溶液に包
含され、汚れを含んだゲルとなって、このゲル膜が強靱
なフィルムを形成するので、これを剥がして完璧な汚れ
除去が完成するのである。
【0014】本発明の実施に際し、本発明の水溶性高分
子を含有する水溶液を流延ないし塗布してから剥がすま
での適正な時間は、言い換えれば、本発明の含高分子水
溶液で処理する時間は、塗布したのち20分乃至10時
間前後位が推奨される。20分より短いと、汚れが充分
に浮き上がっておらず、また溶液のゲル化が不足して成
膜能力がなく綺麗に剥がすことが出来ないため本発明を
実施出来ない。ゲル化を経て強靱なフィルムが生成する
ためには、そのときの環境、たとえば気温、空気の乾燥
度に影響されるが、少なくとも、3時間、好ましくは4
〜12時間が必要である。
【0015】実際に、本発明を実施するに当たって、こ
の本発明の溶液を流延もしくは塗布した後の処理時間
が、非常に重要であることが、実用テストの結果明らか
になった。処理時間が長すぎるとフィルムが強靱に固体
表面に密着固定し、剥がれなくなってしまうことが頻発
する。又接着力があまりに強いため、無理にフィルムを
剥がそうとするとフイルムが破れてしまい、フイルムの
剥離が出来ず、一旦そうなるとフイルムの除去に多大の
労力、時間を要し、本発明の実施は事実上不可能になっ
てしまう。時には固体表面に塗布してある塗料まで剥が
してしまうことがある。この欠点を解決することが、本
発明の効果の普及に重要なポイントになることが判明し
た。
【0016】本発明者は、この問題の解決のために、鋭
意研究を重ね、ついにこの問題を解決し、本発明の第2
の発明を完成した。本発明の第2の発明は、本発明の水
溶性高分子を含む溶液に、可塑化効果を有する物質をさ
らに添加することを特徴とするものである。適量の可塑
剤が存在させることによって、処理時間についての制限
が大幅に緩和されるのである。可塑剤の存在なしの場
合、本発明の溶液を塗布後12時間を越えると、すでに
述べたように種々の問題を露呈するが、可塑剤を存在さ
せると全く時間的制限がなくなるのである。
【0017】これは実用的見地からみて画期的なことで
あり、この発明によって、はじめて実用化の広汎な応用
への道が開かれたと言うことが出来る。これまでは、本
発明の溶液の塗布後、たとえば6時間後の剥がし作業と
いうような時間的制限のために、作業の制約があり、非
常に作業工程上不合理であった。
【0018】本発明の第2発明によって、時間的制約は
完全に取り除かれて、本発明の溶液の塗布後12時間後
でも、翌日でも、3日後でも、1週間後でも容易に生成
フイルムの剥離が可能で、全く効果が変わらずに本発明
の実施が可能となったのである。
【0019】本発明に用いられる可塑剤として、グリセ
リン、エチレングリコール、ピロリドン、ポリエチレン
グリコールなど可塑化作用のあるものなら何んでも用い
ることが出来るが、グリセリンとポリエチレングリール
が特に優れている。
【0020】本発明に用いる可塑剤の量は、本発明に用
いる水溶性高分子の量に対して1〜40%であり、好ま
しくは2〜30%、さらに好ましくは、5〜20%であ
る。可塑剤の量が1%より少ないと、効果が不十分であ
り、40%を越えると生成フイルムの強度が不足してフ
イルム剥離の時にトラブルとなる。
【0021】本発明の実施と開発の過程で、本発明者は
固体表面の性質によって、本発明の効果が著しく異なる
現象を見いだした。詳しく説明すると、汚れた固体表面
が比較的に粗であったり、親水性の場合、たとえば、コ
ンクリートやブロック塀、墓石、御影石、セメントのよ
うな固体表面の汚れ除去には、効果は目を見張るようで
ある。ところが表面が鏡面のように滑らかであったり、
疎水性(あるいは親脂性)のとき、たとえば、ワックス
の効いた床面上の汚れの除去には、全く効果的とは言え
ないことがわかった。
【0022】その原因を種々検討した結果、本発明者は
その原因が表面の性質に関連し、疎水性(あるいは親脂
性)の場合、表面が本発明の溶液を受け入れず、油と水
の界面のように単に接触するのみで、汚れを包含したゲ
ルあるいはフイルムを形成しないことを突き止めたので
ある。これを解決するために、本発明者はあらゆる面か
ら検討を加え、本発明の第3の発明を完成した。
【0023】本発明の第3の発明は、本発明の水溶性高
分子の溶液に、さらに公知の洗浄効果を有する石鹸、界
面活性剤をさらに添加することを特徴とするものであ
る。用いられる添加剤としては、石鹸、界面活性剤が好
ましく、それぞれ単独で用いてもよく混合して用いても
よい。界面活性剤としては用いるときは、陰イオン界面
活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両
性イオン界面活性剤のいずれも用いられる。
【0024】陰イオン界面活性剤としては、脂肪酸石
鹸、N−アシルアミノ酸およびその塩、アルキルエーテ
ルカルボン酸塩、アシルペプチドなどのカルボン酸塩
類、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタリン
スルホン酸塩、ナフタリンスルホンサンの塩、メラミン
スルホン酸の塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル
塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、N−アシルメチルタウリンソーダなどのスルホン酸
塩類、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテ
ル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェー
ト、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル硫
酸塩、モノグリサルフェート脂肪酸アルキロールアマイ
ド硫酸エステル塩などの硫酸エステル類、アルキルエー
テル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩などの燐
酸エステル塩等がある。
【0025】陽イオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン類、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム
塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリ
ニウム塩などがもちいられる。両性イオン界面活性剤と
しては、たとえば、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニ
ウムベタイン、レシチンが挙げられる。非イオン界面活
性剤の例としては、エーテル型のポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテ
ル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキ
シエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマ
リン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、エーテ
ルエステル型としては、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬
化ヒマシ油、エステル型としては、ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エス
テル等がある。
【0026】このほか、含窒素型として、脂肪酸アルカ
ノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサ
イド、などがある。このほか、フッ素系界面活性剤、た
とえばフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアル
キルカルボン酸、モノパーフルオロアルキルエチル燐酸
エステルやポリオキシエチレンアリルグリシジルノニル
フェニールエーテルの硫酸エステル塩などが用いられ
る。さらに、水溶性、親脂性の両方の性質を有する(換
言すれば水にもエーテル/ベンゼンにも溶ける低分子
物、たとえば、グリセリン、ピロリドン、グリシジルエ
ーテル、ジグライム、ブチルオキシエチレンリコール、
エタノールアミン、メチルセロソルブのような洗剤効果
のある有機化合物も用いることができる。もちろん市販
のワックス剥離剤なども用いることができることは言う
までもないこれらに加えて、金属類を補足し洗浄効果を
あげるエチレンジアミンテトラアセテートなどのキレー
ト剤を若干含有させることもできる。
【0027】本発明に用いる石鹸、界面活性剤の量は、
本発明の水溶性高分子に対し5%〜0.05%、好まし
くは3%〜0.3%でよい。
【0028】
【作用】本発明は、汚れ除去に従来の洗浄液に水溶性の
高分子を溶解して粘度を与え、汚れ表面に接触する時間
を保ち、充分に汚れの内部まで水溶性高分子を浸透さ
せ、これを包含してゲル化させ、立面状の固体表面や複
雑な形状の固体表面上の汚れの有効な除去の道を開いた
ものである。また本発明の含高分子洗剤で処理したの
ち、適当時間放置し、汚れを包み込んでフイルムを形成
させ、これを剥がすことによる汚れの除去方法を改善し
たものである。
【0029】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳細に説
明する。これらの実施例はあくまで説明のためのもので
あり、決して本発明の特許請求の範囲を限定するもので
はない。
【0030】
【実施例1】長年まったく清掃していない汚れきったコ
ンクリート製の壁面の清拭を依頼された。通常の洗剤溶
液による清拭では全く汚れは落ちず、洗剤溶液は流下し
周辺の床を濡らし、作業は困難を極めた。重合度450
(分子量約20000)のポリエチレングリコールの2
2%水溶液を調整した。この溶液は810センチポイズ
であった。これをこの壁面に塗り付けた。溶液はその粘
度のために充分に壁面に保持可能であった。
【0031】約6時間後に、塗布溶液はゲル状にフイル
ム化していた。端のほうから注意深くこのゲルフイルム
を剥がすと、汚れはフイルムと一緒に綺麗に取り除くこ
とが出来た。
【0032】
【実施例2】和光純薬工業(株)のアルギン酸ナトリウ
ム600cPの8%水溶液をつくった。セメント製壁面の
汚れた部分にこの溶液を塗布した。この溶液の粘度は、
120ポイズであった。7時間後、この塗布溶液はゲル
化し、ゲル状の膜が形成される。
【0033】此の膜を端から持ち上げると綺麗にフイル
ム状に剥がすことが出来た。汚れは完全にフイルムに包
みこまれて綺麗に除かれ、壁面は新品同様に生まれ変わ
った。
【0034】
【実施例3】モルタル製の階段の各ステップの立面の汚
れが目立つ箇所の清掃を行った。和光純薬製のポリビニ
ールピロリドン、K−30,40%を含む水溶液を作っ
た。これはかなり粘っこい溶液で30°Cで測定した粘
度は166ポイズであった。この溶液を階段の立面に塗
布し、8時間そのままにして乾燥させた。
【0035】8時間後、塗布部はゲル化し弾力のあるフ
ィルムになっていた。このフィルムは、端の方から注意
深く持ち上げると剥がれた。階段の立面の汚れは、完全
にフイルムに包含されて、除去でき、フイルムを剥がし
たあとの階段の立面は見違えるほどに綺麗になってい
た。
【0036】
【実施例4】甚だしく汚れの目立つモルタル製の階段の
各ステップの立面部分の汚れが目立ち、これを綺麗にす
る必要が生じた。重合度1200のポリビニールアルコ
ールを水に溶解し、7%の水溶液を作った。この粘度は
9600センチポイズであった。これを階段の立面にと
塗布した。6時間後塗布溶液はゲル化し、膜即ちフィル
ムを形成した。このフイルムは一端を擦ると剥がれた。
【0037】このフィルムを持って一気に引っ張ると、
綺麗に膜一体となって剥がれた。立面の汚れは完全に剥
がしたフイルムに含まれ、フイルムを除去した後の立面
は、驚くほどに綺麗になっている事が確認された。
【0038】
【実施例5】重合度1500のポリビニールアルコール
を水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアルコ
ールの濃度は8%であった。粘度を測定すると140ポ
イズであった。このように調整した溶液を石材で出来た
壁の清掃に使用した。この壁は5年以上清掃を行ってお
らず、極めて汚くなっていた。この壁面に上記のポリビ
ニールアルコールを含む水溶液を万遍なく塗布した。9
時間ゲル化した膜を上の方から剥がした。
【0039】膜は綺麗に、破れることなく一気に手早く
剥がすことが出来た。壁面の汚れは完全に剥がしたフイ
ルムに包含されて除かれ、壁面はまったく新品そのもの
に綺麗になった。
【0040】
【実施例6】重合度1850のポリビニールアルコール
を水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアルコ
ールの濃度は7%である。粘度を測定すると320ポイ
ズであった。このように調整した溶液を墓石の清掃に使
用した。この墓は20年以上清掃を行っておらず、極め
て汚くなっていた。この墓石の全面に上記のポリビニー
ルアルコールを含む水溶液を万遍なく塗布した。6時間
ゲル化した膜を上の方から剥がした。
【0041】膜即ちフィルムは綺麗に、破れることなく
一気に手早く剥がすことが出来た。墓石の汚れは剥がし
たフイルムに完全に包含されて除かれ、墓石はまったく
新品そのものに綺麗になった。
【0042】
【実施例7】重合度1100のポリビニールアルコール
を水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアルコ
ールの濃度は7%である。粘度を測定すると7100セ
ンチポイズであった。このように調整した溶液を墓石の
清掃に使用した。この墓は20年以上清掃を行っておら
ず、極めて汚くなっていた。この墓石の全面に上記のポ
リビニールアルコールを含む水溶液を万遍なく塗布し
た。9時間ゲル化した膜を上の方から剥がした。
【0043】膜即ちフィルムは綺麗に、破れることなく
一気に手早く剥がすことが出来た。墓石の汚れは墓石に
彫り込まれた字の部分に至るまで剥がしたフイルムに完
全に包含されて除かれ、墓石はまったく新品そのものに
綺麗になった。
【0044】
【実施例8】重合度1200のポリビニールアルコール
を水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアルコ
ールの濃度は10%である。粘度を測定すると240ポ
イズであった。このように調整した溶液を墓石の清掃に
使用した。この墓は20年以上清掃を行っておらず、極
めて汚くなっていた。この墓石の全面に上記のポリビニ
ールアルコールを含む水溶液を万遍なく塗布した。6時
間ゲル化した膜を上の方から剥がした。
【0045】膜即ちフィルムは綺麗に、破れることなく
一気に手早く剥がすことが出来た。墓石の汚れは墓石の
字の部分に至るまで剥がしたフイルムに完全に包含され
て除かれ、墓石はまったく新品そのものに綺麗になっ
た。
【0046】
【参考例1】重合度1200のポリビニールアルコール
を水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアルコ
ールの濃度は6.5%である。粘度を測定すると820
0センチポイズであった。このように調整した溶液を墓
石の清掃に使用した。この墓は20年以上清掃を行って
おらず、極めて汚くなっていた。この墓石の全面に上記
のポリビニールアルコールを含む水溶液を万遍なく塗布
した。翌々日ゲル化した膜を上の方から剥がそうとし
た。
【0047】塗布後10〜12時間後には、何の問題も
なく膜状に綺麗に剥がせたのに一日経つと膜の墓石表面
への固着が強固になり、なかなか剥がせなかった。無理
やりに剥がそうとすると、膜は破れ、膜の剥離に苦労す
る上、あちこちに剥がれない所が残ってしまった。この
状態ではとても実用化は不可能にさえ思えた。
【0048】
【実施例9】重合度1200のポリビニールアルコール
を水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアルコ
ールの濃度は6.5%である。粘度を測定すると820
0センチポイズであった。この溶液に、さらに使用した
ポリビニールアルコールに対し17%のグリセリンを加
えた。この溶液を参考例1と同じような墓石の清掃に使
用した。この墓は20年以上清掃を行っておらず、極め
て汚くなっていた。この墓石の全面に上記のポリビニー
ルアルコールとグリセリンを含む水溶液を万遍なく塗布
した。翌々日ゲル化した膜を上の方から剥がそうとし
た。
【0049】本実施例の場合は、一日経つても全く問題
なく、綺麗に一気に剥がすことが出来、墓石の汚れは墓
石の字の部分に至るまで期待どうり綺麗になった。
【0050】
【実施例10】重合度1400のポリビニールアルコー
ルを水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアル
コールの濃度は7%である。粘度を測定すると260ポ
イズであった。この溶液に、さらに使用したポリビニー
ルアルコールに対し10%のポリエチレングリコール
(分子量500)を加えた。この溶液をブロック塀の清
掃に使用した。この塀は20年以上清掃を行っておら
ず、極めて汚くなっていた。この塀の全面に上記のポリ
ビニールアルコールとポリエチレングリコールを含む溶
液を万遍なく塗布した。翌日ゲル化した膜を上の方から
剥がそうとした。全く問題なくフイルムは綺麗に剥がせ
た。
【0051】本実施例の場合は、2日経つても全く問題
なく、き綺麗に一気に剥がすことが出来、ブロック塀の
汚れは隅々まで剥がしたフイルムに完全に包含されて除
かれ、塀はまったく新品そのものに綺麗になり、期待ど
うり綺麗になった。参考例2実施例10に用いたポリビ
ニールアルコールの水溶液で、本例では可塑剤のポリエ
チレングリコールが含まれていない点だけが異なってい
る。この場合、溶液塗布後7時間では、問題なく本発明
を実施できたが、翌日まで放置してフイルムの剥離を試
みたところ、フイルムは強固に接着してなかなか剥がれ
ず、むりに剥がすとフイルムが破れて所期の目的は達成
されなかった。
【0052】
【実施例11】重合度1100のポリビニールアルコー
ルを水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアル
コールの濃度は9%である。粘度を測定すると120ポ
イズであった。この溶液に、さらに使用したポリビニー
ルアルコールに対し10%のグリセリンを加えた。この
溶液を参考例1と同じような墓石の清掃に使用した。こ
の墓は20年以上清掃を行っておらず、極めて汚くなっ
ていた。この墓石の全面に上記のポリビニールアルコー
ルとグリセリンを含む溶液を万遍なく塗布した。翌日ゲ
ル化した膜を上の方から剥がそうとした。
【0053】本実施例の場合は、2日経つても全く問題
なく、綺麗に一気に剥がすことが出来、墓石の汚れは墓
石の字の部分に至るまで剥がしたフイルムに完全に包含
されて除かれ、墓石はまったく新品そのものに綺麗にな
り、期待どうり綺麗になった。本実施例の水溶性高分子
でグリセリンを含まないものを別途調整した。これを使
うと、塗布後6時間後には全く問題なく本発明を成功裏
に実施できたが、明くる日に剥離を試みるとフイルムの
固着が執拗でうまく剥がすことが出来なかった。
【0054】
【実施例12】重合度1200のポリビニールアルコー
ルを水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアル
コールの濃度は7.5%である。粘度を測定すると11
000センチポイズであった。この溶液に、さらに使用
したポリビニールアルコールに対し13%のグリセリン
を加えた。この溶液を参考例1と同じような墓石の清掃
に使用した。この墓は20年以上清掃を行っておらず、
極めて汚くなっていた。この墓石の全面に上記のポリビ
ニールアルコールとグリセリンを含む溶液を万遍なく塗
布した。翌日ゲル化した膜を上の方から剥がそうとし
た。
【0055】本実施例の場合は、2日経つても全く問題
なく、綺麗に一気に剥がすことが出来、墓石の汚れは墓
石の字の部分に至るまで剥がしたフイルムに完全に包含
されて除かれ、墓石はまったく新品そのものに綺麗にな
り、期待どうり綺麗になった。
【0056】本実施例の場合も、グリセリンを加えない
ものは、10時間後には問題はなかったが、2日後に
は、フイルムは綺麗に剥がれず、大変な手間がかかっ
た。
【0057】
【実施例13】重合度1200のポリビニールアルコー
ルを水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアル
コールの濃度は8%である。粘度を測定すると154ポ
イズであった。この溶液に、さらに使用したポリビニー
ルアルコールに対し所定量のグリセリン、洗剤を加えた
溶液を調整した。これらの溶液の組成、塗布時間、結果
を一覧表にして示す。
【0058】
【表1】
【0059】上記の溶液を御影石で出来た壁の汚れ除去
に使用した。この壁は10年以上清掃を行っておらず、
極めて汚くなっていた。この壁の全表面に上記の溶液を
万遍なく塗布した。所期時間を経た後、剥がそうとし
た。
【0060】本実施例の場合は、いずれも全く問題な
く、綺麗に一気に剥がすことが出来、御影石の汚れは凹
凸の隅々に至るまで剥がしたフイルムに完全に包含され
て除かれ、壁面はまったく新品そのものに綺麗になり、
期待どうり綺麗になった。
【0061】
【実施例14】重合度1100のポリビニールアルコー
ルを水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアル
コールの濃度は9%である。粘度を測定すると120ポ
イズであった。この溶液に、さらに使用したポリビニー
ルアルコールに対し10%のグリセリンと市販の洗剤
(チャーミー:ライオン社製)をグリセリンと同量加え
た。この溶液を表面が塩化ビニール製でワックスがけし
た階段の各ステップの立面の清掃に使用した。この階段
の各ステップの立面は12年以上清掃を行っておらず、
極めて汚くなっていた。ステップの立面に上記のポリビ
ニールアルコールとグリセリン、洗剤を含む溶液を万遍
なく塗布した。翌日ゲル化した膜を上の方から剥がし
た。
【0062】本実施例の場合は、全く問題なく、綺麗に
一気に剥がすことが出来、階段は全く新品そのものに綺
麗になった。本実施例の水溶性高分子でグリセリンと洗
剤をを含まないものを別途調整した。これを使って、上
述と全く同じ操作で作業をおこなった。驚いたことに、
剥がれたフイルムは綺麗な透明のもので、フイルムに汚
れは包含されておらず、階段の立面の汚れは元のままで
あった。
【0063】
【実施例15】重合度1200のポリビニールアルコー
ルを水に溶解し、水溶液を調整した。ポリビニールアル
コールの濃度は7.5%である。粘度を測定すると11
000センチポイズであった。この溶液に、さらに使用
したポリビニールアルコールに対し13%のアルキルベ
ンゼンスルホン酸を加えた。この溶液をメラミン塗装の
壁の清掃に使用した。この壁は8年以上清掃を行ってお
らず、黄変しており極めて汚い状態であった。この壁面
の全面に上記のポリビニールアルコールとアルキルベン
ゼンスルホン酸を含む溶液を万遍なく塗布した。翌日ゲ
ル化した膜を上の方から剥がそうとした。
【0064】本実施例の場合は、1日経つても全く問題
なく、綺麗に一気に剥がすことが出来、壁面の汚れはフ
イルムに完全に包含されて除かれ、壁はまったく新品そ
のものに綺麗になり、期待どうり綺麗になった。
【0065】本実施例の場合も、アルキルベンゼンスル
ホン酸を加えないものは、剥がしたフイルムには汚れが
まったく含まれておらず、綺麗な無色透明で、壁の汚れ
はそのまま残っていた。
【0066】
【発明の効果】本発明は全く新しい着想により、固体表
面の汚れを高分子のゲル膜の中に包含させて、このフイ
ルムを剥離することにより汚れを除去することに成功し
たもので、疎水性、親水性、又粗面、鏡面等のあらゆる
種類の表面の汚れに適用できる新しい技術を開発した発
明であり、きわめて有用なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性高分子を含有し、その粘度が100
    センチポイズ〜400ポイズであって固体表面の汚れを
    包含し得る成膜能力を有する水溶性高分子組成物。
  2. 【請求項2】水溶性高分子と該高分子を可塑化する可塑
    剤を含有し、その粘度が100センチポイズ〜400ポ
    イズである請求項1に記載の水溶性高分子組成物。
  3. 【請求項3】洗剤または/および界面活性剤を含有し、
    その粘度が100センチポイズ〜400ポイズである請
    求項1又は2に記載の水溶性高分子組成物。
  4. 【請求項4】その粘度が100センチポイズ〜400ポ
    イズである水溶性高分子を含有する水溶性高分子組成物
    を汚れのある固体表面の上に流延し、所定時間放置して
    汚れを包含したゲル膜を形成させ、このフイルムを剥離
    することを特徴とする固体表面の汚れ除去方法。
JP15482296A 1996-05-27 1996-05-27 成膜能力を有する水溶性高分子組成物およびこの組成物を用いた汚れ除去方法 Pending JPH09316351A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000336229A (ja) * 1999-06-01 2000-12-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 膜状物およびその製造法
JP2009532512A (ja) * 2006-02-28 2009-09-10 セルラー・バイオエンジニアリング・インコーポレイテッド 重合体組成物、ならびに汚染物を基板から除去するための方法
JP2013205359A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Toshiba Corp ゲル状中性子吸収材及び炉心溶融物回収方法
JP2013204887A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Sharp Corp 熱交換器用フィン及び熱交換器
JP2013242161A (ja) * 2012-05-17 2013-12-05 Ibaraki Univ 水溶性又は水分散性高分子を利用した放射性物質含有森林土壌の固定化溶液及び該固定化溶液を用いた放射性物質除染方法

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