JPH093170A - 熱重合性組成物、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置ならびに液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

熱重合性組成物、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置ならびに液体噴射ヘッドの製造方法

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JPH093170A
JPH093170A JP15492495A JP15492495A JPH093170A JP H093170 A JPH093170 A JP H093170A JP 15492495 A JP15492495 A JP 15492495A JP 15492495 A JP15492495 A JP 15492495A JP H093170 A JPH093170 A JP H093170A
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liquid
ink
head
liquid jet
liquid ejecting
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JP15492495A
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Norio Okuma
典夫 大熊
Hiroaki Toshima
博彰 戸島
Masashi Miyagawa
昌士 宮川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い架橋密度が達成される熱重合性組成物を
得て、記録液との相互作用が少なく、耐熱性および密着
性に優れた液体噴射ヘッドのノズル構成材料を提供し、
液流路が精度良く正確に、かつ歩留り良く微細加工され
た構成を有する液体噴射ヘッドを供給することが可能な
液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。 【構成】 カチオン重合可能な樹脂、芳香族オニウム塩
および銅トリフラートからなり、芳香族オニウム塩の対
イオンがBF4 -、AsF6 -、PF6 -およびCF3SO3 -
のいずれかである熱重合性組成物を用いて液体噴射ヘッ
ドを形成し、それを用いた液体噴射装置を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱重合性組成物、その
熱重合性組成物を用いる液体噴射ヘッドの製造方法およ
び液体噴射ヘッド、ならびに液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ある種の芳香族オニウム塩が
光照射によりカチオン重合の開始剤として作用すること
が知られている(特公昭52−14277、52−14
278参照)。またこれらの芳香族オニウム塩は、還元
性を有する物質と併用することで熱重合性の開始剤とし
て作用することが知られている(USP417355
1,USP4216288,J.Polymer Sc
ience:Polymer Chemistry E
dition、Vol.21,97−109[198
3] J.V.CRIVELLO et al参照)。
当然のことながら熱重合性の開始剤は、その硬化反応に
際し、特殊な光源(前記芳香族オニウム塩の多くは、お
よそ300nm以下の波長の光に感光する。)を必要と
せず、簡便な加熱手段によって硬化反応が進むため利用
価値が大きい。また、光反応では厚膜を硬化させる場
合、硬化させる樹脂によっては光が深部まで到達できず
に硬化反応が十分に進行しなかったり、硬化可能な場合
も硬化に際して発生する内部応力が膜厚方向に分布を生
じるために、用途によっては不都合な場合がある(日本
接着学会誌Vol.26No.6,216〜[199
0]参照)。
【0003】熱重合性の開始剤は、上記のごとき利点を
有し、そのポットライフの点から還元剤として銅化合物
が最適であるとされている。しかしながら、従来より公
知の芳香族オニウム塩と銅化合物の組合せでは、光反応
を用いる場合に比ベて架橋密度が十分に上がらない(硬
化反応が完全に進行しない)という欠点があった。
【0004】インクジェット方式(液体噴射方式)に適
用される液体噴射ヘッドは、一般に微細な液吐出口(以
下オリフィスと呼ぶ)、液流路およびその液流路の一部
に設けられる液体吐出エネルギー発生部とを備えてい
る。従来、このような液体噴射ヘッドを作製する方法と
して、例えば、ガラスや金属等の板を用い、その板に切
削やエッチング等の加工手段によって微細な溝を形成し
た後、その蓋を形成した板を他の適当な板と接合して液
流路の形成を行なう方法が知られている。
【0005】しかしながら、かかる従来法によって作製
される液体噴射ヘッドでは、切削加工される液流路内壁
面の荒れが大き過ぎたり、エッチング率の差から液流路
に歪が生じたりして、流路抵抗の一定した液流路が得難
く、製作後の液体噴射ヘッドの記録特性にバラツキが出
やすいといった問題があった。また、切削加工の際に、
板の欠けや割れが生じやすく、製造歩留りが悪いという
欠点もあった。また、エッチング加工を行なう場合に
は、製造工程が多く、製造コストの上昇を招くという不
利もあった。さらには、上記従来法に共通する欠点とし
て、液流路を形成した溝付き板と、記録液小滴を吐出さ
せるための吐出エネルギーを発生する圧電素子や電気熱
変換素子等の駆動素子が設けられた蓋板とを貼り合わせ
る際に、これら板の位置合わせが困難であり、量産性に
欠けるといった問題もあった。
【0006】また、液体噴射ヘッドは、通常その使用環
境下にあっては、記録液(一般には、水を主体とし、多
くの場合中性ではないインク液、あるいは有機溶剤を主
体とするインク液等)と常時接触している。それゆえ、
液体噴射ヘッドを構成するヘッド構造材料は、記録液か
らの影響を受けて強度低下を起こすことがなく、また逆
に記録液中に、記録液適性を低下させるような有害成分
を与えることの無いものが望まれるが、上記従来法にお
いては、加工方法等の制約もあって、必ずしもこれら目
的にかなった材料を選択することができなかった。
【0007】これら問題を解決するため、特開昭57−
208255、同57−208256に開示の、感光性
樹脂材料を使用してインク吐出圧力発生素子が形成され
た基体上にインク流路およびオリフィス部からなるノズ
ルをパターン形成して、この上にガラス板などの蓋を接
合する方法が考案された。しかしながら、その方法にお
いては下記の問題を有している。
【0008】1)天板を接着するための部材がインク流
路にたれ込んで、流路形状が変形する。
【0009】2)インク吐出口を形成するために基板を
切断する際に、インク流路に切断屑が入り込み、インク
吐出を不安定にする。
【0010】3)インク流路が形成された空洞部を有す
る基板を切断するため、切断によって形成されるインク
吐出口の一部にカケが生じる。
【0011】これら問題によって、液体噴射ヘッドの製
造の歩留りが低下するとともに、さらに微細なインク流
路構造を持つ、あるいは長尺にて多数のインク吐出口を
有する液体噴射ヘッドの製造が困難となっている。
【0012】これらの問題を回避する方法として、特開
昭61−154947に開示の方法が挙げられる。前記
発明は、溶解可能な樹脂にてインク流路部を形成し、該
パターンをエポキシ樹脂などで被覆・硬化し、基板を切
断後に溶解可能な樹脂パターンを溶出除去するものであ
る。一方、近年の記録技術の進展にともない、より高精
細な記録技術が求められている。液体噴射技術において
この様な要求を満たす方法の一つとしてオリフィスの面
積を小さくすることが挙げられる。すなわち、より微細
なオリフィスの加工技術が必要となってきている。ここ
で前記特開昭57−208255、57−20825
6、61−154947が開示する方法では、何れもイ
ンク流路を切断することでインク吐出口を形成するた
め、切断精度でインク吐出圧力発生素子とインク吐出口
との距離が決定される。切断はダイシングソー等の機械
的手段にて行なうことが一般的であり、高い精度を実現
することは難しい。また、切断時に基板がカケを起こし
たりする場合があり、インクが曲って吐出して、良好な
印字を実現できない場合がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の諸点に
鑑み成されたものであって、高い架橋密度が達成される
熱重合性組成物を提供して、記録液との相互作用が少な
く、耐熱性、密着性に優れた液体噴射ヘッドのノズル構
成材料を得ることを目的とする。
【0014】また本発明のさらに別の目的は、液流路が
精度良く正確に、かつ歩留り良く微細加工された構成を
有する液体噴射ヘッドを供給することが可能な液体噴射
ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、 (A)カチオン重合可能な樹脂 (B)芳香族オニウム塩 (C)銅トリフラート(トリフルオロメタンスルホン酸
銅(II))からなる熱重合性組成物であって、前記芳
香族オニウム塩の対イオンが、BF4 -、AsF6 -、PF
6 -およびCF3SO3 -からなる群のうちの少なくとも1
つであることを特徴とする熱重合性組成物を提供する。
【0016】さらに本発明は、少なくとも、液体吐出エ
ネルギー発生素子が形成された基体上に、所定の溶剤に
可溶な樹脂層にてインク流路を形成する工程、該可溶性
樹脂層上に上記の熱重合性組成物からなる被覆樹脂層を
形成する工程、該被覆樹脂層表面に酸素プラズマ耐性の
高い材料にてインク吐出口パターンを形成する工程、該
インク吐出孔パターンをマスクとして酸素プラズマにて
前記被覆樹脂層をドライエッチングしてインク吐出口を
形成する工程、ならびに前記可溶性樹脂層を所定の溶剤
で溶出除去する工程とを含む液体噴射ヘッドの製造方
法、ならびにその方法で製造された液体噴射ヘッド、さ
らには記録媒体の被記録面に対向して液体を吐出するた
めの液体吐出口が設けられている前記のヘッドと、該ヘ
ッドを載置するための部材とを少なくとも具備する液体
噴射装置を提供する。
【0017】
【作用】先ず、本発明の熱重合性組成物について説明す
る。前述のごとく芳香族オニウム塩と銅化合物を併用す
ると熱重合開始剤として作用することは公知である。U
SP4173551,USP4216288では好適な
銅化合物として安息香酸銅、酢酸銅、塩化銅などが挙げ
られている。しかしながら、本発明者らの実験によれ
ば、上記銅化合物は確かに優れた熱重合作用を示すが、
芳香族オニウム塩の光照射によるカチオン重合に比べて
その硬化物のガラス転移点が低くなる(即ち架橋密度が
十分に上がりきっていない)傾向が観察された。硬化物
の耐熱性、耐薬品性、密着性等は、一般的に言って架橋
密度が高いほど優れている。
【0018】そこで本発明者らは熱重合開始剤の持つ利
点(硬化手段の簡便化、厚膜硬化可能、硬化時の内部応
力分布が均一であること等)を生かし、且つ、高い架橋
密度が達成される還元剤について鋭意検討したところ、
銅トリフラート(トリフルオロメタンスルフォン酸銅
(II))が最適であることを見出し本発明に至った。
芳香族オニウム塩と銅トリフラートを用いる熱重性組成
物においては、その硬化物のガラス転移点は光重合の場
合と比べても同等かあるいはそれ以上の値を示し、高い
架橋密度の硬化物を得ることができる。
【0019】銅トリフラートによって特異的に硬化反応
が進む理由の詳細については不明であるが、 ・銅トリフラートの分解に際して強酸であるトリフルオ
ロメタンスルフォン酸が生じ、カチオン重合の触媒とし
て働くこと ・他の銅化合物に比してエポキシ樹脂に対する溶解度が
高いこと等が考えられる。
【0020】本発明に用いる芳香族オニウム塩として
は、USP4219654明細書、前述の特公昭52−
14277、52−14278等に記載されている化合
物が使用可能である。特に好ましいものとして、ジアリ
ールヨードニウム塩があげられ、さらにカチオン重合可
能な樹脂に対する溶解性を考えると、前記ジアリールヨ
ードニウム塩はアルキルまたはアルコキシ基で置換され
ていることが望ましい。また、オニウム塩の対アニオン
としては、BF4-,PF6-,AsF6-,CF3SO3 -
どがあり得る。しかしながら、光重合の場合その架橋密
度は、対アニオンの種類によって著しく影響を受ける
が、熱重合の場合は、初期の反応速度には差があるもの
の最終的に硬化が終了したものについてはその架橋密度
に差がないことを本発明者らは確認した。そこで、これ
らの点とポットライフや価格を考慮すると、PF6-が最
も好ましい。
【0021】次いで、具体的なオニウム塩として以下の
(1)〜(3)ような化合物があげられる。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】 式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、C1
20アルキル基、C1〜C20アルコキシ基、MはAsま
たはPを表す。
【0025】さらに、本発明に用いるカチオン重合可能
な樹脂としては、一般的に用いられるエポキシ樹脂があ
る。ただし本発明は、エポキシ樹脂に限定されるもので
はなく、カチオン重合可能な樹脂(例えば環状エーテ
ル)であれば使用することができる。
【0026】次いで、本発明の熱重合性組成物の利用分
野として最適な液体噴射ヘッドのノズル形成材料への応
用について述べる。前述のごとく、液体噴射ヘッドの構
成部材には、記録液との相互作用がなく、耐熱性や基板
との密着性に優れた特性が要求される。
【0027】ここで、本発明の熱重合性組成物は、その
硬化物の架橋密度が高く耐熱性および耐薬品性に優れ
る。さらに、液体噴射ヘッドのノズルのごとく3次元的
に複雑な構造物の場合、厚さ方向に対して応力分布が生
じないことは基板に対する密着性の点で好ましい。
【0028】以下に、前記熱重合性組成物を液体噴射ヘ
ッドのノズル構成部材に利用する好ましい応用形態につ
いて説明する。
【0029】本発明における液体噴射ヘッドの製造にお
いては、液体噴射ヘッドの特性に影響を及ぼす最も重要
な因子の一つである、吐出エネルギー発生素子とオリフ
ィス間の距離およびその素子とオリフィス中心との位置
精度の設定が極めて容易に実現できる等の利点を有す
る。すなわち、本発明によれば、溶解可能な樹脂層、硬
化型樹脂層およびシリコーン系レジスト材料層の塗布膜
厚を制御することにより吐出エネルギー発生素子とオリ
フィス間に距離を設定することが可能であり、その感光
性材料層の塗布膜厚は従来使用される薄膜コーティング
技術により再現性良く厳密に制御できる。また、吐出エ
ネルギー発生素子とオリフィスの位置合せはフォトリソ
グラフィー技術による光学的な位置合せが可能であり、
従来液体噴射ヘッドの製造に使用されていたオリフィス
板を接着する方法に比ベて、吐出エネルギー発生素子と
インク吐出口の位置精度を飛躍的に高めることが可能と
なる。
【0030】溶解可能な樹脂パターンにてインク流路を
形成せしめておき、そのパターン上に樹脂層を形成した
後基板を切断せしめ、次いで溶解可能な樹脂パターンを
溶出する液体噴射ヘッドの製造方法は公知である。前記
発明は基板と平行な方向に対してインク液滴を吐出させ
るエッジ型液体噴射ヘッドの製造方法に関するものであ
り、主たる目的は、切断時に発生する切断屑のインク流
路内への侵入防止や均一なインク流路形成にある。
【0031】本発明は、前記したように液体噴射ヘッド
の特性を大きく変化せしめる液体噴射圧力発生素子とイ
ンク吐出口との距離を厳密に制御するため、基板に対し
て垂直方向にインク液滴を吐出せしめるサイド型液体噴
射ヘッドの製造方法に関する。
【0032】一方、本発明は被覆樹脂上にシリコン系レ
ジストにてインク吐出口パターンを形成し、そのパター
ンをマスクとして酸素プラズマにてインク吐出口を形成
するため、極めて微細なイ吐出口を形成することが可能
である。シリコン系レジストは酸素プラズマでは殆どエ
ッチングされないため、極めて薄い膜厚にて塗布するだ
けでエッチングに対する耐性を実現できるため、高い解
像性と感度を得ることができる。
【0033】本発明に用いる被覆樹脂としては前述のご
とく感光性は必要としないが、構造材料として高い機械
的強度、基板との密着性、耐インク性が要求される。特
に、本発明のごとくサイド型液体噴射ヘッドにおいて
は、前記特開昭57−208255、特開昭57−20
8256、特開昭61−154947が開示しているい
わゆるエッジ型渡体噴射ヘッドと異なりインク流路及び
オリフィス部からなるノズルパターン上にガラス板等の
蓋を接合し、機械的な力でノズルパターンを押えつける
ことや、ガラス板と基板でノズル部をはさみこみ(サン
ドイッチ構造)ノズルを形成する樹脂と基板との熱線膨
張係数の差を緩和することが困難であり、基板と被覆樹
脂層の密着強度を上げることが重要となる。本発明は、
特にその点に鑑みてなされたもので、本発明者らは、前
記熱重合性組成物が前記特性を満足することを見出し
た。
【0034】該シリコン系レジストをマスクとして被覆
樹脂層にインク吐出口を形成する手段としては酸素プラ
ズマによるドライエッチングが有効である。特に反応性
イオンエッチング(RIE)やマグネトロンエッチンメ
等の異方性を有するエッチング手段が望ましい。本エッ
チング手段にてシリコン系レジストに形成した吐出口パ
ターンは高精度にて被覆樹脂層に転写できる。エッチン
グ終点の検出は高い精度を要求されず、エッチングが溶
解可能な樹脂パターンに到達していれば構わない。
【0035】次いで、溶剤にて溶解可能な樹脂パターン
を溶出せしめればインク流路および吐出口が形成され、
その基板にインク供給のための部材を装着せしめれば液
体噴射ヘッドが形成できる。
【0036】以下図面を参照しつつ本発明を詳細に記述
する。
【0037】図1は、本発明のヘッドを作製する際のイ
ンク流路およびオリフィス部形成前の基板の図であり、
(a)は斜視図、(b)はそのX−X断面図である。図
2は、本発明のヘッド製造の手順を示す工程図である。
なお、これらの図では、2つのオリフィスを有する液体
噴射ヘッドが示されるが、もちろんこれ以上のオリフィ
スを有する高密度マルチアレイ液体噴射ヘッドの場合で
も同様であることは、言うまでもない。
【0038】まず、図1において、1は基板であり、ガ
ラス、セラミックス、プラスチック、金属等が材料とし
て用いられる。
【0039】このような基板1は、液流路構成部材の一
部として機能し、また後述のインク流路およびインク吐
出口を形成する材料層の支持体として機能し得るもので
あれば、その形状や材質等に特に限定されることなく使
用できる。上記基板1上には、電気熱変換素子あるいは
圧電素子等の液体吐出エネルギー発生素子2が所定数配
置される(図1では2個にて例示)。このような、液体
吐出エネルギー発生素子2によって記録液小滴を吐出さ
せるための吐出エネルギーがインク液に与えられ、記録
が行なわれる。ちなみに、例えば、上記液体吐出エネル
ギー発生素子2として電気熱変換素子が用いられるとき
には、この素子が近傍の記録液を加熱することにより、
吐出エネルギーを発生する。また、例えば、圧電素子が
用いられるときは、この素子の機械的振動によって、吐
出エネルギーが発生される。
【0040】なお、その素子2には、その素子を動作さ
せるための制御信号入力用電極(図示せず)が接続され
ている。また、一般にはこれら吐出エネルギー発生素子
の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層が
設けられるが、もちろん本発明においても、そのような
機能層を設けることは一向に差しつかえない。
【0041】なお図1においては、インク供給のための
開口部を基板上に予め設けておき、基板後方よりインク
を供給する形態を例示した。その開口部の形成において
は、基板に穴を形成できる手段であれば何れの方法も使
用できる。例えばドリル等機械的手段にて形成しても構
わないし、レーザー等の光エネルギーを使用しても構わ
ない。また基板にレジストパターン等を形成して化学的
にエッチングしても構わない。
【0042】もちろんインク供給口を基板に形成せず、
樹脂パターンに形成し、基板に対してインク吐出口と同
じ面に設けても良い。
【0043】次いで図2(a)に示すように、上記液体
吐出エネルギー発生素子2を含む基板1上に、溶解可能
な樹脂にてインク流路パターンを形成する。最も一般的
手段としては感光性材料にて形成する手段が挙げられる
が、スクリーン印刷法等の手段にても形成は可能であ
る。
【0044】感光性材料を使用する場合においては、イ
ンク流路パターンが溶解可能であるためには、ポジ型レ
ジストあるいはネガ型レジストの場合は溶解性変化型の
使用が可能である。
【0045】ポジ型レジストとしては、アルカリ溶解性
樹脂(ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン)とキ
ノンジアジドあるいはナフトキノンジアジド誘導体等と
の混合系からなるポジ型フォトレジスト、あるいは電子
線、Deep−UV、X線等の電離放射線感光型として
光崩壊型ポジレジストが使用できる。光崩壊型レジスト
としては、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリビニ
ルケトン等のビニルケトン系高分子化合物、ポリメタク
リル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタク
リレート、ポリn−ブチルメタクリレート、ポリフェニ
ルメタクリレート、ポリメタクリルアミド、ポリメタク
リロニトリル等のメタクリル系高分子化合物、あるいは
ポリブテンー1−スルフォン、ポリメチルペンテンー1
−スルフォン等のオレフインスルフォン系高分子化合物
等が挙げられる。
【0046】溶解性変化型ネガ型レジストは、高分子側
鎖の極性を紫外線あるいは電離放射線にて変化せしめ、
極性溶剤あるいは非極性溶剤にて現像するレジストであ
る。例えば、ポリヒドロキシスチレンのヒドロキシル基
をt−ブトキシカルボニルエステルに変化させた高分子
化合物に対して電離放射線を照射すると、エステル結合
が切断される。このため、露光部はヒドロキシル基に変
化しトルエン等の非極性溶剤には不溶となる。従って非
極性溶剤にて現像すれば露光部が溶解せずに残存してネ
ガ型レジストパターンを形成することが可能である。ま
た露光部はゲル化しているわけではないため、極性溶剤
に対しては速やかに溶解する。
【0047】レジスト層の形成の方法としては、インク
供給口を設けた基板を使用する場合には、感光性材料を
適当な溶剤に溶解しPETなどのフィルム上に塗布、乾
燥してドライフイルムを作成しラミネートによって形成
することが好ましい。さらにその場合、感光性材料とし
ては、被膜性が高く、インク供給口上にもラミネート可
能な高分子化合物を含む材料、具体的には電子線、De
ep−UV、X線電離放射線分解型の感光性樹脂を使用
することが好ましい。また、インク供給口3に後工程で
除去可能な充填物を配置し、通常のスピンコート法、ロ
ールコート法等で被膜を形成する場合には上述のどの材
料を用いても構わない。
【0048】このように、液流路をパターニングした溶
解可能な樹脂材料層上に、図2(b)に示すようにさら
に樹脂層を形成する。その樹脂は液体噴射ヘッドの構造
材料となるため、高い機械的強度、耐熱性、基板に対す
る密着性およびインク液に対する耐性やインク液を変質
せしめない等の特性が要求され、前記熱重合性組成物が
最適である。
【0049】さらには、その樹脂層を形成する工程にお
いて、溶解可能な樹脂パターンを変形せしめない等の特
性が必要となる。すなわち、溶解可能な樹脂パターンが
極性溶剤にて溶解可能である場合は、その被覆樹脂は極
力極性を有しないもの、一方溶解可能な樹脂パターンが
非極性溶剤に溶解可能である場合は極性を有する樹脂が
使用可能となる。ここで、銅トリフラートは、多くの溶
剤および樹脂に対して良好な溶解性を有する利点があ
る。
【0050】ここで、上述の特性を満足する樹脂として
は、常温で固体状のエポキシ樹脂の硬化物が最適であ
る。そのような化合物としては、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンの反応物のうち分子量が約900以上
のもの、含ブロムビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンの反応物、フェノールノボラックあるいはo−クレゾ
ールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物、等が
挙げられる。
【0051】上記エポキシ樹脂は、前述の芳香族オニウ
ム塩と銅トリフラートを硬化剤として加熱によって架橋
硬化する。
【0052】また、これらエポキシ硬化物に対しては、
必要に応じて添加剤などを添加することが可能である。
例えば、エポキシ樹脂の弾性率を下げる目的で可撓性付
与剤(アルキレンエーテル系、長鎖アルキル脂肪酸系、
末端官能基を有する液状ゴム等)を添加したり、あるい
は基板とのさらなる密着力を得るためにシランカップリ
ング剤を添加することなどがあげられる。
【0053】その樹脂層の形成方法としては、溶剤に溶
解せしめてソルベントコートすることが可能である。
【0054】次いで図2(c)に示すようにシリコーン
系レジストによって被覆樹脂層上にインク吐出口パター
ンを形成する。シリコーン系レジストとしては後述する
酸素プラズマによるエッチングに対する耐性が充分なも
のであれば何れのレジストも使用できる。例えば、クロ
ロメチル化ポリジフェニルシロキサン(トーソー製SN
Rレジスト)、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルシ
ルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサン、
シリコン含有ポリメタクリル樹脂等が使用できる。これ
らレジストは一般的には電離放射線官能型であり、De
ep−UV光や電子線による露光が望ましいが、近年そ
のシリコン系レジストの紫外線官能型の研究もなされて
おり、それらレジストの使用も可能である。
【0055】次いで図2(d)に示すように、シリコン
系レジストパターンをマスクとして酸素プラズマにて被
覆樹脂にインク吐出口を形成する。酸素プラズマによる
エッチングはリアクティブイオンエッチング装置やマグ
ネトロン型イオンエッチング装置等、異方性エッチング
が可能なものが望ましい。またエッチング条件としても
異方性エッチングを可能とする酸素ガス圧力および投入
電力を最適化することが必要となる。シリコン系レジス
トはエッチング操作では殆どエッチングされないため、
高い精度にてインク吐出口を形成できる。またエッチン
グ終点は、エッチングが溶解性樹脂パターンに到達した
段階をもって終点とすれば良く、高精度なエッチング終
点の検出は必要としない。
【0056】最後に図2(e)示すように、溶剤によっ
てインク流路パターンを形成する溶解可能な樹脂を溶出
する。溶出は基板を溶剤に浸漬したり、溶剤をスプレー
にて吹き付けたりすることによって容易に溶出できる。
また超音波等を併用すれば溶出時間をさらに短縮でき
る。
【0057】このようにして形成したインク流路および
インク吐出口を形成した基板に対して、インク供給のた
めの部材およびインク吐出圧力発生素子を駆動するため
の電気的接合を行なって液体噴射ヘッドが形成できる
(図2(f))。
【0058】本発明は、液体噴射記録のなかでも上記の
熱エネルギーの作用によって飛翔液滴を吐出する方式で
あるいわゆるバブルジェット方式の記録ヘッドにおいて
優れた効果をもたらし、特に特開平4−10940、特
開平4−10941、特開平4−10942に記載の方
法のヘッドに最適である。それらのヘッドでは、インク
吐出圧力発生素子(電気熱変換素子)に記録情報に対応
して駆動信号を印加し、電気熱変換素子にインクの核沸
騰を越える急激な温度上昇を与える熱エネルギーを発生
させ、インク内に気泡を形成させ、その気泡を外気と連
通させてインク液滴を吐出させるもので、インク液滴の
体積や速度を安定化し、高品位な画像を得ることができ
る。前記方法においては、電気熱変換素子とオリフィス
の距離がその吐出体積をほぼ決定するため、本発明のご
とく電気熱変換素子とオリフィスとの距離を正確にまた
再現よく設定できる方法が最適である。また本発明は、
記録紙の全幅に渡り同時に記録ができるフルラインタイ
プのヘッドとして、さらにはヘッドを一体的にあるいは
複数個組合せたヘッドにも有効である。
【0059】また、本発明によるヘッドは、インクが液
体でなくとも、ある温度以上で液化する固体インクにも
好適に適用される。この場合は、記録時には常に固体イ
ンクを液状に保つためにヘッドは常に加熱されており、
ヘッド構成部材は高い耐熱性が要求されるため、本発明
における熱重合性組成物の硬化物を用いることが好まし
い。
【0060】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明する。
【0061】(実施例1ならびに比較例1および2)エ
ポキシ樹脂として脂環式エポキシ樹脂EHPE−315
0(ダイセル化学工業社製)を用い、各種硬化剤によっ
て硬化させ、そのガラス転移点を測定した結果を表1に
示す。なお、ガラス転移点は、カプトンフィルム上で前
記樹脂を硬化させ、動的粘弾性評価によって求めた。
【0062】表1から理解されるように、本発明による
芳香族オニウム塩と銅トリフラートからなる熱重合性開
始剤は、従来より公知の熱重合性開始剤に比して高いガ
ラス転移点を示し、かつ光重合と比較して対アニオン選
択の制限が少なく、価格面で有利なPF6 塩が使用でき
る。
【0063】
【表1】 (実施例2)次いで、エポキシ樹脂に代えてo−クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社
製エピコート180H65)を使用した以外は、実施例
1と同様の手順を行って、同様の評価を行った。結果を
表2に示す。
【0064】
【表2】 この表2から明らかなように、実施例1と同様に本発明
の熱重合開始剤を用いることで、高い架橋密度を有する
硬化物が容易に得られることが理解される。
【0065】(実施例3)次に、本発明の熱重合性組成
物を液体噴射ヘッドの構成材料として使用した例を示
す。
【0066】図1および図2に示す操作手順に準じて、
液体噴射ヘッドを作製した。
【0067】まず、液体吐出エネルギー発生素子として
の電気熱変換素子(材質HfB2からなるヒーター)を
形成したガラス基板上1に、YAGレーザーによってイ
ンク供給のための貫通穴3を開けた(図1)。
【0068】その基板上に溶解可能な樹脂層としてポリ
メチルイソプロピルケトン(東京応化工業(株)社製O
DUR−1010)をPET上に塗布・乾燥し、ドライ
フィルムとしたものをラミネートにより転写した。な
お、ODUR−1010は低粘度で厚膜形成できないた
め、濃縮して用いた。次いで、120℃にて20分間プ
リベークした後、キヤノン製マスクアライナーPLA5
20(コールドミラーCM290使用)にてインク流路
のパターン露光を行なった。露光は1.5分間、現像は
メチルイソブチルケトン/キシレン=2/1(重量
比)、リンスはキシレンを用いた。そのレジストパター
ン4は、インク供給口3と電気熱変換素子2とのインク
流路を確保するためのものであり、その流路となるとこ
ろにレジストパターンを残存せしめた(図2(a))。
なお、現像後のレジストの膜厚は12μmであった。
【0069】次いで、表3に示したエポキシ樹脂および
硬化剤を、キシレン/メチルイソブチルケトン混合溶媒
に溶解し、スピンコートにて被覆層5として形成した
(図2(b))。そして表3に示した硬化条件にて硬化
反応を行なった。なお、被覆層5は、インク流路パター
ン上で10μmの厚さとした。
【0070】
【表3】 その硬化樹脂被膜上にシリコン系ネガレジスト(SN
R:トーソ社)を膜厚0.3μmにてスピンコートし、
80℃にて20分間ベ−クした。このシリコン系レジス
ト層6に対してインク供給口に相当するパターンのマス
クを重ね、光照射を施した(図2(c))。光照射は、
キヤノン製マスクアライナーPLA−520を遠紫外用
にしたものを使用し、コンタクト露光にて実施した。ま
た、反射ミラーは250nm用のものを使用した。なお
その層の露光量は、約60mJ/cm2である。トルエ
ンにて1分間を要して現像した後、イソプロピルアルコ
ールに30秒間浸漬してリンスを行なった。本シリコン
系レジストはネガ型レジストであり、インク吐出口のパ
ターン形成は抜きパターンの形成となり、微細なパター
ン形成には不利ではあるが、レジスト膜厚が薄いため、
φ2μm程度までのパターン形成が可能である。なお、
本実施例ではφ15μmの吐出口パターンを形成した。
【0071】次いで、その基板を平行平板型ドライエッ
チング装置(アネルバ社:DEM−451)に導入し、
酸素プラズマにてエポキシ樹脂層のエッチングを行なっ
た。酸素ガス圧力は15Pa、投入電力は150W/c
2、エッチング時間は60分間とした(図2
(d))。エッチングにてインク吐出口7が貫通した。
なお、酸素ガス圧力や投入電力を変化させることによ
り、エッチングの異方性の程度を変化させることが可能
であり、吐出口の深さ方向への形状制御も若干は可能で
ある。また、マグネトロン型エッチング装置において
は、さらにエッチング時間を速められることが報告され
ており、その装置の使用はスループットの向上に効果的
となる。
【0072】次いで溶解可能な樹脂層(ODUR−10
10)を溶解除去するため、PLA−520(CM29
0使用)にて2分間露光し、メチルイソブチルケトン中
に浸漬し、超音波洗浄器にて超音波を付与しながらOD
UR−1010を溶出して、インク流路8を形成した
(図2(e))。
【0073】最後に、図2(f)に示すように、インク
供給口にインク供給部材9を接着して液体噴射ヘッドを
作製した。
【0074】このようにして作製した液体噴射ヘッドを
液体噴射装置に装着し、純水/グリセリン/ダイレクト
ブラック154(水溶性黒色染料)=65/30/5か
ら成るインクを用いて記録を行なったところ、安定な印
字が可能であった。
【0075】次いで、前記インクを充填した状態で、ヒ
ートサイクル試験(−30℃→室温→60℃の昇温で各
温度に2時間保持し、それを10サイクル繰り返した)
を行なった後、再び印字試験を行なったところ、安定的
な印字が可能であった。さらに、前記インクを充填した
状態で60℃で1ヵ月間保存した後に印字試験を行った
ところ、やはり安定した印字が可能であった。また、前
記条件を経験したヘッドを顕微鏡を用いて詳細に観察し
たところ、ノズル部の浮き(干渉縞)は全く観測されな
かった。
【0076】次に、固体インクとしてエチレンカーボネ
ート/1,12−ドデカンジオール/CI.Solve
nt Black 3(油溶性黒色染料)=48/48/
4からなるインクを用いて実施例3のヘッドで記録を行
なったところ、安定的な印字が可能であった(固体イン
クを液状に維持するために、記録時にはヘッドは100
℃に加熱したが、ヘッド部は十分な耐熱性を示し、変形
するようなことはなかった。)。
【0077】以上、本実施例から明らかなように、本発
明の熱重合性組成物をノズル構成部材に使用すること
で、対熱性、対薬品性、基板に対する密着力に優れた液
体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を得ることができる。
【0078】本発明は、特に液体噴射方式の中でも、熱
エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行なう
インクジェット方式の液体噴射ヘッドおよび液体噴射装
置において、優れた効果をもたらすものである。
【0079】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアンス型のいず
れにも適用可能である。
【0080】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるよ
うな急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、液体噴射ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせ
る。このように液体(インク)から電気熱変換体に付与
する駆動信号に一対一対応した気泡を形成できるため、
特にオンデマンド型の記録法には有効である。この気泡
の成長、収縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の
吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動
信号としては、米国特許第4463359号明細書、同
4345262号明細書に記載されているようなものを
が適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関す
る発明の米国特許第4313124号明細書に記載され
ている条件を採用すると、さらに優れた記録を行なうこ
とができる。
【0081】液体噴射ヘッドの構成としては、上述の各
明細書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱
変換体を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液
流路)の他に、米国特許第4558333号明細書、米
国特許第4459600号明細書に開示されているよう
に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つも
のも本発明に含まれる。
【0082】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0083】さらに、本発明が有効に利用される液体噴
射ヘッドとしては、液体噴射装置が記録できる記録媒体
の最大幅に対応した長さのフルラインタイプの液体噴射
ヘッドがある。このフルラインヘッドは、上述した明細
書に開示されているような液体噴射ヘッドを複数組み合
わせることによってフルライン構成にしたものや、一体
的に形成された一個のフルライン液体噴射ヘッドであっ
ても良い。
【0084】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの液体噴射ヘッ
ド、あるいは液体噴射ヘッド自体に一体的に設けられた
カートリッジタイプの液体噴射ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0085】また、本発明の液体噴射装置に、液体噴射
ヘッドに対する回復手段や、予備的な補助手段などを付
加することは、本発明の液体噴射装置を一層安定にする
ことができるので好ましいものである。これらを具体的
に挙げれば、液体噴射ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気
熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれ
らの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の予備
吐出モードを行なう手段を付加することも安定した記録
を行なうために有効である。
【0086】さらに、液体噴射装置の記録モードとして
は黒色などの主流色のみを記録するモードだけではな
く、液体噴射ヘッドを一体的に構成したものか、複数個
を組み合わせて構成したものかのいずれでも良いが、異
なる色の複色カラーまたは、混色によるフルカラーの少
なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
【0087】以上では液体インクを用いて説明している
が、本発明では室温で固体状であるインクであっても、
室温で軟化状態となるインクであっても用いることがで
きる。上述の液体噴射装置ではインク自体を30℃以上
70℃以下の範囲内で温度調整を行なってインクの粘性
を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的
であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなす
ものであれば良い。
【0088】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するかまたは、インクの蒸発防止を目的として放置
状態で固化するインクを用いることもできる。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化してインク液状として吐出するものや記録媒
体に到達する時点ではすでに固化し始めるものなどのよ
うな、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質
を持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0089】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としても良い。
【0090】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0091】図3は、本発明により得られた液体噴射ヘ
ッドをインクジェットヘッドカートリッジ(IJC)と
して装着した液体噴射装置(IJRA)の一例を示す外
観斜視図である。
【0092】図3において、20はプラテン24上に送
紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行
なうノズル群を具えた液体噴射ヘッドカートリッジ(I
JC)である。16はIJC20を保持するキャリッジ
HCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆動ベ
ルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された2本
のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能とする
ことにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往復移
動が可能となる。
【0093】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置
26のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピ
ングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜
の吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイ
ンク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送
を行ない、インクを吐出口より強制的に排出させること
によりノズル内の増粘インクを除去するなどの吐出回復
処理を行なう。また、記録終了時などにキャッピングを
施すことによりIJCが保護される。
【0094】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵埃などを拭き取るもので
ある。
【0095】
【発明の効果】以上説明した本発明によってもたらされ
る効果としては、下記に列挙する項目が挙げられる。
【0096】1)本発明による熱重合性組成物は、従来
の熱重合性組成物に比して高い架橋密度の硬化物を与
え、そのガラス転移点は従来光反応によって得られてい
るものと同等かそれ以上の値を示す。すなわち、本発明
によれば、Deep−UV光源などを必要とせず簡便な
手段にて加熱するだけで高い架橋密度の硬化物を得るこ
とができる。
【0097】2)従来の芳香族オニウム塩の光反応で
は、高い架橋密度を得ようとすると、その対アニオンと
して高価なものを必要としたが、本発明によれば価格的
に有利なPF6 を対アニオンとする芳香族オニウム塩を
用いても十分に高い架橋密度の硬化物を得ることができ
る。
【0098】3)本発明の熱重合性組成物を液体噴射ヘ
ッドのノズル構成部材に用いることで、記録液との相互
作用が少なく、耐熱性、密着性に優れた液体噴射ヘッ
ド、さらには高信頼性の液体噴射装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク流路、オリフィス部形成前の基板の模式
的斜視図である。
【図2】本発明の液体噴射ヘッドの製造方法の1実施態
様を示す工程図である。
【図3】本発明に係わるインクジェット記録ヘッドを備
えた記録装置の1例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 電気熱変換素子 3 インク供給口 4 レジストパターン 5 被覆層 6 レジスト層 7 インク吐出口 8 インク流路 9 インク供給部材 16 キャリッジ 17 駆動モータ 18 駆動ベルト 19A,19B ガイドシャフト 20 インクジェットヘッドカートリッジ 22 クリーニング用モータ 23 伝動機構 24 プラテン 26 キャップ部材 30 ブレード 30A ブレード保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B05C 5/00 B41J 3/04 103H

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)カチオン重合可能な樹脂 (B)芳香族オニウム塩 (C)銅トリフラート(トリフルオロメタンスルホン酸
    銅(II))からなる熱重合性組成物であって、前記芳
    香族オニウム塩の対イオンが、BF4 -、AsF6 -、PF
    6 -およびCF3SO3 -からなる群のうちの少なくとも1
    つであることを特徴とする熱重合性組成物。
  2. 【請求項2】 前記芳香族オニウム塩が、芳香族ヨード
    ニウム塩である請求項1記載の熱重合性組成物。
  3. 【請求項3】 前記芳香族オニウム塩が、芳香族スルフ
    ォニウム塩である請求項1記載の熱重合性組成物。
  4. 【請求項4】 少なくとも、 液体吐出エネルギー発生素子が形成された基体上に、所
    定の溶剤に可溶な樹脂層にてインク流路を形成する工
    程、 該可溶性樹脂層上に請求項1ないし3のいずれかに記載
    の熱重合性組成物からなる被覆樹脂層を形成する工程、 該被覆樹脂層表面に酸素プラズマ耐性の高い材料にてイ
    ンク吐出口パターンを形成する工程、 該インク吐出孔パターンをマスクとして酸素プラズマに
    て前記被覆樹脂層をドライエッチングしてインク吐出口
    を形成する工程、ならびに前記可溶性樹脂層を所定の溶
    剤で溶出除去する工程とを含む液体噴射ヘッドの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の方法で製造される液体噴
    射ヘッド。
  6. 【請求項6】 液体吐出エネルギー発生素子が電気エネ
    ルギーを与えることによって発熱し、液体に状態変化を
    生ぜしめて吐出を行なわせるための電気熱変換体である
    請求項5記載の液体噴射ヘッド。
  7. 【請求項7】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    る請求項5または6記載の液体噴射ヘッド。
  8. 【請求項8】 記録媒体の被記録面に対向して液体を吐
    出するための液体吐出口が設けられている請求項5ない
    し7のいずれかにに記載のヘッドと、該ヘッドを載置す
    るための部材とを少なくとも具備する液体噴射装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007098844A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Canon Inc インクジェットヘッドの製造方法
WO2013062081A1 (ja) * 2011-10-27 2013-05-02 富士フイルム株式会社 硬化物の製造方法および硬化物

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