JPH09320638A - 非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池

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JPH09320638A
JPH09320638A JP8153122A JP15312296A JPH09320638A JP H09320638 A JPH09320638 A JP H09320638A JP 8153122 A JP8153122 A JP 8153122A JP 15312296 A JP15312296 A JP 15312296A JP H09320638 A JPH09320638 A JP H09320638A
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absorption peak
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雅治 東口
Keiichiro Uenae
圭一郎 植苗
Masayuki Yoshiya
正幸 芳屋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウム含有遷移金属酸化物を活物質とする
正極、炭素材料を活物質とする負極、有機溶媒系の電解
液およびセパレータを有する非水二次電池において、サ
イクル特性を向上させる。 【解決手段】 上記のリチウム含有遷移金属酸化物を活
物質とする正極、炭素材料を活物質とする負極、有機溶
媒系の電解液およびセパレータを有する非水二次電池に
おいて、変調周波数1.6kHzのPAS(光音響分光
法)分析測定により得られたセパレータの負極と対向す
る側の赤外PASスペクトルについて、1739cm-1
付近の特性吸収ピーク強度(光音響信号強度)と292
2cm-1付近の特性吸収ピーク強度(光音響信号強度)
との比を0.001以上0.1以下にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水二次電池に関
し、さらに詳しくは、サイクル特性が優れた非水二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池に代表される非水二次
電池は、放電容量が大きく、高電圧、高エネルギー密度
であることから、その発展に対して大きな期待が寄せら
れている。
【0003】この非水二次電池では、有機溶媒にリチウ
ム塩を溶解させた有機溶媒系の電解液を用い、負極活物
質としてリチウムまたはリチウム合金を用いているが、
それらの負極活物質による場合、内部短絡を起こしやす
く、電池特性の低下を引き起こしたり、安全性に問題が
あった。そこで、リチウムまたはリチウム合金に代え
て、活性炭や黒鉛などの炭素材料を負極活物質として用
いることが、特開平6−84515号などにおいて検討
されている。
【0004】しかしながら、上記のような炭素材料を用
いた場合、炭素材料表面で電解液とリチウムが反応し、
リテンション(充電容量と放電容量の差)が大きくな
り、サイクル特性の優れた電池を得ることが難しいとい
う問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の非水二次電池における問題点を解決し、サイク
ル特性の優れた非水二次電池を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、負極の炭素材料
表面の電解液とリチウムとの反応により得られる情報を
利用し、下記の特性を有する炭素材料を負極に用いるこ
とによって、サイクル特性の優れた非水二次電池を得る
ことができることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0007】すなわち、本発明は、リチウム含有遷移金
属酸化物を活物質とする正極、炭素材料を活物質とする
負極、有機溶媒系の電解液およびセパレータを有する非
水二次電池において、変調周波数1.6kHzのPAS
分析法により得られたセパレータの負極と対向する側の
赤外PASスペクトルについて、1739cm-1付近の
生成物の特性吸収ピーク強度(光音響信号強度)と29
22cm-1付近のセパレータの特性吸収ピーク強度(光
音響信号強度)との比が0.001以上0.1以下であ
ることを特徴とする非水二次電池である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にいう、PAS分析法と
は、Photoacoustic Spectrosc
opy(光音響分光法)のことであり、このPAS分析
法は試料に断続光を照射して試料内に生じた周期的な熱
変化を最終的に圧力変化として検出する方法であって、
in−situ(その場)での測定が可能となる。
【0009】より具体的に説明すれば、まず、変調され
た赤外光が試料によって吸収されると、入射光に対応し
た熱が発生する。この発生した熱は、周囲の気体層に圧
力変化を起こすので、この変化を高感度マイクロホンに
より検出する。そして、これをフーリエ変換することに
よって、通常の赤外吸収スペクトルと同様のスペクトル
が得られる。
【0010】本発明において、負極の炭素材料そのもの
をPAS分析せずに、セパレータの負極と対向する側を
分析しているのは、次の理由によるものである。すなわ
ち、負極の炭素材料の表面には電解液などが数多く吸着
していて、それらの官能基に基づく多くのピークが重な
り合っているために、ピーク強度を定量する時、各ピー
ク点が重なって定量誤差が大きくなるのに対し、セパレ
ータの分析ピークにはセパレータに基づくピークと炭素
材料表面の生成物のピーク以外はほとんど検出されず、
検討しやすいからである。
【0011】本発明は、上記PAS分析法による測定の
結果、セパレータの負極と対向する側のPAS分析法に
よる測定で1739cm-1付近のピーク強度と2922
cm-1付近のピーク強度との比1739cm-1/292
2cm-1が0.001以上0.1以下であるときに、サ
イクル特性を改善することができることを見出したもの
である。
【0012】本発明において、PAS分析測定により得
られた赤外PASスペクトルの特性吸収ピークは、電池
の系によりある程度はシフトする(ピーク位置が変る)
ので、1739cm-1付近の特性吸収ピーク強度は、1
650〜1800cm-1の範囲に見られる各特性吸収ピ
ークのうち、他のピークと重ならない、セパレータ
の表面の生成物の量が多くなっても相互作用が見られな
い、セパレータのピークと区別できる、という〜
の条件を満たすピークの中から最大強度のものを選ぶこ
とが好ましい。なお、変調周波数1.6kHzを用いる
のは、この〜の条件を満たすピークを最も顕著に確
認できるからである。
【0013】本発明における、1739cm-1付近の特
性吸収ピークは、炭素材料表面において電解液とリチウ
ムとの反応による生成物を構成している結合のうち、ν
C=O(エステル)基伸縮振動に基づくピークであると
考えられる。そして、この特性吸収ピークを示す生成物
の官能基はイオン導電にも寄与するものであると考えら
れることから、炭素材料表面にこれらの官能基を有する
生成物が形成されると、その生成物が炭素材料表面を不
活性化する電解液の有機溶媒と炭素材料表面との直接接
触を防止するので、リチウムイオンが炭素材料にドープ
する際、電解液の有機溶媒とリチウムとの反応が抑制さ
れ、それによって、サイクル特性が向上するものと考え
られる。
【0014】また、2922cm-1付近のピークは、セ
パレータ材料のC−H結合を示すものであり、セパレー
タの負極と対向する側の表面に付着した炭素材料表面の
生成物量を測定する基準となるものである。すなわち、
その基準となるセパレータの特性吸収ピークとしては、
2922cm-1付近のνC−H基の非対称伸縮振動を用
いる。このセパレータの2922cm-1付近の特性吸収
ピークは、2800〜3000cm-1のうち、他のピ
ークと重ならない、セパレータ中の炭化水素量が多く
なっても相互作用が見られない、というおよびの条
件を満たすピークのうち、最大強度のものを選ぶことが
好ましい。
【0015】従って、本発明における、PAS分析法に
より得られた1739cm-1付近の特性吸収ピーク強度
と2922cm-1付近の特性吸収ピーク強度との比は、
炭素材料表面の生成物が多いか少ないかを示しており、
1739cm-1付近の生成物の特性吸収ピーク強度と2
922cm-1付近のセパレータの炭化水素の特性吸収ピ
ーク強度との比が大きいということは、負極の炭素材料
表面上に電解液とリチウムの反応により生成した生成物
が多く存在していることを意味していて、上記のピーク
強度比が大きすぎるときは、上記の生成物によって抵抗
が大きくなり、サイクル特性が悪くなってしまう。
【0016】一方、上記のピーク強度比が小さいという
ことは、炭素材料表面の生成物が少ないことを示してお
り、そのピーク強度比が小さすぎるときは、上記生成物
による充放電反応時の電解液とリチウムとの反応を抑制
する効果が充分に発現しなくなり、この場合もサイクル
特性が悪くなる。
【0017】本発明者らは、このピーク強度比とサイク
ル特性との関係について鋭意研究を重ねた結果、173
9cm-1付近の生成物の特性吸収ピーク強度と2922
cm-1付近のセパレータの炭化水素の特性吸収ピーク強
度との比が0.001以上0.1以下の場合に、サイク
ル特性を向上できることを見出した。このピーク強度比
が上記範囲より大きい場合も、また小さい場合も、前記
のように、それぞれ理由は異なるけれども、サイクル特
性が悪くなる。
【0018】これまで、炭素材料表面の分析には、XP
S(X線光電子分光法)やFTIR・ATR(フーリエ
変換赤外減衰全反射)法によって行われてきたが、これ
らは、負極を電池内から取り出して、ex−situ
(系外)条件で分析する方法であるため、測定試料が酸
化された状態でしか分析することができず、電池内の負
極の炭素材料表面での電解液とリチウムとの反応形態を
直接確認することができないため、サイクル特性に関す
る有用な情報を得ることができなかったが、本発明のP
AS分析法によれば、電池内と同じ条件である、in−
situ条件で、負極の炭素材料表面を分析でき、しか
も、このPAS分析法によって負極そのものでなく、セ
パレータの負極と対向する側を測定することによって、
サイクル特性に関連する情報を導き出すことができる。
【0019】本発明において、負極活物質の前駆体とな
る物質としては、リチウムイオンをドープ、脱ドープで
きるものであって、例えば、熱分解炭素類、コークス
類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソ
カーボンマイクロビーズ、炭素繊維、活性炭などを用い
ることができる。そして、本発明において負極活物質と
なる炭素材料は、上記に列挙した各物質を炭素化するこ
とによって得られるものである。
【0020】本発明において、PAS分析法による所定
のピーク強度比を有する炭素材料表面を作製する方法と
しては、種々の方法が考えられ、例えば、電解液中に二
酸化炭素をバブリングしたり、液体二酸化炭素を溶解さ
せる方法なども挙げられるが、これらは一定の膜厚にな
るように制御することが難しい。
【0021】そのため、本発明者らは、種々検討を重ね
た結果、最も簡易でかつ安価に実施できる方法として、
電池にエージングを施すことにより、本発明の負極活物
質となり得る炭素材料を作製できることを見出した。
【0022】このエージングについて説明すると、ま
ず、作製した電池を低レートでCVCC充電(定電流お
よび定電圧充電)を行う。その際の電池の充電状態とし
ては、30〜100%充電している状態が好ましく、特
に60〜100%充電している状態が好ましい。
【0023】ついで、この充電状態にある電池を30〜
80℃、好ましくは40〜70℃の温度範囲で所定時間
貯蔵する。これは、30℃より低い場合は、温度が低す
ぎるため、一定量の生成物を炭素材料表面に生成させる
ことが難しくなり、また80℃より高くなると、電解液
の分解が起こる可能性が高くなるからである。そして、
このようなエージングにより、充放電に適した炭素材料
表面を作製することができる。
【0024】本発明において、正極活物質としては、例
えば、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化
物、リチウムコバルト酸化物(これらは、通常、それぞ
れ、LiNiO2 、LiMnO2 、LiCoO2 などで
表すが、これらのLiとNiの比、LiとMnの比、L
iとCoの比は化学量論組成からずれている場合が多
い)などのリチウム含有遷移金属酸化物が単独でまたは
2種以上の混合物として用いられる。
【0025】そして、正極は、上記正極活物質に、必要
に応じて、例えば、りん(鱗)状黒鉛、アセチレンブラ
ック、カーボンブラックなどの導電助剤と、例えば、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エ
チレンプロピレンジエンターポリマーなどのバインダー
を加えて調製した正極合剤を加圧成形するか、あるいは
さらに溶剤を加えてペースト状にし、それを金属箔(例
えば、アルミニウム箔、チタン箔、白金箔など)などか
らなる集電体上に塗布、乾燥する工程を経て作製され
る。ただし、正極の作製方法は上記例示のものに限定さ
れることはない。
【0026】本発明において、負極は、前記の負極活物
質前駆体としての物質に、必要に応じて、例えば、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチ
レンプロピレンジエンターポリマーなどのバインダーを
適宜加え、混合して調製した負極合剤を加圧成形する
か、あるいは、さらに溶剤を加えてペースト状にし、そ
のペーストを金属箔(例えば、銅箔、ニッケル箔など)
などからなる集電体上に塗布、乾燥する工程を経て作製
された電極体を電池に組み込み、例えばエージングし
て、炭素材料が特定のピーク強度比を持つようにするこ
とによって作製される。ただし、負極の前駆体としての
電極体の作製方法は上記例示の方法に限定されることは
ない。
【0027】また、電解液は、有機溶媒に電解質を溶解
させることによって調製されるが、その際の有機溶媒と
しては、誘電率の高いエステルや粘度の低いエーテルや
エステルなどを用いることが好ましい。
【0028】誘電率の高いエステルとしては、例えば、
プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネー
ト(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ガンマ−
ブチロラクトン(γ−BL)などが挙げられる。
【0029】粘度の低いエーテルとしては、例えば、
1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジオキソラン
(DO)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチル
−テトラヒドロフラン(Me−THF)、ジエチルエー
テル(DEE)などが挙げられる。粘度の低いエステル
としては、例えば、メチルエチルカーボネート(ME
C)、ジエチルカーボネート(DEC)などが挙げられ
る。
【0030】そのほか、イミド系有機溶媒や、含イオウ
または含フッ素系有機溶媒、リン酸トリアルキルなども
用いることができる。
【0031】本発明において、電解液の電解質として
は、例えば、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、
LiAsF6 、LiSbF6 、LiCF3 SO3 、Li
CF3CO2 などや、そのほかLi2 C2 F4 (S
O3 )2 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiC(CF3
SO2 )3 、LiCn F2n+1SO3 (n≧2)などが単
独でまたは2種以上混合して用いられる。それらの中で
も、LiPF6 やLiCn F2n+1SO3 (n≧2)は充
放電特性が良好なことから好適に用いられる。これら電
解質の電解液中の濃度は、特に限定されるものではない
が、通常0.1〜2mol/l、特に0.4〜1.4m
ol/l程度が好ましい。
【0032】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0033】実施例1 負極活物質前駆体として、石油ピッチより抽出したカー
ボンマイクロビーズを3000℃で熱処理したバルクカ
ーボンを粉砕して平均粒径10μmの粉末を用意した。
この粉末の層間距離d002 は3.36Åであり、c軸方
向の結晶子サイズLcは1334Åであった。この粉末
9重量部と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン1
重量部、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを用い
て負極合剤スラリーを調製し、帯状の銅箔からなる負極
集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、その後、ローラ
ープレス機により圧縮成形し、リード体を溶接して、負
極の前駆体となる帯状の電極体を作製した。
【0034】つぎに、LiCoO2 90重量部に黒鉛6
重量部とポリフッ化ビニリデン4重量部を加え混合し、
N−メチルピロリドンで溶解してスラリーにした。この
正極合剤スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔から
なる正極集電体の両面に均一に塗布して乾燥し、その
後、ローラープレス機により圧縮成形し、リード体の溶
接を行って、帯状の正極を作製した。
【0035】上記の帯状正極に厚さ25μmの微孔性ポ
リエチレンフィルムからなるセパレータを介して前記負
極の前駆体としての帯状電極体を重ね、渦巻状に巻回し
て渦巻状電極体とした後、外径15mm、高さ40mm
の有底円筒状の電池ケース内に充填し、正極および負極
の電極体のリード体の溶接を行った後、電解液を電池ケ
ース内に注入した。
【0036】上記電解液は、LiPF6 をエチルメチル
カーボネートに溶解させた後、エチレンカーボネートを
加えて混合して調製したもので、LiPF6 がエチレン
カーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(M
EC)との体積比1:1の混合溶媒中に1.0mol/
l溶解した有機溶媒系の電解液である。この電解液の組
成は1.0mol/l LiPF6 /EC:MEC(体
積比1:1)で示される。
【0037】つぎに、常法にしたがって、電池ケースの
開口部を封口し、図1に示す構造の筒形の非水二次電池
を作製した。
【0038】図1に示す電池について説明すると、1は
前記の正極で、2は負極である。ただし、図1では、繁
雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使
用された集電体などは図示していない。そして、3はセ
パレータで、4は電解液である。
【0039】5はステンレス鋼製の電池ケースであり、
この電池ケース5は負極端子を兼ねている。電池ケース
5の底部にはポリテトラフルオロエチレンシートからな
る絶縁体6が配置され、電池ケース5の内周部にもポリ
テトラフルオロエチレンシートからなる絶縁体7が配置
されていて、前記正極1、負極2およびセパレータ3か
らなる渦巻状電極体や、電解液4などは、この電池ケー
ス5内に収容されている。
【0040】8はステンレス鋼製の封口板であり、この
封口板8の中央部にはガス通気孔8aが設けられてい
る。9はポリプロピレン製の環状パッキング、10はチ
タン製の可撓性薄板で、11は環状でポリプロピレン製
の熱変形部材である。
【0041】上記の熱変形部材11は温度によって変形
することにより、可撓性薄板10の破壊圧力を変える作
用をする。
【0042】12はニッケルメッキを施した圧延鋼製の
端子板であり、この端子板12には切刃12aとガス排
出孔12bとが設けられていて、電池内部にガスが発生
して電池の内部圧力が上昇し、その内圧上昇によって可
撓性薄板10が変形したときに、上記切刃12aによっ
て可撓性薄板10を破壊し、電池内部のガスを上記ガス
排出孔12bから電池外部に排出して、電池の高圧下で
の破壊が防止できるように設計されている。
【0043】13は絶縁パッキングで、14はリード体
であり、このリード体14は正極1と封口板8とを電気
的に接続しており、端子板12は封口板8との接触によ
り正極端子として作用する。また、15は負極2と電池
ケース5とを電気的に接続するリード体である。
【0044】この電池を0.2Cで8時間充電した後、
60℃で10時間貯蔵してエージングした。この電池を
放電後、グローブボックスのアルゴン雰囲気中(露点温
度−40℃以下)にて分解し、セパレータをエチルメチ
ルカーボネートで洗浄後、真空乾燥し、PASセル内に
サンプリングして密閉した。その後、PASセルをFT
−IR試料室中にセットし、PASセル内をHe(ヘリ
ウム)で置換してセパレータの負極側のFT−IR分析
を行った。
【0045】PAS分析条件は次の表1に示す通りであ
る。
【0046】
【表1】 ※1:米国のマトソン(Mattson)社製 ※2:米国のエムテック(MTEC)社製
【0047】この実施例1の電池に関して上記条件下で
のPAS分析測定により得られたセパレータの負極と対
向する側の赤外PASスペクトルを図2に示す。また、
図2のA部の詳細を図3に拡大して示す。
【0048】これらの図に示すように、負極の炭素材料
表面の生成物の特性吸収ピークの位置は1739cm-1
であり、ポリエチレン製セパレータの特性吸収ピークの
位置は2922cm-1であって、そのピーク強度比17
39cm-1/2922cm-1の値は0.0136であっ
た。
【0049】実施例2 実施例1における60℃で10時間という条件下でのエ
ージングに代えて、45℃で10時間貯蔵してエージン
グしたほかは、実施例1と同様の方法で試料を作製し、
PAS分析を行った。その結果、この実施例2の負極の
炭素材料表面の生成物の特性吸収ピークとセパレータの
特性吸収ピークの位置は、両者とも実施例1と同じであ
り、そのピーク強度比1736cm-1/2922cm-1
の値は0.0086であった。
【0050】実施例3 実施例1における60℃で10時間という条件下でのエ
ージングに代えて、60℃で10時間貯蔵してエージン
グしたほかは、実施例1と同様の方法で試料を作製し、
PAS分析を行った。その結果、この実施例3の負極の
炭素材料表面の生成物の特性吸収ピークとセパレータの
特性吸収ピークの位置は、両者とも実施例1と同じであ
り、そのピーク強度比1737cm-1/2922cm-1
の値は0.0871であった。
【0051】実施例4 電解液として、LiPF6 をジエチルカーボネート(D
EC)に溶解させた後、エチレンカーボネート(EC)
を加えて混合して調製した組成が1.0mol/l L
iPF6 /EC:DEC(体積比1:1)で示される有
機溶媒系の電解液を用いたほかは、実施例1と同様の方
法で試料を作製し、PAS分析を行った。その結果、こ
の実施例4の負極の炭素材料表面の生成物の特性吸収ピ
ークの位置は1738cm-1であり、ピーク強度比17
38cm-1/2922cm-1の値は0.0082であっ
た。
【0052】実施例5 電解質としてLiPF6 を代えて、C4 F9 SO3 Li
を用いたほかは、実施例1と同様の方法で試料を作製
し、PAS分析を行った。その結果、この実施例5の負
極の炭素材料表面の生成物の特性吸収ピークの位置は1
740cm-1であり、ピーク強度比1740cm-1/2
922cm-1の値は0.0075であった。
【0053】実施例6 負極活物質前駆体としてコークスを1200℃で熱処理
したものを粉砕して10μmの粉末を用意した。この粉
末の層間距離d002 は3.43Åであり、c軸方向の結
晶子サイズLcは32Åであった。この粉末を用いたほ
かは、実施例1と同様の方法で試料を作製し、PAS分
析を行った。
【0054】その結果、この実施例6の負極の炭素材料
表面の生成物の特性吸収ピークの位置は1735cm-1
であり、ピーク強度比1735cm-1/2922cm-1
の値は0.0125であった。
【0055】実施例7 セパレータとして微孔性ポリプロピレンフィルムを用い
たほかは、実施例1と同様の方法で試料を作製し、PA
S分析を行った。その結果、この実施例7の負極の炭素
材料表面の生成物の特性吸収ピークの位置は1680c
m-1であり、セパレータの特性吸収ピークの位置は28
70cm-1であって、そのピーク強度比1680cm-1
/2870cm-1の値は0.0035であった。
【0056】比較例1 実施例1における60℃で10時間という条件下でのエ
ージングに代えて、80℃で20日間貯蔵してエージン
グしたほかは、実施例1と同様の方法で試料を作製し、
PAS分析を行った。その結果、この比較例1の負極の
炭素材料表面の生成物の特性吸収ピークとセパレータの
特性吸収ピークの位置は、両者とも実施例1と同じであ
り、そのピーク強度比1737cm-1/2922cm-1
の値は0.2551であった。
【0057】比較例2 実施例1における60℃で10時間という条件下でのエ
ージングに代えて、25℃で10時間貯蔵してエージン
グしたほかは、実施例1と同様の方法で試料を作製し、
PAS分析を行った。その結果、この比較例2の負極の
炭素材料表面の生成物の特性吸収ピークとセパレータの
特性吸収ピークの位置は、両者とも実施例1と同じであ
り、そのピーク強度比1739cm-1/2922cm-1
の値は0.0005であった。
【0058】上記実施例1〜7および比較例1〜2の電
池について、0.5Cで電圧2.7〜4.2Vの範囲で
充放電させ、放電容量が初期の放電容量の95%に低下
するまでのサイクル数を調べた。そのサイクル数とピー
ク強度比(PAS分析測定により得られたセパレータの
負極と対向する側の赤外PASスペクトルについて、1
739cm-1付近の特性吸収ピーク強度と2922cm
-1付近の特性吸収ピーク強度との比)との関係を表2に
示す。
【0059】
【表2】
【0060】表2に示すように、ピーク強度比、すなわ
ち、PAS分析測定により得られたセパレータの負極と
対向する側の赤外PASスペクトルについて、1739
cm-1付近の特性吸収ピーク強度と2922cm-1付近
の特性吸収ピーク強度との比が0.001以上0.1以
下の範囲内にある実施例1〜7は、ピーク強度比が上記
範囲外の比較例1〜2に比べて、サイクル数(放電容量
が初期の放電容量の95%に低下するまでのサイクル
数)が多く、サイクル特性が優れていた。
【0061】すなわち、上記ピーク強度比が0.1より
大きい比較例1も、また上記ピーク強度比が0.001
より小さい比較例2も、実施例1〜7に比べて、サイク
ル数が少なく、充分なサイクル特性を有していなかっ
た。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、リチウ
ム含有遷移金属酸化物を活物質とする正極、炭素材料を
活物質とする負極、有機溶媒系の電解液およびセパレー
タを有する非水二次電池において、PAS分析測定によ
り得られたセパレータの負極と対向する側の赤外PAS
スペクトルについて、1739cm-1付近の特性吸収ピ
ーク強度と2922cm-1付近の特性吸収ピーク強度と
の比を0.001以上0.1以下にすることによって、
サイクル特性の優れた非水二次電池を提供することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水二次電池の一例を模式的に示す断
面図である。
【図2】実施例1の電池に関して、変調周波数1.6k
HzのPAS分析測定により得られたセパレータの負極
と対向する側の赤外PASスペクトルを示す図である。
【図3】図2のA部の拡大図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 電解液

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム含有遷移金属酸化物を活物質と
    する正極、炭素材料を活物質とする負極、有機溶媒系の
    電解液およびセパレータを有する非水二次電池におい
    て、変調周波数1.6kHzのPAS(光音響分光法)
    分析測定により得られたセパレータの負極と対向する側
    の赤外PASスペクトルについて、1739cm-1付近
    の特性吸収ピーク強度(光音響信号強度)と2922c
    m-1付近の特性吸収ピーク強度(光音響信号強度)との
    比が0.001以上0.1以下であることを特徴とする
    非水二次電池。
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