JPH0931646A - 大面積マグネトロンスパッタ装置 - Google Patents

大面積マグネトロンスパッタ装置

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JPH0931646A
JPH0931646A JP7187275A JP18727595A JPH0931646A JP H0931646 A JPH0931646 A JP H0931646A JP 7187275 A JP7187275 A JP 7187275A JP 18727595 A JP18727595 A JP 18727595A JP H0931646 A JPH0931646 A JP H0931646A
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知之 清野
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光浩 亀井
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諭 梅原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚肉にしなくとも、バッキングプレートの強
度を充分維持すること。 【構成】 バッキングプレート15上を移動する各磁石
11,11が、上述の如く、その移動方向と直交する方
向に沿って二分割に形成され、バッキングプレート15
に二分割形成された各磁石11,11の間に配置される
補強リブ15aが突設されているので、補強リブ15a
により、バッキングプレート15の剛性を高めることが
できるので、バッキングプレート15自体の厚みを薄く
形成することができ、そのため、バッキングプレート1
5を薄型化かつ軽量化してもその剛性を保つことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネトロンスパッタ
法により大面積の基板に薄膜を成膜する大面積マグネト
ロンスパッタ装置に係り、特に、ターゲットを冷却する
バッキングプレートの構造改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガラス基板にマグネトロンスパ
ッタ法により成膜されるもの、例えば、液晶ディスプレ
イにあっては、コンピュータやテレビジョン等の画面表
示用に使用されている。液晶ディスプレイの基本構造
は、ガラス基板に液晶を挟み込んだものである。そのガ
ラス基板には、成膜,エッチング,フォトリソグラフィ
などの微細加工技術を用いることにより、電極やトラン
ジスタが形成される。そして、成膜に際しては、通常ス
パッタリング装置やCVD(化学気相成長)装置が用い
られている。
【0003】ところで、スパッタリング装置において
は、膜特性や低発塵,稼働率の面から有利な枚葉式スパ
ッタリング装置が多く使用されてきている傾向にある。
この枚葉式スパッタ装置は、処理室に搬送されたガラス
基板を固定(静止)させ、その状態でガラス基板の表面
に処理するので、ターゲットとしてはガラス基板によ一
回り大きいサイズのものを用いることが必要となる。
【0004】また、膜厚分布を均一にするため、放電中
に磁石を移動させることも行われている。磁石を移動さ
せる従来技術のものとしては、例えば特開昭60−11
4568号公報(以下、第一の従来技術と云う),特願
平6−23960号(以下、第二の従来技術と云う)に
記載された技術のものがある。これら、第一,第二の従
来技術のものは何れも、基板及びターゲットに対し、マ
グネットが直線的に往復移動することにより、ターゲッ
トの使用効率を高め得たり、膜厚分布の均一化を図るこ
とが記載されている。これ以外にマグネットが回動する
ものも提案されている。
【0005】一方、今日の液晶ディスプレイは、大画面
化と高生産性との双方を図るため、成膜やエッチングな
どの処理をすべきガラス基板のサイズが大型化しつつあ
るが、ガラス基板の大型化に伴い、ターゲットも大型化
する必要がある。ターゲットは、通常、バッキングプレ
ートと云う平板に導電性の接着剤によって取付けられて
いる。その従来技術(以下、第三の従来技術と云う)
は、図9及び図10に示すように構成されている。
【0006】即ち、図9に示すように、真空容器1内に
はガラス基板2が配置され、ガラス基板2と対向する位
置にはバッキングプレート4に取付けられたターゲット
3が配置されている。また、バッキングプレート4の上
には磁石部5が設けられ、該磁石部5が駆動機構6,7
によりターゲット3及びガラス基板2と平行に移動する
ことにより、ターゲット3上に所定のマグネトロン磁場
を形成するようにしている。磁石部5は図9,図10に
示すように、長尺状の箱形に形成された第一マグネット
5aと、その内部に直線状に配置された第二のマグネト
ロン5bと、これらを装着したヨーク5cとを有してい
る。なお、8は直流電源、9はヒータ部である。
【0007】そして、真空容器1が所定のガス雰囲気状
態にあって、かつ真空容器1内に所定のマイクロトロン
磁場が形成された状態にあるとき、該容器1内のガラス
基板2が所定の温度に達すると共に、ターゲット3に直
流電源8によって負の電位が印加されると、ターゲット
3の内部表面上に放電が起こってプラズマを発生させ、
発生したプラズマ中のイオンがターゲット3に衝突して
該ターゲット3の金属粒子を飛散させ、その飛散粒子が
大画面のガラス基板2の表面に所望の膜厚で成膜され
る。
【0008】このスパッタ処理時、バッキングプレート
4は、上述の如く、ターゲット3を取付けていることか
ら、ターゲット3を冷却する機能と、大気圧によるター
ゲット3の変形をも抑える機能とを有していなければな
らず、その材質としては熱電導率の点から銅系の金属材
料から構成されている。そして、このバッキングプレー
ト4は大気圧によるターゲット3の変形を抑える必要か
ら、ある程度板厚を厚くしなければならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如
く、液晶ディスプレイの大画面化のため、ガラス基板を
大型化しようとすると、ターゲット及びこれを取付ける
バッキングプレートも大面積化する必要があるが、上記
に示す第一〜第三の従来技術のものは何れも、大面積化
することに伴う問題について配慮していない。
【0010】即ち、バッキングプレート4を大面積化す
る場合、大気圧による応力がそれだけ大きくなるので、
変形量を減らすためにバッキングプレート4をより厚肉
にしなければならない。そのため、ターゲット3及びバ
ッキングプレート4は消耗品であり、頻繁に交換を行う
ので、特に、バッキングプレート4のように重量が極め
て大きくなってしまうと、その取扱いが困難となる問題
がある。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑み、バッキングプレートを厚肉にしなくとも、該バッ
キングプレートの強度を充分維持することができる大面
積化マグネトロンスパッタ装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、内部に成膜
すべき基板を配置した真空容器と、基板と対向する位置
に配置されたターゲットと、ターゲットを取付けたバッ
キングプレートと、該バッキングプレート上で基板及び
ターゲットと平行に移動可能に支持され、かつその移動
方向と直交する方向に沿って各々分割形成された磁石部
と、該各々の磁石部を移動させる駆動機構とを有してい
る。そしてさらに、バッキングプレート自体の剛性を高
め得る補強手段をも有していることを特徴とするもので
ある。
【0013】
【作用】本発明では、上述の如く、真空容器,ターゲッ
ト,バッキングプレート,磁石部,駆動機構を有すると
共に、バッキングプレート自体の剛性を高め得る補強手
段を有しているので、該補強手段により、バッキングプ
レートの剛性を高めることができ、バッキングプレート
自体の厚みを薄く形成することができる。従って、バッ
キングプレートを薄型化かつ軽量化してもその剛性を保
つことができる結果、ターゲット及びバッキングプレー
トを大画面対応の大きさとなっても、容易に対処するこ
とができ、大画面用としてのスパッタ処理を確実に実現
し得る効果がある。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図8により
説明する。図1乃至図は本発明の第一の実施例を示す全
体構成図、図2は全体の外観斜視図、図3はマグネット
を示す斜視図である。
【0015】実施例の装置は、真空容器21が所定のガ
ス雰囲気状態にあって、かつ真空容器21内に所定のマ
グネトロン磁場が形成された状態にあるとき、該容器2
1内のガラス基板10が所定の温度に達し、かつターゲ
ット16に直流電源27によって負の電位が印加される
と、ターゲット16の内部表面に放電が起こってプラズ
マを発生させ、発生したプラズマ中のイオンがターゲッ
ト16に衝突して該ターゲット16の金属粒子を飛散さ
せ、その飛散粒子がガラス基板10の表面に所望の膜厚
で成膜されるように構成している。
【0016】そして、この装置は、大別すると図1に示
すように、真空容器21と、スパッタすべき金属粒子を
飛散させるターゲット16と、分割形成された磁石部1
1,11と、該磁石部11,11を移動させる駆動機構
40とを有している。
【0017】真空容器21は、上部を開口した箱形形状
をなしており、その内部にヒータ部24の上にセットさ
れたガラス基板10が配置されている。ヒータ部24は
ヒータ移動シャフト25に支持され、該シャフト25が
上下方向に進退移動することにより、ガラス基板10を
所望位置に位置決めする。また、真空容器21内にはア
ースシールド22が取付けられると共に、該絶縁材から
なる防着板23が取付けられている。該防着板23は、
内径側の先端が基板10の外周まで延設されており、ス
パッタ処理時、ターゲット16からの飛散粒子がガラス
基板10の必要以外の部分に付着するのを防止する。
【0018】ターゲット16は、スパッタ粒子を飛散さ
せる成膜金属材料からなるものであって、真空容器21
の開口部とほぼ同じ大きさをなし、その外表面がバッキ
ングプレート15に取付けられている。
【0019】バッキングプレート15は、その内面に導
電性の接着剤によりターゲット16を取付けており、そ
の外周部が絶縁シール26を介し真空容器21の開口端
部に装着されている。このバッキングプレート15の材
質としては、ターゲット16の支持強度及び冷却効率を
考慮し、例えば銅材で形成されている。従って、バッキ
ングプレート15は、大気圧によるターゲット16の変
形を抑えなければならず、そのための剛性をもつ必要が
ある。
【0020】そこで、実施例においては、図1及び図2
に示すように、バッキングプレート15の外表面の中央
部に補強リブ15aが突設されている。この補強リブ1
5aは、分割形成された各磁石部11の間に配置される
如く、バッキングプレート15の外表面中央部に一様の
厚みをもつと共に、適宜の高さをもって形成されてい
る。従って、このバッキングプレート15はT字状をな
している。なお、ターゲット16には負の電位を印加す
ると共に、真空容器21及アースシールド22に正の電
位を印加するための直流電源27が設置されている。
【0021】一方、前記磁石部11,11は、上述の如
く、これら両者の間にバッキングプレート15の補強リ
ブ15aが配置されることから、該補強リブ15aを挟
み、長手方向に沿って二分割に形成されている。これら
二組の磁石部11,11は相互の磁力により、ターゲッ
ト16上に対し該ターゲットの長さ方向に沿った大きさ
のレーストラック状のプラズマを発生させ、これによっ
てターゲット16上に所望のマグネトロン磁場を形成し
得るようにしている。そのため、各磁石部11は図1乃
至図3に示すように、永久磁石からなる第一マグネット
12と、その間に配置された第二マグネット13と、こ
れらと組み付けられるヨーク14とを有して構成され、
従って、一方の第一マグネット12の分割端部と他方の
第一マグネットの分割端部との間のギャップdが、分割
補強リブ15aより若干大きめの寸法になっている。
【0022】駆動機構30は、図2に示すように、モー
タ部31と、このモータ部31及び分割形成された各磁
石部11,11を連結する連結部34と、各磁石部1
1,11の移動をガイドするガイド部材(符示せず)と
を有している。
【0023】詳しく述べると、モータ部31は、バッキ
ングプレート15の一端の側面部に設置されており、そ
の出力軸32が例えば外周に螺旋状のネジ部を設けたス
クリュー軸などで形成され、かつ該出力軸32の先端
が、バッキングプレート15の他端の側面部に設置され
た軸保持具33に対し軸周りに回転可能に保持されてい
る。連結部34は、前記バッキングプレート15の補強
リブ15aを跨げるようにコ字形をなしており、その中
央部が出力軸32と係合すると共に該出力軸32を挿通
し、しかもその両端に各磁石部11,11の一端部が連
結されている。前記ガイド部材は、各磁石部11の他端
部に夫々装着された保持具35と、該夫々の保持具35
を挿通する二本のガイド棒36と、各ガイド棒36の両
端を保持し、かつバッキングプレート15の両端の側面
部に設置された棒保持具37とを有している。
【0024】そして、モータ部31により出力軸32が
軸周りに回転すると、その回転により連結部34が移動
すると共に、該連結部34と共に各磁石部11,11が
図2に示す如き矢印方向に移動し、その際、各磁石部1
1,11が、ガイド棒36を挿通する保持具35によっ
てガイドされることにより、双方の磁石部11,11が
同時にバッキングプレート15上を直線移動できるよう
に、即ち、各磁石部11,11を共に補強リブ15aに
沿って移動させるようにしている。
【0025】実施例の装置は、バッキングプレート15
上を移動する各磁石11,11が、上述の如く、その移
動方向と直交する方向に沿って二分割に形成され、バッ
キングプレート15に二分割形成された各磁石11,1
1の間に配置される補強リブ15aが突設されているの
で、補強リブ15aにより、バッキングプレート15の
剛性を高めることができるので、バッキングプレート1
5自体の厚みを薄く形成することができ、そのため、バ
ッキングプレート15を薄型化かつ軽量化してもその剛
性を保つことができる。
【0026】実験によれば、バッキングプレートとして
970mm×970mmのものを用いた場合、第三の従
来技術ではその重量が290kgであったが、上述の如
き実施例のバッキングプレート15を同寸法で用いたと
ころ、210kgの重量となることが確認できた。この
ような重量差は、補強リブ15aの大きさ(厚さ,高
さ)によって若干相違するものの、大幅な重量軽減を図
ることが確実に行える。
【0027】また、各磁石11は分割形成されているも
のの、それらが駆動機構30によって共に移動するの
で、ターゲット16上に形成されるプラズマを従来技術
とほぼ同様にレーストラック状に発生させることがで
き、これにより所望のマグネトロン共鳴磁場を形成する
ことができる。その結果、ターゲット16及びバッキン
グプレート15を大画面対応の大きさに形成しても、容
易に対処することができ、大画面用としてのスパッタ処
理を実現し得る。
【0028】なお、実験では、ガラス基板10として6
00mm×700mmのものを、またアルミニウム製の
ターゲット16を夫々用い、スパッタガス圧力0.3P
a,スパッタパワー22kWでスパッタ処理を行ったと
ころ、1分間のスパッタ時間で膜厚250nmのアルミ
ニウム薄膜を形成することができ、また膜厚分布に関し
てはガラス基板10の面内で±5%程度の範囲に収まる
均一なものが得られた。
【0029】さらに、磁石部11が二個に分割形成され
ても、それらが駆動機構30により共に同期的に移動で
きるので、ターゲット16上においてトラックレース状
のプラズマを確実に発生させることができ、成膜の均一
化が損なわれるおそれがない。しかも駆動機構30がモ
ータ部31,連結部34,ガイド部材を有して構成され
ているので、双方の磁石部11を互いに連結すると云う
簡単な連結構造で済むことができる。
【0030】図4は本発明の第二の実施例を示してい
る。この実施例において前記第一の実施例と異なるの
は、磁石部11を三分割に形成する一方、バッキングプ
レート15に、その三分割した各磁石部11の間に突設
する補強リブ15a,15bを突設したものである。
【0031】即ち、磁石部11は、その長手方向に沿っ
て三分割形成されており、これらが共に駆動機構30に
連結されている。この場合、駆動機構30の連結部34
は、ヨの字形に形成されており、その中央部34aが第
一の実施例と同様、モータ部31の出力軸32と係合す
ると共に、これを挿通している。そして、連結部34の
両端部34b,34cが二本のガイド棒36を挿通する
ように構成されている。
【0032】そのため、連結部34の両端部34b,3
4cは三分割された磁石11のうち、両側に配置された
二組の磁石11の上部中央部に夫々取付けられると共
に、二本のガイド棒36を挿通している。ガイド棒36
のバッキングプレート15に対する取付けは第一の実施
例と同様である。
【0033】従って、この連結部30は、モータ部31
によって出力軸32が軸周りに回転すると、連結部34
により、中央に位置する磁石部11が出力軸32に沿っ
て移動すると共に、両側に位置する二組の磁石部11,
11がガイド棒36にガイドされるので、三組の磁石部
11が同時に移動することとなる。
【0034】一方、バッキングプレート15の外表面に
は、一端側の磁石11と中央に配置される磁石11との
間に向かって突出する第一の補強リブ15aと、中央の
磁石11と他端に配置された磁石11との間に向かって
突出する第二の補強リブ15bとを有している。
【0035】この実施例によれば、ターゲット16のよ
り大面積化に伴いバッキングプレート15がいっそう大
型しても、上述の如く、磁石11の分割個数を増やすと
共に補強リブ15a,15bの数を増やすと、補強リブ
の分だけバッキングプレート15の剛性を保つことがで
きるので、バッキングプレート15がより厚くなること
によって重量化するのを低減することができる。
【0036】また実施例では、磁石部11が三分割され
ても、その駆動機構が第一の実施例と概略的ては同様の
形態となり、一つの駆動部だけで全ての磁石部11を共
に駆動できるので、磁石部11の分割個数の増加に伴っ
て構成が複雑になったり、駆動部が複数となるなどのお
それがなく、構成の簡素化を図ることもできる。
【0037】なお、これまで前述した第一,第二の実施
例では、補強リブ15a(或いは15aと15b)がバ
ッキングプレート15と一体的に形成された例を示した
が、バッキングプレート本体15と別個に形成して溶接
などにより取付けても良く、何れにしろ、バッキングプ
レート本体15の厚みが増加しない程度に該プレート自
体の剛性を高め得る程度の大きさ,形状であればよい。
また、補強リブがバッキングプレート15において磁石
部11の分割された間にのみ突設された例を示したが、
バッキングプレート15の両端部に形成すれば、それだ
けより補強することができるので、いっそうの剛性アッ
プを図ることもできる。
【0038】図5乃至図8は本発明の他の実施例を夫々
示している。前述したこれまでの実施例では、磁石部1
1が長手方向に複数に分割され、ギャップdを有するよ
うに構成したが、このように、ギャップdを有するよう
に分割形成すると、図7に示すように、ターゲット16
上に発生するプラズマ91がレーストラック状に発生す
るものの、そのプラズマ91は、ギャップdに相当する
部分91aが若干ながら幅のせまい状態となるので、タ
ーゲット16の表面上におけるマグネトロン磁場の強度
が、磁石部を分割しない場合よりすこし小さくなってし
まう。
【0039】このギャップdの大きさとターゲット16
の表面における平行磁場強度との関係について図8によ
り説明する。図8において、横軸は磁石部間のギャップ
dを、縦軸はターゲット表面における平行磁場強度を夫
々示し、実線Aにより、ギャップdの大きさに伴い平行
磁場強度が小さくなることを表している。
【0040】図8によれば、磁石部11間のギャップd
が0mmのとき、即ち、磁石部が分割されていない場
合、平行磁場強度は約40mTである。一方、磁石部が
第一の実施例の如く二分割され、そのギャップdが10
mmとした場合、平行磁場強度は約35mTの大きさと
なり、若干小さくなる。但し、これはマグネトロンスパ
ッタにおける放電としては、充分な磁場強度である。
【0041】しかしながら、充分な磁場強度であって
も、図7に示すように、プラズマ91のギャップdに相
当する部分91aの幅が若干でも違い、この形状のプラ
ズマ91が磁石部11によって矢印方向92に移動する
と、ターゲット16からの飛散粒子の均一性がその分劣
るので、膜厚分布のより均一化が図り難い。
【0042】そこで、本実施例では、磁石部11が分割
することによってギャップdを有していても、そのギャ
ップdに相当する部分の平行磁場強度が減少するのを防
ぐようにしたものである。
【0043】即ち、図5に示す実施例では、二個に分割
形成された各磁石部11において、第一マグネット1
2,第二マグネット13の互いに分割された分割端部に
磁束補強突起12a,13aが夫々突設されている。こ
の磁束補強突起12a,13aは、第一マグネット1
2,第二マグネット13と同様の材質から成る永久磁石
を、第一マグネット12,第二マグネット13の分割端
部に突設させ、これにより、夫々のマグネットの分割端
部の面積が増大するようにしている。
【0044】このように、第一,第二マグネット12,
13の分割端部にこれらと全く同様の磁束密度からなる
磁束補強突起12a,13aを突設し、分割端部の面積
を増大させるので、ギャップd部分における平行磁場強
度が減少するのをそれだけ抑えることができる。
【0045】実験によれば、実施例1の場合と同様、6
00mm×700mmのガラス基板10、アルミニウム
製のターゲット16を夫々用い、スパッタガス圧力0.
3Pa,スパッタパワー22kWでスパッタ処理を行っ
たところ、1分間のスパッタ時間で膜厚250nmのア
ルミニウム薄膜を形成できた。そして、膜厚分布に関し
てはガラス基板10の面内で±4%以内の範囲に収まる
ことができた。従って、この膜厚分布は、磁束補強突起
12a,13aの突出する割合によっても変わるが、第
一の実施例に比較し、より均一な膜厚を得ることができ
る結果、特に大面積化した場合でも、高品質を維持し得
る。
【0046】図6に示す実施例において、図5に示す実
施例と異なるのは、第一マグネット12,第二マグネッ
ト13の分割端部12b,13bそのものを、残留磁束
密度の大きい材質で形成したものである。
【0047】即ち、本実施例において、第一マグネット
12の分割端部12bは、残留磁束密度が第一マグネッ
ト12の材質より大きいものを用いており、第二マグネ
ット13の分割端部13bも、残留磁束密度が第二マグ
ネット13の材質より大きいものを用い、これによって
夫々の分割端部12b,13bにおけるギャップd部分
の平行磁場強度が減少するのを抑えるようにしている。
この場合、分割端部12b,13bは、第一,第二マグ
ネット12,13を構成する材質自体を変えてもよい
が、変えなくともよい。
【0048】実験では、第一,第二マグネット12,1
3自体が残留磁束密度Brとして0.9TからなるSm
−Coで形成されたとき、残留磁束密度Brとして1.
1TのSm−Coで形成された分割端部12b,13b
を用い、第一の実施例と同様にしてスパッタ処理を行っ
たところ、600mm×700mmのガラス基板10に
おいて膜厚分布が±4%以内になることが確認された。
【0049】従って、図5及び図6に示す実施例によれ
ば、磁石部11が分割形成されても、第一,第二マグネ
ットの分割端部によって平行磁場強度が減少するのを抑
え、より均一な膜厚を得ることができるので、大面積化
した場合でも、高品質を維持し得る。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1〜
3によれば、バッキングプレートが有する補強手段によ
り、バッキングプレートの剛性を高めることができ、バ
ッキングプレート自体の厚みを薄く形成することがで
き、従って、バッキングプレートを薄型化かつ軽量化し
てもその剛性を保つことができる結果、ターゲット及び
バッキングプレートを大画面対応の大きさとなっても、
容易に対処することができ、大画面用としてのスパッタ
処理を確実に実現し得る効果がある。
【0051】また、請求項4によれば、分割された磁石
部の分割端部に磁束補強突起を突設し、請求項5によれ
ば、磁石部の分割端部そのものを磁束密度の高い材質で
形成したので、膜厚分布のより均一化を図ることがで
き、高品質の成膜を得ることができると云う効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す全体構成の断面
図。
【図2】同じく全体の外観斜視図。
【図3】分割形成された磁石部のマグネットを示す斜視
図。
【図4】本発明の第二の実施例を示す全体構成の断面
図。
【図5】本発明の他の実施例を示す磁石部のマグネット
の斜視図。
【図6】本発明のさらに他の実施例を示す磁石部のマグ
ネットの斜視図。
【図7】ターゲット上に発生するプラズマを示す説明
図。
【図8】各磁石部間のギャップの大きさとターゲット表
面における平行磁場強度の大きさとの関係を示す説明
図。
【図9】第三の従来技術の一構成例を示す全体構成の説
明図。
【図10】第三の従来技術における磁石部のマグネット
を示す斜視図。
【符号の説明】
10…ガラス基板、11…分割形成された磁石部、12
…第一マグネット、12a…磁束補強突起、12b…第
一マグネットの分割端部、13…第二マグネット、13
a…磁束補強突起、13b…第二マグネットの分割端
部、21…真空容器、15…バッキングプレート、15
a,15b…補強リブ、16…ターゲット、30…駆動
機構。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に配置された基板を有する真空容器
    と、金属粒子を飛散させて基板表面に成膜するターゲッ
    トと、該ターゲットを取付けたバッキングプレートと、
    該ターゲットの表面上に所望のマグネトロン磁場を形成
    する磁石部と、磁石部を基板及びターゲットに沿って移
    動させる駆動機構とを有するマグネトロンスパッタ装置
    において、バッキングプレートが磁石部の移動を許容す
    ると共に、バッキングプレート自体の強度を保つ形状に
    形成したことを特徴とする大面積マグネトロンスパッタ
    装置。
  2. 【請求項2】 内部に成膜すべき基板を配置した真空容
    器と、基板と対向する位置に配置されたターゲットと、
    ターゲットを取付けたバッキングプレートと、該バッキ
    ングプレート上で基板及びターゲットと平行に移動可能
    に支持され、かつその移動方向と直交する方向に沿って
    各々分割形成された磁石部と、該各々の磁石部を移動さ
    せる駆動機構と、バッキングプレート自体の剛性を高め
    得る補強手段とを有することを特徴とする大面積マグネ
    トロンスパッタ装置。
  3. 【請求項3】 内部に成膜すべき基板を配置した真空容
    器と、基板と対向する位置に配置されたターゲットと、
    該ターゲットを取付けたバッキングプレートと、該バッ
    キングプレート上で基板及びターゲットと平行に移動可
    能に支持され、かつその移動方向と直交する方向に沿っ
    て各々分割形成された磁石部と、該各々の磁石部を駆動
    する駆動機構とを有し、前記バッキングプレートは、少
    なくとも各磁石部間に配置され、かつバッキングプレー
    ト自体の剛性を高め得る補強手段を有し、該補強手段
    は、バッキングプレートの外表面に夫々の磁石部の間に
    配置されかつ一体的に突設された補強リブからなり、前
    記駆動機構は、分割形成された各磁石部を共に補強リブ
    に沿って移動させることを特徴とする大面積マグネトロ
    ンスパッタ装置。
  4. 【請求項4】 前記分割形成された各磁石部は、第一マ
    グネットと第二マグネットとを有し、第一マグネットと
    第二マグネットとの分割端部に第一,第二マグネットの
    夫々と同様の磁束密度を有する材質からなる磁束補強突
    起を突設したことを特徴とする請求項2または3の何れ
    か一項に記載の大面積マグネトロンスパッタ装置。
  5. 【請求項5】 前記分割形成された各磁石部は、第一マ
    グネットと第二マグネットとを有し、第一マグネット第
    二マグネットとの分割端部を、第一,第二マグネットの
    夫々より大きい磁束密度を有する材質で形成したことを
    特徴とする請求項2または3の何れか一項に記載の大面
    積マグネトロンスパッタ装置。
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