JPH09319290A - 計算機ホログラム、そのデータ作成方法及びその作成装置 - Google Patents

計算機ホログラム、そのデータ作成方法及びその作成装置

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JPH09319290A
JPH09319290A JP13165596A JP13165596A JPH09319290A JP H09319290 A JPH09319290 A JP H09319290A JP 13165596 A JP13165596 A JP 13165596A JP 13165596 A JP13165596 A JP 13165596A JP H09319290 A JPH09319290 A JP H09319290A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平方向のみの干渉縞を記録する計算機ホロ
グラムに対して光が垂直方向に回折する効果を高め、該
ホログラムによる再生像を上下方向の広い視域範囲で観
賞できるようにする。 【解決手段】 ホログラム全体を構成する干渉縞形成領
域(計算機ホログラム)10に、同領域を水平方向に分
割して形成される要素領域12を単位に、干渉縞が形成
されている計算機ホログラムにおいて、要素領域毎12
に、水平方向に同一のパターンを有する干渉縞列14
を、垂直方向に一方向性光学素子を構成する配列で形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、再生像を観
賞するためのディスプレイ用ホログラムに適用して好適
な計算機ホログラム、そのデータ作成方法及びその作成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物体の3次元情報を物体からの反射光で
ある物体光と参照光との干渉現象を利用してフィルム等
の物理的媒体に記録し、その記録媒体に参照光と同様の
再生光を照射した際の光の回折現象を利用して物体像を
再生表示する技術としてホログラフィがある。又、この
ような光の干渉現象を利用して物体の3次元情報を物理
的媒体に記録したものをホログラムという。
【0003】又、ホログラムには、このように実際に光
の干渉現象を利用して作成するもの以外に、計算機上で
対象物に相当する3次元の対象物データを基に干渉縞を
ディジタルデータとして表わした干渉縞データを作成
し、それを物理的な媒体に記録して作成する、いわゆる
計算機ホログラムも知られている。
【0004】この計算機ホログラムは、図12に光学ホ
ログラムを模した計算モデルを模式的に示すように、対
象物表面からの反射光である物体光を、該表面上の○印
で示す点光源(サンプル点)からの光と仮定し、3次元
的な拡がりを持つ各点光源(便宜上、2次元的に示して
ある)からの物体光と、参照光との干渉縞を計算機上で
求め、それを物理媒体上の各サンプル点(図には1点で
の干渉の様子のみを代表して示してある)に記録して計
算機ホログラムが作成される。このようにして作成され
た計算機ホログラムは、図13に示すように再生光を照
射すると、ホログラム上の各サンプル点からの光が瞳に
入射するため、立体的な物体像として観察できる。
【0005】上記のように、物体光が対象物上の3次元
的な拡がりのある点光源から媒体に入射されるとして、
即ち水平方向にも垂直方向にも視差を持った像の再生を
意図して計算機ホログラムを作成すると、このホログラ
ムによってはどの方向にも立体的に拡がりのあるホログ
ラム像を観察することができる。ところが、このように
3次元的な拡がりのある点光源からの物体光に基づく干
渉縞データを計算機上で作成するには、演算量が膨大と
なる。
【0006】そこで、計算機ホログラムには、垂直方向
のホログラム像の立体的な拡がりを犠牲にし、対象物の
水平方向のみに視差を持った像の再生を意図して、図1
4に計算モデルを模式的に示すように、水平方向のみに
相関を有する物体光を計算機上で仮想的に生成し、干渉
領域の水平方向1ライン毎に干渉縞データを生成し、そ
れを媒体上に1:1に対応させて1ライン毎に水平方向
に記録して計算機ホログラムを作成することが行われて
いる。
【0007】図15には、このようにして作成された計
算機ホログラム(干渉縞形成領域)10と、その一部を
拡大して模式的に示したもので、この拡大図には干渉縞
の水平方向の形成単位である1ライン分の要素領域と、
その上下に位置する他の要素領域の一部が示してある。
ここで言う干渉縞は、水平方向に並んだ、要素領域の幅
を長さとする多数の短冊で構成される縞模様である。
【0008】このように作成した計算機ホログラムは、
もとより垂直方向の干渉を無視して作成してあるため、
図16に示すように、再生光を照射して像を再現した場
合、垂直方向には立体的な拡がりのある像は観察されな
いが、データ量を大幅に削減できるため、ホログラムデ
ータの作成が容易であることから一般に利用されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法により作成された水平方向のみに視差を持った干渉縞
データを、物理的媒体に記録した計算機ホログラムは、
光が垂直方向に回折する効果が弱いため、再生像を観察
できる上下方向の視域角が狭く、観賞し難いという問題
があった。
【0010】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、水平方向のみの干渉縞を記録する計
算機ホログラムに対して、光が垂直方向に回折する効果
を高め、該ホログラムによる再生像を上下方向の広い視
域にわたって観賞することができる計算機ホログラム、
そのデータ作成方法及びその作成装置を提供することを
課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホログラム全
体を構成する干渉縞形成領域に、同領域を水平方向に分
割してなる要素領域を単位として、干渉縞が形成されて
いる計算機ホログラムにおいて、要素領域毎に、水平方
向に同一のパターンを有する干渉縞列を、垂直方向に一
方向性光学素子を構成する配列で形成することにより、
前記課題を解決したのものである。
【0012】本発明は、又、ホログラム全体の干渉縞デ
ータを記述する干渉縞計算領域に、同領域を水平方向に
分割してなるデータ上の要素領域を単位として、対応す
る対象物データを基に計算される水平方向の干渉縞デー
タを記述する計算機ホログラムのデータ作成方法におい
て、要素領域毎に、水平方向の代表ラインについて計算
される干渉縞データを、垂直方向に一方向性光学素子を
構成する配列に複写し、干渉縞データ列を作成すること
により、同様に前記課題を解決したものである。
【0013】本発明は、更に、ホログラム全体を構成す
る干渉縞形成領域に、同領域を水平方向に分割してなる
要素領域を単位として、干渉縞が形成されている計算機
ホログラムを作成する計算機ホログラムの作成装置にお
いて、ホログラムとして記録する対象物に相当する対象
物データを作成する手段と、対象物データ上の対象物の
領域及びホログラム全体の干渉縞データを記述する干渉
縞計算領域をそれぞれ初期条件として設定する手段と、
干渉縞計算領域を分割して、要素領域を設定する手段
と、要素領域毎に、水平方向の代表ラインについて干渉
縞データを計算する手段と、要素領域に形成する一方向
性光学素子の種類を選択する手段と、要素領域毎に、計
算された代表ラインの干渉縞データを、垂直方向に一方
向性光学素子を構成する配列に複写して干渉縞データ列
を作成する複写手段と、作成された干渉縞データ列を、
ホログラム作成装置用のデータに変換する手段と、を備
えたことにより、同様に前記課題を解決したものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明に係る一実施の形態の計算
機ホログラムの特徴を模式的に示す、前記図15に相当
する図である。
【0016】この計算機ホログラム10は、前記図15
に示した従来のものと同様に、ホログラム全体を構成す
る物理的媒体上の干渉縞形成領域に、同領域を水平方向
に分割して形成される要素領域12を単位として、干渉
縞が形成されているものである。しかも、この計算機ホ
ログラム10には、要素領域12毎に、水平方向に同一
のパターンを有する干渉縞列14が、垂直方向の一方向
性光学素子である回折格子を構成する配列、即ち垂直方
向に同一の幅の干渉縞列14が同一の間隔で形成されて
いる。
【0017】この計算機ホログラム10を具体的に説明
すると、上記要素領域12は、その垂直方向の幅Aが、
例えば約80μm、水平方向に縞模様を形成するように
配列された干渉縞列14の幅Bと、その形成間隔Cは、
例えばそれぞれ0.5μmで、又、図中Dで示す縞模様
の単位を、例えば0.15μmで形成することができ
る。
【0018】このように、水平方向に同一の縞模様から
なる干渉縞列14を、上記寸法で形成することにより、
各要素領域12に約80本の干渉縞列14からなる回折
格子が形成されたホログラム構造にできるため、図2
に、その拡大断面図(前記図1のII−II線における断面
図に相当する)を模式的に示すように、平行光が入射し
たとすると、垂直方向へ光を回折させ、拡散させること
が可能となる。その結果、上記計算機ホログラム10を
観察できる上下方向の視域角を広げることが可能とな
る。従って、この計算機ホログラム10を用いることに
より、観賞し易いディスプレイ用ホログラムを提供する
ことが可能となる。
【0019】上記要素領域12に形成する一方向性光学
素子としては、上記回折格子の他に、フレネルゾーンプ
レート(フレネル輪帯板)としてもよい。このフレネル
ゾーンプレートは、平面図を図3(A)に、干渉縞列に
斜線を付して、又、断面図を同図(B)に、ぞれぞれ模
式的に示すように、中心に近付くほどその幅を広くする
ことにより構成できる。このような配列で干渉縞列を形
成することにより、図3(B)に矢印で示すように、入
射光を一方向に拡散させる機能を各要素領域に付与でき
るので、入射した光を上下方向に拡散させることができ
る。この場合、干渉縞列14の幅と配置間隔はフレネル
ゾーン状に限らず、光を上下方向に拡散させる機能を付
与できればよいので、例えば等間隔で幅を少しずつ変え
るようにしてもよい。又、中心に近付くほどその幅を狭
くするようにしてもよい。
【0020】図4は、上記計算機ホログラムを作成する
装置を示したブロック図である。この作成装置は計算機
ホログラムのデータを作成するまでの各処理を行う機能
(後に詳述する)を有する対象物データ作成部20、初
期条件設定部22、要素領域設定部24、干渉縞データ
計算部26、光学素子選定部28、干渉縞データ2値化
部30及び干渉縞データ複写部32からなる計算機ホロ
グラムデータ作成部を備えている。又、この作成装置
は、作成された上記ホログラムデータを描画装置用デー
タに変換するデータ変換部34と、変換後のデータを用
いてホログラムを作成する描画装置36と、作成された
ホログラムを原版として計算機ホログラムの製品化を行
う後加工装置38とを備えている。
【0021】上記計算機ホログラムデータ作成部では、
ホログラム全体の干渉縞データを記述する干渉縞計算領
域に、同領域を水平方向に分割してなるデータ上の要素
領域を単位として、対応する対象物データを基に計算さ
れる水平方向の干渉縞データを記述することにより計算
機ホログラムのデータ作成が実行される。
【0022】これを、対象物データと干渉縞計算領域と
の関係を模式的に示した図5を用いて説明する。図5
(A)に示した対象物データは3次元の座標値で記述さ
れた物体データである。この対象物データを基に、同図
(B)に示したホログラム全体の干渉縞データを記述す
る干渉縞計算領域10Aに、計算機ホログラムデータを
作成する場合は、同領域10Aを水平方向に分割して形
成されるデータ上の要素領域12Aを単位として、これ
に対応する対象物データ(図中網掛で示した1ライン分
に当り、これは従来の計算単位の1ライン分と同じ)を
基に水平方向の干渉縞データを計算し、それを同要素領
域12Aに記述する。同様の方法で、他の全ての要素領
域12Aについて干渉縞データを求め、それを順に記述
することにより、上記計算機ホログラムデータが作成さ
れる。
【0023】その際、以下に詳述するように、要素領域
12A毎に、水平方向の代表ラインについて計算される
干渉縞データを、垂直方向の一方向性光学素子を構成す
る配列に複写して干渉縞データ列(ホログラムにおける
干渉縞列に相当する)を作成する。
【0024】次に、図6に示すフローチャートに基づい
て計算機ホログラムの作成工程を説明する。
【0025】まず、ステップ1において対象物データ作
成部20を用いて、前記図5(A)に示したような対象
物データを計算機上で作成する。この対象物データは、
干渉縞データを計算する対象物を定義するデータであ
り、この対象物は任意の標本点数でサンプルされたディ
ジタルデータであればよい。従って、対象物は文字、パ
ターン、画像、平面、立体の如何を問わない。例えば、
パーソナルコンピュータのモニタに表示された文字や画
像を対象物として定義してもよく、3次元コンピュータ
・グラフィックスを作成し、これを対象物と定義しても
よい。従って、各サンプル点において値を持ったディジ
タルデータであればよいので、この作成部20としては
市販の画像作成ツールを用いてもよい。
【0026】次に、ステップ2において、初期条件設定
部22を用いて、計算機ホログラムデータ作成の初期条
件として、対象物の領域と干渉縞計算領域とを設定す
る。対象物の領域の設定は、前記図5(A)のデータで
干渉縞の計算を行う座標範囲を指定することに、又、干
渉縞計算領域の設定は、同図(B)の干渉縞計算領域1
0Aの大きさを指定することに当たる。
【0027】次に、ステップ4において、要素領域設定
部24を用いて、上で設定した干渉縞計算領域10Aを
水平方向に所定の数に分割する。分割数は、作成する計
算機ホログラムのサイズ等により変更される。
【0028】次に、ステップ4において、干渉縞データ
計算部26を用いて、上で決定したデータ上の要素領域
12A毎に、その代表ライン、例えば中心ラインを干渉
縞データ計算ラインとして、そのラインに相当する対象
物データに基づいて1ライン分の干渉縞データを計算で
求める。
【0029】この干渉縞データ計算部26で行う計算に
ついて、図7に示す計算モデルの断面図を参照しながら
説明すると、前記図5(B)に示した干渉縞計算領域1
0Aのサンプル点(x,y)における干渉縞データI
(x,y)は、同サンプル点(x,y)に到達した物体
光O(x,y)と参照光R(x,y)により、次の
(1)式で計算される。この式による計算は1ライン毎
に、即ち、1回の計算の間はyを固定して行われる。
【0030】 I(x,y)=|O(x,y)+R(x,y)|2 …(1)
【0031】又、上記物体光O(x,y)は、図7に示
す対象物データ上のN個の各サンプル点(点光源)から
の合成波であるので、次の(2)式のように表わすこと
ができる。
【0032】
【数1】 ここで、Oi :サンプル点iの物体光(点光源)の振幅 ri (x,y):サンプル点iからの距離 k:波数(2π/λ) φi :サンプル点iの物体光(点光源)の初期位相
【0033】更に、この実施の形態では、参照光として
平行光を用いているため、これを(3)式のように表わ
すことができる。
【0034】 R(x,y)=Ro exp(jkxsin(θ)+jφr ) …(3) ここで、Ro :振幅 θ:参照光の入射角 φr :初期位相
【0035】この実施の形態では、前記図5で説明した
ように、上記図7に示した物体光は、同図のx−z平面
においてのみ進行し、y方向には進行しない波として扱
っている。従って、y方向の他の断面(x−z平面)と
の相関はなく、前述した如く、干渉縞はこの各断面毎に
独立に、即ちyを固定して計算される。従って、干渉縞
計算領域10Aは複数のストライプ状の領域である前記
データ上の要素領域12Aに分割される。
【0036】図8には、干渉縞データを計算する基本単
位である、対象物データの水平方向1ラインと、これに
対応するデータ上の要素領域12Aとの関係を模式的に
示す。図中、手前に位置する小さい正方形は対象物デー
タの単位を示ており、該データ単位は、便宜上ここでは
平面的に配列されているが、実際には前記図7に示され
た対象物データの場合と同様に、z方向に変化している
3次元データである。
【0037】そして、物体光は上記データ単位の中心に
○印で示した点光源からの光と仮定して計算する。即
ち、水平方向に並ぶ対象物データの単位の各中心に位置
する点光源からの光の干渉により、後方に位置する計算
機ホログラム10上の1つの要素領域12の中心ライン
(代表ライン)上に干渉縞が生成するとして、そのデー
タが計算される。この計算で得られる1ライン分の干渉
縞データを模式的に示したのが図9(A)である。
【0038】次に、ステップ5において、光学素子選定
部28を用いて、干渉縞データを複写する幅と間隔を設
定する。即ち、回折格子を選択する場合は、同一幅で等
間隔に、フレネルゾーンプレートの場合は、中心ほど幅
を広く、又、場合によっては、中心ほど幅を狭くするよ
うに寸法を設定する。ここでは回折格子を選定したもの
として以下の説明を行う。
【0039】次のステップ6では、2値化部30を用い
て、前記干渉縞計算部26で計算して得られた、上記図
9(A)に示したような1ライン分の干渉縞データを、
所定の閾値を設定して2値化し、同図(B)に示したよ
うなバイナリデータとする。
【0040】次に、ステップ7において、データ複写部
32を用いて、図10に前記図8と同一の大きさのデー
タ上の要素領域12Aを後方に、それを拡大した状態を
手前にそれぞれ概念的に示したように、要素領域12A
毎に2値化された中心1ライン分の干渉縞データを、ホ
ログラムにすると回折機能を発揮するように間欠的に複
写する。この図10では、中心1ライン分の干渉縞デー
タを、該中心より上の領域に4本複写した状態が模式的
に示してある。その後、同様に下の領域にも4本複写す
る。この図の場合は、中心部にも同一幅で複写したとす
ると、合計9本の干渉縞データ列が1つの要素領域12
Aに作成される場合が示してある。上記データ複写部3
2による複写処理により、この実施の形態による計算機
ホログラムデータの作成が完了する。
【0041】次に、ステップ8において、データ変換部
34を用いて、上記データ複写部32より作成された計
算機ホログラムデータが、計算機上のバイナリデータで
あるため、これを荷電粒子ビーム描画装置36を制御駆
動するための描画装置用フォーマットのデータに変換
し、それを描画データとする。図9(C)は、この描画
データを模式的に示したものである。
【0042】次に、ステップ9において、描画装置36
を用いて、上記描画データを用いて装置を駆動し、荷電
粒子ビームにより物理的媒体を描画し、計算機ホログラ
ムを作成する。その結果、干渉縞列の本数は、前記図1
0に示した干渉縞データ列の本数とは異なるが、前記図
1に示した計算機ホログラムが得られる。
【0043】この描画装置36としては、例えば日本電
子株式会社製の電子ビーム描画装置を用いることができ
る。この描画装置36を、フォーマット変換した上記描
画データで制御しながら駆動し、ガラス基板上に塗布さ
れたレジスト膜(物理的媒体)に電子線ビームで描画し
て、レジスト膜を所定のパターンに硬化した後、未硬化
部分を除去する現像を行うことにより、計算機ホログラ
ムは完成する。このようにして作成された計算機ホログ
ラムには、前述した如く、要素領域12毎に同一パター
ンの干渉縞列14が間欠的に形成されることになるが、
そのパターンの断面は前記図9(C)の描画データに相
当する。
【0044】次に、ステップ10において、後加工装置
38を用いて、以上のようにして作成された計算機ホロ
グラムを原版として大量生産する場合の処理が行われ
る。具体的には、図11(A)に示す、上記描画装置3
6により描画した後、現像して作成されたレジストから
なる計算機ホログラムの表面に、蒸着法や無電解めっき
法により導電性金属被膜を形成して同図(B)の状態に
した後、該金属被膜を電極としてニッケル等の金属を厚
くめっきし、同図(C)に示すような金属スタンパを作
成する。その後、レジスト面から剥離した上記金属スタ
ンパを用いて熱可塑性樹脂からなるフィルムを熱プレス
するエンボス複製により、計算機ホログラム(エンボス
ホログラム)を量産する。
【0045】実際のプレス装置では、多面付けされたス
タンパを用いて、フィルム原反(例えば、PET/アク
リル樹脂/アルミ蒸着によりなる多層構造のフィルム)
に対して、プレスしてホログラムが作成される。
【0046】このようにして作成された計算機ホログラ
ムに対しては、必要に応じてシール加工が施される。こ
れは、粘着剤(例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体を主成分とするもの)を、上記多層構造の場合はプレ
ス後のアルミ蒸着面に塗布して、剥離紙(例えば、PE
T)を張り付けることにあたる。
【0047】以上詳述した如く、この実施の形態によれ
ば、計算機によって作成される干渉縞データに、媒体に
ホログラムとして記録した際に回折格子又は凸レンズ列
等の一方向性光学素子と同様に機能させるデータを混在
させることができる。従って、このデータを荷電粒子ビ
ーム描画装置を用いて2値パターンとして物理的媒体に
描画することにより、垂直方向に回折効果の高い計算機
ホログラムを作成することができる。
【0048】以上、本発明を具体的に説明したが、本発
明は、前記実施の形態に示したものに限られるものでな
く、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0049】例えば、前記実施の形態では、2値化部3
0がデータ複写部32の前に設けられ、干渉縞データの
2値化を複写する前に実行する場合を示したが、逆に、
2値化部をデータ複写部32の後方に設置し、干渉縞デ
ータをコピーする作業が完了した後に2値化を行うよう
にしてもよい。但し、前記実施の形態のように先に2値
化する方が、処理を短時間で行うことができる。
【0050】又、前記実施の形態では、要素領域に形成
する干渉縞列について、幅と間隔の寸法を具体例を挙げ
て示したが、この間隔等は回折効果を生じさせるもので
あれば、任意の寸法でよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
水平方向のみの干渉縞を記録する計算機ホログラムに対
して光が垂直方向に回折する効果を高めることができる
ため、該ホログラムによる再生像を上下方向の広い視域
範囲にわたって観賞することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施の形態の計算機ホログラム
を模式的に示す説明図
【図2】要素領域に形成された回折格子による作用を示
す線図
【図3】要素領域に形成されたフレネルゾーンプレート
とその作用を示す線図
【図4】本発明に係る一実施形態の計算機ホログラム作
成装置の概略構成を示すブロック図
【図5】対象物データと干渉縞計算領域及び要素領域の
関係を示す説明図
【図6】この実施の形態における計算ホログラムの作成
工程を示すフローチャート
【図7】干渉縞データの計算モデルを示す説明図
【図8】干渉縞データを計算する基本単位を示す説明図
【図9】干渉縞データ、バイナリデータ、描画データの
関係を示す線図
【図10】干渉縞データ列の作成の仕方を模式的に示す
説明図
【図11】計算機ホログラムの量産化までの処理手順を
示す説明図
【図12】光学ホログラムを模した計算モデルを示す説
明図
【図13】図12の計算モデルと、再生光による像の再
生を示す説明図
【図14】水平方向のみ相関を有する物体光を用いた計
算モデルを示す説明図
【図15】図14の計算モデルを基に作成された計算機
ホログラムを模式的に示す説明図
【図16】図14の計算モデルと、再生光による像の再
生を示す説明図
【符号の説明】
10…計算機ホログラム 10A…干渉縞計算領域 12…要素領域 12A…データ上の要素領域 14…干渉縞列 20…対象物データ作成部 22…初期条件設定部 24…要素領域設定部 26…干渉縞データ計算部 28…光学素子選定部 30…干渉縞2値化部 32…干渉縞データ複写部 34…データ変換部 36…描画装置 38…後加工装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホログラム全体を構成する干渉縞形成領域
    に、同領域を水平方向に分割してなる要素領域を単位と
    して、干渉縞が形成されている計算機ホログラムにおい
    て、 要素領域毎に、水平方向に同一のパターンを有する干渉
    縞列が、垂直方向に一方向性光学素子を構成する配列で
    形成されていることを特徴とする計算機ホログラム。
  2. 【請求項2】ホログラム全体の干渉縞データを記述する
    干渉縞計算領域に、同領域を水平方向に分割してなるデ
    ータ上の要素領域を単位として、対応する対象物データ
    を基に計算される水平方向の干渉縞データを記述する計
    算機ホログラムのデータ作成方法において、 要素領域毎に、水平方向の代表ラインについて計算され
    る干渉縞データを、垂直方向に一方向性光学素子を構成
    する配列に複写し、干渉縞データ列を作成することを特
    徴とする計算機ホログラムのデータ作成方法。
  3. 【請求項3】ホログラム全体を構成する干渉縞形成領域
    に、同領域を水平方向に分割してなる要素領域を単位と
    して、干渉縞が形成されている計算機ホログラムを作成
    する計算機ホログラムの作成装置において、 ホログラムとして記録する対象物に相当する対象物デー
    タを作成する手段と、 対象物データ上の対象物の領域及びホログラム全体の干
    渉縞データを記述する干渉縞計算領域をそれぞれ初期条
    件として設定する手段と、 干渉縞計算領域を分割して、要素領域を設定する手段
    と、 要素領域毎に、水平方向の代表ラインについて干渉縞デ
    ータを計算する手段と、 要素領域に形成する一方向性光学素子の種類を選択する
    手段と、 要素領域毎に、計算された代表ラインの干渉縞データ
    を、垂直方向に一方向性光学素子を構成する配列に複写
    して干渉縞データ列を作成する複写手段と、 作成された干渉縞データ列を、ホログラム作成装置用の
    データに変換する手段と、を備えていることを特徴とす
    る計算機ホログラムのデータ作成装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、 干渉縞データを2値化する手段が、前記複写手段より前
    に設置されていることを特徴とする計算機ホログラムの
    データ作成装置。
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