JPH09316420A - 水溶性ホットメルト接着剤と、これを用いたたばこフィルター及びその製造方法 - Google Patents

水溶性ホットメルト接着剤と、これを用いたたばこフィルター及びその製造方法

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JPH09316420A
JPH09316420A JP15614896A JP15614896A JPH09316420A JP H09316420 A JPH09316420 A JP H09316420A JP 15614896 A JP15614896 A JP 15614896A JP 15614896 A JP15614896 A JP 15614896A JP H09316420 A JPH09316420 A JP H09316420A
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JP15614896A
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Inventor
Nobuyuki Oji
信之 大路
Kazunori Nakao
一徳 中尾
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融状態での熱安定性に優れた水溶性ホット
メルト接着剤を得る。 【解決手段】 水溶性ホットメルト接着剤は、ビニルピ
ロリドン−酢酸ビニル系共重合体を含む。ビニルピロリ
ドン−酢酸ビニル系共重合体におけるビニルピロリドン
と酢酸ビニルの割合は、前者/後者=85/15〜10
/90(モル比)程度である。前記水溶性ホットメルト
接着剤は、ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体1
00重量部に対して、(a)水溶性又は水分散性の粘着
付与剤(ロジン誘導体など)を50〜300重量部、
(b)ワックス(酸化ワックスなど)を10〜120重
量部、(c)水溶性又は水分散性の可塑剤(グリセリン
など)を40〜300重量部程度含んでいてもよい。こ
の接着剤は、たばこフィルター巻紙のラップ糊などとし
て有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たばこフィルター
用巻紙のラップ糊などとして有用な水溶性ホットメルト
接着剤、及びこの水溶性ホットメルト接着剤を用いたた
ばこフィルターとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤は、紙接着分野や木
工接着分野などの各種接着分野において使用されてい
る。特に、紙接着分野においては、包装剤の接着、製
本、製袋、段ボール箱の貼合等に広範に用いられてい
る。このホットメルト接着剤は、一般に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体などのエチレン系共重合体、ポリアミド、ポリウレ
タン、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を主成分として
おり、水に溶解しない場合が多い。
【0003】一方、森林保護や公害問題の観点から、故
紙の回収及び再生が進められている。しかし、故紙に付
着しているホットメルト接着剤は、一般に、水に溶解、
分散しないため、故紙から除去することが困難であり、
このことが、故紙を回収、再生する上で大きな障害とな
っている。
【0004】これらの問題を解決するため、これまでに
いくつかの提案がなされている。例えば、特開昭58−
10438号公報には、重合度200以下のポリ酢酸ビ
ニルをアルカリにより鹸化し(鹸化度30〜80モル%
程度)、エチレングリコールなどの融剤を加えたホット
メルト接着剤が開示されている。しかし、このホットメ
ルト接着剤は水溶性ではあるものの、耐熱クリープ性が
不十分で、しかも溶融状態での接着剤自体の熱安定性が
低い。そのため、長時間に亘りホットメルト接着に利用
することが困難である。
【0005】特開平5−5084号公報には、平均重合
度30〜3000で鹸化度60モル%以上のポリビニル
アルコール(以下、単にPVAと称する場合がある)と
水からなる含水ゲル、又はこの含水ゲルにグリセリンな
どの有機物系可塑剤を加えたホットメルト接着剤が開示
されている。このホットメル接着剤も水溶性であるもの
の、熱溶融状態では接着剤自体の熱安定性が低いだけで
なく、初期接着性の指標となるセットタイムが長いた
め、ホットメルト接着剤の利点である高速接着に適さ
ず、実用的でない。
【0006】特開平8−92537号公報には、ポリビ
ニルアルコール、水溶性又は水分散性のロジン又はロジ
ン誘導体若しくはその塩、及び水溶性又は水分散性可塑
剤を含む水溶性ホットメルト接着剤が開示されている。
このホットメルト接着剤は、初期接着性、熱安定性に優
れているものの、ポリビニルアルコールの重合度や鹸化
度等により、接着性、耐熱クリープ性、水溶性などの特
性が変動しやすいという欠点がある。
【0007】一方、たばこ煙中の有害成分を除去し、且
つ喫味に優れるたばこフィルターとして、セルロースエ
ステルの繊維束で構成されたたばこフィルターが広く使
用されている。このたばこフィルターでは、フィルター
プラグの形状を維持し、且つフィルタープラグからフィ
ルターチップを切断するために必要な硬度を得るため、
通常、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテ
ート、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブ
チルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン
酸トリエチルエステルなどの可塑剤が使用されている。
【0008】しかし、上記たばこフィルターでは、前記
可塑剤がバインダーとしての機能を有し、この可塑剤に
よりセルロースエステル繊維同士が部分的に融着してい
るため、使用後に廃棄すると、環境中で形状が崩壊する
までに長時間を要し、美観を損なうだけでなく、環境汚
染の一因となる。
【0009】また、木材パルプを原料とし、クレープ状
に加工した紙製のたばこフィルターや再生セルロース繊
維束からなるたばこフィルターも知られている。これら
のフィルターは、セルロースエステルの繊維束からなる
フィルターと比較して、自然環境中での崩壊性が若干高
く、環境汚染をある程度軽減できる。しかし、たばこの
喫味が劣ると共に、フィルターとして必要なフェノール
類の選択除去性がセルロースエステルに比べて極端に低
く、しかも、同じ圧力損失においてフィルター硬度がセ
ルロースエステルに比して低い。
【0010】これに対し、最近、喫味、濾過性能に優
れ、さらに自然環境中での崩壊性に優れたたばこフィル
ターが検討されている。
【0011】例えば、特開平8−47385号公報等に
は、セルロースエステル組成物を含有し、抄紙構造を有
する水分散性の良好なシート状フィルター材料から製造
されたたばこフィルターが提案されている。また、特開
平7−75542号公報、特開平6−319512号公
報には、セルロースエステル繊維束を水溶性高分子を用
いて接着することにより製造された水分散性の優れたた
ばこフィルターが開示されている。さらに、特開平7−
99958号公報には、フィルター材料である繊維束を
水溶性高分子で接着し、あるいは接着することなく巻上
げたフィルターを短く切り、その複数個をさらに巻紙で
同時に巻上げることにより製造された水分散性の優れた
たたばこフィルターが開示されている。さらに、置換度
の小さいセルロースエステル繊維束を巻上げることによ
り製造された生分解性の優れたたたばこフィルターや光
分解促進剤としてアナターゼ型酸化チタンを含有したセ
ルロースエステル繊維束を巻上げることにより製造され
た光分解性の優れたたたばこフィルターなども提案され
ている。
【0012】これらのたばこフィルターでは、確かにフ
ィルター素材の自然環境中での崩壊性が向上するもの
の、フィルター素材が自然環境中で十分な崩壊性を発揮
するためには、フィルター巻紙がフィルター素材から剥
離、除去されることが必要である。しかし、フィルター
巻紙の端部同士を接着するための接着剤(以下、「ラッ
プ糊」と称する場合がある)として、通常、非水溶性の
ホットメルト接着剤が用いられているため、自然環境中
でのフィルター巻紙のフィルター素材からの剥離性に乏
しい。そのため、フィルター巻紙がフィルター素材から
剥離するのは困難であるか、又は非常に長時間を要し、
フィルター素材が本来持つ自然環境中での崩壊性が充分
に発揮されない。
【0013】この問題に対し、米国特許第545314
4号明細書には、ラップ糊として、ポリアルキレンオキ
シドとビニルモノマーのグラフト共重合体を主成分とす
る感水性ホットメルト組成物接着剤を用いたたばこフィ
ルターが開示されている。このたばこフィルターでは、
フィルター巻紙が水の作用によりフィルター素材から比
較的容易に剥離する。しかし、上記のグラフト共重合体
を主成分とするホットメルト接着剤では、たばこフィル
ター巻上げ機を用いてたばこフィルターを製造する際の
適正な溶融粘度(例えば、600〜1500センチポイ
ズ程度)が得られるまで加熱すると、グラフト共重合体
のビニルモノマー部分が熱分解する可能性があり、長時
間加熱溶融した場合の熱安定性に問題がある。
【0014】このように、水溶性ホットメルト接着剤が
たばこフィルターの巻紙を接着するためのラップ糊とし
て提案されているものの、溶融時の熱安定性が低いた
め、連続的に長時間に亘り巻紙の接着に供することが困
難である。また、セットタイムが長いため、巻紙を高速
接着できない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、溶融状態での熱安定性に優れた水溶性ホットメ
ルト接着剤を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、高速接着性に優れる
水溶性ホットメルト接着剤を提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、溶融状態での
熱安定性に優れるとともに、高い耐熱クリープ性を有す
る水溶性ホットメルト接着剤を提供することにある。
【0018】本発明の別の目的は、フィルター巻紙の自
然環境下での水による剥離性に優れるとともに、長時間
安定に連続生産可能なたばこフィルターとその製造方法
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、ビニルピロリドンと
酢酸ビニルとの共重合体を含む水溶性ホットメルト接着
剤が熱安定性に著しく優れること、及び前記水溶性ホッ
トメルト接着剤をラップ糊として用いると、自然環境下
において水の作用によりたばこのフィルター巻紙が容易
に剥離するとともに、フィルター巻紙を長期間安定して
連続的に糊付けできることを見出だし、本発明を完成し
た。
【0020】すなわち、本発明は、ビニルピロリドン−
酢酸ビニル系共重合体を含む水溶性ホットメルト接着剤
を提供する。前記ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重
合体におけるビニルピロリドンと酢酸ビニルの割合は、
前者/後者=85/15〜10/90(モル比)程度で
あり、ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体の粘度
平均分子量は3000〜300000程度である。上記
水溶性ホットメルト接着剤は、さらに、(a)水溶性又
は水分散性の粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体な
ど)、(b)ワックス(例えば、酸化ワックスなどの水
溶性又は水分散性のワックス等)、及び(c)水溶性又
は水分散性の可塑剤から選択された少なくとも1種を含
んでいてもよい。
【0021】本発明は、また、フィルター素材と、この
フィルター素材を巻回し、ロッド状に成形するための巻
紙とを備え、少なくとも前記巻紙に接着剤が適用されて
いるたばこフィルターであって、前記接着剤が請求項1
記載の水溶性ホットメルト接着剤であるたばこフィルタ
ーを提供する。
【0022】本発明は、さらに、フィルター素材を巻紙
により巻回し、少なくとも巻紙に接着剤を適用してロッ
ド状に成形するたばこフィルターの製造方法であって、
前記接着剤として上記の水溶性ホットメルト接着剤を用
いるたばこフィルターの製造方法を提供する。この製造
方法において、シート状のフィルター素材を巻紙によ
り、例えば200〜1200m/分程度の巻上速度で、
ロッド状に巻上げて成形してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】ビニルピロリドン−酢酸ビニル系
共重合体としては、単量体としてビニルピロリドン及び
酢酸ビニルを含む単量体混合物から得られる種々の共重
合体を使用できる。前記共重合体におけるビニルピロリ
ドンと酢酸ビニルの割合は、水溶性及び接着性を損なわ
ない範囲で適宜選択できるが、通常、前者/後者(モル
比)=85/15〜10/90、好ましくは80/20
〜15/85、さらに好ましくは75/25〜18/8
2程度である。前記共重合体中のビニルピロリドンの割
合が大きすぎると熱溶融性が低下しやすく、逆に、酢酸
ビニルの割合が大きすぎると水溶性が低下しやすい。
【0024】ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体
は、水溶性接着剤としての特性を損なわない範囲で、ビ
ニルピロリドン、酢酸ビニル以外の他の単量体単位を含
んでいてもよい。このような単量体として、エチレン、
プロピレン、1−ブテンなどのオレフィン系モノマー;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミドなどのアクリル系モノマー;スチレン、ビニル
トルエンなどのスチレン系モノマー;塩化ビニル;など
のビニル単量体等が挙げられる。
【0025】なお、前記ビニルピロリドン−酢酸ビニル
系共重合体は、熱安定性を損なわない範囲で、エステル
部位が部分的に鹸化されていてもよい。鹸化度は、例え
ば80モル%以下(0〜80モル%)、好ましくは40
モル%以下(0〜40モル%)、さらに好ましくは20
モル%以下(0〜20モル%)、特に10モル%以下
(0〜10モル%)である。ビニルピロリドン−酢酸ビ
ニル系共重合体として、実質的に鹸化されていない共重
合体が使用される場合が多い。
【0026】ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体
を構成する単量体中のビニルピロリドンと酢酸ビニルの
両成分の占める割合は、例えば50重量%以上(50〜
100重量%)、好ましくは70重量%以上(70〜1
00重量%)、さらに好ましくは90重量%以上(90
〜100重量%)であり、特に95重量%以上(例え
ば、実質的に100重量%)である場合が多い。
【0027】ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体
の粘度平均分子量は、広い範囲の値を採用でき、例えば
3000〜300000、好ましくは5000〜200
000、さらに好ましくは8000〜140000程度
である。前記粘度平均分子量が小さすぎると接着性が低
下しやすく、逆に大きすぎると熱溶融性が低下しやす
い。
【0028】本発明の水溶性ホットメルト接着剤は、前
記ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体に加えて、
(a)水溶性又は水分散性の粘着付与剤、(b)ワック
ス、及び(c)水溶性又は水分散性の可塑剤から選択さ
れた少なくとも1種の成分を含んでいてもよい。
【0029】一般に、石油系樹脂、スチレン系樹脂、テ
ルペン系樹脂、フェノール系樹脂、クマロン−インデン
樹脂、ロジン及びロジン誘導体などの粘着封与剤をホッ
トメルト接着剤に添加配合することは知られている。し
かし、このような粘着付与剤を水溶性樹脂と混合して
も、水溶性が発現しないだけでなく、粘着付与剤と水溶
性樹脂との相溶性が小さいため、接着力が向上せず、溶
融状態での接着剤自体の熱安定性も改善されない。
【0030】これに対し、ビニルピロリドン−酢酸ビニ
ル系共重合体と、(a)水溶性又は水分散性の粘着付与
剤、(b)ワックス及び(c)水溶性又は水分散性の可
塑剤から選択された少なくとも1種とを組合わせると、
高い接着力が得られるとともに、溶融状態での接着剤自
体の熱安定性をより向上できる。また、耐湿熱クリープ
性が向上し、高温高湿下での剥離を抑制できる。
【0031】前記(a)水溶性又は水分散性の粘着付与
剤としては、水溶性又は水分散性を示し、且つ粘着性を
付与できるものであれば特に限定されず、例えば、水溶
性又は水分散性を有するロジン又はロジン誘導体(以
下、単に「ロジン類」と称することがある)などが例示
される。このような粘着付与剤は単独又は二種以上組合
せて使用してもよい。なお、ロジン又はロジン誘導体
は、塩を形成することにより水溶性又は水分散性が著し
く向上する。上記ロジン類は、安全性にも優れているの
で、ラップ糊の成分として適している。
【0032】ロジン類には、例えば、ガムロジン、ウッ
ドロジン、トールオイルロジン、不均化ロジン、水添ロ
ジン、重合ロジンなど(以下、これらを単にロジンと総
称する場合がある)、これらのロジンから誘導されるロ
ジン誘導体などが含まれる。ロジン誘導体には、カルボ
キシル基が残存又は導入された化合物、例えば、ロジン
と多価アルコールとのエステル(ロジンエステル)、ロ
ジンと多塩基酸(例えば、無水マレイン酸)との反応生
成物(ロジン−無水マレイン酸付加体で構成されたロジ
ン変性マレイン酸樹脂など)、ロジン−無水マレイン酸
付加体と多価アルコールとのエステル、多価アルコール
の存在下でロジンと無水マレイン酸とを反応させて生成
したエステル(エステル型ロジン変性マレイン酸樹脂)
などが含まれる。
【0033】前記多価アルコールには、例えば、ジオー
ル(エチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレングリコール、ヘキサンジオールなどのアルキ
レングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレン
グリコールなどのポリオキシアルキレングリコールな
ど);グリセリン、ペンタリスリトール、ジペンタエリ
スリトールなどが例示される。これらの多価アルコール
は一種または二種以上使用できる。なお、ロジン類の酸
価の調整には一価アルコールを併用してもよい。
【0034】これらのロジン類のうち、ロジン誘導体、
特にロジン変性無水マレイン酸樹脂、ロジンと無水マレ
イン酸と多価アルコールとの反応生成物であるエステル
型ロジン変性マレイン酸樹脂を用いる場合が多い。
【0035】ロジン類は、親水性、すなわち水溶性又は
水分散性(好ましくは水溶性)であればよく、その酸価
は、例えば、30〜400(mgKOH/g)、好まし
くは40〜370(mgKOH/g)、さらに好ましく
は50〜350(mgKOH/g)程度であり、酸価1
00〜340(mgKOH/g)(例えば、100〜3
30(mgKOH/g))程度のロジン類を用いる場合
が多い。酸価が30(mgKOH/g)未満ではホット
メルト接着剤の水溶性が低下し易く、酸価が400(m
gKOH/g)を越えるとホットメルト接着剤の熱安定
性が低下しやすい。なお、ロジンの酸価は130〜18
3(mgKOH/g)程度であるため、ロジンを単独で
用いてもよい。
【0036】ロジン類の軟化点は、接着性、ビニルピロ
リドン−酢酸ビニル系共重合体との混和性などを損わな
い範囲で選択でき、例えば、80〜200℃、好ましく
は100〜180℃、さらに好ましくは100〜170
℃程度であり、軟化点100〜140℃程度のロジン類
を用いる場合が多い。軟化点が80℃未満では、高速接
着性及び耐熱クリープ性が低下しやすく、200℃を越
えると充分な接着強度が得られない場合が生じる。な
お、ロジンの軟化点は、通常、60〜80℃程度であ
り、重合ロジンの軟化点は90〜100℃程度である。
【0037】耐熱クリープ性を高めるとともに、初期接
着性の指標となるセットタイムを短縮するため、ロジン
類の重量平均分子量は、例えば約500〜10000、
好ましくは700〜5000程度であり、重量平均分子
量1000〜3000程度である場合が多い。分子量が
小さなロジン類を用いると耐熱クリープ性が低下し、セ
ットタイムが長くなる虞があるとともに、分子量が大き
過ぎるとビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体との
相溶性や耐寒接着性が低下する場合がある。
【0038】ロジン類の塩を形成するための塩基には、
種々の有機塩基又は無機塩基が使用できる。有機塩基に
は、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミンなどのジ
アルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン
などのトリアルキルアミン;ジメチルアミノエタノール
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの
アルカノールアミン;モルホリン、ピリジン、ピペリジ
ンなどの複素環式アミンなどが含まれる。無機塩基に
は、例えば、アンモニア;水酸化カリウム、水酸化ナト
リウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウムな
どのアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのア
ルカリ金属炭酸水素塩などが含まれる。ロジン類の塩を
用いると、ホットメルト接着剤の水溶性を高めることが
できる。
【0039】前記水溶性又は水分散性粘着付与剤の使用
量は、ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体の種類
などに応じて選択でき、例えば、前記共重合体100重
量部に対して50〜300重量部、好ましくは60〜2
50重量部、さらに好ましくは80〜220重量部程度
であり、100〜200重量部程度である場合が多い。
前記粘着付与剤の使用量が50重量部未満では高速接着
性及び耐熱クリープ性が低下しやすく、300重量部を
越えると水溶性が低下する場合がある。
【0040】(b)ワックスとしては、天然ワックス、
合成ワックス、配合ワックスのいずれのワックスでもよ
く、単独又は2種以上組合わせて用いることができる。
天然ワックスとしては、キャンデリラワッックス、カル
ナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油な
どの植物系ワックス;蜜ロウ、ラノリン、鯨ロウなどの
動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セ
レシンなどの鉱物系又は石炭系ワックス等が挙げられ
る。合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュ
ワックス、ポリエチレンワックスなどの合成炭化水素;
モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、
マイクロクリスタリンワックス誘導体などの変性ワック
ス;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体などの水素化ワ
ックス;高級脂肪酸又はそのエステル、アミド、無水フ
タル酸イミド、塩素化炭化水素などのその他の合成ワッ
クス類などが例示される。配合ワックスとしては、例え
ば、石油ワックスなどの天然ワックスに、合成ワック
ス、合成樹脂などを配合したワックスなどが挙げられ
る。
【0041】好ましいいワックスには、水溶性又は水分
散性のワックスが含まれる。水溶性又は水分散性のワッ
クスには、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基な
どの親水性基を有する種々のワックス類が含まれる。ビ
ニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体と水溶性又は水
分散性のワックスとを組合わせると、高い水溶性を保持
しつつ、接着力及び熱安定性を著しく向上できる。
【0042】水溶性又は水分散性のワックスとして、例
えば、石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロク
リスタリンワックスなど)、石炭系ワックス(モンタン
ワックスなど)、合成炭化水素ワックス(ポリエチレン
ワックス、フィッシャー・トロプシュワックスなど)な
どの脂肪族炭化水素で構成されたワックスを酸化した酸
化ワックス;硬化ひまし油などの油脂系ワックスをケン
化して得られる高級ヒドロキシ酸などの酸若しくはその
塩及び/又は高級アルコールで構成されたワックス;高
級脂肪酸又は高級アルコールを含む天然ワックス(例え
ば、羊毛ロウ、蜜ロウなど)などが挙げられる。酸の塩
としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金
属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩など
のアルカリ土類金属塩;亜鉛塩などの遷移金属塩などが
挙げられる。
【0043】水溶性又は水分散性のワックスには、分子
内に親水性基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル
基など)を1つのみ有するもののほか、同一又は異なる
親水性基を複数個有するものも含まれる。水溶性又は水
分散性のワックスの炭素数は、通常16〜50、好まし
くは18〜36程度である。なお、前記合成炭化水素ワ
ックスを酸化した酸化ワックスでは、炭素数が50を越
える場合も多い。例えば、ポリエチレンワックスを酸化
した酸化ワックスの炭素数は50〜900程度であり、
粘度平均分子量は800〜12000程度である。ま
た、フィッシャー・トロプシュワックスを酸化した酸化
ワックスの炭素数は33〜120程度である。
【0044】前記水溶性又は水分散性のワックスの中で
も、酸化ワックスなどが好ましい。脂肪族炭化水素で構
成されたワックスを酸化すると、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、カルボニル基などが生成する。そのため、
酸化ワックスは、通常、前記脂肪族炭化水素に対応する
高級脂肪酸又はその塩若しくはエステル、高級アルコー
ル、高級ケトン、及び、場合によっては未反応の脂肪族
炭化水素などを含む混合物である場合が多い。高級脂肪
酸の塩としては、前記例示の塩などが挙げられる。酸化
ワックス中の脂肪酸成分又はその塩とアルコール成分の
総含有量は、例えば、30〜100重量%、好ましくは
50〜100重量%(例えば、60〜95重量%)程度
である。なお、高級アルコールを構成成分として含む酸
化ワックスは、アルコール型ワックスとして知られてい
る。好ましい酸化ワックスには、パラフィンワックスな
どの直鎖状の飽和脂肪族炭化水素で構成されるワックス
を酸化した酸化ワックスなどが含まれる。
【0045】ワックスの融点は、例えば50〜120
℃、好ましくは55〜110℃、さらに好ましくは60
〜105℃程度であり、60〜100℃程度である場合
が多い。ワックスの融点が50℃未満であると、たばこ
煙の有する熱により軟化するおそれがあり、120℃を
越えると耐寒性が低下しやすい。
【0046】ワックスの使用量は、ビニルピロリドン−
酢酸ビニル系共重合体の種類に応じて適宜選択でき、ビ
ニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体100重量部に
対して、例えば10〜120重量部、好ましくは15〜
100重量部、さらに好ましくは20〜80重量部程度
であり、25〜70重量部(例えば30〜65重量部)
程度用いる場合が多い。前記ワックスの使用量が、10
重量部未満では、高速接着性、耐熱クリープ性、熱安定
性の向上にさほど大きな効果を付与できず、120重量
部を越えると、ホットメルト接着剤の水溶性を損なう場
合がある。なお、酸化ワックスなどのワックスは安全性
にも優れている。
【0047】(c)水溶性又は水分散性(親水性)の可
塑剤としては、ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合
体に可塑性を付与できるものであればよく、例えば、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオール、テトラメチレングリコールなどのアルキ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、トリプロピレングリコール、エチレンオキサ
イド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシ
アルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、ペンタリスリトール、
ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アル
コールやそれらの誘導体(例えば、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルなどのセロソルブ類、カルビトール類、前記
多価アルコールとアルキレンオキサイド(エチレンオキ
サイドなど)との付加物など);多価アルコールとホウ
酸とのエステル(例えば、硼酸エチレングリコールエス
テルなど)、エチレン尿素、尿素などが例示される。こ
れらの可塑剤は一種又は二種以上使用できる。
【0048】親水性可塑剤、特に水溶性可塑剤を用いる
と、ホットメルト接着剤の熱溶融性が向上し、接着後の
ホットメルト接着剤の体積収縮による接着不良を抑制で
きるとともに、柔軟性を付与できる利点がある。これら
の可塑剤のうち、水溶性多価アルコール、例えば、2以
上のヒドロキシル基を有する多価アルコール、特にポリ
オキシエチレン単位を有する多価アルコールおよびグリ
セリンが好ましい。このような可塑剤、特にグリセリン
を用いると、ホットメルト接着剤の耐熱性および可撓性
を向上できる。
【0049】前記可塑剤の使用量は、接着性、耐熱性な
どを損わない範囲で選択でき、例えば、ビニルピロリド
ン−酢酸ビニル系共重合体100重量部に対して40〜
300重量部、好ましくは50〜250重量部、さらに
好ましくは70〜220重量部程度であり、80〜20
0重量部(例えば70〜160重量部)程度である場合
が多い。前記可塑剤の使用量が40重量部未満ではホッ
トメルト接着剤の熱溶融性が不十分で接着不良を起こし
やすく、水溶性も低下しやすい。逆に、300重量部を
越えると耐熱クリープ性および接着性が低下しやすい。
【0050】前記(a)水溶性又は水分散性の粘着付与
剤、(b)水溶性又は水分散性のワックス、及び(c)
水溶性又は水分散性の可塑剤は、それぞれ単独で水溶性
ホットメルト接着剤に含有させてもよいが、(a)〜
(c)のうち2種以上を併用するのが好ましい。特に前
記(a)〜(c)の3種を併用すると、接着性及び溶融
状態での接着剤自体の熱安定性が著しく向上する。
【0051】本発明の水溶性ホットメルト接着剤は、安
定性、特に熱安定性をより向上させるため、種々の酸化
防止剤(安定剤)を含んでいてもよい。これらの安定剤
については、成書「プラスチックおよびゴム用添加剤実
用便覧」((株)化学工業社,1970年発行)第14
7頁〜第304頁、第1041頁〜第1054頁を参照
できる。
【0052】前記安定剤としては、熱可塑性樹脂に一般
的に使用される安定剤、例えば、2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリ
デンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレ
ン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレン
グリコール ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−t−ブチルフェノール)ブタンなどのフェノール系酸
化防止剤;4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)などのチオエーテル系酸
化防止剤;フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−
β−ナフチルアミン、N,N′−ジ−2−フェニル−p
−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−シクロ
ヘキシル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル
−N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのアミ
ン系酸化防止剤;ジミリスチルチオジプロピオネート、
ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジ
プロピオネートなどのイオウ系酸化防止剤;トリイソデ
シルホスファイト、トリフェニルホスファイト、2,2
−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オ
クチルホスファイトなどのリン系酸化防止剤;2,5−
ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミル
ヒドロキノンなどのヒドロキノン系酸化防止剤;6−エ
トキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリンなどのキノリン系酸化防止剤;メルカプトヘンゾ
イミダゾールなどの他の酸化防止剤などが含まれる。こ
れらの安定剤は単独で又は二種以上組合せて使用でき
る。二種以上安定剤を組合せて使用すると、ホットメル
ト接着剤の熱安定性を向上できる。好ましい安定剤に
は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオ
エーテル系酸化防止剤が含まれ、これらのうち少なくと
も2種(例えば、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化
防止剤、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤と
チオエーテル系酸化防止剤)を併用するのが好ましい。
フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とチオエー
テル系酸化防止剤の割合は、例えば、フェノール系酸化
防止剤100重量部に対して、リン系酸化防止剤0〜2
000重量部程度(好ましくは10〜1000重量部、
さらに好ましくは30〜300重量部)、チオエーテル
系酸化防止剤0〜1000重量部程度(好ましくは0〜
500重量部、さらに好ましくは30〜300重量部)
である。
【0053】安定剤の使用量は、接着性などに悪影響を
及ぼさない範囲で選択でき、例えば、水溶性ホットメル
ト接着剤100重量部当り、0〜8重量部、好ましくは
0.1〜7重量部、さらに好ましくは0.2〜6重量部
(例えば0.3〜5重量部)程度である。安定剤の添加
量が水溶性ホットメルト接着剤100重量部当り8重量
部を越えると耐熱クリープ性が損なわれ易いとともに、
経済的にもコスト高となり易い。
【0054】さらに、前記水溶性ホットメルト接着剤に
は、接着性、熱安定性などを損なわない範囲で他の成
分、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂などの水不溶性又は水溶性ホットメル
ト接着剤用ポリマー、粘着付与剤(例えば、石油樹脂、
テルペン樹脂、ロジンエステルなどのロジン誘導体)、
紫外線吸収剤などの劣化防止剤、滑剤、水不溶性のワッ
クス、充填剤、着色剤(顔料や染料)、香料などを添加
してもよい。
【0055】水溶性ホットメルト接着剤の溶融粘度は、
被着体の種類に応じて、接着性、接着作業性を損なわな
い範囲で選択でき、例えば、180℃において、100
〜1000センチポイズ、好ましくは150〜800セ
ンチポイズ、さらに好ましくは200〜600センチポ
イズ程度であり、300〜500センチポイズ程度であ
る場合が多い。180℃における溶融粘度が100セン
チポイズ未満であると、接着不良を起こしたり、例え
ば、フィルター巻紙に塗布する際に、フィルター巻紙裏
面への滲み出し量が多くなり、巻上機の汚染、ひいては
たばこフィルターの巻上げ作業性が低下するおそれがあ
る。また、180℃における溶融粘度が1000センチ
ポイズを越えると、例えば、たばこフィルター巻上機等
を操作する上で適正な溶融粘度範囲(例えば600〜1
500センチポイズ)にするための加熱温度の範囲が狭
くなり、高温で操作する必要性が生じる。そのため、高
い熱安定性が得られない場合がある。180℃における
溶融粘度を前記範囲内に設定すると、例えば150℃以
下の比較的低い温度で、ホットメルト接着剤の溶融粘度
を、前記たばこフィルター巻上機を操作する上で適正な
溶融粘度範囲に調整することができる。
【0056】前記水溶性ホットメルト接着剤は、慣用の
方法により調製できる。例えば、前記ビニルピロリドン
−酢酸ビニル系共重合体を、必要に応じて、(a)水溶
性又は水分散性の粘着付与剤、(b)水溶性又は水分散
性のワックス、(c)水溶性又は水分散性の可塑剤、安
定剤(酸化防止剤)や添加剤とともに、加熱溶融し均一
に混合した後、冷却することによりホットメルト接着剤
を得ることができる。前記成分からなる接着剤組成物の
加熱溶融温度は、各成分の種類および組成割合などに応
じて選択でき、例えば、溶融温度〜200℃、好ましく
は100〜180℃、さらに好ましくは130〜170
℃程度の範囲から選択でき、130〜180℃程度で接
着剤組成物を加熱溶融する場合が多い。加熱溶融温度が
200℃を越えるとビニルピロリドン−酢酸ビニル系共
重合体の酢酸ビニルに対応する構成部位において分解が
開始するおそれがある。なお、冷却温度は前記接着剤組
成物の溶融温度以下であればよく、通常、作業性の点か
ら室温又はそれ以下である場合が多い。
【0057】ホットメルト接着剤の形態は特に制限され
ず、種々の形状、例えば、粉粒状、ペレット状、フィル
ム状、テープ状、紐状、棒状などであってもよい。
【0058】ホットメルト接着剤は、慣用の方法、例え
ば、前記形態のホットメルト接着剤を加熱溶融し、ノズ
ル又はローラー型コーターなど適用手段を備えたホット
メルト接着機を用いて、被着体に塗工し、冷却すること
により被着体を接着できる。また、粉粒状、フィルム
状、テープ状、紐状などのホットメルト接着剤を被着体
間に介装し、ヒートプレスにより接着させることもでき
る。
【0059】本発明の水溶性ホットメルト接着剤は、ビ
ニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体という特定の樹
脂を含むため、初期接着性、耐熱クリープ性に優れ、し
かも溶融状態における熱安定性が著しく高い。例えば、
本発明の水溶性ホットメルト接着剤を、180℃程度の
高温下、長時間溶融状態においても、ほとんど変色せ
ず、相分離、炭化、「皮張り」現象が極めて生じにく
い。そのため、接着面や被着体の美観を損ねることがな
く、ホットメルト接着機を用いても、配管を閉塞するこ
となく、長期に亘り安定かつ連続的に運転でき、接着作
業性を大幅に改善できる。また、セットタイムが短いの
で、高速接着性に優れ、被着体を短時間で接着できる。
さらに、耐熱クリープ性に優れるので、重量物や重量物
を収容する容器を接着しても、高い接着強度を維持でき
る。したがって、本発明の水溶性ホットメルト接着剤
は、種々の被着体、例えば、紙類、繊維製品、プラスチ
ック類、金属、陶磁器を含むセラミックス、コンクリー
ト、セメント製品、ガラス、木材などを接着する上で有
用であり、特に、高速接着用の接着剤、接着工程(作
業)を長時間連続して行う場合の接着剤として好適であ
る。
【0060】また、本発明の水溶性ホットメルト接着剤
は、水溶性に優れているため、故紙として回収、再生が
望まれている紙の接着(製袋、製本、段ボール箱の貼合
など)や、自然環境下での水による剥離性が要求される
被着体(たばこフィルター巻紙、たばこ巻紙など)の接
着に極めて有用である。すなわち、水溶性が高いので、
故紙に付着している接着剤を水により容易に溶解もしく
は分散させることができ、故紙を効率よく回収、再生で
きる。また、フィルター巻紙等に付着している接着剤
が、自然環境下において雨水などの水の作用により容易
に溶解又は分散し、フィルター巻紙等が容易にフィルタ
ー等から脱離するので、フィルター素材等の有する自然
環境下での崩壊性を有効に発揮させることができ、環境
汚染を軽減できる。
【0061】本発明のたばこフィルターにおいて、フィ
ルター素材としては、特に限定されず、たばこのフィル
ター素材として通常用いられ、自然環境下で崩壊性を有
する素材、例えば、水分散性、光分解性又は生分解性を
有する素材が使用できる。
【0062】フィルター素材を構成する材料として、例
えば、セルロースエステル繊維(セルロースアセテー
ト、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート
などの繊維);天然セルロース繊維(木材パルプ、種子
毛繊維、ジン皮繊維、葉繊維など)や再生セルロース繊
維(ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなど)
などのセルロース繊維;ポリプロピレン繊維などの合成
繊維などが含まれる。これらは1種で又は2種以上混合
して使用できる。フィルター素材を構成する好ましい材
料には、セルロースアセテート繊維などのセルロースエ
ステル繊維、木材パルプなどの天然セルロース繊維、ポ
リプロピレン繊維などの合成繊維、セルロースエステル
繊維と天然セルロース繊維との混合繊維(例えば、セル
ロースアセテート繊維と木材パルプとの混合繊維)など
が含まれる。
【0063】フィルター素材の形状は特に限定されない
が、繊維、繊維束(例えば、セルロースエステル繊維
束、再生セルロース繊維束、ポリプロピレン繊維束な
ど)又はシート状(例えば、木材パルプ、又は木材パル
プとセルロースエステル繊維などの他の繊維を抄造した
抄紙構造を有するシート)等の形状で使用される場合が
多い。シート状の素材は、フィルタープラグを通じて、
チャンネリングを抑制しつつ煙を円滑且つ均一に通過さ
せるため、クレープ加工又はエンボス加工されているの
が好ましい。
【0064】自然環境中での崩壊性に優れる好ましいフ
ィルター素材には、可塑剤により接着していないセルロ
ースエステル繊維束;水溶性高分子や生分解性高分子な
どを用いて接着したセルロースエステル繊維束;置換度
の小さいセルロースエステル繊維束;光分解促進剤や生
分解促進剤などを含有したセルロースエステル繊維束;
木材パルプ又は木材パルプとセルロースエステル繊維な
どの他の繊維を抄造し、必要に応じてクレープ加工又は
エンボス加工したシート状素材等が含まれる。本発明の
たばこフィルターは、気相成分の選択的除去により、た
ばこ喫味を向上させるための添加剤、例えば、活性炭、
ゼオライトなどの吸着剤等を含んでいてもよい。吸着剤
は繊維状であってもよいが、粉粒状で使用される場合が
多い。また、吸着剤は造粒活性炭などのように、バイン
ダーを用いて造粒した造粒物であってもよい。
【0065】粉粒状吸着剤の平均粒子径は、喫味、フィ
ルター構成材料の一体性などを損なわない広い範囲から
選択でき、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは
5〜500μm、さらに好ましくは10〜300μm程
度である。また、粉粒状吸着剤の平均粒径は、例えば1
6〜200メッシュ、好ましくは20〜150メッシ
ュ、さらに好ましくは28〜60メッシュ程度である場
合が多い。
【0066】吸着剤の比表面積は、フェノール類などの
有害成分の除去効率を損わない範囲で選択でき、例え
ば、200〜4000m2 /g、好ましくは300〜3
000m2 /g、さらに好ましくは500〜2500m
2 /g程度であり、1000〜2000m2 /g程度で
ある場合が多い。
【0067】フィルター素材に対する吸着剤の添加量
は、有害成分の除去効率及び喫味の点を考慮して適当に
選択でき、例えば、フィルター素材100重量部に対し
て1〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、
さらに好ましくは25〜120重量部(例えば、30〜
100重量部)程度であり、50〜100重量部程度で
ある場合が多い。
【0068】前記吸着剤には、有害成分に対する選択除
去性を高めるため、必要に応じて、非揮発性薬剤、例え
ば、有機酸または無機酸などの酸成分、有機塩基または
無機塩基等の塩基成分が担持されていてもよい。
【0069】吸着剤は、フィルター素材内で全体に亘り
均一に分布していてもよく、不均一または部分的に存在
していてもよい。吸着剤が前記フィルター素材内で部分
的に分布する場合、例えば、フィルター材料の軸方向に
沿って中心部または外周部に存在していてもよく、リン
グ状または螺旋状などの適当な形状に分布または存在し
ていてもよい。
【0070】吸着剤は慣用の添加装置によりたばこフィ
ルター内に含有させることができる。例えば、粉末状の
吸着剤の添加には、たばこ活性炭添加フィルターの製造
装置に装着されている活性炭粉末添加装置などを利用で
きる。
【0071】フィルター素材を巻回する巻紙(フィルタ
ー巻紙)としては、たばこフィルター用の巻紙として慣
用の紙(例えば、普通紙など)を使用できる。
【0072】本発明のたばこフィルターの主たる特徴
は、巻紙に適用する接着剤(ラップ糊)として前記水溶
性ホットメルト接着剤が用いられている点にある。この
接着剤は、少なくとも巻紙に適用されていればよく、巻
紙同士の接着のほか、巻紙とフィルター素材との接着に
用いられていてもよい。巻紙とフィルター素材とが前記
水溶性ホットメルト接着剤により接着されていても、自
然環境下において、雨水などの作用により、両者は容易
に剥離するため、フィルター素材の持つ自然環境下での
崩壊性を有効に発揮させることができる。
【0073】本発明のたばこフィルターは、フィルター
素材を巻紙により巻回し、少なくとも巻紙に前記接着剤
を適用してロッド状に成形することにより製造できる。
より具体的には、例えば、前記水溶性ホットメルト接着
剤を、たばこフィルター巻上機のホットメルトアプリケ
ータータンク等の容器中で加熱溶融し、ホットメルトガ
ンノズルなどの適用手段によりフィルター巻紙の端部等
に塗布する。そして、フィルター巻紙でシート状のフィ
ルター素材をロッド状(棒状)に巻上げ、フィルター巻
紙の両端部等を接着し、クーラー等により冷却すること
により、フィルター巻紙のラップを行うことができる。
前記フィルター素材の巻上速度は、通常、200〜12
00m/分(例えば、200〜800m/分程度)、好
ましくは300〜600m/分程度である。前記水溶性
ホットメルト接着剤はセットタイムが短く、初期接着性
に優れるため、このような高速接着に好適である。な
お、ロッド状のフィルター素材を巻紙で巻回し、前記接
着剤を適用することによりロッド状のたばこフィルター
を得ることもできる。
【0074】本発明のたばこフィルターは、たばこに取
付けられた状態において、フィルターの一部を構成して
いてもよくフィルターの全体を構成していてもよい。す
なわち、本発明のたばこフィルターは、単独で用いられ
もよく、他の1又は2以上のフィルターと組合わせて用
いられていてもよい。
【0075】本発明のたばこフィルターでは、フィルタ
ー巻紙を糊付けする接着剤として前記特定の水溶性ホッ
トメルト接着剤を用いる。この接着剤は、溶融性に優れ
るとともに、溶融状態における熱安定性が著しく高い。
そのため、フィルター巻紙の接着操作、ひいてはたばこ
フィルターの生産を長時間連続して安定に行うことがで
きる。また、前記水溶性ホットメルト接着剤は水溶性に
優れるため、喫煙後に、誤って自然環境中に廃棄された
としても、前記接着剤により接着されたフィルター巻紙
は、雨水などの水の作用により容易に剥離し、たばこフ
ィルターから脱離、除去される。そのため、フィルター
素材が有する自然環境下での崩壊性、分散性を有効に発
揮させることができる。さらに、前記ホットメルト接着
剤は安全性に優れるので、安全衛生の点からも好まし
い。
【0076】
【発明の効果】本発明の水溶性ホットメルト接着剤は、
ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体という特定の
樹脂を含むので、溶融状態での安定性、特に熱安定性が
高い上、セットタイムが短いので、高速接着性に優れ、
被着体を短時間で接着できる。また、耐熱クリープ性に
優れているので、重量物や重量物を収容する容器を接着
しても、高い接着強度を維持できる。
【0077】本発明のたばこフィルターは、フィルター
巻紙の糊付けに、前記特定の水溶性ホットメルト接着剤
が用いられているので、雨水などの水の作用により、フ
ィルター巻紙がフィルター素材から迅速に脱離、除去さ
れる。そのため、フィルター素材が本来有する自然環境
中での崩壊性を有効に発揮させることができ、環境汚染
を軽減できる。また、本発明のたばこフィルターは、接
着剤の溶融状態での安定性、特に熱安定性が高いので、
長時間安定に連続生産が可能である。
【0078】本発明のたばこフィルターの製造方法によ
れば、前記特定の水溶性ホットメルト接着剤を用いるの
で、上記のように優れたたばこフィルターを連続的に効
率よく、長期間安定して製造できる。
【0079】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、実施例及び比較例において、部
及び%は各々重量部及び重量%を示す。また、ビニルピ
ロリドンを「PVP」、酢酸ビニルを「VA」、ビニル
ピロリドン−酢酸ビニル共重合体を「PVP−VA共重
合体」と略称することがある。
【0080】なお、ホットメルト接着剤の溶融粘度、熱
溶融性、熱安定性、水溶性、セットタイム、接着強度、
耐熱クリープ性、及びフィルター巻紙剥離性、フィルタ
ー崩壊性、たばこの喫味については下記の方法により測
定、評価を行った。
【0081】(1)ホットメルト接着剤の溶融粘度:1
80℃及び150℃における溶融粘度をB型回転粘度計
で測定した。
【0082】(2)ホットメルト接着剤の熱溶融性:1
80℃に加熱したステンレス板上に試料を乗せ、30分
後の溶融状態を観察し、下記の基準で評価した。
【0083】 ○:完全に溶融状態にある △:一部溶融状態にあるか、又は2相に相分離する ×:溶融していない (3)ホットメルト接着剤の熱安定性:180℃に加熱
したステンレス板上に試料を乗せ、8時間経過後の試料
の色調の変化、炭化物の発生や皮張りの有無を観察し、
下記の基準で評価した。
【0084】○:わずかに着色しているものの、皮張
り、炭化物は認められない △:濃く着色しているものの、皮張り、炭化物は認めら
れない ×:炭化物の発生、又は皮張りが認められる (4)ホットメルト接着剤の水溶性:30℃の蒸溜水1
00gに試料1gを入れ、緩やかに撹拌しながら、1時
間毎に溶解状態を観察し、下記の基準で評価した。
【0085】 ○:4時間以内で完全に溶解する △:8時間以内で完全に溶解する ×:8時間経過後も溶解していない (5)ホットメルト接着剤のセットタイム:塗工温度1
80℃、塗工量3g/mの条件で、ホットメルト接着剤
を25mm幅のKライナー紙に塗布し、オープンタイム
2秒で貼り合わせ、2kg/25mm×25mmの荷重
で圧締し、試験片を作製した。
【0086】圧締時間を変えて剥離したとき、5個の試
験片のうち4個以上の試験片が材料破壊するまでの時間
をセットタイムとした。なお、セットタイムが5秒以内
であれば、高速接着適性がある。
【0087】(6)ホットメルト接着剤の接着強度:塗
工温度180℃、塗工量3g/mの条件で、ホットメル
ト接着剤を25mm幅のKライナー紙に塗工し、オープ
ンタイム2秒で貼り合わせ、2kg/25mm×25m
mの荷重で10秒間圧締し、試験片を作製した。試験片
を20℃、65%RHで24時間養生した後、180°
剥離により接着部の剥離状態を観察し、下記の基準で評
価した。なお、材料破壊が生じれば、実用上問題のない
接着強度と言える。
【0088】 ○:紙破した △:一部紙破した ×:界面で剥離した (7)ホットメルト接着剤の耐熱クリープ性:塗工温度
180℃、塗工量3g/mの条件で、ホットメルト接着
剤を25mm幅のKライナー紙に塗工し、オープンタイ
ム2秒で貼り合わせ、2kg/25mm×25mmの荷
重で10秒間圧締し、試験片を作製した。試験片を、2
0℃、65%RHで24時間養生した後、40℃の恒温
槽内で10分間放置した後、180°剥離するため上端
を固定し、下端に100gの荷重を作用させ、昇温速度
1℃/分で昇温した。そして、接着部分が破壊した温度
を耐熱クリープ性として評価した。耐熱クリープ性が5
0℃以上であれば、実用的には問題が生じない。
【0089】 ○:50℃以上 △:40℃以上50℃未満 ×:40℃未満 (8)フィルター巻紙剥離性 長さ25mmに切断したたばこフィルターサンプルを、
75mlの水を入れた100mlビーカー中に投入し、
ストローク幅2.5cmの振とう機で150回/分の一
定速度で振とうし、フィルター巻紙のフィルター素材か
ら剥離状態を30分毎に観察し、下記の基準で評価し
た。
【0090】○:30分以内にフィルター巻紙がフィル
ター素材から剥離した △:30分経過後60分以内にフィルター巻紙がフィル
ター素材から剥離した ×:60分経過後もフィルター巻紙がフィルター素材か
ら剥離しなかった (9)フィルター崩壊性:長さ10mmに切断したたば
こフィルターサンプルをダイセル化学工業(株)フィル
ター研究所(大阪府堺市)敷地内の土地表面に放置し、
6か月経過後の形状変化を観察し、下記の基準で評価し
た。
【0091】A:フィルター巻紙が剥離し、フィルター
素材がほぼ完全に崩壊している B:フィルター巻紙が剥離し、フィルター素材が原形を
とどめない程度に崩壊している C:フィルター巻紙は剥離しているものの、フィルター
素材は半分以上原形をとどめている D:フィルター巻紙は剥離しているが、フィルター素材
はほぼ原形をとどめている E:フィルター巻紙は半分程度剥離しているが、フィル
ター素材はほぼ原形をとどめている F:フィルター巻紙が剥離しておらず、フィルター素材
がほぼ原形をとどめている。
【0092】(10)喫味 長さ25mmに切断したたばこフィルターサンプルを市
販のたばこ(日本たばこ産業(株)製ハイライト)の葉
たばこ部分に接続したものについて、10人のパネラー
により、喫味を下記の基準で評価した。
【0093】 ○:全員が、市販のたばこと同程度であると認めた ×:少なくとも1人が、市販のたばこより劣ると認めた なお、上記のたばこフィルターに関する評価(8)〜
(10)については、23℃、65%RHの雰囲気中で
24時間以上放置し、調湿した後のサンプルを用いて行
った。
【0094】実施例1 PVP/VAのモル比が60/40であり、粘度平均分
子量が135000のPVP−VA共重合体25部、酸
価330のロジン誘導体(荒川化学(株)製;KE−6
04)35部、グリセリン30部、融点63℃の酸化ワ
ックス(アルコール型ワックス)(日本精ろう(株)
製;NPS−9125)10部、フェノール系安定剤
(旭電化工業(株)製;AO−70)0.3部、リン系
安定剤(旭電化工業(株)製;PEP−36)0.3部
およびチオエーテル系安定剤(旭電化工業(株)製;A
O−412S)0.3部を、160℃で加熱し、溶融混
合した後、25℃まで冷却することによりホットメルト
接着剤を得た。
【0095】実施例2 PVP/VAのモル比が20/80であり、粘度平均分
子量が8000のPVP−VA共重合体25部、酸価1
40のロジン誘導体(荒川化学(株)製;マルキードN
o.32)35部、融点75℃の酸化ワックス(アルコ
ール型ワックス)(日本精ろう(株)製;NPS−92
10)10部、グリセリン30部、フェノール系安定剤
(旭電化工業(株)製;AO−70)3.6部およびリ
ン系安定剤(旭電化工業(株)製;PEP−36)0.
4部を用い、実施例1と同様にしてホットメルト接着剤
を得た。
【0096】実施例3 PVP/VAのモル比が70/30であり、粘度平均分
子量が38000のPVP−VA共重合体20部、酸価
330のロジン誘導体(荒川化学(株)製;マルキード
No.33)26部、融点100℃の酸化ワックス(ア
ルコール型ワックス)(日本精ろう(株)製;OX−0
20T)14部、グリセリン40部、フェノール系安定
剤(旭電化工業(株)製;AO−70)0.1部、リン
系安定剤(旭電化工業(株);PEP−36)0.1部
およびチオエーテル系安定剤(旭電化工業(株);AO
−412S)0.1部を用い、実施例1と同様にしてホ
ットメルト接着剤を得た。
【0097】実施例4 PVP/VAのモル比が60/40であり、粘度平均分
子量が55000のPVP−VA共重合体30部、酸価
330のロジン誘導体(荒川化学(株)製;KE−60
4)30部、グリセリン25部、融点63℃の酸化ワッ
クス(アルコール型ワックス)(日本精ろう(株)製;
NPS−9125)15部、フェノール系安定剤(旭電
化工業(株);AO−70)1.6部、リン系安定剤
(旭電化工業(株);PEP−36)1.6部およびチ
オエーテル系安定剤(旭電化工業(株);AO−412
S)1.6部を用い、実施例1と同様にしてホットメル
ト接着剤を得た。
【0098】実施例5 PVP/VAのモル比が60/40であり、粘度平均分
子量が77000のPVP−VA共重合体20部、酸価
140のロジン誘導体(荒川化学(株)製;マルキード
No.32)40部、グリセリン35部、融点63℃の
酸化ワックス(アルコール型ワックス)(日本精ろう
(株)製;NPS−9125)5部、フェノール系安定
剤(旭電化工業(株)製;AO−70)3.6部および
リン系安定剤(旭電化工業(株)製;PEP−36)
0.4部を用い、実施例1と同様にしてホットメルト接
着剤を得た。得られたホットメルト接着剤の溶融粘度
は、180℃で500センチポイズ、150℃で990
センチポイズであった。
【0099】実施例6 PVP/VAのモル比が60/40であり、粘度平均分
子量が135000のPVP−VA共重合体25部、酸
価330のロジン誘導体(荒川化学(株)製;KE−6
04)35部、グリセリン35部、融点63℃の酸化ワ
ックス(アルコール型ワックス)(日本精ろう(株)
製;NPS−9125)10部、フェノール系安定剤
(旭電化工業(株)製;AO−70)0.3部、リン系
安定剤(旭電化工業(株)製;PEP−36)0.3部
およびチオエーテル系安定剤(旭電化工業(株)製;A
O−412S)0.3部を用い、実施例1と同様にして
ホットメルト接着剤を得た。得られたホットメルト接着
剤の溶融粘度は、180℃で330センチポイズ、15
0℃で630センチポイズであった。
【0100】実施例7 PVP/VAのモル比が70/30であり、粘度平均分
子量が8000のPVP−VA共重合体25部、酸価1
40のロジン誘導体(荒川化学(株)製;マルキードN
o.32)35部、グリセリン30部、融点75℃の酸
化ワックス(アルコール型ワックス)(日本精ろう
(株)製;NPS−9120)10部、フェノール系安
定剤(旭電化工業(株)製;AO−70)3.6部およ
びリン系安定剤(旭電化工業(株)製;PEP−36)
0.4部を用い、実施例1と同様にしてホットメルト接
着剤を得た。得られたホットメルト接着剤の溶融粘度
は、180℃で350センチポイズ、150℃で700
センチポイズであった。
【0101】比較例1 粘度平均分子量が630000のポリビニルピロリドン
25部、酸価20のエステルガム(荒川化学(株)製;
スーパーエステルA−125)35部、グリセリン30
部および融点63℃の酸化ワックス(アルコール型ワッ
クス)(日本精ろう(株)製;NPS−9125)10
部を用い、実施例1と同様にしてホットメルト接着剤を
得た。
【0102】比較例2 鹸化度45モル%、重合度480のポリビニルアルコー
ル29部、JIS K6730で規格化されたMFR
(メルトフローレート)が2500であり、酢酸ビニル
含量28重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体5部、
酸価0の水素添加石油樹脂(荒川化学(株)製;アルコ
ンM−135)45部、グリセリン20部、融点75℃
のパラフィンワックス(日本精ろう(株)製;HNP−
9)1部、フェノール系安定剤(旭電化工業(株)製:
AO−70)0.3部、リン系安定剤(旭電化工業
(株)製;PEP−36)0.3部およびチオエーテル
系安定剤(旭電化工業(株)製;AO−412S)0.
3部を用い、実施例1と同様にしてホットメルト接着剤
を得た。得られたホットメルト接着剤の溶融粘度は、1
80℃で850センチポイズ、150℃で7400セン
チポイズであった。
【0103】上記実施例1〜7および比較例1〜2で得
られたホットメルト接着剤の熱溶融性、熱安定性、水溶
性、セットタイム、接着強度および耐熱クリープ性の評
価結果を表1に示す。なお、比較例1のホットメルト接
着剤は、熱溶融性が悪く、均一な溶融混合物が得られな
かったため、他の評価試験を行わなかった。
【0104】
【表1】 実施例8 セルロースアセテート短繊維(繊度:3.3デニール、
断面形状:Y字状、繊維長4mm、置換度:2.45)
60部と叩解度45°SRの針葉樹漂白クラフトパルプ
40部とを、300000部の水に均一に分散し、円網
式抄紙機を用いて湿式抄造し、脱水、乾燥した後、25
0mm幅にスリットして、坪量33g/m2 、密度0.
37g/cm3 、厚さ0.09mmのフィルター素材用
シートを得た。
【0105】たばこ用紙製フィルター製造用巻上機(デ
コフレ製CU−20/ハウニ製KDF2)を用いて、上
記フィルター素材用シートに、クレープローラー温度1
30℃で、クレープ深さ0.50mmのクレープ加工を
施した。このクレープ加工を施したフィルター素材用シ
ートを、フィルター巻紙用普通紙(三島製紙(株)製:
26.5プラグ普通紙)を巻紙とし、150℃で加熱溶
融した実施例5のホットメルト接着剤をラップ糊とし
て、巻紙速度400m/分で巻き上げた。得られたフィ
ルターロッドをカッターで長さ100mmに切断し、た
ばこフィルターを得た。
【0106】実施例9 ラップ糊として実施例6のホットメルト接着剤を用いた
以外は、実施例1と同様の操作を行い、たばこフィルタ
ーを得た。
【0107】実施例10 ラップ糊として実施例7のホットメルト接着剤を用いた
以外は、実施例1と同様の操作を行い、たばこフィルタ
ーを得た。
【0108】実施例11 セルロースアセテート繊維のトウ(フィラメント繊度:
4.0デニール、トータル繊度:35000デニール、
断面形状:Y字状、置換度:2.45)を幅約20cm
に開繊した。開繊したトウの表面に、たばこ用活性炭添
加フィルター製造用巻上機(ハウニ製KDF2/AC1
/AF1)の活性炭粉末添加装置を用い、水溶性高分子
接着剤として、トウに対して15重量%のポリアルキレ
ンオキサイド系樹脂(第一工業製薬(株)製;パオゲン
PP−15;融点55℃)の粉末(平均粒子径80μ
m)を散布した。水溶性高分子接着剤を散布したトウを
紙巻装置に供給し、実施例1と同様のフィルター巻紙及
びラップ糊を用いて、巻紙速度400m/分で巻上げ
た。得られたフィルターロッドをカッターで長さ100
mmに切断した後、70℃に設定したオーブン中に10
分間入れて、フィルターロッド内の水溶性高分子接着剤
を加熱溶融させ、次いで冷却固化することにより、トウ
が接着されたたばこフィルターを得た。
【0109】実施例12 水溶性高分子接着剤に代えて、生分解性高分子接着剤と
してポリカプロラクトン系樹脂(ダイセル化学工業
(株)製;PCL−H7;融点60℃)の粉末(平均粒
子径200μm)を用いる以外は、実施例11と同様の
操作を行い、たばこフィルターを得た。
【0110】実施例13 水溶性高分子接着剤を添加しないこと以外は実施例11
と同様の操作を行い、たばこフィルターを得た。
【0111】実施例14 置換度2.14のセルロースアセテート繊維のトウを用
いること以外は実施例13と同様の操作を行い、たばこ
フィルターを得た。
【0112】実施例15 光分解促進剤として、光触媒活性を有する微粒子アナタ
ーゼ型酸化チタン(テイカ(株)製;平均粒子径0.0
3μm)を0.5重量%含有するセルロースアセテート
繊維のトウを用いること以外は実施例13と同様の操作
を行い、たばこフィルターを得た。
【0113】比較例3 非水溶性のラップ糊(大同化成工業(株)製;ダイカラ
ックS−1101S;溶融粘度740センチポイズ(1
80℃))を用いる以外は、実施例13と同様の操作を
行い、たばこフィルターを得た。
【0114】比較例4 水溶性高分子接着剤に代えて、セルロースアセテートの
可塑剤であるトリアセチン(ダイセル化学工業(株)
製)を、たばこ用フィルター製造用巻上機(ハウニ製、
KDF2/AF1)の可塑剤添加装置を用いて、トウに
対して15%添加すること、およびラップ糊として、非
水溶性のラップ糊(大同化成工業(株)製;ダイカラッ
クS−1101S;溶融粘度740センチポイズ(18
0℃))を用いること以外は、実施例11と同様の操作
を行い、たばこフィルターを得た。
【0115】比較例5 ラップ糊として、比較例2のホットメルト接着剤を用い
ること以外は、実施例13と同様の操作を行い、たばこ
フィルターを得た。なお、ラップ糊の溶融温度を150
℃とすると、溶融粘度が7400センチポイズと著しく
高くなり、巻上機操作上、適正な溶融粘度範囲に入らな
かった。そこで、適正な溶融粘度となるように、ラップ
糊の溶融温度を180℃として、巻上機を運転し、たば
こフィルターを製造した。
【0116】しかし、巻上機運転中、巻上機のホットメ
ルトアプリケータータンク内で、ホットメルト接着剤が
2相に相分離したため、長時間の安定運転は困難であっ
た。
【0117】上記実施例8〜15および比較例3〜5で
得られたたばこフィルターについて、フィルター巻紙剥
離性、フィルター崩壊性および喫味の評価結果を表2に
示す。
【0118】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A24D 3/16 A24D 3/16 C09J 131/04 JCZ C09J 131/04 JCZ

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合
    体を含む水溶性ホットメルト接着剤。
  2. 【請求項2】 ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合
    体におけるビニルピロリドンと酢酸ビニルの割合が、前
    者/後者=85/15〜10/90(モル比)である請
    求項1記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  3. 【請求項3】 ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合
    体の粘度平均分子量が3000〜300000である請
    求項1記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  4. 【請求項4】 さらに、(a)水溶性又は水分散性の粘
    着付与剤、(b)ワックス及び(c)水溶性又は水分散
    性の可塑剤から選択された少なくとも1種を含む請求項
    1記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  5. 【請求項5】 (a)水溶性又は水分散性の粘着付与剤
    を、ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体100重
    量部に対して50〜300重量部含む請求項4記載の水
    溶性ホットメルト接着剤。
  6. 【請求項6】 (a)水溶性又は水分散性の粘着付与剤
    がロジン誘導体である請求項4記載の水溶性ホットメル
    ト接着剤。
  7. 【請求項7】 ロジン誘導体の酸価が30〜400(m
    gKOH/g)である請求項6記載の水溶性ホットメル
    ト接着剤。
  8. 【請求項8】 (b)ワックスを、ビニルピロリドン−
    酢酸ビニル系共重合体100重量部に対して10〜12
    0重量部含む請求項4記載の水溶性ホットメルト接着
    剤。
  9. 【請求項9】 (b)ワックスが水溶性又は水分散性の
    ワックスである請求項4記載の水溶性ホットメルト接着
    剤。
  10. 【請求項10】 (b)ワックスの融点が50〜120
    ℃である請求項9記載の水溶性ホットメルト接着剤。
  11. 【請求項11】 (c)水溶性又は水分散性の可塑剤
    を、ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重合体100重
    量部に対して40〜300重量部含む請求項4記載の水
    溶性ホットメルト接着剤。
  12. 【請求項12】 ビニルピロリドン−酢酸ビニル系共重
    合体100重量部に対して、水溶性又は水分散性の粘着
    付与剤を60〜250重量部、水溶性又は水分散性のワ
    ックスを15〜100重量部、及び水溶性又は水分散性
    の可塑剤を50〜250重量部含む請求項4記載の水溶
    性ホットメルト接着剤。
  13. 【請求項13】 粘度平均分子量5000〜20000
    0、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの割合が、前者/後
    者=80/20〜15/85(モル比)であるビニルピ
    ロリドン−酢酸ビニル系共重合体100重量部に対し
    て、酸価40〜370、軟化点80〜180℃の水溶性
    又は水分散性のロジン誘導体を80〜220重量部、融
    点55〜110℃の酸化ワックスを20〜80重量部、
    及び水溶性又は水分散性の可塑剤を70〜220重量部
    含むとともに、酸化防止剤を含む請求項12記載の水溶
    性ホットメルト接着剤。
  14. 【請求項14】 180℃における溶融粘度が100〜
    1000センチポイズである請求項1記載の水溶性ホッ
    トメルト接着剤。
  15. 【請求項15】 フィルター素材と、このフィルター素
    材を巻回し、ロッド状に成形するための巻紙とを備え、
    少なくとも前記巻紙に接着剤が適用されているたばこフ
    ィルターであって、前記接着剤が請求項1記載の水溶性
    ホットメルト接着剤であるたばこフィルター。
  16. 【請求項16】 フィルター素材が、セルロースエステ
    ル繊維、木材パルプ、再生セルロース繊維及びポリプロ
    ピレン繊維からなる群から選択された少なくとも1種で
    構成されている請求項15記載のたばこフィルター。
  17. 【請求項17】 フィルター素材が、水分散性、光分解
    性又は生分解性を有する請求項15記載のたばこフィル
    ター。
  18. 【請求項18】 フィルター素材100重量部に対し
    て、吸着剤を1〜200重量部含む請求項15記載のた
    ばこフィルター。
  19. 【請求項19】 吸着剤が活性炭又はゼオライトである
    請求項18記載のたばこフィルター。
  20. 【請求項20】 フィルター素材を巻紙により巻回し、
    少なくとも巻紙に接着剤を適用してロッド状に成形する
    たばこフィルターの製造方法であって、前記接着剤とし
    て請求項1記載の水溶性ホットメルト接着剤を用いるた
    ばこフィルターの製造方法。
  21. 【請求項21】 シート状のフィルター素材を巻紙によ
    りロッド状に巻上げて成形する請求項20記載のたばこ
    フィルターの製造方法。
  22. 【請求項22】 巻上速度が200〜1200m/分で
    ある請求項21記載のたばこフィルターの製造方法。
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